JP7108947B2 - パネル - Google Patents

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Description

本発明は、建具や内装パネル等として用いられるパネルに関する。
従来より、無垢材等からなるパネルに比べて軽量化が図れることから、芯材に面材を貼着した構成とされたいわゆるフラッシュパネル状のパネルが知られている。このような芯材を構成する縦桟材は、木質系材料から形成されているため、反りが生じ易く、パネル自体に反りが生じ易くなるという問題があった。
例えば、下記特許文献1には、矩形状に枠組みされた左右の縦枠部及び上下の横枠部を備えたパネル枠の両面に外面板を設けたフラッシュパネルが開示されている。また、このフラッシュパネルは、縦枠部を構成する複数本の縦桟のうちの内縦桟に、横断面形状が側方に開口した溝形の補強金属板を被せた構成とされている。
特開2014-109115号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されたフラッシュパネルでは、補強金属板が内縦桟のパネル幅方向一方側部位に被せられ、内縦桟のパネル幅方向他方側部位が比較的に大きく露出する構成とされており、更なる改善が望まれる。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、軽量化を図りながらも、反りを抑制し得るパネルを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係るパネルの一例は、木質系材料から形成された縦桟材を有したパネル芯材と、前記パネル芯材のパネル厚さ方向両側に設けられた面材と、パネル厚さ方向両側またはパネル幅方向両側から前記縦桟材を挟むように配され、かつ前記縦桟材が嵌め込まれる凹溝が互いに向き合う方向に開口するように設けられた一対の金属製の補強材と、を備えており、前記縦桟材の長手方向に見た四隅部には、面取り部が設けられており、前記一対の補強材は、前記凹溝の底側を区画する底片部と、前記凹溝の溝幅方向両側を区画する両側片部と、をそれぞれに備え、これら一対の補強材の前記底片部及び前記両側片部のいずれかの片部が前記縦桟材のパネル厚さ方向両面及びパネル幅方向両面に沿わせられており、前記パネル芯材は、前記縦桟材のパネル幅方向両側のそれぞれに接合され、パネル長手方向に間隔を空けて設けられた複数の横桟を備えていることを特徴とする
本発明に係るパネルは、上述のような構成としたことで、軽量化を図りながらも、反りを抑制することができる。
(a)は、本発明の一実施形態に係るパネルの一例を模式的に示す概略正面図、(b)は、同パネルが備えるパネル芯材の一例を模式的に示す概略正面図である。 (a)は、図1(a)におけるX1-X1線矢視に対応させた一部破断概略横断面図、(b)は、図1(b)におけるY部に対応させた概略拡大正面図、(c)は、(b)におけるX2-X2線矢視に対応させた一部破断概略横断面図、(d)は、(c)に対応させた一部省略概略分解横断面図、(e)は、図3(c)におけるX3-X3線矢視に対応させた概略横断面図である。 (a)は、同パネル芯材の一部を省略した概略分解正面図、(b)は、同パネル芯材が備える補強材の一例を模式的に示す一部破断概略正面図、(c)は、同補強材の一部破断概略側面図である。 (a)は、本発明の他の実施形態に係るパネルの一例を模式的に示す概略正面図、(b)は、同パネルが備えるパネル芯材の一例を模式的に示す概略正面図である。
以下に本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
なお、一部の図では、他図に付している詳細な符号の一部を省略している。
また、以下の各実施形態では、各実施形態に係るパネルを戸パネルとして施工した状態を基準として上下方向等の方向を説明する。
図1~図3は、第1実施形態に係るパネルの一例を模式的に示す図である。
本実施形態に係るパネル1は、パネル芯材10のパネル厚さ方向両側に面材28を設けた構成とされている。このような構成とすれば、無垢材等によって中実板状とされたものと比べて、軽量化を図ることができる。つまり、パネル1は、中実板状ではなく、中空状のパネル芯材10のパネル厚さ方向両側に面材28を設けたいわゆるフラッシュパネル状とされている。
また、本実施形態では、パネル1は、住居等の建物に設けられ出入口等となる開口部の吊元側に回転自在に支持されて開き戸を構成する戸パネル1とされている。
この戸パネル1は、図1(a)及び図2(a)に示すように、一方向(上下方向)に長尺な略矩形平板状とされている。
この戸パネル1の戸高寸法(長さ寸法)H1は、当該戸パネル1によって開閉される開口部の開口高に応じた寸法であればよく、標準的な戸高寸法H1、例えば、1800mm~2100mm程度でもよい。また、戸パネル1は、戸高寸法H1が天井高と略同高さ、例えば、2400mm~3000mm程度とされたハイドアを構成するものでもよい。また、戸パネル1の戸幅(パネル幅)寸法は、開口部の開口幅に応じた寸法であればよく、600mm~1200mm程度でもよい。また、戸パネル1の戸厚(パネル厚さ)寸法は、20mm~40mm程度でもよい。
また、この戸パネル1の戸先側端部には、開口部の戸先側縦枠等に設けられるラッチ受(ストライク)に挿入されるラッチ部3が組み込まれている。このようなラッチ部3としては、戸パネル1の戸先側端部に埋込状に設けられたラッチ錠装置2に対して戸幅方向(パネル幅方向)に出没自在とされたラッチボルトのラッチ頭部でもよい。また、図1(a)では、図示を省略しているが、戸パネル1の戸先側端部の戸厚方向両側には、ラッチ錠装置2に連結されてラッチ部3を出没させるハンドルが設けられる。このようなハンドルとしては、レバー状のものや、握玉状のもの、いわゆるプッシュプルハンドル等でもよい。また、ラッチ錠装置2としては、公知のものの採用が可能であり、ラッチ部3の没入を阻止するロック機構を有したものやデッドボルトを出没させるサムターンを備えたものでもよい。
また、ラッチ部3は、戸高方向(パネル長手方向)中央CLよりも下方側に位置するように設けられている。つまり、戸パネル1の下端面からラッチ部3(ラッチ部3の上下方向中心(ラッチセンター))までの戸高方向に沿うラッチ下方側高さ寸法H2よりも戸パネル1の上端面からラッチ部3までの戸高方向に沿うラッチ上方側高さ寸法H3が大とされている。ラッチ下方側高さ寸法H2は、ラッチ錠装置2に連結されるハンドルの高さが操作し易い高さとなるように、適宜の高さとしてもよく、例えば、800mm~1000mm程度でもよく、好ましくは、850mm~950mm程度でもよい。また、ラッチ上方側高さ寸法H3は、上記した戸パネル1自体の戸高寸法H1やラッチ下方側高さ寸法H2に応じて適宜の寸法としてもよい。図例では、ラッチ上方側高さ寸法H3を、ラッチ下方側高さ寸法H2の1.9倍程度とした例を示している。
なお、戸パネル1の吊元側端部に、開口部の吊元側縦枠等に固定される蝶番等の回転連結部材を受け入れる凹所を設けた構成としてもよい。
パネル芯材10は、図1(b)に示すように、枠体を構成する四周枠11を有している。
四周枠11は、上端部に設けられた上横枠部12と、戸幅方向両側に対状に設けられた両側の縦枠部13,13と、下端部に設けられた下横枠部16と、を備えている。また、本実施形態では、四周枠11内に、複数の桟材17,18,19,20と、コア材27と、を設けた構成としている。四周枠11を構成する各枠部12,13,13,16、複数の桟材17,18,19,20及びコア材27の戸厚方向に沿う寸法は、互いに略同寸法とされている。
上横枠部12は、戸幅方向に延びるように長尺状とされている。本実施形態では、上横枠部12の下方側に戸幅方向に延びるように長尺状とされた横桟材を設けた構成としている。また、上横枠部12の下方側に複数(図例では、3本)の横桟材を積み重ねるように設けた構成としている。これら横桟材を含んで上横枠部12として把握するようにしてもよい。つまり、上横枠部12を、複数の横桟材を戸高方向に隣接させて接合した構成としてもよい。このような構成とすれば、上横枠部12の剛性を効果的に向上させることができ、反りや変形等を抑制することができる。また、上横枠部12を、パネル芯材10の上端部に埋込状に設けられる種々の部材の下地として利用したり、戸高寸法H1の調整代として利用したりすることもできる。
下横枠部16は、戸幅方向に延びるように長尺状とされている。本実施形態では、上横枠部12と概ね同様、下横枠部16の上方側に戸幅方向に延びるように長尺状とされた横桟材を設けた構成としている。図例では、下横枠部16の上方側に1本の横桟材を設けた例を示しているが、複数の横桟材を積み重ねるように設けた構成としてもよい。また、横桟材を含んで下横枠部16として把握するようにしてもよい。つまり、下横枠部16を、複数の横桟材を戸高方向に隣接させて接合した構成としてもよい。この下横枠部16を構成する横桟材及び上横枠部12を構成する横桟材の戸高方向に沿う幅寸法は、互いに略同寸法とされている。
また、本実施形態では、これら上下の横枠部12,16と両側の縦枠部13,13とをいわゆる縦勝状に接合した構成としている。つまり、両側の縦枠部13,13の上端部及び下端部の互いに向き合う内側面に上横枠部12及び下横枠部16の長手方向の各端面を当接させ、これら上下の横枠部12,16と両側の縦枠部13,13とを接合した構成としている。なお、上横枠部12及び下横枠部16を構成する横桟材同士及び上下の横枠部12,16と両側の縦枠部13,13とは、ステープル(いわゆるU針)等の止具6(図2(b)参照)や接着剤等を用いて接合されたものでもよい。
両側の縦枠部13,13は、戸高方向に延びるように長尺状とされている。本実施形態では、これら両側の縦枠部13,13のうちの少なくとも一方の縦枠部13,13を、木質系材料から形成された2つの縦桟部14,15を戸幅方向に隣接させて接合した構成としている。このような構成とすれば、少なくとも一方の縦枠部13,13を、単一の縦桟材からなるものとした場合と比べて、剛性を効果的に向上させることができ、反りや変形等を抑制することができる。
また、2つの縦桟部14,15のうちの一方の第1縦桟部14を、戸高方向一方側の長尺縦桟材14aと戸高方向他方側の短尺縦桟材14bとを接合した構成としている。また、2つの縦桟部14,15のうちの他方の第2縦桟部15を、戸高方向他方側の長尺縦桟材15aと戸高方向一方側の短尺縦桟材15bとを接合した構成としている。
上記のような構成とすれば、各縦桟部14,15を、戸高寸法H1に応じた一本の長尺な縦桟材によって構成したものと比べて、2つの縦桟材14,15のうちの少なくとも一つ(例えば、長尺縦桟材)を戸高寸法H1の異なる複数の戸パネル1に対して適用することができ、長尺部材の共用化を図ることができる。また、比較的に戸高寸法H1が大とされた戸パネル1を構成する長尺部材の調達性を向上させることができ、このような戸パネル1を容易に実現することができる。また、各縦枠部13,13を構成する縦桟部14,15のそれぞれを、3本以上の縦桟材を備えた構成としたものと比べて、構造の簡略化が図れ、また、長尺縦桟材14a,15aによって剛性を確保することができる。
また、第1縦桟部14を、戸高方向一方側の長尺縦桟材14aと戸高方向他方側の短尺縦桟材14bとを接合した構成とし、第2縦桟部15を、戸高方向他方側の長尺縦桟材15aと戸高方向一方側の短尺縦桟材15bとを接合した構成としている。このような構成とすれば、各縦桟部14,15のそれぞれの接合位置4,5が互いに戸高方向で異なる位置となり、例えば、接合位置4,5を戸高方向で同位置(同高さ位置)としたものと比べて、剛性が低下するようなことを抑制することができる。
本実施形態では、両側の縦枠部13,13の両方を、木質系材料から形成された2つの縦桟部14,15を戸幅方向に隣接させて接合した構成としている。このような構成とすれば、戸パネル1の戸幅方向両端部の縦枠部13,13の剛性を効果的に向上させることができ、反りや変形等を抑制することができる。なお、これら両側の縦枠部13,13は、互いに同様の構成であるので、以下では、一方を例にとって説明する。
図3(a)に示すように、縦枠部13の第1縦桟部14と第2縦桟部15とは、互いに略同長さとされ、戸高寸法H1に応じた長さとされている。つまり、各縦桟部14,15の長尺縦桟材14a,15aの長さ寸法H7と短尺縦桟材14b,15bの長さ寸法H8とを足し合わせた寸法が戸高寸法H1と略同寸法とされている。また、図例では、戸幅方向外側の縦桟部を第1縦桟部14とし、戸幅方向中央側の縦桟部を第2縦桟部15としている。
また、本実施形態では、第1縦桟部14及び第2縦桟部15の戸幅方向に沿う幅寸法W,Wを互いに略同寸法としている。また、これら縦桟部14,15の長尺縦桟材14a,15a同士及び短尺縦桟材14b,15b同士を略同長さとしている。つまり、第1縦桟部14の長尺縦桟材14aの長さ寸法H7と第2縦桟部15の長尺縦桟材15aの長さ寸法H7とを略同長さとしている。また、第1縦桟部14の短尺縦桟材14bの長さ寸法H8と第2縦桟部15の短尺縦桟材15bの長さ寸法H8とを略同長さとしている。このような構成とすれば、第1縦桟部14の長尺縦桟材14aと第2縦桟部15の長尺縦桟材15aとを同一部品とでき、また、第1縦桟部14の短尺縦桟材14bと第2縦桟部15の短尺縦桟材15bとを同一部品とできる。つまり、縦枠部13の各縦桟部14,15を、互いに略同長さとされた長尺縦桟材14a,15aと互いに略同長さとされた短尺縦桟材14b,15bとによって構成することができる。また、各縦桟部14,15の長尺縦桟材14a,15aを、戸高寸法H1の異なる複数の戸パネル1のそれぞれに対して長さ調整されずに適用される構成とし、短尺縦桟材14b,15bを、戸高寸法H1に応じて長さ調整される調整部材とすることができる。これにより、長尺縦桟材14a,15aを戸高寸法H1の異なる複数の戸パネル1のそれぞれに対して共通部品とすることができ、長尺部材の共用化をより効果的に図ることができる。
また、これら第1縦桟部14及び第2縦桟部15の戸幅方向に沿う幅寸法W,Wは、上下の横枠部12,16を構成する横桟材の戸高方向に沿う幅寸法と略同寸法とされている。
また、本実施形態では、図1(b)に示すように、2つの縦桟部14,15のそれぞれの縦桟材14a,14b,15a,15bの接合位置4,5を、当該戸パネル1を戸高方向に3等分した中央部以外の位置に設けた構成としている。このような構成とすれば、接合位置4,5を戸高方向中央部に設けたものと比べて、互いの接合位置4,5が戸高方向に離間した位置となり、剛性の低下をより効果的に抑制することができる。
第1縦桟部14は、戸高方向一方側となる下方側に長尺縦桟材14aを設け、この長尺縦桟材14aの上方側に短尺縦桟材14bを接合した構成とされている。つまり、この第1縦桟材14の長尺縦桟材14aと短尺縦桟材14bとの接合位置4は、上端側に片寄るように位置している。また、この接合位置4は、戸パネル1を戸高方向に3等分した上側等分ラインL1よりも上側に位置する。つまり、接合位置4は、戸パネル1の上端面から上側等分ラインL1までの間に位置している。
また、第2縦桟部15は、戸高方向他方側となる上方側に長尺縦桟材15aを設け、この長尺縦桟材15aの下方側に短尺縦桟材15bを接合した構成とされている。つまり、この第2縦桟材15の長尺縦桟材15aと短尺縦桟材15bとの接合位置5は、下端側に片寄るように位置している。また、この接合位置5は、戸パネル1を戸高方向に3等分した下側等分ラインL2よりも下側に位置する。つまり、接合位置5は、戸パネル1の下端面から下側等分ラインL2までの間に位置している。
これら各縦桟部14,15の長尺縦桟材14a,15aの長さ寸法H7は、上記のように接合位置4,5が戸高方向中央部に位置しないように、短尺縦桟材14b,15bの長さ寸法H8よりも大とすればよい。また、長尺縦桟材14a,15aの長さ寸法H7は、上記したような標準的な戸高寸法に応じた長さ寸法(例えば、1800mm~2100mm程度)としてもよい。また、短尺縦桟材14b,15bの長さ寸法H8は、戸高寸法H1及び長尺縦桟材14a,15aの長さ寸法H7に応じて適宜の長さとすればよい。
また、本実施形態では、第1縦桟部14の長尺縦桟材14aを下方側に設け、第2縦桟部15の長尺縦桟材15aを上方側に設けた例を示しているが、これらを逆側に設けた構成としてもよい。つまり、第1縦桟部14の長尺縦桟材14aを上方側に設け、第2縦桟部15の長尺縦桟材15aを下方側に設けた構成としてもよい。なお、第1縦桟部14の縦桟材14a,14b同士、第2縦桟部15の縦桟材15a,15b同士及び縦桟部14,15同士は、ステープル等の止具6(図2(b)参照)や接着剤等を用いて接合されたものでもよい。また、縦枠部13としては、上記のような態様に代えて、各縦桟部14,15の接合位置4,5の両方または一方が戸パネル1を戸高方向に3等分した中央部に位置するように設けられたものでもよい。また、第1縦桟部14の長尺縦桟材14aの長さ寸法H7と第2縦桟部15の長尺縦桟材15aの長さ寸法H7とを異ならせてもよい。また、第1縦桟部14の幅寸法Wと第2縦桟部15の幅寸法Wとを異ならせてもよい。
また、本実施形態では、これら両側の縦枠部13,13の戸幅方向外側に向く外側面に、面材28の端部が差し込まれる差込溝13a,13aを全長に亘って設けた構成としている。これら戸幅方向両側の差込溝13a,13aは、戸幅方向外側に向けて開口するように設けられている。また、これら差込溝13a,13aを、各縦枠部13,13の戸厚方向略中心に位置するように設けた構成としている。これら差込溝13a,13aの戸幅方向に沿う溝深さ寸法及び戸厚方向に沿う溝幅寸法は、面材28の端部の差込性や保持性等の観点から適宜の寸法としてもよい。また、これら差込溝13a,13aは、パネル芯材10が組み付けられた後に切削等によって形成されたものでもよい。
面材28は、図2(a)に示すように、戸パネル1の四周表面(戸厚方向両面及び戸幅方向両側端面)が化粧面となるようにパネル芯材10の四周表面に貼着されている。また、面材28は、MDF(中密度繊維板)等の木質系ボードやガラス繊維等の強化繊維シートを含んだ繊維強化樹脂層等の基材の表面側に突板や樹脂シート等の化粧シートが貼着された構成とされたものでもよい。また、面材28は、裏面側のパネル芯材10の角部に応じた位置に折曲溝が設けられたものでもよい。また、図例では、パネル芯材10の戸厚方向両側のそれぞれに設けられた二枚の面材28,28によって四周の化粧面を構成した例を示しているが、一枚の面材28によって四周の化粧面を構成する態様としてもよい。この場合は、一方の縦枠部13に差込溝13aを設けていない構成としてもよい。なお、パネル芯材10の四周表面に面材28を設けた態様に代えて、パネル芯材10の戸厚方向両側のみに面材28を設けた態様等としてもよい。
また、戸パネル1は、図1(b)及び図2(a)に示すように、パネル芯材10に、戸厚方向両側または戸幅方向両側から縦桟材20を挟むように配される一対の金属製の補強材21,21を設けた構成とされている。また、これら一対の補強材21,21には、縦桟材20が嵌め込まれる凹溝22,22が互いに向き合う方向に開口するように設けられている。このような構成とすれば、縦桟材20の戸厚方向両面及び戸幅方向の両面に、一対の補強材21,21のいずれかの片部23,24,23,24が沿わせられることとなり、縦桟材20の反りを効果的に抑制することができる。これにより、戸パネル1全体の反りを効果的に抑制することができる。
本実施形態では、戸厚方向両側から縦桟材20を挟むように一対の補強材21,21を配した構成としている。このような構成とすれば、一対の補強材21,21の凹溝22,22の溝底を区画する底片部23,23が縦桟材20の戸厚方向両側の各面に沿うように設けられることとなる。これにより、戸幅方向両側から縦桟材20を挟むように一対の補強材21,21を設けたものと比べて、戸パネル1の戸厚方向両面に平行状に設けられる片部(底片部23)を効果的に大きくすることができき、戸パネル1の剛性を効果的に向上させることができる。
また、本実施形態では、これら一対の補強材21,21の長さ寸法H4を戸高寸法H1よりも小とし、これら補強材21,21をパネル芯材10(戸パネル1)の下端側に片寄るように設けた構成としている。このような構成とすれば、比較的に戸高寸法H1が大とされた戸パネル1においてハンドル及びラッチ部3を適正な高さに位置付け可能でありながらも、閉鎖させる際に生じる戸先側端部の上端側の振動を低減することができ、異音の発生を低減することができる。つまり、比較的に比重の大きな補強材21,21を下端側に片寄るように設けた構成としているので、補強材21,21を上端側に片寄るように設けたものと比べて、戸パネル1の重心を低くすることができる。これにより、戸パネル1が閉鎖される際に生じ易くなる戸先側端部のラッチ部3から離間した部位となる上端側の戸厚方向への振動を抑制することができる。つまりは、閉鎖側に移動する戸パネル1のラッチ部3よりも上方側の上端側が慣性力によって振動するようなことを低減することができる。また、このように補強材21,21を戸高寸法H1よりも短い寸法とすれば、例えば、これら補強材21,21を、戸高寸法H1の異なる複数の戸パネル1に対して適用することもできる。つまり、戸パネル1の補強材21,21よりも上側部位の寸法(上端側戸高寸法)H6を異ならせることで、戸高寸法H1の異なる戸パネルを容易に実現することもできる。
また、本実施形態では、一対の補強材21,21及びこれらに嵌め込まれる縦桟材20を、少なくとも戸幅方向一方側に位置するように設けた構成としている。このような構成とすれば、戸パネル1の少なくとも戸幅方向一方側における反りを抑制することができる。また、本実施形態では、これら一対の補強材21,21及びこれらに嵌め込まれる縦桟材20を、戸幅方向中央よりも戸先側に位置するように設けた構成としている。このような構成とすれば、戸パネル1の戸先側の反りを抑制することができる。これにより、本実施形態のように戸パネル1を開き戸とした場合には、戸先側を戸当たりに安定的に当接させることができる。また、戸幅方向中央部位や吊元側のみに補強材21,21を設けたものと比べて、戸パネル1が閉鎖される際に生じる戸先側端部の上端側の戸厚方向への振動をより効果的に抑制することができる。
また、本実施形態では、一対の補強材21,21及びこれらに嵌め込まれる縦桟材20を、戸幅方向両側部位に設けた構成としている。このような構成とすれば、戸パネル1の戸幅方向両側の反りを抑制することができる。なお、戸先側の縦桟材20及び補強材21,21と吊元側の縦桟材20及び補強材21,21とは、互いに同様の構成であるので、以下では、一方を例にとって説明する。
縦桟材20及び補強材21,21は、戸高方向に延びるように長尺状とされている。
補強材21,21の長さ寸法H4は、ラッチ部3の高さ等に応じて、また、反りを抑制する観点や軽量化を図る観点等から適宜の長さ寸法としてもよい。これら補強材21,21の長さ寸法H4は、例えば、戸高寸法H1の3/5~17/20程度の寸法としてもよく、さらには、戸高寸法H1の20/27~5/6程度の寸法としてもよい。例えば、これら補強材21,21の長さ寸法H4を、2000mm程度とした場合には、戸高寸法H1を、2400mm~2700mm程度等としてもよい。また、戸厚方向両側の補強材21,21は、互いに略同長さとされている。図例では、これら補強材21,21の長さ寸法H4を、上記した縦枠部13の各縦桟部14,15の長尺縦桟材14a,15aの長さ寸法H7と略同長さとし、戸高寸法H1の3/4程度の寸法とした例を示している。
また、下端側に片寄って設けられる補強材21,21の高さ位置(戸パネル1の長手方向における位置)は、ラッチ部3の高さ等に応じて、適宜の高さ位置とすればよい。これら戸厚方向両側の補強材21,21は、互いに略同高さに位置するように設けられている。また、本実施形態では、これら補強材21,21を長手方向に3等分した中央部がラッチ部3の高さとなるように、これら補強材21,21を設けた構成としている。つまり、戸幅方向に見て、ラッチ部3と補強材21,21を長手方向に3等分した中央部とが重なり合う位置となるように補強材21,21を設けた構成としている。
また、本実施形態では、補強材21,21を、下横枠部16との間に間隔を空けるように設けた構成としている。つまり、補強材21,21を、戸パネル1の下端部近傍に至るまで設けずに、戸パネル1の下端側に補強材21,21の存在しない部位を設けた構成としている。つまりは、本実施形態では、戸パネル1の上下両側に補強材21,21の存在しない部位を設けた構成としている。補強材21,21の下端から戸パネル1の下端面までの戸高方向に沿う下端側戸高寸法H5は、補強材21,21の上端から戸パネル1の上端面までの戸高方向に沿う上端側戸高寸法H6よりも小とすればよい。この下端側戸高寸法H5は、上端側戸高寸法H6の1/2~1/5程度の寸法としてもよい。
また、本実施形態では、縦桟材20及び補強材21,21の長さ寸法H4を、互いに略同寸法としている。つまり、縦桟材20を、戸パネル1の全長に亘って設けずに、その長さ寸法H4を戸高寸法H1よりも小とし、かつ下端側に片寄らせて設けた構成としている。
また、縦桟材20の上端部を、上横枠部12の下方側に戸高方向に間隔を空けて設けられた上横桟としての横桟17に接合した構成としている。このような構成とすれば、横桟17によってパネル芯材10の剛性を向上させることができる。また、補強材21,21及びこれらに嵌め込まれた縦桟材20を共通部品として戸高寸法H1の異なる複数の戸パネル1に対して適用することができる。つまり、戸パネル1の横桟17よりも上側部位の寸法を異ならせることで、戸高寸法H1の異なる戸パネル1を容易に実現することもできる。
また、縦桟材20の下端部を、下横枠部16の上方側に戸高方向に間隔を空けて設けられた下横桟としての横桟17に接合した構成としている。つまり、本実施形態では、上下の横枠部12,16の戸高方向中央側に間隔を空けて上下の横桟17,17を両側の縦枠部13,13間に架け渡すように設けた構成としている。これら上下の横桟17,17は、戸幅方向に延びるように長尺状とされ、互いに同様の構成とされている。これら上下の横桟17,17と両側の縦枠部13,13とは、ステープル等の止具6(図2(b)参照)や接着剤等を用いて接合されたものでもよい。
また、上側の横桟17と両側の縦枠部13,13と上横枠部12とによって囲まれた中空部に、戸幅方向及び戸高方向に沿う寸法が中空部の戸幅方向及び戸高方向に沿う寸法に応じた寸法とされたコア材27を収納させた構成としている。つまり、上側の横桟17と両側の縦枠部13,13と上横枠部12とによって囲まれた中空部には、桟材等が設けられておらず、コア材27が略全域に亘って収納されている。このような構成とすれば、中空にしたものと比べて、戸パネル1の上端側部位の厚さ方向の強度の低下を抑制することができる。また、上側の横桟17と両側の縦枠部13,13と上横枠部12とによって囲まれた中空部に複数の桟材を設けたようなものと比べて、戸パネル1の上端側部位の軽量化を図ることができ、戸パネル1の重心を効果的に低くすることができる。また、このような中空部に収納されるコア材27は、桟材に比べて加工性が良いため、上端側部位の寸法を異ならせて戸高寸法H1の異なる戸パネル1を容易に実現することもできる。
このようなコア材27としては、発泡ウレタン等の発泡樹脂系材料から成形された発泡成形体からなるものでもよいが、本実施形態では、戸厚方向両側に開口する多数の中空筒状セルの集合体からなるハニカム状のコア材27としている。つまり、コア材27を、いわゆるペーパーコアとしている。また、このようなコア材27としては、段ボール原紙やクラフト紙等の紙材を接着剤で重積接着して形成されたものでもよい。また、コア材27としては、このような紙材に、エポキシ樹脂等の補強用の樹脂を更に含浸させたものでもよく、その他、アルミ材等の金属系材料や硬質ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂等の合成樹脂系材料から形成されたものでもよい。また、図例では、コア材27の中空筒状セルを模式的に示しており、中空筒状セルが蜂の巣状(六角状)とされたものとしているが、方形状とされたものや円筒形状とされたもの、波形状とされたもの等、中空筒状セルのセル形状が種々の形状とされたものでもよい。また、このコア材27は、ステープル等の止具6(図2(b)参照)や接着剤等によって四周枠11を構成する枠部12,13,13,16や桟材17,19に固定されたものでもよい。
なお、図例では、下側の横桟17と両側の縦枠部13,13と下横枠部16とによって囲まれた中空部にコア材27を収納させていない例を示しているが、この中空部にもコア材27を収納させた構成としてもよい。
また、縦桟材20は、縦枠部13に平行状にかつ縦枠部13の戸幅方向中央側に間隔を空けて設けられている。縦枠部13と縦桟材(中縦桟材)20との間には、戸幅方向に沿う寸法が比較的に小とされ、縦桟材20の戸幅方向一方側(戸幅方向外側)に隣接する桟材を構成する短尺なスペーサー状の短尺横桟18が架け渡されるように設けられている。この短尺横桟18と縦枠部13とは、ステープル等の止具6(図2(b)参照)や接着剤等を用いて接合されたものでもよい。
また、縦桟材20の長手方向に間隔を空けて複数(図例では、戸先側に3つ、吊元側に4つ)の短尺横桟18を設けた構成としている。また、図例では、吊元側の複数の短尺横桟18を、上下の横桟17,17間において戸高方向に略等間隔を空けて設けた例を示している。また、ラッチ錠装置2と概ね同高さに位置するように設けられた吊元側の短尺横桟18以外の3つの吊元側の短尺横桟18と略同高さに位置するように、戸先側の3つの短尺横桟18を設けた例を示している。また、ラッチ錠装置2の近傍には、戸先側の縦枠部13と縦桟材20との間に位置するように、ラッチ錠装置2の取付下地18Aが設けられている。
また、両側の縦桟材20,20間に架け渡すように、縦桟材20の戸幅方向他方側(戸幅方向中央側)に隣接する桟材を構成する中横桟19を設けた構成としている。この中横桟19は、戸幅方向に延びるように長尺状とされている。また、縦桟材20の長手方向に間隔を空けて複数(図例では、4つ)の中横桟19を設けた構成としている。図例では、これら複数の中横桟19を、上下の横桟17,17間において戸高方向に略等間隔を空けて設けた例を示している。つまり、これら中横桟19は、吊元側の短尺横桟18と略同高さに位置するように設けられている。これら中横桟19、短尺横桟18及び上下の横桟17,17の戸高方向に沿う幅寸法は、上記した各横枠部12,16を構成する横桟材の戸高方向に沿う幅寸法と略同寸法とされている。
また、これら中横桟19によって上下に区画された中空部のそれぞれに、上記同様なコア材27を収納させた構成としている。
なお、短尺横桟18によって上下に区画された中空部にコア材27を収納させていない例を示しているが、これら中空部にもコア材27を収納させた構成としてもよい。
また、縦桟材20は、図2(c)、(d)に示すように、長手方向に見て、略方形状とされている。また、本実施形態では、この縦桟材20を、戸幅方向に沿う寸法よりも戸厚方向に沿う寸法が僅かに大とされたものとしている。また、この縦桟材20の長手方向に見た四隅部に、面取り部(図例では、C面状の面取り部)を設けた例を示している。この縦桟材20の戸厚方向に沿う寸法は、この縦桟材20の戸厚方向両側に設けられる補強材21,21の底片部23,23の戸厚方向外側に向く面と、各枠部12,13,13,16や他の桟材17,18,19の戸厚方向外側に向く面と、が略同一平面状となるように適宜の寸法とされている。また、図例では、この縦桟材20の戸幅方向に沿う幅寸法を、縦枠部13の各縦桟部14,15の幅寸法Wと略同寸法とした例を示しているが、異なる寸法としてもよい。
なお、パネル芯材10の枠体を構成する縦桟材20や各枠部12,13,13,16を構成する桟材14,15、各横桟17,18,19は、合板やLVL(単板積層材)等の木質積層板や、PB(パーティクルボード)等の木質ボード、MDF(中密度繊維板)やハードボード等の木質繊維板などの木質系材料から形成されたものとしてもよい。また、木質系材料としては、合成樹脂系材料に、木粉や無機フィラー、相溶化剤、着色剤などを所定の含有割合で含有させた木粉・プラスチック複合材(WPC)としてもよい。
一対の補強材21,21は、戸厚方向中央側に向けて開口する凹溝22,22を全長に亘って設けた構成とされている。本実施形態では、これら戸厚方向両側の補強材21,21を、互いに略同寸同形状、つまり、同一部材としている。なお、以下では、戸厚方向一方側の補強材21を例にとって説明する。
この補強材21は、凹溝22の底側を区画する底片部23と、凹溝22の溝幅方向両側を区画する両側片部24,24と、を備えている。これら底片部23及び両側片部24,24は、薄板状とされている。図例では、底片部23及び両側片部24,24の厚さ寸法を互いに略同寸法としている。これら底片部23及び両側片部24,24の厚さ寸法は、強度上の観点や軽量化を図る観点等から適宜の厚さ寸法としてもよく、例えば、0.5mm~3.0mm程度でもよく、好ましくは、1.0mm~2.0mm程度でもよい。
凹溝22の戸幅方向に沿う溝幅寸法は、縦桟材20の受け入れが可能なように、縦桟材20の戸幅方向に沿う幅寸法に応じた寸法とされている。この凹溝22の溝幅寸法は、縦桟材20や補強材21の加工誤差等を考慮して縦桟材20の戸幅方向に沿う幅寸法よりも僅かに大きい寸法としてもよい。このような構成とすれば、凹溝22に縦桟材20を嵌め込んだ際に、補強材21の両側片部24,24が拡開するようなことを抑制することができる。
凹溝22の戸厚方向に沿う溝深さ寸法は、縦桟材20の戸厚方向の一部の受け入れが可能なように、縦桟材20の戸厚方向に沿う寸法の1/2未満の寸法とされている。この凹溝22の溝深さ寸法は、補強材21の強度上の観点や軽量化を図る観点等から適宜の寸法としてもよい。例えば、この凹溝22の溝深さ寸法を、縦桟材20の戸厚方向に沿う寸法の1/10~2/5程度としてもよく、図例では、1/3程度とした例を示している。
また、本実施形態では、補強材21に、縦桟材20の戸幅方向一方側に隣接する桟材と縦桟材20とを接合する止具6の止着箇所を露出させる複数の開口25を長手方向に間隔を空けて設けた構成としている。このような構成とすれば、これら複数の開口25を介して止具6を縦桟材20及びこれに隣接する桟材に止着させることができ、金属製の補強材21を設けながらも組付性を向上させることができる。また、本実施形態では、縦桟材20の戸厚方向外側に向く面に沿わせられる片部としての補強材21の底片部23の戸幅方向一方側に、複数の開口25を長手方向に間隔を空けて設けた構成としている。このような構成とすれば、縦桟材20及びこれに隣接する桟材に、これらの戸厚方向外側から止具6を止着することができる。また、本実施形態では、補強材21の底片部23の戸幅方向両側のそれぞれに、複数の開口25,25を長手方向に間隔を空けて設けた構成としている。このような構成とすれば、これら複数の開口25,25を介して止具6を縦桟材20及びこれの戸幅方向両側に隣接する桟材としての上記した短尺横桟18及び中横桟19に止着させることができる。
戸幅方向両側の開口25,25は、補強材21の底片部23を厚さ方向に貫通するように設けられている。これら戸幅方向両側の開口25,25は、図3(b)に示すように、互いに略同高さに位置するように設けられている。また、これら両側の開口25,25を、両側の各側片部24,24の底片部23側縁部を切り欠くように設けた構成としている(図3(c)参照)。つまり、両側の開口25,25を、底片部23から各側片部24,24の底片部23側縁部に至るように設けた構成としている。これら開口25,25の各側片部24,24の切欠状部位は、縦桟材20とこれに隣接する短尺横桟18または中横桟19とに跨るように止着される止具6の受け入れが可能なように設けられている。
また、これら開口25,25は、上記のように戸高方向に間隔を空けて設けられた複数の短尺横桟18及び中横桟19に応じた個数及び位置となるように設けられている。また、これら開口25,25の底片部23の幅方向に沿う寸法や戸高方向に沿う寸法は、止具6の挿通が可能なように、また、補強材21の強度上の観点等から適宜の寸法とすればよい。また、開口25の形状等は図例のようなものに限られず、種々の変形が可能である。
縦桟材20とこれの両側の短尺横桟18及び中横桟19とは、図2(b)、(c)に示すように、開口25,25を介して縦桟材20と短尺横桟18及び中横桟19とに止着された止具6によって接合される。なお、縦桟材20とこれの両側の短尺横桟18及び中横桟19とは、止具6に加えて、接着剤等を併用して互いに固定されるものでもよい。
また、本実施形態では、補強材21に、当該補強材21を縦桟材20に固定する止具6が挿通される挿通孔26を設けた構成としている。このような構成とすれば、挿通孔26を介して縦桟材20に止着した止具6によって補強材21を縦桟材20に固定することができ、金属製の補強材21を設けながらも組付性を向上させることができる。また、本実施形態では、縦桟材20の戸幅方向外側に向く面に沿わせられる片部としての補強材21の両側片部24,24のうちの少なくとも一方の側片部24に、挿通孔26を設けた構成としている。このような構成とすれば、補強材21を縦桟材20に固定する止具6を縦桟材20にこれの戸幅方向外側から止着することができ、止具6が戸厚方向外側に突出するようなことを抑制することができる。また、本実施形態では、補強材21の両側片部24,24のそれぞれに、挿通孔26,26を設けた構成としている。このような構成とすれば、これら両側片部24,24の挿通孔26,26を介して縦桟材20に止着した止具6,6によって補強材21を縦桟材20に固定することができる。
これら両側片部24,24の挿通孔26,26は、各側片部24,24を厚さ方向に貫通するように設けられている。図例では、挿通孔26,26を、戸厚方向に長径状の長孔とした例を示している。また、これら両側片部24,24の挿通孔26,26は、互いに略同高さに位置するように設けられている(図3(b)参照)。また、これら両側片部24,24の挿通孔26,26は、縦桟材20に隣接する短尺横桟18及び中横桟19が配される高さ位置とは異なる高さに位置するように設けられている。つまり、これら両側片部24,24の挿通孔26,26は、補強材21の長手方向において、底片部23に設けられた開口25,25とは異なる位置となるように設けられている。
また、両側片部24,24のそれぞれに、長手方向に間隔を空けて複数の挿通孔26,26を設けた構成としている。これら挿通孔26,26を設ける個数や長手方向に沿う間隔は、補強材21の縦桟材20への固定性等の観点から適宜の個数や間隔としてもよい。図例では、長手方向に比較的に近接させて挿通孔26,26を対状に設け、このように対状とされた挿通孔26,26を、長手方向に間隔を空けて複数箇所に設けた例を示している。なお、図例では、U字状とされた止具6の一方の片部を挿通孔26に挿通して縦桟材20に止着し、他方の片部を挿通孔26に挿通せずに縦桟材20に止着した例を示しているが、このような態様に限られない。例えば、上記のように長手方向に近接する一対の挿通孔26,26のそれぞれに止具6の各片部を挿通して縦桟材20に止着した態様等としてもよい。また、本実施形態では、戸パネル1の戸幅方向両側のそれぞれに一対の補強材21,21,21,21及びこれらに嵌め込まれる縦桟材20,20を設けた構成とした例を示しているが、このような態様に限られない。戸パネル1の戸幅方向一方側(例えば、戸先側)のみに、一対の補強材21,21及びこれらに嵌め込まれる縦桟材20を設けた構成としてもよい。
次に、本発明に係る他の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
なお、以下の実施形態では、上記第1実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
図4は、第2実施形態に係るパネルの一例を模式的に示す図である。
本実施形態では、戸パネル9は、図4(a)に示すように、パネルを構成する縦框部1A,1Aを戸幅方向両側に有した框状パネルとされている。つまり、本実施形態では、パネルを、戸パネル9の一部を構成する縦框部1Aとしている。また、戸パネル9は、これら両側の縦框部1A,1A間に、板材30を設けた構成とされている。板材30は、厚さ寸法が両側の縦框部1A,1Aの戸厚方向に沿う寸法よりも小とされている。この板材30は、透光性を有した透光板でもよい。また、この板材30と両側の縦框部1A,1Aとは、縦框部1A,1Aの互いに向き合う内側面において開口するように設けられた接合溝29,29に板材30の戸幅方向両端部を嵌め入れて接合されたものでもよく、接着剤等を併用して接合されたものでもよい。また、両側の縦框部1A,1A同士を連結するワイヤー等の連結部材を上端面に沿わせるように設けた構成等としてもよい。
また、戸パネル9を、当該戸パネル9の略全長に亘って板材30が設けられた二方框状パネルとした例を示しているが、上下に横框部が設けられた四方框状パネルとしてもよい。
両側の縦框部1A,1Aは、互いに概ね同様の構成とされている。これら両側の縦框部1A,1Aの主に異なる点は、戸先側の縦框部1Aに不図示のハンドルに連結されるラッチ錠装置2が組み込まれる点及び吊元側の縦框部1Aに回動連結部材が取り付けられる点である。
また、両側の縦框部1A,1Aは、上記した戸パネル1と概ね同様、パネル芯材10A,10A(図4(b)参照)の戸厚方向両側に面材28,28を設けた構成とされている。戸厚方向両側の面材28は、戸幅方向一方側の端部がパネル芯材10Aの戸幅方向外側面に設けられた差込溝13aに差し込まれ、戸幅方向他方側の端部が接合溝29の開口縁を構成するように設けられたものでもよい。
また、これら両側の縦框部1A,1Aのパネル芯材10A,10Aのうちの少なくとも戸先側のパネル芯材10Aに、一対の補強材21,21及びこれらに嵌め込まれる縦桟材20が設けられている。本実施形態では、これら両側の縦框部1A,1Aに、一対の補強材21,21,21,21及び縦桟材20,20を設けた構成としている。なお、これら両側の縦框部1A,1Aのパネル芯材10A,10Aは、互いに略同様の構成であるので、以下では、一方を例にとって説明する。
パネル芯材10Aは、戸幅方向に沿う寸法が上記第1実施形態のパネル芯材10の戸幅方向に沿う寸法よりも小とされている。本実施形態では、パネル芯材10Aの四周枠11Aを構成する両側の縦枠部13,13Aのうちの戸幅方向中央側(板材30側)の縦枠部13Aの戸幅方向に沿う幅寸法を戸幅方向外側の縦枠部13の戸幅方向に沿う幅寸法よりも大としている。図例では、両側の縦枠部13,13Aの第2縦桟部15,15の幅寸法を互いに略同寸法とし、中央側の縦枠部13Aの第1縦桟部14Aの幅寸法を外側の縦枠部13の第1縦桟部14の幅寸法よりも大とした例を示している。なお、このような態様に代えて、これら両側の縦枠部13,13Aの幅寸法を、上記同様、互いに略同寸法としてもよい。
また、図例では、上横枠部12の下方側に4本の横桟材を積み重ねるように設け、下横枠部16の上方側に2本の横桟材を積み重ねるように設けた例を示しているが、上記同様、このような本数に限られない。
また、本実施形態では、パネル芯材10Aの戸幅方向外側部位に一対の補強材21,21及びこれらに嵌め込まれる縦桟材20を設けた構成としている。つまり、パネル芯材10Aに、一対の補強材21,21及び単一の縦桟材20を設けた構成としている。また、縦桟材20の上下端部は、上記と概ね同様、上下の横枠部12,16から戸高方向中央側に間隔を空けて設けられた上下の横桟17,17に接合されている。上側の横桟17の上方側の中空部には、上記と概ね同様、コア材27が収納されている。
戸幅方向外側の縦枠部13と縦桟材20との間には、上記同様、短尺横桟18及び取付下地18Aが設けられている。なお、吊元側のパネル芯材10Aには、取付下地18Aに代えて短尺横桟18を設けた構成としてもよい。
戸幅方向中央側(板材30側)の縦枠部13Aと縦桟材20との間には、中横桟19が設けられている。また、上記と概ね同様、中横桟19によって上下に区画された中空部のそれぞれに、コア材27を収納させた構成としている。
一対の補強材21,21及びこれらに嵌め込まれる縦桟材20は、上記と概ね同様の構成とされている。
上記構成とされた本実施形態に係るパネルを構成する縦框部1A及びこれを備えた戸パネル9においても上記と概ね同様の効果を奏する。また、本実施形態では、框状パネルとされた戸パネル9の軽量化を図ることができる。
また、一対の補強材21,21及びこれらに嵌め込まれる縦桟材20を、戸幅方向両側のパネル芯材10A,10Aのうちの少なくとも戸先側のパネル芯材10Aに設けた構成としている。このような構成とすれば、少なくとも戸先側の反りを抑制することができ、また、戸パネル9が閉鎖される際に生じる戸先側端部の上端側の戸厚方向への振動を効果的に抑制することができる。また、本実施形態では、戸幅方向両側のパネル芯材10A,10Aのそれぞれに一対の補強材21,21及びこれらに嵌め込まれる縦桟材20を設けた構成としている。このような構成とすれば、戸パネル9の戸幅方向両側の反りを抑制することができる。なお、このような態様に代えて、戸幅方向一方側(例えば、戸先側)のパネル芯材10Aのみに、一対の補強材21,21及びこれらに嵌め込まれる縦桟材20を設けた構成としてもよい。
また、本実施形態では、縦框部1Aのパネル芯材10Aに、一対の補強材21,21及び単一の縦桟材20を設けた構成としているが、戸幅方向に間隔を空けて複数対の補強材21,21及び複数の縦桟材20を設けた構成としてもよい。
また、上記した各実施形態に係る戸パネル1,9における互いに異なる構成を、適宜、組み替えたり、組み合わせたりして適用するようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、一対の補強材21,21を、戸厚方向(パネル厚さ方向)両側から縦桟材20を挟むように設けた構成とした例を示しているが、戸幅方向(パネル幅方向)両側から縦桟材20を挟むように設けた構成としてもよい。この場合は、上記のような開口25,25を側片部24に設け、挿通孔26を底片部23に設けた構成等としてもよい。さらには、このような開口25及び挿通孔26の両方または一方を設けていない構成としてもよい。この場合は、組付時に適宜、下孔等を設けるようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、縦枠部13(13A)から戸幅方向に間隔を空けて設けられた縦桟材20に補強材21,21を設けた例を示しているが、このような態様に限られない。このような態様に代えて、または加えて、縦枠部13(13A)を構成する縦桟部14(14A),15を縦桟材とし、これに補強材21,21を設けた構成としてもよい。また、一対の補強材21,21に嵌め込まれる縦桟材20に隣接する桟材としては、上記のような横桟(短尺横桟18や中横桟19)に限られず、縦桟材20に沿うように並列状に設けられる縦桟でもよい。
また、上記各実施形態では、一対の補強材21,21を、戸パネル1(縦框部1A)の下端側に片寄るように設けた例を示しているが、このような態様に限られず、戸パネル1(縦框部1A)の略全長に亘って設けた構成等としてもよい。
また、上記各実施形態では、パネル芯材10,10Aの四周枠11,11A内に縦桟材20や横桟17,18,19を設けた例を示しているが、少なくとも四周枠11,11Aを構成する枠部12,13,13(13A),16を備えた構成としてもよい。また、上記各実施形態では、上下の横枠部12,16を、複数本の横桟材を戸高方向に接合した構成としているが、単一の横桟材からなるものとしてもよい。また、上記各実施形態では、上下の横枠部12,16と両側の縦枠部13,13とを縦勝状に接合した構成とした例を示しているが、横勝状に接合した構成としてもよい。また、上記各実施形態では、両側の縦枠部13,13(13A)を、複数本の縦桟部14(14A),15を戸幅方向に接合した構成としているが、単一の縦桟部からなるものとしてもよい。また、上記各実施形態では、中空部にコア材27を収納させた構成としているが、このようなコア材27を設けていない構成としてもよい。
また、上記各実施形態では、戸パネル1,9を、開き戸とした例を示しているが、引戸や折戸等の他の建具としたり、パーティション等の間仕切パネルとしたりしてもよく、さらには、家具材や内装パネル等を構成するものとしたりしてもよい。上記各実施形態に係るパネル1,1Aは、その他、種々のパネルとして用いられるものでもよい。
1 戸パネル(パネル)
1A 縦框部(パネル)
10,10A パネル芯材
18 短尺横桟(隣接する桟材)
19 中横桟(隣接する桟材)
20 縦桟材
21 補強材
22 凹溝
25 開口
26 挿通孔
28 面材
6 止具

Claims (3)

  1. 木質系材料から形成された縦桟材を有したパネル芯材と、
    前記パネル芯材のパネル厚さ方向両側に設けられた面材と、
    パネル厚さ方向両側またはパネル幅方向両側から前記縦桟材を挟むように配され、かつ前記縦桟材が嵌め込まれる凹溝が互いに向き合う方向に開口するように設けられた一対の金属製の補強材と、
    を備えており、
    前記縦桟材の長手方向に見た四隅部には、面取り部が設けられて おり、
    前記一対の補強材は、前記凹溝の底側を区画する底片部と、前記凹溝の溝幅方向両側を区画する両側片部と、をそれぞれに備え、これら一対の補強材の前記底片部及び前記両側片部のいずれかの片部が前記縦桟材のパネル厚さ方向両面及びパネル幅方向両面に沿わせられており、
    前記パネル芯材は、前記縦桟材のパネル幅方向両側のそれぞれに接合され、パネル長手方向に間隔を空けて設けられた複数の横桟を備えて いることを特徴とするパネル。
  2. 請求項1において、
    当該パネルの長さ寸法が2400mm~3000mmであり、前記補強材の長さが当該パネルの長さ寸法の3/5~17/20であることを特徴とするパネル。
  3. 請求項1または2において、
    前記縦桟材は、パネル幅方向に沿う寸法よりもパネル厚さ方向に沿う寸法が大とされていることを特徴とするパネル。
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