JP3701753B2 - 2本のスピンドルヘッドを有する工作機械 - Google Patents

2本のスピンドルヘッドを有する工作機械 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属材料などを加工する工作機械に関する。詳しくは、転がり軸受スピンドルヘッドと、空気静圧軸受スピンドルヘッドの2本(2頭)のスピンドルヘッドを有する工作機械に関する。
【0002】
【背景技術】
従来の工作機械、たとえば、マシニングセンタは、玉軸受やローラ軸受などの転がり軸受で支承された主軸を内蔵するスピンドルヘッド(以下、転がり軸受スピンドルヘッドという)をもつものが多かった。
また、超精密加工や微細加工などの特殊な加工用に限定した工作機械として、空気静圧軸受で支承された主軸を内蔵するスピンドルヘッド(以下、空気静圧軸受スピンドルヘッドという)を持った工作機械もあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した転がり軸受スピンドルヘッドは、転がり軸受の特性を活かして低速回転で重負荷の加工(荒加工)や中加工(中仕上げ加工)が有利に行える特徴を持っている。また、軸受の許容負荷容量が大きく、衝撃負荷などにも強いことから、工具の自動交換装置(ATC)の付いたマシニングセンタなどに広く利用されている。
しかし、軸受の性能限界から直径の大きなスピンドルでは高速回転ができず、仕上げ加工などでは、仕上げ面精度を確保する必要から切削送り速度を落として使用することになり、効率よく加工を行うことが困難であった。
【0004】
一方、空気静圧軸受スピンドルヘッドは、空気静圧軸受の特性から高精度な高速回転が容易に得られることから、仕上げ加工を大きな切削送り速度で効率的に行うことができる。
しかし、空気静圧軸受は、軸受の許容負荷容量が小さく、衝撃負荷などにも弱いという難点がある。
【0005】
このように、転がり軸受スピンドルヘッドと空気静圧軸受スピンドルヘッドは、それぞれに得意とする適用範囲があり、それを外れた用途では弱点を持っていることから、金属材料などの加工にあったては、荒加工や中仕上げ加工を転がり軸受スピンドルヘッドを持った工作機械で行い、仕上げ加工を空気静圧軸受スピンドルヘッドを持った工作機械で行う加工方法が採用される場合が多い。
しかし、荒加工や中仕上げ加工を転がり軸受スピンドルヘッドを持った工作機械で、仕上げ加工を空気静圧軸受スピンドルヘッドを持った工作機械で行うと、被加工物の取り付け、取り外し作業が増えることにより、誤差要因が増えて加工精度が低下するうえ、時間的にも不利となる。
【0006】
そこで、このような不具合を解消する方法として、転がり軸受スピンドルヘッドと空気静圧軸受スピンドルヘッドとの双方を搭載することが考えられる。
しかし、使用しないスピンドルヘッドを搭載したままの状態で別の加工を行うと、使用しないスピンドルヘッドにクーラント(冷却剤)や切り粉が侵入したり、切削時の振動の作用でフレッティングコロージョンの発錆を生ずる虞があったので、従来は、転がり軸受スピンドルヘッドと空気静圧軸受スピンドルヘッドとを備える構成を採用することはなかった。
【0007】
本発明は、このような欠点を解消すべくなされたもので、転がり軸受スピンドルヘッドの長所と空気静圧軸受スピンドルヘッドの長所とを合わせ持ち、しかも、一方のスピンドルヘッドによる加工時に他方のスピンドルヘッドへの悪影響を防止できる2本のスピンドルヘッドを備えた工作機械を提供することにある
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の2本のスピンドルヘッドを備えた工作機械は、転がり軸受で回転可能に支承される第1主軸を内蔵する第1スピンドルヘッドと、空気静圧軸受で回転可能に支承される第2主軸を内蔵する第2スピンドルヘッドとを備えた2本のスピンドルヘッドを有する工作機械であって、前記第2スピンドルヘッドが使用されていないとき、その第2スピンドルヘッド内への異物の侵入を阻止する第2スピンドルヘッド保護手段、または、前記第1スピンドルヘッドが使用されていないとき、その第1主軸の工具取付部への異物の侵入を阻止する第1スピンドルヘッド保護手段、あるいは、前記第2スピンドルヘッド保護手段および前記第1スピンドルヘッド保護手段の双方が設けられていることを特徴とする。
【0009】
このような構成によれば、被加工物を、第1スピンドルヘッドによって荒加工、中仕上げ加工したのち、第2スピンドルヘッドによって仕上げ加工することができるから、被加工物の取り付け、取り外し作業を増やすことなく、荒加工から仕上げ加工まで継続して行うことができる。従って、誤差要因も増えることがないから加工精度の低下を防げるとともに、加工時間も短縮できる。
しかも、第2スピンドルヘッドが使用されていないときには、第2スピンドルヘッド保護手段によって第2スピンドルヘッド内への異物の侵入が阻止されているから、異物によって第2スピンドルヘッドの回転に支障が生じることもないから、安定した加工を継続できる。また、第1スピンドルヘッドが使用されていないときには、第1スピンドルヘッド保護手段によって第1主軸の工具取付部への異物の侵入が阻止されているから、工具交換も支障なく行うことができる。
【0010】
以上において、前記第2スピンドルヘッド保護手段は、前記第2スピンドルヘッドの先端に装着されその先端部分を覆うカバーであることが望ましい。このようにすれば、第2スピンドルヘッドの先端がカバーによって覆われているから、第1スピンドルヘッドの回転によって飛散したクーラントや切り粉が第2スピンドルヘッド内に侵入することがない。
この場合、前記第1スピンドルヘッドが選択された際、前記第2スピンドルヘッドに前記カバーが装着されているか否かを検出し、第2スピンドルヘッドにカバーが装着されていないとき、前記第1スピンドルヘッドの第1主軸の回転起動停止、前記第1主軸の一定回転数以上の加速停止、クーラントの吐出停止のいずれかを行うインターロック手段が設けられていることが望ましい。このようにすれば、カバーを装着し忘れても、異物が第2スピンドルヘッド内に侵入することがない。
【0011】
また、前記第1スピンドルヘッド保護手段は、前記第1主軸の工具取付部に装着されその工具取付部を塞ぐダミーシャンクであることが望ましい。このようにすれば、簡単な構成で第1主軸の工具取付部内への異物の侵入を確実に阻止できる。
この場合、前記第2スピンドルヘッドが選択された際、前記第1スピンドルヘッドの第1主軸に前記ダミーシャンクが装着されているか否かを調べ、第1主軸にダミーシャンクが装着されていないとき、第1主軸にダミーシャンクが装着されたことを条件として、前記第2スピンドルヘッドの第2主軸の回転を実行する手段を有することが望ましい。このようにすれば、ダミーシャンクを装着し忘れても、異物が第1スピンドルヘッドの第1主軸の工具取付部内に侵入することがない。なお、第1主軸にダミーシャンクを装着するには、手作業で行ってもよいが、自動工具交換装置によって自動的に第1主軸の工具をダミーシャンクに交換するようにすれば、能率的に交換できるから、直ちに第2主軸の回転を実行できる。
【0012】
また、本発明の2本のスピンドルヘッドを有する工作機械は、転がり軸受で回転可能に支承される第1主軸を内蔵する第1スピンドルヘッドと、空気静圧軸受で回転可能に支承される第2主軸を内蔵する第2スピンドルヘッドとを備えた2本のスピンドルヘッドを有する工作機械であって、前記いずれか一方のスピンドルヘッドの主軸の回転が指令された際、他方のスピンドルヘッドの主軸を低速度で回転させる手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
このような構成によれば、いずれか一方のスピンドルヘッドの主軸の回転が指令された際、他方のスピンドルヘッドの主軸も低速度で回転しているから、異物の侵入を阻止できるとともに、振動を受けてもフレッティングコロージョンの発錆を生じる虞がない。
【0014】
以上において、前記指定された主軸に応じて、テーブルの移動指令位置を自動的に変更することが望ましい。
このようにすれば、2つのスピンドルヘッドを使い変えながら、ワークを加工していく過程でも支障なく作業を継続できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本実施形態の工作機械を示している。同図において、ベッド1の上にはサドル2が前後方向(Y方向)に移動自在に設けられているとともに、サドル2の上にはテーブル3が左右方向(X方向)に移動自在に設けられている。なお、これらのサドル2やテーブル3を移動させるガイド部や駆動機構は、防塵のためのカバー4に覆われているため、図示されていない。
【0016】
前記テーブル3の周囲は、通常の作業状態ではカバー5で覆われているが、ここでは、説明の都合上特別にカバー5を開いた状態を示している。テーブル3上には、ワーク取付具7を固定するためのT溝6が設けられている。このT溝6は、テーブル3の長手方向に設けられていることが一般的であるが、本実施形態ではワーク取付具7の着脱の作業性を容易にするために、特別に前後方向(Y方向)に設けている。なお、ここでは、ワーク取付具7として、バイスを示しているが、これに限らず、ワークを把持できるものであれば他の形態のものでもよい。
【0017】
前記サドル2およびテーブル3の後方側のベッド1上にはコラム8が立設されている。コラム8には、その前面左側に第1スピンドルヘッド10が、前面右側に第2スピンドルヘッド20がそれぞれ搭載されているとともに、左側面に前記第1スピンドルヘッド10に対して工具交換を行う自動工具交換装置9が設けられている。なお、これら第1スピンドルヘッド10および第2スピンドルヘッド20は、それぞれ図示しないガイド、ボールねじおよび駆動モータなどにより、独立して上下方向(Z方向)に移動可能になっている。
【0018】
前記第1スピンドルヘッド10は、図2に示すように、ハウジング11と、このハウジング11内に玉軸受やローラ軸受などの転がり軸受12A,12B,12Cを介して回転可能かつZ方向と平行に支承された第1主軸13と、この第1主軸13を回転駆動させるモータ14(図1参照)とを備えている。第1主軸13には、その中心軸方向に先端がテーパ孔15となった貫通孔16が形成されている。貫通孔16内には、コレットチャック17およびこれを開閉するドローバ18が軸方向に移動自在に収納されている。
【0019】
これにより、図3に示すように、第1主軸13のテーパ孔15内に、工具32を有する工具ホルダ31が装着されると、工具ホルダ31のプルスタッド33がコレットチャック17によってチャックされるようになっている。ここに、テーパ孔15が工具取付部を構成している。なお、加工しない状態(不使用時)においては、第1主軸13の先端テーパ孔15には、図4または図5に示すように、第1スピンドルヘッド保護手段として、実際の工具が装着されていないダミーシャンク34,35が嵌合されている。なお、ダミーシャンク34は通常の工具ホルダ31に対して工具取付部がない形状、ダミーシャンク35は工具を装着していない工具ホルダ31を兼用している。
【0020】
前記第2スピンドルヘッド20は、図6に示すように、ハウジング21と、このハウジング21に空気静圧軸受22A,22B,22Cを介して回転可能かつZ方向と平行に支承され途中にフランジ24を有する第2主軸23と、この第2主軸23を回転駆動させるモータ25とを備えている。各空気静圧軸受22A,22B,22Cの内周面には、第2主軸23に向かって軸直交方向から空気を噴出する吹出口26が形成されている。これらの各吹出口26から噴出される空気によって第2主軸23をラジアル方向に支持するラジアル軸受が形成されている。また、空気静圧軸受22B,22Cの互いに対向する軸方向端面には、第2主軸23のフランジ24に向かって空気を噴出する吹出口27が複数形成されている。これらの各吹出口27から噴出される空気によって第2主軸23をスラスト方向に支持するスラスト軸受が形成されている。なお、図6において、28は各吹出口26,27に高圧空気を供給する給気通路、29は排気通路である。
【0021】
前記第2主軸23の先端には、高速回転用工具36が取り付けられている。高速回転用工具36は、加工目的に合わせた専用の工具で、毎分数万回転の超高速回転かつ超精密回転精度で使用される。また、その使用条件下でも工具寿命が長く、工具交換の頻度が少ない。一般的に、この種の高速回転用工具36の取り付けには、高い精度が必要で、交換時には取り付け位置精度をミクロンオーダで計測、確認するとともに、試験回転させてダイナミックバランスの調整も必要とする場合が多い。これらの理由から、現状の技術レベルでは工具交換の自動化が困難であるから、第2スピンドルヘッド20に対しては手作業で工具交換が行われるようになっているとともに、使用していないときには、第2スピンドルヘッド20内への異物の侵入を阻止する第2スピンドルヘッド保護手段40が設けられている。
【0022】
前記第2スピンドルヘッド保護手段40は、前記第2スピンドルヘッド20(ハウジング21)の先端に下方から被嵌されたゴム製のカバー41と、このカバー41を第2スピンドルヘッド20の下端に保持する保持手段42とから構成されている。保持手段42は、前記カバー41の上部内周面に形成された環状の凹溝43と、前記第2スピンドルヘッド20の下端部外周面に設けられ前記凹溝43に係合可能な1または複数のボール44とから構成されている。
また、前記第2スピンドルヘッド20の先端部に臨んで、カバー41が正しく装着されたか否かを検知するための検出手段としてのスイッチ45が装備されている。なお、工具交換にあたっては、カバー41を取り除かなければ工具交換ができないようになっている。
【0023】
また、前記ベッド1の前面には、数値制御装置50が設けられている。数値制御装置50には、サイクルスタート釦などの各種釦や各種スイッチが設けられ、これらの指令により動作の全てが制御されている。たとえば、図7に示す処理動作が全て制御されている。なお、図7については、次の作用の中で説明する。ここで、前記スピンドルヘッド10,20の選択については、Tコードの範囲により自動的に判断されるようになっている。たとえば、T89以下は第1スピンドルヘッド10、T90以上は第2スピンドルヘッド20のように割り付けられている。
【0024】
次に、本実施形態の作用を図7を参照しながら説明する。
T89以下のTコードを指定して工具交換指令(M06)を発動すると、まず、第2スピンドルヘッド20にカバー41が装着されているか否かが調べられる。つまり、スイッチ45からの信号によってカバー41が装着されているか否かが調べられる。カバー41が正しく装着されていない場合には、フィードホールド状態になり、カバー41が装着されてからサイクルスタート釦が押されるまで次の動作が保留される。予め、カバー41が正しく装着されていれば、自動工具交換動作(ATC)が実行される。
この状態で軸移動を指令すると、第1スピンドルヘッド10が指定の座標に位置するように移動される。また、主軸回転指令(M03)を指令すると、第1スピンドルヘッド10が指定のSコードで回転され、同時に第2スピンドルヘッド20が通常の加工回転速度より低い速度、ここでは、予め設定された最低速度で回転される。
【0025】
T90以上のTコードを指定して工具交換指令(M06)を発動すると、まず、第1スピンドルヘッド10の第1主軸13にダミーシャンク34,35が装着されてるか否かが調べられる。ダミーシャンク34,35が正しく装着されていない場合には、ダミーシャンク34,35に交換、つまり、第1主軸13のテーパ孔15に装着されている工具ホルダ31が自動的に自動工具交換装置9のマガジンに返され、いずれかのダミーシャンク34,35が第1主軸13の先端テーパ孔15に装着されてからフィードホールド状態になる。ただし、既に前述のダミーシャンク34,35が装着されている場合には直ちにフィードホールド状態になる。
ここで、作業者は、第2スピンドルヘッド20からカバー41を取り外し、T指定コードに該当する工具を装着してサイクルスタート釦を押すと、フィードホールド状態が解除される。このとき、カバー41が取り外されていなければ、フィードホールド状態が解除されない。
フィードホールド状態が解除された状態において、軸移動を指令すると、第2スピンドルヘッド20が指定の座標に位置するように移動される。また、主軸回転指令(M03)を指令すると、第2スピンドルヘッド20の第2主軸23が指定速度で回転され、同時に第1スピンドルヘッド10の第1主軸13が通常の加工回転速度より低い速度、ここでは、予め設定された最低速度で回転される。
【0026】
なお、工具回転停止指令(M05)ないしは非常停止動作の場合は、両スピンドル共に停止する。また、選択されたスピンドルヘッド10、20に応じて、テーブル3の移動位置が自動的に変更されるようになっている。
【0027】
上述した本実施形態によれば、転がり軸受12A,12B,12Cで支承された第1主軸13を有する第1スピンドルヘッド10と、空気静圧軸受22A,22B,22Cで支承された第2主軸23を有する第2スピンドルヘッド20とを設けたので、被加工物を第1スピンドルヘッド10によって荒加工、中仕上げ加工したのち、第2スピンドルヘッド20によって仕上げ加工することができるから、被加工物の取り付け、取り外し作業を増やすことなく、荒加工から仕上げ加工までを継続して行うことができる。そのため、誤差要因も増えることがないから加工精度の低下を防げるとともに、加工時間も短縮できる。
【0028】
また、第1スピンドルヘッド10に対して工具の自動交換を行う自動工具交換装置9を設けたので、第1スピンドルヘッド10に対して荒加工用の工具や中仕上げ用加工用の工具を自動的に交換することができる。従って、第1スピンドルヘッド10による荒加工から中仕上げ加工への切り替えを自動的にかつ能率的に行うことができる。たとえば、第1スピンドルヘッド10では、工具交換装置9を用いて任意の工具を装着し、フライス加工・タップ加工ならびにエンドミル加工の粗加工を実施したのち、被加工物の取付姿勢を変更することなく、第2スピンドルヘッド20を使用して小径ボールエンドミル仕上げ加工を実施することが可能になる。従って、低速度の加工を別の機械で加工してから、空気静圧軸受スピンドルヘッドを装備した工作機械に移す作業を必要とせず、能率的に作業を行うことができる。
【0029】
また、第1スピンドルヘッド10に対しては、第1主軸13のテーパ孔15内への切り粉(微粉)の侵入を阻止するダミーシャンク34,35を不使用時の第1主軸13のテーパ孔15に嵌合させるようにしたので、工具交換を支障なく行えるとともに、工具を正確に装着できる。
しかも、第2スピンドルヘッド20が選択されたとき、第1主軸13にダミーシャンク34,35が取り付けられているか否かを調べ、第1主軸13にダミーシャンク34,35が取り付けられていないとき、第1主軸13の工具をダミーシャンク34,35に交換してから、第2主軸23を回転できるようにしたので、不使用時の第1主軸13に対してダミーシャンク34,35を装着し忘れても、切り粉が第1主軸13のテーパ孔15内に侵入することもないから、工具交換を支障なく、かつ、正確に行うことができる。なお、第1主軸13にダミーシャンク34,35を装着するには、自動工具交換装置9によって自動的に第1主軸13の工具をダミーシャンク34,35に交換できるから、能率的に交換でき直ちに第2主軸23の回転を実行できる。
【0030】
また、第2スピンドルヘッド20に対しては、ゴム製のカバー41を被嵌するようにしたので、クーラントや切り粉が第2スピンドルヘッド20内に侵入するのを阻止することができる。従って、第2スピンドルヘッド20の回転に支障が生じることもないから、安定した加工を継続できる。
しかも、カバー41に形成された凹溝43および第2スピンドルヘッド20に設けられたボール44からなる保持手段42によって、カバー41を第2スピンドルヘッド20に対して保持するようにしたので、カバー41を第2スピンドルヘッド20に対して簡単に着脱できる。
【0031】
また、第1スピンドルヘッド10が選択されたとき、第2スピンドルヘッド20にカバー41が正しく装着されているか否かを検出し、第2スピンドルヘッド20にカバー41が正しく装着されていないとき、フィードホールド状態として、第1主軸13の回転起動が行えないようになっているから、カバー41を第2スピンドルヘッド20に対して装着し忘れても、クーラントや切り粉が第2スピンドルヘッド20内に侵入するのを阻止できるから、安定した加工を継続できる。
【0032】
また、一方のスピンドルヘッド10,20の主軸13,23の回転が指令されたとき、他方のスピンドルヘッド10,20の主軸13,23を通常加工回転速度より低い低速で回転させるようにしたので、つまり、、他方のスピンドルヘッド10、20も低速度で回転しているから、異物の侵入を阻止できるとともに、振動を受けてもフレッティングコロージョンの発錆を防げる。
【0033】
なお、上記実施形態では、不使用時の各スピンドルヘッド10,20への異物の侵入を阻止する保護手段として、第1スピンドルヘッド10に対して第1主軸13のテーパ孔15に嵌合するダミーシャンク34,35を、第2スピンドルヘッド20に対してカバー41を設けたが、これらを設けることなく、一方のスピンドルヘッド10,20の主軸13,23の回転が指令されたとき、他方のスピンドルヘッド10,20の主軸13,23を通常加工回転速度より低い低速で回転させるだけでもよい。
【0034】
また、上記実施形態では、カバー41が第2スピンドルヘッド20に対して正しく装着されていないときには、フィードホールド状態として、第1主軸13の回転起動を停止するようにしたが、これに限らず、第1主軸13の一定回転数以上の加速停止、あるいは、クーラントの吐出停止などを行うようにしてもよい。
【0035】
【発明の効果】
本発明の工作機械によれば、転がり軸受で支承された第1主軸を有する第1スピンドルヘッドと、空気静圧軸受で支承された第2主軸を有する第2スピンドルヘッドとを備え、少なくとも一方のスピンドルヘッドにはそれが使用されていないときに、そのスピンドルヘッドへの異物の侵入を阻止する保護手段が設けられているから、転がり軸受スピンドルヘッドの長所と空気静圧軸受スピンドルヘッドの長所とを合わせ持ち、しかも、一方のスピンドルヘッドの回転時に他方のスピンドルヘッドへの悪影響を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態全体の外観を示す斜視図である。
【図2】同上実施形態の第1スピンドルヘッドを示す断面図である。
【図3】同上第1スピンドルヘッドに工具ホルダを装着した状態を示す断面図である。
【図4】同上第1スピンドルヘッドに第1のダミーシャンクを装着した状態の断面図である。
【図5】同上第1スピンドルヘッドに第2のダミーシャンクを装着した状態の断面図である。
【図6】同上実施形態の第2スピンドルヘッドを示す断面図である。
【図7】同上実施形態の作用を示すフローチャートである。
【符号の説明】
3 テーブル
10 第1スピンドルヘッド
12A,12B,12C 転がり軸受
13 第1主軸
15 テーパ孔(工具取付部)
20 第2スピンドルヘッド
22A,22B,22C 空気静圧軸受
23 第2主軸
34 ダミーシャンク(第1スピンドルヘッド保護手段)
35 ダミーシャンク(第1スピンドルヘッド保護手段)
40 第2スピンドルヘッド保護手段
41 カバー
45 スイッチ(検出手段)
50 NC制御装置(インターロック手段)

Claims (9)

  1. 転がり軸受で回転可能に支承される第1主軸を内蔵する第1スピンドルヘッドと、空気静圧軸受で回転可能に支承される第2主軸を内蔵する第2スピンドルヘッドとを備えた2本のスピンドルヘッドを有する工作機械であって、
    前記第2スピンドルヘッドが使用されていないとき、その第2スピンドルヘッド内への異物の侵入を阻止する第2スピンドルヘッド保護手段が設けられていることを特徴とする2本のスピンドルヘッドを有する工作機械。
  2. 転がり軸受で回転可能に支承される第1主軸を内蔵する第1スピンドルヘッドと、空気静圧軸受で回転可能に支承される第2主軸を内蔵する第2スピンドルヘッドとを備えた2本のスピンドルヘッドを有する工作機械であって、
    前記第1スピンドルヘッドが使用されていないとき、その第1主軸の工具取付部への異物の侵入を阻止する第1スピンドルヘッド保護手段が設けられていることを特徴とする2本のスピンドルヘッドを有する工作機械。
  3. 転がり軸受で回転可能に支承される第1主軸を内蔵する第1スピンドルヘッドと、空気静圧軸受で回転可能に支承される第2主軸を内蔵する第2スピンドルヘッドとを備えた2本のスピンドルヘッドを有する工作機械であって、
    前記第2スピンドルヘッドが使用されていないとき、その第2スピンドルヘッド内への異物の侵入を阻止する第2スピンドルヘッド保護手段が設けられているとともに、
    前記第1スピンドルヘッドが使用されていないとき、その第1主軸の工具取付部への異物の侵入を阻止する第1スピンドルヘッド保護手段が設けられていることを特徴とする2本のスピンドルヘッドを有する工作機械。
  4. 請求項1または請求項3に記載の2本のスピンドルヘッドを有する工作機械において、前記第2スピンドルヘッド保護手段は、前記第2スピンドルヘッドの先端に装着されその先端部分を覆うカバーであることを特徴とする2本のスピンドルヘッドを有する工作機械。
  5. 請求項4に記載の2本のスピンドルヘッドを有する工作機械において、前記第1スピンドルヘッドが選択された際、前記第2スピンドルヘッドに前記カバーが装着されているか否かを検出し、第2スピンドルヘッドにカバーが装着されていないとき、前記第1スピンドルヘッドの第1主軸の回転起動停止、前記第1主軸の一定回転数以上の加速停止、クーラントの吐出停止のいずれかを行うインターロック手段が設けられていることを特徴とする2本のスピンドルヘッドを有する工作機械。
  6. 請求項2または請求項3に記載の2本のスピンドルヘッドを有する工作機械において、前記第1スピンドルヘッド保護手段は、前記第1主軸の工具取付部に装着されその工具取付部を塞ぐダミーシャンクであることを特徴とする2本のスピンドルヘッドを有する工作機械。
  7. 請求項6に記載の2本のスピンドルヘッドを有する工作機械において、前記第2スピンドルヘッドが選択された際、前記第1スピンドルヘッドの第1主軸に前記ダミーシャンクが装着されているか否かを調べ、第1主軸にダミーシャンクが取り付けられていないとき、第1主軸にダミーシャンクが装着されたことを条件として、前記第2スピンドルヘッドの第2主軸の回転を実行する手段を有することを特徴とする2本のスピンドルヘッドを有する工作機械。
  8. 転がり軸受で回転可能に支承される第1主軸を内蔵する第1スピンドルヘッドと、空気静圧軸受で回転可能に支承される第2主軸を内蔵する第2スピンドルヘッドとを備えた2本のスピンドルヘッドを有する工作機械であって、
    前記いずれか一方のスピンドルヘッドの主軸の回転が指令された際、他方のスピンドルヘッドの主軸を通常の加工回転速度より低い低速度で回転させる手段を備えたことを特徴とする2本のスピンドルヘッドを有する工作機械。
  9. 請求項1〜請求項7のいずれかに記載の2本のスピンドルヘッドを有する工作機械において、前記指定された主軸に応じて、テーブルの移動指令位置を自動的に変更することを特徴とする2本のスピンドルヘッドを有する工作機械。
JP27062296A 1996-10-14 1996-10-14 2本のスピンドルヘッドを有する工作機械 Expired - Lifetime JP3701753B2 (ja)

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