JP3707747B2 - 給湯器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は給湯器に関し、詳しくはバイパスミキシング方式の給湯器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、熱交換器をバイパスするバイパス路を備えた給湯器が知られている。こうした給湯器は、給水路から供給された冷水を熱交換器側とバイパス路側に分岐し、熱交換器により加熱された湯と、バイパス路によりバイパスされた冷水とを混合して出湯することで、熱交換器の出口温度を実際の出湯温度より高くしてドレン(結露)の発生を抑え、熱交換器の腐食を防止するといった効果がある。しかしこのような構成では、出湯温度以上に熱交換器出口温度が高温でなければならず、高温の湯を必要とした場合に出湯温度に限界があるだけでなく、熱交換器の耐久性にも問題があった。この問題を解決するため、バイパス路に流路を開閉するバイパス弁を設け、設定温度が所定値未満の場合には開弁して混合した湯を出湯し、所定値以上の場合には閉弁して熱交換器により加熱された湯をそのまま出湯するといった制御を行なうことで、低温から高温まで幅広い出湯温度を得ることができるようになった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成の給湯器において、バイパス弁が開弁している状態での出湯動作中に、設定温度が所定値以上に変更された場合、熱交換器の出口温度は変更された設定温度に比べ高い場合には、バイパス弁を閉じた直後に高温の湯が出湯されるため危険であった。
【0004】
この問題を解決するため、特開平3ー191254の給湯器では、設定温度が所定温度以上に変更された場合に、バイパス開閉弁の閉止動作を所定時間後に行なうタイマ手段を設け、その所定時間内はガス量制御弁の能力を固定するといった構成をとっている。このような構成により、設定温度変更により高温の湯が出湯されることを防止することができるが、変更される設定温度や流量によっては、タイマ手段による所定時間が長すぎて必要以上にアンダーシュートが発生してしまう。かといって、所定時間を短く設定すれば、逆に高温出湯を防止できない。
【0005】
本発明の給湯器は上記課題を解決し、設定温度変更時に高温の湯が出湯することを防止し、更にその時のアンダーシュートの発生を少なくすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の給湯器は、燃料ガスを燃焼するバーナと、
給水路から供給された冷水を上記バーナの燃焼熱により加熱して出湯路に供給する熱交換器と、
上記出湯路に設けられ、上記熱交換器から出湯された湯の温度Thを検出する第1温度センサと、
上記熱交換器をバイパスして上記給水路と上記出湯路とを連通するバイパス路と、
上記出湯路の上記バイパス路との合流部より下流側で混合された湯の温度Tlを検出する第2温度センサと、
設定温度Tsを設定するための温度設定手段と、
上記バイパス路に設けられ、上記設定温度Tsが所定値To以上の場合に閉弁し、所定値To未満の場合に開弁するバイパス弁と、
上記バーナの燃焼量を変化させ、上記第2温度センサの検出温度Tlを、上記温度設定手段により設定される設定温度Tsに近づけるように温度制御する出湯温制御手段と
を備えた給湯器において、
出湯動作中に上記設定温度Tsが上記所定値To未満から該所定値To以上に変更された場合には、上記出湯温制御手段が上記バーナの燃焼量を必要な燃焼量より少ない燃焼量に制御し、上記第1温度センサの検出温度Thが設定温度Tsに所定の補正温度αを加えた値(Ts+α)まで低下後、上記出湯温制御手段が上記バーナの燃焼量を必要燃焼量に戻し、上記バイパス弁を閉弁することを要旨とする。
【0007】
上記構成を有する本発明の給湯器は、温度設定手段により設定された設定温度Tsが所定値To未満での出湯動作時にはバイパス弁が開弁しており、熱交換器により加熱された湯とバイパス路によりバイパスされた冷水とが混合されて出湯され、出湯温制御手段が第2温度センサの検出する出湯温度Tlを設定温度Tsに近づけるようにバーナの燃焼量を変化させて温度制御を行なう。ここで、温度設定手段により設定温度Tsが所定値To以上に変更された場合には、出湯温制御手段がバーナの燃焼量を必要な加熱量より少ない加熱量に制御して、第1温度センサの検出温度Thが設定温度Tsに所定の補正温度αを加えた値(Ts+α)に低下するまでバイパス弁の開弁状態を継続する。その後、Th≦Ts+αとなった時点でバイパス弁を閉弁し、出湯温制御手段が温度制御を再開する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明の給湯器の好適な実施例について説明する。図1は一実施例としての給湯器の概略構成図である。給湯器は、給水路1と出湯路2とが接続される熱交換器3と、熱交換器3をバイパスするバイパス路4と、熱交換器3を流れる水を加熱するためのバーナ5と、バーナ5にガスを供給するガス供給路6と、燃焼制御を司どるコントローラ7とを備える。給水路1のバイパス路4との分岐部aより上流側には入水流量を検出する流量センサ8と、入水温を検出する入水サーミスタ9とが設けられ、また出湯路2のバイパス路4との合流点bより上流側には、熱交換器3から出湯される湯温Thを検出する熱交換器出口サーミスタ10が設けられ、またバイパス路4との合流部bより下流側には混合された湯温Tlを検出する出湯サーミスタ11が設けられ、更にその下流側で洗面所、シャワー等の給湯口に通じる外部給湯管12に接続される。またバイパス路4には、流路の開閉を行なうバイパス電磁弁13が設けられる。またガス供給路6には、流路の開閉を行なうメイン電磁弁14、元電磁弁15と、ガス量を調節する比例弁16とが設けられる。
【0009】
熱交換器出口サーミスタ10は熱交換器3の出口近くに設けられ、その検出温度Thと出湯サーミスタ11の検出温度Tlとを比較することで、バイパス電磁弁13の故障検知を行なうことができる。
【0010】
コントローラ7は、図示しない周知の算術論理演算回路を構成するCPU、RAM、ROMと、各種センサからの信号を入力する入力インタフェースと、各種アクチュエータに駆動信号を出力する出力インタフェース等から構成される。また、コントローラ7には設定温度Tsを入力するための温度設定スイッチを備えたリモコン17が接続される。尚、図1においては、本発明の特徴となる高温出湯防止制御処理に係る構成のみの入出力関係を表している。
【0011】
コントローラ7は、リモコン17から入力された設定温度Tsが48℃以上である場合にバイパス電磁弁13を閉弁し、48℃未満である場合にはバイパス電磁弁13を開弁することで、熱交換器3を高温に維持しつつ低温から高温まで幅広い出湯温度を得ることができる。またコントローラ7は、リモコン17から入力された設定温度Tsと入水サーミスタ9の検出温度と流量センサ8の検出流量とに基づいたフィードフォワード制御と、出湯サーミスタ11の検出温度Tlとリモコン17から入力された設定温度Tsとの差に基づいたフィードバック制御とを合わせて行ない、比例弁16の開度を調節して出湯温制御を行なう。ここで、フィードバック制御を行なう際の出湯温度の検出は、バイパス電磁弁13が閉じている場合には熱交換器出口サーミスタ10により行なう。
【0012】
尚、給湯器は、図示しないがバーナ5に点火するための点火装置や、燃焼用空気を供給するファン等を備える。
【0013】
次に、コントローラ7の行なう高温出湯防止制御処理について、図2のフローチャートを用いて説明する。流量センサ8により所定値以上の通水量を検出すると(S1)、メイン電磁弁14、元電磁弁15を開弁してバーナ5にガスを供給し、図示しない点火装置によりバーナ5に点火して燃焼動作を開始すると共に(S2)、リモコン17から入力された設定温度Tsが48℃以上であるかどうかをチェックする(S3)。ここで設定温度Tsが48℃以上である場合には(S3:NO)バイパス電磁弁13を閉弁し(S4)、設定温度Tsが48℃未満である場合には(S3:YES)バイパス電磁弁13を開弁する(S5)。設定温度Tsが48℃未満で給湯動作中に設定温度Tsが48℃以上に変更された場合(S6:NO)、バイパス電磁弁13を閉じる前に、熱交換器出口サーミスタ10の検出する湯温Thが設定温度Tsに補正温度α(本実施例では8deg )を加えた値(Ts+α)未満であるかどうかをチェックする(S7)。ここで、熱交換器出口温度ThがTs+α以上であった場合には(S7:NO)、熱交換器3の温度を下げるため比例弁16を絞ってガス量を最小にする(S9)。その後、熱交換器出口温度ThがTs+αまで低下するか(S7:YES)、もしくは設定温度変更から11秒経過した時点で(S8:YES)バイパス電磁弁13を閉じる(S4)。
【0014】
このような制御を行なうことによる出湯温度Tlの変化を図3のグラフに示す。設定温度Tsが例えば40℃に設定されている場合、バイパス電磁弁13が開弁しており、この時の熱交換器出口サーミスタ10の検出温度Thが例えば90℃であるとする。ここで、設定温度Tsが60℃に変更されるとバイパス電磁弁13を閉じる必要があるが、仮に破線aに示すように即座にバイパス電磁弁13を閉じた場合、破線bに示すように高温の湯が出湯されてしまう。そこで、バイパス電磁弁13を閉じる前に熱交換器出口温度Thが設定温度Ts(60℃)に補正温度α(8deg )を加えた値(Ts+α=68℃)以上であるかどうかをチェックする。この場合熱交換器出口温度Thが90℃近くであるため、68℃未満となるまで出湯温制御を中断し、比例弁16を最小まで絞り、燃焼量を最小にする。その後熱交換器出口温度Thが68℃まで低下すると、バイパス電磁弁13を閉じ、通常の出湯温制御を再開する。このように、熱交換器出口温度Thが設定温度Ts(60℃)に補正温度α(8deg )を加えた値(Ts+α)まで低下した時点でバイパス電磁弁13を閉じ、出湯温制御を再開するが、ここで補正温度α(8deg )を考慮しない場合について考えると、破線cに示すようにアンダーシュートが大きくなり、温度が安定するまでに時間がかかる。そのため、補正温度α(8deg )を加えて安定時間を短くする。
【0015】
以上説明したように本実施例の給湯器によれば、48℃未満の設定温度Tsから48℃以上の設定温度Tsに変更した際に、熱交換器出口サーミスタ10の検出温度Thが変更後の設定温度Tsより高温であっても、その検出温度Thが設定温度Tsに補正温度α(8deg )を加えた値(Ts+α)未満となるまではバイパス電磁弁13を閉じないため、設定温度変更と同時に高温の湯が出湯されるといったことがない。また熱交換器出口温度Thに基づいてバイパス電磁弁13の閉弁のタイミングを設定することで、設定温度Tsや流量に関係なくアンダーシュートが発生する時間を短くすることができ、更に補正温度α(8deg )を考慮することで、単に熱交換器出口サーミスタ10の検出温度Thが設定温度Tsまで低下した時点でバイパス電磁弁13を閉じるよりも、アンダーシュートの発生を小さくして出湯温度をはやく安定させることができる。また、熱交換器出口サーミスタ10の検出温度Thが、設定温度Tsに補正温度α(8deg )を加えた値(Ts+α)まで低下するまではガス量を最小にすることで、熱交換器3の温度を素早く冷やすことができるため、アンダーシュートの発生する時間を短くすることができる。また、熱交換器出口サーミスタ10の検出温度Thが設定温度Tsに補正温度α(8deg )を加えた値(Ts+α)まで低下しない場合にも、設定温度変更から11秒後にバイパス電磁弁13を閉弁するため、アンダーシュートが長く続くことを防ぐことができる。また、フィードバック制御を行なう際の出湯温度の検出を、バイパス電磁弁13が閉じている場合には熱交換器出口サーミスタ10により行なうことで、制御遅れを小さくすることができる。
【0016】
以上本発明の実施例について説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。例えば、本実施例においてフィードフォワード制御は、リモコン17から入力された設定温度Tsと入水サーミスタ9の検出温度と流量センサ8の検出流量とに基づいて行なったが、入水サーミスタ9を備えていない場合でも、点火開始直後の熱交換器出口サーミスタ10の検出値Th、もしくは出湯サーミスタ11の検出値Tlの温度勾配から最小値を導き、その値を入水温度と推定したり、また入水温度を固定値としたりすること等によりフィードフォワード制御を行なってもよい。
【0017】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の給湯器によれば、出湯動作中に設定温度Tsが所定値To未満から所定値To以上に変更された場合には、すぐにバイパス弁を閉弁せず、第1温度センサの検出温度Thが設定温度Tsに所定の補正温度αを加えた値(Ts+α)まで低下した時点でバイパス弁を閉じることにより、バイパス弁の閉弁時に高温の湯が出湯されることを防ぐことができるため安全である。また、第1温度センサの検出温度Thに基づいてバイパス弁を閉じることにより、設定温度Tsや入水流量が異なっても常に最適なタイミングでバイパス弁を閉じるため、設定温度Tsや入水流量にかかわらずアンダーシュートの発生を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例としての給湯器の概略構成図である。
【図2】コントローラの行なう高温出湯防止制御処理を表すフローチャートである。
【図3】出湯温度変化を表すグラフである。
【符号の説明】
1…給水路、 2…出湯路、 3…熱交換器、 4…バイパス路、
5…バーナ、 6…ガス供給路、 7…コントローラ、 8…流量センサ、
9…入水サーミスタ、 10…熱交換器出口サーミスタ、
11…出湯サーミスタ、 13…バイパス電磁弁、 16…比例弁、
17…リモコン。
Claims (1)
- 燃料ガスを燃焼するバーナと、
給水路から供給された冷水を上記バーナの燃焼熱により加熱して出湯路に供給する熱交換器と、
上記出湯路に設けられ、上記熱交換器から出湯された湯の温度Thを検出する第1温度センサと、
上記熱交換器をバイパスして上記給水路と上記出湯路とを連通するバイパス路と、
上記出湯路の上記バイパス路との合流部より下流側で混合された湯の温度Tlを検出する第2温度センサと、
設定温度Tsを設定するための温度設定手段と、
上記バイパス路に設けられ、上記設定温度Tsが所定値To以上の場合に閉弁し、所定値To未満の場合に開弁するバイパス弁と、
上記バーナの燃焼量を変化させ、上記第2温度センサの検出温度Tlを、上記温度設定手段により設定される設定温度Tsに近づけるように温度制御する出湯温制御手段と
を備えた給湯器において、
出湯動作中に上記設定温度Tsが上記所定値To未満から該所定値To以上に変更された場合には、上記出湯温制御手段が上記バーナの燃焼量を必要な燃焼量より少ない燃焼量に制御し、上記第1温度センサの検出温度Thが設定温度Tsに所定の補正温度αを加えた値(Ts+α)まで低下後、上記出湯温制御手段が上記バーナの燃焼量を必要燃焼量に戻し、上記バイパス弁を閉弁することを特徴とする給湯器。
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JPH09287827A JPH09287827A (ja) | 1997-11-04 |
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Family Applications (1)
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Country Status (1)
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JP (1) | JP3707747B2 (ja) |
-
1996
- 1996-04-20 JP JP12251396A patent/JP3707747B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH09287827A (ja) | 1997-11-04 |
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