JP3703993B2 - ロードローラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、路面等に敷きつめられた砂利、アスファルト等の舗装材を踏固める舗装作業に好適に用いられるロードローラに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、路面等の舗装作業を行うときには、ドラムローラ、タイヤローラ、マカダムローラ等と呼ばれるロードローラが用いられ、整地した路面上に砂利、アスファルト等の舗装材を敷きつめた後、ロードローラを走行させることにより、舗装材を踏固める方法が採用されている。
【0003】
そこで、この種の従来技術によるロードローラを、図7および図8を参照しつつ説明する。
【0004】
図において、1はロードローラの車体で、該車体1は、後述する左,右の前側転圧ローラ6が回転可能に設けられた前部車体2と、後述の後側転圧ローラ7が回転可能に設けられ、連結装置3を介して前部車体2に連結された後部車体4とからなっている。そして、前部車体2と後部車体4との間には、連結装置3を中心として前部車体2に対して後部車体4を左,右方向に揺動させるステアリングシリンダ5が配設されている。
【0005】
6,6は前部車体2に回転可能に設けられた左,右の前側転圧ローラで、該各前側転圧ローラ6は、例えば金属製のドラムからなり、内部に水等を封入することにより重量が調整できる構成となっている。そして、左,右の前側転圧ローラ6は、前部車体2に設けられた油圧モータ(図示せず)によって回転駆動されるものである。
【0006】
7は後部車体4に回転可能に設けられた1個の後側転圧ローラで、該後側転圧ローラ7は、前側転圧ローラ6よりも大きな軸方向寸法を有する金属製のドラムからなり、前側転圧ローラ6と同様に、内部に水等を封入することにより重量が調整できる構成となっている。そして、後側転圧ローラ7は後部車体4に設けられた油圧モータ(図示せず)によって回転駆動されるものである。
【0007】
そして、ロードローラは、左,右の前側転圧ローラ6と後側転圧ローラ7とを等しい回転数で回転させることにより路面上を走行し、このときに、各前側転圧ローラ6、後側転圧ローラ7によって路面上に敷きつめられた舗装材を転圧する構成となっている。
【0008】
8は前部車体2を構成するフレームで、該フレーム8は、左,右の側面板8A,8Aと、該各側面板8Aの後端側を連結する後面板8Bと、左,右の側面板8A間を連結する横梁(図示せず)とによって大略構成されている。そして、フレーム8の前部上側は平板状の上面カバー9によって閉塞され、フレーム8の前端側にはラジエタグリル10が設けられている。
【0009】
11は上面カバー9の後側に位置してフレーム8の後部上側に設けられた床板で、該床板11は全体として略長方形状の鋼板からなり、前部車体2の一部を構成している。ここで、床板11は、図8に示すように、フレーム8の各側面板8A間に位置する中央床部11Aと、各側面板8Aからひさし状に張出した左,右の張出し床部11B,11Bとからなっている。
【0010】
12は床板11の後部側に設けられた運転席支持台で、該運転席支持台12は、例えば床板11の各張出し床部11B間に亘って左,右方向に延在する箱状に形成されている。そして、運転席支持台12は床板11と共に前部車体2の一部を構成し、後述の各運転席14を支持するものである。
【0011】
13は左,右の前側転圧ローラ6よりも前側に位置してフレーム8の各側面板8A間を連結した前ガードで、該前ガード13は、左,右方向に延びる細長い箱状に形成されている。そして、前ガード13は、路面の舗装作業時に前部車体2の前面部が塀等の障害物に衝突して破損するのを防止するものである。
【0012】
14,14は左,右方向に離間して運転席支持台12上に配設された左,右の運転席で、該各運転席14の前側には操縦台15が左,右方向に延在して設けられ、該操縦台15には、各運転席14と対応する位置に操舵用のステアリング装置16,16等が設けられている。そして、各ステアリング装置16のうち一方を操舵することにより、上述のステアリングシリンダ5が伸縮し、連結装置3を中心として前部車体2に対して後部車体4が左,右方向に揺動することにより、ロードローラの走行方向が制御される構成となっている。また、各運転席14の上側はキャノピ17によって覆われている。
【0013】
ここで、ロードローラを用いて路面上に敷きつめられた舗装材を踏固めるときに、例えば路面の左,右両側に設けられた縁石等に前側転圧ローラ6等が乗上げた場合には、当該縁石等が前側転圧ローラ6によって破損してしまう虞れがある。
【0014】
このため、例えば路面の右側を舗装する場合には、オペレータは右側の前側転圧ローラ6と縁石との干渉を監視するため、右側のステアリング装置16によってロードローラの走行を制御し、路面の左側を舗装する場合には、オペレータは左側の前側転圧ローラ6と縁石との干渉を監視するため、左側のステアリング装置16によってロードローラの走行を制御できるように構成されている。
【0015】
18,18はフレーム8の左,右の側面板8Aにそれぞれ設けられた左,右の乗降用ステップで、該各乗降用ステップ18は、オペレータが運転席14に乗降するときの足場を形成するものである。
【0016】
19,19,…は床板11の角隅部に配設された4個の手摺りで、該各手摺り19は、乗降用ステップ18を足場として運転席14に乗降するオペレータが把持することにより、運転席14に乗降するときの安全性を確保するものである。
【0017】
20,20は前ガード13内に位置して前部車体2の前端側に設けられた左,右の前照灯、21,21は後部車体4の後端側に設けられた左,右の後方作業灯で、これら各前照灯20,後方作業灯21は、夜間における路面の舗装作業時にロードローラが前進または後退するときに、該ロードローラの進行方向を照らすものである。
【0018】
従来技術によるロードローラは上述の如き構成を有するもので、このロードローラを用いて路面の舗装作業を行う場合には、乗降用ステップ18を足場として運転席14に乗込んだオペレータが、ステアリング装置16等を操作しつつロードローラを走行させ、路面に敷きつめられた舗装材の表面を前側転圧ローラ6、後側転圧ローラ7によって踏固めることにより、路面の舗装作業を行う。
【0019】
そして、夜間における路面の舗装作業時には、前照灯20および後方作業灯21によって路面を照らすことにより、ロードローラの進行方向の安全を確認しつつロードローラを走行させるようになっている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来技術によるロードローラでは、前照灯20と後方作業灯21との間の範囲Aは、前照灯20、後方作業灯21のいずれからも照らすことができないため、夜間に路面の舗装作業を行うときに、以下の如き不具合があった。
【0021】
まず、オペレータが乗降用ステップ18を足場として運転席14に乗降するときには、乗降用ステップ18は前照灯20、後方作業灯21のいずれからも照らすことができないため、オペレータが乗降用ステップ18を踏外す虞れがある。
【0022】
また、ロードローラを前進、後進させて路面の舗装作業を行うときに、前側転圧ローラ6と後側転圧ローラ7との間に位置する路面を照らすことができないため、オペレータが路面の舗装状況を確実に目視することが困難となり、舗装作業の作業性が低下してしまうという問題がある。
【0023】
さらに、路面に設けられた縁石等に沿って舗装作業を行うときに、前側転圧ローラ6の端縁部と縁石とを確実に目視できない場合には、オペレータがロードローラの操縦を誤って前側転圧ローラ6が縁石に乗上げてしまうことにより、縁石、前側転圧ローラ6等の破損を招くという問題がある。
【0024】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、夜間に路面の舗装作業を行うときの作業性を向上させることができるロードローラを提供することを目的としている。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため、本発明は、前側転圧ローラが回転可能に設けられた前部車体と、該前部車体に連結され後側転圧ローラが回転可能に設けられた後部車体と、前記前部車体の床板上に位置して設けられた運転席と、該運転席に乗降するため前記前部車体の側面に設けられた乗降用ステップとからなるロードローラに適用される。
【0026】
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記前部車体には、前記前側転圧ローラと後側転圧ローラとの間に位置して前記前部車体または後部車体の側面を照らす側面作業灯を設け、該側面作業灯は、前記前側転圧ローラに向けて照らす前向き位置と、前記後側転圧ローラに向けて照らす後向き位置とに位置調整可能な構成としたことにある。
【0027】
このように構成したことにより、乗降用ステップを側面作業灯からの光によって照らすことができるので、オペレータは、乗降用ステップを踏外すことなく、安全に運転席に乗降することができる。また、側面作業灯によって前,後の転圧ローラの周囲を照らすことにより、オペレータは前,後の転圧ローラによって転圧された地面の舗装状況を確実に目視することができ、夜間における舗装作業の作業性を向上することができる。
【0028】
特に、前記側面作業灯は、前側の転圧ローラに向けて照らす前向き位置と、後側の転圧ローラに向けて照らす後向き位置との間で位置調整可能な構成としているので、夜間の舗装作業時には、側面作業灯を前向き位置と後向き位置との間で適宜に位置調整するだけで、前側の転圧ローラによる地面の舗装状況、後側の転圧ローラによる地面の舗装状況を確実に目視しつつロードローラを前進、後進させることができ、舗装作業の作業性を向上させることができる。
【0031】
請求項2の発明は、前記車体の床板には、前記側面作業灯と対応する位置に側面作業灯からの光を通過させる切欠き部を設ける構成としている。
【0032】
このように構成したことにより、側面作業灯からの光が床板によって遮られるのを抑えることができ、車体の側面、前,後の転圧ローラの周囲を広範囲に亘って照らすことができる。
【0033】
請求項3の発明によると、前記側面作業灯は、前記前部車体の床板上で前記運転席を支持する運転席支持台に設ける構成としている。一方、請求項4の発明によると、前記側面作業灯は、前記前部車体の床板に設ける構成としている。また、請求項5の発明によると、前記側面作業灯は、前記乗降用ステップを足場として前記運転席に乗降するオペレータが把持する手摺りに設ける構成としている。
【0034】
このように構成したことにより、運転席に着席したオペレータは、運転席支持台、床板、手摺りのうちいずれかに設けた側面作業灯を、前向き位置と後向き位置との間で容易に調整することができる。
【0035】
請求項6の発明は、前記前部車体の床板上には運転席を覆うキャブを設け、前記側面作業灯は該キャブに設ける構成としたことにある。
【0036】
このように構成したことにより、側面作業灯によって照らされた車体の側面をキャブ内から目視することができ、キャブを備えたロードローラを用いた場合でも、夜間の舗装作業の作業性を向上させることができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるロードローラの実施の形態について、図1ないし図6を参照しつつ詳細に説明する。なお、本実施の形態では上述した従来技術と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0038】
図において、31,31は運転席支持台12に設けられた左,右のブラケットで、該各ブラケット31は、図3に示すように略L字状に形成され、基端側が運転席支持台12の側面部12Aに固着して設けられている。そして、各ブラケット31の先端側は運転席支持台12の側面部12Aから左,右方向に突出している。
【0039】
32,32は前側転圧ローラ6と後側転圧ローラ7との間に位置して前部車体2の運転席支持台12に設けられた左,右の側面作業灯で、該各側面作業灯32は、夜間における路面の舗装作業時に、前側転圧ローラ6と後側転圧ローラ7との間となる車体1の側面部分を照らすものである。
【0040】
33,33は各ブラケット31の先端側と側面作業灯32との間に設けられたラチェット部材(一方のみ図示)で、該ラチェット部材33は、例えば歯車、該歯車の各歯に間欠的に係合する係合爪(いずれも図示せず)等からなっている。そして、ラチェット部材33は、側面作業灯32をブラケット31の先端側で回動させたときに、該側面作業灯32を一定の角度範囲をもった複数の位置に間欠的に固定するものである。従って、側面作業灯32は、ラチェット部材33により、前側転圧ローラ6側を照らす前向き位置(図1、図4の位置)と、後側転圧ローラ7側を照らす後向き位置(図5の位置)との間で位置調整を行うことができる構成となっている。
【0041】
34,34は床板11の各張出し床部11Bに設けられた左,右の切欠き部で、該各切欠き部34は、各張出し床部11Bのうち側面作業灯32に対応する位置(側面作業灯32の下方)を、前,後方向に長さ寸法B、左,右方向に幅寸法Cをもって長方形状に切欠くことにより形成されている。そして、各切欠き部34は、側面作業灯32からの光が床板11の張出し床部11Bによって遮られるのを抑え、側面作業灯32から照射される範囲を広げるものである。
【0042】
本実施の形態によるロードローラは上述の如き構成を有するもので、路面の舗装作業時に、路面に敷きつめられた舗装材の表面を前側転圧ローラ6、後側転圧ローラ7によって踏固める基本的作動については、従来技術によるものと格別差異はない。
【0043】
然るに、本実施の形態によれば、前部車体2の運転席支持台12に左,右の側面作業灯32を設けることにより、夜間における舗装作業時の作業性を向上することができるようになっており、以下、本実施の形態によるロードローラを用いた夜間の舗装作業について述べる。
【0044】
まず、側面作業灯32を、図4に示す前向き位置に固定した状態で点灯し、前部車体2を構成するフレーム8の側面板8Aを照らす。これにより、側面板8Aに設けられた乗降用ステップ18を照らすことができ、オペレータは、乗降用ステップ18を確実に目視しつつ、該乗降用ステップ18を足場として安全に運転席14に乗降することができる。
【0045】
次に、運転席14に着席したオペレータは、ステアリング装置16等を操作することによりロードローラを走行させ、路面に敷きつめられた舗装材の表面を、前側転圧ローラ6、後側転圧ローラ7によって踏固める。
【0046】
この場合、側面作業灯32を前向き位置に固定した場合には、側面作業灯32からの光によって前側転圧ローラ6の周囲を照らすことができるので、オペレータは、前側転圧ローラ6によって踏固められた路面の舗装状況を確実に目視しつつ、ロードローラを走行させることができ、舗装作業の作業性を向上させることができる。
【0047】
しかも、床板11には側面作業灯32の下方に位置して切欠き部34を設けているので、側面作業灯32からの光が切欠き部34を通過することにより、前側転圧ローラ6の周囲を広範囲に亘って照らすことができる。このため、例えば縁石等に沿って路面に敷きつめられた舗装材を転圧する場合に、オペレータは前側転圧ローラ6の端縁部を確実に目視することができるので、ステアリング装置16の誤操作によって前側転圧ローラ6が縁石に乗上げてしまうのを防止することができ、路面の舗装作業を安全に行うことができる。
【0048】
一方、側面作業灯32を、前向き位置から図5に示す後向き位置に位置調整した場合には、側面作業灯32からの光によって後側転圧ローラ6の周囲を照らすことができるので、オペレータは、後側転圧ローラ7によって踏固められた路面の舗装状況を確実に目視しつつ、ロードローラを走行させることができ、舗装作業の作業性を向上させることができる。
【0049】
この場合、側面作業灯32は、運転席14の近傍となる運転席支持台12に、ラチェット部材33等を介して取付けられているので、オペレータは、運転席14に着席した状態で、側面作業灯32を前向き位置から後向き位置へと容易に位置調整することができる。
【0050】
なお、上述した実施の形態では、運転席14の上方をキャノピ17によって覆う構成となったキャノピ式のロードローラを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限るものではなく、例えば図6に示す変形例のように、前面板41A、後面板41B、左,右の側面板41C(左側のみ図示)、上面板41Dからなる箱状のキャブ41を備え、該キャブ41によって運転席14を覆う構成となったキャブ式のロードローラにも適用することができる。この場合には、側面作業灯32をキャブ41の側面板41Cに取付けることにより、上述した実施の形態と同様に、側面作業灯32によって前側転圧ローラ6と後側転圧ローラ7との間となる車体側面を照らすことができ、オペレータは、キャブ41内から、前側転圧ローラ6、後側転圧ローラ7によって踏固められた路面の舗装状況を確実に目視しつつ、ロードローラを走行させることができ、舗装作業の作業性を向上させることができる。
【0051】
また、上述した実施の形態では、前部車体2の運転席支持台12に側面作業灯32を取付けた場合を例に挙げたが、本発明はこれに限るものではなく、運転席支持台12以外の場所、例えば図4中に二点鎖線で示すように、運転席14の近傍となる床板11、あるいは手摺り19に側面作業灯32を取付ける構成としてもよい。
【0052】
また、上述した実施の形態では、運転席支持台12の側面部12Aに固着したブラケット31と側面作業灯32との間にラチェット部材33を設けた場合を例に挙げたが、本発明はこれに限らず、ラチェット部材33に代えて自在継手を用いてもよく、さらに、ブラケット31と側面作業灯32とをボルトによって締結する構成としてもよい。
【0055】
【発明の効果】
以上詳述した如く、請求項1の発明によれば、前,後の転圧ローラが回転可能に設けられた前部車体,後部車体のうち前部車体には、前記前側転圧ローラと後側転圧ローラとの間に位置して前記前部車体または後部車体の側面を照らす側面作業灯を設け、該側面作業灯は、前記前側転圧ローラに向けて照らす前向き位置と、前記後側転圧ローラに向けて照らす後向き位置とに位置調整可能な構成としたので、前側転圧ローラと後側転圧ローラとの間に位置する乗降用ステップを側面作業灯からの光によって照らすことができ、オペレータは、乗降用ステップを踏外すことなく、安全に運転席に乗降することができる。また、側面作業灯によって前,後の転圧ローラの周囲を照らすことができるので、オペレータは前,後の転圧ローラによって転圧された地面の舗装状況を確実に目視しつつロードローラを走行させることができ、夜間における舗装作業の作業性を向上することができる。
【0056】
また、側面作業灯は前部車体に設ける構成としたので、前部車体に設けられた側面作業灯からの光によって前,後の転圧ローラ間に位置する車体の側面を照らすことができる。
【0057】
そして、側面作業灯は、前側の転圧ローラに向けて照らす前向き位置と、後側の転圧ローラに向けて照らす後向き位置との間で位置調整可能な構成としているので、夜間の舗装作業時に側面作業灯を位置調整することにより、側面作業灯によって乗降用ステップ、前側転圧ローラの周囲、後側転圧ローラの周囲を適宜に照らすことができ、舗装作業の作業性を向上させることができる。
【0058】
また、請求項2の発明によれば、前部車体の床板には、側面作業灯と対応する位置に側面作業灯からの光を通過させる切欠き部を設ける構成としたので、側面作業灯からの光が切欠き部を通過することにより、前,後の転圧ローラの周囲を広範囲に亘って照らすことができる。このため、例えば縁石等に沿って路面に敷きつめられた舗装材を転圧する場合に、オペレータは、前側転圧ローラと縁石との間隔を確実に目視しつつロードローラを走行させることができるので、前側転圧ローラが縁石に乗上げてしまうのを防止することができ、路面の舗装作業を安全に行うことができる。
【0059】
また、請求項3の発明によれば、側面作業灯を、前部車体の床板上で運転席を支持する運転席支持台に設ける構成としているので、オペレータは、運転席に着席した状態で、運転席支持台に設けた側面作業灯を、前向き位置と後向き位置との間で容易に調整することができる。一方、請求項4の発明は、側面作業灯を前部車体の床板に設ける構成としているので、オペレータは、運転席に着席した状態で、前記床板に設けた側面作業灯を、前向き位置と後向き位置との間で容易に調整できる。また、請求項5の発明によると、側面作業灯は、乗降用ステップを足場として運転席に乗降するオペレータが把持する手摺りに設ける構成としているので、オペレータは、運転席に着席した状態で、前記手摺りに設けた側面作業灯を、前向き位置と後向き位置との間で容易に調整することができる。
【0060】
さらに、請求項6の発明によれば、前部車体の床板上には運転席を覆うキャブを設け、側面作業灯は該キャブに設ける構成としたので、側面作業灯によって照らされた車体の側面をキャブ内から目視することができ、キャブを備えたロードローラを用いた場合でも、夜間の舗装作業の作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態によるロードローラを示す正面図である。
【図2】キャノピを取外した状態でロードローラの前部車体を拡大して示す平面図である。
【図3】側面作業灯、運転席支持台等の要部を拡大して示す図2中の矢示 III−III 方向からみた要部拡大断面図である。
【図4】図1中の側面作業灯を前向き位置とした状態で示す要部拡大正面図である。
【図5】側面作業灯を後向き位置とした状態で示す図4と同様の要部拡大正面図である。
【図6】キャノピに代えてキャブを搭載したロードローラの変形例を示す正面図である。
【図7】従来技術によるロードローラを示す正面図である。
【図8】従来技術によるロードローラをキャノピを取外した状態で示す平面図である。
【符号の説明】
1 車体
2 前部車体
4 後部車体
6 前側転圧ローラ
7 後側転圧ローラ
11 床板
12 運転席支持台
14 運転席
18 乗降用ステップ
19 手摺り
32 側面作業灯
34 切欠き部
41 キャブ
Claims (6)
- 前側転圧ローラが回転可能に設けられた前部車体と、該前部車体に連結され後側転圧ローラが回転可能に設けられた後部車体と、前記前部車体の床板上に位置して設けられた運転席と、該運転席に乗降するため前記前部車体の側面に設けられた乗降用ステップとからなるロードローラにおいて、
前記前部車体には、前記前側転圧ローラと後側転圧ローラとの間に位置して前記前部車体または後部車体の側面を照らす側面作業灯を設け、
該側面作業灯は、前記前側転圧ローラに向けて照らす前向き位置と、前記後側転圧ローラに向けて照らす後向き位置とに位置調整可能な構成としたことを特徴とするロードローラ。 - 前記前部車体の床板には、前記側面作業灯と対応する位置に前記側面作業灯からの光を通過させる切欠き部を設ける構成としてなる請求項1に記載のロードローラ。
- 前記側面作業灯は、前記前部車体の床板上で前記運転席を支持する運転席支持台に設ける構成としてなる請求項1または2に記載のロードローラ。
- 前記側面作業灯は、前記前部車体の床板に設ける構成としてなる請求項1または2に記載のロードローラ。
- 前記側面作業灯は、前記乗降用ステップを足場として前記運転席に乗降するオペレータが把持する手摺りに設ける構成としてなる請求項1または2に記載のロードローラ。
- 前記前部車体の床板上には前記運転席を覆うキャブを設け、前記側面作業灯は該キャブに設ける構成としてなる請求項1または2に記載のロードローラ。
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