JP3707805B2 - 位置決め装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【目次】
以下の順序で本発明を説明する。
産業上の利用分野
従来の技術
発明が解決しようとする課題
課題を解決するための手段(図1〜図10)
作用(図1)
実施例(図1〜図10)
発明の効果
【0002】
【産業上の利用分野】
本発明は位置決め装置に関し、例えば送りねじと当該送りねじに螺合した送りナツトを用いて、送りナツトに連結された被駆動部を送りねじの回動動作に応じて直線的に移動する送り位置決め装置に適用して好適なものである。
【0003】
【従来の技術】
従来、この種の送り位置決め装置は工作機械や測定機等において直線的に物体を移動させる装置として広く用いられている。
この送り位置決め装置においては、おねじ部が形成された送りねじとめねじ部が形成された送りナツトとにより構成され、互いに螺合した送りねじと送りナツトの相対的な回転運動を送りねじの軸方向の直線運動に変換するようになされている。
【0004】
この送りねじ及び送りナツトは加工精度上の誤差や温度変化による寸法変化などによて生じる回転トルクの変動を低減するために、螺合部分に若干の隙間が生じるように設計及び加工されている。このため送り位置決め装置においては送り方向に若干のガタが生じる。
【0005】
この結果送り位置決め装置においては、送りねじ及び送りナツトに相対的な回転運動があつた場合にも、このガタの分が当該回転運動に係わらず軸線方向に動いてしまうため、回転運動が変わる際の不動量、ガタのある方向に外力が加わつた際の静止位置の変動量、又は送り速度の変動が生じる場合がある(一般にこれをバツクラツシユと呼ぶ)。
【0006】
このバツクラツシユを回避する1つの方法として従来、送りナツトのめねじ部にねじの軸線方向に延長するような1箇所以上のすり割りを入れることにより当該めねじ部の径方向の剛性を低下させると共に、このすり割りの間隔を外周から力を加えて狭めることにより、おねじ部とめねじ部に予圧を与えておねじ部とめねじ部間のガタを無くする方法(特開昭60-196462 号公報)が提案されている。
【0007】
また別の方法として、送りナツトのめねじ部を2分割又は2箇所に設け、一方のめねじ部を送りナツト支持部から分離すると共に、回り止めを設けることにより2つのめねじ部を互いに相対的な回転をさせることなくめねじ部間の間隔を若干変化し得るようにし、これによりおねじ部とめねじ部間に予圧を与えてガタを無くする方法(特公昭61-59413号公報)が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、これらの従来の方法においては、送りねじに送りナツトを組み付ける際に、ガタのすきま量及び予圧量を調整するようになされている。
ところが、長時間使用した場合には、おねじ部又はめねじ部が磨耗して双方の寸法が変化することによりおねじ部及びめねじ部間の隙間が拡大する。この結果おねじ部及びめねじ部間にガタが生じたり、また予圧量が低下することにより経時的に性能が劣化し、このため再調整などの保守が必要となり非常に煩雑な問題がある。
【0009】
またテーパ部材、ねじ又はスペーサなどの比較的剛性の高い部品を用いておねじ部とめねじ部との隙間量をほぼ無くして予圧を与える方法、すなわち位置を規制する方法においては、温度変化による寸法変化やおねじ部とめねじ部の加工精度誤差などが原因となつて、隙間量や予圧量が変化することにより摩擦トルクが変動する。この結果おねじ軸などのねじれ量が変化することにより送り速度精度や停止位置精度に誤差が生じる問題がある。
【0010】
さらにばね等の弾性体の弾力によつておねじ部にめねじ部を押し当てることによりおねじ部及びめねじ部間の隙間を無くして予圧を与える方法においては、おねじ部又はめねじ部の寸法の変化にある程度追従して予圧を与えることができることにより摩擦トルクの変動をある程度低減することができる。しかしながらこの方法においては、めねじ部の剛性を低く抑える必要があり、これにより上述した位置を規制する方法と同等のねじ部剛性を得るために弾性体の弾性率を大きくすると弾性体の変形に対する力の変動も大きくなる。この結果予圧量が変動することにより結局摩擦トルクが変動し、送り速度精度や停止位置精度に誤差が生じる問題がある。
【0011】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、おねじ及びめねじ間に磨耗によるガタが生じた場合、またはおねじ及びめねじ間に加工精度による誤差がある場合においても、予圧量を常に所望の値に維持することにより高精度に位置決めすることができる位置決め装置を提案しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明は、所定の回転駆動手段9により送りねじ13を回動し、送りねじ13に螺合した送りナツト15を送りねじ13の軸方向aに相対的に移動させることにより、送りナツト15に連結された被駆動部2を所望の位置に位置決めする位置決め装置1であつて、互いに相対的に回転することなく、かつ送りねじ13の軸線方向に互いに接近又は離間自在に形成された第1及び第2のめねじ部50、51と、当該第1及び第2のめねじ部50、51の外周に設けられ、当該軸線方向の両端が開口されたガードリンク57、58と、当該第1及び第2のめねじ部50、51に取り付けられたフランジ52、56とを設けるようにし、これらフランジ52、56が、第1及び第2のめねじ部50、51とガードリンク57、58との間に設けられた弾性部材36に加圧され、当該加圧に応じて第1及び第2のめねじ部50、51を軸線方向に離間させるようにした。
【0013】
また本発明は被駆動部2に光ディスク原盤露光装置の光学系を載置するようにした。
【0015】
【作用】
送りねじ13と第1及び第2のめねじ部50、51との間に、弾性部材36の加圧に応じた予圧をフランジ52、56を介して与えることができるため、おねじ及びめねじ間に磨耗によるガタが生じた場合、またはおねじ及びめねじ間に加工精度による誤差が生じた場合においても高精度に位置決めすることができる。
【0016】
【実施例】
以下図面について、本発明の一実施例を詳述する。
【0017】
図1において、1は全体として送り位置決め装置を示し、ステージ状に形成された被駆動部2を矢印aで示す方向に高精度に移動し得るようになされている。
これにより送り位置決め装置1においては、被駆動部2に例えば光デイスク原盤露光装置の光学系(図示せず)を載置し、これを高精度に移動することによりフオトレジスト膜が形成されたガラス原盤(図示せず)に所定のトラツクピツチで記録トラツクを露光記録し得るようになされいる。
【0018】
送り位置決め装置1は板状のベース部3上に直方体形状の直動案内部材4が支持脚5A及び5Bによつて両端を支持された状態で固定されている。
直動案内部材4には被駆動部2が矢印aの方向に摺動自在に取り付けられいる。ここで直動案内部材4及び被駆動部2の摺動部分には、空気制圧案内機構又は超精密な直線ころがり案内機構(クロスローラガイド等)が用いられ、これにより被駆動部2は直動案内部材4に支持されながら矢印aと直交する方向の変動が生じない状態で矢印aの方向に精度良く摺動し得るようになされている。
【0019】
またベース部3には第1及び第2の支持板6及び7がベース部3に対して直立状態で固定されており、第1の支持板6には増減速部8を有する回転駆動部9が支持されている。回転駆動部9は回転制御部10から送出される制御信号S1に基づいて回転するようになされている。
これにより送り位置決め装置1においては、回転駆動部9の回転トルク及び回転速度を増減速部8により所望の値に変換して第1及び第2の支持板6及び7間に設けられた回転軸継手11に伝達する。
【0020】
ここで回転駆動部9としては、回転角度及び回転速度を制御できるサーボモータまたはステツピングモータが用いられており、これにより送り位置決め装置1においては、駆動制御部10から送出される制御信号S1に基づいて回転駆動部9の回転角度及び回転速度を制御し得るようになされている。
【0021】
回転軸継手11は第2の支持板7に取り付けられた軸受12によつて回動自在に保持された送りねじ13に連結され、これにより送り位置決め装置1においては、回転駆動部9の回転を増減速部8、回転軸継手11を介して送りねじ13に伝達するようになされている。
ここで回転軸継手11としては、ねじり剛性が高いゼロバツクラツシユタイプのベローズ型又はデイスク板ばね型が用いられ、これにより回転軸継手11は回転駆動部9及び送りねじ13間の偏心及び偏角を吸収して回転駆動部9の回転を正確に送りねじ13に伝達し得るようになされている。
【0022】
送りねじ13は一端が軸受12によつて回動自在に保持されていると共に、被駆動部2の側面に取り付けられた連結部材14によつて回動自在に保持され、これにより送りねじ13は軸線方向が直動案内部材4に平行な状態に保持されるようになされている。
ここで軸受12としては、空気制圧軸受又は超精密なアンギユラ玉軸受が用いられ、これにより軸受12は送りねじ13が回転する際、当該送りねじ13の軸心のぶれ、軸方向の変位が生じないように送りねじ13を保持するようになされている。
【0023】
送りねじ13には送りナツト15が螺合され、この結果送りねじ13及び送りナツト15は滑りねじを構成し送りねじ13を1回転するごとに送りねじ13の軸線方向に送りナツト15を送りねじ13のピツチ分だけ移動し得るようになされている。
ここで送りねじ13及び送りナツト15は台形ねじ形状又は三角ねじ形状となつていると共に、フアインセラミツクス、エンジニアリングプラスチツク又は樹脂等の剛性の高い材質によつて構成されている。また送りねじ13及び送りナツト15の摺動面には潤滑油、グリス、固体潤滑材が塗り込まれている。
【0024】
また送りナツト15は連結部材14に固着され、これにより送り位置決め装置1においては送りナツト15が送りねじ13の軸線方向に移動すると、被駆動部2がこの移動距離と同じ距離だけ矢印a方向に移動するようになされている。
ここで連結部材14としては、矢印aの方向に高い剛性を有すると共に、送りねじ13の軸の偏芯、ぶれ、そり、又は送りねじ13と直動案内部材4との平行度誤差によつて生じる送りナツト15の送りねじ13の軸と直交する面内における変化に柔軟に追従することができる二方向組合せ平行板ばね、又はすり割と円弧状の切欠を組み合わせた二方向一体型平行ばねが用いられている。
【0025】
かかる構成に加えて、送りナツト15には当該送りナツト15を巻回するように円環状の予圧部16が取り付けられている。
送り位置決め装置1は圧力源17から送出される流体を圧力制御部18を介して管状の圧力伝達部材19によつて予圧部16に設けられた継手部20に与える。
【0026】
ここで圧力制御部18としては、減圧弁(レギユレータ)が用いられ、これにより圧力源17からの圧力を可変し得ると共に、設定した圧力を一定に維持できるようになされている。
また圧力伝達部材19としては、ウレタンチユーブ、ポリエステルチユーブ又はテフロンチユーブ等が用いられ、これにより当該圧力伝達部材19は送りナツト15と共に予圧部16が移動する際この動きに応じて柔軟に変形しながら追従することにより移動部に不要な力や振動を与えないようになされている。
【0027】
継手部20に与えられた流体は当該継手部20を介して予圧部16に流入され、これにより予圧部16は流体の流入量に応じて送りナツト15を締めつけるようになされている。
これにより送り位置決め装置1においては、圧力源17からの圧力を圧力制御部18によつて調整して予圧部16に与えることにより、送りナツト15を締めつける締めつけ力を調整でき、かくして送りねじ13に対する送りナツト15の接触面圧力を所望の値に調整できるようになされている。
【0028】
ここで送りナツト15は、図2に示すように、取付フランジ30及びめねじ部34により構成され、取付フランジ30を連結部材14のナツト取付部31に押し板32を介してねじ33によつて締結することにより連結部材14に取り付けられている。
【0029】
送りナツト15のめねじ部34の外周にはガードリング35及び当該ガードリング35内に収納されたチユーブ状の予圧部材36が配置され、当該予圧部材36がめねじ部34の外周に当接すると共に予圧部材36の中空部分37に継手部20を介して流体が導入されるようになされている。
予圧部材36はゴム又は樹脂等の弾性体又は伸縮可能な部材により構成され、これにより予圧部材は導入される流体の量に応じて膨張するようになされている。
送りナツト15のめねじ部34には、図3に示すように、送りねじ13の軸線方向に延長するようなすり割38が形成されている。
【0030】
これにより予圧部材36の中空部分37に流体が導入されると予圧部材36は中空部分37内の圧力が増大することにより膨張し、このとき予圧部材36の外周部36Aがガードリング35に規制された状態で予圧部材36の内周部36Bが送りナツト34を送りねじ13の径方向に加圧する。
このとき送りナツト34はすり割38が形成されていることにより予圧部材36の内周部36Bから与えられる加圧力に応じて容易に変形し、送りねじ13のおねじ部と送りナツト15のめねじ部34間にこの加圧力に応じた予圧が与えられる。
【0031】
また送りナツト15のめねじ部34と送りナツト16の取付フランジ30とは、図4に示すような断面が円弧状の連結部39のみによつて連結されていることにより、めねじ部34は予圧部材36から与えられる加圧力に応じて容易に変形し得るようになされている。
【0032】
以上の構成において、送り位置決め装置1は回転駆動部9の回転を増減速部8及び回転軸継手11を介して高精度に送りねじ13に伝達する。
この結果送りねじ13に螺合した送りナツト15が送りねじ13の回動に応じて矢印aの方向に移動する。これにより連結部材14によつて送りナツト15に連結された被駆動部2が送りナツト15の移動量に応じて矢印aの方向に摺動する。
【0033】
ここで送り位置決め装置1は圧力源17によつて発生した圧力を圧力制御部18により所望の値に調整して、当該圧力を送りナツト15を巻回するように設けられた予圧部16に供給する。
このとき圧力制御部18は送りねじ13と送りナツト15との接触面圧力が常に一定になるような圧力を予圧部16に供給する。
【0034】
これにより送り位置決め装置1においては、送りねじ13のリードピツチのむらやねじ径のむら等の加工精度上の誤差が原因で、めねじ部34が局部的に変形した場合でも、圧力制御部18によつて予圧を一定に保つことができ、この結果送りねじ13と送りナツト15との接触面圧力がほぼ一定に保持されることにより従来に比して格段に摩擦トルクの変動を低減し得、位置決め精度を向上することができる。
【0035】
また送りねじ13又は送りナツト15に温度変化による寸法の変化が生じた場合、さらには磨耗による寸法の変化が生じた場合にも、圧力制御部18がこれに応じて送りねじ13と送りナツト15との接触面圧力がほぼ一定に保持されるような予圧を送りナツト15に供給し、これにより位置決め精度を向上することができる。
【0036】
さらに送りナツト15に予圧を与える予圧部材36として振動減衰能力の高いゴム又は樹脂を用いたことにより、摩擦トルクの変動によるねじり振動を短時間で収束させることができる。この結果送りねじ13と送りナツト15との接触面圧力が高いときに生じるステイツクスリツプ(びびり)の発生を抑制し得、これにより予圧量を高くした場合にも送りナツト15を滑らかに送ることができる。かくして送りねじ13と送りナツト15との送り剛性を向上し得ることにより、位置決め精度を向上することができる。
【0037】
以上の構成によれば、圧力制御部18を設け、当該圧力制御部18によつて送りナツト15に与える予圧を常に所望の値に調整するようにしたことにより、おねじ及びめねじ間に磨耗によるガタが生じた場合、またはおねじ及びめねじ間に加工精度による誤差がある場合においても、送りねじ13及び送りナツト15間に生じるガタを無くすることができると共に摩擦トルクの変動を抑制し得、かくして送り位置決め精度が格段に向上した送り位置決め装置1を実現することができる。
【0038】
なお上述の実施例においては、送り位置決め装置1を、光デイスクの原盤露光装置の光学系を移動する装置として用いた場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ガラス原盤を搭載した回転軸部の送り装置としても用いることもできる。また送り位置決め装置1は半導体や液晶等のマスクパターンを被露光物に露光する露光装置(ステツパ)における光学系、又は被露光物を正確に定められたステツプで送る装置としても適用することができる。さらに送り位置決め装置1は工作機械や測定器等において直線的に物体を送る装置として広く適用することができる。
【0039】
また上述の実施例においては、ガードリング35にチユーブ状の予圧部材36を収納し、当該予圧部材36内に継手部20を介して圧力が制御された流体を導入するようにして送りナツト15のめねじ部34の全周方向から予圧を与える場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば図5に示すように、予圧部材36に代えて2つのチユーブ状予圧部材40及び41を設け、当該予圧部材40及び41にそれぞれ継手部42及び43を介して独立に流体を導入することによりすり割38を挟んでめねじ部34を対向する両側から加圧するようにしてもよい。
【0040】
また上述の実施例においては、送りナツト16のめねじ部34と送りナツト16の取付フランジ30とを連結部39のみによつて連結することによりめねじ部34に対する取付フランジ30の剛性の影響を低減し、予圧部材36により与えられる加圧力に応じてめねじ部34が容易に変形し得るようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、図6〜図8に示すように、めねじ部34と取付フランジ30とを板ばねヒンジ部45によつて連結するようにした場合においても予圧部材36により与えられる加圧力に応じてめねじ部34を容易に変形させることができる。また図7に示すように、めねじ部34に形成するすり割38の数は1つに限らず複数のすり割38A〜38Dを形成するようにしてもよい。このようにすれば、めねじ部34を予圧に応じて一段と容易に変形させることができる。
【0041】
また上述の実施例においては、一体に形成されためねじ部34を予圧部材36によつてねじの径方向に変形させる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、図9に示すように、めねじ部34(図2)を第1及び第2のめねじ部50及び51に2分割するようにしてもよい。
【0042】
この場合第1のめねじ部50の取付フランジ52がねじ53によつてナツト取付部54に固着されていると共に、第1及び第2のめねじ部50及び51が板ばねヒンジ部55によつて相対的に回転することなく送りねじ13の軸線と平行な方向にのみ変位するように連結されている。さらにチユーブ状の予圧部材36が軸線方向の両端が開口されたガードリング57及び58内に収納されており、これにより予圧部材36は継手部20を介して中空部分37に流体が導入されると、ガードリング57及び58によつて内外径方向の膨張が規制されて送りねじ13の軸線と平行な方向にのみ膨張するようになされている。この結果予圧部材36が第1及び第2のめねじ部50及び51の取付フランジ52及び56をそれぞれ加圧することにより第1及び第2のめねじ部50及び51を互いに離間する方向に付勢し、送りねじ13と第1及び第2のめねじ部50及び51との間に所望の予圧を与えることができる。
【0043】
また上述の実施例においては、送りねじ13及び送りナツト15を台形ねじによつて構成した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、上述した2分割めねじ方式はボールねじも適用することもできる。
【0044】
さらに上述の実施例においては、送りナツト15が連結部材14によつて回転することなく支持されると共に、送りねじ13が軸受12によつて回動自在に支持される場合について述べたが、本発明はこれに限らず、送りねじと送りナツトが相対的に回転し直線変位を得る構成であれば、送りねじと送りナツトのいづれが回転し、各々のいづれが直線的に移動する場合においても上述の場合と同様の効果を得ることができる。
【0045】
例えば回転駆動手段及び送りねじが移動側に搭載され、移動部に支持された軸受に保持された送りねじが回転することにより、当該送りねじに螺合する送りナツトが固定部に回転しないように支持されるようにしてもよい。また例えば送りねじが移動側に回転しないように支持された状態で搭載されると共に、回転できるように軸受に保持された送りナツトが固定部に支持された状態で回転駆動手段によつて回転されるようにしてもよい。
【0046】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、互いに相対的に回転することなく、かつ送りねじの軸線方向に互いに接近又は離間自在に形成された第1及び第2のめねじ部と、当該第1及び第2のめねじ部の外周に設けられ、当該軸線方向の両端が開口されたガードリンクと、当該第1及び第2のめねじ部に取り付けられたフランジとを設けるようにし、これらフランジが、第1及び第2のめねじ部とガードリンクとの間に設けられた弾性部材に加圧され、当該加圧に応じて第1及び第2のめねじ部を軸線方向に離間させるようにしたことにより、送りねじと第1及び第2のめねじ部との間に、弾性部材の加圧に応じた予圧をフランジを介して与えることができるため、おねじ及びめねじ間に磨耗によるガタが生じた場合、またはおねじ及びめねじ間に加工精度による誤差が生じた場合においても高精度に位置決めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による位置決め装置の一実施例の全体構成を示す斜視図である。
【図2】予圧部の説明に供する断面図である。
【図3】図2のAA′断面図である。
【図4】図2のBB′断面図である。
【図5】他の実施例の予圧部材を示す断面図である。
【図6】他の実施例の説明に供する断面図である。
【図7】図6のCC′断面図である。
【図8】図6のDD′断面図である。
【図9】他の実施例の説明に供する断面図である。
【図10】図9のEE′断面図である。
【符号の説明】
1……送り位置決め装置、2……被駆動部、8……増減速部、9……回転駆動部、13……送りねじ、14……連結部材、15……送りナツト、16……予圧部材、17……圧力源、18……圧力制御部、19……圧力伝達部材、20、42、43……継手部、30、52、56……取付フランジ、31、54……ナツト取付部、32……押し板、34、50、51……めねじ部、35、57、58……ガードリング、36、40、41……予圧部材、37……中空部分、38、38A〜38D……すり割、45、55……板ばねヒンジ部。
【目次】
以下の順序で本発明を説明する。
産業上の利用分野
従来の技術
発明が解決しようとする課題
課題を解決するための手段(図1〜図10)
作用(図1)
実施例(図1〜図10)
発明の効果
【0002】
【産業上の利用分野】
本発明は位置決め装置に関し、例えば送りねじと当該送りねじに螺合した送りナツトを用いて、送りナツトに連結された被駆動部を送りねじの回動動作に応じて直線的に移動する送り位置決め装置に適用して好適なものである。
【0003】
【従来の技術】
従来、この種の送り位置決め装置は工作機械や測定機等において直線的に物体を移動させる装置として広く用いられている。
この送り位置決め装置においては、おねじ部が形成された送りねじとめねじ部が形成された送りナツトとにより構成され、互いに螺合した送りねじと送りナツトの相対的な回転運動を送りねじの軸方向の直線運動に変換するようになされている。
【0004】
この送りねじ及び送りナツトは加工精度上の誤差や温度変化による寸法変化などによて生じる回転トルクの変動を低減するために、螺合部分に若干の隙間が生じるように設計及び加工されている。このため送り位置決め装置においては送り方向に若干のガタが生じる。
【0005】
この結果送り位置決め装置においては、送りねじ及び送りナツトに相対的な回転運動があつた場合にも、このガタの分が当該回転運動に係わらず軸線方向に動いてしまうため、回転運動が変わる際の不動量、ガタのある方向に外力が加わつた際の静止位置の変動量、又は送り速度の変動が生じる場合がある(一般にこれをバツクラツシユと呼ぶ)。
【0006】
このバツクラツシユを回避する1つの方法として従来、送りナツトのめねじ部にねじの軸線方向に延長するような1箇所以上のすり割りを入れることにより当該めねじ部の径方向の剛性を低下させると共に、このすり割りの間隔を外周から力を加えて狭めることにより、おねじ部とめねじ部に予圧を与えておねじ部とめねじ部間のガタを無くする方法(特開昭60-196462 号公報)が提案されている。
【0007】
また別の方法として、送りナツトのめねじ部を2分割又は2箇所に設け、一方のめねじ部を送りナツト支持部から分離すると共に、回り止めを設けることにより2つのめねじ部を互いに相対的な回転をさせることなくめねじ部間の間隔を若干変化し得るようにし、これによりおねじ部とめねじ部間に予圧を与えてガタを無くする方法(特公昭61-59413号公報)が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、これらの従来の方法においては、送りねじに送りナツトを組み付ける際に、ガタのすきま量及び予圧量を調整するようになされている。
ところが、長時間使用した場合には、おねじ部又はめねじ部が磨耗して双方の寸法が変化することによりおねじ部及びめねじ部間の隙間が拡大する。この結果おねじ部及びめねじ部間にガタが生じたり、また予圧量が低下することにより経時的に性能が劣化し、このため再調整などの保守が必要となり非常に煩雑な問題がある。
【0009】
またテーパ部材、ねじ又はスペーサなどの比較的剛性の高い部品を用いておねじ部とめねじ部との隙間量をほぼ無くして予圧を与える方法、すなわち位置を規制する方法においては、温度変化による寸法変化やおねじ部とめねじ部の加工精度誤差などが原因となつて、隙間量や予圧量が変化することにより摩擦トルクが変動する。この結果おねじ軸などのねじれ量が変化することにより送り速度精度や停止位置精度に誤差が生じる問題がある。
【0010】
さらにばね等の弾性体の弾力によつておねじ部にめねじ部を押し当てることによりおねじ部及びめねじ部間の隙間を無くして予圧を与える方法においては、おねじ部又はめねじ部の寸法の変化にある程度追従して予圧を与えることができることにより摩擦トルクの変動をある程度低減することができる。しかしながらこの方法においては、めねじ部の剛性を低く抑える必要があり、これにより上述した位置を規制する方法と同等のねじ部剛性を得るために弾性体の弾性率を大きくすると弾性体の変形に対する力の変動も大きくなる。この結果予圧量が変動することにより結局摩擦トルクが変動し、送り速度精度や停止位置精度に誤差が生じる問題がある。
【0011】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、おねじ及びめねじ間に磨耗によるガタが生じた場合、またはおねじ及びめねじ間に加工精度による誤差がある場合においても、予圧量を常に所望の値に維持することにより高精度に位置決めすることができる位置決め装置を提案しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明は、所定の回転駆動手段9により送りねじ13を回動し、送りねじ13に螺合した送りナツト15を送りねじ13の軸方向aに相対的に移動させることにより、送りナツト15に連結された被駆動部2を所望の位置に位置決めする位置決め装置1であつて、互いに相対的に回転することなく、かつ送りねじ13の軸線方向に互いに接近又は離間自在に形成された第1及び第2のめねじ部50、51と、当該第1及び第2のめねじ部50、51の外周に設けられ、当該軸線方向の両端が開口されたガードリンク57、58と、当該第1及び第2のめねじ部50、51に取り付けられたフランジ52、56とを設けるようにし、これらフランジ52、56が、第1及び第2のめねじ部50、51とガードリンク57、58との間に設けられた弾性部材36に加圧され、当該加圧に応じて第1及び第2のめねじ部50、51を軸線方向に離間させるようにした。
【0013】
また本発明は被駆動部2に光ディスク原盤露光装置の光学系を載置するようにした。
【0015】
【作用】
送りねじ13と第1及び第2のめねじ部50、51との間に、弾性部材36の加圧に応じた予圧をフランジ52、56を介して与えることができるため、おねじ及びめねじ間に磨耗によるガタが生じた場合、またはおねじ及びめねじ間に加工精度による誤差が生じた場合においても高精度に位置決めすることができる。
【0016】
【実施例】
以下図面について、本発明の一実施例を詳述する。
【0017】
図1において、1は全体として送り位置決め装置を示し、ステージ状に形成された被駆動部2を矢印aで示す方向に高精度に移動し得るようになされている。
これにより送り位置決め装置1においては、被駆動部2に例えば光デイスク原盤露光装置の光学系(図示せず)を載置し、これを高精度に移動することによりフオトレジスト膜が形成されたガラス原盤(図示せず)に所定のトラツクピツチで記録トラツクを露光記録し得るようになされいる。
【0018】
送り位置決め装置1は板状のベース部3上に直方体形状の直動案内部材4が支持脚5A及び5Bによつて両端を支持された状態で固定されている。
直動案内部材4には被駆動部2が矢印aの方向に摺動自在に取り付けられいる。ここで直動案内部材4及び被駆動部2の摺動部分には、空気制圧案内機構又は超精密な直線ころがり案内機構(クロスローラガイド等)が用いられ、これにより被駆動部2は直動案内部材4に支持されながら矢印aと直交する方向の変動が生じない状態で矢印aの方向に精度良く摺動し得るようになされている。
【0019】
またベース部3には第1及び第2の支持板6及び7がベース部3に対して直立状態で固定されており、第1の支持板6には増減速部8を有する回転駆動部9が支持されている。回転駆動部9は回転制御部10から送出される制御信号S1に基づいて回転するようになされている。
これにより送り位置決め装置1においては、回転駆動部9の回転トルク及び回転速度を増減速部8により所望の値に変換して第1及び第2の支持板6及び7間に設けられた回転軸継手11に伝達する。
【0020】
ここで回転駆動部9としては、回転角度及び回転速度を制御できるサーボモータまたはステツピングモータが用いられており、これにより送り位置決め装置1においては、駆動制御部10から送出される制御信号S1に基づいて回転駆動部9の回転角度及び回転速度を制御し得るようになされている。
【0021】
回転軸継手11は第2の支持板7に取り付けられた軸受12によつて回動自在に保持された送りねじ13に連結され、これにより送り位置決め装置1においては、回転駆動部9の回転を増減速部8、回転軸継手11を介して送りねじ13に伝達するようになされている。
ここで回転軸継手11としては、ねじり剛性が高いゼロバツクラツシユタイプのベローズ型又はデイスク板ばね型が用いられ、これにより回転軸継手11は回転駆動部9及び送りねじ13間の偏心及び偏角を吸収して回転駆動部9の回転を正確に送りねじ13に伝達し得るようになされている。
【0022】
送りねじ13は一端が軸受12によつて回動自在に保持されていると共に、被駆動部2の側面に取り付けられた連結部材14によつて回動自在に保持され、これにより送りねじ13は軸線方向が直動案内部材4に平行な状態に保持されるようになされている。
ここで軸受12としては、空気制圧軸受又は超精密なアンギユラ玉軸受が用いられ、これにより軸受12は送りねじ13が回転する際、当該送りねじ13の軸心のぶれ、軸方向の変位が生じないように送りねじ13を保持するようになされている。
【0023】
送りねじ13には送りナツト15が螺合され、この結果送りねじ13及び送りナツト15は滑りねじを構成し送りねじ13を1回転するごとに送りねじ13の軸線方向に送りナツト15を送りねじ13のピツチ分だけ移動し得るようになされている。
ここで送りねじ13及び送りナツト15は台形ねじ形状又は三角ねじ形状となつていると共に、フアインセラミツクス、エンジニアリングプラスチツク又は樹脂等の剛性の高い材質によつて構成されている。また送りねじ13及び送りナツト15の摺動面には潤滑油、グリス、固体潤滑材が塗り込まれている。
【0024】
また送りナツト15は連結部材14に固着され、これにより送り位置決め装置1においては送りナツト15が送りねじ13の軸線方向に移動すると、被駆動部2がこの移動距離と同じ距離だけ矢印a方向に移動するようになされている。
ここで連結部材14としては、矢印aの方向に高い剛性を有すると共に、送りねじ13の軸の偏芯、ぶれ、そり、又は送りねじ13と直動案内部材4との平行度誤差によつて生じる送りナツト15の送りねじ13の軸と直交する面内における変化に柔軟に追従することができる二方向組合せ平行板ばね、又はすり割と円弧状の切欠を組み合わせた二方向一体型平行ばねが用いられている。
【0025】
かかる構成に加えて、送りナツト15には当該送りナツト15を巻回するように円環状の予圧部16が取り付けられている。
送り位置決め装置1は圧力源17から送出される流体を圧力制御部18を介して管状の圧力伝達部材19によつて予圧部16に設けられた継手部20に与える。
【0026】
ここで圧力制御部18としては、減圧弁(レギユレータ)が用いられ、これにより圧力源17からの圧力を可変し得ると共に、設定した圧力を一定に維持できるようになされている。
また圧力伝達部材19としては、ウレタンチユーブ、ポリエステルチユーブ又はテフロンチユーブ等が用いられ、これにより当該圧力伝達部材19は送りナツト15と共に予圧部16が移動する際この動きに応じて柔軟に変形しながら追従することにより移動部に不要な力や振動を与えないようになされている。
【0027】
継手部20に与えられた流体は当該継手部20を介して予圧部16に流入され、これにより予圧部16は流体の流入量に応じて送りナツト15を締めつけるようになされている。
これにより送り位置決め装置1においては、圧力源17からの圧力を圧力制御部18によつて調整して予圧部16に与えることにより、送りナツト15を締めつける締めつけ力を調整でき、かくして送りねじ13に対する送りナツト15の接触面圧力を所望の値に調整できるようになされている。
【0028】
ここで送りナツト15は、図2に示すように、取付フランジ30及びめねじ部34により構成され、取付フランジ30を連結部材14のナツト取付部31に押し板32を介してねじ33によつて締結することにより連結部材14に取り付けられている。
【0029】
送りナツト15のめねじ部34の外周にはガードリング35及び当該ガードリング35内に収納されたチユーブ状の予圧部材36が配置され、当該予圧部材36がめねじ部34の外周に当接すると共に予圧部材36の中空部分37に継手部20を介して流体が導入されるようになされている。
予圧部材36はゴム又は樹脂等の弾性体又は伸縮可能な部材により構成され、これにより予圧部材は導入される流体の量に応じて膨張するようになされている。
送りナツト15のめねじ部34には、図3に示すように、送りねじ13の軸線方向に延長するようなすり割38が形成されている。
【0030】
これにより予圧部材36の中空部分37に流体が導入されると予圧部材36は中空部分37内の圧力が増大することにより膨張し、このとき予圧部材36の外周部36Aがガードリング35に規制された状態で予圧部材36の内周部36Bが送りナツト34を送りねじ13の径方向に加圧する。
このとき送りナツト34はすり割38が形成されていることにより予圧部材36の内周部36Bから与えられる加圧力に応じて容易に変形し、送りねじ13のおねじ部と送りナツト15のめねじ部34間にこの加圧力に応じた予圧が与えられる。
【0031】
また送りナツト15のめねじ部34と送りナツト16の取付フランジ30とは、図4に示すような断面が円弧状の連結部39のみによつて連結されていることにより、めねじ部34は予圧部材36から与えられる加圧力に応じて容易に変形し得るようになされている。
【0032】
以上の構成において、送り位置決め装置1は回転駆動部9の回転を増減速部8及び回転軸継手11を介して高精度に送りねじ13に伝達する。
この結果送りねじ13に螺合した送りナツト15が送りねじ13の回動に応じて矢印aの方向に移動する。これにより連結部材14によつて送りナツト15に連結された被駆動部2が送りナツト15の移動量に応じて矢印aの方向に摺動する。
【0033】
ここで送り位置決め装置1は圧力源17によつて発生した圧力を圧力制御部18により所望の値に調整して、当該圧力を送りナツト15を巻回するように設けられた予圧部16に供給する。
このとき圧力制御部18は送りねじ13と送りナツト15との接触面圧力が常に一定になるような圧力を予圧部16に供給する。
【0034】
これにより送り位置決め装置1においては、送りねじ13のリードピツチのむらやねじ径のむら等の加工精度上の誤差が原因で、めねじ部34が局部的に変形した場合でも、圧力制御部18によつて予圧を一定に保つことができ、この結果送りねじ13と送りナツト15との接触面圧力がほぼ一定に保持されることにより従来に比して格段に摩擦トルクの変動を低減し得、位置決め精度を向上することができる。
【0035】
また送りねじ13又は送りナツト15に温度変化による寸法の変化が生じた場合、さらには磨耗による寸法の変化が生じた場合にも、圧力制御部18がこれに応じて送りねじ13と送りナツト15との接触面圧力がほぼ一定に保持されるような予圧を送りナツト15に供給し、これにより位置決め精度を向上することができる。
【0036】
さらに送りナツト15に予圧を与える予圧部材36として振動減衰能力の高いゴム又は樹脂を用いたことにより、摩擦トルクの変動によるねじり振動を短時間で収束させることができる。この結果送りねじ13と送りナツト15との接触面圧力が高いときに生じるステイツクスリツプ(びびり)の発生を抑制し得、これにより予圧量を高くした場合にも送りナツト15を滑らかに送ることができる。かくして送りねじ13と送りナツト15との送り剛性を向上し得ることにより、位置決め精度を向上することができる。
【0037】
以上の構成によれば、圧力制御部18を設け、当該圧力制御部18によつて送りナツト15に与える予圧を常に所望の値に調整するようにしたことにより、おねじ及びめねじ間に磨耗によるガタが生じた場合、またはおねじ及びめねじ間に加工精度による誤差がある場合においても、送りねじ13及び送りナツト15間に生じるガタを無くすることができると共に摩擦トルクの変動を抑制し得、かくして送り位置決め精度が格段に向上した送り位置決め装置1を実現することができる。
【0038】
なお上述の実施例においては、送り位置決め装置1を、光デイスクの原盤露光装置の光学系を移動する装置として用いた場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ガラス原盤を搭載した回転軸部の送り装置としても用いることもできる。また送り位置決め装置1は半導体や液晶等のマスクパターンを被露光物に露光する露光装置(ステツパ)における光学系、又は被露光物を正確に定められたステツプで送る装置としても適用することができる。さらに送り位置決め装置1は工作機械や測定器等において直線的に物体を送る装置として広く適用することができる。
【0039】
また上述の実施例においては、ガードリング35にチユーブ状の予圧部材36を収納し、当該予圧部材36内に継手部20を介して圧力が制御された流体を導入するようにして送りナツト15のめねじ部34の全周方向から予圧を与える場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば図5に示すように、予圧部材36に代えて2つのチユーブ状予圧部材40及び41を設け、当該予圧部材40及び41にそれぞれ継手部42及び43を介して独立に流体を導入することによりすり割38を挟んでめねじ部34を対向する両側から加圧するようにしてもよい。
【0040】
また上述の実施例においては、送りナツト16のめねじ部34と送りナツト16の取付フランジ30とを連結部39のみによつて連結することによりめねじ部34に対する取付フランジ30の剛性の影響を低減し、予圧部材36により与えられる加圧力に応じてめねじ部34が容易に変形し得るようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、図6〜図8に示すように、めねじ部34と取付フランジ30とを板ばねヒンジ部45によつて連結するようにした場合においても予圧部材36により与えられる加圧力に応じてめねじ部34を容易に変形させることができる。また図7に示すように、めねじ部34に形成するすり割38の数は1つに限らず複数のすり割38A〜38Dを形成するようにしてもよい。このようにすれば、めねじ部34を予圧に応じて一段と容易に変形させることができる。
【0041】
また上述の実施例においては、一体に形成されためねじ部34を予圧部材36によつてねじの径方向に変形させる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、図9に示すように、めねじ部34(図2)を第1及び第2のめねじ部50及び51に2分割するようにしてもよい。
【0042】
この場合第1のめねじ部50の取付フランジ52がねじ53によつてナツト取付部54に固着されていると共に、第1及び第2のめねじ部50及び51が板ばねヒンジ部55によつて相対的に回転することなく送りねじ13の軸線と平行な方向にのみ変位するように連結されている。さらにチユーブ状の予圧部材36が軸線方向の両端が開口されたガードリング57及び58内に収納されており、これにより予圧部材36は継手部20を介して中空部分37に流体が導入されると、ガードリング57及び58によつて内外径方向の膨張が規制されて送りねじ13の軸線と平行な方向にのみ膨張するようになされている。この結果予圧部材36が第1及び第2のめねじ部50及び51の取付フランジ52及び56をそれぞれ加圧することにより第1及び第2のめねじ部50及び51を互いに離間する方向に付勢し、送りねじ13と第1及び第2のめねじ部50及び51との間に所望の予圧を与えることができる。
【0043】
また上述の実施例においては、送りねじ13及び送りナツト15を台形ねじによつて構成した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、上述した2分割めねじ方式はボールねじも適用することもできる。
【0044】
さらに上述の実施例においては、送りナツト15が連結部材14によつて回転することなく支持されると共に、送りねじ13が軸受12によつて回動自在に支持される場合について述べたが、本発明はこれに限らず、送りねじと送りナツトが相対的に回転し直線変位を得る構成であれば、送りねじと送りナツトのいづれが回転し、各々のいづれが直線的に移動する場合においても上述の場合と同様の効果を得ることができる。
【0045】
例えば回転駆動手段及び送りねじが移動側に搭載され、移動部に支持された軸受に保持された送りねじが回転することにより、当該送りねじに螺合する送りナツトが固定部に回転しないように支持されるようにしてもよい。また例えば送りねじが移動側に回転しないように支持された状態で搭載されると共に、回転できるように軸受に保持された送りナツトが固定部に支持された状態で回転駆動手段によつて回転されるようにしてもよい。
【0046】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、互いに相対的に回転することなく、かつ送りねじの軸線方向に互いに接近又は離間自在に形成された第1及び第2のめねじ部と、当該第1及び第2のめねじ部の外周に設けられ、当該軸線方向の両端が開口されたガードリンクと、当該第1及び第2のめねじ部に取り付けられたフランジとを設けるようにし、これらフランジが、第1及び第2のめねじ部とガードリンクとの間に設けられた弾性部材に加圧され、当該加圧に応じて第1及び第2のめねじ部を軸線方向に離間させるようにしたことにより、送りねじと第1及び第2のめねじ部との間に、弾性部材の加圧に応じた予圧をフランジを介して与えることができるため、おねじ及びめねじ間に磨耗によるガタが生じた場合、またはおねじ及びめねじ間に加工精度による誤差が生じた場合においても高精度に位置決めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による位置決め装置の一実施例の全体構成を示す斜視図である。
【図2】予圧部の説明に供する断面図である。
【図3】図2のAA′断面図である。
【図4】図2のBB′断面図である。
【図5】他の実施例の予圧部材を示す断面図である。
【図6】他の実施例の説明に供する断面図である。
【図7】図6のCC′断面図である。
【図8】図6のDD′断面図である。
【図9】他の実施例の説明に供する断面図である。
【図10】図9のEE′断面図である。
【符号の説明】
1……送り位置決め装置、2……被駆動部、8……増減速部、9……回転駆動部、13……送りねじ、14……連結部材、15……送りナツト、16……予圧部材、17……圧力源、18……圧力制御部、19……圧力伝達部材、20、42、43……継手部、30、52、56……取付フランジ、31、54……ナツト取付部、32……押し板、34、50、51……めねじ部、35、57、58……ガードリング、36、40、41……予圧部材、37……中空部分、38、38A〜38D……すり割、45、55……板ばねヒンジ部。
Claims (2)
- 所定の回転駆動手段により送りねじを回動し、上記送りねじに螺合した送りナツトを上記送りねじの軸方向に相対的に移動させることにより、上記送りナツトに連結された被駆動部を所望の位置に位置決めする位置決め装置において、
互いに相対的に回転することなく、かつ上記送りねじの軸線方向に互いに接近又は離間自在に連結された第1及び第2のめねじ部と、
上記第1及び第2のめねじ部の外周に設けられ、上記軸線方向の両端が開口されたガードリングと、
上記第1及び第2のめねじ部に取り付けられたフランジと
を具え、
上記フランジは、
第1及び第2のめねじ部とガードリングとの間に設けられた弾性部材に加圧され、当該加圧に応じて上記第1及び第2のめねじ部を上記軸線方向に離間させる
ことを特徴とする位置決め装置。 - 上記被駆動部に光ディスク原盤露光装置の光学系を載置した
ことを特徴とする請求項1に記載の位置決め装置。
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1994
- 1994-05-26 US US08/249,213 patent/US5511438A/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
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