JP3703201B2 - 巻回型リチウムイオン二次電池およびその製造方法 - Google Patents

巻回型リチウムイオン二次電池およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウム遷移金属酸化物を正極活物質とし、リチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な炭素材料を負極活物質とする巻回型リチウムイオン二次電池およびその製造方法に関し、さらに詳しくは、高容量で、かつ負荷特性が良好な巻回型リチウムイオン二次電池およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電池においても、小型化、軽量化および高密度化に対する要求が顕著になり、その要求を満足する電池として、4V級の電圧を示すことができる巻回型リチウムイオン二次電池がその対象として期待されている。
【0003】
この巻回型リチウムイオン二次電池の正極活物質としては、高電圧、高エネルギー密度の電池が作製可能で、かつ結晶構造を保ちつつリチウムイオンを電気化学的にドープ・脱ドープすることができる物質を使用することが提案されており、その代表的なものとして、LiCoO2 、LiNiO2 、LiMnO2 などのようにCo、Ni、Mnなどの遷移金属が単一種のリチウム遷移金属酸化物や、Li(Co/Mn)O2 、Li(Co/Ni)O2 などのように2種以上の遷移金属が固溶した状態のリチウム遷移金属酸化物などが挙げられる。
【0004】
そして、正極は、上記のリチウム遷移金属酸化物を正極活物質とし、それに導電性を向上させるためのカーボンとポリフッ化ビニリデンに代表される結着剤と溶剤を加え、混合してスラリー状にし、そのスラリーをアルミニウム箔などの集電体に塗布し、乾燥した後、圧延することによって、厚みの最適化、正極と集電体との密着性および正極の密度を向上させることによって作製され、その正極とリチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な炭素材料を負極活物質とする負極とをセパレータを介して渦巻状に巻回し、その巻回型電極体を電池缶に収納し、電解液を注入した後、その電池缶の開口部を封口板などで封口することによって、巻回型リチウムイオン二次電池が作製されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような巻回型リチウムイオン二次電池は、高電圧、高エネルギー密度を達成できることから携帯用機器の電源としての用途が期待されているが、そのような用途に適するように巻回型リチウムイオン二次電池の容量をさらに高めるには、正極自身の電子伝導性を向上させて、電池の負荷特性を向上させることが効果的である。
【0006】
そのため、正極には、かさ密度が大きく導電性の良好なグラファイトカーボンが添加されているが、グラファイトカーボン自体は導電性が高いものの、電解液の吸液性が劣るため、正極中でのリチウムイオンの拡散係数が小さくなり、その結果、正極全体としては電子伝導性が低くなって、充分な負荷特性が得られないという問題があった。
【0007】
また、電池の高容量化をはかるには、活物質の充填量を増加する必要があるが、電池缶の内容積は一定であることから、電極長さが一定長以下に制限されるため、活物質の充填量が必然的に一定量に制限される。従って、上記のように正極材料を溶剤で分散させてスラリー状にし、そのスラリーを集電体に塗布し、乾燥した後、ローラーで圧延して密度を高める工程を経由して作製される巻回型リチウムイオン二次電池の正極においては、正極活物質の充填量を増加するために、ローラーで圧延して正極の密度を高めることが行われるが、その圧延の結果、正極中の空孔がつぶれ、正極の空孔率が低下するため、活物質中への電解液の浸透が不充分になりやすく、これも負荷特性を劣化させる原因になっている。
【0008】
また、正極の電子伝導性を上げるためにグラファイトカーボンの添加量を増加すると、その粒子の体積から正極を圧延しても正極の密度を高めることができず、また、正極活物質であるリチウム遷移金属酸化物の充填量が減少し、容量の低下を招くことになる。
【0009】
従って、本発明においては、上記のような従来技術とは異なる手段で、巻回型リチウムイオン二次電池の負荷特性を向上させ、かつ容量を高めることが必要である。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記事情に照して鋭意研究を重ねた結果、下記の特性を有する2種のカーボンを正極中に含有させ、かつ正極活物質と負極活物質との重量比を特定の比率にするとともに、電解液量を正極活物質と負極活物質の総量に対して特定の比率にすることによって、高容量で、かつ負荷特性が良好な巻回型リチウムイオン二次電池が容易に得られるようになり、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するにいたった。
【0011】
すなわち、本発明は、リチウム遷移金属酸化物を正極活物質とし、黒鉛を負極活物質とする巻回型リチウムイオン二次電池において、正極中に層間距離d002 が3.38Å以下で、かつc軸方向の結晶子サイズLcが400・以上のカーボンAと層間距離d002が3.70Å以上で、かつc軸方向の結晶子サイズLcが250Å以下のカーボンBとを含有し、正極活物質と負極活物質との重量比が正極活物質/負極活物質で1.8〜2.4であり、電解液量が正極活物質と負極活物質の総量に対して15〜33重量%であることを特徴とする巻回型リチウムイオン二次電池である。
【0012】
本発明において、上記カーボンAとカーボンBとを正極中に含有させ、かつ正極活物質と負極活物質との重量比を特定の比率にすることによって負荷特性を向上させることができるのは、以下のような理由によるものと考えられる。
【0013】
カーボンA、すなわち、層間距離d002 が3.38Å以下で、かつc軸方向の結晶子サイズLcが400Å以上であるカーボンAは、層状構造を有することから、それ自身が高い電子伝導性を有するので、正極中のリチウムイオン伝導性を向上させることができる。
【0014】
しかし、このカーボンAは、一次粒子のサイズが小さく、また、かさ密度も大きく、層状構造を有するため、正極作製時に正極中の空孔率を低下させる。そして、その空孔率の低下により、正極の電解液の吸液性が低下するため、正極中のリチウムイオンの拡散が不充分になり、正極全体としては負荷特性が劣化しやすくなる。
【0015】
そのため、本発明では、カーボンB、すなわち、層間距離d002 が3.70Å以上で、かつc軸方向の結晶子サイズLcが250Å以下のカーボンBを上記カーボンAと併用している。
【0016】
このカーボンBは、微細なカーボン粒子がチェーン状に連なって形成されており、正極作製時の圧延工程で圧延しても元の形状に戻ろうとする性質を有するので、正極中に空孔を保持することができる。その結果、正極の電子伝導性を低下させることなく、電解液の吸液性を向上させることができるので、負荷特性の向上を達成することができるようになり、かつ正極活物質と負極活物質との重量比を特定の比率にしておくことによって、負荷特性の向上がより容易に得られるようになるものと考えられる。
【0017】
本発明において、カーボンAは層間距離d002 が3.38Å以下で、c軸方向の結晶子サイズLcが400Å以上のものであることが必要であるが、これは次の理由によるものである。層間距離d002 が3.38Å以下になると、結晶性の向上が顕著になり、それによって、カーボンAが骨格構造のしっかりした導電助剤となり、また、c軸方向の結晶子サイズLcが400Å以上になると、圧縮によりカーボンAの層間のずれがおこりやすくなって高密度になりやすい。そして、このカーボンAとしては、層間距離に関して、自然界の限界の層間距離d002 が3.35Åのものまで使用可能であり、また、c軸方向の結晶子サイズLcに関しては、2000Å程度のものまで好適に使用することができる。
【0018】
本発明において、上記のようなカーボンAの具体例としては、例えば、黒鉛化度の高い炭素材料である天然黒鉛、焼成温度2500℃以上の高温で得られる人造黒鉛などが好適なものとして挙げられ、特に平均粒径で6μm〜15μmのものが好ましい。このカーボンAの平均粒径を6μm以上とすることにより、正極活物質のリチウム遷移金属化合物の粒径とほぼ等しくなって、より高い電子伝導性でかつ高密度の塗膜の作製がしやすくなり、特に平均粒径で8μm〜12μmとすることによって、高密度化を達成することができる。そして、カーボンAの平均粒径を15μm以下とすることにより、高密度の塗膜の作製がしやすくなる。このようなカーボンAの市販品としては、例えば、ロンザ社製のKS−6、KS−15(いずれも商品名)、オリエンタル工業社製のAT−GF、AT−40S、AT−28(いずれも商品名)などが挙げられる。
【0019】
本発明において、カーボンBは層間距離d002 が3.70Å以上で、c軸方向の結晶子サイズLcが250Å以下のものであることが必要であるが、これは次の理由によるものである。層間距離d002 が3.70Å以上になると、電解液のれ性が向上し、c軸方向の結晶子サイズLcが250Å以下になると、層間がずれにくくなり、塗膜の密度を下げやすくする。そして、このカーボンBとしては、層間距離d002 に関して、3.75Å程度のものまでが好適に使用可能であり、また、c軸方向の結晶子サイズLcに関しては、50Å程度のものまでが好適に使用することができる。
【0020】
本発明において、上記のようなカーボンBの具体例としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、低結晶カーボンなどが好適なものとして挙げられ、特に平均粒径で0.01μm〜0.1μmのものが好ましい。このカーボンBの平均粒径を0.01μm以上とすることにより、正極活物質のリチウム遷移金属酸化物の粒子とカーボンAとの隙間にカーボンBが入り、導電性を高めるとともに、カーボンBが正極作製時の圧延による正極中の空孔のつぶれを防止するので、正極を電解液の吸液性が高いものにすることができる。そして、カーボンBの平均粒径を0.1μm以下とすることにより、カーボンBのかさ高さからくる容量の減少を抑制でき、大きな容量が得られる。上記のようなカーボンBの市販品としては、例えば、三菱化成社製のCB3750B、CB3950(いずれも商品名)、電気化学工業社製のアセチレンブラックなどがあり、また、メソマイクロカーボンを700℃〜1000℃で焼成したカーボンも好適に使用できる。
【0021】
上記カーボンAとカーボンBとの割合としては、カーボン全量(カーボンA+カーボンB)に対するカーボンBの重量比(カーボンB/カーボンA+カーボンB)が0.08以上0.5以下とするのが好ましい。カーボン全量に対するカーボンBの重量比を0.08以上とすることにより、カーボンBによる正極中の空孔率を確保でき、負荷特性の向上を達成できる。また、カーボン全量に対するカーボンBの重量比を0.5以下とすることにより、カーボンBのかさ高さからくる容量の減少を抑制することができ、大きな容量を得ることができる。
【0022】
カーボンAとカーボンBとの正極中の含有量としては、カーボンAとカーボンBとの総量で正極中2重量%〜9重量%であることが好ましく、4重量%〜7重量%であることが特に好ましい。カーボンAとカーボンBとの総量を正極中で2重量%以上とすることにより、両カーボンの特性を好適に発揮させて電解液の浸透を容易にすることができ、また9重量%以下とすることにより、正極活物質のリチウム遷移金属酸化物の充填量の低下を防止し、高容量化を達成することができる。上記カーボンAとカーボンBとはあらかじめ混合しておいてもよいし、また正極活物質などと共に正極合剤を調製する際に正極活物質などと一緒に混合してもよい。
【0023】
本発明において、正極活物質としてはリチウム遷移金属酸化物が用いられるが、このリチウム遷移金属酸化物としては、例えば、LiCoO2 、LiNiO2 、LiMnO2 、Li(Co/Mn)O2 、Li(Co/Ni)O2 などが挙げられる。本発明において、正極活物質として、これらのリチウム遷移金属酸化物を用いるのは、これらが結晶格子中にリチウムイオンを電気化学的にドープ・脱ドープでき、良好な負荷特性を期待できるからである。
【0024】
正極は、上記正極活物質のリチウム遷移金属酸化物とカーボンAおよびカーボンBの他に、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレンプロピレンジエンターポリマーなどの結着剤を加えて調製した正極合剤を、例えば、N−メチルピロリドンのような極性の溶剤に分散させてスラリー状にし、そのスラリーをアルミニウム箔などの集電体上に塗布し、乾燥した後、圧延ローラーを用いて圧延することにより作製される。この圧延の際、線圧を高くしすぎると、正極活物質の充填密度を上げることができるものの、正極中の空孔が減少して、電解液の浸透を妨げ、電池の負荷特性を劣化させるため、50kg/cm〜250kg/cmの範囲で圧延することが好ましい。このような範囲の線圧で圧延することにより、正極の密度を2.8g/cm2 3〜3.4g/cm3 とすることができ、活物質量の最適化を図ることができ、高容量化とともに、負荷特性を改善することができる。なお、本発明において、正極の密度とか、カーボンAやカーボンBの正極中の含有量、あるいは後述する正極の空孔率などにおける正極とは、正極合剤の加圧圧縮された部分のみをいい、正極の作製にあたって使用した集電体は含まない。
【0025】
特に本発明においては、上記カーボンAとカーボンBとの併用により、正極中の空孔率を28体積%〜40体積%の範囲とすることにより、電解液の浸透を容易にし、正極中のリチウムイオンの拡散係数を大きくすることができるので、そのような空孔率にするという観点から、線圧を130kg/cm〜200kg/cmにすることが特に好ましい。
【0026】
本発明において、負極活物質としては黒鉛を用いるが、この黒鉛はリチウムイオンをドープ・脱ドープさせることが可能であり、リチウムのデンドライトを成長させにくいという特長を有している。
【0027】
なお、正極活物質と負極活物質の重量比は、前記のように、正極活物質/負極活物質で1.8〜2.4にするが、特に2付近であることが好ましい。
【0028】
電解液の溶媒としては、例えば、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、ジエチレンカーボネート、エチルアセテート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどの単独または2種以上の混合溶媒を使用することができる。これらの中でも、エチルアセテートとエチレンカーボネートとの混合溶媒が本発明で使用するカーボンAやカーボンBに浸透しやすいので特に好ましい。
【0029】
電解質としては、例えば、LiCF3 SO3 、LiC4 9 SO4 、LiPF6 、LiBF4 など単独または2種以上混合して使用することができ、これらの中でも、LiPF6 が電解液としたときの伝導度が最も高くなるので好ましい。そして、電解液は、これらの電解質を上記有機溶媒に溶解させることによって調製されるが、その際の電解質の濃度としては0.6mol/l〜1.8mol/l、特に1mol/l〜1.4mol/l程度が好ましい。
【0030】
本発明においては、前記のように、電解液量を正極活物質と負極活物質の総量に対して15〜33重量%にするが、これは、電解液量が多くなると、漏液の原因となり、少なすぎると電極中への浸透が充分に行われなくなって、負荷特性を劣化させるからである。
【0031】
セパレータとしては、強度が充分でしかも電解液の吸収性のよいものがよく、そのような観点から、厚みが10μm〜50μmで、開口率が30%〜70%のポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン製のものが好ましい。
【0032】
【発明の実施の形態】
つぎに、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0033】
実施例1
正極活物質としてリチウムコバルト酸化物を用い、負極活物質として2800℃で合成した人造黒鉛を用いた。正極活物質として用いるリチウムコバルト酸化物は、水酸化リチウムと酸化コバルトとをLi/Co=1/1(モル比)の割合になるように秤量した後、メノウ製の乳鉢で粉砕しつつ混合し、その混合物を500℃で2時間加熱した後、さらに900℃で20時間焼成することによって合成した。
【0034】
上記のリチウムコバルト酸化物および人造黒鉛をそれぞれ正極活物質および負極活物質として用いて、シート状の正極および負極を作製した。その際、正極と負極はそれぞれの活物質のみの重量比(正極活物質/負極活物質)を2.0とした。
【0035】
まず、正極の作製にあたっては、正極活物質として上記リチウムコバルト酸化物を90重量部、カーボンAとしてロンザ社製のKS−6(商品名)を5重量部、カーボンBとして三菱化成社製のCB3750B(商品名)を1重量部、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを4重量部の割合で準備し、それらをN−メチルピロリドンと混合し、粘度を調整したスラリー状の塗液を作製した。
【0036】
上記カーボンAとして用いたロンザ社製のKS−6(商品名)は、層間距離d002 が3.36Å、c軸方向の結晶子サイズLcが1000Åで、平均粒径が6μmである。また、カーボンBとして用いた三菱化成社製のCB3750B(商品名)は、層間距離d002 が3.70Å、c軸方向の結晶子サイズLcが40Åで、平均粒径が0.1μmであり、カーボン全量に対するカーボンBの重量比(カーボンB/カーボンA+カーボンB)は0.17であった。
【0037】
上記スラリー状の塗液を厚さ20μmのアルミニウム箔の両面にリバースロールを用いて擦り切り塗布し、ついで乾燥した。この電極体を圧延ローラーにより線圧160kg/cmで圧延し、幅28mmに裁断して、正極合剤の加圧圧縮部分の厚みが片面で50μmで、集電体としてのアルミニウム箔を含んだ状態で厚さが120μmのシート状正極を作製した。この正極の密度は3.1g/cm3 、空孔率は34体積%であった。
【0038】
負極の作製にあたっては、負極活物質としての人造黒鉛90重量部に対して、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを10重量部加えて混合し、これにN−メチルピロリドンを加えてスラリー状にした塗液を調製した。この塗液を厚さ18μmの銅箔の両面に前記の正極作製時と同様に塗布し、乾燥した。この電極体を前記と同様に圧延し、幅30mmに裁断し、負極合剤の加圧圧縮部分の厚みが片面で43μm、集電体としての銅箔を含んだ状態で厚さが104μmのシート状負極を作製した。
【0039】
電解液としては、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとの混合溶媒(体積比1:1)にLiPF6 を1mol/lの濃度に溶解して調製した有機電解液を用いた。
【0040】
正極のアルミニウム箔を露出させた部分に短冊状のアルミニウムタブを抵抗溶接し、かつ、負極の銅箔を露出させた部分に短冊状のニッケルタブを抵抗溶接し、厚さ25μmのポリエチレン製細孔性多孔膜からなるセパレータを上記正極と負極との間に介在させて渦巻状に巻回し、直径(ただし、最大部で)13.9mmの巻回型電極体とした。この巻回型電極体を電池缶に挿入し、負極のニッケルタブを絶縁リングを介して電池缶の底部に溶接し、グルービングした後、封口板と正極のアルミニウムタブを溶接した。その後、電池缶内を真空乾燥し、乾燥雰囲気のグローブボックス中で電解液を2cc注入し、以後常法にしたがって電池缶の開口部をエキセンプレスで封口して、図1に示す構造で外径14.95mm、高さ39.7mmの巻回型リチウムイオン二次電池を作製した。上記の電解液量は正極活物質と負極活物質との総量に対して約21重量%である。
【0041】
図1に示す巻回型リチウムイオン二次電池おいて、1は前記の正極で、2は前記の負極である。この図1では煩雑化をさけるため、正極1や負極2の作製にあたって使用したアルミニウム箔や銅箔などは図示していない。3はセパレータ、4は電解液であり、これらの正極1、負極2、セパレータ3、電解液4の詳細は前記した通りである。
【0042】
5は鉄製でニッケルメッキを施した電池缶であり、この電池缶5は負極端子を兼ねており、その底部にはポリテトラフルオロエチレンシートからなる絶縁リング6が配置され、内周部にもポリテトラフルオロエチレンシートからなる絶縁体7が配置されている。そして、正極1、負極2およびセパレータ3からなる巻回型電極体や電解液4などはこの電池缶5内に収容されている。
【0043】
8はアルミニウム製の封口板で、その中央部にはガス通気口8aが設けられている。9はポリプロピレン製のパッキング、10はチタン製の可撓性薄板である。11はポリプロピレン製の熱変形部材で、この熱変形部材11は温度によって変形して、可撓性薄板10の破壊圧力を変える作用をする。
【0044】
12はアルミニウム製の端子板であって、この端子板12には切刃12aとガス排出口12bとが設けられており、電池内部にガスが発生して内部圧力が上昇し、その圧力上昇により可撓性薄板10が変形したときに、上記切刃12aによって可撓性薄板10を破壊し、電池内部のガスを上記ガス排出口12bから電池外部に排出して、電池の高圧下での破裂を防止できるように設計されている。
【0045】
13はポリプロピレン製の絶縁パッキングで、14はリード体であり、このリード体14は前記のようにアルミニウムタブからなり、正極1と封口板8とを電気的に接続しており、端子板12は封口板8との接触により正極端子として作用する。また、15はニッケルタブからなるリード体であり、このリード体15は負極2と電池缶5とを電気的に接続している。
【0046】
実施例2
実施例1と同様のカーボンAとカーボンBを用い、カーボンAを5.5重量部、カーボンBを0.5重量部とし、圧延時の線圧を140kg/cmとした以外は、実施例1と同様にして巻回型リチウムイオン二次電池を作製した。
【0047】
カーボン全量に対するカーボンBの重量比(カーボンB/カーボンA+カーボンB)は0.08であり、正極の密度は3.4g/cm3 で、空孔率は28体積%であった。
【0048】
実施例3
実施例1と同様のカーボンAとカーボンBを用い、カーボンAを3重量部、カーボンBを3重量部とし、圧延時の線圧を190kg/cmとした以外は、実施例1と同様にして巻回型リチウムイオン二次電池を作製した。
【0049】
カーボン全量に対するカーボンBの重量比(カーボンB/カーボンA+カーボンB)は0.5であり、正極の密度は2.8g/cm3 で、空孔率は38体積%であった。
【0050】
実施例4
カーボンBとして、メソマイクロカーボンを700℃で焼成したカーボン(層間距離d002 :3.75Å、c軸方向の結晶子サイズLc:200Å、平均粒径:0.05μm)を1重量部用いた以外は、実施例1と同様にして、巻回型リチウムイオン二次電池を作製した。カーボン全量に対するカーボンBの重量比(カーボンB/カーボンA+カーボンB)は実施例と同様に0.17であり、正極の密度は3.0g/cm3 で、空孔率は32体積%であった。
【0051】
比較例1
カーボンAを使用することなく、そのぶんカーボンBを増量し、カーボンBの量を1重量部から6重量部にした以外は、実施例1と同様にして巻回型リチウムイオン二次電池を作製した。この電池における正極の密度は2.7g/cm3 で、空孔率は43体積%であった。
【0052】
比較例2
カーボンBを使用することなく、そのぶんカーボンAを増量し、カーボンAの量を5重量部から6重量部にした以外は、実施例1と同様にして巻回型リチウムイオン二次電池を作製した。この電池における正極の密度は3.5g/cm3 で、空孔率は26体積%であった。
【0053】
つぎに、実施例1〜4および比較例1〜2の電池について、4.2Vの定電圧充電で1Cの電流制限で充電し、ついで放電を2.75Vまで行った。充電電流をCで表示した場合、この外径14.95mm、高さ39.5mmの電池で440mAを1Cとして、放電は0.2Cと2Cとで行った。
【0054】
表1に各電池の0.2C放電時の容量および0.2C放電時の容量を100%とした場合の2C放電時の容量比を示す。なお、表1には、上記容量比を「2C/0.2C」で、かつパーセント(%)で表示する。
【0055】
【表1】
Figure 0003703201
【0056】
表1に示すように、実施例1〜4の電池は、カーボンBのみを使用した比較例1の電池と比較して、容量が大きく、またカーボンAのみを用いた比較例2の電池と比較して、2C/0.2Cの容量比が大きく、負荷特性が改善されていることがわかる。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、高容量で、かつ負荷特性が良好な巻回型リチウムイオン二次電池を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の巻回型リチウムイオン二次電池の一例を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 正極
2 負極
3 セパレータ
4 電解液

Claims (3)

  1. リチウム遷移金属酸化物を正極活物質とし、黒鉛を負極活物質とする巻回型リチウムイオン二次電池において、正極中に層間距離d002が3.38Å以下で、かつc軸方向の結晶子サイズLcが400Å以上のカーボンAと層間距離d002が3.70Å以上で、かつc軸方向の結晶子サイズLcが250Å以下のカーボンBとを含有し、正極活物質と負極活物質の重量比が正極活物質/負極活物質で1.8〜2.4であり、電解液量が正極活物質と負極活物質の総量に対して15〜33重量%であることを特徴とする巻回型リチウムイオン二次電池。
  2. 正極中の空孔率が28体積%〜40体積%の範囲であることを特徴とする請求項1記載の巻回型リチウムイオン二次電池。
  3. 正極合剤を溶剤で分散させてスラリー状にし、そのスラリーを集電体に塗布し、乾燥した後、50〜250kg/cmの線圧でローラー圧延して作製した正極を用いることを特徴とする請求項1記載の巻回型リチウムイオン二次電池の製造方法。
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