JP3705667B2 - 心不全監視装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、生体の心不全を監視するための心不全監視装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
種々の病因による心臓の収縮力減退などに起因して全身の臓器組織へ必要な質および量の血液を循環し得ない状態となる心不全は、心臓疾患の末期症状として現れるものとして知られているが、昼間に比較して夜間に病状が悪化する場合が多い。病院や在宅において、そのような夜間では、看護人の人数を確保し難くなって患者に対する看護が手薄になることから、上記のような心不全の発生を的確に監視できる装置が望まれている。
【0003】
これに対し、上記心不全は、呼吸機能の低下と同様に、動脈血の酸素飽和度の低下に現れることを利用して、従来では、非観血式の動脈血酸素飽和度測定装置が用いられ、その動脈血酸素飽和度測定装置により測定された患者の血中酸素飽和度SpO2(%)が予め設定された値たとえば90%を下回わると、音、光或いは電気信号の警報を出力するようになっていた。
【0004】
【発明が解決すべき課題】
ところで、上記従来の動脈血酸素飽和度測定装置を用いる監視によれば、動脈血の酸素飽和度が実際に低下することにより警報が出力されることから、その回復のための措置に許容される時間が十分に得られないので、医療措置が遅れる傾向となるという不都合があった。
【0005】
本発明は以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、心不全の発生を早期に警報出力することができる心不全監視装置を提供することにある。
【0006】
本発明者等は、上記の事情を背景として種々検討を重ねた結果、動脈血酸素飽和度測定装置によって測定される酸素飽和度SpO2は、心不全の程度が進行すると、その酸素飽和度SpO2が明らかに低下する前に、その変動幅が大きくなるという事実を見いだした。本発明はそのような知見に基づいて為されたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の要旨とするところは、生体の心不全を監視するための心不全監視装置であって、(a) 前記生体の血中酸素飽和度を、非侵襲的に且つ連続的に測定する血中酸素飽和度測定手段と、(b) その血中酸素飽和度測定手段により測定された血中酸素飽和度の変動幅を算出する酸素飽和度変動幅算出手段と、(c) その酸素飽和度変動幅算出手段により算出された血中酸素飽和度の変動幅が予め設定された判断基準値を超えたことに基づいて前記生体の心不全警報信号を出力する心不全警報手段とを、含むことにある。
【0008】
【発明の効果】
このようにすれば、心不全警報手段により、酸素飽和度変動幅算出手段により算出された血中酸素飽和度の変動幅が予め設定された判断基準値を超えたことに基づいて生体の心不全警報信号が出力される。酸素飽和度SpO2の変動幅は、心不全の進行に伴ってその酸素飽和度SpO2が明らかに低下する前に大きくなるという性質があることから、本発明によれば、心不全の発生を示す警報が早期に出力される。このため、心不全患者に対する医療措置を早期に開始することができる。
【0009】
【発明の他の態様】
ここで、好適には、(d) 前記生体の脈拍数PR(1/min )を逐次算出する脈拍数算出手段と、(e) その脈拍数算出手段により算出された脈拍数の変動幅を算出する脈拍数変動幅算出手段とをさらに備え、前記心不全警報手段は、その脈拍数変動幅算出手段により算出された脈拍数変動幅が予め設定された判断基準値を超え、且つ前記酸素飽和度変動幅算出手段により算出された血中酸素飽和度の変動幅が予め設定された判断基準値を超えたことに基づいて、前記生体の心不全警報信号を出力するものである。上記脈拍数PRの変動幅は、心不全の進行に伴って大きくなるという性質があることから、本発明によれば、心不全の発生を示す警報の信頼性を一層高めることができる。
【0010】
【発明の好適な実施の態様】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
図1は、心不全監視装置として機能する反射型パルスオキシメータすなわち動脈血内の酸素飽和度SpO2を測定するための血中酸素飽和度測定装置28の構成を示している。図1において、反射型プローブ10は、たとえば生体の末梢血管の密度が比較的高い額、指等の体表面12に密着した状態で装着される。この反射型プローブ10は、比較的浅い有底円筒状のハウジング14と、体表面12内で散乱を受けて光源側へ出てくる後方散乱光を検知するためにそのハウジング14の底部内面の中央部に設けられ、ホトダイオード或いはホトトランジスタ等から成る受光素子16と、ハウジング14の底部内面の受光素子16を中心とする同一の半径rの円周上において所定間隔毎に交互に設けられ、LED等から成る複数個(本実施例では8個)の第1発光素子18および第2発光素子20と、ハウジング14内に一体的に設けられ、受光素子16および発光素子18,20を保護するためにそれを覆う透明樹脂22と、ハウジング14内において受光素子16と発光素子18,20との間に設けられ、発光素子18,20から照射された光の体表面12内から受光素子16へ向かう反射光を遮光する円環状の遮光壁24とを備えて構成されている。
【0012】
上記第1発光素子18は第1波長λ1 たとえば730nm程度の波長の赤色光を発光し、第2発光素子20は第2波長λ2 たとえば880nm程度の波長の赤外光を発光するものである。図2において、1点鎖線は酸素化ヘモグロビン(oxy-hemoglobin)の吸光係数を示し、実線は無酸素化ヘモグロビン(deoxy-hemoglobin)の吸光係数を示している。上記第1波長λ1 は、酸素化ヘモグロビンと無酸素化ヘモグロビンとの吸光係数差が所定値よりも大きい領域すなわち800nmよりも短波長側の領域内の値であって可及的に高い値に設定されており、上記第2波長λ2 は、酸素化ヘモグロビンと無酸素化ヘモグロビンとの吸光係数差が所定値よりも小さい領域すなわち800nmよりも長波長側の領域内の値であって可及的に低い値に設定されている。なお、上記第1波長λ1 および第2波長λ2 は、必ずしもこれらの波長に限定されるものではなく、酸素化ヘモグロビンの吸光係数と無酸素化化ヘモグロビンの吸光係数とが大きく異なる波長と、それら両吸光係数が略同じとなる波長であればよい。
【0013】
光源として機能する上記第1発光素子18および第2発光素子20が駆動回路54により交互に駆動されることにより、それら第1発光素子18および第2発光素子20から体表面12直下の生体組織(血管床)へ向かって第1波長λ1 の光および第2波長λ2 の光が交互に放射されると、生体組織の毛細血管内血液に含まれる血球などにより散乱を受けた後方散乱光が体表面12から出てくるので、その後方散乱光すなわち生体組織(血管床)内からの反射光が共通の光センサとして機能する受光素子16によりそれぞれ受光され、第1波長λ1 の散乱光を示す第1光信号SVR および第2波長λ2 の散乱光を示す第2光信号SVIRが出力されるようになっている。
【0014】
図3は、上記反射型プローブ10のハウジング14を、その体表面12に対向する面を見た図である。ハウジング14の中央部には受光素子16が配置されており、前記円環状の遮光壁24が同心位置に固定されているとともに、複数個の第1発光素子18および第2発光素子20が、その遮光壁24の外側であって、1点鎖線に示す半径rの同心円に沿って交互に配列されている。この半径rは、第1光信号SVR の交直成分比(AC/DC)R および第2光信号SVIRの交直成分比(AC/DC)IRが十分に大きく且つ光素子16により検知される後方散乱光の強度が測定が不安定とならない程度に得られる範囲である5乃至7mmの範囲内に設定されている。
【0015】
第1発光素子18および第2発光素子20が数百Hz乃至数kHz程度の比較的高い周波数で一定時間づつ交互に発光させられるので、上記受光素子16は、第1波長λ1 の後方散乱光を示す第1光信号SVR と第2波長λ2 の後方散乱光を示す第2光信号SVIRとを含む光信号SVを増幅器30を介してローパスフィルタ32へ出力する。ローパスフィルタ32は入力された光信号SVから脈波の周波数よりも高い周波数を有するノイズを除去し、そのノイズが除去された光信号SVをデマルチプレクサ34へ出力する。上記の第1光信号SVR 、第2光信号SVIRは、脈拍に同期して変化する。
【0016】
血中酸素飽和度測定装置28のデマルチプレクサ34は後述の切換信号SCにより第1発光素子18および第2発光素子20の発光に同期して切り換えられることにより、第1波長λ1 の赤色光である第1光信号SVR をサンプルホールド回路36およびA/D変換器38を介して演算制御回路39内のI/Oポート40へ逐次供給するとともに、第2波長λ2 の赤外光である第2光信号SVIRをサンプルホールド回路42およびA/D変換器44を介してI/Oポート40へ逐次供給する。サンプルホールド回路36、42は、入力された光信号SVR 、SVIRをA/D変換器38、44へ逐次出力する際に、前回出力した光信号SVR 、SVIRについてのA/D変換器38、44における変換作動が終了するまで次に出力する各光信号SVR 、SVIRをそれぞれ保持するためのものである。
【0017】
上記I/Oポート40は、データバスラインを介してCPU46,ROM48,RAM50,表示器52とそれぞれ接続されている。CPU46は、RAM50の記憶機能を利用しつつROM48に予め記憶されたプログラムに従って測定動作を実行し、I/Oポート40から駆動回路54へ指令信号SLDを出力して第1発光素子18および第2発光素子20を数百Hz乃至数kHz程度の比較的高い周波数で一定時間づつ交互に発光させる一方、それら第1発光素子18および第2発光素子20の発光に同期して切換信号SCを出力してデマルチプレクサ34を切り換えることにより、第1光信号SVR をサンプルホールド回路36へ、第2光信号SVIRをサンプルホールド回路42へそれぞれ振り分ける。また、CPU46は、予め記憶されたプログラムに従って前記第1光信号SVR および第2光信号SVIRがそれぞれ表す光電脈波形に基づいて末梢血管を流れる血液中の酸素飽和度SpO2を逐次決定し且つその決定した酸素飽和度SpO2を表示器52に表示させる。
【0018】
ここで、本実施例においては、更に、ハウジング14にはそのハウジング14の外周面および底部外面を覆うようにキャップ状のゴム部材56が一体的に設けられている。このゴム部材56は、たとえばクロロプレンゴム等を原料ゴムとしてスポンジ状に構成されており、好適な断熱性を備えている。そして、このゴム部材56のハウジング14外周側に位置する部分が両面粘着シート58を介して前記体表面12に固着されることにより、ハウジング14の開口端面および遮光部材24の先端面が体表面12に密着する状態でプローブ10が体表面12に装着されている。なお、図1において、両面粘着シート58は便宜上実際より大幅に厚く描かれている。
【0019】
図4は、前記演算制御回路39の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図4において、血中酸素飽和度測定手段68では、先ず、高速フーリエ変換を用いた周波数解析演算により、所定区間毎の第1光信号SVR の交流成分ACR および直流成分DCR と第2光信号SVIRの交流成分ACIRおよび直流成分DCIRとがそれぞれ逐次決定され、次いで、上記第1光信号SVR の交流成分ACR および直流成分DCR と第2光信号SVIRの交流成分ACIRおよび直流成分DCIRとから、その第1光信号SVR の交直成分比(ACR /DCR )と、第2光信号SVIRの交直成分比(ACIR/DCIR)とがそれぞれ算出され、そして、たとえば図5の実線に示す予め設定された式(1)に示す関係から、前記第1光信号SVR の交直成分比(ACR /DCR )と第2光信号SVIRの交直成分比(ACIR/DCIR)との比R〔=(ACR /DCR )/(ACIR/DCIR)〕に基づいて、前記生体の酸素飽和度SpO2が算出される。なお、式(1)において、Aは傾きを示す負の定数であり、Bは切片を示す定数である。
【0020】
【数1】
SpO2=A×R+B ・・・(1)
【0021】
酸素飽和度変動幅算出手段70は、所定の区間T0 内において血中酸素飽和度測定手段68により連続的に求められた酸素飽和度SpO2の変動幅WSP02を算出する。この変動幅WSP02は、上記所定の区間T0 内における酸素飽和度SpO2の値の分布における標準偏差σから求められてもよいし、上記所定の区間T0 内における酸素飽和度SpO2の最高値と最低値との差分から求められてもよい。上記所定の区間T0 は、心不全の前駆状態を示す酸素飽和度SpO2の変動を検出するために実験的に設定されたものであり、たとえば数分乃至数十分の範囲の値が用いられる。
【0022】
脈拍数算出手段72は、たとえば第1光信号SVR および第2光信号SVIRが脈拍に同期して脈動する性質を利用してそれらのうちのいずれかの信号の脈動周期に基づいて、生体の脈拍数PR(1/min )を1拍毎に逐次算出する。脈拍数変動幅算出手段74は、前記所定の区間T0 内において上記脈拍数算出手段72により逐次算出される生体の脈拍数PRの変動幅WPRを算出する。この変動幅WPRも、上記所定の区間T0 内における脈拍数PRの値の分布における標準偏差σから求められてもよいし、上記所定の区間T0 内における脈拍数PRの最高値と最低値との差分から求められてもよい。
【0023】
心不全警報手段76は、上記脈拍数変動幅算出手段74により算出された脈拍数変動幅WPRが予め設定された判断基準値W2 を超え、且つ前記酸素飽和度変動幅算出手段70により算出された血中酸素飽和度SpO2の変動幅WSP02が予め設定された判断基準値W1 を超えたことに基づいて、生体の心不全の発生を予告する心不全警報信号を出力する。それら判断基準値W1 およびW2 は、心不全の発生前における状態を特徴的に示す値であって、実験的に定められるものであり、一定値であってもよい。しかし、上記血中酸素飽和度SpO2の変動幅は昼間に比較して夜間における値が大きくなる特徴があることから、昼間において記憶された変動幅に所定の余裕値αが加算されることにより、上記判断基準値W1 が決定されてもよい。
【0024】
図6は、心機能不全の程度をそれが軽い順に(I)、(II)、(III )、(IV)の4段階に分類し、それら4段階にそれぞれ属する生体について、血中酸素飽和度SpO2および脈拍数PRの経時変化をそれぞれ示したものである。この図6から明らかなように、心機能不全の程度が重くなるほど、血中酸素飽和度SpO2の変動幅WSP02や脈拍数PRの変動幅WPRが大きくなる傾向がある。上記心不全警報手段76は、そのような傾向を利用して、血中酸素飽和度SpO2が明確に低下する前に心機能不全の発生を予告する心不全警報信号を出力するのである。
【0025】
図7は、前記演算制御回路39の制御作動の要部を説明するフローチャート図である。図7のステップ(以下、ステップを省略する)SA1では、第1波長λ1 の後方散乱光を表す第1光信号SVR および第2波長λ2 の後方散乱光を表す第2光信号SVIRが読み込まれる。次いで、SA2では、第1光信号SVR または第2光信号SVIRの脈動周期から生体の脈拍数PRが算出される。そして、前記血中酸素飽和度測定手段68に対応するSA3乃至SA5において、生体の酸素飽和度SpO2が算出される。
【0026】
すなわち、SA3では、SA1において読み込まれた第1光信号SVR および第2光信号SVIRに周波数解析処理が施されることにより、第1光信号SVR の交流成分ACR (信号電力値)および直流成分DCR (信号電力値)と、第2光信号SVIRの交流成分ACIR(信号電力値)および直流成分DCIR(信号電力値)とがそれぞれ抽出される。次いで、SA4では、上記SA3において抽出された第1光信号SVR の交流成分ACR および直流成分DCR から、その第1光信号SVR の交直成分比ACR /DCR が算出されるとともに、SA3において抽出された第2光信号SVIRの交流成分ACIRおよび直流成分DCIRから、その第2光信号SVIRの交直成分比ACIR/DCIRが算出される。そして、SA5では、たとえば図5の実線に示す予め設定された関係(SpO2=A×R+B)から、第1光信号SVR の交直成分比ACR /DCR と第2光信号SVIRの交直成分比ACIR/DCIRとの比R〔=(ACR /DCR )/(ACIR/DCIR)〕に基づいて、生体の酸素飽和度SpO2が算出される。
【0027】
そして、SA6では、SA5において算出された生体の酸素飽和度SpO2が表示器52に表示されるとともに、SA7においてタイマカウンタCTの内容に「1」が加算された後、SA8において、タイマカウンタCTの内容が予め設定された判断基準時間T0 以上となったか否かが判断される。この判断基準時間T0 は、心不全の前駆状態を示す酸素飽和度SpO2の変動を検出するために実験的に設定されたものである。
【0028】
当初は上記SA8の判断が否定されるので、SA1以下が繰り返し実行されることにより、脈拍数PRおよび酸素飽和度SpO2が逐次算出される。しかし、それら脈拍数PRおよび酸素飽和度SpO2が逐次算出されるうち、タイマカウンタCTの内容が判断基準時間T0 に到達すると、SA8の判断が肯定されるので、前記酸素飽和度変動幅算出手段70および脈拍数変動幅算出手段74に対応するSA9において、一定の区間T0 内における酸素飽和度変動幅WSP02および脈拍数PRの変動幅WPRが上記区間T0 内における酸素飽和度変動幅WSP02および脈拍数PRの標準偏差σを求めることなどに基づいてそれぞれ算出される。
【0029】
次いで、前記心不全警報手段76に対応するSA10およびA11が実行される。SA10では、上記SA9により算出された脈拍数変動幅WPRが予め設定された判断基準値W2 を超え、且つ上記SA9により算出された血中酸素飽和度SpO2の変動幅WSP02が予め設定された判断基準値W1 を超えたか否かが判断される。このSA10の判断が否定された場合はSA11が実行されることなくSA12が実行されるが、肯定された場合は、SA11において、生体の心不全の発生を予告する心不全警報信号が、光学的に或いは音声によって出力される。そして、SA12においてタイマカウンタCTの内容が「0」にクリアされた後、本ルーチンが終了させられ、再びSA1以下が実行される。
【0030】
上述のように、本実施例によれば、心不全警報手段76(SA10、SA11)により、酸素飽和度変動幅算出手段70(SA9)により算出された血中酸素飽和度SpO2の変動幅WSP02が予め設定された判断基準値W1 を超えたことに基づいて生体の心不全警報信号が出力される。酸素飽和度SpO2の変動幅は、心不全の進行に伴ってその酸素飽和度SpO2が明らかに低下する前に大きくなるという性質があることから、本実施例によれば、心不全の発生を示す警報が早期に出力される。このため、心不全患者に対する医療措置を早期に開始することができる。
【0031】
また、本実施例では、生体の脈拍数PR(1/min )を逐次算出する脈拍数算出手段72(SA2)と、その脈拍数算出手段72により算出された脈拍数PRの変動幅WPRを算出する脈拍数変動幅算出手段74(SA9)とが備えられ、心不全警報手段76(SA10、SA11)は、その脈拍数変動幅算出手段74により算出された脈拍数変動幅WPRが予め設定された判断基準値W2 を超え、且つ前記酸素飽和度変動幅算出手段70により算出された血中酸素飽和度SpO2の変動幅WSP02が予め設定された判断基準値W1 を超えたことに基づいて、前記生体の心不全警報信号を出力するものである。上記脈拍数PRの変動幅WPRは、心不全の進行に伴って大きくなるという性質があることから、本発明によれば、心不全の発生を示す警報の信頼性を一層高めることができる。
【0032】
以上、本発明の一実施例を図面に基づいて説明したが、本発明はその他の態様でも適用される。
【0033】
たとえば、前述の実施例の心不全警報手段76は、脈拍数変動幅WPRが予め設定された判断基準値W2 を超え且つ血中酸素飽和度SpO2の変動幅WSP02が予め設定された判断基準値W1 を超えたことに基づいて生体の心不全警報信号を出力するものであったが、血中酸素飽和度SpO2の変動幅WSP02が予め設定された判断基準値W1 を超えたことに基づいて生体の心不全警報信号を出力するものであっても差し支えない。
【0034】
また、前記実施例では、受光素子16、発光素子18、20が体表面12に対して同じ側に設けられることにより、受光素子16が後方散乱光を検出する所謂反射型プローブ10が用いられていたが、受光素子と発光素子とがたとえば耳たぶや指の先端などを介して対向して設けられることによりその受光素子が前方散乱光を検出する所謂透過型プローブが用いられても差し支えない。
【0035】
また、前述の実施例の心不全監視装置すなわち血中酸素飽和度測定装置28は、酸素飽和度測定機能と心不全警報判定出力機能とを併せ備えたものであったが、独立に設けられた血中酸素飽和度測定装置からの測定信号に基づいて心不全警報出力を行うものであっても差し支えない。
【0036】
また、前述の実施例の血中酸素飽和度測定手段68は、図5の実線に示す予め設定された関係から実際の血中酸素飽和度SpO2を算出するものであったが、図5の破線に示す非線型の関係を用いるものであっても差し支えない。
【0037】
また、前述の実施例の血中酸素飽和度測定手段68は、光学的に或いは音声的に心不全の警報出力を行うものであったが、その心不全の警報を示す電気信号を出力するものであっても差し支えない。
【0038】
また、前述の実施例の反射型プローブ10において、発光素子18、20の個数や配置位置などは種々変更が加えられ得る。
【0039】
その他、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の心不全監視装置の構成を示すブロック線図である。
【図2】図1の実施例において利用される第1波長λR および第2波長λIRと酸素化ヘモグロビンおよび無酸素化ヘモグロビンの吸光係数との関係を示す図である。
【図3】図1の実施例に用いられる反射型プローブの体表面に対向する面を示す図である。
【図4】図1の演算制御回路の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図5】図4の血中酸素飽和度測定手段において用いられる予め設定された関係を示す図である。
【図6】心機能不全の程度をそれが軽い順に(I)、(II)、(III )、(IV)の4段階に分類した場合に、それら4段階にそれぞれ属する生体について、血中酸素飽和度SpO2および脈拍数PRの経時変化をそれぞれ示す図である。
【図7】図1の演算制御回路の制御作動の要部を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
28:血中酸素飽和度測定装置(心不全監視装置)
68:血中酸素飽和度測定手段
70:酸素飽和度変動幅算出手段
72:脈拍数算出手段
74:脈拍数変動幅算出手段
76:心不全警報手段
Claims (2)
- 生体の心不全を監視するための心不全監視装置であって、
前記生体の血中酸素飽和度を、非侵襲的に且つ連続的に測定する血中酸素飽和度測定手段と、
該血中酸素飽和度測定手段により測定された血中酸素飽和度の変動幅を算出する酸素飽和度変動幅算出手段と、
該酸素飽和度変動幅算出手段により算出された血中酸素飽和度の変動幅が予め設定された判断基準値を超えたことに基づいて、前記生体の心不全警報信号を出力する心不全警報手段と
を、含むことを特徴とする心不全監視装置。 - 前記生体の脈拍数を逐次算出する脈拍数算出手段と、
該脈拍数算出手段により算出された脈拍数の変動幅を算出する脈拍数変動幅算出手段とを備え、
前記心不全警報手段は、該脈拍数変動幅算出手段により算出された脈拍数変動幅が予め設定された判断基準値を超え、且つ前記酸素飽和度変動幅算出手段により算出された血中酸素飽和度の変動幅が予め設定された判断基準値を超えたことに基づいて、前記生体の心不全警報信号を出力するものである請求項1の心不全監視装置。
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