JP3701649B2 - ハイブリッド車両の駆動力制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の駆動源として、エンジンと第1のモータ、第2のモータを備えたハイブリッド車両の駆動力制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両の駆動源として、エンジンと第1のモータ、第2のモータを備えたハイブリッド車両が知られている。例えば、特許文献1には、エンジンと、第1及び第2の電動機を駆動源に持ち、第1の電動機の熱定格を第2の電動機の熱定格よりも高く設定し、第2の電動機の作動制限時に、第1の電動機の出力を増大させて、第2の電動機の作動量を低減させて走行安定性の保持を図る技術が提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−112114号公報(段落番号[0002]〜[0004]、[0022]、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、車両の走行安定性の保持を図るためには、上述した従来の技術では必ずしも十分ではない。すなわち、車両の走行状態によっては、第2の電動機の出力を制限せずに運転を行った方が好ましい場合もあるが、その点については考慮されていない。加えて、従来の技術においては、第1および第2の電動機が出力制限された場合については考慮されておらず、要求された駆動力がこれらの電動機の出力を合わせたものより大きい場合には、要求駆動力に見合う出力が供給されない虞がある。この場合には、要求駆動力と実際の出力との差異によりドライバに違和感が生じてしまい、走行時の快適性を損なうという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、車両の走行状態に応じて駆動源の出力を制御することで車両の走行安定性の保持を図るハイブリッド車両の駆動力制御装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされた本発明の請求項1に係る発明は、前後輪(例えば、後述する実施の形態における前輪8,後輪9)の一方を車両の運転状態に応じて吸排気弁の運転を休止することにより休筒可能な気筒休止エンジン(例えば、後述する実施の形態におけるエンジン2)及び第1電動機(例えば、後述する実施の形態における第1のモータ3)にて駆動し、前後輪の他方を第2電動機(例えば、後述する実施の形態における第2のモータ4)で駆動するハイブリッド車両の駆動力制御装置であって、車両の運転状態により車両の要求駆動力を算出する要求駆動力算出手段(例えば、後述する実施の形態におけるマネージメントECU21)と、車両の運転状態により第1及び第2電動機の駆動力を算出する電動機駆動力算出手段(例えば、後述する実施の形態におけるモータECU22)と、前記エンジンの休筒状態における前記要求駆動力算出手段にて算出された要求駆動力が、前記電動機駆動力算出手段にて算出された前記第1及び第2の電動機の駆動力の和以上の場合、前記エンジンを休筒状態から駆動状態に切り換えるエンジン制御手段(例えば、後述する実施の形態におけるエンジンECU22)と、前記第1及び第2電動機へ電力を供給する蓄電装置と、該蓄電装置の蓄電量を算出する蓄電量算出手段と、エンジンの休筒状態において、前記蓄電量算出手段にて算出された蓄電量により前記電動機駆動力算出手段にて前記第1電動機の出力制限が行われる場合には、前記エンジン制御手段によりエンジンを休筒状態から駆動状態に切り換える切換手段とを備え、前記第1電動機と第2電動機の少なくともいずれかによる回生制御中に前記蓄電装置算出手段にて算出された蓄電量により、前記電動機駆動力算出手段にて前記第1電動機と第2電動機の少なくともいずれかの回生出力制限が行われる場合には、前記エンジン制御手段によりエンジンを休筒状態から駆動状態に切り換えてエンジンフリクションを増加させることを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、前記車両の運転状態により第1及び第2電動機の駆動力が算出され、前記算出された要求駆動力が第1及び第2電動機の駆動力の和以下であれば、第1及び第2電動機の駆動力により要求駆動力を供給することができるため、エンジンを休筒状態にして運転することができ燃費の向上を図ることができる。また、前記エンジンの休筒状態における要求駆動力が第1及び第2の駆動力の和以上であれば、前記エンジン制御手段によりエンジンを休筒状態から駆動状態に切り換えて、エンジンと第1及び第2電動機により要求駆動力を供給することができるため、走行状態が変動した場合であっても要求駆動力を出力させることができ、走行安定性を高めることができる。したがって、ドライバに違和感を与えることがなくなり、走行時の快適性を維持することができる。
【0008】
また、この発明によれば、前記蓄電装置の蓄電量を一定以上に保つことで、車両に必要な電力を確保しつつ、要求駆動力に見合った出力を供給することができる。
また、この発明によれば、前記エンジン制御手段により前記エンジンフリクションを増加させる制御を行うことで、蓄電装置に余剰な電力が供給されることを防止でき、蓄電装置を保護しつつ走行することができる。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載したものであって、前記第1の電動機のトルクの上限は、前記第2の電動機のトルクの上限よりも高く設定されるとともに、前記第2の電動機の駆動可能車速は、前記第1の電動機の駆動可能車速よりも高く設定されており、前記電動機駆動力算出手段にて前記第1又は第2電動機の少なくとも一方が出力制限される場合には、出力制限されない電動機又はエンジンの出力を、要求駆動力と出力制限される電動機の出力との差とすることを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、前記電動機の少なくとも一方が出力制限された場合であっても、出力制限された電動機を保護しつつ、要求駆動力に見合った出力を供給することができる。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載のものであって、前記エンジンから駆動輪までの駆動力伝達経路に変速機が備えられ、又、前記第1及び第2電動機は回生制御可能に構成され、前記電動機駆動力算出手段にて前記第1又は第2電動機の少なくとも一方が回生制御中におけるトルク制限がされた場合には、前記エンジン制御手段によりエンジンを休筒状態に保持しつつ、前記変速機の変速状態を変更させる変速制御手段を備えたことを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、車両の減速走行時に前記電動機により回生制御を行うことでことで余剰な走行エネルギーを回収でき、前記回生制御中の電動機にトルク制限された場合に、前記エンジンを休筒状態に保持しつつ、該エンジンの変速比を変更することで、例えば駆動輪までの動力伝達経路中の駆動軸回転数を上昇させ、駆動軸に連結されている電動機の回転数を上げることで電動機のトルクを下げることとなり、前記回生制御中の電動機の保護を図ることができると共に、前記エンジンを休筒状態に保持できることで燃費を向上させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態におけるハイブリッド車両の駆動力制御装置を図面と共に説明する。
図1は本発明の実施の形態のハイブリッド車両の駆動力制御装置を示す概略構成図である。同図に示したように、このハイブリッド車両はエンジン2と、第1のモータ3と、第2のモータ4とを駆動源として備えている。前記第1のモータ3はエンジン2に直結され、一体化されている。そして、エンジン2と第1のモータ3とは、クラッチ11を介してトランスミッション5に接続され、エンジン2と第1のモータ3の少なくとも一方の動力をトランスミッション5を介して出力軸12に伝達し、前輪8を駆動する。
また、前記クラッチ11を制御することで、エンジン2および第1のモータ3と、前輪8との接続や分離を行い、これらの駆動源と前輪8との間でエネルギーの伝達や遮断を行うことができる。
【0016】
一方、第2のモータ4は、前記トランスミッション5に接続されており、その動力を後輪9の出力軸13(図2参照)に伝達し、後輪9を駆動する。すなわち、本実施の形態におけるハイブリッド車両は、前輪8をエンジン2や第1のモータ3の少なくとも一方で駆動可能とし、後輪9を第2のモータ4で駆動可能とした、4輪駆動の車両である。
【0017】
また、ハイブリッド車両の減速時に前輪8側から第1のモータ3側に駆動力が伝達されると、第1のモータ3は発電機として機能していわゆる回生制動力を発生し、車体の運動エネルギーを電気エネルギーとして回収する。同様にして、ハイブリッド車両の減速時に後輪9側から第2のモータ4側に駆動力が伝達されると、第2のモータ4は発電機として機能して回生制動力を発生し、車体の運動エネルギーを電気エネルギーとして回収する。
【0018】
第1のモータ3,第2のモータ4の駆動及び回生作動は、ECU20からの制御指令を受けてパワードライブユニット(インバータ28,29)により行われる。これについては、図3を用いて後述する。パワードライブユニットには第1のモータ3、第2のモータ4と電気エネルギーの授受を行う高圧系のニッケル−水素バッテリ7が接続され、バッテリ7は、例えば、複数のセルを直列に接続したモジュールを1単位として更に複数個のモジュールを直列に接続したものである。
尚、エンジン2は休筒可能な気筒休止エンジンを用いているが、例えば吸気通路内のスロットル弁を全開保持させたり、吸気弁及び排気弁の一方又は双方を全開または全閉保持させる構成、排気ガス還元等エンジンのフリクションを低減させる手法として当業者として容易に種々選択可能である。
【0019】
図3は図1のハイブリッド車両のブロック図である。同図に示したように、ECU20は、マネージメントECU21と、エンジンECU22と、モータECU23と、バッテリECU24とを備えている。
エンジンECU22は、エンジン2、スロットル(TH)開度センサ26、車速センサ27に接続され、これらから、油圧センサや回転センサの信号やスロットル開度、車速がエンジンECU22にそれぞれ送信される。
【0020】
モータECU23は、第1のモータ3に接続されたインバータ28や該モータ3の位置検出手段30、第2のモータ4に接続されたインバータ29や該モータ4の位置検出手段31に接続され、これらから位置信号や温度フェイル情報がモータECU23にそれぞれ送信される。
バッテリECU24は、バッテリ7に接続され、該バッテリ7から電圧、電流、温度の情報がバッテリECU24にそれぞれ送信される。
【0021】
マネージメントECU21は、エンジンECU22,モータECU23、バッテリECU24、加速度センサ25に接続されている。エンジンECU22はエンジン2の状態、モータECU23はモータ3,4の状態、バッテリECU24はバッテリ7の残容量(SOC)、加速度センサ25は加速度についての信号を、それぞれマネージメントECU21に送信する。マネージメントECU21は、これらの信号を受信して、エンジンECU22にエンジン始動許可や出力指令についての信号を送信するとともに、モータECU23にモータトルク、出力指令を行う。エンジンECU22は、エンジン2にスロットル開度の調整や休筒指令の信号を送信し、モータECU23は、インバータ28、29に駆動信号を送信する。
【0022】
図4は第1のモータ3と第2のモータ4の、車速(回転数)とトルクに基づく特性を示すグラフである。同図に示したように、第1のモータ3のトルクの上限T1は、第2のモータ4のトルクの上限T2よりも高く設定されており、第1のモータ3は第2のモータ4に比べて高いトルクを出力することができる。また、第2のモータ4の駆動可能車速V2(回転数N2)は第1のモータ3の駆動可能車速V2(回転数N2)よりも高く設定されており、第2のモータ4は第1のモータ3に比べて高い車速まで駆動させることができる。
【0023】
このように、第1のモータ3を高トルク型のものとすることで、車両の発進時や極低速域等の高いトルクが要求される場合に、第1のモータ3により要求駆動力を供給することができる。また、このときに、クラッチ11を分離することで、エンジンフリクションによるエネルギーロスを低減できる。また、第2のモータ4を高回転型のものとすることで、車両の高速運転時等に、第2のモータ4単独で、または第1のモータ3やエンジン2とともに要求駆動力を供給することができる。
【0024】
図5は第1のモータ3、第2のモータ4、エンジン2の出力の制御を示すフローチャートである。また、図8は図5のフローチャートに対応するタイムチャートである。ステップS10で、駆動中の出力制限を判定する場合には、ステップS12で、要求駆動力Wdが第1のモータ3の出力制限W1と第2のモータ4の出力制限W2の合計よりも大きいかどうかを判定する。この判定結果がYESであればステップS16の処理に進み、判定結果がNOであればステップS14の処理に進む。まず、要求駆動力Wdがモータ3,4の合計出力W1+W2よりも小さい場合(判定結果がNOの場合)について説明する。
【0025】
ステップS14では、要求駆動力Wdが第1のモータ3の出力制限より大きいかどうかを判定する。この判定結果がYESである場合はステップS18に進み、判定結果がNOである場合はステップS20に進む。ステップS18では、第1のモータ3の出力を変化率A(=ΔW1/Δt)で減少させていき(図8のt1〜t2のモータ3の出力に対応)、ステップS24の処理に進む。一方、ステップS20では、第2のモータ4の出力を変化率Aで減少させていき、ステップS26の処理に進む。
【0026】
ステップS24では、前記要求駆動力Wdから第1のモータ3の実出力を減算した値を第2のモータ4の出力に設定して(図8のt1〜t2のモータ4の出力に対応)、ステップS30の処理に進む。
ステップS26では、前記要求駆動力Wdから第2のモータ4の実出力を減算した値を第1のモータ3の出力に設定して、ステップS30の処理に進む。
ステップS30では、第1のモータ3と第2のモータ4の出力を合計して要求駆動力Wdを供給可能とする(図8のt2〜t3のモータ3、4の出力に対応)。このようにすることで、出力が制限されたモータ3,4の保護を図りつつ、要求駆動力Wdを出力させることができる。
【0027】
次に、要求駆動力Wdがモータ3,4の合計出力よりも大きい場合(ステップS12の判定結果がYESの場合)について説明する(図8のt3以降に対応)。ステップS16では、エンジン2が休筒状態かどうかを判定する。この判定結果がYESの場合には、ステップS22でエンジン2を休筒から復帰させて駆動状態にして、ステップS28に進む(図8のt3以降のエンジン2の出力に対応)。ステップS16の判定結果がNOの場合には、ステップS22を介さずにステップS28に進む。ステップS28では、要求駆動力Wdから第1および第2のモータ3、4の実出力を減算した値をエンジン2の出力に設定して、ステップS32の処理に進む。ステップS32では、エンジン2と第1、第2のモータ3,4の出力を合計して要求駆動力Wdを供給可能とする。このようにすることで、要求駆動力Wdがモータ3,4の出力より大きい場合であっても、モータ3,4を保護しつつ要求駆動力Wdを出力させることができる。
【0028】
図6は第1のモータ3の出力制限を示すフローチャートである。また、図9は図6のフローチャートに対応するタイムチャートである。ステップS40で、第1のモータ3の出力制限の判定処理を開始すると、ステップS42で、エンジン2が休筒状態かどうかを判定する。この判定結果がYESの場合には、ステップS44でエンジン2を休筒状態から復帰させ(図9のt5〜t6のエンジン2の出力に対応)、ステップS46の処理に進む。ステップS42の判定結果がNOの場合には、ステップS44の処理を行わずにステップS46に進む。
【0029】
ステップS46では、第1のモータ3の出力を変化率Aで減少させていく(図9のt5〜t6のモータ3の出力に対応)。ついで、ステップS48で、要求駆動力Wdから第1および第2のモータ3、4の実出力を減算した値をエンジン2の出力に設定して、ステップS50の処理に進む。ステップS50では、エンジン2と第1、第2のモータ3,4の出力を合計して要求駆動力Wdを供給可能とする。このようにすることで、要求駆動力Wdが第1のモータ3の出力より大きい場合であっても、モータ3を保護することができ、第2のモータ4の制御を行わずに、要求駆動力Wdを出力させることができる。なお、図9のt7以降に示されているように、第1のモータ3の出力制限が解除された場合には、モータ3の出力を増加させて、モータ3,4の出力により要求駆動力Wdを供給するとともに、エンジン2の出力を減少させて休筒状態にすることも可能である。
【0030】
図7は休筒減速時における回生処理を示すフローチャートである。また、図10、図11は図7のフローチャートに対応するタイムチャートである。ステップS60で、休筒減速時の回生処理を開始すると、ステップS62で回生トルクが制限されているかどうかを判定する。この判定結果がYESの場合には、ステップS64に進み、判定結果がNOの場合には一連の処理を終了する(図10のt9以前に対応)。ステップS64では、回生出力が制限されているかどうかを判定する。この判定結果がYESの場合にはステップS66に進み、判定結果がNOの場合にはステップS70に進む。
【0031】
ステップS66では、変速比を変更することにより、エンジン2の休筒状態を維持しつつ、エンジンフリクションを増加させることで、制動力を発揮させることができる(図10のt9以降に対応)。そして、ステップS68に進み、制限前の回生出力からエンジンフリクションを減算した値を回生出力に設定して、一連の処理を終了する。
このように、前記エンジン2を休筒状態に保持しつつ、該エンジン2の変速比を変更することで、例えば駆動輪(この場合は前輪8)までの動力伝達経路中の出力軸12回転数を上昇させ、出力軸12に連結されているモータ3の回転数を上げることでモータ3のトルクを下げることとなり、前記回生制御中のモータ(この場合は第1のモータ3)の保護を図ることができると共に、前記エンジン2を休筒状態に保持できることで燃費を向上させることができる。
【0032】
また、ステップS70では、エンジン2を休筒状態から復帰させて駆動状態に切り換える(図11のt10以降に対応)。そして、ステップS72で、制限前回生出力からエンジンフリクションを減算した値を回生出力に設定して、一連の処理を終了する。このように、前記エンジンフリクションをさらに増加させる制御を行うことで、バッテリ7に余剰な電力が供給されることを防止でき、バッテリ7を保護しつつ走行することができる。
【0033】
また、本発明は、図1に示したハイブリッド車両に限らず、図2に示したように第2のモータ4を後輪9の出力軸13上に設けたハイブリッド車両にも適用可能である。この場合には、第2のモータ4と後輪9との間でのエネルギーの伝達効率を高めることができる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、エンジンを休筒状態にして運転することができ燃費の向上を図ることができる。また、走行状態が変動した場合であっても要求駆動力を出力させることができ、走行安定性を高めることができるため、ドライバに違和感を与えることがなくなり、走行時の快適性を維持することができる。
【0035】
また、請求項1に係る発明によれば、前記蓄電装置の蓄電量を一定以上に保つことで、車両に必要な電力を確保しつつ、要求駆動力に見合った出力を供給することができる。
また、請求項1に係る発明によれば、蓄電装置に余剰な電力が供給されることを防止でき、蓄電装置を保護しつつ走行することができる。
請求項2に係る発明によれば、前記電動機の少なくとも一方が出力制限された場合であっても、出力制限された電動機を保護しつつ、要求駆動力に見合った出力を供給することができる。
【0036】
請求項3に係る発明によれば、前記回生制御中の電動機の保護を図ることができるとともに、燃費を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態のハイブリッド車両の全体構成図である。
【図2】 本発明の第2の実施の形態のハイブリッド車両の全体構成図である。
【図3】 図1のハイブリッド車両のブロック図である。
【図4】 第1のモータと第2のモータの、車速(回転数)とトルクに基づく特性を示すグラフである。
【図5】 第1のモータ、第2のモータ、エンジンの出力の制御を示すフローチャートである。
【図6】 第1のモータ、第2のモータ、エンジンの出力の制御を示すフローチャートである。
【図7】 第1のモータ、第2のモータ、エンジンの出力の制御を示すフローチャートである。
【図8】 図5のフローチャートに対応するタイムチャートである。
【図9】 図6のフローチャートに対応するタイムチャートである。
【図10】 図7のフローチャートに対応するタイムチャートである。
【図11】 図7のフローチャートに対応するタイムチャートである。
【符号の説明】
2 エンジン
3 第1のモータ
4 第2のモータ
20 ECU
Claims (3)
- 前後輪の一方を車両の運転状態に応じて吸排気弁の運転を休止することにより休筒可能な気筒休止エンジン及び第1電動機にて駆動し、前後輪の他方を第2電動機で駆動するハイブリッド車両の駆動力制御装置であって、
車両の運転状態により車両の要求駆動力を算出する要求駆動力算出手段と、
車両の運転状態により第1及び第2電動機の駆動力を算出する電動機駆動力算出手段と、
前記エンジンの休筒状態における前記要求駆動力算出手段にて算出された要求駆動力が、前記電動機駆動力算出手段にて算出された前記第1及び第2の電動機の駆動力の和以上の場合、前記エンジンを休筒状態から駆動状態に切り換えるエンジン制御手段と、
前記第1及び第2電動機へ電力を供給する蓄電装置と、該蓄電装置の蓄電量を算出する蓄電量算出手段と、
エンジンの休筒状態において、前記蓄電量算出手段にて算出された蓄電量により前記電動機駆動力算出手段にて前記第1電動機の出力制限が行われる場合には、前記エンジン制御手段によりエンジンを休筒状態から駆動状態に切り換える切換手段とを備え、
前記第1電動機と第2電動機の少なくともいずれかによる回生制御中に前記蓄電装置算出手段にて算出された蓄電量により、前記電動機駆動力算出手段にて前記第1電動機と第2電動機の少なくともいずれかの回生出力制限が行われる場合には、前記エンジン制御手段によりエンジンを休筒状態から駆動状態に切り換えてエンジンフリクションを増加させることを特徴とするハイブリッド車両の駆動力制御装置。 - 前記第1の電動機のトルクの上限は、前記第2の電動機のトルクの上限よりも高く設定されるとともに、前記第2の電動機の駆動可能車速は、前記第1の電動機の駆動可能車速よりも高く設定されており、
前記電動機駆動力算出手段にて前記第1又は第2電動機の少なくとも一方が出力制限される場合には、出力制限されない電動機又はエンジンの出力を、要求駆動力と出力制限される電動機の出力との差とすることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の駆動力制御装置。 - 前記エンジンから駆動輪までの駆動力伝達経路に変速機が備えられ、又、前記第1及び第2電動機は回生制御可能に構成され、前記電動機駆動力算出手段にて前記第1又は第2電動機の少なくとも一方が回生制御中におけるトルク制限がされた場合には、前記エンジン制御手段によりエンジンを休筒状態に保持しつつ、前記変速機の変速状態を変更させる変速制御手段を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のハイブリッド車両の駆動力制御装置。
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