JP3705065B2 - 数式処理システム、数式処理方法及び数式処理用プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

数式処理システム、数式処理方法及び数式処理用プログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータを用いて数式を変形するための数式処理システム、数式処理方法及び数式処理用プログラムを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータの処理能力が飛躍的に向上している。コンピュータの処理能力の向上に伴って、操作者とコンピュータとのインターフェースとして、操作者が視覚的に内容を把握しやすいGUI(Graphical User Interface)が広まっている。GUIは、基本的に画面上で作成したものがそのまま印刷等によって得られるという利点を有する。従って、近年ではワードプロセッサや図形描画ソフトがGUIを利用して作成されている。
【0003】
このような背景のもと、数式の作成や編集もコンピュータを用いて行われている。数式を作成する際には、従来は単に数式の入力や、入力した数式の修正を行うのみであったが、近年、数式の変形(例えば、移項、展開等)を自動化するソフトウェアが作り出されている。このような技術は、例えば、United States Patent 5,189,633 (Feb. 23, 1993) “APPARATUS AND METHOD FOR INTERACTIVELY MANIPULATING MATHEMATICAL EQUATIONS”に開示されている。また、Apple社のコンピュータに組み込まれているソフトウェア“グラフ計算機”でもこの様な機能が実現されている。
【0004】
ここで、従来のコンピュータを用いた数式変形に関する技術について図11及び12を参照して説明する。
【0005】
図11において、入力手段100は、例えばキーボードであり、指示手段102は、例えば図12に示したマウス130である。入力手段100は、操作者が数式を入力する時に主として用いられ、入力された数式に応じた数式データを出力する。指示手段102は、操作者が変形箇所等を指示する時に主として用いられ、指示された修正対象の数式及び座標を出力する。また、変形処理を指示するための指示信号を出力する。図12に示すように、マウス130は、左ボタン132と右ボタン134とを有する。左ボタン132、右ボタン134はそれぞれ押圧したり、離したりすることにより、“左Down”、“左Up”、“右Down”、“右Up”といった指示信号を出力する。
【0006】
コンピュータ110は、例えば一般的なパーソナルコンピュータである。コンピュータ110は、処理手段112及び操作手段114を有する。
【0007】
処理手段112は、入力手段100から出力された数式データに基づいて表示データを生成する。また、操作手段114は、指示手段102によって指示された修正対象の数式及び座標に基づいて、数式の変形結果を生成する。
【0008】
表示手段120は、例えばCRT(cathod ray tube)等のディスプレイ装置であり、処理手段112により作成された表示データを表示する。
【0009】
以下、このような構成を有する従来の技術の動作について説明する。
【0010】
まず、操作者が入力手段100によって数式を入力すると、数式データが入力手段100から処理手段112へ出力される。処理手段112は、入力された数式データから表示データを作成し、表示手段120へ出力する。表示手段120は、処理手段112から出力された表示データを表示する。
【0011】
次に、操作者が入力した数式の特定の箇所を修正(変形)する場合の動作について説明する。この場合、まず操作者は操作手段102を操作して、表示手段120によって表示された数式中の要素を特定する。この特定した要素上にマウス130のカーソルを移動させ、左ボタン132を押圧することにより指示手段102は操作対象の数式と“左Down”指示信号を出力する。
【0012】
操作手段114は、指示手段102から操作対象の数式と“左Down”指示信号が入力されると、操作対象の数式を保持する(以下、この数式の保持を「グラブ」と称する)。
【0013】
次に、操作者が左ボタン132を押したまま、マウス130のカーソルを移動すると、指示手段102は、“左Down”指示信号を出力したまま、カーソルの移動に伴って逐次変化する座標を出力する。
【0014】
操作手段114は、指示手段102から逐次変化する座標と“左Down”指示信号とが入力されると、“左Down”指示信号が連続して入力されていることを確認し、グラブした要素を移動する(以下、この処理を「ドラッグ」と称する)。
【0015】
最後に、操作者が操作のための座標までドラッグした後、その座標上で左ボタン132を離すと、指示手段102は“左Up”指示信号を出力する。
【0016】
操作手段114は、指示手段102から“左Up”指示信号が入力されると、ドラッグした要素をその座標上に落とす(以下、この処理を「ドロップ」と称する)。
【0017】
更に、この時、操作手段114は、ドロップした操作対象の数式と操作のための座標とをもとに、数式の変形結果を生成し、これを処理手段112へ出力する。ここで、操作手段114は、数学規則に則り変形結果を生成する。
【0018】
次に、処理手段112は、操作手段114から出力された数式の変形結果に基づいて表示データを生成し、これを表示手段120へ出力する。表示手段120は表示データを表示する。
【0019】
従来はこのようにして数式の入力及び数式の修正(変形)が行われていた。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、操作者が数式を変形する場合を考えると、思い通りの変形結果を得るためのドロップ位置を操作者が完全に認識しておくことは極めて難しい。従来の技術では、どの様な結果が得られるかは、一度ドラッグ及びドロップを実行しないと操作者に分かり得なかった。
【0021】
これを改善するため、ドラッグ中に変形結果を表示する様に工夫された例もある。しかし、この例は、ドラッグ中に表示される変形結果を常に1つに限定するものであり、多くの変形の可能性を失わせるものであった。また、この例は、ドラッグ中にもともと表示されていた数式を変形結果によって順次置き換えていくものであるため、ドラッグ中に何がどのように変化するかが予測不可能であり、操作者が望む変形を行えるという保証は全くないものであった。
【0022】
つまり、従来のコンピュータを用いた数式変形に関する技術では、数式を変形するにあたって思い通りの結果を容易に得ることができないという問題があった。
【0023】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、操作者の思い通りの結果を得ること、および、数式の変形を任意の回数行いその最終結果だけを表示することを可能にし、これによって、数式の変形結果の導出の容易化を図ることのできる数式処理システム、数式処理方法および数式処理用プログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の数式処理システムは、操作者の第1の指示により特定された前記数式内の位置に関する情報と、操作者の第2の指示により特定された前記数式内の部分に関する情報とを出力する指示手段と、前記指示手段から出力される前記位置に関する情報及び前記部分に関する情報に基づいて、前記数式の変形結果の複数の候補を生成する操作手段と、操作者の指示により、前記複数の候補の中から1つを選択する選択手段とを備えている。
【0025】
本発明の第2の数式処理システムは、上記第1の数式処理システムにおいて、前記操作手段は、前記指示手段から出力される前記位置に関する情報が異なれば、前記複数の候補として、異なる候補を生成することを特徴とする。
【0026】
本発明の第3の数式処理システムは、上記第1の数式処理システムにおいて、前記複数の候補の表示を制御する選択ウィンドウ制御手段と、前記選択ウィンドウ制御手段の制御の下、前記複数の候補を表示する選択ウィンドウを生成する選択ウィンドウ生成手段と、前記選択ウィンドウを表示する表示手段とをさらに備えている。
【0027】
本発明の第4の数式処理システムは、上記第1の数式処理システムにおいて、操作者の操作に応じて、入力される数式に対応する数式データを出力する入力手段と、前記数式データに対応する表示データを作成する処理手段とをさらに備えている。
【0028】
本発明の第5の数式処理システムは、上記第4の数式処理システムにおいて、前記処理手段は、前記選択ウィンドウに基づいた表示データを作成し、前記表示手段に出力することを特徴とする。
【0029】
本発明の第6の数式処理システムは、上記第1の数式処理システムにおいて、前記操作手段は、前記複数の候補を生成する数式変形候補発生手段と、前記数式変形候補発生手段が生成した複数の候補を記憶保持する数式変形候補保持手段とを含むことを特徴とする。
【0030】
本発明の第7の数式処理システムは、上記第1の数式処理システムにおいて、前記操作手段は、操作者によって定義された数式変形のルールを記憶保持するユーザ定義ルール保持手段を含むことを特徴とする。
【0031】
本発明の第8の数式処理システムは、上記第7の数式処理システムにおいて、前記操作者によって定義された数式変形のルールを記録する記録媒体をさらに含むことを特徴とする。
【0032】
本発明の第9の数式処理システムは、上記第8の数式処理システムにおいて、前記ユーザ定義ルール保持手段は、前記数式変形のルールを前記記録媒体から読み込み、保持している数式変形のルールを前記記録媒体に書き込むことを特徴とする。
【0033】
本発明の第10の数式処理システムは、上記第5の数式処理システムにおいて、前記選択手段は、操作者によってキャンセルが指示があった場合、前記操作手段を介して前記処理手段にキャンセル信号を出力し、前記処理手段は、前記キャンセル信号が入力された場合、前記選択ウィンドウに基づいた表示データを削除することを特徴とする。
【0034】
本発明の第11の数式処理システムは、上記第4の数式処理システムにおいて、前記入力手段から出力される数式データを変換してから、前記処理手段に出力する変換手段をさらに備えている。
【0035】
本発明の第12の数式処理システムは、上記第4の数式処理システムにおいて、前記入力手段は、操作者により記号又は文字式が入力されると、当該記号に対応する記号データ又は当該文字式に対応する文字式データを出力し、前記処理手段は、前記記号データ又は文字式データを含む指示データを作成し、前記操作手段は、前記指示データに基づき、複数の候補を生成することを特徴とする。
【0036】
本発明の第13の数式処理システムは、上記第4の数式処理システムにおいて、前記処理手段は、他アプリケーションと連携するためのインターフェースを備え、前記入力手段、前記指示手段、前記選択手段の少なくとも1つとの間のデータの受け渡しを、前記他アプリケーションを通して行うことを特徴とする。
【0037】
本発明の第1の数式処理方法は、操作者の第1の指示により特定された前記数式内の位置に関する情報と、操作者の第2の指示により特定された前記数式内の部分に関する情報とを出力する第1のステップと、前記位置に関する情報及び前記部分に関する情報に基づいて、前記数式の変形結果の複数の候補を生成する第2のステップと、操作者の指示により、前記複数の候補の中から1つを選択する第3のステップとを含んでいる。
【0038】
本発明の第2の数式処理方法は、上記第1の数式処理方法の前記第2のステップにおいて、前記位置に関する情報が異なれば、前記複数の候補として、異なる候補を生成することを特徴とする。
【0039】
本発明の第1の記録媒体は、操作者の第1の指示により特定された前記数式内の位置に関する情報と、操作者の第2の指示により特定された前記数式内の部分に関する情報とを出力する第1の処理と、前記位置に関する情報及び前記部分に関する情報に基づいて、前記数式の変形結果の複数の候補を生成する第2の処理と、操作者の指示により、前記複数の候補の中から1つを選択する第3の処理と、をコンピュータに実行させるプログラムを記録している。
【0040】
本発明の第2の記録媒体は、上記第1の記録媒体に記録された前記プログラムが、前記第2の処理において、前記位置に関する情報が異なれば、前記複数の候補として、異なる候補を生成する処理を実行させることを特徴とする。
【0041】
本発明の記録媒体群は、上記第1乃至第2の記録媒体に記録された前記プログラムを複数の部分に分割して該複数の部分をそれぞれ複数の記録媒体に記録してなる。
【0042】
以下、本発明の数式処理システムについてより詳細に説明する。
【0043】
図1において、入力手段10は、操作者が数式を入力するために用いる手段である。指示手段12は、操作対象の数式の要素を特定し、操作(例えば、編集、変形)のための座標を指示する。また、指示手段12は、指示信号(例えば、“左Down”、“左Up”)も出力する。選択手段14は、操作者の操作に基づいて、表示手段30によって表示された選択情報(例えば、数式を変形する候補を示す情報)から特定の選択情報を選択して、後述の選択ウィンドウ生成手段28へ出力する。
【0044】
コンピュータ20は、処理手段22、操作手段24、選択ウィンドウ制御手段26、及び選択ウィンドウ生成手段28を有する。処理手段22は、入力手段10から出力された数式データをもとに表示データを生成するとともに、選択ウィンドウ生成手段28から出力された選択ウィンドウのデータをもとに表示データを生成する。操作手段24は、指示手段12から出力された操作対象の数式、操作のための座標及び指示信号に基づいて、数式の変形結果の複数の候補を生成、保持する。ここで、操作手段24は、数学規則、又は操作者が設定した規則に則り、候補を生成する。
【0045】
表示手段30は、処理手段22から出力される表示データを表示する。
【0046】
図1において、操作者が入力手段10を操作して数式を入力すると、処理手段22は、入力手段10から出力された数式データをもとに表示データを生成し、これを表示手段30に出力する。表示手段30は表示データを表示する。
【0047】
操作手段24は、指示手段12から出力された数式の範囲を指示する信号によりグラブを行う。数式の範囲が特定されると、操作者の操作により特定された数式の範囲を移動(ドラッグ)する処理が行われる。この処理は操作者が指示手段12を操作して行う。
【0048】
ここでまず、操作手段24は、ドラッグ開始信号を選択ウィンドウ制御手段26に出力する。そして、指示手段12が出力する数式及び操作のための座標に基づいて数式の変形結果の複数の候補を生成、保持し、これらも選択ウィンドウ制御手段26に出力する。選択ウィンドウ制御手段26は、ドラッグ開始信号を入力すると、ウィンドウの制御を行う制御信号及び操作手段24から出力される数式の変形結果の複数の候補を選択ウィンドウ生成手段28へ出力する。
【0049】
選択ウィンドウ生成手段28は、選択ウィンドウ制御手段26から出力される制御信号及び数式の変形結果の複数の候補をもとに、選択情報を含む選択ウィンドウのデータを生成する。
【0050】
操作者が指示手段12を操作してドラッグ位置(座標)を変更すると、操作手段24は、指示手段12から出力された数式及び逐次変化する座標に基づいて、数式の変形結果の複数の候補を逐次生成、保持し、これを選択ウィンドウ制御手段26に出力する。ここで、操作手段24は、数学規則、もしくは操作者が設定した規則に則り、複数の候補を生成する。選択ウィンドウ制御手段26は、操作手段24から出力される数式の変形結果の候補を受け取り、この信号とともに制御信号を選択ウィンドウ生成手段28へ出力する。選択ウィンドウ生成手段28は、数式の変形結果の複数の候補を含む選択ウィンドウのデータを生成する。処理手段22は、選択ウィンドウ生成手段28により生成された選択ウィンドウのデータをもとに表示データを生成し、表示手段30は表示データを表示する。この処理は操作者が指示手段12を操作して座標を変更する度に繰り返し行われる。
【0051】
表示された選択情報から操作者がある選択情報を選択すると、選択手段14は、その選択された選択情報を選択ウィンドウ生成手段28に出力する。この選択情報は選択ウィンドウ制御手段26を介して操作手段24へ出力される。
【0052】
操作手段24は、保持していた数式の変形結果の複数の候補の中から、入力された選択情報に従い、選択された変形結果を抜き出し、これを処理手段22に出力する。処理手段22は、操作手段24から出力された変形結果をもとに表示データを生成し、これを表示手段30に出力する。表示手段30は、その表示データを表示する。
【0053】
また、本発明の処理をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、図1中の記録媒体32に相当する。上記プログラムをコンピュータ20に読み込ませて、以上の処理を実現するようにしても良い。
【0054】
このようにして、本発明は操作者のドラッグ操作中にドラッグ位置に対応する数式の変形結果の候補を表示し、ドロップ操作により数式の変形結果を確定することを可能にする。
【0055】
更に、数式の変形結果の候補を選択する時に、操作者が選択手段14により操作のキャンセルを指示すると、選択手段14は、選択ウィンドウ生成手段28及び選択ウィンドウ制御手段26を介して操作手段24にキャンセル信号を出力する。このキャンセル信号が入力されると、操作手段24は更に処理手段22に対してキャンセル信号を出力する。処理手段22は、これに応じて、表示手段30にキャンセル信号を出力する。キャンセル信号を入力した表示手段30は、選択情報に基づく表示データの表示を停止する。
【0056】
このようにして、本発明は一度指示した数式の変形操作を変形の候補を確認した後でキャンセルすることを可能にする。
【0057】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態による数式処理システムについて説明する。
〔第1の実施の形態〕
図2において、10は入力手段であり、操作者が数式を入力するものである。入力手段10は例えばキーボード、マウス、ペン等である。12は指示手段であり、操作対象の数式の要素を特定し、操作(例えば、編集、変形)のための座標を指示する。指示手段12は、例えばキーボード、マウス、ペン等である。入力手段10は、操作者が数式の入力を行う時に主として用いられ、入力された数式に応じた数式データを出力する。指示手段12は、操作者が修正箇所等を指定する時に主として用いられ、指示された修正対象の数式及び座標及び指示信号を出力する。14は選択手段であり、操作者の操作に基づいて後述する表示手段30に表示された選択情報(例えば、数式を変形する候補を示す情報)の中から操作者が選択した選択情報を出力する。選択手段14は、例えばキーボード、マウス、ペン等によって実現される。尚、入力手段10、指示手段12、選択手段14がマウスである場合には“左Down”、“左Up”といった指示信号も出力する。
【0058】
コンピュータ(中央処理装置;プロセッサ;データ処理装置)20は、処理手段22、操作手段24、選択ウィンドウ制御手段26、及び選択ウィンドウ生成手段28を有する。処理手段22は、入力手段10から出力された数式データをもとに表示データを生成するとともに、選択ウィンドウ生成手段28から出力された選択ウィンドウのデータをもとに表示データを生成するものである。操作手段24は、指示手段12から出力された操作対象の数式及び操作のための座標に基づいて、数式の変形結果の複数の候補を生成、保持する。ここで、操作手段24は数学規則、又は操作者が設定した規則に則り、単数または複数の候補を生成する。また、操作手段24は、指示手段12から出力された指示信号の変化を検出し、グラブ、ドラッグおよびドロップの制御を行う。
【0059】
ここで、コンピュータ20は、一般的なコンピュータ、例えばパーソナルコンピュータやワークステーションによって実現され、処理手段22、操作手段24、選択ウィンドウ制御手段26、及び選択ウィンドウ生成手段28はソフトウェアによって実現される形態であっても良い。また、処理手段22、操作手段24、選択ウィンドウ制御手段26、及び選択ウィンドウ生成手段28はハードウェアで実現されていても良い。
【0060】
なお、本明細書中で用いられている語句「数学規則に則り」とは、数式を移項する処理(例えば数式「ax=b」を数式「ax−b=0」に変形する処理)、数式の両辺を指示された項で除算する処理(例えば数式「ax=b」を数式「ax/b=1」に変形する処理)、数式の左辺と右辺とを入れ替える処理(例えば数式「ax=b」を数式「b=ax」に変形する処理)等をいう。
【0061】
また、操作手段24は、数式変形候補発生手段40及び数式変形候補保持手段42を含む。
【0062】
数式変形候補発生手段40は、指示手段12から出力される操作対象の数式及び操作のための座標に基づいて数式の変形結果の候補を発生する。数式変形候補保持手段42は、数式変形候補発生手段40が発生した変形結果の候補を記憶保持するものである。
【0063】
表示手段30は、例えばCRT(cathod ray tube)やLCD(liquid crystal display)等のディスプレイ装置であり、処理手段22から出力される各種の表示データを表示する。
【0064】
なお、図2の各構成要素には、図1に示した構成要素のうちの対応する部分と同一の符号が付してある。
【0065】
これらの手段はそれぞれ概略つぎのように動作する。
【0066】
コンピュータ(中央処理装置;プロセッサ;データ処理装置)20は、数式変形を含む数式に対する処理を行う。入力手段10は、操作者の操作に基づいて数式データを出力する。
【0067】
処理手段22は、操作手段24から出力されたデータをもとに表示データを生成し、表示手段30に出力する。表示手段30は、処理手段22から出力された表示データを表示する。指示手段12は、数式処理のための操作者の指示を処理し、操作対象の数式、操作のための座標及び指示信号を操作手段24に出力する。操作手段24は、グラブ、ドラッグ及びドロップ操作を制御し、数式変形候補発生手段40及び数式変形候補保持手段42を用いて、ドラッグ中に入力された操作対象の数式及び操作のための座標に基づき数式変形の候補を発生、保持する。選択ウィンドウ制御手段26は、操作手段24が制御する操作に基づいて、選択ウィンドウ生成手段28を制御する。選択ウィンドウ生成手段28は、選択ウィンドウ制御手段26の制御に基づき、ドラッグ中に逐次変化する数式変形の候補を表示するための手段である。さらに操作手段24は、ドロップ操作に対応して選択手段14から出力される選択情報に基づき数式の変形結果を発生し、処理手段22に出力する。選択手段14は、数式変形の複数の候補の中から1つを選択する手段を操作者に提供する。
【0068】
32は、本発明の処理をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば半導体メモリ、フロッピーディスク、光磁気ディスク、コンパクトディスク、又はディジタルビデオディスク等である。よって、記録媒体32に記録されているプログラムをコンピュータ20に読み込ませ、以下の動作を実現するようにしても良い。
【0069】
次に、本発明の第1の実施の形態の詳細な動作について図2〜図4を参照して説明する。
【0070】
まず、本実施の形態の装置は電源が投入されると動作を開始する。操作者が入力手段を操作して数式を入力すると、入力手段10からは数式データが出力される(ステップS10)。
【0071】
本実施の形態においては、理解を容易にするため、操作者が数式「y+c=ax+b」を入力した場合を例に挙げて説明する。
【0072】
入力手段10から出力された数式データは、処理手段22へ入力される。処理手段22は、入力手段10から出力された数式データをもとに表示データを生成し(ステップS12)、作成した表示データを表示手段30に出力する。表示手段30は、処理手段22から出力された表示データに基づいて表示処理を行う(ステップS14)。ステップS10では操作者によって数式「y+c=ax+b」が入力されており、従って、ステップS14の処理が行われた結果、数式「y+c=ax+b」が表示されることになる(図4(a)参照)。
【0073】
次に、数式の操作(編集、変更)を行う場合の動作について説明する。
【0074】
操作者は指示手段12を操作して操作対象の数式の要素を特定し、操作のための座標を指示する(ステップS16)。
【0075】
例えば、操作者は指示手段12を操作して表示手段30に表示されているマウスカーソルm1(図4(b)参照)を移動させて範囲を指定する。つまり、まず記号「=」と記号「a」との間にマウスカーソルm1を移動させ、マウスのクリックボタンを押圧しながらマウスカーソルを移動させ(ドラッグする)、記号「b」の右側にマウスカーソルm1が位置したところでクリックボタンを開放する。
【0076】
範囲が指定されると、図4(b)に示したように範囲が指定された箇所が反転表示等される。図4(b)では右辺全てを選択した場合を例に挙げて説明している。
【0077】
次に、選択した範囲を左辺の記号「c」の右までドラッグする。この場合、ドラッグ中の位置にカーソルc1が表示される(図4(c)参照)。(ステップS18、ステップS20)
以上の操作は、図4(a),(b)に示した右辺の各項を左辺に移項させるための操作である。
【0078】
以上の操作が終了すると、操作対象の数式として「ax+b」が、操作のための座標として記号「c」の右側の座標(図4(c)中のカーソルc1が位置している座標)が、それぞれ、指示手段12から操作手段24へ出力される。
【0079】
ドラッグ中に操作対象の数式及び操作のための座標が入力されると、操作手段24はこれらを数式変形候補発生手段40へ渡す。数式変形候補発生手段40はこれらに基づいて数式の変形結果の候補を生成する。ここで、数式変形候補発生手段40は、数学規則に則り、数式の変形結果として、単数もしくは複数の候補を生成する(ステップS22)。
【0080】
生成された変形結果の候補は、数式変形候補保持手段42へ渡され記憶保持されるとともに、選択ウィンドウ制御手段26へ出力される。さらに操作手段24は、ドラッグ開始を示す信号を選択ウィンドウ制御手段26へ出力する。
【0081】
数式の変形結果の候補とドラッグ開始を示す信号が選択ウィンドウ制御手段26へ出力されると、選択ウィンドウ制御手段26は、選択ウィンドウ生成手段28に選択ウィンドウ生成の信号を送信する。さらに、選択ウィンドウ制御手段26は、数式の変形結果の候補を選択ウィンドウ生成手段28に設定し、選択ウィンドウ表示の信号を選択ウィンドウ生成手段28に送信する。選択ウィンドウ生成手段28は、選択ウィンドウ生成の信号が入力されると、選択ウィンドウを生成する。さらに、選択ウィンドウ表示の信号が入力されると、設定された数式の変形結果の候補を含む選択ウィンドウのデータを処理手段22に出力する。処理手段22は、選択ウィンドウ生成手段26から選択情報を含む選択ウィンドウのデータを受け取り、これをもとに表示データを作成して表示手段30へ出力する。表示手段30は選択情報を含む表示データに基づいて表示処理を行う(ステップS24)。
【0082】
選択情報は、図4(c)に示されたように、子ウィンドウw1内に表示される。図4(c)に示した例では、選択情報として3つの候補が表示されている。つまり、右辺を左辺に移項したもの、両辺を数式「ax+b」で除算したもの、及び左辺と右辺とを入れ替えたものである。
【0083】
次に、操作者がさらにドラッグを行って別の座標における変形結果の候補を表示する際の処理について説明する。
【0084】
まず、指示手段12は、ドラッグ中のマウスカーソルの移動に伴い逐次変化する操作のための座標を操作手段24に逐次出力する。操作手段24は、入力された操作のための座標が記号「c」の右の位置から左辺の記号「+」の右の位置へ変化したことを検出すると、選択ウィンドウ制御手段26にドラッグ中の位置変化を示す信号を送出すると共に、数式変形候補発生手段40に新たな操作のための座標を出力する。選択ウィンドウ制御手段26は、ドラッグ中の位置変化を示す信号が入力されると、選択ウィンドウ生成手段28に選択ウィンドウ非表示の信号を送信する。選択ウィンドウ生成手段28は、選択ウィンドウ非表示の信号が入力されると、処理手段22へのデータの送信を中止し、選択ウィンドウの表示データは非表示となる。(ステップS26、ステップS20)
数式変形候補発生手段40は、操作手段24から入力した新たな操作のための座標に基づいて新たな候補を生成する。生成された新たな候補を入力した数式変形候補保持手段42は、古い候補を削除して、新たな候補を記憶保持するとともに、選択ウィンドウ制御手段26へ新たな候補を出力する(ステップS22)。
【0085】
最後に選択ウィンドウ制御手段26は、新たな候補を入力すると選択ウィンドウ生成手段28にこれを設定し、選択ウィンドウ表示の信号を出力する。
【0086】
図4(d)では、新たな選択情報として、左辺の記号「+」と「c」の間へ右辺を移項する操作による一つの候補が表示されている(ステップS24)。
【0087】
上記手順が繰り返し行われることにより、操作者は任意の位置へドラッグを行うことにより、思い通りの変形結果の候補を得ることができるようになる。
【0088】
ここで、操作者が右辺の全項を左辺の記号「y」の左へ移項することを望んでいたとする。すると、図4(e)は、この操作者が望む候補が表示されているドラッグ中の状況を示していることになる。
【0089】
次に、表示された変形結果の候補の中から操作者が所望の変形結果を選択することにより変形後の数式を生成する際の処理について説明する。
【0090】
まず、操作者がクリックボタンを解放すると、指示手段12は“左Up”の指示信号を操作手段24に出力する。ドラッグ操作中に“左Up”の指示信号が入力された操作手段24は、これをドロップ操作と認識して、ドロップ操作が行われたことを示す信号を選択ウィンドウ制御手段26に出力する。選択ウィンドウ制御手段26は、選択ウィンドウ生成手段28に、選択情報を選択できる状態とするための信号を送信する。選択ウィンドウ生成手段28が選択情報を選択できる状態となることにより、操作者は選択を行うことができるようになる(ステップS28)。
【0091】
まず、操作者は、選択手段14を操作して選択ウィンドウ内の所望の数式の箇所へマウスカーソルm1を移動させる。
【0092】
尚、選択を行う場合にはマウスカーソルc1を移動させる代わりに、キーボードに設けられている矢印キーを操作して選択を行っても良い。
【0093】
マウスカーソルm1を用いて選択を行う場合には、所望の数式の箇所へマウスカーソルm1を移動させた後、マウスボタンをクリックする。マウスボタンがクリックされると、図4(e)に図示したように、選択された数式が反転される(ステップS30)。
【0094】
また、キーボードを操作して選択する場合には、矢印キーを操作して所望の数式の箇所へカーソルを移動させた後リターンキーを押圧する(ステップS32)。ここで、選択状態になっている時に選択ウィンドウ外をマウスでクリックすることや、キーボードに設けられているESCキーを押すことなどにより、この選択状態を解除する機能を持たせることも可能である。
【0095】
図4(e)では、数式「−(ax+b)+y+c=0」が選択されたとする。
【0096】
選択ウィンドウ生成手段28は、選択データから操作者が選択した選択情報を選択ウィンドウ制御手段26を経由して操作手段24に出力する。
【0097】
操作手段24は、入力された選択情報に従い、数式変形候補保持手段42が保持していた数式の変形結果の複数の候補から選択された数式変形結果を抜き出し、これを処理手段22に出力する。処理手段22は、操作手段24から出力された数式の変形結果をもとに表示データを生成する。表示手段30は、処理手段22から出力された表示データに基づいて表示処理を行う(ステップS34)。
【0098】
ステップS34の処理では、図4(e)で表示されていた子ウィンドウw1を消去する処理を行うとともに、ステップS14の処理で表示した数式「y=ax+b」の下の行に選択した数式「−(ax+b)+y+c=0」を表示する処理を行う。
【0099】
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態によれば、マウスのドラッグ中に、逐次変化するマウスカーソルの位置に対応した変形結果の複数の候補を表示し、所望する候補が表示された位置にて、これを選択、決定することが可能となる。
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0100】
図5において、図2に示した第1の実施の形態の各部と共通する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0101】
図5に示した第2の実施の形態が、図2に示した第1の実施の形態と異なる点は、未確定ウィンドウ生成手段29を備えている点である。
【0102】
本発明の第2の実施の形態は、数式の変形結果をすぐには確定せずに一旦未確定ウィンドウ内に表示し、そのウィンドウ上で何回かの変形を繰り返し、その後に、表示し続けたい変形結果に確定することを実現するものである。
【0103】
以下詳細に説明する。
【0104】
上記未確定ウィンドウ生成手段29は、操作者が選択、決定した数式の変形結果を操作手段24から入力して保持するものである。未確定ウィンドウ生成手段29は、この保持した変形結果を含む未確定ウィンドウのデータを処理手段20に出力する。処理手段20はこの未確定ウィンドウのデータをもとに表示データを生成し、表示手段30に送信する。表示手段30はこの表示データを表示する。
【0105】
ここで、未確定ウィンドウ内に表示されている数式は、通常の数式と同様、変形することが可能である。ただし、未確定ウィンドウ内の数式を変形して変形結果の候補を選択・決定した場合には、表示されている数式を消去し、新たに選択・決定した数式を表示する。
【0106】
次に、未確定ウィンドウが表示されている時に、未確定ウィンドウ以外の位置でマウスのボタンをクリックし、あるいは、リターン・キーを押下する等により、変形結果を確定することが可能である。
【0107】
これは以下の通り実現される。まず、指示手段12たるマウスがクリックされると、クリックされた位置と指示信号が出力される。操作手段24は、これらを入力し、未確定ウィンドウの確定を認識する。そして、未確定ウィンドウ生成手段29に確定信号を送信する。
【0108】
確定信号を入力した未確定ウィンドウ生成手段29はまず、処理手段22に未確定ウィンドウの表示を消去するための信号を送信する。処理手段22は、その信号を入力すると、未確定ウィンドウ表示データを消去し、未確定ウィンドウの表示を消去するための信号を表示手段30に出力する。表示手段30は、未確定ウィンドウの表示を停止する。次に未確定ウィンドウ生成手段29は、未確定ウィンドウ内に表示していた数式のデータを処理手段22に出力する。処理手段20はこの数式のデータを表示データに変換して、表示手段30に出力し、表示手段30がこれを表示する。
【0109】
これらの手順に従い、数式の変形結果はすぐに貼り付けられるのではなく、未確定ウィンドウ上で何回かの変形を繰り返した後、表示し続けたい数式のみが貼り付けられることになる。
【0110】
尚、図5に示された記憶媒体32は、本発明の第2の実施の形態の処理をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、上記第1の実施の形態における記録媒体に、さらに、上記未確定ウィンドウ生成手段29の機能をプログラム化したものを記録している。よって、本実施の形態は、この内容をコンピュータ20に読み込ませて実行させることによって実現するようにしても良い。
〔第3の実施の形態〕
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
【0111】
図6において、図2に示した第1の実施の形態の各部と共通する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0112】
図6に示した第3の実施の形態が、図2に示した第1の実施の形態と異なる点は、操作手段24がユーザ定義ルール保持手段44を備えている点である。
【0113】
上記ユーザ定義ルール保持手段44は、操作者が直接入力した数式変形のルールを保持することを可能とするものであり、更に、記録媒体32からルールを読み込み、保持することや、逆に保持しているルールを記録媒体32に書き込むことをも可能とするものである。
【0114】
また、上記記録媒体32は、本発明の第3の実施の形態の処理をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば磁気ディスク、半導体メモリその他の記憶媒体であってよい。この記憶媒体32は、後述のように、ユーザ定義ルールが記録されていても良い。
【0115】
数式処理プログラムは記録媒体32からコンピュータ(中央処理装置;プロセッサ;データ処理装置)20に読み込まれ、コンピュータ20の動作を制御する。コンピュータ20は、数式処理プログラムの制御により以下の処理、すなわち、第1の実施の形態におけるコンピュータ20による処理と同一の処理を実行する。
【0116】
第1の実施の形態では、操作手段24(数式変形候補発生手段40)は、一般的な数学規則に則り、数式の変形結果の複数の候補を発生したが、第3の実施の形態では、操作手段24は、一般的な数学規則、および、ユーザ定義ルール保持手段44が保持するルールの両方に則り、数式の変形結果の複数の候補を発生する。
【0117】
従って、この第3の実施の形態によれば、操作者が望むルールに則って、数式の変形結果の複数の候補を得ることができるため、数式の操作(変数、変形)がより容易になる。
【0118】
なお、上記では、操作手段24が一般的な数学規則、および、ユーザ定義ルール保持手段44が保持するルールの両方に則り、数式の変形結果の複数の候補を発生するようにしたが、ユーザ定義ルール保持手段44が保持するルールのみに則り、候補を発生するようにしてもよい。
〔第4の実施の形態〕
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。
【0119】
図7において、図2に示した第1の実施の形態の各部と共通する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0120】
図7に示した第4の実施の形態が、図2に示した第1の実施の形態と異なる点は、変換手段400を備え、更に入力手段10が変換手段400に接続され、変換手段400が処理手段22に接続されている点である。
【0121】
上記変換手段400は、入力データを変換して変換済みデータを作成し、この変換済みデータを処理手段22に送信する。ここでの入力データはTEX形式、MATHML形式といったスタンダードな形式やその他独自の形式、あるいは混合形式や複数のデータ群で表される形式でも良く、変換手段400は、このような形式を、内部で処理するための形式に変換するものである。このような変換を行うことにより、本発明の第4の実施の形態においては、データの形式に依存しない入力が可能となる。
【0122】
なお、本実施の形態において、上記変換手段400は、入力データの変換のみでなく、表示データの変換、記憶データの変換、あるいは処理内部での変換を行うようにしてもよい。
〔第5の実施の形態〕
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。
【0123】
図8において、図2に示した第1の実施の形態の各部と共通する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0124】
図8に示した第5の実施の形態が、図2に示した第1の実施の形態と異なる点は、処理手段B500が操作手段B510に接続されている点である。
【0125】
上記処理手段B500は、入力手段10が出力した数式データに基づいて、数式データを含む指示データを作成し、これを操作手段B510に出力する。操作手段B510は、数式データを含む指示データに基づき、数式変形候補発生手段B512、数式変形候補保持手段B514を用いて、数学規則、もしくは操作者が設定した規則に則り、数式の変形結果の複数の候補を生成する。
【0126】
このようにして、本発明の第5の実施の形態では、座標を指示することによる変形だけでなく、数式を入力することによる変形も可能とする。
【0127】
次に、本発明の第5の実施の形態の具体的な動作について、図8、図9を参照して説明する。
【0128】
まず、本実施の形態の装置は電源が投入されると動作を開始する。操作者が入力手段を操作して数式を入力すると、入力手段10からは数式データが出力される。
【0129】
本実施の形態においては、理解を容易にするため、操作者が数式「y+c=ax+b」を入力した場合を例に挙げて説明する。
【0130】
入力手段10から出力された数式データは処理手段B500へ入力される。処理手段B500は、入力手段10から出力された数式データをもとに表示データを生成し、作成した表示データを表示手段30に出力する。表示手段30は、処理手段B500から出力された表示データに基づいて表示処理を行う。(図9(a)参照)。
【0131】
次に、数式の入力による操作(編集、変更)を行う場合の動作について説明する。
【0132】
操作者は指示手段12を操作して操作対象の数式の要素間位置を特定し、操作のための座標を指示する。
【0133】
例えば、操作者は、表示手段30により表示されている数式上でマウスのクリックボタンをクリックすることにより、「c」と「=」の間の位置を指定する。(図9(a)参照)
操作者が入力手段20を操作して“/”を入力すると、処理手段B500は、“/”が入力されたという情報を含む指示データを作成し、操作手段B510に出力する。操作手段B510において、数式変形候補発生手段B512は、「y+c=ax+b」の両辺を割って得られる数式、および、「c」のみを割って得られる数式を、変形結果の2つの候補として生成する。ここで、数式変形候補発生手段B512は、数学規則に則り、数式の変形結果として、単数もしくは複数の候補を生成する。
【0134】
生成された変形結果の候補は、数式変形候補保持手段B514へ渡され記憶保持されるとともに、選択ウィンドウ制御手段26へ出力される。さらに操作手段B500は、ドラッグ開始を示す信号を選択ウィンドウ制御手段26へ出力する。(図9(b)参照)
さらに操作者が“d”を入力すると、操作手段B510は、数式変形候補保持手段B514が保持する変形結果の複数の候補と、入力された“d”とから、次の変形結果の候補、すなわち「y+c=ax+b」の両辺を“d”で割って得られる数式と、「c」のみを“d”で割って得られる数式とを生成する。
【0135】
また、生成された変形結果の候補は、数式変形候補保持手段B514へ渡され記憶保持されるとともに、選択ウィンドウ制御手段26へ出力される。(図9(c)参照)
このようにして、さらに操作者が“-2k”を入力すると、「y+c=ax+b」の両辺を"d-2k“で割って得られる候補と、「c」のみを”d-2k“で割って得られる候補とが生成され、選択ウィンドウ制御手段26へ出力される。(図9(d)参照)
最後に、本発明の第1の実施の形態の動作(図4(e)、(f)参照)と同様にして、操作者が複数の候補から任意の1つを選択することにより、思い通りの変形結果を、初期に表示していた「y+c=ax+b」の下の行に表示する。(図9(e)、(f)参照)
以上説明したように、本発明の第5の実施の形態によれば、操作者が1回もしくは連続した複数回入力した情報をもとに、数式の変形結果の複数の候補を表示し、所望する候補を選択、決定することが可能になる。
【0136】
なお、上記では、一般的な数学規則に則り複数の候補を発生したが、あらかじめ定義されたルールに則り候補を発生させるようにしてもよい。例えば、“s”と“i”を入力した時に「sin()」と「Sigma」を付して変形結果の候補を発生させ、さらに“g”を入力した時点で「Sigma」を付した候補のみを表示し、この候補を選択することにより「σ」という記号を付した変形結果を表示するようにしてもよい。
〔第6の実施の形態〕
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。
【0137】
図10において、図2に示した第1の実施の形態の各部と共通する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0138】
図10に示した第6の実施の形態が、図2に示した第1の実施の形態と異なる点は、処理手段C600が他アプリケーション610とのインターフェイスを具備し、入力手段10が上記他アプリケーション610に接続され、指示手段12、選択手段14がそれぞれパソコン20に接続されている点である。
【0139】
他アプリケーション610は、入力手段10が出力した数式データから、この情報を含む数式データBを生成し、これを上記処理手段C600に出力する。上記処理手段C600は、入力された数式データBから第1の実施の形態と同様にして数式変形の処理を行う。さらに、他アプリケーション610と処理手段C600は、連携して動作するための情報を入出力することが可能である。
【0140】
また、指示手段12、選択手段14、および、記録媒体32と、この実施の形態の処理を行うプログラムもしくは他アプリケーション610との間で、直接データの入出力を行うよう、OSを切り替えることも可能である。
【0141】
このような構成により、本発明の第6の実施の形態では、任意の他のアプリケーションと連携して数式処理を行うことができる。他アプリケーションとしては、例えば、インターネット・ブラウザやワードプロセッサ等が考えられる。また、システムとしては、OLEアプリケーションやOCXコンポーネント、JAVAコンポーネント等が連携して動作するシステムが考えられる。
【0142】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は、上記実施の形態に制限されることはなく、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。
【0143】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明には、操作者の操作に応じて位置及び数式を出力する指示手段と、前記指示手段から出力される位置及び数式に基き、数式の変形結果の複数の候補を生成する操作手段と、操作者の操作に応じて、前記複数の候補から1つを選択する選択手段とが備えられるので、数式を変形するにあたって思い通りの結果を容易に得ることができ、その結果、数式の作成がより簡単になるという効果がある。
【0144】
また、操作者がキャンセルを指示すると、操作手段からキャンセル信号が出力されて表示データは削除されるが、前記数式の変形結果の複数の候補は記憶保持されているので、誤操作により意図しない指示をした場合でも、その指示をキャンセルすることが可能となり、その結果、数式の作成がより簡単になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の数式処理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明の第1の実施の形態による数式処理システムの構成を示すブロック図である。
【図3】 本発明の第1の実施の形態による数式処理システムの動作を示すフローチャートである。
【図4】 本発明の第1の実施の形態による数式処理システムの表示手段30の表示内容の一部を示す図である。
【図5】 本発明の第2の実施の形態による数式処理システムの構成を示す図である。
【図6】 本発明の第3の実施の形態による数式処理システムの構成を示す図である。
【図7】 本発明の第4の実施の形態による数式処理システムの構成を示す図である。
【図8】 本発明の第5の実施の形態による数式処理システムの構成を示す図である。
【図9】 本発明の第5の実施の形態による数式処理システムの表示手段30の表示内容の一部を示す図である。
【図10】本発明の第6の実施の形態による数式処理システムの構成を示す図である。
【図11】従来の数式処理システムの構成を示すブロック図である。
【図12】マウスの上面図である。
【符号の説明】
10 入力手段
12 指示手段
14 選択手段
22 処理手段
24 操作手段
26 選択ウィンドウ制御手段
28 選択ウィンドウ生成手段
29 未確定ウィンドウ生成手段
30 表示手段
32 記録媒体
40 数式変形候補発生手段
42 数式変形候補保持手段
44 ユーザ定義ルール保持手段
500 処理手段B
510 操作手段B
512 数式変形候補発生手段B
514 数式変形候補保持手段B
600 処理手段C
610 他アプリケーション

Claims (3)

  1. 入力された数式について、前記数式内の指定された要素を、前記数式内の指定された位置において数学上の規則に則り移項し、編集し、変更する数式処理システムにおいて、
    操作者が数式を入力する入力手段と、
    操作者が前記数式内の要素を指定する第2の指示と、前記要素をドラッグする第1の指示と、を入力する指示手段と、
    前記数式内をドラッグ中の前記第1の指示に対応して前記指示手段から出力されるドラッグ先の位置座標と、前記要素に関する情報と、記憶手段によりあらかじめ記憶された数式変形のための数学上の規則と、から前記ドラッグ先の位置座標における前記数式の変形結果の複数の候補を逐次生成する操作手段と、
    操作手段から出力された前記複数の候補を表示する表示手段と、
    前記表示手段が表示した前記複数の候補の中から操作者が1つを選択する選択手段と、
    を備えたことを特徴とする数式処理システム。
  2. 前記操作手段は、前記指示手段から出力される前記ドラッグ先の位置座標の変更を検出すると、前記表示手段により表示されている数式の変形候補を非表示にする指示と、変更後の新規のドラッグ先の位置座標に対応した前記数式の新規の複数の変形候補と、を生成して前記表示手段に出力することを特徴とする請求項1に記載の数式処理システム。
  3. 前記記憶手段は、ユーザによって定義された数式変形の規則を記
    憶保持することを特徴とする請求項1に記載の数式処理システム。
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