JP3708088B2 - スイッチング電源の出力制御方法、出力制御回路およびスイッチング電源 - Google Patents

スイッチング電源の出力制御方法、出力制御回路およびスイッチング電源 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、スイッチング電源の出力電圧の制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
この技術分野では、出力電圧を印可すべき負荷の種類に応じて出力電圧を静的に変えることの可能なスイッチング電源が知られている(例えば、特許文献1および2を参照)。
【0003】
近年では、DC−DCコンバータ等のスイッチング電源に対して、起動時の立ち上がり特性の改善や、出力電圧を印可すべき負荷の動作中に出力電圧を動的に変化させることが要求されている。起動時の立ち上がり特性については、電源の起動によって出力電圧が目標値に到達するまでの期間中に出力電圧が下降する期間が存在してはならないと規定される負荷が増えている。このような負荷として、例えば、PLD、DSPおよびCPUが挙げられる。また、立ち上がり時間が厳しく規定される負荷も増えている。したがって、出力電圧を単調かつ迅速に変化させることが望まれている。負荷動作時の出力電圧を動的に変化させることについては、動的に可変な出力電圧を負荷に印可することにより消費電力が抑えられるICの開発が進められている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−75366号公報
【特許文献2】
特開2001−251851号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
スイッチング電源では、リファレンス値と出力電圧との差が小さくなるようにスイッチングパルスをフィードバック制御しながら入力電圧をスイッチングする。出力電圧を動的に変化させるために、可変のリファレンス電圧値を用いて出力電圧を制御する方法が考えられる。しかし、スイッチング電源の応答特性が高速の場合、リファレンス値を大きな傾きで急激に単調変化させると、出力電圧にオーバーシュートやアンダーシュートが発生してしまう。オーバーシュートやアンダーシュートを抑えるためには、リファレンス値を小さな傾きでゆっくりと単調変化させながら出力電圧を目標値に近づけることが有効である。しかし、この場合、出力電圧が目標値に到達するまでに長い時間を要し、したがって、応答性が悪くなる。
【0006】
そこで、この発明は、オーバーシュートおよびアンダーシュートを抑えつつ、目標値に迅速に到達するようにスイッチング電源の出力電圧を制御することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る方法は、スイッチング電源の出力電圧を目標値に制御する。この方法は、リファレンス値を算出するステップと、このリファレンス値と出力電圧との差が小さくなるように、リファレンス値と出力電圧との差分に応じた時比率を算出するステップと、この時比率を有するスイッチングパルスを生成するステップと、このスイッチングパルスに応答してスイッチング電源の入力電圧をスイッチングするステップとを備えている。リファレンス値を算出するステップは、出力電圧の目標値が変更されたとき、リファレンス値を、変更後の目標値まで、複数の傾きで複数回にわたり単調に線形変化させる。
【0008】
この方法では、出力電圧の目標値が変更された場合、リファレンス値が折れ線状に単調変化して変更後の目標値に近づく。これに応じて、出力電圧も折れ線状に単調変化する。複数の傾きを適切に選択すれば、出力電圧のオーバーシュートおよびアンダーシュートが抑えられ、なおかつ、単一の傾きで変化させるときよりも短い時間で出力電圧が変更後の目標値に到達する。
【0009】
リファレンス値を算出するステップは、リファレンス値を第1の傾きで線形変化させ、続いて、第1の傾きと異なる第2の傾きで変更後の目標値まで線形変化させることを含んでいてもよい。ここで、第2の傾きの絶対値は、第1の傾きの絶対値よりも小さい。この場合、変更後の目標値に到達する直前のリファレンス値および出力電圧の変化が、それ以前の変化よりも緩やかである。比較的急峻な第1の傾きでの変化によって出力電圧の目標値への迅速な到達が可能となる。また、比較的緩やかな第2の傾きでの変化によって、オーバーシュートおよびアンダーシュートが抑えられる。
【0010】
リファレンス値を算出するステップは、リファレンス値を第3の傾きで線形変化させ、続いて、第3の傾きと異なる第4の傾きで線形変化させることを含んでいてもよい。ここで、第4の傾きの絶対値は、第3の傾きの絶対値よりも小さい。この場合、リファレンス値および出力電圧の第4の傾きでの変化が、それ以前の第3の傾きでの変化よりも緩やかである。このため、第3の傾きから第4の傾きに切り替えられるときのオーバーシュートおよびアンダーシュートが抑えられる。
【0011】
リファレンス値を算出するステップは、リファレンス値が変更後の目標値に近づくにつれて、徐々に絶対値の小さな傾きでリファレンス値を線形変化させてもよい。この場合、出力電圧のオーバーシュートおよびアンダーシュートが確実に抑えられるとともに、出力電圧をいっそう迅速に目標値に到達させることが可能である。
【0012】
リファレンス値を算出するステップは、リファレンス値を変更前の目標値から第5の傾きで線形変化させ、続いて、リファレンス値を第5の傾きと異なる第6の傾きで線形変化させることを含んでいてもよい。ここで、第5の傾きの絶対値は、第6の傾きの絶対値よりも小さい。この場合、リファレンス値および出力電圧が最初緩やかに変化するので、突入電流の発生を防止できる。この後、リファレンス値および出力電圧は、より急峻に変化するので、出力電圧は十分に迅速に変更後の目標値に到達する。このようなリファレンス値の変化は、特に、スイッチング電源のソフトスタート時に好適である。
【0013】
この発明の出力制御回路は、スイッチングパルスに応答して入力電圧をスイッチングするスイッチング電源の出力電圧を目標値に制御する。この出力制御回路は、リファレンス値を算出するリファレンス算出回路と、このリファレンス値と出力電圧との差が小さくなるように、リファレンス値と出力電圧との差分に応じた時比率を算出する回路と、この時比率を有するスイッチングパルスを生成するスイッチングパルス発生回路とを備えている。リファレンス算出回路は、出力電圧の目標値が変更されたとき、リファレンス値を、変更後の目標値まで、複数の傾きで複数回にわたり単調に線形変化させる。
【0014】
この出力制御回路は、出力電圧の目標値が変更された場合、リファレンス値を折れ線状に単調変化させて変更後の目標値に近づける。これに応じて、出力電圧も折れ線状に単調変化する。複数の傾きが適切に設定されていれば、出力電圧のオーバーシュートおよびアンダーシュートが抑えられ、なおかつ、単一の傾きで変化させるときよりも短い時間で出力電圧が変更後の目標値に到達する。
【0015】
リファレンス算出回路は、リファレンス値を第1の傾きで線形変化させ、続いて、第1の傾きと異なる第2の傾きで変更後の目標値まで線形変化させてもよい。ここで、第2の傾きの絶対値は、第1の傾きの絶対値よりも小さい。この場合、変更後の目標値に到達する直前のリファレンス値および出力電圧の変化が、それ以前の変化よりも緩やかである。比較的急峻な第1の傾きでの変化によって出力電圧の目標値への迅速な到達が可能となる。また、比較的緩やかな第2の傾きでの変化によって、オーバーシュートおよびアンダーシュートが抑えられる。
【0016】
リファレンス算出回路は、リファレンス値を第3の傾きで線形変化させ、続いて、第3の傾きと異なる第4の傾きで線形変化させてもよい。ここで、第4の傾きの絶対値は、第3の傾きの絶対値よりも小さい。この場合、リファレンス値および出力電圧の第4の傾きでの変化が、それ以前の第3の傾きでの変化よりも緩やかである。このため、第3の傾きから第4の傾きに切り替えられるときのオーバーシュートおよびアンダーシュートが抑えられる。
【0017】
リファレンス算出回路は、リファレンス値が変更後の目標値に近づくにつれて、徐々に絶対値の小さな傾きでリファレンス値を線形変化させてもよい。この場合、出力電圧のオーバーシュートおよびアンダーシュートが確実に抑えられるとともに、出力電圧をいっそう迅速に目標値に到達させることが可能である。
【0018】
リファレンス算出回路は、リファレンス値を変更前の目標値から第5の傾きで線形変化させ、続いて、リファレンス値を第5の傾きと異なる第6の傾きで線形変化させてもよい。ここで、第5の傾きの絶対値は、第6の傾きの絶対値よりも小さい。この場合、リファレンス値および出力電圧が最初緩やかに変化するので、突入電流の発生を防止できる。この後、リファレンス値および出力電圧は、より急峻に変化するので、出力電圧は十分に迅速に変更後の目標値に到達する。このようなリファレンス値の変化は、特に、スイッチング電源のソフトスタート時に好適である。
【0019】
この発明のスイッチング電源は、入力電圧をスイッチングして目標値の出力電圧を生成する。このスイッチング電源は、スイッチングパルスに応答して入力電圧をスイッチングするスイッチング素子と、スイッチングパルスを生成してスイッチング素子に供給する上記の出力制御回路とを備えている。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0021】
(第1実施形態)図1は、第1実施形態のスイッチング電源100の構成を示す概略図である。スイッチング電源100は、直流の入力電圧Vinを直流の出力電圧Voutに変換するDC/DCコンバータである。DC/DCコンバータ100は、負荷7に出力電圧Voutを印可する。DC/DCコンバータ100は、PWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)制御によりスイッチング素子をオンオフして出力電圧Voutを決定する。入力電圧Vinは、予め設定された値(例えば、5V)を有している。出力電圧Voutに関しては、負荷7に応じて所定の目標値が設定される。負荷7は、例えば、CPU、PLDまたはDSPである。
【0022】
DC/DCコンバータ100は、出力制御回路1、スイッチング素子2および3、インダクタ4、ならびにコンデンサ5を有する。出力制御回路1は、DC/DCコンバータ100の出力に接続されるとともに、スイッチング素子2および3に接続されている。出力制御回路1は、一つの集積回路(IC)チップであってもよい。スイッチング素子2および3は、互いに直列に接続されている。スイッチング素子2の一端には、入力電圧Vinが印可される。スイッチング素子3の一端は接地されている。インダクタ4は、スイッチング素子2および3の間に接続されている。インダクタ4およびコンデンサ5は、互いに直列に接続されており、平滑回路6を構成している。
【0023】
出力制御回路1は、出力電圧Voutが目標値となるようにスイッチングパルス信号を生成し、スイッチング素子2および3のオンオフを制御する。本実施形態では、スイッチング素子2および3は、電界効果トランジスタ(FET)であり、スイッチングパルスは、FET用のゲートパルスである。スイッチング素子2および3は、出力制御回路1からハイのスイッチングパルスを受け取るとオン状態になり、ローのスイッチングパルスを受け取るとオフ状態になる。スイッチングパルスに応答したスイッチング素子2および3のスイッチング動作によって、入力電圧Vinと等しい振幅を有するパルス状の電圧が平滑回路6に印可される。平滑回路6は、そのパルス電圧を平均化する。この平均化された電圧が、DC/DCコンバータ100の出力電圧Voutである。
【0024】
以下では、出力制御回路1の構成を詳細に説明する。出力制御回路1は、A/Dコンバータ10、減算器11、スイッチングパルス制御器12、FET駆動回路13、設定値メモリ14、リファレンス算出回路15、およびリファレンスメモリ16を含んでいる。A/Dコンバータ10の入力は、DC/DCコンバータ100の出力に接続されている。A/Dコンバータ10の出力は、減算器11およびリファレンス算出回路15の入力に接続されている。減算器11の出力は、スイッチングパルス制御器12の入力に接続されている。スイッチングパルス制御器12の出力は、FET駆動回路13の入力に接続されている。設定値メモリ14には、DC/DCコンバータ100の外部に配置される外部設定装置8が接続されている。設定値メモリ14には、リファレンス算出回路15も接続されている。リファレンス算出回路15は、リファレンスメモリ16にも接続されている。リファレンスメモリ16は、減算器11の入力にも接続されている。
【0025】
A/Dコンバータ10には、DC/DCコンバータ100のアナログ出力電圧Voutが入力される。A/Dコンバータ10は、このアナログ出力電圧Voutをデジタル化して減算器11およびリファレンス算出回路15へ送出する。リファレンス算出回路15は、内部カウンタを含んでいる。リファレンス算出回路15は、出力電圧Voutと種々の設定値とを用いてリファレンス電圧値Vrefを算出する。設定値メモリ14は、これらの設定値を格納する記憶装置である。
【0026】
以下では、設定値メモリ14の記憶内容を説明する。設定値メモリ14には、出力電圧の目標値Vt、頂点設定値Vd、傾きデータa1、a2、b1およびb2が記憶される。出力制御回路1は、DC/DCコンバータ100の出力電圧Voutをこの目標値Vtに安定化させる。目標値Vtは、外部設定装置8によって指定される。外部設定装置8は、たとえば、負荷7そのものでもよいし、負荷7に接続されたスイッチング素子であってもよい。頂点設定値Vdは、折れ線状に変化するリファレンス値Vrefの頂点、すなわち折れ曲がり位置を指定する電圧値である。傾きデータa1、a2、b1およびb2は、リファレンス値Vrefの変化の傾きを指定するデータである。頂点設定値および傾きデータについては、後でより詳細に説明する。
【0027】
リファレンス算出回路15は、算出したリファレンス値Vrefをリファレンスメモリ16へ送出する。リファレンスメモリ16は、リファレンス値Vrefを格納する記憶装置である。減算器11は、リファレンスメモリ16からVrefを受け取り、Vref−Voutの減算を実行する。この減算により得られた差分値は、スイッチングパルス制御器12に送られる。スイッチングパルス制御器12は、リファレンス値Vrefと出力電圧Voutとの差が小さくなるように、スイッチングパルスの時比率(デューティ)Dを算出する。具体的には、スイッチングパルス制御器12は、Vref−Voutの減算により得られた差分値に伝達関数G(z)を乗じて、時比率Dを算出する。
【0028】
算出された時比率DはFET駆動回路13へ送られる。FET駆動回路13は、時比率Dのスイッチングパルス、すなわちゲートパルスを生成し、FET2および3へ送出する。FET2および3には、相互に反転したゲートパルスが入力される。このため、FET2および3は、交互にオンオフを繰り返す。具体的には、FET2がオン状態のときはFET3がオフ状態となり、FET2がオフ状態のときはFET3がオン状態となる。このようなスイッチング動作により、入力電圧Vinはパルス電圧に変換される。平滑回路6は、このパルス電圧を平均化して直流の出力電圧Voutを生成する。出力制御回路1は、生成された出力電圧Voutに基づいて時比率を算出し、再びスイッチングパルスを生成する。このようなフィードバック制御により、出力電圧Voutが目標値に制御される。
【0029】
外部設定装置8によって目標値Vtが変更された場合、リファレンス算出回路15は、リファレンス値Vrefを変更後の目標値Vtに向けて単調変化させる。出力制御回路1は、リファレンス値Vrefと出力電圧Voutとの差が小さくなるようにスイッチングパルスの時比率を調整するので、出力電圧Voutはリファレンス値Vrefに追従して変化する。
【0030】
本発明の特徴は、目標値Vtが変更されたときのリファレンス値Vrefの制御、およびVrefの制御に応じた出力電圧Voutの制御にある。以下では、図2を参照しながら、本実施形態におけるVref制御の概要を説明する。図2は、リファレンス算出回路15によって算出されるリファレンス値Vrefの時間変化を示している。図2の横軸は時間であり、縦軸はVrefである。ここでは、時刻t1に目標値VtがV1からV2に変更されるものとする。ここで、V1<V2である。時刻t1より前はDC/DCコンバータ100が定常状態にあり、リファレンス値Vrefおよび出力電圧Voutが目標値V1に安定化されている。
【0031】
目標値VtがV1からV2に変更されると、出力制御回路1は、リファレンス値VrefをV1からV2に徐々に近づける。これに応じて時比率が変更され、出力電圧VoutがV1からV2に徐々に近づく。このとき、出力制御回路1は、Vrefを一定の傾きで線形変化させるのではなく、図2に示されるように、二つの異なる傾きで2段階に分けて変化させる。これが本実施形態の特徴である。
【0032】
以下では、図2および図3を参照しながら、リファレンス値Vrefの制御をさらに詳細に説明する。図3は、リファレンス算出回路15によって実行されるVref算出処理を示すフローチャートである。図2および図3中の丸囲みの数字は、互いに対応している。
【0033】
図3に示されるように、まず、リファレンス算出回路15は、出力電圧の目標値Vtの更新を待機する(S20)。リファレンス算出回路15は、外部設定装置8によってVtが更新されたことを判別すると(S20にてYes)、目標値Vtとリファレンス値Vrefとを比較する(S22)。ここで、Vtとしては、変更後の目標値V2が使用される。
【0034】
Vt≧Vrefの場合(S22にてYes)、リファレンス算出回路15は、Vrefを徐々に上昇させる。図2に示されるように、この上昇には、変更前の目標値V1から中間値Vm1までの上昇である第1段階と、中間値Vm1から変更後の目標値V2までの上昇である第2段階とが含まれる。このように、Vrefは折れ線状に単調増加する。中間値Vm1は、折れ線の頂点に対応する。第1段階の上昇は、ステップS26〜S30によって処理される。第2段階の上昇は、ステップS32〜S38によって処理される。
【0035】
リファレンス算出回路15は、目標値Vtおよび頂点設定値Vdを用いて中間値Vm1を算出し、算出されたVm1をVrefと比較する(S24)。Vm1は、Vt−Vdの減算によって算出される。ここで、Vtとしては、変更後の目標値V2が使用される。すなわち、Vm1=V2−Vdである。このように、頂点設定値Vdは、変更後の目標値と中間値との差分を指定する電圧値である。
【0036】
Vm1>Vrefの場合、すなわち中間値Vm1がリファレンス値よりも大きい場合(S24にてNo)、ステップS26〜S30が実行される。ステップS26〜S30は、Vrefを変更前の目標値V1から中間値Vm1まで単一の傾きで線形に上昇させる。具体的に述べると、リファレンス算出回路15は、内部カウンタの値を表す変数dcount1を1だけ増分し(S26)、その後、カウンタ値dcount1と傾きデータa1を比較する(S28)。傾きデータa1は、Vrefを1だけ増分するのに必要なカウンタ値dcount1の増加量である。dcount1≦a1の場合(S28にてNo)、リファレンス算出回路15は、Vrefを増分することなくステップS24に処理を戻す。一方、dcount1>a1の場合(S28にてYes)、dcount1を0にリセットするとともに、Vrefを1だけ増分する(S30)。このように、リファレンス算出回路15は、カウンタ値dcount1がa1だけ増加するたびに、Vrefを1だけ増分する。したがって、図2に示されるVrefの傾きA1は、1/a1に相当する。ステップS26〜S30は、VrefがVm1に達するまで繰り返される。このため、Vrefは、時間の経過とともにV1からVm1まで傾きA1で単調増加する。
【0037】
VrefがVm1に達すると(S24にてYes)、ステップS32〜S38が実行される。ステップS32〜S38は、Vrefを中間値Vm1から変更後の目標値V2まで単一の傾きで単調に上昇させる。具体的に述べると、まず、リファレンス算出回路15は、VtとVrefとを比較する(S32)。ここで、Vtとしては、変更後の目標値V2が使用される。Vt>Vrefの場合、すなわちリファレンス値が変更後の目標値に達していない場合(S32にてNo)、リファレンス算出回路15は、傾きA2でVrefを増加するためにステップS34〜S38を実行する。A2は、設定値メモリ14に格納された傾きデータa2によって定まる。本実施形態では、傾きA2の絶対値は、以前の傾きA1の絶対値よりも小さい。
【0038】
リファレンス算出回路15は、内部カウンタの値を表す変数dcount2を1だけ増分し(S34)、その後、カウンタ値dcount2と傾きデータa2を比較する(S36)。傾きデータa2は、Vrefを1だけ増分させるのに必要なカウンタ値dcount2の増加量である。dcount2≦a2の場合(S36にてNo)は、リファレンス算出回路15は、Vrefを増分することなくステップS24に処理を戻す。一方、dcount2>a2の場合(S36にてYes)、dcount2を0にリセットするとともに、Vrefを1だけ増分する(S38)。このように、リファレンス算出回路15は、カウンタ値dcount2がa2だけ増加するたびに、Vrefを1だけ増分する。したがって、図2に示されるVrefの傾きA2は、1/a2に相当する。ステップS34〜S38は、VrefがV2に達するまで繰り返される。このため、Vrefは、時間の経過とともにVm1からV2まで傾きA2で単調増加する。
【0039】
VrefがV2に達すると(S32にてYes)、リファレンス算出回路15は、ステップS20に処理を戻し、再び目標値Vtの更新を待機する。これにより、Vrefの更新が停止し、出力電圧Voutは変更後の目標値V2に安定化する。
【0040】
以上は、変更後の目標値が現在の目標値よりも高い場合の処理である。以下では、図3および図4を参照しながら、変更後の目標値が現在の目標値よりも低い場合の処理を説明する。この処理は、図3のステップS22にてNoと判断されたときに実行される。図4は、目標値が低減されるときのリファレンス値Vrefの時間変化を示している。図4の横軸は時間であり、縦軸はVrefである。ここでは、時刻t2に目標値VtがV2からV3に変更されるものとする。ここで、V2>V3である。時刻t2の直前はDC/DCコンバータ100が定常状態にあり、Vrefが目標値V2に安定化されている。
【0041】
図3に示されるように、Vt<Vrefの場合(S22にてNo)、リファレンス算出回路15は、Vrefを徐々に下降させる。ここで、Vtとしては、変更後の目標値V3が使用される。図4に示されるように、この下降には、変更前の目標値V2から中間値Vm2までの下降である第1段階と、中間値Vm2から変更後の目標値V3までの下降である第2段階とが含まれる。このように、Vrefは折れ線状に単調減少する。中間値Vm2は、折れ線の頂点に対応する。第1段階の下降は、ステップS42〜S46によって処理される。第2段階の下降は、ステップS50〜S54によって処理される。
【0042】
リファレンス算出回路15は、目標値Vtおよび頂点設定値Vdを用いて中間値Vm2を算出し、算出されたVm2をVrefと比較する(S40)。Vm2は、Vt+Vdの加算によって算出される。ここで、Vtとしては、変更後の目標値V3が使用される。すなわち、Vm2=V3+Vdである。
【0043】
Vm2<Vrefの場合、すなわちリファレンス値が中間値Vm2よりも大きい場合(S40にてNo)、ステップS42〜S46が実行される。ステップS42〜S46は、Vrefを変更前の目標値V2から中間値Vm2まで単一の傾きで線形に下降させる。具体的に述べると、リファレンス算出回路15は、内部カウンタの値を表す変数dcount1を1だけ増分し(S42)、その後、カウンタ値dcount1と傾きデータb1を比較する(S44)。傾きデータb1は、Vrefを1だけ減分するのに必要なカウンタ値dcount1の増加量である。dcount1≦b1の場合(S44にてNo)、リファレンス算出回路15は、Vrefを減分することなくステップS40に処理を戻す。一方、dcount1>b1の場合(S44にてYes)、dcount1を0にリセットするとともに、Vrefを1だけ減分する(S46)。このように、リファレンス算出回路15は、カウンタ値dcount1がb1だけ増加するたびに、Vrefを1だけ減分する。したがって、図4に示されるVrefの傾きB1は、1/b1に相当する。ステップS42〜S46は、VrefがVm2に達するまで繰り返される。このため、Vrefは、時間の経過とともにV2からVm2まで傾きB1で単調減少する。
【0044】
VrefがVm2に達すると(S40にてYes)、ステップS48〜S54が実行される。ステップS48〜S54は、Vrefを中間値Vm2から変更後の目標値V3まで単一の傾きで単調に下降させる。具体的に述べると、まず、リファレンス算出回路15は、VtとVrefとを比較する(S48)。ここで、Vtとしては、変更後の目標値V3が使用される。Vt>Vrefの場合、すなわちリファレンス値が変更後の目標値に達していない場合(S48にてNo)、リファレンス算出回路15は、傾きB2でVrefを下降するためにステップS50〜S54を実行する。B2は、設定値メモリ14に格納された傾きデータb2によって定まる。本実施形態では、傾きB2の絶対値は、以前の傾きB1の絶対値よりも低い。
【0045】
リファレンス算出回路15は、内部カウンタの値を表す変数dcount2を1だけ増分し(S50)、その後、カウンタ値dcount2と傾きデータb2を比較する(S52)。傾きデータb2は、Vrefを1だけ減分させるのに必要なカウンタ値dcount2の増加量である。dcount2≦b2の場合(S52にてNo)は、リファレンス算出回路15は、Vrefを減分することなく、ステップS48に処理を戻す。一方、dcount2>b2の場合(S52にてYes)、dcount2を0にリセットするとともに、Vrefを1だけ減分する(S54)。このように、リファレンス算出回路15は、カウンタ値dcount2がb2だけ増加するたびに、Vrefを1だけ減分する。したがって、図4に示されるVrefの傾きB2は、1/b2に相当する。ステップS50〜S54は、VrefがV3に達するまで繰り返される。このため、Vrefは、時間の経過とともにVm2からV3まで傾きB2で単調減少する。
【0046】
VrefがV3に達すると(S48にてYes)、リファレンス算出回路15は、ステップS20に処理を戻し、再び目標値Vtの更新を待機する。これにより、Vrefの更新が停止し、出力電圧Voutは変更後の目標値V3に安定化する。
【0047】
図2および図4に示されるように、リファレンス値Vrefは、立ち上がり時および立ち下がり時は比較的急峻に変化し、その後、変更後の目標値の手前で緩やかに変化する。出力電圧Voutも、このVrefの変化に追従して同様に変化する。
【0048】
以下では、図5を参照しながら、本実施形態の利点を説明する。図5は、本実施形態の出力制御方法による出力電圧Voutの時間変化を示すグラフ80を示している。図5には、比較のため、単一の傾きでのVrefの時間変化を示すグラフ81および82も示されている。グラフ81は、Vrefを上記の傾きA1で変化させたときのVoutの時間変化を示している。グラフ82は、Vrefを上記の傾きA2で変化させたときのVoutの時間変化を示している。ここでは、Vrefが0からVaまで上昇させられる。
【0049】
グラフ81に示されるように、Vrefを傾きA1で急峻に増加させると、Voutが短時間でVaに到達するものの、大きなオーバーシュート81aおよびアンダーシュート81bが発生する。また、グラフ82に示されるように、Vrefを傾きA2で緩やかに増加させると、オーバーシュート82aおよびアンダーシュート82bは抑えられるが、VrefがVaに到達するまでに長時間を要する。これに対し、グラフ80に示されるように、本実施形態では、二つの傾きA1およびA2を切り替えることにより、オーバーシュート80aおよびアンダーシュート80bを抑え、なおかつ、出力電圧を目標値Vaに十分に迅速に到達させることができる。図5は、出力電圧の上昇を示しているが、出力電圧を下降させるときも同様の効果が得られる。
【0050】
なお、傾きA1とA2の差、または傾きB1とB2の差があまりに大きいと、傾きの切り替え時にオーバーシュートおよびアンダーシュートが発生するおそれがある。したがって、Vref変化の複数の傾きは、傾きの切り替え時におけるオーバーシュートおよびアンダーシュートが十分に抑えられるように選択することが好ましい。
【0051】
(第2実施形態)本実施形態は、リファレンス値Vrefの変化が第1実施形態と異なる。他の構成は、第1実施形態と同様である。スイッチング電源および出力制御回路の構成は図1に示されている。
【0052】
図6は、本実施形態におけるVrefの時間変化を示している。図6の横軸は時間であり、縦軸はVrefである。ここでは、時刻t1に目標値VtがV1からV2に変更され、時刻t3に目標値VtがV2からV3に変更されるものとする。ここで、V2>V3>V1である。時刻t1より前はDC/DCコンバータ100が定常状態にあり、リファレンス値Vrefおよび出力電圧VoutがV1に安定化されている。また、時刻t3の直前では、DC/DCコンバータ100が定常状態にあり、リファレンス値Vrefおよび出力電圧VoutがV2に安定化されている。
【0053】
第1実施形態では、リファレンス値Vrefの上昇および下降の双方において共通の頂点設定値Vdを使用して中間値Vm1およびVm2を決定する。しかし、Vrefの上昇と下降とで異なる頂点設定値を使用してもよい。本実施形態では、Vrefの上昇時は頂点設定値Vd1を使用し、Vrefの下降時はVd1と異なる頂点設定値Vd2を使用する。したがって、図6において、中間値Vm3はV2−Vd1に等しく、中間値Vm4はV3+Vd2に等しい。
【0054】
図6に示されるように、目標値Vtが変更されると、リファレンス値Vrefは二つの傾きで2回にわたり線形変化する。その結果、Vrefは、折れ線状に変化する。上昇時の折れ線は、一つの頂点90を挟む二つの節91および92から構成されている。下降時の折れ線は、一つの頂点93を挟む二つの節94および95から構成されている。節91および92は、互いに異なる傾きA1およびA2を有している。節94および95は、互いに異なる傾きB1およびB2を有している。|A1|>|A2|であり、|B1|>|B2|である。したがって、Vrefは、立ち上がり時および立ち下がり時は比較的急峻に変化し、その後、変更後の目標値の手前で緩やかに変化する。出力電圧Voutも、このVrefの変化に追従して同様に変化する。このようなVrefおよびVoutの変化は、第1実施形態と同じである。したがって、本実施形態でも、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0055】
(第3実施形態)本実施形態は、リファレンス値Vrefの変化が第1実施形態と異なる。他の構成は、第1実施形態と同様である。スイッチング電源および出力制御回路の構成は図1に示されている。
【0056】
図7は、本実施形態におけるVrefの時間変化を示している。図7の横軸は時間であり、縦軸はVrefである。ここでは、時刻t1に目標値VtがV1からV2に変更され、時刻t3に目標値VtがV2からV3に変更されるものとする。ここで、V2>V3>V1である。時刻t1より前はDC/DCコンバータ100が定常状態にあり、リファレンス値Vrefおよび出力電圧VoutがV1に安定化されている。また、時刻t3の直前では、DC/DCコンバータ100が定常状態にあり、リファレンス値Vrefおよび出力電圧VoutがV2に安定化されている。
【0057】
本実施形態は、目標値Vtが変更されると、リファレンス値Vrefを三つの傾きで3回にわたって線形変化させる。図7に示されるように、VtがV1からV2に変更されると、Vrefは傾きA3〜A5で段階的に単調増加する。すなわち、Vrefは、傾きA3でV1から中間値Vm5まで上昇し、続いて、傾きA4で中間値Vm5から中間値Vm6まで上昇し、その後、傾きA5で中間値Vm6からV2まで上昇する。中間値Vm5およびVm6は、二つの頂点設定値Vd3およびVd4を用いて決定される。Vm5=V2−Vd4−Vd3であり、Vm6=V2−Vd4である。
【0058】
また、VtがV2からV3に変更されると、Vrefは傾きB3〜B5で段階的に単調減少する。すなわち、Vrefは、傾きB3でV2から中間値Vm7まで下降し、続いて、傾きB4で中間値Vm7から中間値Vm8まで下降し、その後、傾きB5で中間値Vm7からV3まで下降する。中間値Vm7およびVm8は、二つの頂点設定値Vd5およびVd6を用いて決定される。Vm7=V3+Vd6+Vd5であり、Vm8=V3+Vd6である。
【0059】
なお、傾きA3〜A5およびB3〜B5に対応する傾きデータおよび頂点設定値Vd3〜Vd6は、設定値メモリ14に記憶されている。
【0060】
本実施形態では、|A3|<|A4|>|A5|であり、|B3|<|B4|>|B5|である。したがって、Vrefは、立ち上がり時および立ち下がり時は緩やかに変化し、続いて急峻に変化し、その後、変更後の目標値の手前で再び緩やかに変化する。
【0061】
立ち上がり時および立ち下がり時の変化が緩やかなので、突入電流の発生を防止できる。立ち上がり時が緩やかなVrefの変化は、DC/DCコンバータ100のソフトスタートに特に有効である。立ち上がり時および立ち下がり時の緩やかな変化の後、Vrefを急峻に変化させることにより、変更後の目標値に到達するまでの時間が短縮される。その後、Vrefを再び緩やかに変化させることにより、オーバーシュートおよびアンダーシュートが抑えられる。
【0062】
(第4実施形態)本実施形態は、リファレンス値Vrefの変化が第1実施形態と異なる。他の構成は、第1実施形態と同様である。スイッチング電源および出力制御回路の構成は図1に示されている。
【0063】
図8は、本実施形態におけるVrefの時間変化を示している。図8の横軸は時間であり、縦軸はVrefである。ここでは、時刻t1に目標値VtがV1からV2に変更され、時刻t4に目標値VtがV2からV3に変更されるものとする。ここで、V2>V3>V1である。時刻t1より前はDC/DCコンバータ100が定常状態にあり、リファレンス値Vrefおよび出力電圧VoutがV1に安定化されている。また、時刻t4の直前では、DC/DCコンバータ100が定常状態にあり、リファレンス値Vrefおよび出力電圧VoutがV2に安定化されている。
【0064】
本実施形態は、目標値Vtが変更されると、リファレンス値Vrefを三つの傾きで3回にわたって単調に変化させる。図8に示されるように、VtがV1からV2に変更されると、Vrefは傾きA6〜A8で段階的に単調増加する。すなわち、Vrefは、傾きA6でV1から中間値Vm9まで上昇し、続いて、傾きA7で中間値Vm9から中間値Vm10まで上昇し、その後、傾きA8で中間値Vm10からV2まで上昇する。中間値Vm9およびVm10は、二つの頂点設定値Vd7およびVd8を用いて決定される。Vm9=V2−Vd8−Vd7であり、Vm10=V2−Vd8である。
【0065】
また、VtがV2からV3に変更されると、Vrefは傾きB6〜B8で段階的に単調減少する。すなわち、Vrefは、傾きB6でV2から中間値Vm11まで下降し、続いて、傾きB7で中間値Vm11から中間値Vm12まで下降し、その後、傾きB8で中間値Vm12からV3まで下降する。中間値Vm11およびVm12は、二つの頂点設定値Vd9およびVd10を用いて決定される。Vm11=V3+Vd10+Vd9であり、Vm12=V3+Vd10である。
【0066】
なお、傾きA6〜A8およびB6〜B8に対応する傾きデータおよび頂点設定値Vd9〜Vd12は、設定値メモリ14に記憶されている。
【0067】
本実施形態では、|A6|>|A7|>|A8|であり、|B6|>|B7|>|B8|である。したがって、Vrefは、立ち上がり時および立ち下がり時に近いほど急峻に変化し、Vrefが変更後の目標値に近づくにつれて、徐々に絶対値の小さな傾きで緩やかに変化する。この点が、第2実施形態との相違点である。
【0068】
本実施形態は、第1および第2実施形態と比べてVrefの折れ曲がり回数を増やすとともに、徐々にVrefの変化を緩やかにする。折れ曲がり回数の増加に伴い、Vrefの変化は、急峻な変化をより多く含むことができる。これにより、Vrefおよび出力電圧Voutの変更後の目標値への到達時間をいっそう短縮し、なおかつ、オーバーシュートおよびアンダーシュートを十分に抑えることができる。これは、図8を図6と比較すれば明らかである。
【0069】
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【0070】
上記実施形態では、リファレンス値Vrefを2または3個の傾きで変化させる。しかし、Vrefは4個以上の傾きで変化させてもよい。傾きの数が増えるほど、リファレンス算出回路15の構成は複雑になるが、リファレンス値および出力電圧の目標値への到達時間をより短縮することができる。
【0071】
設定値メモリ14に格納される頂点設定値Vdは、外部設定装置8によって指定されてもよい。例えば、複数の頂点設定値Vdが設定値メモリ14に予め格納されており、外部設定装置8によっていずれかの値が選択されてもよい。
【0072】
上記実施形態の出力制御回路1は、デジタル回路である。しかし、本発明に係る出力制御回路は、アナログ回路であってもよい。
【0073】
【発明の効果】
本発明は、リファレンス値を複数の傾きで折れ線状に変化させるので、オーバーシュートおよびアンダーシュートを抑えつつ、目標値に迅速に到達するようにスイッチング電源の出力電圧を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態のスイッチング電源の構成を示す概略図である。
【図2】第1実施形態におけるリファレンス値の上昇を示す図である。
【図3】リファレンス値算出処理を示すフローチャートである。
【図4】第1実施形態におけるリファレンス値の下降を示す図である。
【図5】第1実施形態における出力電圧の上昇を示す図である。
【図6】第1実施形態におけるリファレンス値の時間変化を示す図である。
【図7】第2実施形態におけるリファレンス値の時間変化を示す図である。
【図8】第3実施形態におけるリファレンス値の時間変化を示す図である。
【符号の説明】
1…出力制御回路、2および3…スイッチング素子、4…インダクタ、5…コンデンサ、6…平滑回路、7…負荷、8…外部設定装置、10…A/Dコンバータ、11…減算器、12…スイッチングパルス制御器、13…FET駆動回路、14…設定値メモリ、15…リファレンス算出回路、16…リファレンスメモリ。

Claims (11)

  1. スイッチング電源の出力電圧を目標値に制御する方法であって、
    リファレンス値を算出するステップと、
    前記リファレンス値と前記出力電圧との差が小さくなるように、前記リファレンス値と前記出力電圧との差分に応じた時比率を算出するステップと、
    前記時比率を有するスイッチングパルスを生成するステップと、
    前記スイッチングパルスに応答して前記スイッチング電源の入力電圧をスイッチングするステップと
    を備え、
    前記リファレンス値を算出するステップは、前記出力電圧の目標値が変更されたとき、前記リファレンス値を、変更後の前記目標値まで、複数の傾きで複数回にわたり単調に線形変化させる
    スイッチング電源の出力制御方法。
  2. 前記リファレンス値を算出するステップは、前記リファレンス値を第1の傾きで線形変化させ、続いて、前記第1の傾きと異なる第2の傾きで前記変更後の目標値まで線形変化させることを含んでおり、
    前記第2の傾きの絶対値は、前記第1の傾きの絶対値よりも小さい
    請求項1に記載のスイッチング電源の出力制御方法。
  3. 前記リファレンス値を算出するステップは、前記リファレンス値を第3の傾きで線形変化させ、続いて、前記第3の傾きと異なる第4の傾きで線形変化させることを含んでおり、
    前記第4の傾きの絶対値は、前記第3の傾きの絶対値よりも小さい
    請求項1または2に記載のスイッチング電源の出力制御方法。
  4. 前記リファレンス値を算出するステップは、前記リファレンス値が前記変更後の目標値に近づくにつれて、徐々に絶対値の小さな傾きで前記リファレンス値を線形変化させる、請求項1または2に記載のスイッチング電源の出力制御方法。
  5. 前記リファレンス値を算出するステップは、前記リファレンス値を変更前の前記目標値から第5の傾きで線形変化させ、続いて、前記リファレンス値を前記第5の傾きと異なる第6の傾きで線形変化させることを含んでおり、
    前記第5の傾きの絶対値は、前記第6の傾きの絶対値よりも小さい
    請求項1〜3のいずれかに記載のスイッチング電源の出力制御方法。
  6. スイッチングパルスに応答して入力電圧をスイッチングするスイッチング電源の出力電圧を目標値に制御する出力制御回路であって、
    リファレンス値を算出するリファレンス算出回路と、
    前記リファレンス値と前記出力電圧との差が小さくなるように、前記リファレンス値と前記出力電圧との差分に応じた時比率を算出する回路と、
    前記時比率を有する前記スイッチングパルスを生成するスイッチングパルス発生回路と
    を備え、
    前記リファレンス算出回路は、前記出力電圧の目標値が変更されたとき、前記リファレンス値を、変更後の前記目標値まで、複数の傾きで複数回にわたり単調に線形変化させる
    出力制御回路。
  7. 前記リファレンス算出回路は、前記リファレンス値を第1の傾きで線形変化させ、続いて、前記第1の傾きと異なる第2の傾きで前記変更後の目標値まで線形変化させ、
    前記第2の傾きの絶対値は、前記第1の傾きの絶対値よりも小さい
    請求項6に記載の出力制御回路。
  8. 前記リファレンス算出回路は、前記リファレンス値を第3の傾きで線形変化させ、続いて、前記第3の傾きと異なる第4の傾きで線形変化させ、
    前記第4の傾きの絶対値は、前記第3の傾きの絶対値よりも小さい
    請求項6または7に記載の出力制御回路。
  9. 前記リファレンス算出回路は、前記リファレンス値が前記変更後の目標値に近づくにつれて、徐々に絶対値の小さな傾きで前記リファレンス値を線形変化させる、請求項6または7に記載の出力制御回路。
  10. 前記リファレンス算出回路は、前記リファレンス値を変更前の前記目標値から第5の傾きで線形変化させ、続いて、前記リファレンス値を前記第5の傾きと異なる第6の傾きで線形変化させ、
    前記第5の傾きの絶対値は、前記第6の傾きの絶対値よりも小さい
    請求項6〜8のいずれかに記載の出力制御回路。
  11. 入力電圧をスイッチングして目標値の出力電圧を生成するスイッチング電源であって、
    スイッチングパルスに応答して前記入力電圧をスイッチングするスイッチング素子と、
    前記スイッチングパルスを生成して前記スイッチング素子に供給する請求項6〜10のいずれかに記載の出力制御回路と
    を備えるスイッチング電源。
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