JP2002011601A - 旋 盤 - Google Patents

旋 盤

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JP2002011601A
JP2002011601A JP2000189681A JP2000189681A JP2002011601A JP 2002011601 A JP2002011601 A JP 2002011601A JP 2000189681 A JP2000189681 A JP 2000189681A JP 2000189681 A JP2000189681 A JP 2000189681A JP 2002011601 A JP2002011601 A JP 2002011601A
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JP
Japan
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guide surface
axis
lathe
vertical guide
tool rest
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JP2000189681A
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English (en)
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Akira Koshiyou
明 古正
Naoyuki Motojima
尚幸 本島
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Hitachi Seiki Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 上部の刃物台に対する段取り作業が容易であ
り、高精度で能率よく加工することができ、刃物台およ
び心押台の構成をモジュラー構成化する。 【解決手段】 旋盤1は、直方体状のベッド2と、この
ベッドの垂直な前面4に設けられ、第1の主軸を支持す
る第1の主軸台5と、ベッド前面と直交する上面3に設
けられ、第1の主軸の軸線C1と平行なZ軸方向に延在
して形成された水平な上部案内面10と、上部案内面に
案内されてZ軸方向に移動し、Z軸方向と直交するX軸
方向にも移動可能で、工具34,35が設けられた第1
の刃物台13とを有し、ベッド前面には、第1の主軸台
の高さ位置に対応する第1の位置および第1の位置より
所定量下方の第2の位置に、Z軸方向に延在して形成さ
れた垂直な第1の前部案内面11および第2の前部案内
面12を形成可能な領域が予め設けられ、この領域には
第1,第2の前部案内面が設けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基部がほぼ直方体
状のベッドを有し、刃物台および心押台をモジュラー構
成化することが可能な旋盤に関する。
【0002】
【従来の技術】旋盤は、主軸の先端にチャックが取付け
られ、このチャックで工作物を把持して回転させる。こ
れと同時に、工作物と刃物台の工具とを、主軸軸線方向
および主軸軸線と直交する方向に相対移動させることに
より、工作物が加工される。実公平4−22882号公
報には、ベッドの上面と前面に縦送り案内面をそれぞれ
形成し、刃物台を傾斜して取付けた旋盤に関する技術が
開示されている。この旋盤では、往復台を縦送り案内面
で移動可能に支持し、往復台上で刃物台が移動するよう
になっている。しかし、心押台は移動可能な構成にはな
っていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】もし仮に、この旋盤に
おいて、二つの刃物台と心押台を縦送り案内面に移動可
能に設けると、一つの縦送り案内面に往復台と心押台の
両方を移動可能に支持することになる。そうすると、往
復台と心押台が干渉する恐れがある。したがって、一つ
の縦送り案内面で往復台と心押台を移動可能に案内しな
がら干渉を防止することができるようにNC(数値制
御)プログラムを作成しなければならない。その結果、
NCプログラムが複雑化してその作成が困難であるとい
う課題があった。
【0004】実用新案登録第2540245号公報に
は、傾斜して取付けられた二つの刃物台を有する旋盤が
開示されている。この旋盤では、ベッドの案内取付け面
が傾斜面となっている。そのため、ベッドの製造の際
に、案内取付け面等の加工が困難であり、また、段取り
替え作業が多く発生するためベッドの製造コストの上昇
を招く恐れがあった。さらに、この旋盤で切削加工を行
うときに発生する切りくずが、傾斜面の途中に引っ掛か
って、その排出が困難になる恐れがあった。前記二つの
公報に記載の旋盤では、刃物台が傾斜しているので、主
軸台の上方の刃物台は旋盤の上部後方に位置することに
なる。その結果、作業者が旋盤の前方に立って段取り作
業を行う際に、上部後方の刃物台は作業者から遠くにあ
る。したがって、この刃物台に対する接近性が悪く、段
取り作業が困難であった。また、ベッドは側面視で複雑
な形状になっている。そのため、切りくずや切削油剤等
が落下したり室温変化が生じたりしてベッドが熱変形す
ると、工作物の加工精度に悪影響を与える恐れがあっ
た。さらに、刃物台および心押台等をモジュラー構成化
することが困難であった。
【0005】本発明は、このような課題を解決するため
になされたもので、上部の刃物台に対する接近性が良好
で段取り作業が容易であり、ベッドの熱変形による加工
精度への影響を少なくして高精度で能率よく加工するこ
とができるとともに刃物台および心押台等の構成をモジ
ュラー構成化することが可能な旋盤を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明にかかる旋盤は、基部がほぼ直方体状のベッ
ドと、このベッドのほぼ垂直な前面に設けられ、第1の
主軸を回転可能に支持する第1の主軸台と、前記ベッド
の前記前面と直交する上面に設けられ、前記第1の主軸
の軸線と平行な第1の方向に延在して形成されたほぼ水
平な水平案内面と、この水平案内面に案内されて前記第
1の方向に移動し、この第1の方向と直交する第2の方
向にも少なくとも移動可能で、一つまたは複数の工具が
設けられた第1の刃物台とを有する旋盤であって、前記
ベッドの前記前面には、前記第1の主軸台の高さ位置に
対応する第1の位置およびこの第1の位置より所定量下
方の第2の位置に、前記第1の方向に延在して形成され
たほぼ垂直な第1の垂直案内面および第2の垂直案内面
を形成可能な領域が予め設けられ、この領域には、前記
第1の垂直案内面および前記第2の垂直案内面の少なく
とも一方が設けられる。
【0007】前記領域には、前記第1の垂直案内面が設
けられており、この第1の垂直案内面に案内される第1
の移動体は、前記第1の方向に移動可能であるととも
に、心押軸を有する心押台であるのが好ましい。また、
前記領域には、前記第2の垂直案内面が設けられてお
り、この第2の垂直案内面に案内される第2の移動体
は、前記第1の方向およびこの第1の方向と直交する前
記第2の方向に少なくとも移動可能で、一つまたは複数
の工具が設けられた第2の刃物台であるのが好ましい。
一つの実施態様として、前記領域には、前記第1の垂直
案内面と前記第2の垂直案内面が設けられており、前記
第1の垂直案内面に案内される第1の移動体は、前記第
1の方向に移動可能であるとともに、心押軸を有する心
押台であり、前記第2の垂直案内面に案内される第2の
移動体は、前記第1の方向およびこの第1の方向と直交
する前記第2の方向に少なくとも移動可能で、一つまた
は複数の工具が設けられた第2の刃物台である。なお、
前記領域には、前記第1の垂直案内面が設けられてお
り、この第1の垂直案内面に案内される第1の移動体
は、前記第1の方向に移動可能であるとともに、第2の
主軸を回転可能に支持する第2の主軸台であってもよ
い。他の実施態様として、前記領域には、前記第1の垂
直案内面と前記第2の垂直案内面が設けられており、前
記第1の垂直案内面に案内される第1の移動体は、前記
第1の方向に移動可能であるとともに、第2の主軸を回
転可能に支持する第2の主軸台であり、前記第2の垂直
案内面に案内される第2の移動体は、前記第1の方向お
よびこの第1の方向と直交する前記第2の方向に少なく
とも移動可能で、一つまたは複数の工具が設けられた第
2の刃物台である。前記各実施態様において、前記第2
の垂直案内面は、前記第1の垂直案内面より所定量後方
に形成されているのが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる実施の形態
の一例を、図1から図6までを参照して説明する。 (第1の実施形態)図1は、本発明の第1の実施形態に
かかる旋盤の正面図、図2は図1に示す旋盤の右側面図
である。なお、説明の便宜上、後述する加工領域91の
開閉扉93側,制御盤89側,第1の主軸台5側,心押
台15側を、それぞれ旋盤1の前方,後方,左方向,右
方向として説明する。
【0009】図1および図2に示すように、旋盤1は、
ベッド2,第1の刃物台13,第2の刃物台14および
心押台15を備えている。ベッド2は、ほぼ水平な上面
3とほぼ垂直な前面4とを有して、床面7上に設置され
ている。ベッド2は、主要部の形状が側面視でほぼ矩形
状をなし、全体的にほぼ直方体状(または、立方体状)
に形成されている場合を示している。なお、ベッドは、
床面7に対してほぼ水平な上面3とほぼ垂直な前面4と
を有して、基部がほぼ直方体状であれば他の形状であっ
てもよい。また、ベッド2は、床面7上に直立している
が、床面7に対して若干傾斜している場合でもよい。ベ
ッド2の前面4の上部には、第1の主軸6を回転可能に
支持する第1の主軸台5が設けられている。第1の主軸
6は、工作物18を把持したチャック17を支持して回
転する軸であり、軸線C1は水平である。ベッド2の前
面4と直交する上面3には、上部案内面(水平案内面)
10が形成されている。上部案内面10は、第1の主軸
6の軸線C1と平行なZ軸方向(第1の方向)に延在し
てかつほぼ水平になっている。
【0010】ベッド2の前面4には、第1の主軸台5の
高さ位置に対応する第1の位置およびこの第1の位置よ
り所定量下方の第2の位置には、所定の領域が予め設け
られている。この領域は、ほぼ垂直であるとともにZ軸
方向に延在して形成された第1,第2の垂直案内面(第
1,第2の前部案内面)を形成可能な領域である。この
領域には、第1の垂直案内面および第2の垂直案内面の
少なくとも一方が設けられていればよい。この実施形態
では、第1の位置に第1の垂直案内面が設けられ、第2
の位置に第2の垂直案内面が設けられている。また、第
2の垂直案内面は、第1の垂直案内面より所定量後方に
形成されている。
【0011】すなわち、ベッド2の前面4の上部で第1
の主軸台5に対応する高さ位置(ほぼ同じ高さ位置)で
ある第1の位置には、第1の前部案内面(第1の垂直案
内面)11がZ軸方向に設けられている。ベッド2の前
面4には、第2の前部案内面(第2の垂直案内面)12
が、第1の前部案内面11の下方の第2の位置に位置し
てZ軸方向に設けられている。第2の前部案内面12
は、第1の前部案内面11と同一の面に位置していても
よい。しかし、切りくずや切削油剤など飛散物の飛散を
防止するには、本実施形態のように、第2の前部案内面
12が第1の前部案内面11より所定量だけ後方に位置
している方が、カバーが容易で好ましい。第1の刃物台
13は、上部案内面10に案内されてZ軸方向に移動
し、Z軸方向と直交するX軸方向(第2の方向)にも少
なくとも移動可能である。第1の刃物台13には、一つ
または複数の工具が設けられている。第2の前部案内面
12に案内される第2の移動体としての第2の刃物台1
4は、第2の前部案内面12に案内されてZ軸方向に移
動し、X軸方向にも少なくとも移動可能である。第2の
刃物台14には、一つまたは複数の工具が設けられてい
る。
【0012】第1の前部案内面11に案内される第1の
移動体としての心押台15は、工作物18を支持するた
めに第1の主軸台5に対向して配置されている。心押台
15は、第1の主軸6の軸線C1と同一線上に軸線を有
し、第1の前部案内面11に案内されてZ軸方向に移動
可能である。心押台15は、心押台ベース26と心押台
本体27と心押軸16を有している。心押軸16には、
工作物18の回転中心を支持するセンタ19が取付けら
れている。工作物18は、第1の主軸6の先端に設けら
れた第1のチャック17に把持されるとともに、必要に
応じて心押台15により支持される。
【0013】ベッド2の上面3には、一対の平行な上部
Z軸ガイドレール20がZ軸方向に設けられている。二
本の上部Z軸ガイドレール20とスライド本体22,2
2とからなる直動転がり案内は、水平に並びかつZ軸方
向に長く延びて配置され、上部案内面10を構成してい
る。ベッド2の上部には、上部案内面10に案内されて
Z軸方向に移動する上サドル21が配置されている。上
サドル21の下面には、スライド本体22,22が固定
されている。上サドル21は、二本の上部Z軸ガイドレ
ール20,スライド本体22,22を介してZ軸方向に
移動可能に配置されている。二本の上部Z軸ガイドレー
ル20の間には、Z軸用ボールねじのねじ軸23が、上
部Z軸ガイドレール20と平行に配置されている。ねじ
軸23には、上サドル21に固定されたナット24がね
じ込まれている。ねじ軸23は、第1の刃物台13用の
第1のZ軸用サーボモータ(図示せず)により、正逆方
向に回転駆動される。第1のZ軸用サーボモータに駆動
されてねじ軸23が回転すると、ナット24が固定され
ている上サドル21が、上部Z軸ガイドレール20に案
内支持されてZ軸方向に往復移動する。この上サドル2
1の移動動作が、工作物18に対する第1の刃物台13
のZ軸方向の移動となる。
【0014】上サドル21の前面には、一対の平行な第
1のX軸ガイドレール30がX軸方向に設けられてい
る。二本の第1のX軸ガイドレール30は、垂直に並び
かつX軸方向に延びて配置されている。上クロススライ
ド(横送り台)31にはスライド本体32,32が固定
されている。第1のX軸ガイドレール30とスライド本
体32,32は、直動転がり案内を構成するものであ
り、第1のX軸案内面25を構成している。上クロスス
ライド31は、第1のX軸案内面25に案内されてX軸
方向に移動する。
【0015】上クロススライド31の前面には、第1の
刃物台本体43が固定されている。第1の刃物台本体4
3には、第1のタレット33が所定の方向(たとえば、
Z軸方向)と平行な軸線C2を中心に旋回割出し可能に
設けられている。第1の刃物台本体43および第1のタ
レット33などにより、第1の刃物台13が構成されて
いる。第1のタレット33には、複数の工具34,35
が放射状に取付けられている。たとえば、工具34は外
径加工用の工具であり、他の工具35は内径加工用の工
具である。第1の刃物台本体43には、第1のタレット
割出し用モータ44が取付けられている。第1のタレッ
ト33は、歯付プーリ45,46および歯付ベルト47
を介して、第1のタレット割出し用モータ44により軸
線C2を中心に旋回割出し動作を行う。第1の刃物台本
体43には、クランプ・アンクランプ機構(図示せず)
と、これを駆動する第1のクランプ・アンクランプ用シ
リンダ装置39が取付けられている。所定の圧力の流体
を供給して第1のクランプ・アンクランプ用シリンダ装
置39を駆動することにより、第1のタレット33は、
クランプ・アンクランプ機構によりクランプ状態または
アンクランプ状態になる。
【0016】二本の第1のX軸ガイドレール30の間に
は、X軸用ボールねじのねじ軸36が、X軸ガイドレー
ル30と平行に配置されている。ねじ軸36には、上ク
ロススライド31に固定されたナット(図示せず)がね
じ込まれている。上サドル21には、第1のX軸用サー
ボモータ37がブラケット38を介して取付けられてい
る。ねじ軸36は、歯付プーリ40,41および歯付ベ
ルト42を介して、第1のX軸用サーボモータ37によ
り正逆方向に回転駆動される。第1のX軸用サーボモー
タ37に駆動されてねじ軸36が回転すると、ナットが
固定されている上クロススライド31が、第1のX軸ガ
イドレール30に案内支持されてX軸方向に往復移動す
る。この上クロススライド31の移動動作が、工作物1
8に対する第1の刃物台13のX軸方向の移動となる。
【0017】第1の主軸台5には、第1の主軸6が主軸
受(図示せず)により回転可能に支持されている。第1
の主軸6は、その先端に設けられた第1のチャック17
で工作物18を把持した状態で回転する。第1の主軸6
は、第1の主軸台5の内部に組み込まれたビルトイン型
の主軸モータ50により回転駆動される。なお、主軸モ
ータは、歯車機構およびベルト・プーリ機構など伝達機
構を介して、第1の主軸6を駆動するモータであっても
よい。第1のチャック17には、工作物18を把持する
ための複数の爪(たとえば、三つ爪)51が設けられて
いる。第1の主軸台5の端部には、チャックシリンダ5
2が設けられている。所定の圧力の流体を供給してチャ
ックシリンダ52を駆動すると、ドローバーおよびドロ
ーチューブよりなる駆動力伝達部材,くさび機構,レバ
ー揺動機構など駆動力変換機構を介して、複数の爪51
が同時に径方向に開閉移動する。これにより、工作物1
8が把持または把持解除される。
【0018】ベッド2の前面4の上部には、一対の平行
な第1の前部Z軸ガイドレール55がZ軸方向に設けら
れている。二本の第1の前部Z軸ガイドレール55は、
上下に並びかつZ軸方向に長く延びて配置されている。
第1の前部Z軸ガイドレール55とスライド本体56,
56により、第1の前部案内面11が構成されている。
心押台ベース26の前面には心押台本体27が固定さ
れ、後面にはスライド本体56,56が固定されてい
る。心押台15は、二本の第1の前部Z軸ガイドレール
55,55に案内支持されて、スライド本体56,56
を介してZ軸方向に移動可能に配置されている。第1の
前部Z軸ガイドレール55とスライド本体56,56
は、直動転がり案内を構成している。
【0019】二本の第1の前部Z軸ガイドレール55の
間には、Z軸用ボールねじのねじ軸57が、前部Z軸ガ
イドレール55と平行に配置されている。ねじ軸57に
は、心押台ベース26に固定されたナット58がねじ込
まれている。ねじ軸57の両端部は、軸受を内蔵した軸
受装置59,60により回転可能に軸支されている。ね
じ軸57は、歯付プーリ61,62および歯付ベルトを
介して、第1の前部Z軸用サーボモータ(図示せず)に
より正逆方向に回転駆動される。この第1の前部Z軸用
サーボモータに駆動されてねじ軸57が回転すると、ナ
ット58が固定されている心押台15が、第1の前部Z
軸ガイドレール55に案内支持されてZ軸方向に往復移
動する。これにより、工作物18の端部中心に形成され
たセンタ穴をセンタ19で押し付けて支持することがで
きる。工作物18が軸線C1方向に長い長尺物などの場
合に、工作物18を、第1のチャック17の爪51と心
押軸16により両持ち支持して、安定した状態で回転さ
せることができる。
【0020】ベッド2の前面4には、一対の平行な第2
の前部Z軸ガイドレール65がZ軸方向に設けられてい
る。二本の第2の前部Z軸ガイドレール65は、上下に
並びかつZ軸方向に長く延びて配置されている。第2の
前部Z軸ガイドレール65とスライド本体67,67に
より、第2の前部案内面12が構成されている。下サド
ル66は、第2の刃物台14を支持し、第2の前部案内
面12に案内されてZ軸方向に移動する。下サドル66
の後面には、スライド本体67,67が固定されてい
る。下サドル66は、二本の第2の前部Z軸ガイドレー
ル65に案内支持され、スライド本体67,67を介し
てZ軸方向に移動可能に配置されている。第2の前部Z
軸ガイドレール65とスライド本体67,67により、
直動転がり案内が構成されている。
【0021】二本の第2の前部Z軸ガイドレール65の
間には、Z軸用ボールねじのねじ軸68が、第2の前部
Z軸ガイドレール65と平行に配置されている。ねじ軸
68には、下サドル66に固定されたナット69がねじ
込まれている。ねじ軸68の両端部は、軸受を内蔵した
一方の軸受装置70と他方の軸受装置(図示せず)によ
り回転可能に軸支されている。ねじ軸68は、カップリ
ング71を介して第2のZ軸用サーボモータ72の出力
軸に連結されている。第2のZ軸用サーボモータ72は
ベッド2に取付けられている。ねじ軸68は、第2のZ
軸用サーボモータ72により正逆方向に回転駆動され
る。第2のZ軸用サーボモータ72に駆動されてねじ軸
68が回転すると、ナット69が固定されている下サド
ル66が、第2の前部Z軸ガイドレール65に案内支持
されてZ軸方向に移動する。この下サドル66の移動動
作が、工作物18に対する第2の刃物台14のZ軸方向
の移動となる。下サドル66の前面には、一対の平行な
第2のX軸ガイドレール73がX軸方向に設けられてい
る。二本の第2のX軸ガイドレール73は、垂直に並び
かつX軸方向に延びて配置されている。第2のX軸ガイ
ドレール73とスライド本体74a,74aにより、第
2のX軸用案内面64が構成されている。下クロススラ
イド(横送り台)74は、下サドル66の前面に設けら
れた第2のX軸用案内面64に案内されてX軸方向に移
動する。
【0022】下クロススライド74の前面には第2の刃
物台本体75が固定され、後面にはスライド本体74
a,74aが固定されている。第2の刃物台14は、二
本の第2のX軸ガイドレール73,73に案内支持され
て、スライド本体74a,74aを介してX軸方向に移
動可能に配置されている。第2のX軸ガイドレール73
とスライド本体74a,74aにより、直動転がり案内
が構成されている。第2の刃物台本体75には、第2の
タレット81が所定の方向(たとえば、Z軸方向)と平
行な軸線C3を中心に旋回割出し可能に設けられてい
る。第2の刃物台本体75および第2のタレット81な
どにより、第2の刃物台14が構成されている。
【0023】第2のタレット81には、複数の工具8
7,88が放射状に取付けられている。たとえば、工具
87は外径加工用の工具であり、他の工具88は内径加
工用の工具である。第2の刃物台本体75には、第2の
タレット割出し用モータ82が取付けられている。第2
のタレット81は、歯付プーリ83,84および歯付ベ
ルト85を介して、第2のタレット割出し用モータ82
により軸線C3を中心に旋回割出し動作を行う。第2の
刃物台本体75には、クランプ・アンクランプ機構(図
示せず)と、これを駆動する第2のクランプ・アンクラ
ンプ用シリンダ装置86が取付けられている。所定の圧
力の流体を供給して、第2のクランプ・アンクランプ用
シリンダ装置86を駆動することができる。これによ
り、第2のタレット81は、クランプ・アンクランプ機
構によりクランプ状態またはアンクランプ状態になる。
【0024】二本の第2のX軸ガイドレール73の間に
は、X軸用ボールねじのねじ軸76が、第2のX軸ガイ
ドレール73と平行に配置されている。ねじ軸76に
は、下クロススライド74に固定されたナット(図示せ
ず)がねじ込まれている。下サドル66には、第2のX
軸用サーボモータ77が取付けられている。ねじ軸76
は、歯付プーリ78,79および歯付ベルト80を介し
て、第2のX軸用サーボモータ77により正逆方向に回
転駆動される。第2のX軸用サーボモータ77に駆動さ
れてねじ軸76が回転すると、ナットが固定されている
下クロススライド74が、第2のX軸ガイドレール73
に案内支持されてX軸方向に往復移動する。この下クロ
ススライド74の移動動作が、工作物18に対する第2
の刃物台14のX軸方向の移動となる。
【0025】なお、各案内面を、前記各ガイドレールと
スライド本体とからなる直動転がり案内で説明を行って
いるが、他の転がり案内および滑り案内などの案内面で
あってもよい。旋盤1では、第1の主軸台5および心押
台15に対して、その上方および下方に、第1の刃物台
13および第2の刃物台14がそれぞれ配置されること
になる。第1の主軸台5の軸線C1と、第1の刃物台1
3の軸線C2と、第2の刃物台14の軸線C3は、旋盤1
の横方向から見てX軸方向の直線L1上に位置してい
る。
【0026】ベッド2の後部には、旋盤1を制御するた
めの制御盤89が配設されている。制御盤89は、ベッ
ド2に固定された支持部材(ステー)89aを介して、
ベッド2に取付けられている。ベッド2の前方下部に
は、切りくずや切削油剤を回収するための回収ボックス
90が床面7上に配置されている。回収ボックス90
は、ベッド2と別体になっているが、図6に示すよう
に、ベッド2が一体的に(または、別体で)立設してい
るベース2aに、回収部(回収ボックス)を一体に形成
してもよい。
【0027】旋盤1は、加工領域91を遮蔽するための
スプラッシュガード92を有している。スプラッシュガ
ード92は、第1の刃物台13および第2の刃物台14
の一方または両方により工作物18を加工していると
き、加工領域91内の切りくずや切削油剤など飛散物が
外部に飛散するのを防止するために設けられている。加
工領域91の前方側は、開閉扉93により開閉できるよ
うになっている。第1の移動カバー94は、上サドル2
1の両側にそれぞれ設けられている。第1の移動カバー
94は、加工領域91から上部案内面10およびベッド
2側に切りくずや切削油剤など飛散物が飛散するのを防
止するカバーであり、テレスコピックカバー,じゃ腹式
カバーまたは巻き取り式カバーなどからなっている。す
なわち、上サドル21の右側面21a側および左側面側
に、第1の移動カバー94の一端がそれぞれ固定されて
いる。第1の移動カバー94は、上サドル21がZ軸方
向に移動することを可能にするとともに、加工領域91
から上サドル21側に切りくずや切削油剤など飛散物が
飛散するのを防止している。
【0028】第2の移動カバー95および第3の移動カ
バー96は、それぞれ、第1の前部案内面11および第
2の前部案内面12などに、切りくずや切削油剤など飛
散物が飛散するのを防止するカバーである。第2の移動
カバー95および第3の移動カバー96は、心押台ベー
ス26の両側および下サドル66の両側に、それぞれ設
けられている。第2の移動カバー95および第3の移動
カバー96も、テレスコピックカバー,じゃ腹式カバー
または巻き取り式カバーなどからなっている。第2の移
動カバー95および第3の移動カバー96は、心押台1
5および下サドル66がZ軸方向に移動することを可能
にするとともに、加工領域91から第1の前部案内面1
1および第2の前部案内面12などに切りくずや切削油
剤など飛散物が飛散するのを防止している。第1から第
3の移動カバー94,95,96は、下方の移動カバー
が上方の移動カバーより順次後方に位置しかつ一部が直
接(または、ベッド2に設けられたカバー部材95a,
95b等を介して)重なり合って配置されている。した
がって、第1の前部案内面11および第2の前部案内面
12が、飛散物から確実に保護されることになる。ま
た、このカバー構成とするには、図示するように、第2
の前部案内面12が、第1の前部案内面11より所定量
だけ後方に位置している方が好ましい。したがって、切
りくずや切削油剤は、移動カバー94,95,96の間
の隙間から加工領域91外に出たり、第1の前部案内面
11および第2の前部案内面12側に入り込むことな
く、下方にスムーズに落下して回収ボックス90に回収
される。
【0029】次に、旋盤1の動作について説明する。運
転開始時には、第1の刃物台13と第2の刃物台14は
所定の待避位置に待避しているものとする。心押台15
も、第1の主軸台5から離れた所定の待避位置に待避し
ているものとする。まず最初に、第1のチャック17の
複数の爪51を開いた状態で、工作物18を軸線C1の
位置にセットする。次いで、所定の圧力の流体を供給し
てチャックシリンダ52を駆動し、複数の爪51を同時
に径方向に移動させることにより、工作物18が爪51
により把持される。次に、第1の前部Z軸用サーボモー
タ(図示せず)を駆動して、ねじ軸57を回転させる。
ねじ軸57が回転すると、ナット58を介して心押台1
5がZ軸方向に移動し第1の主軸台15の方向に接近す
る。そして、心押軸16のセンタ19が、工作物18を
押し付けてその回転中心を支持する。この状態で、主軸
モータ50により第1の主軸6を所定の回転速度で回転
駆動する。これにより、工作物18が、第1のチャック
17と心押台15に両端を支持された状態で回転する。
なお、工作物18の寸法が軸線C1方向に短くて心押台
15で支持する必要がないときには、心押台15は待避
位置に待避させておくことになる。
【0030】一方、第1の刃物台13において、所望の
工具が割り出されていない場合には、所定の圧力の流体
を供給して第1のクランプ・アンクランプ用シリンダ装
置39を駆動する。これにより、第1のタレット33は
アンクランプ状態になる。次に、第1のタレット割出し
用モータ44を駆動して、第1のタレット33を旋回割
出し動作させる。これにより、所望の工具34が、工作
物18の第1の加工部位97側に割り出される。その
後、第1のクランプ・アンクランプ用シリンダ装置39
を駆動して、第1のタレット33をクランプ状態にす
る。その後、第1のZ軸用サーボモータ(図示せず)を
駆動して、上サドル21をZ軸方向に移動させる。第1
のX軸用サーボモータ37を駆動して、上クロススライ
ド31をX軸方向に移動させる。これにより、第1の刃
物台13は、工作物18に対してZ軸方向およびX軸方
向に移動して、工具34で工作物18の第1の加工部位
97を切削加工する。
【0031】第2の刃物台14において、所望の工具が
割り出されていない場合には、所定の圧力の流体を供給
して第2のクランプ・アンクランプ用シリンダ装置86
を駆動する。これにより、第2のタレット81はアンク
ランプ状態になる。次いで、第2のタレット割出し用モ
ータ82を駆動して、第2のタレット81を旋回割出し
動作させる。これにより、所望の工具87が、工作物1
8の第2の加工部位98側に割り出される。その後、第
2のクランプ・アンクランプ用シリンダ装置86を駆動
して、第2のタレット81をクランプ状態にする。
【0032】次いで、第2のZ軸用サーボモータ72を
駆動して、下サドル66をZ軸方向に移動させる。第2
のX軸用サーボモータ77を駆動して、下クロススライ
ド74をX軸方向に移動させる。これにより、第2の刃
物台14は、工作物18に対してZ軸方向およびX軸方
向に移動して、工具87で工作物18の第2の加工部位
98を切削加工する。第1の刃物台13による切削加工
と、第2の刃物台14による切削加工を、両方の刃物台
13,14で同時に行ってもよい。工作物18を切削加
工する手順のNC(数値制御)プログラムは、NC装置
のNCプログラムメモリに予め記憶されている。NC装
置は、必要なNCプログラムをNCプログラムメモリか
ら呼び出して、旋盤1の加工動作を制御する。
【0033】本発明では、第1,第2の刃物台13,1
4が工作物18に対して進退移動する方向であるX軸方
向が、床面7に対してほぼ垂直な方向を向いている。そ
の結果、第1の主軸台5より上部に位置している第1の
刃物台13を、前記従来の旋盤と比較して、旋盤1の前
方に近い位置に配置することができる。したがって、旋
盤1の前方に立って段取り作業を行う作業者Mにとっ
て、第1の刃物台13に対する接近性が良好である。こ
れにより、作業者Mは、第1の刃物台13に対して工具
の交換など段取り作業を容易に行うことができる。な
お、第1の主軸台5の下方にある第2の刃物台14に対
しても接近性は良好である。
【0034】ところで、旋盤1の運転中は、主軸モータ
50および第1の主軸6の主軸受などが発熱源となって
温度上昇が生じる。加工領域91では、高熱の切りくず
が飛散し、供給された切削油剤の温度も上昇する。切削
油剤等が温度上昇すると、時間の経過にともなって、ベ
ッド2の前面4側が次第に温度上昇して微小量膨張す
る。この熱変形で、ベッド2の中央部近傍が前方側に微
小量だけ中凸状の形状になる。それに従って、第1の主
軸6の軸線も、先端側がベッド2から離れる方向に、水
平面内で微小量傾斜する。しかしながら、工作物18
は、ベッド2の熱変位の方向(前後方向)と直交する直
線L1の方向(上下方向)から、第1の刃物台13の工
具34(または、工具35)と第2の刃物台14の工具
87(または、工具88)のいずれか一方または両方で
切削加工されている。したがって、第1,第2の刃物台
13,14による加工精度への影響はほとんどなく、旋
盤1は工作物18を高精度で加工することができる。
【0035】また、本発明の旋盤1では、工作物18を
二つの刃物台13,14で加工することができるので、
一つの刃物台のみを有する旋盤より能率よくかつ多種類
の加工ができる。ベッド2は、全体的にほぼ直方体をな
して、上面3が水平で前面4が垂直になっている。その
結果、ベッド2に傾斜面を加工する必要がないので、ベ
ッド2の機械加工等が容易である。旋盤1の全体に傾斜
部分がないので、切削加工により発生した切りくずは、
下方に落下して回収ボックス90で回収されることにな
り、切りくずの排出が容易になる。
【0036】第1の刃物台13をZ軸方向に移動させる
ために、上部案内面10がベッド2の上面3に設けられ
ている。心押台15をZ軸方向に移動させるために、第
1の前部案内面11がベッド2の前面4の上部に設けら
れている。第2の刃物台14をZ軸方向に移動させるた
めに、第2の前部案内面12が、第1の前部案内面11
の下方に位置して、ベッド2の前面4に設けられてい
る。したがって、第1の刃物台13,心押台15および
第2の刃物台14は、それぞれ独立してZ軸方向に移動
することができる。これにより、第1の刃物台13,心
押台15および第2の刃物台14が、移動時に干渉を起
こす恐れはない。このように、干渉を考慮しなくてもよ
いので、NCプログラムを容易に作成することができ
る。
【0037】(第2の実施形態)図3は、本発明の第2
の実施形態にかかる旋盤101の右側面図である。な
お、第1の実施形態と同一または相当部分には同一符号
を付してその説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
図3に示すように、旋盤101は、第1の実施形態と同
様に、ほぼ水平な上面3とほぼ垂直な前面4を有するベ
ッド2と、第1の主軸6を回転可能に支持し、ベッド2
の前面4の上部に設けられた第1の主軸台5と、ベッド
2の上面3に、第1の主軸5の軸線C1方向と平行なZ
軸方向(第1の方向)に設けられた上部案内面(水平案
内面)10と、ベッド2の前面上部で第1の主軸台5に
対応する高さ位置に、Z軸方向に設けられた第1の前部
案内面11と、上部案内面10に案内されてZ軸方向に
移動し、X軸方向にも少なくとも移動可能な第1の刃物
台13と、工作物18を支持するために第1の主軸台5
に対向して配置され、第1の前部案内面(第1の垂直案
内面)11に案内されてZ軸方向に移動する心押台(第
1の移動体)15とを備えている。すなわち、垂直案内
面を構成可能な領域には、第1の前部案内面11が設け
られており、第2の前部案内面12は設けられていな
い。第1の前部案内面11の下方(すなわち、第1の主
軸台5と心押台15の下方)は、空間になっている。こ
の空間Sには、必要に応じて、第2の前部案内面(第2
の垂直案内面)12が取付けできるようになっている。
【0038】旋盤101は、一つの第1の刃物台13を
有しているが、第1の実施形態と同様の作用効果を奏す
る。この旋盤101の垂直案内面を構成可能な領域に、
第2の前部案内面12,下サドル66および第2の刃物
台14を設ければ、簡単に第1の実施形態の旋盤1を構
成することができる。第2の前部案内面12を取付けた
場合には、第2の刃物台14は、第2の前部案内面12
に案内されてZ軸方向に移動し、X軸方向にも少なくと
も移動可能にするとよい。第2の刃物台14などは、案
内面が直動転がり案内などであれば、旋盤101に後付
けで増設することができる。また、案内面が滑り案内な
どの場合にも、鋳物材料などを共通化できるとともに、
その仕様にあった機械加工を行えばよいので無駄がな
い。第1の実施形態と第2の実施形態では、第2の刃物
台14などの有無が異なるが、その他の構成部分は同一
なので、設計図および構成部材を共通化できる。すなわ
ち、モジュラー構成化することができる。したがって、
ユーザーの要求に応じて、二つの刃物台13,14を有
する旋盤1であっても、一つの刃物台13のみを有する
旋盤101であっても、容易に設計,製造することがで
きる。
【0039】(第3の実施形態)図4は、本発明の第3
の実施形態にかかる旋盤111の正面図である。なお、
他の実施形態と異なる部分のみ説明する。図4に示す旋
盤111では、前記領域には第1の前部案内面(第1の
垂直案内面)11と第2の前部案内面(第2の垂直案内
面)12が設けられており、第1の前部案内面11に案
内される第1の移動体が、第2の主軸台112である。
第2の主軸台112は、第2のチャック114に把持さ
れた工作物18に切削回転を与える第2の主軸113を
回転可能に支持している。第2の主軸台112は、工作
物18を支持するために第1の主軸台5に対向して配置
され、第1の前部案内面11に案内されてZ軸方向に移
動可能である。第2の主軸台112は、第1の主軸6の
軸線C1と同一線上に軸線を有している。第2の主軸台
112は、第1の主軸台5と同じ機能を有する、主軸モ
ータ50,第2のチャック114,複数の爪51および
チャックシリンダ52を有している。第2の前部案内面
12に案内される第2の移動体としての第2の刃物台1
4は、第2の前部案内面12に案内されてZ軸方向に移
動し、X軸方向にも少なくとも移動可能である。第2の
刃物台14には、一つまたは複数の工具が設けられてい
る。
【0040】旋盤111では、第1の実施形態と同様の
作用効果を奏するとともに、バリエーションに富んだ加
工を、さらに高能率で行うことができる。たとえば、第
1の主軸台5で工作物18を支持して加工した後、第2
の主軸台112を第1の主軸台5側にZ軸方向に移動
し、第2の主軸台112の第2のチャック114で工作
物18を受け取って把持する。その後、第1の主軸台5
の第1のチャック17を把持解除すれば、工作物18は
第1の主軸台5から第2の主軸台112に移し替えられ
たことになる。工作物18の受け渡しは、次のような状
態のときに行うことができる。たとえば、両方の主軸
6,113が停止した状態のとき、または、両方の主軸
6,113が同期して回転している状態のとき、また
は、第1の主軸6を回転させておくとともに第2の主軸
113をフリーにしているいわゆるフリーランの状態の
ときなどである。そして、第2の主軸113を回転駆動
して工作物18を回転させれば、それまで第1の主軸台
5の第1のチャック17で把持していた部位およびその
近傍も、残さずに切削加工することができる。
【0041】(第4の実施形態)図5は、本発明の第4
の実施形態にかかる旋盤121の正面図である。なお、
他の実施形態と異なる部分のみ説明する。図5に示すよ
うに、旋盤121の第1の刃物台122の軸線C2の方
向は、前記第1の刃物台13と比較して90度異なる第
3の方向(X軸方向,Z軸方向と直交するY軸方向)を
向いている。なお、第2の刃物台14の軸線C3の方向
を、90度異なる方向(Y軸方向)に向けてもよい。本
実施形態では、旋盤121における加工の種類を増やす
ことができる。
【0042】(第5の実施形態)図6は、本発明の第5
の実施形態にかかる旋盤131の右側面図である。な
お、他の実施形態と異なる部分のみ説明する。本発明で
は、第1の刃物台13および第2の刃物台14の少なく
とも一方の刃物台は、第1,第2の方向と直交する第3
の方向にも移動するようにしてもよい。そこで、図6に
示す旋盤131では、第1の刃物台13が、Z軸方向,
X軸方向と直交するY軸方向(第3の方向)にも移動す
る場合を示している。上サドル132は、上部案内面1
0に案内されてZ軸方向に移動する。上サドル132上
には、送り台としてのY軸用送り台133がY軸方向に
移動可能に取付けられている。Y軸用送り台133の前
面には、第1のX軸ガイドレール30を有する第1のX
軸案内面25がX軸方向に設けられている。Y軸用送り
台133の前面には、上クロススライド31が、第1の
X軸案内面25に案内されてX軸方向に移動可能に設け
られている。上クロススライド31の前面には、第1の
刃物台本体43が取付けられている。第1のX軸用サー
ボモータ37は、Y軸用送り台133に取付けられてい
る。第1のX軸用サーボモータ37に駆動されてねじ軸
36が回転すると、上クロススライド31が、第1のX
軸ガイドレール30に案内支持されてX軸方向に往復移
動する。この上クロススライド31の移動動作が、工作
物18に対する第1の刃物台13のX軸方向の移動とな
る。
【0043】上サドル132の上面には、一対の平行な
Y軸ガイドレール(図示せず)がY軸方向に設けられて
いる。二本のY軸ガイドレールは、水平に並びかつY軸
方向に延びて配置されている。二本のY軸ガイドレール
の間には、Y軸用ボールねじのねじ軸134が、Y軸ガ
イドレールと平行に配置されている。ねじ軸134に
は、Y軸用送り台133に固定されたナット136がね
じ込まれている。上サドル132には、ねじ軸134を
正逆方向に回転駆動するためのY軸用サーボモータ13
5が取付けられている。Y軸用サーボモータ135に駆
動されてねじ軸134が回転すると、ナット136が固
定されているY軸用送り台133が、Y軸ガイドレール
に案内支持されてY軸方向に往復移動する。このY軸用
送り台133の移動動作が、工作物18に対する第1の
刃物台13のY軸方向の移動となる。旋盤131は、第
1の刃物台13が直交3軸方向に移動するので、加工の
種類が多くなって各種加工に対処することができる。第
5の実施形態に示すように、本発明では、旋盤の刃物台
(特に、上部の刃物台)を、Y軸方向を含む直交3軸方
向に移動する構成に容易に展開することができる。第5
の実施形態においても、他の実施形態と同じ作用効果を
奏する。
【0044】なお、第1から第5の実施形態に示す構成
を組み合わせて、本発明の旋盤を構成することができ
る。前記各実施形態の旋盤では、刃物台にタレットが設
けられている。しかし、本発明においては、二つの刃物
台(または、一つの刃物台と、他の刃物台用の空間)を
有する旋盤であれば、刃物台に対して自動工具交換装置
で工具を自動的に交換するタイプの旋盤であってもよ
い。また、くし刃形刃物台を有する旋盤であってもよ
い。前記各実施形態では、第1の主軸(または、第2の
主軸)で工作物を回転させる場合を示している。しか
し、本発明では、第1,第2の主軸をC軸として制御
し、刃物台の工具を回転させれば、回転工具による加工
を行うことができる。すなわち、ターニングセンタ等の
複合加工用工作機械として加工を行うこともできる。な
お、各図中同一符号は同一または相当部分を示す。
【0045】
【発明の効果】本発明は上述のように構成したので、上
部の刃物台に対する接近性が良好になって段取り作業が
容易になり、ベッドの熱変形による加工精度への影響を
少なくして高精度で能率よく加工することができるとと
もにベッドの製造が容易になり、また、切りくずを容易
に排出することができる。また、1主軸2刃物台タイ
プ,2主軸2刃物台タイプのほか各種形態の旋盤として
モジュラー化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる旋盤の正面図
である。
【図2】図1に示す旋盤の右側面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態にかかる旋盤の右側面
図である。
【図4】本発明の第3の実施形態にかかる旋盤の正面図
である。
【図5】本発明の第4の実施形態にかかる旋盤の正面図
である。
【図6】本発明の第5の実施形態にかかる旋盤の右側面
図である。
【符号の説明】
1,101,111,121,131 旋盤 2 ベッド 3 ベッドの上面 4 ベッドの前面 5 第1の主軸台 6 第1の主軸 10 上部案内面(水平案内面) 11 第1の前部案内面(第1の垂直案内面) 12 第2の前部案内面(第2の垂直案内面) 13,122 第1の刃物台 14 第2の刃物台(第2の移動体) 15 心押台(第1の移動体) 16 心押軸 34,35,87,88 工具 112 第2の主軸台(第1の移動体) 113 第2の主軸 C1 第1の主軸の軸線 X軸方向 第2の方向 Z軸方向 第1の方向

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基部がほぼ直方体状のベッドと、 このベッドのほぼ垂直な前面に設けられ、第1の主軸を
    回転可能に支持する第1の主軸台と、 前記ベッドの前記前面と直交する上面に設けられ、前記
    第1の主軸の軸線と平行な第1の方向に延在して形成さ
    れたほぼ水平な水平案内面と、 この水平案内面に案内されて前記第1の方向に移動し、
    この第1の方向と直交する第2の方向にも少なくとも移
    動可能で、一つまたは複数の工具が設けられた第1の刃
    物台とを有する旋盤であって、 前記ベッドの前記前面には、前記第1の主軸台の高さ位
    置に対応する第1の位置およびこの第1の位置より所定
    量下方の第2の位置に、前記第1の方向に延在して形成
    されたほぼ垂直な第1の垂直案内面および第2の垂直案
    内面を形成可能な領域が予め設けられ、 この領域には、前記第1の垂直案内面および前記第2の
    垂直案内面の少なくとも一方が設けられることを特徴と
    する旋盤。
  2. 【請求項2】 前記領域には、前記第1の垂直案内面が
    設けられており、 この第1の垂直案内面に案内される第1の移動体は、前
    記第1の方向に移動可能であるとともに、心押軸を有す
    る心押台であることを特徴とする請求項1に記載の旋
    盤。
  3. 【請求項3】 前記領域には、前記第2の垂直案内面が
    設けられており、 この第2の垂直案内面に案内される第2の移動体は、前
    記第1の方向およびこの第1の方向と直交する前記第2
    の方向に少なくとも移動可能で、一つまたは複数の工具
    が設けられた第2の刃物台であることを特徴とする請求
    項1に記載の旋盤。
  4. 【請求項4】 前記領域には、前記第1の垂直案内面と
    前記第2の垂直案内面が設けられており、 前記第1の垂直案内面に案内される第1の移動体は、前
    記第1の方向に移動可能であるとともに、心押軸を有す
    る心押台であり、 前記第2の垂直案内面に案内される第2の移動体は、前
    記第1の方向およびこの第1の方向と直交する前記第2
    の方向に少なくとも移動可能で、一つまたは複数の工具
    が設けられた第2の刃物台であることを特徴とする請求
    項1に記載の旋盤。
  5. 【請求項5】 前記領域には、前記第1の垂直案内面が
    設けられており、 この第1の垂直案内面に案内される第1の移動体は、前
    記第1の方向に移動可能であるとともに、第2の主軸を
    回転可能に支持する第2の主軸台であることを特徴とす
    る請求項1に記載の旋盤。
  6. 【請求項6】 前記領域には、前記第1の垂直案内面と
    前記第2の垂直案内面が設けられており、 前記第1の垂直案内面に案内される第1の移動体は、前
    記第1の方向に移動可能であるとともに、第2の主軸を
    回転可能に支持する第2の主軸台であり、 前記第2の垂直案内面に案内される第2の移動体は、前
    記第1の方向およびこの第1の方向と直交する前記第2
    の方向に少なくとも移動可能で、一つまたは複数の工具
    が設けられた第2の刃物台であることを特徴とする請求
    項1に記載の旋盤。
  7. 【請求項7】 前記第2の垂直案内面は、前記第1の垂
    直案内面より所定量後方に形成されていることを特徴と
    する請求項1から6のいずれかの項に記載の旋盤。
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