JP3708787B2 - トランスファスライドのワーク把持方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プレス機械のトランスファスライドのワーク把持方法に係り、更に詳しくは、一対のトランスファバーの各成形工程の把持対応位置に複数対のフィンガが設けられたトランスファスライドのワーク把持方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
各成形工程でワークを把持し各々の次の工程に移送し受け渡し、前工程へ戻る一連の動作をするトランスファスライドの把持方法において、成形軸線を挟んで平行な常時一定の位置関係で隣接の各成形工程間を往復移動可能な一対のトランスファバーのそれぞれの内側に一定の範囲内で進退可能に挿入され、コイルばねで内側に付勢された複数対のフィンガでワークを把持し移送する図8に示すようなトランスファスライドのワーク把持方法(以下従来の技術Aという)が従来から知られている。なお、図8に使用した符号は、本発明と同一な部品については本発明の符号と同じ符号を使用している。
【0003】
図8においてトランスファバー111L、111Rには対向する複数対のシリンダ穴11aと、これらのシリンダ穴11aに各々の軸部13aが挿入されて進退移動可能な1対のフィンガ113L、113Rと、これらのフィンガ113L、113Rの前進端位置を各々規制する1対の前進端位置決め片12L、112Rと、フィンガ113L、113Rを各々前進方向に付勢する1対のコイルばね14L、14Rとを設けている。これらのフィンガ113L、113Rはコイルばね14L、14Rによって各々前進方向に付勢されて、ワーク01を成形サイクルに応動して把持している。
【0004】
従来技術Aにおいて、把持されるワークの位置決めはトランスファバー11L、11Rに一定量の進退移動が可能に挿入された一対のフィンガ113L、113Rでおこなうが、ワーク01の位置決め精度はワーク01を把持したときのフィンガの113L、113R把持位置と、ワークが無く把持しないときのフィンガ113L、113Rの前進端位置とのフィンガの移動量の差、すなわち、掴み代Dの分だけ、ワーク01は左右にばらつく可能性がありワーク01の位置決め精度が悪くなる。
【0005】
つまり、フィンガ113L、113Rを付勢する一対のコイルばね14Lと14Rとに付勢押圧力の差があれば、その圧力差により掴み代の範囲内でワーク01は移動する。また、一対のコイルばね14Lと14Rとに付勢押圧力の差がないときでも、フィンガの軸部13aとシリンダ穴11aとの間には摩擦抵抗力があるため、ワーク把持位置が掴み代Dの範囲内で所定の位置からずれたときに完全に所定の位置に戻ることができない。ワーク01の位置決め精度を良くするためにフィンガ113L、113Rの掴み代は小さくする必要があるが、ワーク01には寸法許容差があるため、ワーク01を掴むためにはある程度の掴み代はどうしても必要である。そのためワーク01の位置決め精度を高めるには限界があった。
【0006】
そして、従来技術Aにおいて、ワークの位置決め精度を良くするためにフィンガ113L、113Rの掴み代Dは小さくしてあるため、掴み代D分の移動量を検出してワークの有無を検出しようとするときにその移動量を検出手段21で検出することが非常に困難であるので、各工程でのワーク01の有無検出はプレス前面よりパイプに取りつけたタッチセンサで構成された検出手段121で行っている。
【0007】
また、特公平8−4858号公報に開示されたトランスファバーのワーク掴み装置に係わる発明(以下従来技術Bという)が知られているが、この発明は、自動鍛造プレスに装着し前後2本のトランスファバーを三次元に作動させるトランスファ装置のうち、リンク機構と付勢手段との共動きにより、トランスファバーを前後に進退してワークを掴み、次工程で離すトランスファバーのワーク掴み装置において、トランスファバーの支持体がそれぞれ滑動自在に貫通するガイドを不動部署に固着し、一方の支持体の内側への滑動ストロークを他方の支持体のそれより短縮するストッパを、ガイドに介装してクランプ基準位置を特定すると共に、他方のトランスファバーの背後に取り付け貫通して先端のグリッパ(本発明のフィンガに相当)を内側へ付勢するスプリングを具えたトランスファバーのワーク掴み装置である。
【0008】
従来技術Bにおいては、トランスファバー自体が外力により前後に強制開閉し、不動部署に固着されたガイドに介装されたストッパでこのトランスファバーの一方を位置決めしクランプ基準位置としている。
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来技術Aにおいて、一対のフィンガでワークを把持したとき、ワークは掴み代の分だけ移動可能であるため、ワークの位置決め精度はフィンガの掴み代の大きさに左右される。そのため、位置決め精度を更に良くしようとする場合、フィンガの掴み代を更に小さくする必要があるがそれには限度があるという問題があった。
【0010】
また、トランスファバーに挿入のフィンガの位置を検出してワークの有無を検出しようとした場合には、掴み代を通常の検出手段で判別できるような大きさにする必要があるが、そうすると逆に、ワークの位置決め精度が不安定になるという根本的な問題があった。
【0011】
そこで従来技術Aでは、プレス前面よりパイプに取りつけたタッチセンサで構成された検出機構で、それぞれの工程におけるワークの有無検出を行っていたが、その検出機構がプレス前面にあるため金型調整の際に邪魔になり、一旦取り外すか旋回移動して待避させる必要があった。また、その復元時には再現するための調整や確認の作業時間を要するという問題があった。
【0012】
従来技術Bにおいては、前記2本のトランスファバーの内側への滑動ストロークを規制し、クランプ基準位置を特定するストッパは、不動部署に固着したガイドに取り付けられているが、トランスファバーを閉じるときの基準側グリップを付勢する付勢手段の加圧点、ストッパの作用点及びグリッパの作用点がそれぞれ同一線上にないため、付勢手段が支持体を付勢したときトランスファバーは外側へあおられたり、また、付勢手段、ストッパの位置によっては、例えば付勢手段がトランスファバーの両端近傍にありストッパが中央部分にある場合にはトランスファバーが弓なりに変形したりして、ワーク位置決め精度が不安定になるという問題や、付勢手段の加圧点、ストッパの位置及びグリッパの作用点がそれぞれ離れているため複雑な構造になるという問題がある。
【0013】
また、このストッパは前記一方のトランスファバー全体の滑動ストロークを規制するためのものであり、各工程のグリッパの位置を各々個別に調整しようとすると、別の機能を必要とするという問題がある。
【0014】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、フィンガの掴み代の分だけワークの位置決め精度がばらつくという問題、フィンガの掴み代が小さいためフィンガの位置を検出することでワークの有無検出することができないという問題、金型調整の際にワーク有無検出機構を待避させたり再現するために余分な作業時間を要するという問題を解消し、なおかつコンパクトで、フィンガを各々にストローク調整ができて、位置決め精度がよい、トランスファスライドのワーク把持方法を提供しようとするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明のトランスファスライドのワーク把持方法は、成形軸線を挟んで平行な常時一定の位置関係で隣接の各成形工程間を往復移動可能な一対のトランスファバーと、これらのトランスファバーには各成形工程の把持対応位置で対向する複数対のシリンダ穴と、これらのシリンダ穴に各々の軸部が挿入されて進退移動可能な複数対のフィンガと、これらのフィンガの前進端位置を各々規制する複数対の前進端位置決め片と、前記フィンガを各々前進方向に付勢する複数対の付勢部材とを設けたトランスファスライドを用いて、前記付勢部材によって各々前進方向に付勢される前記フィンガで各成形工程のワークを成形サイクルに応動して把持する方法において、一方のトランスファバーの少なくとも一つの設定成形工程の把持対応位置には前記シリンダ穴と、このシリンダ穴の底部側に圧力流体供給穴と、前記シリンダ穴に軸部が挿入されて進退移動可能な一方側フィンガと、この一方側フィンガの把持基準位置を規定する把持基準位置決め片と、前記付勢部材とを設けて、一方側フィンガは前記付勢部材で前進方向に付勢し前記圧力流体供給穴から圧力流体を供給することで前進移動させて前記把持基準位置決め片によってその把持基準位置を規定するようにして、前記設定成形工程に対応する一対のフィンガは、前記把持基準位置まで前進移動した一方側フィンガと、この一方側フィンガとでワークを挟圧して把持可能な把持挟圧位置まで前進移動した他方側フィンガとの協働でワークを把持するようにしたトランスファスライドのワーク把持方法である。
【0016】
この請求項1に係る発明によれば、基準となる一方側フィンガは、その把持基準位置を規定すべくトランスファバーに取付けられた把持基準位置決め片にコイルばねなどの付勢部材及び圧力空気などの圧力流体により圧接し位置決めされるので、高精度に位置決めすることができる。そこで、ワークはこの一方側フィンガを基準にして他方側フィンガとで位置決めされ挟圧されるので、高精度に位置決めして把持することができる。
【0017】
また、他方側フィンガの位置に関係なく、ワークは一方側フィンガの把持基準位置を基準に位置決めされるので、他方側フィンガの掴み代を大きくしてもワークの位置決め精度には影響ないので、他方側フィンガの掴み代を大きくすることができる。従って、ワークが有るときと無いときとの他方側フィンガの移動量すなわち掴み代を大きくすることができるので、請求項2に記載のトランスファスライドのワーク把持方法のように、他方側フィンガの近傍に検出手段を設けることによりワークの有無を容易に検出することができるようになる。
【0018】
また、一対のフィンガでワークを把持するためのフィンガの移動軸線と、一対のフィンガを前進移動させる付勢作用軸線とは一軸線上にあり、一対のフィンガと把持基準位置決め片または前進端位置決め片との作用軸線もその近傍で平行であり、かつトランスファバーを強制開閉する外力がないので、トランスファバーがあおられたり弓なりになるような現象は生じないため、ワークの位置決め精度が向上する。またこの発明によれば装置を簡単に構成してトランスファバー内にコンパクトに組み込むことができる。
【0019】
次に請求項2に記載の発明のトランスファスライドのワーク把持方法は、前記設定成形工程に対応する他方のトランスファバーの他方側フィンガ近傍には検出手段を設けて、設定把持時期内の他方側フィンガが、前記把持基準位置の一方側フィンガと協働でワークを把持可能な前記把持挟圧位置に対し、この把持挟圧位置を超えて前進したときは異常信号を検出するようにしたトランスファスライドのワーク把持方法である。
【0020】
この請求項2に係る発明によれば、設定把持時期内の他方側フィンガが、把持挟圧位置を超えて前進したときは異常信号を検出して、ワークを把持しているか否かを確認することができる。そして、ワークが把持されていないときにはプレス機械を停止させることで、金型の損傷を防止できる。
【0021】
次に請求項3に記載の発明のトランスファスライドのワーク把持方法は、前記検出手段とこの検出手段からの異常信号にもとづきプレス機械を停止させる制御手段との間に信号伝送手段を設けて、前記検出手段で検出された異常信号を個別に受信し、この受信した異常信号を非接触で個別に伝送し、この伝送された異常信号を前記制御手段へ個別に送信するようにしたトランスファスライドのワーク把持方法である。
【0022】
この請求項3に係る発明によれば、往復移動する他方のトランスファバーに取り付けられた検出手段からの異常信号を同じく他方のトランスファバーに取り付けられた信号伝送手段の受信側で個別に受信し、その信号をトランスファプレスの静止部分に取り付けられた送信側に非接触で伝送するようにしたので、ワークが把持されていないために検出された異常信号によって、プレス機械を直ちに停止させることができるとともに、その成形工程を特定することができる。また、可動部と静止部の間に配線を必要としないため断線などの事故も防止できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を実施例にもとづき、その図面を参照して説明する。本発明のトランスファスライドのワーク把持方法はトランスファバーの少なくとも一つの設定成形工程の把持対応位置に使用し、他設定成形工程の把持対応位置には従来のトランスファスライドのワーク把持方法を使用してもよい。
【0024】
図1は、本発明のトランスファスライドのワーク把持方法におけるプレスの1サイクルの動作が完了した状態、または次工程に移送され位置決め把持された状態を示す。トランスファスライド10には、常時一定の位置関係で隣接の一対のトランスファバー11L、11Rとがあり、一方のトランスファバー11Rには、シリンダ穴11aと、このシリンダ穴11aの底部側の圧力流体供給穴15と、シリンダ穴11aに軸部13aが挿入されて進退移動可能な一方側フィンガ13Rと、この一方側フィンガ13Rの把持基準位置01aを規定する把持基準位置決め片12Rと、付勢部材14Rとが設けられている。この実施例では付勢部材はコイルばねを使用しているがウレタンゴムなど他の付勢部材でもよい。(以下この実施例では付勢部材をコイルばねとする。)一方側フィンガ13Rは、コイルばね14Rで前進方向に付勢し、前記圧力流体供給穴15から圧力流体を供給することで前進移動し前記把持基準位置決め片12Rによってその把持基準位置01aを規定している。この実施例では圧力流体は圧力空気を使用しているが加圧された窒素ガス、水または油など他の圧力流体でもよい。(以下この実施例では圧力流体を圧力空気とする。)
【0025】
他方側フィンガ13Lは、この一方側フィンガ13Rとでワーク01を挟圧して把持可能な把持挟圧位置01bまで、一方側フィンガ13Rを付勢するコイルばね14Rと同等のコイルばね14Lにより付勢し前進移動している。これらの一対のフィンガ13L、13Rは協働でワーク01を位置決めし把持している。
【0026】
すなわち、基準となる一方側フィンガ13Rは、その把持基準位置01aを規定すべくトランスファバー11Rに取付けられた把持基準位置決め片12Rに、コイルばね14Lと所定のタイミングで供給する圧力空気とにより圧接し、高精度な位置決めがされている。他方側フィンガ13Lは、一方側フィンガ13Rを付勢するコイルばね14Rと同等のコイルばね14Lにより常時外側から内側に付勢され、位置決めされた一方側フィンガ13Rの把持基準位置01aにワーク01を圧接し位置決め把持している。そこで、ワーク01はこの一方側フィンガ13Rを基準にして他方側フィンガ13Lとで位置決めされ挟圧されるので、ワーク01は高精度に位置決めして把持されている。
【0027】
また、一対のフィンガ13L、13Rでワーク01を把持するための移動軸線と、一対のフィンガ13L、13Rを前進移動させる付勢作用軸線とは一軸線上にあり、一対のフィンガ13L、13Rと把持基準位置決め片12Rまたは前進端位置決め片12Lとの作用軸線もその近傍で平行であり、かつトランスファバー11L、11Rを強制開閉する外力がないため、トランスファバー11L、11Rがあおられたり弓なりになるような現象は生じない。またこの装置は簡単に構成してトランスファバー11L、11R内にコンパクトに組み込まれている。
【0028】
ワークは一方側フィンガ13Rの把持基準位置01aを基準に圧接されて位置決めされるので、他方側フィンガ13Lの掴み代を大きくしてもワーク01の位置決め精度には影響ない。従って通常の検出手段21で容易に検出が可能なような大きさに他方側フィンガ13Lの掴み代Cは設定してある。
【0029】
他方のトランスファバー11Lの他方側フィンガ13L近傍にはブラケット22を介して検出手段21を設け、他方側フィンガ13Lにはブラケット24を介して検出ドグ23を検出手段21と対峙する位置に設けている。設定把持時期内の他方側フィンガ13Lが、把持基準位置01aの一方側フィンガ13Rと協働でワーク01を把持可能な把持挟圧位置01bに対し、この把持挟圧位置01bを超えて前進したときは異常信号を検出するように設定している。
【0030】
設定把持時期内の他方側フィンガ13Lが、把持挟圧位置01bを超えて前進したときは検出手段21が異常信号を検出して、ワークを把持しているか否かを確認する。そして、ワークが把持されていないときにはプレス機械を停止させ、金型の損傷を防止する。図1の場合は他方側フィンガ13Lが把持挟圧位置01bを超えていないので検出手段21は異常信号を検出しない。
【0031】
図7において、検出手段21と図示しない制御手段との間には信号伝送手段40を設けて、検出手段21で検出された異常信号を個別に受信し、この受信した異常信号を非接触で個別に伝送し、この伝送された異常信号を制御手段へ個別に送信するようにしている。
【0032】
往復移動する他方のトランスファバー11Lに取り付けられた検出手段21からの異常信号を、同じく他方のトランスファバー11Lに取り付けられたリモートセンサシステムとして知られている従来技術の信号伝送手段40の受信側41で個別に受信し、その信号をトランスファプレスの静止部分に取り付けられた送信側42に非接触で伝送するようにしてあるので、ワーク01が把持されていないために検出された異常信号によって、プレス機械を直ちに停止し、その成形工程を特定することができる。また、可動部と静止部との間に配線を必要としていないため断線などの事故も防止する。
【0033】
図2によれば、一方側フィンガ13Rを付勢する圧力空気の供給を停止し圧力空気による付勢力を解除し、上部で待機していたパンチ31およびストリッパシンブル32が下降する。まずパンチ31がワーク01の内側に挿入された後、ストリッパシンブル32のくさび状の先端部32aで両フィンガ13L、13Rを押し広げながら、パンチ31とノックアウト33はワーク01を挟持したまま下降し、ワーク01をダイ34の中へ押し込みプレス加工をおこなう。
【0034】
図3によれば、プレス加工が完了しパンチ31とノックアウト33でワーク01を挟持しながらこれら及びストリッパシンブル32は上昇する。途中ストリッパシンブル32は上昇を停止しそのテーパ部32aでフィンガ13L、13Rの間隔を所定の間隔に保持したまま、ワーク01はパンチ31とノックアウト33で挟持されながら更に上昇する。
【0035】
図4によれば、更にワーク01が上昇しワーク01の下面がダイホルダー35上面と同一面になるのと同時に、ストリッパシンブル32は、そのテーパ部32aがフィンガ13L、13Rから離れ更にストリッパシンブル32の下面の位置がワーク01の上面の位置になるまで上昇し、ストリッパシンブル32の下面がワーク01の上面に接圧しワークがそれ以上上昇しないよう規制した状態でパンチ31が上方へ抜ける。また、圧力流体供給穴15へ圧力空気を供給して一方側フィンガ13Rの背後に付勢力を与えることにより一方側フィンガ13Rは基準位置に位置決めされるので、ワーク01は他方側フィンガ13Lにより一方側フィンガ13Rへ圧接され、位置決め把持された状態となる。
パンチ31がワーク01から抜けるとストリッパシンブル32も上昇し、ワーク01は両フィンガ13L、13Rに位置決め把持された状態となりそのまま次工程へ移送される。
【0036】
図5によれば、プレス加工は完了したがワーク01がダイ34の中で喰い付き残ったために、ワーク01がパンチ31及びノックアウト33と一緒に上昇することができず、他方側フィンガ13Lがストリッパシンブル32のテーパ部32aに当たる位置まで前進し、他方側フィンガ13Lに取り付けられた検出ドグ23が検出手段21を作動させて異常信号を検出するためワーク無しと判定し機械は停止する。
【0037】
図6によれば、ワーク01がダイ34の中で喰い付き残り、さらにパンチ31及びストリッパシンブル32が上昇し、他方側フィンガ13Lは他方のトランスファバー11Lに取り付けられた前進端位置決め片12Lで設定された位置まで前進し、他方側フィンガ13Lに取り付けられた検出ドグ23が検出手段21を作動させて異常信号を検出するためワーク無しと判定し機械は停止する。
【0038】
以上のように、ワーク01はその一方側フィンガ13Rの把持基準位置01aを基準に、他方側フィンガ13Lにより付勢され把持されているが、この付勢力はワーク01を介して作用反作用としてお互いトランスファバー11L、11Rを広げる方向への力として働く。ここで、お互いの両端部が連結され一体構造に構成され、剛性をもったこの一対のトランスファバー11L、Rにおいて、それぞれのトランスファバー11L、11Rを歪ませる力となるこの他方側フィンガ13Lの付勢力は、充分ワーク01を把持できるほどの付勢力であるが、トランスファバー11L、11Rの剛性に比べれば無視できるほど小さく設定されることが可能であり、また設定されているので、この付勢力によるトランスファバー11L、11Rが変形することは無視できるため、この付勢力によるトランスファバー11のワーク掴み方向の位置精度への影響は無視できる。また、それぞれのトランスファバー11L、11Rを歪ませる力となるこの他方側フィンガ13Lの付勢力が無視できないほどの力である場合は、トランスファバー11L、11Rの外側にトランスファバー11L、11Rに密着して取り付けられた図示しない中間ガイドがその付勢力を支えるので、トランスファバー11のワーク掴み方向の位置は一定に保たれる。
【0039】
またワーク01がないときも、付勢力はそれぞれのトランスファバー11内部で釣り合っていて外力としては働かないので、この付勢力によるトランスファバー11のワーク掴み方向の位置精度への影響は無視できる。従って、トランスファバー11のワーク掴み方向の位置は一定に保たれ良好である。
【0040】
従って、一方側フィンガ13Rは、この一方側トランスファバー11Rを基準に位置決めされるので、高精度に位置決めされることができる。また、ワーク01はこの一方側フィンガ13Rの把持基準位置01aを基準に位置決めされるので、高精度に位置決め把持されることができる。
【0041】
【発明の効果】
本発明の方法は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0042】
このトランスファスライドのワーク把持方法によれば、一方側フィンガは一方側トランスファバーを基準に高精度に位置決めされる。また、ワークは一方側フィンガの把持基準位置を基準に他方側フィンガにより挟持されるので高精度に位置決め把持された後、その状態のままで次の工程へ移送され、そこでも高精度に位置決め把持される。また、これらのフィンガはトランスファスライドにコンパクトに組込むことができる。また、他方側フィンガの掴み代を大きくとれるためフィンガの位置を検出することでワークの有無を検出でき、また、この検出手段はトランスファバー上にコンパクトに取りつけることができる。そのため、金型調整のとき検出手段を取り除き、再調整などの作業が不要となり作業性がよくなり時間短縮になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トランスファスライドのワーク把持装置の縦断面図で原位置においてワークを把持している状態を示している。
【図2】同じくトランスファスライドのワーク把持装置の縦断面図でパンチが下降端まで下降しプレス成形が完了した状態を示す。
【図3】同じくトランスファスライドのワーク把持装置の縦断面図でパンチとノックアウトでワークを挟持しながら上昇している途中を示す。
【図4】同じくトランスファスライドのワーク把持装置の横断面図でパンチがワークから抜けきったところを示す。
【図5】同じくトランスファスライドのワーク把持装置の縦断面図でワークがダイに喰付きダイの中に残っていてパンチが上昇途中のところを示す。
【図6】同じくトランスファスライドのワーク把持装置の縦断面図でワークがダイに喰付きダイの中に残っていてパンチが上昇したところを示す。
【図7】図2におけるA−A断面図を示す。
【図8】従来技術Aにおけるトランスファスライドのワーク把持装置の縦断面図を示す。
【符号の説明】
01 ワーク
01a 把持基準位置
01b 把持挟圧位置
10 トランスファスライド
11 トランスファバー
11L 他方側トランスファバー
11R 一方側トランスファバー
12L 前進端位置決め片
12R 把持基準位置決め片
13L 他方側フィンガ
13R 一方側フィンガ
14L コイルばね(付勢部材)
14R コイルばね(付勢部材)
15 圧力流体供給穴
20 検出部
21 検出手段
22 ブラケット
23 検出ドグ
24 ブラケット
31 パンチ
32 ストリッパシンブル
33 ノックアウト
34 ダイ
35 ダイホルダ
40 信号伝送手段
41 受信側
42 送信側
C 掴み代
D 掴み代

Claims (3)

  1. 成形軸線を挟んで平行常時一定の位置関係で隣接の各成形工程間を往復移動可能な一対のトランスファバーと、これらのトランスファバーには各成形工程の把持対応位置で対向する複数対のシリンダ穴と、これらのシリンダ穴に各々の軸部が挿入されて進退移動可能な複数対のフィンガと、これらのフィンガの前進端位置を各々規制する複数対の前進端位置決め片と、前記フィンガを各々前進方向に付勢する複数対の付勢部材とを設けたトランスファスライドを用いて、前記付勢部材によって各々前進方向に付勢される前記フィンガで各成形工程のワークを成形サイクルに応動して把持する方法において、
    一方のトランスファバーの少なくとも一つの設定成形工程の把持対応位置には前記シリンダ穴と、このシリンダ穴の底部側に圧力流体供給穴と、前記シリンダ穴に軸部が挿入されて進退移動可能な一方側フィンガと、この一方側フィンガの把持基準位置を規定する把持基準位置決め片と、前記付勢部材とを設けて、前記一方側フィンガは前記付勢部材で前進方向に付勢し前記圧力流体供給穴から圧力流体を供給することで前進移動させて前記把持基準位置決め片によってその把持基準位置を規定するようにして、
    前記設定成形工程に対応する一対のフィンガは、前記把持基準位置まで前進移動した前記一方側フィンガと、この一方側フィンガとでワークを挟圧して把持可能な把持挟圧位置まで前進移動した他方側フィンガとの協働でワークを把持するようにしたことを特徴とするトランスファスライドのワーク把持方法。
  2. 前記設定成形工程に対応する他方のトランスファバーの他方側フィンガ近傍には検出手段を設けて、設定把持時期内の他方側フィンガが、前記把持基準位置の一方側フィンガと協働でワークを把持可能な前記把持挟圧位置に対し、この把持挟圧位置を超えて前進したときは異常信号を検出するようにした請求項1に記載のトランスファスライドのワーク把持方法。
  3. 前記検出手段とこの検出手段からの異常信号にもとづきプレス機械を停止させる制御手段との間には信号伝送手段を設けて、前記検出手段で検出された異常信号を個別に受信し、この受信した異常信号を非接触で個別に伝送し、この伝送された異常信号を前記制御手段へ個別に送信するようにした請求項2に記載のトランスファスライドのワーク把持方法。
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