JP6297128B1 - 工作機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】工具のクランプ状態が異常であると検出された場合であっても、生産性が著しく低下することがない工作機械、を提供する。【解決手段】横形マシニングセンタは、工具を装着可能な主軸と、主軸に工具をクランプするツールクランプ装置41と、ツールクランプ装置41による工具のクランプ状態を検出するツールクランプ検出部44と、主軸22に装着される工具を交換するツール交換機構部42と、ツールクランプ検出部44において主軸22における第1工具のクランプ状態が異常であると検出された場合に、第1工具を、第1工具と同種の第2工具に交換するようにツール交換機構部42を動作させる制御部52とを備える。【選択図】図2

Description

この発明は、一般的には、工作機械に関し、より特定的には、工具のクランプ状態を検出するツールクランプ検出部を備えた工作機械に関する。
従来の工作機械に関して、たとえば、特開2002−200542号公報には、簡単かつ確実にチャックエラーを検出することを目的とした、工作機械が開示されている(特許文献1)。
特許文献1に開示された工作機械においては、主軸に装着されたツールホルダのフランジ部の外周面までの距離の変化を、ツールホルダの回転角度に対応させて測定することにより、ツールホルダのチャックミスの有無を判断する。チャックミスが有ると判断した場合には、ATCをやり直し、ATCをやり直してもさらにチャックミスが続く場合には、運転停止や警報等の指令を出す。
特開2002−200542号公報
上述の特許文献1に開示されるように、工具のクランプ状態を検出するための各種のツールクランプ検出部を備えた工作機械が知られている。このような工作機械において、工具のクランプ状態が異常であると検出された場合にワーク加工を停止させてしまうと、工作機械における生産性が著しく低下することになる。
そこでこの発明の目的は、上記の課題を解決することであり、工具のクランプ状態が異常であると検出された場合であっても、生産性が著しく低下することがない工作機械を提供することである。
この発明の1つの局面に従った工作機械は、工具を装着可能な工具装着部と、工具を把持可能なコレットと、所定の軸方向に沿って前後移動することにより、コレットを開閉動作させるドローバーとを有し、コレットにより所定の軸方向に工具を引っ張ることにより、工具装着部に工具をクランプするツールクランプ装置と、所定の軸方向におけるドローバーの位置情報に基づいて、ツールクランプ装置による工具のクランプ状態を検出するツールクランプ検出部と、工具装着部に装着される工具を交換するツール交換機構部と、ツールクランプ検出部において工具装着部における第1工具のクランプ状態が異常であると検出された場合に、第1工具を、第1工具と同種の第2工具に交換するようにツール交換機構部を動作させる制御部とを備える。
この発明の別の局面に従った工作機械は、工具を装着可能な工具装着部と、工具装着部に工具をクランプするツールクランプ装置と、ツールクランプ装置による工具のクランプ状態を検出するツールクランプ検出部と、工具装着部に装着される工具を交換するツール交換機構部と、ツールクランプ検出部において工具装着部における第1工具のクランプ状態が異常であると検出された場合に、第1工具を、第1工具と同種の第2工具に交換するようにツール交換機構部を動作させる制御部とを備える。
このように構成された工作機械によれば、第1工具のクランプ状態が異常であると検出された場合に、第1工具と同種の第2工具を用いてクランプ状態の異常の解消を試みる。これにより、工作機械における生産性が著しく低下することを防止できる。
また好ましくは、工作機械は、工具装着部に装着される工具を清掃する第1清掃部をさらに備える。制御部は、ツールクランプ検出部において第1工具のクランプ状態が異常であると検出された場合に、第1工具を第2工具に交換するようにツール交換機構部を動作させる前に、第1工具を清掃するように第1清掃部を動作させる。
このように構成された工作機械によれば、第1工具に切屑等の異物が付着していることに起因する、クランプ状態の異常を解消することができる。
また好ましくは、制御部は、ツールクランプ検出部における第1工具のクランプ状態の異常検出と、第1清掃部による第1工具の清掃とが、予め定められた回数以上繰り返され、さらに、ツールクランプ検出部において工具装着部における第1工具のクランプ状態が異常であると検出された場合に、第1工具を第2工具に交換するようにツール交換機構部を動作させる。
このように構成された工作機械によれば、第1工具の清掃の実施にもかかわらず、第1工具のクランプ状態の異常検出が繰り返された場合に、第1工具を第2工具に交換する。
また好ましくは、第1清掃部は、工具装着部と、工具装着部に装着される工具との間の隙間に空気を供給可能に構成されている。
このように構成された工作機械によれば、工具装着部と、工具装着部に装着される工具との間の隙間に存在する切屑等の異物を、その隙間から取り除くことができる。
また好ましくは、制御部は、第2工具によるワーク加工後の第1工具を用いたワーク加工時に、第1工具および第2工具のうちの第2工具を工具装着部に装着するようにツール交換機構部を動作させる。
このように構成された工作機械によれば、第1工具が原因となるクランプ状態の異常検出が繰り返されることを回避できる。
また好ましくは、工作機械は、ツール交換機構部により第2工具に交換された第1工具を、工具装着部から離れた位置で清掃する第2清掃部をさらに備える。
このように構成された工作機械によれば、第1工具に付着する切屑等の異物を、第1工具から取り除くことができる。
また好ましくは、制御部は、第2清掃部により第1工具が清掃された場合には、第2工具によるワーク加工後の第1工具を用いたワーク加工時に、第1工具および第2工具のうちの第1工具を工具装着部に装着するようにツール交換機構部を動作させる。
このように構成された工作機械によれば、第2清掃部により第1工具が清掃された場合には、切屑等の異物が取り除かれた第1工具を用いてワーク加工を行なう。
また好ましくは、工作機械は、ツール交換機構部により第1工具が第2工具と交換されたことを作業者に通知する通知装置をさらに備える。
このように構成された工作機械によれば、作業者が、クランプ状態が異常であると検出された工具を把握することができる。
以上に説明したように、この発明に従えば、工具のクランプ状態が異常であると検出された場合であっても、生産性が著しく低下することがない工作機械を提供することができる。
この発明の実施の形態1における横形マシニングセンタを示す斜視図である。 図1中の横形マシニングセンタにおいて、工具のミスクランプを解消するための機構を示すブロック図である。 図1中の横形マシニングセンタにおいて、自動工具交換(ATC:Automatic Tool Change)の工程を示す斜視図である。 図1中の主軸頭の機械前方部分を示す断面図である。 主軸に装着された工具のエアーパージ工程を示す断面図である。 図1中の横形マシニングセンタにおいて、工具のミスクランプを解消する流れを示すフロー図である。 この発明の実施の形態2における横形マシニングセンタにおいて、工具のミスクランプを解消するための機構を示すブロック図である。
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1における横形マシニングセンタを示す斜視図である。図1中には、横形マシニングセンタの外観をなすカバー体を透視することにより、横形マシニングセンタの内部構造が示されている。図2は、図1中の横形マシニングセンタにおいて、工具のミスクランプを解消するための機構を示すブロック図である。
図1および図2を参照して、まず、本実施の形態における横形マシニングセンタ100の基本的な構造について説明する。横形マシニングセンタ100は、ベッド12と、コラム14と、主軸ベース23と、主軸頭20と、テーブル(不図示)とを有する。
ベッド12は、コラム14やテーブル等を搭載するためのベース部材であり、工場などの据え付け面に設置されている。
ベッド12には、コラム14が取り付けられている。コラム14は、全体として、ベッド12の上面に立設される門形形状を有する。コラム14は、ベッド12に対して、水平方向に平行なX軸方向にスライド移動可能に設けられている。ベッド12およびコラム14には、コラム14のX軸方向へのスライド移動を可能とするための送り機構や案内機構、駆動源としてのサーボモータなどが適宜、設けられている。
コラム14には、主軸ベース23が取り付けられている。主軸ベース23は、コラム14に対して、鉛直方向に平行であり、X軸方向に直交するY軸方向にスライド移動可能に設けられている。コラム14および主軸ベース23には、主軸ベース23のY軸方向へのスライド移動を可能とするための送り機構や案内機構、駆動源としてのサーボモータなどが適宜、設けられている。
主軸ベース23には、主軸頭20が取り付けられている。主軸頭20は、主軸ベース23に対して、水平方向に平行であり、X軸およびY軸に直交するZ軸方向にスライド移動可能に設けられている。主軸ベース23および主軸頭20には、主軸頭20のZ軸方向へのスライド移動を可能とするための送り機構や案内機構、駆動源としてのサーボモータなどが適宜、設けられている。
主軸頭20は、主軸筒21および主軸22を有する。主軸筒21は、主軸ベース23からZ軸方向に沿って円筒状に突出するように設けられている。主軸筒21は、その主軸ベース23から突出する先で加工エリア内に配置されている。
主軸22は、主軸筒21により回転可能に支持されている。主軸22は、モータ駆動により、Z軸に平行な中心軸101を中心に回転する。主軸22には、加工対象であるワークを加工するための工具が装着される。主軸22は、工具を装着可能な工具装着部として設けられている。
テーブル(不図示)は、ワークを固定するための装置である。テーブルは、加工エリア内においてベッド12に固定されている。コラム14のX軸方向へのスライド移動、主軸ベース23のY軸方向へのスライド移動、および、主軸頭20のZ軸方向へのスライド移動が組み合わさって、主軸22に装着された工具によるワークの加工位置が3次元的に移動する。
横形マシニングセンタ100は、マガジン31と、マガジン支持部36とをさらに有する。
マガジン支持部36は、ベッド12に固定されている。マガジン支持部36は、全体として、ベッド12の上面に立設される門形形状を有する。マガジン支持部36は、コラム14に対して、Z軸方向における機械前方に隣り合って配置されている。
マガジン31は、マガジン支持部36により支持されている。マガジン31は、加工エリアに対して、Y軸方向における上方に配置されている。マガジン31と加工エリアとの間には、開閉可能なシャッター(不図示)が設けられている。
マガジン31は、複数の工具を格納可能なように構成されている。より具体的には、マガジン31は、マガジンベース32と、複数の工具保持部33とを有する。マガジンベース32は、X−Y平面に平行に配置される円盤形状を有する。マガジンベース32は、モータ駆動により、Z軸に平行な中心軸102を中心に旋回可能に設けられている。
複数の工具保持部33は、マガジンベース32の外周上に環状に並んで取り付けられている。工具保持部33は、工具を保持可能なように構成されている。本実施の形態では、工具保持部33が、工具(後述するシャンクフランジ部200t)を把持可能な一対の爪部材から構成されている。マガジンベース32の旋回に伴って、複数の工具保持部33が中心軸102を中心に回転移動する。
図3は、図1中の横形マシニングセンタにおいて、自動工具交換(ATC:Automatic Tool Change)の工程を示す斜視図である。
図1から図3を参照して、横形マシニングセンタ100は、ツール交換機構部42をさらに有する。ツール交換機構部42は、主軸22に装着される工具を交換可能なように構成されている。ツール交換機構部42は、主軸22およびマガジン31の間で工具を交換可能なように構成されている。
より具体的には、主軸22に装着された工具を、マガジン31に格納された別の工具と交換する場合、まず、マガジンベース32を旋回させることによって、空き状態の工具保持部33を特定の工具交換位置(本実施の形態では、中心軸102の真下の位置)に割り出す。加工エリア上方のシャッターを開状態とし、主軸頭20をマガジン31に接近させる。主軸頭20をY軸方向における上方に移動させることによって、主軸22に装着された工具を、空き状態の工具保持部33の内側に位置決めする。工具保持部33によって工具を保持するとともに、後述するツールクランプ装置41をアンクランプ動作させることによって、主軸22による工具のクランプ状態を解除する。
主軸頭20をZ軸方向における機械後方に移動させることによって、主軸22を工具から退避させる。マガジンベース32を旋回させることによって、別の工具を保持する工具保持部33を工具交換位置に割り出す。主軸頭20をZ軸方向における機械前方に移動させることによって、主軸22に、工具保持部33に保持された別の工具を挿入する。後述するツールクランプ装置41をクランプ動作させることによって、別の工具を主軸22にクランプする。
主軸頭20をY軸方向における下方に移動させることによって、主軸22を加工エリア内に戻す。加工エリア上方のシャッターを閉状態とする。以上により、主軸22に装着された工具を、マガジン31に格納された別の工具と交換するATC工程が完了する。
このように、本実施の形態における横形マシニングセンタ100においては、互いに連動してATC動作を行なう主軸頭20およびマガジン31により、ツール交換機構部42が構成されている。
なお、本発明では、上記のような主軸22およびマガジン31の間で直接工具を受け渡すツール交換機構部42に限られず、たとえば、主軸22およびマガジン31の間で工具を受け渡す旋回式のアームを備えたツール交換機構部が用いられてもよい。
図4は、図1中の主軸頭の機械前方部分を示す断面図である。図4を参照して、主軸22は、複数のベアリング24によって、主軸筒21に回転可能に支持されている。主軸22には、工具200がクランプ状態で装着されている。
図2および図4を参照して、横形マシニングセンタ100は、ツールクランプ装置41をさらに有する。
ツールクランプ装置41は、主軸22に設けられている。ツールクランプ装置41は、主軸22に工具200をクランプ可能なように構成されている。ツールクランプ装置41をクランプ動作させることによって、工具200が主軸22にクランプされ、ツールクランプ装置41をアンプランプ動作させることによって、工具200が主軸22からアンクランプされる。
一例として、工具200を把持可能なコレットと、中心軸101の軸方向に沿って前後移動することによって、コレットを開閉動作させるドローバーと、ドローバーに嵌装される皿バネと、ドローバーに油圧を作用させる油圧機構とを有するツールクランプ装置41が用いられる。この場合に、皿ばねのバネ力によって工具200のクランプ力を得て、油圧機構で発生する油圧によって工具200のアンクランプ力を得る。
典型的には、工具200は、シャンクテーパ部200sと、シャンクフランジ部200tと、プルスタッド部200pと、刃部200qとを含んで構成されている。
シャンクテーパ部200sは、テーパ形状を有し、工具200のクランプ時に主軸22により面拘束される部位である。シャンクフランジ部200tは、シャンクテーパ部200sの一方端から鍔状に広がる形状を有し、工具200のATC時に工具保持部33により把持される部位である。プルスタッド部200pは、シャンクテーパ部200sの他方端に接続されるボルト部材であり、工具200のクランプ時にツールクランプ装置41により主軸22内に引っ張られる部位である。
横形マシニングセンタ100は、ツールクランプ検出部44をさらに有する。ツールクランプ検出部44は、ツールクランプ装置41による工具200のクランプ状態を検出可能なように構成されている。
一例として、ツールクランプ装置41のドローバーの位置を検出可能な近接センサが、ツールクランプ検出部44として用いられる。近接センサにより、ドローバーが中心軸101の軸方向においてクランプ時の適正な位置にあると検出された場合に、工具200のクランプ状態が正常であると判断され、近接センサにより、ドローバーが中心軸101の軸方向においてクランプ時の適正な位置にあると検出されなかった場合に、工具200のクランプ状態が異常であると判断される。
なお、ツールクランプ検出部44としては、上記の近接センサに限られず、たとえば、ドローバーの変位を検出可能な接触式センサが用いられてもよい。
図5は、主軸に装着された工具のエアーパージ工程を示す断面図である。図5中には、図4中の2点鎖線Vで囲まれた範囲であって、工具のアンクランプ状態が示されている。図2および図5を参照して、横形マシニングセンタ100は、第1清掃部43をさらに有する。第1清掃部43は、主軸22に設けられている。第1清掃部43は、主軸22に装着される工具を清掃可能なように構成されている。
より具体的には、主軸22は、テーパー面26を有する。工具200のクランプ時、工具200のシャンクテーパ部200sは、テーパー面26と面接触する。主軸22には、空気流通孔28が形成されている。空気流通孔28は、テーパー面26に開口する。工具200のアンクランプ時、空気流通孔28を通じて、シャンクテーパ部200sおよびテーパー面26間の隙間27に空気が噴射されることによって、シャンクテーパ部200sに付着した切屑等の異物が工具200から取り除かれる。
このように、本実施の形態における横形マシニングセンタ100においては、空気流通孔28を通じて隙間27に空気を噴射するエアーパージ機構により、第1清掃部43が構成されている。
図2を参照して、横形マシニングセンタ100は、制御装置51をさらに有する。制御装置51は、横形マシニングセンタ100に備え付けられ、横形マシニングセンタ100の各種動作を制御するための制御盤である。
制御装置51は、制御部52および記憶部53を有する。制御部52は、ツールクランプ装置41によるクランプ動作およびアンクランプ動作と、ツール交換機構部42によるATC動作と、ツールクランプ検出部44によるツールクランプの検出動作と、第1清掃部43によるエアーパージ動作とを制御する。
図6は、図1中の横形マシニングセンタにおいて、工具のミスクランプを解消する流れを示すフロー図である。
図1から図6を参照して、まず、ツール交換機構部42によるATC動作によって、次のワーク加工に用いられる第1工具をマガジン31から主軸22に移動させる。ツールクランプ装置41によるクランプ動作によって、第1工具を主軸22にクランプする(S101)。
次に、ツールクランプ検出部44によるツールクランプの検出動作によって、主軸22における第1工具のクランプ状態を検出する(S102)。ツールクランプ検出部44における第1工具のクランプ状態の検出結果は、制御部52に送られる。
次に、制御部52は、ツールクランプ検出部44において検出された第1工具のクランプ状態が、正常であるか、異常であるかを判断する(S103)。S103において、制御部52が第1工具のクランプ状態が正常であると判断した場合、第1工具のクランプが完了し、第1工具を用いてワーク加工を実施する(S104)。
一方、S103において、制御部52が第1工具のクランプ状態が異常であると判断した場合、記憶部53が、第1工具のクランプ状態が異常であると判断された回数(すなわち、第1工具のミスクランプが繰り返された回数)を記憶する(S105)。次に、制御部52は、第1工具のミスクランプが繰り返された回数がしきい値(たとえば、3回)以内であるか、否かを判断する(S106)。
S106において、制御部52が、第1工具のミスクランプが繰り返された回数がしきい値以内であると判断した場合、第1清掃部43によるエアーパージ動作によって、第1工具を清掃する(S107)。より具体的には、ツールクランプ装置41によるアンクランプ動作によって、第1工具を主軸22からアンクランプする。第1清掃部43により、第1工具のシャンクテーパ部200sと、テーパー面26との間に生じた隙間27にエアーパージする。このあと、再び、ツールクランプ装置41によるクランプ動作によって、第1工具を主軸22にクランプするS101のステップに戻る。
S106において、制御部52が、第1工具のミスクランプが繰り返された回数がしきい値よりも多いと判断した場合、ツール交換機構部42によるATC動作によって、主軸22に装着された第1工具を、マガジン31に格納された第1工具と同種の第2工具に交換する(S108)。このあと、ツールクランプ装置41によるクランプ動作によって、第2工具を主軸22にクランプするS101のステップに戻る。
このように本実施の形態では、第1工具のミスクランプが繰り返された回数がしきい値よりも多い場合に、ミスクランプの原因は、第1工具に切屑等の異物が付着していることではなく、第1工具自体にあると判断して、第1工具と同種の第2工具を用いて主軸22へのクランプを試みる。そして、第2工具によってミスクランプが解消されれば、その第2工具を用いてワーク加工を実行する。第2工具によってもミスクランプが繰り返されるようであれば、その後に、アラームを通知したり、ワーク加工を停止したりしてもよい。
第1工具により実行されるワーク加工が、第2工具によっても実行可能である場合、第2工具は、第1工具と同種であるといえる。たとえば、第1工具により実行されるワーク加工が穴開け加工である場合に、第2工具は、第1工具とドリル径が等しく、ドリル長さが異なる工具であってもよい。この場合、制御部52が、第1工具および第2工具のドリル長の差を補正値として、ワーク加工のプログラムに自動的に反映させればよい。
このような同種の工具の別の例としては、穴開け加工におけるドリルおよびエンドミルの組み合わせや、面加工におけるエンドミルおよびフライスの組み合わせなどが挙げられる。
マガジン31に第1工具と同一の予備工具が準備されている場合、その予備工具は、第1工具と同種の第2工具に対応する。
図2を参照して、横形マシニングセンタ100は、通知装置45をさらに有する。典型的には、通知装置45は、横形マシニングセンタ100における加工情報等を表示可能な表示パネルである。
通知装置45は、ミスクランプを繰り返した第1工具が、ツール交換機構部42により第2工具と交換されたことを作業者に通知してもよい。作業者は、かかる事実を把握することによって、第1工具を早期に別の工具に入れ替えるなどのミスクランプの予防装置をとることができる。
制御部52は、第2工具によるワーク加工後の、第1工具を用いて行なうべきワーク加工時に、第1工具および第2工具のうちの第2工具を主軸22に装着するようにツール交換機構部42を動作させてもよい。この場合、第1工具によってミスクランプが繰り返されることを回避できる。
以上に説明した、この発明の実施の形態1における横形マシニングセンタ100の基本的な構造についてまとめて説明すると、本実施の形態における工作機械としての横形マシニングセンタ100は、工具を装着可能な工具装着部としての主軸22と、主軸22に工具をクランプするツールクランプ装置41と、ツールクランプ装置41による工具のクランプ状態を検出するツールクランプ検出部44と、主軸22に装着される工具を交換するツール交換機構部42と、ツールクランプ検出部44において主軸22における第1工具のクランプ状態が異常であると検出された場合に、第1工具を、第1工具と同種の第2工具に交換するようにツール交換機構部42を動作させる制御部52とを備える。
このように構成された、この発明の実施の形態1における横形マシニングセンタ100によれば、第1工具によるミスクランプが生じた場合に、即座にワーク加工を停止させるのではなく、第1工具と同種の第2工具を用いてクランプを試みる。これにより、ワーク加工を継続することができる可能性が高まるため、横形マシニングセンタ100における生産性を向上させることができる。
なお、本発明が適用される工作機械は、横形マシニングセンタに限られず、たとえば、立形マシニングセンタや旋盤、旋削機能とミーリング機能とを有する複合加工機であってもよい。工具を装着可能な工具装着部は、主軸に限られず、たとえば、ATC機能が備わった旋盤の刃物台であってもよい。
(実施の形態2)
図7は、この発明の実施の形態2における横形マシニングセンタにおいて、工具のミスクランプを解消するための機構を示すブロック図である。本実施の形態における横形マシニングセンタは、実施の形態1における横形マシニングセンタ100と比較して、基本的には同様の構造を有する。以下、重複する構造については、その説明を繰り返さない。
図7を参照して、本実施の形態における横形マシニングセンタは、第2清掃部46をさらに有する。第2清掃部46は、図6中のS108のステップにて、ツール交換機構部42により第2工具に交換された第1工具を、主軸22から離れた位置で清掃可能なように設けられている。
より具体的には、第2清掃部46は、マガジン31における工具保持部33の特定の旋回位置に設けられている。第2清掃部46は、その特定の旋回位置に位置決めされた工具保持部33により保持される第1工具に向けて空気を噴射可能なように構成されている。
本実施の形態における横形マシニングセンタにおいては、図6中のS108のステップにて主軸22に装着された第1工具を第2工具に交換した後、マガジンベース32を旋回させることによって、ミスクランプを起こした第1工具を、マガジン31における工具交換位置から上記の特定の旋回位置に移動させる。次に、第2清掃部46によるエアーパージ動作によって、第1工具を清掃する。
第2清掃部46による第1工具の清掃工程は、第2工具によるワーク加工と並行して行なうことが好ましい。
制御部52は、第2工具によるワーク加工後の、第1工具を用いて行なうべきワーク加工時に、第1工具および第2工具のうちの第1工具を主軸22に装着するようにツール交換機構部42を動作させる。これにより、たとえば、第1工具の工具寿命が第2工具の工具寿命よりも短い場合に、第2清掃部46により清掃された第1工具を優先的に使用することができる。
なお、第2清掃部46は、上記構成に限られず、たとえば、マガジン31とは別に設置された洗浄ステーションに設けられてもよい。この場合に、第2清掃部46は、マガジン31から洗浄ステーションに移送された第1工具に向けて洗浄用のクーラントを噴射可能なように構成されている。また、第1工具の清掃手段は、エアーやクーラントに限られず、たとえば、第1工具と接触して切屑等の異物を除去するブラシが用いられてもよい。
このように構成された、この発明の実施の形態2における横形マシニングセンタによれば、実施の形態1に記載の効果を同様に奏することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、工作機械に適用される。
12 ベッド、14 コラム、20 主軸頭、21 主軸筒、22 主軸、23 主軸ベース、24 ベアリング、26 テーパー面、27 隙間、28 空気流通孔、31 マガジン、32 マガジンベース、33 工具保持部、36 マガジン支持部、41 ツールクランプ装置、42 ツール交換機構部、43 第1清掃部、44 ツールクランプ検出部、45 通知装置、46 第2清掃部、51 制御装置、52 制御部、53 記憶部、100 横形マシニングセンタ、101,102 中心軸、200 工具、200p プルスタッド部、200q 刃部、200s シャンクテーパ部、200t シャンクフランジ部。

Claims (8)

  1. 工具を装着可能な工具装着部と、
    工具を把持可能なコレットと、所定の軸方向に沿って前後移動することにより、前記コレットを開閉動作させるドローバーとを有し、前記コレットにより前記所定の軸方向に工具を引っ張ることにより、前記工具装着部に工具をクランプするツールクランプ装置と、
    前記所定の軸方向における前記ドローバーの位置情報に基づいて、前記ツールクランプ装置による工具のクランプ状態を検出するツールクランプ検出部と、
    前記工具装着部に装着される工具を交換するツール交換機構部と、
    前記ツールクランプ検出部において前記工具装着部における第1工具のクランプ状態が異常であると検出された場合に、前記第1工具を、前記第1工具と同種の第2工具に交換するように前記ツール交換機構部を動作させる制御部とを備える、工作機械。
  2. 前記工具装着部に装着される工具を清掃する第1清掃部をさらに備え、
    前記制御部は、前記ツールクランプ検出部において前記第1工具のクランプ状態が異常であると検出された場合に、前記第1工具を前記第2工具に交換するように前記ツール交換機構部を動作させる前に、前記第1工具を清掃するように前記第1清掃部を動作させる、請求項1に記載の工作機械。
  3. 前記制御部は、前記ツールクランプ検出部における前記第1工具のクランプ状態の異常検出と、前記第1清掃部による前記第1工具の清掃とが、予め定められた回数以上繰り返され、さらに、前記ツールクランプ検出部において前記工具装着部における前記第1工具のクランプ状態が異常であると検出された場合に、前記第1工具を前記第2工具に交換するように前記ツール交換機構部を動作させる、請求項2に記載の工作機械。
  4. 前記第1清掃部は、前記工具装着部と、前記工具装着部に装着される工具との間の隙間に空気を供給可能に構成されている、請求項2または3に記載の工作機械。
  5. 前記制御部は、前記第2工具によるワーク加工後の前記第1工具を用いたワーク加工時に、前記第1工具および前記第2工具のうちの前記第2工具を前記工具装着部に装着するように前記ツール交換機構部を動作させる、請求項1から4のいずれか1項に記載の工作機械。
  6. 前記ツール交換機構部により前記第2工具に交換された前記第1工具を、前記工具装着部から離れた位置で清掃する第2清掃部をさらに備える、請求項1から5のいずれか1項に記載の工作機械。
  7. 前記制御部は、前記第2清掃部により前記第1工具が清掃された場合には、前記第2工具によるワーク加工後の前記第1工具を用いたワーク加工時に、前記第1工具および前記第2工具のうちの前記第1工具を前記工具装着部に装着するように前記ツール交換機構部を動作させる、請求項6に記載の工作機械。
  8. 前記ツール交換機構部により前記第1工具が前記第2工具と交換されたことを作業者に通知する通知装置をさらに備える、請求項1から7のいずれか1項に記載の工作機械。
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