JP3708140B2 - アクリジニウム誘導体で標識された抗原または抗体の安定化法 - Google Patents

アクリジニウム誘導体で標識された抗原または抗体の安定化法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は化学発光物質であるアクリジニウム誘導体で標識された抗原または抗体(以下、標識体という)の安定化法に関する。水溶液中での標識体の安定性を高めることにより免疫測定に有効に利用できる。
【0002】
【従来の技術】
化学発光を用いる免疫測定法の一つとして発光物質を直接抗体や抗原に標識する方法があり、標識する発光物質としてはアクリジニウム化合物の9位カルボン酸をエステルあるいはアミドなどとしたアクリジニウム誘導体が知られている。アクリジニウム誘導体は、GB−B−2008247に開示され、現在代表的な発光物質となっている。アクリジニウム誘導体は過酸化水素とアルカリからなる発光補助剤で発光し、2秒以内に発光が終了するため、検出反応が短時間で行えるという特徴を有している。この発光量は免疫測定試薬として用いるには十分であるが、アクリジニウム誘導体は水溶液で保存すると分解しやすく発光量が低下するという問題がある。特開昭63−101368にはアクリジニウムフェニルエステル誘導体のフェニル環のオルト位をメチルで置換した、アクリジニウムジメチルフェニルエステルなどの誘導体とすることにより、pH7.4の緩衝液において保存安定性が改善されることが開示されている。また、特開昭63−57572にはアクリジニウムアシルスルホンアミド誘導体も安定性が高いことが開示されている。
【0003】
アクリジニウムエステルの発光に関しては、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライドやシクロデキストリンがアクリジニウムエステルの発光を高めることが知られている〔Biolumin. Chemilumin., Proc. Int. Biolumin. Chemilumin. Symp., 415-18 (1987)〕が、アクリジニウム誘導体の保存安定化に及ぼすシクロデキストリンの影響については知られていない。
【0004】
アクリジニウム誘導体を標識物質とした測定用試薬の場合、試料中の測定対象の濃度を算出するには標準曲線が必要となる。この標準曲線は標識物質が不安定な試薬の場合、測定毎に設定する必要がある。たとえば、標識物質として2’,6’−ジメチル−4’−(N−スクシンイミジルオキシカルボニル)フェニル 10−メチルアクリジニウム−9−カルボキシレートメソスルフェート(以下、DMAEという)を用いたマジックライト試薬(チバコーニング社製)では、予め設定された標準曲線を二点の較正剤で補正し濃度を算出する。1回の補正により、長期間安定した結果を得るためには、その間測定値がほとんど変化しないことが必要となる。現在、一回補正した後の10℃以下での保存では7日から28日程度の無補正が可能となっているが、より安定化された試薬の開発が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記のように安定化を目指した標識体が種々開発されているが、水性溶液中での安定性は不十分で、発光量も低下する。
本発明の目的は、標識体の水性溶液中での安定性を高め、発光性能を保持できるようにすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、アクリジニウム誘導体で標識された抗原または抗体(標識体)を含む水性溶液中にシクロデキストリン類を存在させることを特徴とする標識された抗原または抗体の安定化法に関する。また本発明によれば、標識体およびシクロデキストリン類を含有してなる免疫測定用試薬を提供することができる。
【0007】
以下に本発明を詳細に説明する。
アクリジニウム誘導体としては、アクリジニウム化合物の9位カルボン酸をエステルあるいはアミドとしたアクリジニウム−9−カルボン酸エステル誘導体あるいはアクリジニウム−9−カルボン酸アミド誘導体などがあげられる。アクリジニウム−9−カルボン酸エステル誘導体としては、たとえば4−(2−スクシンイミジルオキシカルボニルエチル)フェニル 10−メチルアクリジニウム−9−カルボキシレート フルオロスルホネート(Dojin news No.42;Acridinium-I,以下、A−Iという)、5−(2−スクシンイミジルオキシカルボニルエチル−2,2−ジメチルカルボヒドラジニウム)−9−メチルアクリジニウムフルオロスルホネート(以下、A−MXという)およびDMAEなどをあげることができる。アクリジニウム−9−カルボン酸アミド誘導体としては、たとえばN−ベンゼンスルホニル−N−(スクシンイミジルオキシカルボニルメチル)−10−メチルアクリジニウム−9−カルボン酸アミドテトラフルオボレート、N−フェニル−N−(4−スクシンイミジルオキシカルボニルベンゼンスルホニル)−10−メチルアクリジニウム−9−カルボン酸アミドフルオロスルホネート、N−(4−メトキシフェニル)−N−(4−スクシンイミジルオキシカルボニルベンゼンスルホニル)−10−メチルアクリジニウム−9−カルボン酸アミドフルオロスルホネートおよびN−(4−メトキシフェニル)−N−(3−スクシンイミジルオキシカルボニルベンゼンスルホニル)−10−メチルアクリジニウム−9−カルボン酸アミドフルオロスルホネートなどをあげることができる。
【0008】
抗原もしくは抗体としては、β2 ミクログロブリン、癌胎児性抗原(CEA)、免疫グロブリン(IgG、IgA、IgM、IgD、IgE)、補体 (C3、C4、C5、C1q)、C反応性蛋白(CRP)、α1 −アンチトリプシン、α1 −マイクログロブリン、ハプトグロブリン、トランスフェリン、セルロプラスミン、フェリチン、アルブミン、ヘモグロビンA1 、ヘモグロビンA1C、ミオグロビン、ミオシン、デュパン−2、α−フェトプロテイン(AFP)、組織ポリペプチド抗原(TPA)、アポリポ蛋白A1 、アポリポ蛋白E、リウマチ因子、抗ストレプトリジンO(ASO)、フィブリン分解産物(FDP)、フィブリン分解産物D分画(FDP−D)、フィブリン分解産物D−D分画(FDP−DDimer)、フィブリン分解産物E分画(FDP−E)、アンチトロンビン−III (AT−III)等の蛋白質、アミラーゼ、前立腺由来酸性ホスファターゼ(PAP)、神経特異エノラーゼ(NSE)、フィブリノーゲン、エラスターゼ、プラスミノーゲン、クレアチンキナーゼ心筋型(CK−MB)等の酵素、インシュリン、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、3,5,3'−トリヨードサイロニン(T3 )、サイロキシン(T4 )、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、長ホルモン(GH)、黄体化ホルモン(LH)等のホルモン、B型肝炎ウイルス関連抗体、B型肝炎ウイルス関連抗原、C型肝炎ウイルス抗体、HTLV(成人T細胞白血病ウイルス)抗体、HIV(エイズウイルス)抗体、クラミジア抗体、梅毒の抗体、トキソプラズマ抗体等各種感染症の原因ウイルスに対する抗体などがあげられる。
【0009】
シクロデキストリン類としては、グルコース残基数6、7、8の環状デキストリンであるα−、β−、γ−シクロデキストリンまたはメチル−シクロデキストリン、ジメチル−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−シクロデキストリンなどの誘導体、またはこれらを架橋剤により重合させたポリマーなどをあげることができる。とくにヒドロキシプロピル−シクロデキストリンが好ましい。
【0010】
水性溶液中の標識体を安定に保存するためのシクロデキストリン類の濃度は、シクロデキストリン類の溶解度がその種類によって異なるため、有効濃度がその種類により異なる。一般的には有効濃度は1〜1500mg/mlである。好ましくは、たとえばα−シクロデキストリンでは10〜150mg/ml、β−シクロデキストリンでは1〜20mg/ml、γ−シクロデキストリンでは10〜250mg/ml、ジメチル−β−シクロデキストリンは10〜600mg/ml、ヒドロキシプロピル−シクロデキストリンでは10〜1500mg/mlである。さらに好ましくは、α−シクロデキストリンでは50〜145mg/ml、β−シクロデキストリンでは10〜18.5mg/ml、γ−シクロデキストリンでは50〜232mg/ml、ジメチル−β−シクロデキストリンは100〜570mg/ml、ヒドロキシプロピル−シクロデキストリンでは100〜1200mg/mlである。
【0011】
水性溶液としては、水や10〜200mMのリン酸、ピロリン酸、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、グリシン、クエン酸、グッドの緩衝液などの緩衝液類があげられ、そのpHは5〜9の範囲で使用できるが、6〜8が望ましい。塩化ナトリウムなどの塩類の添加は抗原抗体反応性に影響しない範囲であれば可能であるが1M以下が好ましい。
【0012】
また、水溶液中には免疫測定のために必要な物質、たとえばアジ化ナトリウムなどの防腐剤、Tween20などの界面活性剤や非特異反応抑制剤としてウシ血清アルブミン(BSA)、ゼラチン、乳清(ホエー)由来蛋白などを含有してもよい。
標識体を前記したような水性溶液中で、シクロデキストリン類と共に、必要により防腐剤、界面活性剤、非特異反応抑制剤の共存下、溶解し、溶液状に調製しておくことにより、室温下においても7〜28日程度、アクリジニウム誘導体の発光性能を安定に保持することができる。このようにして得られる水性溶液は、標識抗原試薬や標識抗体試薬として通常の免疫測定法に用いることができる。
【0013】
測定用試薬は、たとえば試薬1ml中、標識体 1〜4μg/ml、シクロデキストリン類 40〜60mg/mlおよびリン酸1ナトリウム(2水塩) 10〜20mg/ml、さらに必要に応じて塩化ナトリウムなどの塩類 5〜10mg/ml、アジ化ナトリウムなどの防腐剤 0.1〜3mg/ml、BSAなどの非特異反応抑制剤 10〜30mg/ml、Tween20などの界面活性剤0.5〜5mg/mlなどを含有し、上記調製法に従い製造される。
【0014】
測定は、試料中の抗原もしくは抗体(被検体)と該抗原もしくは該抗体と反応製を有する標識体とを反応させ、得られる抗原抗体反応物中の標識体の量を発光光度計を用いた発光光度測定法などにより行えばよい。
被検体に対応する抗体は、試料中の抗原に対するポリクローナル抗体、試料中の抗原に対するモノクローナル抗体など通常抗原に対して反応し得る抗体があげられる〔「単クーロン抗体実験マニュアル」,富山朔二ら編、講談社サイエンティフィック刊,1987年:新生化学実験講座 第12巻,「分子免疫学 III 抗原、抗体、補体」,日本生化学会編,東京化学同人社刊,1992年〕。該抗体は複数の抗体からなるものでもよく、抗体を限定分解したもの、蛋白修飾したものでもよい。
【0015】
被検体に対応する抗原は、天然の抗原の抗体結合部位でもよく、遺伝子操作等により人工的に作成されたものでもよい。例えば、被測定抗体が各種感染症の原因ウイルスに対する抗体である場合、被測定抗体に対する抗原は上述の感染症のウイルスのマーカー蛋白質等を用いることができる。該抗原は複数の抗原分子からなるものでもよく、抗原分子を限定分解したもの、蛋白修飾したものでもよい。 以下に本発明の実施例および参考例を示す。
【0016】
【実施例】
次に実施例を用いて本発明を説明する。
【0017】
実施例1.β2 ミクログロブリンの測定用標識体の安定化
(1)抗ヒトβ2 ミクログロブリン抗体固定化磁性粒子の調製
磁性粒子として、ダイナビーズ M280(日本ダイナル社製)を使用し、抗体を固定化した磁性粒子を調製した。すなわち、pH9.5、0.5M ホウ酸緩衝液に溶解した150μg/mlの抗ヒトβ2 ミクログロブリン抗体溶液を30mg/mlのダイナビーズに等量添加し一晩放置した。磁石で粒子を集め、上清を吸引除去後、0.1% BSA、0.1% アジ化ナトリウムを含む50mM リン酸緩衝液(pH8.0)(BSA/PBS)を500μl加え、ブロッキングした。使用時までこのまま保存した。
【0018】
(2)β2 ミクログロブリン抗原とA−Iとの反応による標識抗原の調製
A−Iを化学発光物質として用い、N−ヒドロキシスクシンイミド化アクリジニウムエステルと抗体とを反応させるIan Weeks らの方法(CLIN.CHEM.29/8,1474-1479(1983))に従い、β2 ミクログロブリン抗原に標識した。
すなわち、0.5mMのA−Iのジメチルホルムアミド溶液10μlに50μgのβ2 ミクログロブリンを溶解したpH8.0、0.1Mリン酸緩衝液300μlを添加し、10分間標識化反応したのち、10g/l のリジン塩酸塩溶液100μlを加えて反応を停止した。セファデックス G−50カラム(80×6mm、ファルマシア社)で未反応のA−Iを除去し、標識抗原を得た。
【0019】
(3)標識溶液の調製
0.5%牛アルブミンおよび0.15M塩化ナトリウムを含むpH7.0、25mMリン酸緩衝液に防腐剤として0.1%アジ化ナトリウムを添加して得られたものを対照希釈液とした。
この対象希釈液に下記第1表中に記載の7種のシクロデキストリン類を各10mg/mlで溶解し、評価標識希釈液とした。対象希釈液および得られた7種の評価標識希釈液で、上記(2)で得られた標識抗原を抗原濃度100〜200ng/mlになるように希釈し、8種の標識溶液とした。このときのアクリニジウム誘導体の濃度は5〜10ng/mlである。
【0020】
(4)標識体の安定性に及ぼすシクロデキストリン類の効果
(3)で得られた8種の標識溶液を30℃に保存し、経時的に抗原抗体反応を行い、反応前の発光量(以下、発光カウントという)および反応後の発光量(以下、反応カウントという)を測定した。
発光量は試料0.025mlに0.1%過酸化水素を含む0.1規定硝酸の第一試薬を0.3ml加え、次いで界面活性剤(0.5%塩化セチルピリジニウム)を含む0.15規定水酸化ナトリウムの第二試薬を0.3ml加え、2秒間で得られる発光量をケミルミアナライザーI型(チバコーニング社製)で測定した。
【0021】
なお、抗原抗体反応は(1)で調した磁性粒子を100μg/mlになるようにBSA/PBS中に分散し、その500μlをチューブに採取し、1000ng/mlのβ2 ミクログロブリン抗原を含む標準試料50μlを加え、(3)で得られた標識溶液100μlと混合して1時間放置し反応させた。磁性粒子を分離、洗浄後、蒸留水100μl中に分散し、発光量の測定に供した。
【0022】
結果を第1表、図1および第2表に示した。表中、発光性能は初日の発光カウントを、反応性能は初日の反応カウントをそれぞれ100としたときの比率として表示した。発光性能は標識体の安定性を、反応性能は標識体と抗原とが結合した状態での安定性をそれぞれ評価する。
表および図より明らかなように、シクロデキストリン(CD)類無添加に比べて、いずれの場合もシクロデキストリン類添加により安定性の向上が認められた。
【0023】
【表1】
Figure 0003708140
【0024】
【表2】
Figure 0003708140
【0025】
(5)標識体の安定性に及ぼすシクロデキストリン濃度の影響
(1)〜(4)と同様の方法により、対照希釈液にヒドロキシプロピル−シクロデキストリン類を各々10、50、100mg/mlの濃度で添加し、安定性を試験した。第3表のように発光性能は濃度依存性を示し、ヒドロキシプロピルγシクロデキストリン(HP−γCD)は100mg/ml添加すると30℃28日でも発光性能は100%維持していた。
【0026】
【表3】
Figure 0003708140
【0027】
実施例2.癌胎児性抗原(CEA)測定用標識体の安定性
標識される対象を実施例1の抗原に代えて、抗体をアクリジニウム誘導体で標識した場合の安定性について検討した。
(1)抗CEA抗体固定化磁性粒子の調製
抗体は標識に使用した抗体とは反応性の異なる抗CEAモノクローナル抗体を使用した。すなわち、pH9.5,0.5M ホウ酸緩衝液に溶解した150μg/mlの抗体溶液を30mg/mlのダイナビーズに等量添加し一晩放置した。磁石で粒子を集め、上清を吸引除去後、0.1% BSA、0.1% アジ化ナトリウムを含むリン酸緩衝液(pH8.0)(BSA/PBS)を500μl加え、ブロッキングした。使用時までこのまま保存した。
【0028】
(2)抗CEA抗体とDMAEとの反応による標識体の調製
実施例1と同様にして抗体CEAマウスモノクローナル抗体に標識した。すなわち、0.5mMのDMAEのジメチルホルムアミド溶液10μlに50μgの抗CEAマウスモノクローナル抗体を溶解したpH8.0、0.1Mリン酸緩衝液300μlを添加し、10分間標識化反応したのち、10g/l のリジン塩酸塩溶液100μlを加えて反応を停止した。セファデックス G−50カラム(80×6mm、ファルマシア社)で未反応のDMAEを除去し、標識抗体を得た。
【0029】
(3)標識溶液の調整
実施例1(3)で得られた対象希釈液に100ng/mlの濃度でヒドロキシプロピルγCDを添加し、評価標識希釈液とした。対象希釈液および評価標識希釈液で(2)で得られた標識抗体を抗体濃度1.5〜3μg/mlになるように希釈し、標識溶液とした。このときのアクリジニウム誘導体の濃度は5〜10ng/mlである。
【0030】
(4)標識体の安定性に及ぼすヒドロキシプロピルγCDの効果
(3)で得られた標識溶液を30℃に保存し、経時的に抗原抗体反応を行い、発光カウントおよび反応カウントを測定した。
1000ng/mlのβ2 ミクログロブリン抗原を用いる代わりに100ng/mlのCEA抗原を用いる以外は実施例1(4)に記載の抗原抗体反応を行った。結果を第4表に示す。抗原に標識した実施例1と同様に、シクロデキストリン類無添加に比べて、いずれの場合もシクロデキストリン類添加により安定性の向上が認められた。
【0031】
【表4】
Figure 0003708140
【0032】
実施例3.標識抗体試薬(剤形:溶液)
Figure 0003708140
【0033】
参考例 アクリジニウム誘導体の安定性
DMAE、A−I、A−MXをそれぞれ0.1mg/mlになるようにジメチルホルムアミドに溶解した。さらに、0.1% BSA含む10mMリン酸緩衝液(pH7.0)および下記第5表記載のCDを含む緩衝液で1μg/mlに希釈した。得られた希釈液を25μl試験管に採り、ケミルミ試薬で発光させ、初日の発光カウントを測定した。別にさきの希釈液を40℃恒温庫に密閉して保存した。6日後、25μlを同様に発光させ、発光カウントを測定し、初日に得た発光カウントを除して残存率を算出した。結果を第5表に示す。
【0034】
【表5】
Figure 0003708140
【0035】
【発明の効果】
本発明により、アクリジニウム誘導体で標識された抗原または抗体の水溶液中での安定性をたかめることにより、アクリジニウム誘導体の発光性能を維持した標識溶液を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 発光性能に及ぼすシクロデキストリン類の効果を表した図である。

Claims (8)

  1. アクリジニウム−9−カルボン酸エステルもしくはアクリジニウム−9−カルボン酸アミドで標識された抗原または抗体を含む水性溶液中にα−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、メチル−シクロデキストリン、ジメチル−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−シクロデキストリンおよびそれらを重合させたポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1種を存在させることを特徴とする標識された抗原または抗体の安定化法。
  2. アクリジニウム−9−カルボン酸エステルもしくはアクリジニウム−9−カルボン酸アミドで標識された抗原がβミクログロブリンである請求項1記載の安定化法。
  3. アクリジニウム−9−カルボン酸エステルもしくはアクリジニウム−9−カルボン酸アミドで標識された抗体が抗癌胎児性抗原(CEA)抗体である請求項1記載の安定化法。
  4. アクリジニウム−9−カルボン酸エステルが4−(2−スクシンイミジルオキシカルボニルエチル)フェニル 10−メチルアクリジニウム−9−カルボキシレート フルオロスルホネート、5−(2−スクシンイミジルオキシカルボニルエチル−2,2−ジメチルカルボヒドラジニウム)−9−メチルアクリジニウムフルオロスルホネートもしくは2’,6’−ジメチル−4’−(N−スクシンイミジルオキシカルボニル)フェニル 10−メチルアクリジニウム−9−カルボキシレートメソスルフェートであるか、またはアクリジニウム−9−カルボン酸アミドがN−ベンゼンスルホニル−N−(スクシンイミジルオキシカルボニルメチル)−10−メチルアクリジニウム−9−カルボン酸アミドテトラフルオボレート、N−フェニル−N−(4−スクシンイミジルオキシカルボニルベンゼンスルホニル)−10−メチルアクリジニウム−9−カルボン酸アミドフルオロスルホネート、N−(4−メトキシフェニル)−N−(4−スクシンイミジルオキシカルボニルベンゼンスルホニル)−10−メチルアクリジニウム−9−カルボン酸アミドフルオロスルホネートもしくはN−(4−メトキシフェニル)−N−(3−スクシンイミジルオキシカルボニルベンゼンスルホニル)−10−メチルアクリジニウム−9−カルボン酸アミドフルオロスルホネートである請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. アクリジニウム−9−カルボン酸エステルもしくはアクリジニウム−9−カルボン酸アミドで標識された抗原または抗体およびα−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、メチル−シクロデキストリン、ジメチル−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−シクロデキストリンおよびそれらを重合させたポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有してなる標識抗原または標識抗体試薬。
  6. アクリジニウム−9−カルボン酸エステルもしくはアクリジニウム−9−カルボン酸アミドで標識された抗原がβミクログロブリンである請求項記載の標識抗原試薬。
  7. アクリジニウム−9−カルボン酸エステルもしくはアクリジニウム−9−カルボン酸アミドで標識された抗体が抗癌胎児性抗原(CEA)抗体である請求項記載の標識抗体試薬。
  8. アクリジニウム−9−カルボン酸エステルが4−(2−スクシンイミジルオキシカルボニルエチル)フェニル 10−メチルアクリジニウム−9−カルボキシレート フルオロスルホネート、5−(2−スクシンイミジルオキシカルボニルエチル−2,2−ジメチルカルボヒドラジニウム)−9−メチルアクリジニウムフルオロスルホネートもしくは2’,6’−ジメチル−4’−(N−スクシンイミジルオキシカルボニル)フェニル 10−メチルアクリジニウム−9−カルボキシレートメソスルフェートであるか、またはアクリジニウム−9−カルボン酸アミドがN−ベンゼンスルホニル−N−(スクシンイミジルオキシカルボニルメチル)−10−メチルアクリジニウム−9−カルボン酸アミドテトラフルオボレート、N−フェニル−N−(4−スクシンイミジルオキシカルボニルベンゼンスルホニル)−10−メチルアクリジニウム−9−カルボン酸アミドフル オロスルホネート、N−(4−メトキシフェニル)−N−(4−スクシンイミジルオキシカルボニルベンゼンスルホニル)−10−メチルアクリジニウム−9−カルボン酸アミドフルオロスルホネートもしくはN−(4−メトキシフェニル)−N−(3−スクシンイミジルオキシカルボニルベンゼンスルホニル)−10−メチルアクリジニウム−9−カルボン酸アミドフルオロスルホネートである請求項5〜7のいずれか1項に記載の標識抗体試薬。
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