JP3702580B2 - 印刷制御装置及び印刷制御システム及び印刷制御方法並びに印刷制御プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ページ記述言語等の印刷処理命令を解釈して印刷処理を行いつつ、印刷処理中におけるエラーを検出して所定の処理を行う印刷制御装置及び印刷制御システム及び印刷制御方法並びに印刷制御プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体の技術分野に属するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、ネットワーク上でクライアント装置とプリンタ装置が接続されたプリントシステムにおいては、クライアント装置からプリンタ装置に対してページ記述言語で記述された印刷データを送信し、プリンタ装置において当該ページ記述言語を解釈して、ビットマップデータ等に変換している。
【０００３】
そして、前記クライアント装置から送信されたページ記述言語の解釈時に、命令を解釈できない等のエラーが発生した場合は、エラーが発生した命令とそのエラー名をプリンタ装置からクライアント装置に通知し、解釈処理を中断して印刷を実行しないように構成されている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の装置においては、ユーザに与えられる情報はエラーが発生した命令と、エラー名のみであるため、ユーザはこれだけの情報に基づいて印刷データの見直しを行い、印刷データを修正して再び印刷制御装置に送るといった作業を行う必要があった。
【０００５】
しかし、これだけの情報では、専門的な知識を必要とする印刷データの修正を適切に行うのは困難であった。
【０００６】
また、印刷データを修正することが不可能であれば、別の印刷システムで印刷を試みて、印刷データが正しいか否かを確認した後、印刷制御装置のメーカーに問い合わせ対処方法を仰ぐといった手間のかかる作業を行う必要があった。
【０００７】
そこで、本発明は、エラーが発生した場合でも、修復を容易に行うことのできる印刷制御装置及び印刷制御システム及び印刷制御方法並びに印刷制御プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを課題としている。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
請求項１に記載の印刷制御装置は、前記課題を解決するために、印刷処理命令データを含む印刷データを受信する受信手段と、受信した印刷データを解釈する解釈手段と、前記印刷データの解釈の結果として描画される図形に関連した所定の位置情報を格納する位置情報記憶手段と、前記解釈の結果として実行される印刷処理中のエラーを検知するエラー検知手段と、前記エラー検知手段によるエラー検知時に前記位置情報記憶手段から前記所定の位置情報を読み出す位置情報読出手段と、前記位置情報を前記印刷処理命令データに変換する変換手段と、該変換手段により前記位置情報として変換された前記印刷処理命令データと前記受信手段により受信した前記印刷データとを印刷データ作成装置に報知する報知手段とを備えたことを特徴とする。
【０００９】
請求項１に記載の印刷制御装置によれば、印刷処理命令データを含む印刷データが受信手段により受信されると、受信された印刷データは、解釈手段により解釈され、所定の図形が描画されることになる。そして、この図形を描画する際には、この図形に関連した所定の位置情報が位置情報記憶手段に格納される。ここで、前記図形の印刷処理中に、エラーが発生し、そのエラーがエラー検知手段に検知されたとすると、前記位置情報記憶手段に格納された前記位置情報は、位置情報読出手段によって読み出され、読み出された前記位置情報は、変換手段により、前記印刷処理命令データに変換され、該変換手段により前記位置情報として変換された前記印刷処理命令データと前記受信手段により受信した前記印刷データは、報知手段により印刷データ作成装置に報知される。従って、前記位置情報に基づいて、修正すべき図形が容易に認識され、エラーに対する迅速な措置を採ることが可能になる。
【００１０】
請求項２に記載の印刷制御装置は、前記請求項１に記載の印刷制御装置において、前記報知手段から報知される前記位置情報を表示する表示手段を更に備えたことを特徴とする。
【００１１】
請求項２に記載の印刷制御装置によれば、前記報知手段から報知される前記位置情報は、表示手段によって表示されるので、修正すべき図形の認識がより一層容易となる。
【００１２】
請求項３に記載の印刷制御システムは、前記課題を解決するために、印刷処理命令データを含む印刷データを作成する印刷データ作成装置と、該印刷データ作成装置に接続され該印刷データ作成装置から送信される前記印刷データに基づいて印刷処理を行う印刷制御装置とを備えた印刷制御システムであって、前記印刷制御装置は、前記印刷データを受信する受信手段と、受信した印刷データを解釈する解釈手段と、前記印刷データの解釈の結果として描画される図形に関連した所定の位置情報を格納する位置情報記憶手段と、前記解釈の結果として実行される印刷処理中のエラーを検知するエラー検知手段と、前記エラー検知手段によるエラー検知時に前記位置情報記憶手段から前記所定の位置情報を読み出す位置情報読出手段と、前記位置情報を前記印刷処理命令データに変換する変換手段と、該変換手段により前記位置情報として変換された前記印刷処理命令データと前記受信手段により受信した前記印刷データとを前記印刷データ作成装置に報知する報知手段とを備え、前記印刷データ作成装置は、前記印刷処理命令データと前記印刷データとを受信する受信手段と、前記位置情報としての前記印刷処理命令データ及び前記印刷データを解釈する解釈手段と、解釈の結果として描画される図形及び前記位置情報を表示する表示手段とを備えたことを特徴とする。
【００１３】
請求項３に記載の印刷制御システムによれば、印刷制御装置は、印刷データ作成装置により作成され、印刷処理命令データを含む印刷データが、印刷データ作成装置から送信されると、当該印刷データは前記印刷制御装置の受信手段により受信され、受信された印刷データは、解釈手段により解釈され、所定の図形が描画されることになる。そして、この図形を描画する際には、この図形に関連した所定の位置情報が位置情報記憶手段に格納される。ここで、前記図形の印刷処理中に、エラーが発生し、そのエラーがエラー検知手段に検知されたとすると、前記位置情報記憶手段に格納された前記位置情報は、位置情報読出手段によって読み出され、読み出された前記位置情報は、変換手段により、前記印刷処理命令データに変換され、該変換手段により前記位置情報として変換された前記印刷処理命令データと前記受信手段により受信した前記印刷データは、報知手段により印刷データ作成装置に対して報知される。一方、この位置情報としての前記印刷処理命令データ及び前記印刷データを受信手段により受信した印刷データ作成装置は、解釈手段によりこれらのデータを解釈し、解釈の結果として描画される図形及び前記位置情報を表示手段により表示する。従って、修正すべき図形を視覚により容易に認識することができ、迅速なエラーに対する措置を採ることが可能になる。
【００１４】
【００１５】
【００１６】
請求項４に記載の印刷制御方法は、前記課題を解決するために、印刷処理命令データを含む印刷データを受信する受信工程と、受信した印刷データを解釈する解釈工程と、前記印刷データの解釈の結果として描画される図形に関連した所定の位置情報を格納する位置情報記憶工程と、前記解釈の結果として実行される印刷処理中のエラーを検知するエラー検知工程と、前記エラー検知工程によるエラー検知時に前記格納した所定の位置情報を読み出す位置情報読出工程と、前記位置情報を前記印刷処理命令データに変換する変換工程と、該変換工程により前記位置情報として変換された前記印刷処理命令データと前記受信工程により受信した前記印刷データとを印刷データ作成装置に報知する報知工程とを備えたことを特徴とする。
【００１７】
請求項４に記載の印刷制御方法によれば、印刷処理命令データを含む印刷データが受信されると、受信された印刷データの解釈が行われ、所定の図形が描画されることになる。そして、この図形を描画する際には、この図形に関連した所定の位置情報が格納される。ここで、前記図形の印刷処理中に、エラーが発生し、そのエラーが検知されたとすると、前記格納された前記位置情報が読み出され、読み出された前記位置情報は、前記印刷処理命令データに変換され、前記位置情報として変換された前記印刷処理命令データと、受信した前記印刷データは、印刷データ作成装置に報知される。従って、前記位置情報に基づいて、修正すべき図形が容易に認識され、エラーに対する迅速な措置を採ることが可能になる。
【００１８】
請求項５に記載の印刷制御方法は、前記請求項４に記載の印刷制御方法において、前記報知工程により報知される前記位置情報を表示する表示工程を更に備えたことを特徴とする。
【００１９】
請求項５に記載の印刷制御方法によれば、前記報知される前記位置情報が表示示されるので、修正すべき図形の認識がより一層容易となる。
【００２０】
請求項６に記載の印刷制御方法は、前記課題を解決するために、印刷データ作成装置にて印刷処理命令データを含む印刷データを作成して送信し、該印刷データ作成装置に接続された印刷制御装置にて受信した前記印刷データに基づいて印刷処理を行う印刷制御方法であって、前記印刷制御装置にて、前記印刷データを受信する受信工程と、受信した印刷データを解釈する解釈工程と、前記印刷データの解釈の結果として描画される図形に関連した所定の位置情報を格納する位置情報記憶工程と、前記解釈の結果として実行される印刷処理中のエラーを検知するエラー検知工程と、前記エラー検知工程によるエラー検知時に前記格納した所定の位置情報を読み出す位置情報読出工程と、前記位置情報を前記印刷処理命令データに変換する変換工程と、該変換工程により前記位置情報として変換された前記印刷処理命令データと前記受信工程により受信した前記印刷データとを前記印刷データ作成装置に報知する報知工程とを備え、前記印刷データ作成装置にて、前記印刷処理命令データと前記受信工程により受信した前記印刷データとを受信する受信工程と、前記位置情報としての前記印刷処理命令データ及び前記印刷データを解釈する解釈工程と、解釈の結果として描画される図形及び前記位置情報を表示する表示工程とを備えたことを特徴とする。
【００２１】
請求項６に記載の印刷制御方法によれば、印刷データ作成装置により作成され、印刷処理命令データを含む印刷データが、印刷データ作成装置から送信されると、当該印刷データは印刷制御装置において受信され、受信された印刷データが解釈され、所定の図形が描画されることになる。そして、この図形を描画する際には、この図形に関連した所定の位置情報が格納される。ここで、前記図形の印刷処理中に、エラーが発生し、そのエラーが検知されたとすると、前記格納された前記位置情報が読み出され、読み出された前記位置情報は、前記印刷処理命令データに変換され、前記位置情報として変換された前記印刷処理命令データと、受信した前記印刷データは、印刷データ作成装置に対して報知される。一方、この位置情報としての前記印刷処理命令データ及び前記印刷データを受信した印刷データ作成装置は、これらのデータを解釈し、解釈の結果として描画される図形及び前記位置情報を表示する。従って、修正すべき図形を視覚により容易に認識することができ、迅速なエラーに対する措置を採ることが可能になる。
【００２２】
【００２３】
【００２４】
請求項７に記載の印刷制御プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、前記課題を解決するために、前記印刷制御プログラムが、コンピュータに、印刷処理命令データを含む印刷データを受信する受信工程と、受信した印刷データを解釈する解釈工程と、前記印刷データの解釈の結果として描画される図形に関連した所定の位置情報を格納する位置情報記憶工程と、前記解釈の結果として実行される印刷処理中のエラーを検知するエラー検知工程と、前記エラー検知工程によるエラー検知時に前記格納した所定の位置情報を読み出す位置情報読出工程と、前記位置情報を前記印刷処理命令データに変換する変換工程と、該変換工程により前記位置情報として変換された前記印刷処理命令データと前記受信工程により受信した前記印刷データとを印刷データ作成装置に報知する報知工程とを実行させることを特徴とする。
【００２５】
請求項７に記載の印刷制御プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体をコンピュータに読み取らせることにより、印刷処理命令データを含む印刷データが受信されると、受信された印刷データの解釈が行われ、所定の図形が描画されることになる。そして、この図形を描画する際には、この図形に関連した所定の位置情報が格納される。ここで、前記図形の印刷処理中に、エラーが発生し、そのエラーが検知されたとすると、前記格納された前記位置情報が読み出され、前記印刷処理命令データに変換され、前記位置情報として変換された前記印刷処理命令データと、受信した前記印刷データは、印刷データ作成装置に報知される。そして、この報知された前記印刷処理命令データ及び前記印刷データは、印刷データ作成装置において表示されるので、前記位置情報に基づいて、修正すべき図形が容易に認識され、エラーに対する迅速な措置を採ることが可能になる。
【００２６】
請求項８に記載の印刷制御プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、前記請求項７に記載の記録媒体において、前記印刷制御プログラムが、コンピュータに、前記報知工程により報知される前記位置情報を表示する表示工程を更に実行させることを特徴とする。
【００２７】
請求項８に記載の印刷制御プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体をコンピュータに読み取らせることにより、前記報知される前記位置情報が表示示されるので、修正すべき図形の認識がより一層容易となる。
【００２８】
【００２９】
請求項９に記載の記録媒体は、前記課題を解決するために、印刷データ作成装置にて印刷処理命令データを含む印刷データを作成して送信し、該印刷データ作成装置に接続された印刷制御装置からの印刷処理中におけるエラー情報を受信して表示する印刷制御プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、前記印刷制御プログラムが、前記印刷データ作成装置のコンピュータに、前記印刷制御装置にて印刷データの解釈の結果として描画される図形に関連した所定の位置情報であって、前記エラー発生時に前記印刷処理命令データに変換されて送信される前記所定の位置情報及び前記印刷データを受信する受信工程と、前記位置情報としての前記印刷処理命令データ及び前記印刷データを解釈する解釈工程と、解釈の結果として描画される図形及び前記位置情報を表示する表示工程とを更に実行させることを特徴とする。
【００３０】
請求項９に記載の記録媒体をコンピュータに読み取らせることにより、前記エラー検知時に読み出される前記位置情報は、印刷制御装置において、前記印刷処理命令データに変換され、前記位置情報として変換された前記印刷処理命令データと、受信した前記印刷データは、印刷データ作成装置に報知される。一方、この位置情報としての前記印刷処理命令データ及び前記印刷データを受信した印刷データ作成装置は、これらのデータを解釈し、解釈の結果として描画される図形及び前記位置情報を表示する。従って、修正すべき図形を視覚により容易に認識することができ、より一層迅速なエラーに対する措置を採ることが可能になる。
【００３１】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【００３２】
（第１の実施形態）
まず、本発明の第１の実施形態を図１乃至図９に基づいて説明する。
【００３３】
図１（Ａ）は本発明の第１の実施形態における印刷制御装置を備えた印刷システムの概略構成を示すブロック図、図１（Ｂ）は本実施形態における印刷制御装置の制御プログラムの概略構成を示すブロック図である。
【００３４】
本実施形態においては、一般にプリンタサーバと呼ばれるコンピュータ上で制御プログラムを起動させることにより、当該プリンタサーバを印刷制御装置として機能させるものである。図１（Ａ）に示す通り、この印刷制御装置１０は、ＣＰＵ１と、ＲＯＭ２と、ＲＡＭ３と、ＨＤＤ４と、表示装置５と、出力用Ｉ／Ｆ６と、入力用Ｉ／Ｆ７とを備えている。また、夫々の手段はデータバス及びアドレスバスからなるシステムバス８を介して接続されている。
【００３５】
ＣＰＵ１は、ＲＯＭ３またはハードディスク４に格納された制御プログラムに基づいて、自ら演算処理を行い、あるいは後述する各構成要素を制御して、後述するフローチャートによって説明される機能を実行させる。
【００３６】
ＲＯＭ２は、印刷制御プログラムまたはデータの記憶可能なメモリであり、所定のタイミングで必要なプログラムを読み出してバス８に出力する。
【００３７】
ＲＡＭ３は、ＣＰＵ１における処理に必要なデータ等を一時的に記憶し、必要に応じてバス８に出力する。
【００３８】
ＨＤＤ４は、印刷制御プログラムあるいはデータ等を記憶可能な記憶媒体であり、本実施形態では、図１（Ｂ）に示すような各手順を有する本発明の印刷制御プログラムが格納されている。本実施形態においては、一旦ＲＡＭ３にこの印刷制御プログラムをロードし、ＣＰＵ１はＲＡＭ３上の手順を解釈して処理を行う。
【００３９】
ＨＤＤ４への印刷制御プログラムのインストールは、本発明の印刷制御プログラムが記録された記録媒体としてのＣＤ−ＲＯＭあるいはフロッピーディスクにより行うことができる。
【００４０】
また、本発明の印刷制御プログラムは、ＲＯＭ２に格納するようにしても良く、ＲＯＭ２に格納されている場合は、ＣＰＵ１がＲＯＭ２に格納されたプログラムを読み取り、ＣＰＵ１が手順を解釈して処理を行う。この場合には、ＲＯＭ２が本発明の印刷制御プログラムの記録された記録媒体となる。
【００４１】
表示装置５は、ＣＲＴ（Cathode Ray Tube）あるいはＬＣＤ（Liquid Crystal Display）等で構成され、印刷制御プログラムあるいは印刷データ等の表示を行う。
【００４２】
出力用Ｉ／Ｆ（インターフェース）６は、印刷制御装置１０と印刷装置９との通信を可能とするもので、印刷制御装置１０において生成された描画データ等を出力用ケーブル６ａを介して印刷装置９に出力する。なお、印刷制御装置１０と印刷装置９との接続は、出力用ケーブル６ａを用いる場合に限定されるものではなく、ネットワークを通じて行っても良い。
【００４３】
印刷装置９は、電子写真方式あるいはインクジェット方式の印刷エンジンを備えており、印刷制御装置１０から送信される描画データに基づいて印刷を行う。
【００４４】
入力用Ｉ／Ｆ７は、入力用ケーブル７ａを介して印刷制御装置１０とホスト装置１１とのデータ通信を可能としているインターフェースである。具体的には、ホスト装置１１から入力用ケーブル７ａを介して出力されるページ記述言語で記載された印刷データを入力し、バス８を介してＣＰＵ１による印刷データの読み取りを可能としている。なお、印刷制御装置１０とホスト装置１１との接続は、入力用ケーブル７ａを用いる場合に限定されるものではなく、ネットワークを通じて行っても良い。
【００４５】
ホスト装置１１は、パーソナルコンピュータ等により構成され、図２に示すように描画アプリケーションソフトウェアにより作成した画像データを、更に当該アプリケーションソフトウェアにより、アドビシステム（Adobe Systems）社のポストスクリプト、またはヒューレットパッカード（Hewlett Packard）社のＰＣＬ（Print Control Language）等のページ記述言語により記述された印刷データに変換し、入力用ケーブル７ａを介して当該印刷データを印刷制御装置１０に出力する。
【００４６】
以上のような構成により、印刷制御装置１０は、ホスト装置１１から出力される印刷データを解釈し、図２に示すようにビットマップデータあるいはランレングスデータに変換した上で、このビットマップデータを印刷装置９に出力して、印刷装置９による印刷処理を行わせる。
【００４７】
しかしながら、この印刷データの解釈時、あるいはホスト装置１１との通信時にエラーが発生した場合には、正常なビットマップデータへの変換処理を行うことができない。
【００４８】
そこで、従来は、印刷データの解釈処理を中断し、エラーが発生した命令と、エラー名とをホスト装置に通知するようにしていた。
【００４９】
しかしながら、このような情報だけでは、専門的な知識が無ければ適切に印刷データの修正を行うことができない。
【００５０】
そこで、本実施形態においては、エラーの発生原因となる命令とエラー名だけでなく、エラーの発生した図形に関連する位置情報をホスト装置に通知するようにした。以下、本実施形態における印刷制御方法について詳しく説明する。
【００５１】
本実施形態における印刷制御プログラムは、図１（Ｂ）に示すように、印刷データ解釈手順、代表点座標記憶手順、代表点座標読み出し手順、及び通知手順により構成されており、これらの手順はＣＰＵ１により実行される。
【００５２】
まず、印刷データ解釈手順について図３を用いて説明する。上述したように、ホスト装置１１から入力用ケーブル７ａを介して出力される印刷データは、入力用Ｉ／Ｆ７によって入力され、バス８を介してＣＰＵ１により読み込まれる（ステップＳ１）。次に、ＣＰＵ１により、読み込んだ印刷データの各命令ブロックごとに、その命令が描画命令であるか否かを判定し（ステップＳ２）、描画命令である場合は（ステップＳ２；ＹＥＳ）、図形に関連する位置情報としての代表点座標を記憶する手順を実行する（ステップＳ３）。
【００５３】
この手順は、図４に示されており、現在処理している図形の代表点座標を取得し（ステップＳ１０）、ＲＡＭ３またはハードディスク４の記憶装置に格納する（ステップＳ１１）。
【００５４】
つまり、本実施形態においては、図５に示す如く、従来のようにエラーの発生した命令を格納する領域２０とエラー名を格納する領域２１だけでなく、代表点座標を格納する領域２２がＲＡＭ３あるいはハードディスク４に形成されており、ホスト装置１１に通知する情報として、これらの情報を記憶するようにしている。
【００５５】
ここで、代表点座標とは、図形の位置を表すための点のことであり、様々な表現方法が考えられる。つまり、図６（Ａ）〜（Ｃ）のように、１点であっても良いし、複数点でも良い。また、図６（Ｄ）に示すように、エラーが発生した際に処理していた図形を囲む特定の図形を定義するようにしても良い。更には、エラーが発生していた図形の下方に位置する下線を定義するようにしても良い。
【００５６】
図６（Ａ）の例は、図形の描画開始点を代表点に選んだものであり、図６（Ｂ）は、図形の中心点を代表点に選んだものである。いずれの場合も、当該図形を描くためのページ記述言語の解釈の結果から求められる点である。
【００５７】
また、図６（Ｃ）の場合は、図形の重心を代表点に定めたもので、図６（Ｄ）は図形を取り囲む矩形を代表点に選んだものである。これらの場合は、ページ記述言語の解釈の後、更に代表点の算出のための演算が必要となる。
【００５８】
そして、以上のような代表点座標の記憶手順が終了すると、図３に示すように、各命令ブロックを解釈して、ビットマップデータ等への変換処理が行われる（ステップＳ４）。
【００５９】
一方、前記各命令ブロックごとの変換処理の実行により、メモリフルや、ページ記述言語の解釈不能といったエラーが発生した場合には（ステップＳ５；ＹＥＳ）、先に記憶した代表点座標を読み出す手順を実行する（ステップＳ６）。
【００６０】
この手順の詳細は、図７に示されており、ＲＡＭ３あるいはハードディスク４等の記憶装置から、代表点座標を読み出す手順を実行する（ステップＳ２０）。
【００６１】
そして、読み出した代表点座標をホスト装置１１に送信する手順を実行する（図３；ステップＳ７,図８；ステップＳ３０）。
【００６２】
図９は、このような通知処理の結果として、ホスト装置１１のディスプレイ１１ａに表示されたエラーメッセージの例を示している。図９に示すように、ディスプレイ１１ａには、エラー発生命令及びエラー名の他、「座標（５０，５０）の図形でエラーが発生しました」というメッセージが表示され、ユーザは、この情報により、エラーが発生した図形、更にはエラーの発生した命令及びエラー名を容易に特定することができ、描画方法等について不具合点が無かったか否かを描画アプリケーションソフトウェア上で確認することができる。
【００６３】
なお、上述した代表点座標を格納する領域２２のサイズあるいは格納方法は、図形及び代表点座標の取り方によって異なり、各図形及び代表点座標に応じた適宜の領域が確保される。
【００６４】
（第２の実施形態）
次に、本発明の第２の実施形態を図１０及び図１１に基づいて説明する。なお、第１の実施形態との共通箇所の説明は省略する。
【００６５】
本実施形態は、前記エラー情報及び代表点座標情報の通知先を、印刷制御装置１０の表示装置５としたところが第１の実施形態と異なるものである。
【００６６】
従って、図１０に示すように、本実施形態の通知手順は、エラー情報及び代表点座標情報を表示装置５に送信する手順となっている。
【００６７】
そして、エラー情報及び代表点座標情報は、図１１に示すように、印刷制御装置１０の表示装置５に表示されることになる。
【００６８】
本実施形態においても、ユーザは修正すべき図形を容易に把握することができ、特に、ホスト装置１１と印刷制御装置１０との設置場所が離れているような時には便利である。
【００６９】
また、第１の実施形態と第２の実施形態を組み合わせ、ホスト装置１１と印刷制御装置１０の表示装置５との両方に前記エラー情報及び代表点座標情報を表示させるようにしても良い。
【００７０】
（第３の実施形態）
次に、本発明の第３の実施形態を図１２乃至図１４に基づいて説明する。なお、第１の実施形態との共通箇所の説明は省略する。
【００７１】
本実施形態は、単に代表点座標情報をホスト装置に表示させるだけでなく、代表点座標情報をページ記述言語に変換し、ホスト装置において、その代表点座標を描画するように構成したところが第１の実施形態と異なる。
【００７２】
つまり、本実施形態の通知手順は、図１２に示すように、まず、読み出した代表点座標情報をページ記述言語（ＰＤＬ）に変換する（ステップＳ３２）。このページ記述言語はホスト装置１１において印刷データを作成する時に用いられるものと同じものである。
【００７３】
また、この時の代表点座標は図６（Ｄ）に示すよう、処理中の図形を取り囲むような図形を表すものである。
【００７４】
そして、以上のようにして変換したデータを、印刷データに付加する（ステップＳ３３）。つまり、本実施形態においては、ホスト装置１１から送信された印刷データそのものをハードディスク４に記憶しているため、前記代表点座標としての図形と共に、この図形により取り囲むべき図形をホスト装置１１上で表示させるために、エラー情報を通知する際に、代表点座標情報を印刷データに付加して（ステップＳ３３）、ホスト装置１１に送信する（ステップＳ３４）。
【００７５】
例えば、図１３のように、代表点座標を付加する。図１３の例では、「red setcolor」という命令は、エラー発生箇所の認識を容易にするために、代表点座標領域に赤色を付す旨の命令である。また、「50 50 10 20 rect」とは、図１４に示すように、エラー発生時に処理されていた星型の図形を取り囲む位置に、矩形Ａを描画させる旨の命令である。
【００７６】
このように代表点座標情報が付加された印刷データを、印刷制御装置１０からホスト装置１１に送信する。ホスト装置１１側は、ＰＤＬで記述されたデータを描画データに展開して表示するアプリケーションプログラムがインストールされているため、図１４のように、ディスプレイ上に印刷しようとした図形と、前記矩形Ａとが表示されることになる。
【００７７】
このような本実施形態によれば、修正すべき図形をより一層容易に認識することができる。
【００７８】
また、代表点座標情報としては、上述したような矩形の他にも、修正すべき図形の下方に描画させる下線を用いることもできる。
【００７９】
【発明の効果】
請求項１に記載の印刷制御装置によれば、印刷データの解釈の結果として描画される図形に関連した所定の位置情報を格納し、エラー検知時に前記所定の位置情報を読み出して印刷処理命令データに変換し、印刷処理命令データと印刷データとを報知するようにしたので、ユーザが専門的な知識を持ち合わせていない場合でも、修正すべき図形を前記位置情報に基づいて容易に認識させることができ、エラーに対する迅速な措置を採ることが可能になる。
【００８０】
請求項２に記載の印刷制御装置によれば、前記報知手段から報知される前記位置情報は、表示手段によって表示されるので、修正すべき図形の認識をより一層容易にすることができる。
【００８１】
請求項３に記載の印刷制御システムによれば、印刷データの解釈の結果として描画される図形に関連した所定の位置情報を格納し、エラー検知時に前記所定の位置情報を読み出して印刷処理命令データに変換し、印刷処理命令データと印刷データとを当該変換したデータを送信し、印刷データ作成装置においてこれらのデータを解釈し、解釈の結果として描画される図形及び前記位置情報を表示するようにしたので、ユーザが専門的な知識を持ち合わせていない場合でも、修正すべき図形を前記位置情報に基づいて視覚により容易に認識させることができ、エラーに対する迅速な措置を採ることが可能になる。
【００８２】
【００８３】
請求項４に記載の印刷制御方法によれば、印刷データの解釈の結果として描画される図形に関連した所定の位置情報を格納し、エラー検知時に前記所定の位置情報を読み出して印刷処理命令データに変換し、印刷処理命令データと印刷データとを報知するようにしたので、ユーザが専門的な知識を持ち合わせていない場合でも、修正すべき図形を前記位置情報に基づいて容易に認識させることができ、エラーに対する迅速な措置を採ることが可能になる。
【００８４】
請求項５に記載の印刷制御方法によれば、前記報知される前記位置情報は、表示手段によって表示されるので、修正すべき図形の認識をより一層容易にすることができる。
【００８５】
請求項６に記載の印刷制御方法によれば、印刷データの解釈の結果として描画される図形に関連した所定の位置情報を格納し、エラー検知時に前記所定の位置情報を読み出して印刷処理命令データに変換し、印刷データと当該変換したデータとを送信し、印刷データ作成装置においてこれらのデータを解釈し、解釈の結果として描画される図形及び前記位 置情報を表示するようにしたので、ユーザが専門的な知識を持ち合わせていない場合でも、修正すべき図形を前記位置情報に基づいて視覚により容易に認識させることができ、エラーに対する迅速な措置を採ることが可能になる。
【００８６】
【００８７】
請求項７に記載の印刷制御プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体をコンピュータに読み取らせることにより、印刷データの解釈の結果として描画される図形に関連した所定の位置情報を格納し、エラー検知時に前記所定の位置情報を読み出して印刷処理命令データに変換し、印刷データと当該変換したデータとを送信し、印刷データ作成装置において、この報知された前記印刷処理命令データ及び前記印刷データは表示されるので、ユーザが専門的な知識を持ち合わせていない場合でも、修正すべき図形を前記位置情報に基づいて容易に認識させることができ、エラーに対する迅速な措置を採ることが可能になる。
【００８８】
請求項８に記載の印刷制御プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体をコンピュータに読み取らせることにより、前記報知される前記位置情報は、表示手段によって表示されるので、修正すべき図形の認識をより一層容易にすることができる。
【００８９】
【００９０】
請求項９に記載の記録媒体をコンピュータに読み取らせることにより、前記エラー検知時に読み出される前記位置情報を、印刷処理命令データに変換し、印刷データと当該変換したデータとを送信し、印刷データ作成装置においてこれらのデータを解釈し、解釈の結果として描画される図形及び前記位置情報を表示するようにしたので、修正すべき図形を視覚により容易に認識させることができ、より一層迅速なエラーに対する措置を採ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 （Ａ）は、本発明の第１の実施形態の印刷制御装置を用いた印刷システムの概略構成を示すブロック図、（Ｂ）は本実施形態の印刷制御プログラムの構成を示すブロック図である。
【図２】 本発明の第１の実施形態における基本的なデータの流れを示す模式図である。
【図３】 本発明の第１の実施形態における印刷データ解釈手順の概略を示すフローチャートである。
【図４】 本発明の第１の実施形態における代表点座標記憶手順の概略を示すフローチャートである。
【図５】 本発明の第１の実施形態におけるエラー情報及び代表点座標情報の格納領域を説明するブロック図である。
【図６】 （Ａ）〜（Ｄ）は、本発明の第１の実施形態における代表点座標の例を示す説明図である。
【図７】 本発明の第１の実施形態における代表点座標読み出し手順の概略を示すフローチャートである。
【図８】 本発明の第１の実施形態における通知手順の概略構成を示すフローチャートである。
【図９】 本発明の第１の実施形態におけるエラー情報及び代表点座標情報の表示例を示す説明図である。
【図１０】 本発明の第２の実施形態における通知手順の概略を示すフローチャートである。
【図１１】 本発明の第２の実施形態におけるエラー情報及び代表点座標情報の表示例を示す説明図である。
【図１２】 本発明の第３の実施形態における通知手順の概略を示すフローチャートである。
【図１３】 本発明の第３の実施形態における代表点座標を付加した印刷データの例を示す説明図である。
【図１４】 本発明の第３の実施形態におけるエラー情報及び代表点座標情報の表示例を示す説明図である。
【符号の説明】
１…ＣＰＵ
２…ＲＯＭ
３…ＲＡＭ
４…ＨＤＤ
５…表示装置
６…出力用Ｉ／Ｆ
７…入力用Ｉ／Ｆ
８…バス
９…印刷装置
１０…印刷制御装置
１１…ホスト装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、ページ記述言語等の印刷処理命令を解釈して印刷処理を行いつつ、印刷処理中におけるエラーを検出して所定の処理を行う印刷制御装置及び印刷制御システム及び印刷制御方法並びに印刷制御プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体の技術分野に属するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、ネットワーク上でクライアント装置とプリンタ装置が接続されたプリントシステムにおいては、クライアント装置からプリンタ装置に対してページ記述言語で記述された印刷データを送信し、プリンタ装置において当該ページ記述言語を解釈して、ビットマップデータ等に変換している。
【０００３】
そして、前記クライアント装置から送信されたページ記述言語の解釈時に、命令を解釈できない等のエラーが発生した場合は、エラーが発生した命令とそのエラー名をプリンタ装置からクライアント装置に通知し、解釈処理を中断して印刷を実行しないように構成されている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の装置においては、ユーザに与えられる情報はエラーが発生した命令と、エラー名のみであるため、ユーザはこれだけの情報に基づいて印刷データの見直しを行い、印刷データを修正して再び印刷制御装置に送るといった作業を行う必要があった。
【０００５】
しかし、これだけの情報では、専門的な知識を必要とする印刷データの修正を適切に行うのは困難であった。
【０００６】
また、印刷データを修正することが不可能であれば、別の印刷システムで印刷を試みて、印刷データが正しいか否かを確認した後、印刷制御装置のメーカーに問い合わせ対処方法を仰ぐといった手間のかかる作業を行う必要があった。
【０００７】
そこで、本発明は、エラーが発生した場合でも、修復を容易に行うことのできる印刷制御装置及び印刷制御システム及び印刷制御方法並びに印刷制御プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを課題としている。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
請求項１に記載の印刷制御装置は、前記課題を解決するために、印刷処理命令データを含む印刷データを受信する受信手段と、受信した印刷データを解釈する解釈手段と、前記印刷データの解釈の結果として描画される図形に関連した所定の位置情報を格納する位置情報記憶手段と、前記解釈の結果として実行される印刷処理中のエラーを検知するエラー検知手段と、前記エラー検知手段によるエラー検知時に前記位置情報記憶手段から前記所定の位置情報を読み出す位置情報読出手段と、前記位置情報を前記印刷処理命令データに変換する変換手段と、該変換手段により前記位置情報として変換された前記印刷処理命令データと前記受信手段により受信した前記印刷データとを印刷データ作成装置に報知する報知手段とを備えたことを特徴とする。
【０００９】
請求項１に記載の印刷制御装置によれば、印刷処理命令データを含む印刷データが受信手段により受信されると、受信された印刷データは、解釈手段により解釈され、所定の図形が描画されることになる。そして、この図形を描画する際には、この図形に関連した所定の位置情報が位置情報記憶手段に格納される。ここで、前記図形の印刷処理中に、エラーが発生し、そのエラーがエラー検知手段に検知されたとすると、前記位置情報記憶手段に格納された前記位置情報は、位置情報読出手段によって読み出され、読み出された前記位置情報は、変換手段により、前記印刷処理命令データに変換され、該変換手段により前記位置情報として変換された前記印刷処理命令データと前記受信手段により受信した前記印刷データは、報知手段により印刷データ作成装置に報知される。従って、前記位置情報に基づいて、修正すべき図形が容易に認識され、エラーに対する迅速な措置を採ることが可能になる。
【００１０】
請求項２に記載の印刷制御装置は、前記請求項１に記載の印刷制御装置において、前記報知手段から報知される前記位置情報を表示する表示手段を更に備えたことを特徴とする。
【００１１】
請求項２に記載の印刷制御装置によれば、前記報知手段から報知される前記位置情報は、表示手段によって表示されるので、修正すべき図形の認識がより一層容易となる。
【００１２】
請求項３に記載の印刷制御システムは、前記課題を解決するために、印刷処理命令データを含む印刷データを作成する印刷データ作成装置と、該印刷データ作成装置に接続され該印刷データ作成装置から送信される前記印刷データに基づいて印刷処理を行う印刷制御装置とを備えた印刷制御システムであって、前記印刷制御装置は、前記印刷データを受信する受信手段と、受信した印刷データを解釈する解釈手段と、前記印刷データの解釈の結果として描画される図形に関連した所定の位置情報を格納する位置情報記憶手段と、前記解釈の結果として実行される印刷処理中のエラーを検知するエラー検知手段と、前記エラー検知手段によるエラー検知時に前記位置情報記憶手段から前記所定の位置情報を読み出す位置情報読出手段と、前記位置情報を前記印刷処理命令データに変換する変換手段と、該変換手段により前記位置情報として変換された前記印刷処理命令データと前記受信手段により受信した前記印刷データとを前記印刷データ作成装置に報知する報知手段とを備え、前記印刷データ作成装置は、前記印刷処理命令データと前記印刷データとを受信する受信手段と、前記位置情報としての前記印刷処理命令データ及び前記印刷データを解釈する解釈手段と、解釈の結果として描画される図形及び前記位置情報を表示する表示手段とを備えたことを特徴とする。
【００１３】
請求項３に記載の印刷制御システムによれば、印刷制御装置は、印刷データ作成装置により作成され、印刷処理命令データを含む印刷データが、印刷データ作成装置から送信されると、当該印刷データは前記印刷制御装置の受信手段により受信され、受信された印刷データは、解釈手段により解釈され、所定の図形が描画されることになる。そして、この図形を描画する際には、この図形に関連した所定の位置情報が位置情報記憶手段に格納される。ここで、前記図形の印刷処理中に、エラーが発生し、そのエラーがエラー検知手段に検知されたとすると、前記位置情報記憶手段に格納された前記位置情報は、位置情報読出手段によって読み出され、読み出された前記位置情報は、変換手段により、前記印刷処理命令データに変換され、該変換手段により前記位置情報として変換された前記印刷処理命令データと前記受信手段により受信した前記印刷データは、報知手段により印刷データ作成装置に対して報知される。一方、この位置情報としての前記印刷処理命令データ及び前記印刷データを受信手段により受信した印刷データ作成装置は、解釈手段によりこれらのデータを解釈し、解釈の結果として描画される図形及び前記位置情報を表示手段により表示する。従って、修正すべき図形を視覚により容易に認識することができ、迅速なエラーに対する措置を採ることが可能になる。
【００１４】
【００１５】
【００１６】
請求項４に記載の印刷制御方法は、前記課題を解決するために、印刷処理命令データを含む印刷データを受信する受信工程と、受信した印刷データを解釈する解釈工程と、前記印刷データの解釈の結果として描画される図形に関連した所定の位置情報を格納する位置情報記憶工程と、前記解釈の結果として実行される印刷処理中のエラーを検知するエラー検知工程と、前記エラー検知工程によるエラー検知時に前記格納した所定の位置情報を読み出す位置情報読出工程と、前記位置情報を前記印刷処理命令データに変換する変換工程と、該変換工程により前記位置情報として変換された前記印刷処理命令データと前記受信工程により受信した前記印刷データとを印刷データ作成装置に報知する報知工程とを備えたことを特徴とする。
【００１７】
請求項４に記載の印刷制御方法によれば、印刷処理命令データを含む印刷データが受信されると、受信された印刷データの解釈が行われ、所定の図形が描画されることになる。そして、この図形を描画する際には、この図形に関連した所定の位置情報が格納される。ここで、前記図形の印刷処理中に、エラーが発生し、そのエラーが検知されたとすると、前記格納された前記位置情報が読み出され、読み出された前記位置情報は、前記印刷処理命令データに変換され、前記位置情報として変換された前記印刷処理命令データと、受信した前記印刷データは、印刷データ作成装置に報知される。従って、前記位置情報に基づいて、修正すべき図形が容易に認識され、エラーに対する迅速な措置を採ることが可能になる。
【００１８】
請求項５に記載の印刷制御方法は、前記請求項４に記載の印刷制御方法において、前記報知工程により報知される前記位置情報を表示する表示工程を更に備えたことを特徴とする。
【００１９】
請求項５に記載の印刷制御方法によれば、前記報知される前記位置情報が表示示されるので、修正すべき図形の認識がより一層容易となる。
【００２０】
請求項６に記載の印刷制御方法は、前記課題を解決するために、印刷データ作成装置にて印刷処理命令データを含む印刷データを作成して送信し、該印刷データ作成装置に接続された印刷制御装置にて受信した前記印刷データに基づいて印刷処理を行う印刷制御方法であって、前記印刷制御装置にて、前記印刷データを受信する受信工程と、受信した印刷データを解釈する解釈工程と、前記印刷データの解釈の結果として描画される図形に関連した所定の位置情報を格納する位置情報記憶工程と、前記解釈の結果として実行される印刷処理中のエラーを検知するエラー検知工程と、前記エラー検知工程によるエラー検知時に前記格納した所定の位置情報を読み出す位置情報読出工程と、前記位置情報を前記印刷処理命令データに変換する変換工程と、該変換工程により前記位置情報として変換された前記印刷処理命令データと前記受信工程により受信した前記印刷データとを前記印刷データ作成装置に報知する報知工程とを備え、前記印刷データ作成装置にて、前記印刷処理命令データと前記受信工程により受信した前記印刷データとを受信する受信工程と、前記位置情報としての前記印刷処理命令データ及び前記印刷データを解釈する解釈工程と、解釈の結果として描画される図形及び前記位置情報を表示する表示工程とを備えたことを特徴とする。
【００２１】
請求項６に記載の印刷制御方法によれば、印刷データ作成装置により作成され、印刷処理命令データを含む印刷データが、印刷データ作成装置から送信されると、当該印刷データは印刷制御装置において受信され、受信された印刷データが解釈され、所定の図形が描画されることになる。そして、この図形を描画する際には、この図形に関連した所定の位置情報が格納される。ここで、前記図形の印刷処理中に、エラーが発生し、そのエラーが検知されたとすると、前記格納された前記位置情報が読み出され、読み出された前記位置情報は、前記印刷処理命令データに変換され、前記位置情報として変換された前記印刷処理命令データと、受信した前記印刷データは、印刷データ作成装置に対して報知される。一方、この位置情報としての前記印刷処理命令データ及び前記印刷データを受信した印刷データ作成装置は、これらのデータを解釈し、解釈の結果として描画される図形及び前記位置情報を表示する。従って、修正すべき図形を視覚により容易に認識することができ、迅速なエラーに対する措置を採ることが可能になる。
【００２２】
【００２３】
【００２４】
請求項７に記載の印刷制御プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、前記課題を解決するために、前記印刷制御プログラムが、コンピュータに、印刷処理命令データを含む印刷データを受信する受信工程と、受信した印刷データを解釈する解釈工程と、前記印刷データの解釈の結果として描画される図形に関連した所定の位置情報を格納する位置情報記憶工程と、前記解釈の結果として実行される印刷処理中のエラーを検知するエラー検知工程と、前記エラー検知工程によるエラー検知時に前記格納した所定の位置情報を読み出す位置情報読出工程と、前記位置情報を前記印刷処理命令データに変換する変換工程と、該変換工程により前記位置情報として変換された前記印刷処理命令データと前記受信工程により受信した前記印刷データとを印刷データ作成装置に報知する報知工程とを実行させることを特徴とする。
【００２５】
請求項７に記載の印刷制御プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体をコンピュータに読み取らせることにより、印刷処理命令データを含む印刷データが受信されると、受信された印刷データの解釈が行われ、所定の図形が描画されることになる。そして、この図形を描画する際には、この図形に関連した所定の位置情報が格納される。ここで、前記図形の印刷処理中に、エラーが発生し、そのエラーが検知されたとすると、前記格納された前記位置情報が読み出され、前記印刷処理命令データに変換され、前記位置情報として変換された前記印刷処理命令データと、受信した前記印刷データは、印刷データ作成装置に報知される。そして、この報知された前記印刷処理命令データ及び前記印刷データは、印刷データ作成装置において表示されるので、前記位置情報に基づいて、修正すべき図形が容易に認識され、エラーに対する迅速な措置を採ることが可能になる。
【００２６】
請求項８に記載の印刷制御プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、前記請求項７に記載の記録媒体において、前記印刷制御プログラムが、コンピュータに、前記報知工程により報知される前記位置情報を表示する表示工程を更に実行させることを特徴とする。
【００２７】
請求項８に記載の印刷制御プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体をコンピュータに読み取らせることにより、前記報知される前記位置情報が表示示されるので、修正すべき図形の認識がより一層容易となる。
【００２８】
【００２９】
請求項９に記載の記録媒体は、前記課題を解決するために、印刷データ作成装置にて印刷処理命令データを含む印刷データを作成して送信し、該印刷データ作成装置に接続された印刷制御装置からの印刷処理中におけるエラー情報を受信して表示する印刷制御プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、前記印刷制御プログラムが、前記印刷データ作成装置のコンピュータに、前記印刷制御装置にて印刷データの解釈の結果として描画される図形に関連した所定の位置情報であって、前記エラー発生時に前記印刷処理命令データに変換されて送信される前記所定の位置情報及び前記印刷データを受信する受信工程と、前記位置情報としての前記印刷処理命令データ及び前記印刷データを解釈する解釈工程と、解釈の結果として描画される図形及び前記位置情報を表示する表示工程とを更に実行させることを特徴とする。
【００３０】
請求項９に記載の記録媒体をコンピュータに読み取らせることにより、前記エラー検知時に読み出される前記位置情報は、印刷制御装置において、前記印刷処理命令データに変換され、前記位置情報として変換された前記印刷処理命令データと、受信した前記印刷データは、印刷データ作成装置に報知される。一方、この位置情報としての前記印刷処理命令データ及び前記印刷データを受信した印刷データ作成装置は、これらのデータを解釈し、解釈の結果として描画される図形及び前記位置情報を表示する。従って、修正すべき図形を視覚により容易に認識することができ、より一層迅速なエラーに対する措置を採ることが可能になる。
【００３１】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【００３２】
（第１の実施形態）
まず、本発明の第１の実施形態を図１乃至図９に基づいて説明する。
【００３３】
図１（Ａ）は本発明の第１の実施形態における印刷制御装置を備えた印刷システムの概略構成を示すブロック図、図１（Ｂ）は本実施形態における印刷制御装置の制御プログラムの概略構成を示すブロック図である。
【００３４】
本実施形態においては、一般にプリンタサーバと呼ばれるコンピュータ上で制御プログラムを起動させることにより、当該プリンタサーバを印刷制御装置として機能させるものである。図１（Ａ）に示す通り、この印刷制御装置１０は、ＣＰＵ１と、ＲＯＭ２と、ＲＡＭ３と、ＨＤＤ４と、表示装置５と、出力用Ｉ／Ｆ６と、入力用Ｉ／Ｆ７とを備えている。また、夫々の手段はデータバス及びアドレスバスからなるシステムバス８を介して接続されている。
【００３５】
ＣＰＵ１は、ＲＯＭ３またはハードディスク４に格納された制御プログラムに基づいて、自ら演算処理を行い、あるいは後述する各構成要素を制御して、後述するフローチャートによって説明される機能を実行させる。
【００３６】
ＲＯＭ２は、印刷制御プログラムまたはデータの記憶可能なメモリであり、所定のタイミングで必要なプログラムを読み出してバス８に出力する。
【００３７】
ＲＡＭ３は、ＣＰＵ１における処理に必要なデータ等を一時的に記憶し、必要に応じてバス８に出力する。
【００３８】
ＨＤＤ４は、印刷制御プログラムあるいはデータ等を記憶可能な記憶媒体であり、本実施形態では、図１（Ｂ）に示すような各手順を有する本発明の印刷制御プログラムが格納されている。本実施形態においては、一旦ＲＡＭ３にこの印刷制御プログラムをロードし、ＣＰＵ１はＲＡＭ３上の手順を解釈して処理を行う。
【００３９】
ＨＤＤ４への印刷制御プログラムのインストールは、本発明の印刷制御プログラムが記録された記録媒体としてのＣＤ−ＲＯＭあるいはフロッピーディスクにより行うことができる。
【００４０】
また、本発明の印刷制御プログラムは、ＲＯＭ２に格納するようにしても良く、ＲＯＭ２に格納されている場合は、ＣＰＵ１がＲＯＭ２に格納されたプログラムを読み取り、ＣＰＵ１が手順を解釈して処理を行う。この場合には、ＲＯＭ２が本発明の印刷制御プログラムの記録された記録媒体となる。
【００４１】
表示装置５は、ＣＲＴ（Cathode Ray Tube）あるいはＬＣＤ（Liquid Crystal Display）等で構成され、印刷制御プログラムあるいは印刷データ等の表示を行う。
【００４２】
出力用Ｉ／Ｆ（インターフェース）６は、印刷制御装置１０と印刷装置９との通信を可能とするもので、印刷制御装置１０において生成された描画データ等を出力用ケーブル６ａを介して印刷装置９に出力する。なお、印刷制御装置１０と印刷装置９との接続は、出力用ケーブル６ａを用いる場合に限定されるものではなく、ネットワークを通じて行っても良い。
【００４３】
印刷装置９は、電子写真方式あるいはインクジェット方式の印刷エンジンを備えており、印刷制御装置１０から送信される描画データに基づいて印刷を行う。
【００４４】
入力用Ｉ／Ｆ７は、入力用ケーブル７ａを介して印刷制御装置１０とホスト装置１１とのデータ通信を可能としているインターフェースである。具体的には、ホスト装置１１から入力用ケーブル７ａを介して出力されるページ記述言語で記載された印刷データを入力し、バス８を介してＣＰＵ１による印刷データの読み取りを可能としている。なお、印刷制御装置１０とホスト装置１１との接続は、入力用ケーブル７ａを用いる場合に限定されるものではなく、ネットワークを通じて行っても良い。
【００４５】
ホスト装置１１は、パーソナルコンピュータ等により構成され、図２に示すように描画アプリケーションソフトウェアにより作成した画像データを、更に当該アプリケーションソフトウェアにより、アドビシステム（Adobe Systems）社のポストスクリプト、またはヒューレットパッカード（Hewlett Packard）社のＰＣＬ（Print Control Language）等のページ記述言語により記述された印刷データに変換し、入力用ケーブル７ａを介して当該印刷データを印刷制御装置１０に出力する。
【００４６】
以上のような構成により、印刷制御装置１０は、ホスト装置１１から出力される印刷データを解釈し、図２に示すようにビットマップデータあるいはランレングスデータに変換した上で、このビットマップデータを印刷装置９に出力して、印刷装置９による印刷処理を行わせる。
【００４７】
しかしながら、この印刷データの解釈時、あるいはホスト装置１１との通信時にエラーが発生した場合には、正常なビットマップデータへの変換処理を行うことができない。
【００４８】
そこで、従来は、印刷データの解釈処理を中断し、エラーが発生した命令と、エラー名とをホスト装置に通知するようにしていた。
【００４９】
しかしながら、このような情報だけでは、専門的な知識が無ければ適切に印刷データの修正を行うことができない。
【００５０】
そこで、本実施形態においては、エラーの発生原因となる命令とエラー名だけでなく、エラーの発生した図形に関連する位置情報をホスト装置に通知するようにした。以下、本実施形態における印刷制御方法について詳しく説明する。
【００５１】
本実施形態における印刷制御プログラムは、図１（Ｂ）に示すように、印刷データ解釈手順、代表点座標記憶手順、代表点座標読み出し手順、及び通知手順により構成されており、これらの手順はＣＰＵ１により実行される。
【００５２】
まず、印刷データ解釈手順について図３を用いて説明する。上述したように、ホスト装置１１から入力用ケーブル７ａを介して出力される印刷データは、入力用Ｉ／Ｆ７によって入力され、バス８を介してＣＰＵ１により読み込まれる（ステップＳ１）。次に、ＣＰＵ１により、読み込んだ印刷データの各命令ブロックごとに、その命令が描画命令であるか否かを判定し（ステップＳ２）、描画命令である場合は（ステップＳ２；ＹＥＳ）、図形に関連する位置情報としての代表点座標を記憶する手順を実行する（ステップＳ３）。
【００５３】
この手順は、図４に示されており、現在処理している図形の代表点座標を取得し（ステップＳ１０）、ＲＡＭ３またはハードディスク４の記憶装置に格納する（ステップＳ１１）。
【００５４】
つまり、本実施形態においては、図５に示す如く、従来のようにエラーの発生した命令を格納する領域２０とエラー名を格納する領域２１だけでなく、代表点座標を格納する領域２２がＲＡＭ３あるいはハードディスク４に形成されており、ホスト装置１１に通知する情報として、これらの情報を記憶するようにしている。
【００５５】
ここで、代表点座標とは、図形の位置を表すための点のことであり、様々な表現方法が考えられる。つまり、図６（Ａ）〜（Ｃ）のように、１点であっても良いし、複数点でも良い。また、図６（Ｄ）に示すように、エラーが発生した際に処理していた図形を囲む特定の図形を定義するようにしても良い。更には、エラーが発生していた図形の下方に位置する下線を定義するようにしても良い。
【００５６】
図６（Ａ）の例は、図形の描画開始点を代表点に選んだものであり、図６（Ｂ）は、図形の中心点を代表点に選んだものである。いずれの場合も、当該図形を描くためのページ記述言語の解釈の結果から求められる点である。
【００５７】
また、図６（Ｃ）の場合は、図形の重心を代表点に定めたもので、図６（Ｄ）は図形を取り囲む矩形を代表点に選んだものである。これらの場合は、ページ記述言語の解釈の後、更に代表点の算出のための演算が必要となる。
【００５８】
そして、以上のような代表点座標の記憶手順が終了すると、図３に示すように、各命令ブロックを解釈して、ビットマップデータ等への変換処理が行われる（ステップＳ４）。
【００５９】
一方、前記各命令ブロックごとの変換処理の実行により、メモリフルや、ページ記述言語の解釈不能といったエラーが発生した場合には（ステップＳ５；ＹＥＳ）、先に記憶した代表点座標を読み出す手順を実行する（ステップＳ６）。
【００６０】
この手順の詳細は、図７に示されており、ＲＡＭ３あるいはハードディスク４等の記憶装置から、代表点座標を読み出す手順を実行する（ステップＳ２０）。
【００６１】
そして、読み出した代表点座標をホスト装置１１に送信する手順を実行する（図３；ステップＳ７,図８；ステップＳ３０）。
【００６２】
図９は、このような通知処理の結果として、ホスト装置１１のディスプレイ１１ａに表示されたエラーメッセージの例を示している。図９に示すように、ディスプレイ１１ａには、エラー発生命令及びエラー名の他、「座標（５０，５０）の図形でエラーが発生しました」というメッセージが表示され、ユーザは、この情報により、エラーが発生した図形、更にはエラーの発生した命令及びエラー名を容易に特定することができ、描画方法等について不具合点が無かったか否かを描画アプリケーションソフトウェア上で確認することができる。
【００６３】
なお、上述した代表点座標を格納する領域２２のサイズあるいは格納方法は、図形及び代表点座標の取り方によって異なり、各図形及び代表点座標に応じた適宜の領域が確保される。
【００６４】
（第２の実施形態）
次に、本発明の第２の実施形態を図１０及び図１１に基づいて説明する。なお、第１の実施形態との共通箇所の説明は省略する。
【００６５】
本実施形態は、前記エラー情報及び代表点座標情報の通知先を、印刷制御装置１０の表示装置５としたところが第１の実施形態と異なるものである。
【００６６】
従って、図１０に示すように、本実施形態の通知手順は、エラー情報及び代表点座標情報を表示装置５に送信する手順となっている。
【００６７】
そして、エラー情報及び代表点座標情報は、図１１に示すように、印刷制御装置１０の表示装置５に表示されることになる。
【００６８】
本実施形態においても、ユーザは修正すべき図形を容易に把握することができ、特に、ホスト装置１１と印刷制御装置１０との設置場所が離れているような時には便利である。
【００６９】
また、第１の実施形態と第２の実施形態を組み合わせ、ホスト装置１１と印刷制御装置１０の表示装置５との両方に前記エラー情報及び代表点座標情報を表示させるようにしても良い。
【００７０】
（第３の実施形態）
次に、本発明の第３の実施形態を図１２乃至図１４に基づいて説明する。なお、第１の実施形態との共通箇所の説明は省略する。
【００７１】
本実施形態は、単に代表点座標情報をホスト装置に表示させるだけでなく、代表点座標情報をページ記述言語に変換し、ホスト装置において、その代表点座標を描画するように構成したところが第１の実施形態と異なる。
【００７２】
つまり、本実施形態の通知手順は、図１２に示すように、まず、読み出した代表点座標情報をページ記述言語（ＰＤＬ）に変換する（ステップＳ３２）。このページ記述言語はホスト装置１１において印刷データを作成する時に用いられるものと同じものである。
【００７３】
また、この時の代表点座標は図６（Ｄ）に示すよう、処理中の図形を取り囲むような図形を表すものである。
【００７４】
そして、以上のようにして変換したデータを、印刷データに付加する（ステップＳ３３）。つまり、本実施形態においては、ホスト装置１１から送信された印刷データそのものをハードディスク４に記憶しているため、前記代表点座標としての図形と共に、この図形により取り囲むべき図形をホスト装置１１上で表示させるために、エラー情報を通知する際に、代表点座標情報を印刷データに付加して（ステップＳ３３）、ホスト装置１１に送信する（ステップＳ３４）。
【００７５】
例えば、図１３のように、代表点座標を付加する。図１３の例では、「red setcolor」という命令は、エラー発生箇所の認識を容易にするために、代表点座標領域に赤色を付す旨の命令である。また、「50 50 10 20 rect」とは、図１４に示すように、エラー発生時に処理されていた星型の図形を取り囲む位置に、矩形Ａを描画させる旨の命令である。
【００７６】
このように代表点座標情報が付加された印刷データを、印刷制御装置１０からホスト装置１１に送信する。ホスト装置１１側は、ＰＤＬで記述されたデータを描画データに展開して表示するアプリケーションプログラムがインストールされているため、図１４のように、ディスプレイ上に印刷しようとした図形と、前記矩形Ａとが表示されることになる。
【００７７】
このような本実施形態によれば、修正すべき図形をより一層容易に認識することができる。
【００７８】
また、代表点座標情報としては、上述したような矩形の他にも、修正すべき図形の下方に描画させる下線を用いることもできる。
【００７９】
【発明の効果】
請求項１に記載の印刷制御装置によれば、印刷データの解釈の結果として描画される図形に関連した所定の位置情報を格納し、エラー検知時に前記所定の位置情報を読み出して印刷処理命令データに変換し、印刷処理命令データと印刷データとを報知するようにしたので、ユーザが専門的な知識を持ち合わせていない場合でも、修正すべき図形を前記位置情報に基づいて容易に認識させることができ、エラーに対する迅速な措置を採ることが可能になる。
【００８０】
請求項２に記載の印刷制御装置によれば、前記報知手段から報知される前記位置情報は、表示手段によって表示されるので、修正すべき図形の認識をより一層容易にすることができる。
【００８１】
請求項３に記載の印刷制御システムによれば、印刷データの解釈の結果として描画される図形に関連した所定の位置情報を格納し、エラー検知時に前記所定の位置情報を読み出して印刷処理命令データに変換し、印刷処理命令データと印刷データとを当該変換したデータを送信し、印刷データ作成装置においてこれらのデータを解釈し、解釈の結果として描画される図形及び前記位置情報を表示するようにしたので、ユーザが専門的な知識を持ち合わせていない場合でも、修正すべき図形を前記位置情報に基づいて視覚により容易に認識させることができ、エラーに対する迅速な措置を採ることが可能になる。
【００８２】
【００８３】
請求項４に記載の印刷制御方法によれば、印刷データの解釈の結果として描画される図形に関連した所定の位置情報を格納し、エラー検知時に前記所定の位置情報を読み出して印刷処理命令データに変換し、印刷処理命令データと印刷データとを報知するようにしたので、ユーザが専門的な知識を持ち合わせていない場合でも、修正すべき図形を前記位置情報に基づいて容易に認識させることができ、エラーに対する迅速な措置を採ることが可能になる。
【００８４】
請求項５に記載の印刷制御方法によれば、前記報知される前記位置情報は、表示手段によって表示されるので、修正すべき図形の認識をより一層容易にすることができる。
【００８５】
請求項６に記載の印刷制御方法によれば、印刷データの解釈の結果として描画される図形に関連した所定の位置情報を格納し、エラー検知時に前記所定の位置情報を読み出して印刷処理命令データに変換し、印刷データと当該変換したデータとを送信し、印刷データ作成装置においてこれらのデータを解釈し、解釈の結果として描画される図形及び前記位 置情報を表示するようにしたので、ユーザが専門的な知識を持ち合わせていない場合でも、修正すべき図形を前記位置情報に基づいて視覚により容易に認識させることができ、エラーに対する迅速な措置を採ることが可能になる。
【００８６】
【００８７】
請求項７に記載の印刷制御プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体をコンピュータに読み取らせることにより、印刷データの解釈の結果として描画される図形に関連した所定の位置情報を格納し、エラー検知時に前記所定の位置情報を読み出して印刷処理命令データに変換し、印刷データと当該変換したデータとを送信し、印刷データ作成装置において、この報知された前記印刷処理命令データ及び前記印刷データは表示されるので、ユーザが専門的な知識を持ち合わせていない場合でも、修正すべき図形を前記位置情報に基づいて容易に認識させることができ、エラーに対する迅速な措置を採ることが可能になる。
【００８８】
請求項８に記載の印刷制御プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体をコンピュータに読み取らせることにより、前記報知される前記位置情報は、表示手段によって表示されるので、修正すべき図形の認識をより一層容易にすることができる。
【００８９】
【００９０】
請求項９に記載の記録媒体をコンピュータに読み取らせることにより、前記エラー検知時に読み出される前記位置情報を、印刷処理命令データに変換し、印刷データと当該変換したデータとを送信し、印刷データ作成装置においてこれらのデータを解釈し、解釈の結果として描画される図形及び前記位置情報を表示するようにしたので、修正すべき図形を視覚により容易に認識させることができ、より一層迅速なエラーに対する措置を採ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 （Ａ）は、本発明の第１の実施形態の印刷制御装置を用いた印刷システムの概略構成を示すブロック図、（Ｂ）は本実施形態の印刷制御プログラムの構成を示すブロック図である。
【図２】 本発明の第１の実施形態における基本的なデータの流れを示す模式図である。
【図３】 本発明の第１の実施形態における印刷データ解釈手順の概略を示すフローチャートである。
【図４】 本発明の第１の実施形態における代表点座標記憶手順の概略を示すフローチャートである。
【図５】 本発明の第１の実施形態におけるエラー情報及び代表点座標情報の格納領域を説明するブロック図である。
【図６】 （Ａ）〜（Ｄ）は、本発明の第１の実施形態における代表点座標の例を示す説明図である。
【図７】 本発明の第１の実施形態における代表点座標読み出し手順の概略を示すフローチャートである。
【図８】 本発明の第１の実施形態における通知手順の概略構成を示すフローチャートである。
【図９】 本発明の第１の実施形態におけるエラー情報及び代表点座標情報の表示例を示す説明図である。
【図１０】 本発明の第２の実施形態における通知手順の概略を示すフローチャートである。
【図１１】 本発明の第２の実施形態におけるエラー情報及び代表点座標情報の表示例を示す説明図である。
【図１２】 本発明の第３の実施形態における通知手順の概略を示すフローチャートである。
【図１３】 本発明の第３の実施形態における代表点座標を付加した印刷データの例を示す説明図である。
【図１４】 本発明の第３の実施形態におけるエラー情報及び代表点座標情報の表示例を示す説明図である。
【符号の説明】
１…ＣＰＵ
２…ＲＯＭ
３…ＲＡＭ
４…ＨＤＤ
５…表示装置
６…出力用Ｉ／Ｆ
７…入力用Ｉ／Ｆ
８…バス
９…印刷装置
１０…印刷制御装置
１１…ホスト装置
Claims (9)
- 印刷処理命令データを含む印刷データを受信する受信手段と、
前記受信した印刷データを解釈する解釈手段と、
前記印刷データの解釈の結果として描画される図形に関連した所定の位置情報を格納する位置情報記憶手段と、
前記解釈の結果として実行される印刷処理中のエラーを検知するエラー検知手段と、
前記エラー検知手段によるエラー検知時に前記位置情報記憶手段から前記所定の位置情報を読み出す位置情報読出手段と、
前記読み出された位置情報を前記印刷処理命令データに変換する変換手段と、
前記変換手段により前記位置情報として変換された前記印刷処理命令データと前記受信手段により受信した前記印刷データとを印刷データ作成装置に報知する報知手段と、
を備えたことを特徴とする印刷制御装置。 - 前記報知手段から報知される前記位置情報を表示する表示手段を更に備えたことを特徴とする請求項１に記載の印刷制御装置。
- 印刷処理命令データを含む印刷データを作成する印刷データ作成装置と、該印刷データ作成装置に接続され該印刷データ作成装置から送信される前記印刷データに基づいて印刷処理を行う印刷制御装置とを備えた印刷制御システムであって、
前記印刷制御装置は、前記印刷データを受信する受信手段と、
前記受信した印刷データを解釈する解釈手段と、
前記印刷データの解釈の結果として描画される図形に関連した所定の位置情報を格納する位置情報記憶手段と、
前記解釈の結果として実行される印刷処理中のエラーを検知するエラー検知手段と、
前記エラー検知手段によるエラー検知時に前記位置情報記憶手段から前記所定の位置情報を読み出す位置情報読出手段と、
前記読み出された位置情報を前記印刷処理命令データに変換する変換手段と、
前記変換手段により前記位置情報として変換された前記印刷処理命令データと前記受信手段により受信した前記印刷データとを前記印刷データ作成装置に報知する報知手段とを備え、
前記印刷データ作成装置は、前記印刷処理命令データと前記印刷データとを受信する受信手段と、
前記位置情報としての前記印刷処理命令データ及び前記印刷データを解釈する解釈手段と、
解釈の結果として描画される図形及び前記位置情報を表示する表示手段とを備えた、
ことを特徴とする印刷制御システム。 - 印刷処理命令データを含む印刷データを受信する受信工程と、
前記受信した印刷データを解釈する解釈工程と、
前記印刷データの解釈の結果として描画される図形に関連した所定の位置情報を格納する位置情報記憶工程と、
前記解釈の結果として実行される印刷処理中のエラーを検知するエラー検知工程と、
前記エラー検知工程によるエラー検知時に前記格納した所定の位置情報を読み出す位置情報読出工程と、
前記読み出された位置情報を前記印刷処理命令データに変換する変換工程と、
前記変換工程により前記位置情報として変換された前記印刷処理命令データと前記受信工程により受信した前記印刷データとを印刷データ作成装置に報知する報知工程と、
を備えたことを特徴とする印刷制御方法。 - 前記報知工程により報知される前記位置情報を表示する表示工程を更に備えたことを特徴とする請求項４に記載の印刷制御方法。
- 印刷データ作成装置にて印刷処理命令データを含む印刷データを作成して送信し、該印刷データ作成装置に接続された印刷制御装置にて受信した前記印刷データに基づいて印刷処理を行う印刷制御方法であって、
前記印刷制御装置にて、
前記印刷データを受信する受信工程と、
前記受信した印刷データを解釈する解釈工程と、
前記印刷データの解釈の結果として描画される図形に関連した所定の位置情報を格納する位置情報記憶工程と、
前記解釈の結果として実行される印刷処理中のエラーを検知するエラー検知工程と、
前記エラー検知工程によるエラー検知時に前記格納した所定の位置情報を読み出す位置情報読出工程と、
前記読み出された位置情報を前記印刷処理命令データに変換する変換工程と、
前記変換工程により前記位置情報として変換された前記印刷処理命令データと前記受信工程により受信した前記印刷データとを前記印刷データ作成装置に報知する報知工程とを備え、
前記印刷データ作成装置にて、
前記印刷処理命令データと前記印刷データとを受信する受信工程と、
前記位置情報としての前記印刷処理命令データ及び前記印刷データを解釈する解釈工程と、
解釈の結果として描画される図形及び前記位置情報を表示する表示工程とを備えた、
ことを特徴とする印刷制御方法。 - 印刷制御プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、前記印刷制御プログラムは、コンピュータに、
印刷処理命令データを含む印刷データを受信する受信工程と、
前記受信した印刷データを解釈する解釈工程と、
前記印刷データの解釈の結果として描画される図形に関連した所定の位置情報を格納する位置情報記憶工程と、
前記解釈の結果として実行される印刷処理中のエラーを検知するエラー検知工程と、
前記エラー検知工程によるエラー検知時に前記格納した所定の位置情報を読み出す位置情報読出工程と、
前記読み出された位置情報を前記印刷処理命令データに変換する変換工程と、
前記変換工程により前記位置情報として変換された前記印刷処理命令データと前記受信工程により受信した前記印刷データとを印刷データ作成装置に報知する報知工程と、
を実行させることを特徴とする印刷制御プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。 - 印刷制御プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、前記印刷制御プログラムは、コンピュータに、
前記報知工程により報知される前記位置情報を表示する表示工程を更に実行させることを特徴とする請求項７に記載の印刷制御プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。 - 印刷データ作成装置にて印刷処理命令データを含む印刷データを作成して送信し、該印刷データ作成装置に接続された印刷制御装置からの印刷処理中におけるエラー情報を受信して表示する印刷制御プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、前記印刷制御プログラムは、前記印刷データ作成装置のコンピュータに、
前記印刷制御装置にて印刷データの解釈の結果として描画される図形に関連した所定の位置情報であって、前記エラー発生時に前記印刷処理命令データに変換されて送信される前記所定の位置情報及び前記印刷データを受信する受信工程と、
前記位置情報としての前記印刷処理命令データ及び前記印刷データを解釈する解釈工程と、
解釈の結果として描画される図形及び前記位置情報を表示する表示工程と、
を更に実行させることを特徴とする印刷制御プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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