JP2004168172A - 車両ルーフ部の吸音構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、吸音性能を高めることができる一方で、ルーフパネルの汚れ付着を防止することができる、ルーフ部の吸音構造の提供を目的とする。
【解決手段】本発明の吸音構造は、音のエネルギを吸収することができる吸音層と、前記吸音層とルーフパネルの間に形成される空気層と、前記空気層を車室側に開口を持つセル構造に仕切る仕切り板とを備え、前記吸音層が、車室空間と前記空気層との間の空気の流通を許容する材料又は構造からなることを特徴とする。
【選択図】 図2
【解決手段】本発明の吸音構造は、音のエネルギを吸収することができる吸音層と、前記吸音層とルーフパネルの間に形成される空気層と、前記空気層を車室側に開口を持つセル構造に仕切る仕切り板とを備え、前記吸音層が、車室空間と前記空気層との間の空気の流通を許容する材料又は構造からなることを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耳障りな騒音を吸収するための吸音構造に係り、より詳細には、車両のルーフ部の吸音構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、車両のルーフ部の吸音構造として、騒音の周波数特性に合わせて高密化された緻密層を含む吸音層を備えた吸音構造が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この吸音構造の緻密層は、膜を形成するように繊維を密集させて形成したものであり、遮音性能を高める機能を有する。また、車室内に配置される他の内装材との関係で吸音周波数特性が最適化された内装材としてのルーフトリムが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
また、通気性のある材料から形成されたルーフトリムと、ルーフトリムを介してルーフパネルに固定された天井灯や室内灯等のドームランプとからなる吸音構造が知られている(例えば、特許文献3参照。)。この従来の吸音構造によれば、ルーフトリムに通気性のない樹脂フィルム等が使用されていないため、ルーフトリムとルーフパネルとの間の空気層により吸音を図ることができる。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−313597号公報
【特許文献2】
特開平11−115645号公報
【特許文献3】
特開2000−219090号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、車両のルーフ部に配設されるルーフトリムは、一般的に、車室側の表皮に汚れが付着しないように、通気性のない材料から形成されている。即ち、ルーフトリムは、車室前側からルーフトリムを通過し車室後側で当該ルーフトリムから抜け出る空気流れが生じないように、通気性のない層を含み、当該空気流れに起因した汚れの付着が防止されている。
【0006】
このため、従来のルーフ部の吸音構造においては、上記特許文献1の吸音構造の如く、ルーフトリムを通過する空気の流れを防止しつつ、ルーフトリムの吸音・遮音性能を高めるために、ルーフトリムに膜構造の緻密層を設けて、当該緻密層により空気の流れを遮断しつつ吸音効果を高めることが一般的であった。
【0007】
従って、従来のルーフ部の吸音構造においては、ルーフトリムを通気性のある材料により形成し、車室空間との間で空気の流通が可能な空気層をルーフトリムとルーフパネルの間に形成することは、ルーフトリムの汚れの原因となる空気の流れを許容することになるため、ルーフトリムの軽量化を図りつつ吸音性能を高める上で最も有利であるにも拘らず採用されていなかった。
【0008】
一方、上記特許文献3の吸音構造においては、ルーフトリムとルーフパネルの間の空気層と車室空間との間の空気の流通は、ドームランプに設けられた通気部を介して実現されるが、車両後方に流れる空気をドームランプの通気部のみを介して空気層に導入することは困難であり、結果的に、通気性のあるルーフトリムを通過する車両後方への空気流れが少なからず生ずることになる。また、ドームランプの通気部を介する空気流れによりドームランプのランプカバーに汚れが付着することも考えられる。
【0009】
そこで、本発明は、吸音性能を高めるべく車室空間との間で空気の流通が可能な空気層をルーフ部に形成しつつ、ルーフ部の汚れを防止することが可能な吸音構造の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、請求項1に記載する如く、車両のルーフ部の吸音構造であって、
空気の通過を許容する材料又は構造からなる吸音層と、
前記吸音層の背後に形成される空気層と、
前記空気層を車両前後方向に仕切る仕切り板とを備えることを特徴とする吸音構造によって達成される。
【0011】
本発明において、車室空間の音波は、吸音層を通って空気層内へと入射することができ、空気層内において定在波が形成されることになるので、吸音層による効率的な吸音を実現することができる。一方、吸音層を介して空気層内に流入して車両後方に流れる空気は、その流れが仕切り板により遮断されるので、ルーフ部の汚れを防止することができる。即ち、空気層が仕切り板により車両前後方向で仕切られることで、吸音層を通る空気の流通が許容されつつ、車両後方に向かう空気の流れが制限されるので、効果的な吸音とルーフ部の汚れの防止との両立が可能となる。また、空気層を格子状に仕切る仕切り板を設けることにより、音波の進行方向が様々である車室内音場においても空気層内への音波の斜め入射が制限され、吸音効果が着目周波数以外の周波数帯域に大きく分散されるのを防止することができる。
【0012】
また、吸音層背後の空気層の厚さが、吸収すべき周波数帯域の音波の波長の1/4の奇数倍に設定される場合には、仕切り板と吸音材との間の空気層内の音波は、最も高い粒子速度を持つ位置で吸音材を通過することになり、最も効率的に音波のエネルギを減衰することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明による吸音構造を備えたルーフ部を示す概略図である。本発明の吸音構造は、ルーフパネル90に取り付けられる内装材であるルーフトリム50に適用される。本発明のルーフトリム50は、以下で詳説するように、吸音材51と、仕切り板52とから構成される。尚、本発明の吸音構造が適用されたルーフトリム50は、一般的なルーフトリムと同様、ルーフパネル90にクリップやビス等により装着することができる。
【0014】
吸音材51は、ルーフトリム50の表皮として具現化される。吸音材51は、一般的なルーフトリムの表皮等に使用される材料(例えば、ポリエステル繊維)から形成され、通気性を有する。但し、吸音材51は、通気性及び吸音特性を有する限り、グラスウールやロックウール等の無機質繊維、アルミニウム繊維等の金属繊維材料、ポリスチレン系樹脂やポリエチレン系樹脂等のような合成樹脂発泡体、ウレタンやゴム系の軟質な材料、多孔質材料等から形成されてよく、又は、これら材料を含む適切な種々の材料の複合体若しくは積層体により構成されてもよい。
【0015】
図2は、仕切り板52を部分的に示す斜視図である。仕切り板52は、ルーフパネル90の表面に沿った略平らな表面を有する基板52cと、基板52cに対して略垂直(図中Z軸方向)に立設され、車幅方向(図中Y軸方向)に延在する第1群の板材52aと、基板52cに対して略垂直(図中Z軸方向)に立設され、車両前後方向(図中X軸方向)に延在する第2群の板材52bとから構成されている。尚、上述の吸音材51は、第1群及び第2群の板材52a、52bを挟んで基板52cと対向するように設けられる。
【0016】
第1群の隣接する2つの板材52aは、第2群の隣接する2つの板材52bと交差して、これらの4つの板材52a、52bが側壁となり基板52cが底部となる空間部、即ち、車室側で開口し車両上下方向(図中Z軸方向)に延在する空気層70を形成する。他言すると、この仕切り板52は、基板52cをルーフパネル側にして吸音材51とルーフパネル90との間に配設され、吸音材51の背後(図中Z方向)に形成される空気層をセル構造に仕切る役割を果たす。
【0017】
仕切り板52は、軽量化の観点からアルミニウム板から形成されるが、本発明はこれに限定されることはなく、仕切り板52は、鋼板等により形成されてもよく、ポリプロピレン系樹脂のような硬質樹脂で一体成形されてもよい。
【0018】
図3は、車室内のルーフ部付近の空気流れを示す説明図であり、図3(A)は、本発明の吸音構造が適用されたルーフ部付近の空気流れを示し、図3(B)は、本発明の仕切り板52がない場合のルーフ部付近の空気流れを示している。
【0019】
一般的に、車室内のルーフ部付近では、車両前部のインストルメントパネル(図示せず)に形成されるエアーコンディショナー用の吹き出し口からの車両後方に流れる空気の流れに従って、車両後方に向かう空気の流れが生じている。
【0020】
従って、本発明の仕切り板52が設けられていない場合では、図3(B)示すように、吸音材51とルーフパネル90との間の空気層には、吸音材51前部から後部に向かう空気の流れが生じる。この空気の流れがルーフトリムの表皮(吸音材51)の汚れの原因であり、これに対して、従来的には、この空気の流れの発生を防止すべく(即ち、空気の侵入を防止すべく)、ルーフトリムの表皮(吸音材51)の裏側には、ポリエチレンシートなどの通気性が全くないシート材が設けられるか、或いは、かかるシート材の機能をも果たす緻密な層が設けられていた。
【0021】
一方、本発明の仕切り板52が設けられた場合、図3(A)示すように、基板52c及び第1群の板材52aの存在により上述のような空気流れが発生することがなく、通気性のある吸音材51を介して出入する空気流は車両上下方向の交流的な微小な振動が発生するのみとなる。即ち、本発明による吸音構造によれば、汚れの原因となる直流的な空気流れを発生させることなく、吸音材51を介した空気層70への音波入力が可能となる。
【0022】
次に、かかる空気層70内へ入射する騒音に対して効率的な吸音を実現する本発明の吸音構造の吸音原理について図4を参照して説明する。
【0023】
図4(A)を参照するに、波長λの音波が基板52cに対して略垂直に入射した場合、空気層70内には入射波と反射波との合成により定在波が形成される。この定在波は、波長λの1/4の奇数倍だけ基板52cから離れた位置で腹を有しており、当該腹で音波の粒子速度が最大となる。従って、粒子速度が最大となる位置に吸音材51を設け、最も高いエネルギを持つ位置で音波を吸音材51に通過させれば、最も効率的に音波を減衰させることができる。即ち、基板52cと吸音材51との間の空気層70の厚さを、吸収すべき音波の波長λの1/4倍(若しくはその奇数倍)に設定することにより、当該吸収すべき音波の周波数付近での吸音率を大幅に高めることができる。
【0024】
ところで、音波が基板52cに対して斜め方向から入射した場合、図4(B)に示すように、上述のような定在波が形成されることはない。従って、音波が様々な方向から入射する車室内音場では、吸収すべき音波の周波数以外の周波数帯域に吸音効果が大きく分散し、全体としての吸音性能が低下することになる。また、吸音効果が広範な周波数帯に亘り配分され、音圧レベルが広範な周波数帯に亘り全体的に低下するので、人が感じる官能的な効果として大きな改善が現れないことにもなる。
【0025】
これに対して、本発明の吸音構造によれば、図4(C)に示すように、第1群及び第2群の板材52a,52bが斜め方向からの音波の入射を制限する役割を果たすことになり、音波が様々な方向から入射する車室内音場においても、上述のような定在波が各空気層70内に形成されることになる。尚、隣接する2つの仕切り板間の距離W1は、セル内に入射できる音波の入射角の範囲を定める。従って、距離W1を適宜設定することにより、例えば図5(A)に示すように、着目する周波数付近に吸音効果を集中させることや、図5(B)に示すように、着目する周波数を中心とした所望の周波数帯域に亘り吸音効果を分散させることも可能となる。尚、距離W1は、吸収すべき周波数帯域の音波の波長よりも小さく設定され、例えば着目周波数が1kHzである場合、λ=34cmより小さい30cm程度に設定されてよい。
【0026】
以上の通り、本発明による吸音構造によれば、吸音材の背後に空気層を形成して効果的に吸音を図ることができる一方、当該空気層は仕切り板によりセル状に仕切られるので、ルーフトリムの表皮(吸音材)の汚れを防止しつつ、音波が様々な方向から入射する車室内音場に対しても効果的な吸音を実現できる。また、吸音材は、通気性のある材料から形成されるので、ルーフトリムの軽量化を実現することができる。
【0027】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0028】
例えば、上述した実施例では、仕切り板52は、空気の流れを遮断する機能と音波を反射させる機能を持つ基板52cを備えているが、基板52cを備えることなく、ルーフパネル90に基板52cの機能を持たせることも可能である。かかる場合、仕切り板52の第1群及び第2群の板材52a,52bの端部をルーフパネル90に当接させることにより、車両前後方向の空気流れの遮断が実現されてよい。或いは、仕切り板52の第1群及び第2群の板材52a,52bの端部とルーフパネル90との間に、それらの隙間を埋める板厚を有する低ばね材等を設けることも可能である。
【0029】
また、上述した実施例では、仕切り板52は、主に吸音効果を高める機能を持つ第2群の板材52bを備えているが、第1群の板材52aのみにより空気層70をセル構造に仕切る場合であっても、車両前後方向の空気流れを遮断しつつ、効果的な吸音性能を得ることができる。
【0030】
また、上述した実施例では、仕切り板52の第1群の板材52aと第2群の板材52bは、互いに直交するように示されているが、これらが種々の角度で交差した場合であっても、空気層70がセル構造に分割されている限り、上述した実施例と同様の効果を得ることが可能である。同様に、空気層70が複数のセル構造に分割されている限り、仕切り板52の第1群の板材52aは、車幅方向に適当な角度をなして延在してもよく、例えば、第1群の板材52aは、ルーフパネル90の4隅から定義される一方の対角線に沿って延在し、第2群の板材52bは、他方の対角線に沿って延在してもよい。
【0031】
また、仕切り板52は、図6(A)に示すように、一方の群の板材を波型断面の一枚の板材から形成して成るものであってよく、或いは、図6(B)に示すように、車室側に開口する複数の凹部54が形成された一枚の板材から構成されてもよい。これらの場合には、仕切り板52により画成される空気層70は、ルーフパネル側で閉塞されることになるので、遮音性能が向上し、この結果、従来のようにルーフパネルに密度・厚さ・重量の大きな制振材等を設ける必要性がなくなる。
【0032】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したようなものであるから、以下に記載されるような効果を奏する。即ち、本発明によれば、吸音層背後の空気層を利用して効果的に吸音を図ることができる一方で、ルーフ部への汚れ付着を防止することができる。また、音波が様々な方向から入射する車室内音場に対しても効果的な吸音を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸音構造の適用位置を示す概略図である。
【図2】本発明の仕切り板を示す斜視図である。
【図3】図3は、車室内のルーフ部付近の空気流れの説明図であり、図3(A)は、本発明が適用されたルーフ部付近の空気流れを示し、図3(B)は、本発明の比較例を示している。
【図4】本発明の吸音装置による吸音原理の説明図である(その1)。
【図5】本発明の吸音装置による吸音原理の説明図である(その2)。
【図6】本発明の仕切り板の代替実施例を示す斜視図である。
【符号の説明】
50 吸音構造
51 吸音材
52 仕切り板
52a 第1群の板材
52b 第2群の板材
52c 基板
70 空気層
90 ルーフパネル
【発明の属する技術分野】
本発明は、耳障りな騒音を吸収するための吸音構造に係り、より詳細には、車両のルーフ部の吸音構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、車両のルーフ部の吸音構造として、騒音の周波数特性に合わせて高密化された緻密層を含む吸音層を備えた吸音構造が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この吸音構造の緻密層は、膜を形成するように繊維を密集させて形成したものであり、遮音性能を高める機能を有する。また、車室内に配置される他の内装材との関係で吸音周波数特性が最適化された内装材としてのルーフトリムが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
また、通気性のある材料から形成されたルーフトリムと、ルーフトリムを介してルーフパネルに固定された天井灯や室内灯等のドームランプとからなる吸音構造が知られている(例えば、特許文献3参照。)。この従来の吸音構造によれば、ルーフトリムに通気性のない樹脂フィルム等が使用されていないため、ルーフトリムとルーフパネルとの間の空気層により吸音を図ることができる。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−313597号公報
【特許文献2】
特開平11−115645号公報
【特許文献3】
特開2000−219090号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、車両のルーフ部に配設されるルーフトリムは、一般的に、車室側の表皮に汚れが付着しないように、通気性のない材料から形成されている。即ち、ルーフトリムは、車室前側からルーフトリムを通過し車室後側で当該ルーフトリムから抜け出る空気流れが生じないように、通気性のない層を含み、当該空気流れに起因した汚れの付着が防止されている。
【0006】
このため、従来のルーフ部の吸音構造においては、上記特許文献1の吸音構造の如く、ルーフトリムを通過する空気の流れを防止しつつ、ルーフトリムの吸音・遮音性能を高めるために、ルーフトリムに膜構造の緻密層を設けて、当該緻密層により空気の流れを遮断しつつ吸音効果を高めることが一般的であった。
【0007】
従って、従来のルーフ部の吸音構造においては、ルーフトリムを通気性のある材料により形成し、車室空間との間で空気の流通が可能な空気層をルーフトリムとルーフパネルの間に形成することは、ルーフトリムの汚れの原因となる空気の流れを許容することになるため、ルーフトリムの軽量化を図りつつ吸音性能を高める上で最も有利であるにも拘らず採用されていなかった。
【0008】
一方、上記特許文献3の吸音構造においては、ルーフトリムとルーフパネルの間の空気層と車室空間との間の空気の流通は、ドームランプに設けられた通気部を介して実現されるが、車両後方に流れる空気をドームランプの通気部のみを介して空気層に導入することは困難であり、結果的に、通気性のあるルーフトリムを通過する車両後方への空気流れが少なからず生ずることになる。また、ドームランプの通気部を介する空気流れによりドームランプのランプカバーに汚れが付着することも考えられる。
【0009】
そこで、本発明は、吸音性能を高めるべく車室空間との間で空気の流通が可能な空気層をルーフ部に形成しつつ、ルーフ部の汚れを防止することが可能な吸音構造の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、請求項1に記載する如く、車両のルーフ部の吸音構造であって、
空気の通過を許容する材料又は構造からなる吸音層と、
前記吸音層の背後に形成される空気層と、
前記空気層を車両前後方向に仕切る仕切り板とを備えることを特徴とする吸音構造によって達成される。
【0011】
本発明において、車室空間の音波は、吸音層を通って空気層内へと入射することができ、空気層内において定在波が形成されることになるので、吸音層による効率的な吸音を実現することができる。一方、吸音層を介して空気層内に流入して車両後方に流れる空気は、その流れが仕切り板により遮断されるので、ルーフ部の汚れを防止することができる。即ち、空気層が仕切り板により車両前後方向で仕切られることで、吸音層を通る空気の流通が許容されつつ、車両後方に向かう空気の流れが制限されるので、効果的な吸音とルーフ部の汚れの防止との両立が可能となる。また、空気層を格子状に仕切る仕切り板を設けることにより、音波の進行方向が様々である車室内音場においても空気層内への音波の斜め入射が制限され、吸音効果が着目周波数以外の周波数帯域に大きく分散されるのを防止することができる。
【0012】
また、吸音層背後の空気層の厚さが、吸収すべき周波数帯域の音波の波長の1/4の奇数倍に設定される場合には、仕切り板と吸音材との間の空気層内の音波は、最も高い粒子速度を持つ位置で吸音材を通過することになり、最も効率的に音波のエネルギを減衰することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明による吸音構造を備えたルーフ部を示す概略図である。本発明の吸音構造は、ルーフパネル90に取り付けられる内装材であるルーフトリム50に適用される。本発明のルーフトリム50は、以下で詳説するように、吸音材51と、仕切り板52とから構成される。尚、本発明の吸音構造が適用されたルーフトリム50は、一般的なルーフトリムと同様、ルーフパネル90にクリップやビス等により装着することができる。
【0014】
吸音材51は、ルーフトリム50の表皮として具現化される。吸音材51は、一般的なルーフトリムの表皮等に使用される材料(例えば、ポリエステル繊維)から形成され、通気性を有する。但し、吸音材51は、通気性及び吸音特性を有する限り、グラスウールやロックウール等の無機質繊維、アルミニウム繊維等の金属繊維材料、ポリスチレン系樹脂やポリエチレン系樹脂等のような合成樹脂発泡体、ウレタンやゴム系の軟質な材料、多孔質材料等から形成されてよく、又は、これら材料を含む適切な種々の材料の複合体若しくは積層体により構成されてもよい。
【0015】
図2は、仕切り板52を部分的に示す斜視図である。仕切り板52は、ルーフパネル90の表面に沿った略平らな表面を有する基板52cと、基板52cに対して略垂直(図中Z軸方向)に立設され、車幅方向(図中Y軸方向)に延在する第1群の板材52aと、基板52cに対して略垂直(図中Z軸方向)に立設され、車両前後方向(図中X軸方向)に延在する第2群の板材52bとから構成されている。尚、上述の吸音材51は、第1群及び第2群の板材52a、52bを挟んで基板52cと対向するように設けられる。
【0016】
第1群の隣接する2つの板材52aは、第2群の隣接する2つの板材52bと交差して、これらの4つの板材52a、52bが側壁となり基板52cが底部となる空間部、即ち、車室側で開口し車両上下方向(図中Z軸方向)に延在する空気層70を形成する。他言すると、この仕切り板52は、基板52cをルーフパネル側にして吸音材51とルーフパネル90との間に配設され、吸音材51の背後(図中Z方向)に形成される空気層をセル構造に仕切る役割を果たす。
【0017】
仕切り板52は、軽量化の観点からアルミニウム板から形成されるが、本発明はこれに限定されることはなく、仕切り板52は、鋼板等により形成されてもよく、ポリプロピレン系樹脂のような硬質樹脂で一体成形されてもよい。
【0018】
図3は、車室内のルーフ部付近の空気流れを示す説明図であり、図3(A)は、本発明の吸音構造が適用されたルーフ部付近の空気流れを示し、図3(B)は、本発明の仕切り板52がない場合のルーフ部付近の空気流れを示している。
【0019】
一般的に、車室内のルーフ部付近では、車両前部のインストルメントパネル(図示せず)に形成されるエアーコンディショナー用の吹き出し口からの車両後方に流れる空気の流れに従って、車両後方に向かう空気の流れが生じている。
【0020】
従って、本発明の仕切り板52が設けられていない場合では、図3(B)示すように、吸音材51とルーフパネル90との間の空気層には、吸音材51前部から後部に向かう空気の流れが生じる。この空気の流れがルーフトリムの表皮(吸音材51)の汚れの原因であり、これに対して、従来的には、この空気の流れの発生を防止すべく(即ち、空気の侵入を防止すべく)、ルーフトリムの表皮(吸音材51)の裏側には、ポリエチレンシートなどの通気性が全くないシート材が設けられるか、或いは、かかるシート材の機能をも果たす緻密な層が設けられていた。
【0021】
一方、本発明の仕切り板52が設けられた場合、図3(A)示すように、基板52c及び第1群の板材52aの存在により上述のような空気流れが発生することがなく、通気性のある吸音材51を介して出入する空気流は車両上下方向の交流的な微小な振動が発生するのみとなる。即ち、本発明による吸音構造によれば、汚れの原因となる直流的な空気流れを発生させることなく、吸音材51を介した空気層70への音波入力が可能となる。
【0022】
次に、かかる空気層70内へ入射する騒音に対して効率的な吸音を実現する本発明の吸音構造の吸音原理について図4を参照して説明する。
【0023】
図4(A)を参照するに、波長λの音波が基板52cに対して略垂直に入射した場合、空気層70内には入射波と反射波との合成により定在波が形成される。この定在波は、波長λの1/4の奇数倍だけ基板52cから離れた位置で腹を有しており、当該腹で音波の粒子速度が最大となる。従って、粒子速度が最大となる位置に吸音材51を設け、最も高いエネルギを持つ位置で音波を吸音材51に通過させれば、最も効率的に音波を減衰させることができる。即ち、基板52cと吸音材51との間の空気層70の厚さを、吸収すべき音波の波長λの1/4倍(若しくはその奇数倍)に設定することにより、当該吸収すべき音波の周波数付近での吸音率を大幅に高めることができる。
【0024】
ところで、音波が基板52cに対して斜め方向から入射した場合、図4(B)に示すように、上述のような定在波が形成されることはない。従って、音波が様々な方向から入射する車室内音場では、吸収すべき音波の周波数以外の周波数帯域に吸音効果が大きく分散し、全体としての吸音性能が低下することになる。また、吸音効果が広範な周波数帯に亘り配分され、音圧レベルが広範な周波数帯に亘り全体的に低下するので、人が感じる官能的な効果として大きな改善が現れないことにもなる。
【0025】
これに対して、本発明の吸音構造によれば、図4(C)に示すように、第1群及び第2群の板材52a,52bが斜め方向からの音波の入射を制限する役割を果たすことになり、音波が様々な方向から入射する車室内音場においても、上述のような定在波が各空気層70内に形成されることになる。尚、隣接する2つの仕切り板間の距離W1は、セル内に入射できる音波の入射角の範囲を定める。従って、距離W1を適宜設定することにより、例えば図5(A)に示すように、着目する周波数付近に吸音効果を集中させることや、図5(B)に示すように、着目する周波数を中心とした所望の周波数帯域に亘り吸音効果を分散させることも可能となる。尚、距離W1は、吸収すべき周波数帯域の音波の波長よりも小さく設定され、例えば着目周波数が1kHzである場合、λ=34cmより小さい30cm程度に設定されてよい。
【0026】
以上の通り、本発明による吸音構造によれば、吸音材の背後に空気層を形成して効果的に吸音を図ることができる一方、当該空気層は仕切り板によりセル状に仕切られるので、ルーフトリムの表皮(吸音材)の汚れを防止しつつ、音波が様々な方向から入射する車室内音場に対しても効果的な吸音を実現できる。また、吸音材は、通気性のある材料から形成されるので、ルーフトリムの軽量化を実現することができる。
【0027】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0028】
例えば、上述した実施例では、仕切り板52は、空気の流れを遮断する機能と音波を反射させる機能を持つ基板52cを備えているが、基板52cを備えることなく、ルーフパネル90に基板52cの機能を持たせることも可能である。かかる場合、仕切り板52の第1群及び第2群の板材52a,52bの端部をルーフパネル90に当接させることにより、車両前後方向の空気流れの遮断が実現されてよい。或いは、仕切り板52の第1群及び第2群の板材52a,52bの端部とルーフパネル90との間に、それらの隙間を埋める板厚を有する低ばね材等を設けることも可能である。
【0029】
また、上述した実施例では、仕切り板52は、主に吸音効果を高める機能を持つ第2群の板材52bを備えているが、第1群の板材52aのみにより空気層70をセル構造に仕切る場合であっても、車両前後方向の空気流れを遮断しつつ、効果的な吸音性能を得ることができる。
【0030】
また、上述した実施例では、仕切り板52の第1群の板材52aと第2群の板材52bは、互いに直交するように示されているが、これらが種々の角度で交差した場合であっても、空気層70がセル構造に分割されている限り、上述した実施例と同様の効果を得ることが可能である。同様に、空気層70が複数のセル構造に分割されている限り、仕切り板52の第1群の板材52aは、車幅方向に適当な角度をなして延在してもよく、例えば、第1群の板材52aは、ルーフパネル90の4隅から定義される一方の対角線に沿って延在し、第2群の板材52bは、他方の対角線に沿って延在してもよい。
【0031】
また、仕切り板52は、図6(A)に示すように、一方の群の板材を波型断面の一枚の板材から形成して成るものであってよく、或いは、図6(B)に示すように、車室側に開口する複数の凹部54が形成された一枚の板材から構成されてもよい。これらの場合には、仕切り板52により画成される空気層70は、ルーフパネル側で閉塞されることになるので、遮音性能が向上し、この結果、従来のようにルーフパネルに密度・厚さ・重量の大きな制振材等を設ける必要性がなくなる。
【0032】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したようなものであるから、以下に記載されるような効果を奏する。即ち、本発明によれば、吸音層背後の空気層を利用して効果的に吸音を図ることができる一方で、ルーフ部への汚れ付着を防止することができる。また、音波が様々な方向から入射する車室内音場に対しても効果的な吸音を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸音構造の適用位置を示す概略図である。
【図2】本発明の仕切り板を示す斜視図である。
【図3】図3は、車室内のルーフ部付近の空気流れの説明図であり、図3(A)は、本発明が適用されたルーフ部付近の空気流れを示し、図3(B)は、本発明の比較例を示している。
【図4】本発明の吸音装置による吸音原理の説明図である(その1)。
【図5】本発明の吸音装置による吸音原理の説明図である(その2)。
【図6】本発明の仕切り板の代替実施例を示す斜視図である。
【符号の説明】
50 吸音構造
51 吸音材
52 仕切り板
52a 第1群の板材
52b 第2群の板材
52c 基板
70 空気層
90 ルーフパネル
Claims (3)
- 車両のルーフ部の吸音構造であって、
空気の通過を許容する材料又は構造からなる吸音層と、
前記吸音層の背後に形成される空気層と、
前記空気層を車両前後方向に仕切る仕切り板とを備えることを特徴とする、吸音構造。 - 車両のルーフ部の吸音構造であって、
空気の通過を許容する材料又は構造からなる吸音層と、
前記吸音層の背後に形成される空気層と、
前記空気層を格子状に仕切る仕切り板とを備えることを特徴とする、吸音構造。 - 前記空気層の厚さが、吸収すべき周波数帯域の音波の波長の1/4の奇数倍に設定される、請求項1又は2記載の吸音構造。
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