JP3701520B2 - 高分子電荷輸送材料および発光材料 - Google Patents

高分子電荷輸送材料および発光材料 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電荷輸送材料に係り、有機薄膜EL素子や電子写真感光体に適用可能な高分子電荷輸送材料および発光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機薄膜EL素子は、エレクトロルミネッセンス(以下単にELという)現象を利用した、発光層が有機材料からなる発光素子であり、自発光型の平面表示素子や平面光源として利用されている。この有機薄膜EL素子は、イーストマン・コダック社のC.W.Tangらにより開発され、特開昭59−194293号公報、特開昭63−264692号公報、特開昭63−295695号公報、アプライド・フィジックス・レター第51巻第12号第913頁(1987年)、及びジャーナル・オブ・アプライドフィジックス第65巻第9号第3610頁(1989年)等に記載されている。
【0003】
一般に、有機薄膜EL素子は、陽極、有機正孔注入輸送層、有機発光層、及び陰極の順に積層されて構成され、以下に示すようにして作製される。
【0004】
まず、ガラスや樹脂フィルム等の透明絶縁性の基板上に、陽極として、インジウムとスズとの複合酸化物(以下、単にITOという)からなる透明導電膜を蒸着法または、スパッタリング法等により形成する。次に、この陽極上に、有機正孔注入輸送層として、銅フタロシアニンやテトラアリールジアミン化合物等の有機正孔注入輸送材料からなる、単層または多層膜を、100nm程度以下の厚さで形成する。
【0005】
さらに、有機正孔注入輸送層上に、有機発光層としてトリス(8−キノリノール)アルミニウム(以下、単にAlqとする)等の有機電子輸送性発光材料からなる有機発光層を、100nm程度以下の厚さで、蒸着法により形成する。この有機発光層上に、陰極としてMg:Ag等の合金膜を、200nm程度の厚さで、共蒸着法により形成することにより、有機薄膜EL素子が作製される。
【0006】
以上のようにして作製される有機薄膜EL素子においては、電極間に直流低電圧を印加することにより、正孔と電子が有機発光層に注入され、これらの再結合により発光が生じる。なお、この素子に印加する直流低電圧は、通常、20〜30V以下であり、陰極にMg:Ag合金を用いた素子では、1000cd/m2 以上の輝度が得られる。さらに、有機発光層中にクマリン系、ピラン系、キナクリドン系等の蛍光量子収率の高い蛍光色素を共蒸着等の方法でドーピングすれば、ELの輝度は、さらに2倍以上に高めることができる。
【0007】
しかし、上述の有機薄膜EL素子に利用されている電荷輸送材料(正孔注入輸送材料または電子輸送材料)および発光材料の大半は、これまで、耐熱性が十分でない低分子化合物が占めていた。これら低分子化合物を蒸着等の方法で正孔注入輸送層等の電荷輸送膜や発光層を形成した場合、膜の機械的強度や耐熱性が不足しピンホールが生じ易く、安定性に優れた有機薄膜EL素子を作製することができないという問題を有していた。このため、耐熱性に優れた、機械的強度の良好な電荷輸送材料および発光材料が望まれ、低分子電荷輸送材料および発光材料をポリマー化する試みもなされてきた。しかし、低分子電荷輸送材料および発光材料分子にビニル基、アミノ基等の重合性官能基を導入することは合成、精製工程が複雑になる。また、官能基を有するモノマーは精製が困難であったり保存安定性が不足したりする問題があった。
【0008】
また、有機薄膜EL素子に用いる電荷輸送材料は、以下に示すように電子写真技術における感光体にも用いられている。
電子写真技術においては、非晶質セレン感光体を用いた電子写真複写機が実用化されて以来、数多くの無機及び有機感光体材料の開発が行われている。電子写真感光体の感光体材料としては、従来、非晶質シリコンやセレン、酸化亜鉛、及び硫化カドミウム等の無機感光体材料の膜が用いられていた。しかし、これら無機感光体材料は、CVD法や蒸着等の真空成膜による製造コストが高かったり、セレンや硫化カドミウム等の材料は毒性を有するので廃棄処理の問題もあり、代わりに、安価で感度、及び安全性の高い有機感光体材料の開発が急速に進展している。
【0009】
有機感光体材料を用いた電子写真感光体は、一般に、伝導性支持体上に、電荷発生層及び電荷輸送層が順次積層された2層構造となっている。ここで、電荷発生層とは、光を吸収することにより電荷を発生する機能を有する層であり、電荷輸送層は、電荷発生層で発生した電荷の感光体内での移動を可能にする機能を有する層である。
【0010】
このような有機感光体材料を電子写真感光体に用いた場合は、上述の廃棄処理問題を引き起こす可能性は少なく、成膜もポリマーバインダー中に有機感光体材料を分散させてディップコートすることにより安価に製造することができる。また、有機感光体材料では、高い電荷発生性及び電荷輸送性を同時に有する材料が少ないため、通常、電荷発生層及び電荷輸送層を積層した二層構造とする必要がある。
【0011】
以上のようにして構成される電子写真感光体を用いた電子写真プロセスでは、この電子写真感光体を、コロナ放電または接触帯電により帯電させ画像を露光することにより、静電潜像を感光体表面に形成し、この静電潜像を、潜像の電荷とは逆の符号に帯電したトナーを用いて現像し、これを普通紙に転写して定着することにより印画がおこなわれる。
【0012】
近年、複写機の高速化の要求が高まり、電子写真感光体は、光応答性を向上させるために電荷輸送特性の向上が要求されている。また、この感光体はクリーニングすることにより再利用されるため、くり返し使用に耐えうる、優れた耐久性も要求されている。
【0013】
しかしながら、低分子電荷発生材料または電荷輸送材料を樹脂バインダー中に分散塗布させた電荷輸送材料では電荷輸送特性を上げるために低分子電荷発生材料または電荷輸送材料の濃度を上げると成膜性の低下や塗膜の機械的強度が減少する問題があった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、有機薄膜EL素子の電荷輸送材料、発光材料あるいは電子写真感光体等の電荷輸送材料として用いられてきた材料は求められる特性を必ずしも満足させているわけではなく、より優れた電荷輸送性と耐久性の高い材料が求められている。
【0015】
本発明の目的は、有機薄膜EL素子あるいは電子写真感光体に用いる、耐熱性、機械的強度を有し、容易に合成可能な高分子電荷輸送材料および発光材料を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも2ヵ所以上の窒素に結合したアリール基のパラ位が水素である芳香族第三級アミンと、ジビニル化合物との付加重合により得られる、下記一般式(1)で示される構造を繰り返し単位として分子中に含むことを特徴とする高分子電荷輸送材料である。
【0017】
【化5】
Figure 0003701520
【0018】
また、一般式(1)で示される本発明の高分子電荷輸送材料において、下記一般式(2)で示される構造を繰り返し単位として分子中に含むことを特徴とする高分子電荷輸送材料である。
【0019】
【化6】
Figure 0003701520
【0020】
【化7】
Figure 0003701520
【0021】
また、一般式(1)で示される発光材料において、下記一般式(2)で示される構造を繰り返し単位として分子中に含むことを特徴とする発光材料である。
【0022】
【化8】
Figure 0003701520
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の高分子電荷輸送材料および発光材料は、芳香族第三級アミンの窒素原子に結合したアリール基の主にパラ位水素が官能基となりジビニル化合物のビニル基との付加重合が酸触媒存在下容易に起こることを鋭意研究の結果見い出したことにより得られたものである。
【0024】
たとえば、窒素原子に結合したアリール基のパラ位の水素を2個有する芳香族第三級アミン化合物と同モル量のジビニル化合物とを、1,4−ジオキサン、ジクロロメタン等の有機溶媒中で、1 〜10mol %程度のパラ- トルエンスルホン酸やトリフルオロメチルスルホン酸等の酸触媒存在下、付加重合させることにより、容易に合成することが可能である。
【0025】
ポリマーを生成するためには芳香族第三級アミンの窒素原子に結合したアリール基のパラ位の水素の数が2つ以上必要であるが、3つ以上の場合は重合反応が進むとゲル化しやすくなるため、好ましくは2〜4つが望ましい。
【0026】
本発明の高分子電荷輸送材料および発光材料は、数平均分子量が1,000〜1,000,000程度の重合度のものが得られる。正孔輸送能を有するトリアリールアミン化合物を容易に高濃度で主鎖骨格に導入でき、さらに、高分子材料とすることで、ガラス転移温度をモノマーに用いた低分子化合物よりも高くすることも可能となる。薄膜の作製は溶媒に溶かし、スピンコート法、ディップコート法、インクジェット法等の湿式法で容易に行うことができる。
【0027】
上記一般式(1)、(2)で示される本発明の高分子電荷輸送材料および発光材料において、R1 及びR4 はアリーレン基を示している。アリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基及びトリフェニレン基、および発光性の高いアントリレン基等をあげることができる。
【0028】
2 はアリール基を示している。アリール基としては、フェニル基、トリル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニルイル基、トリフェニルイル基、ペンタフェニル基、インデニル基、及びフルオレニル基等をあげることができる。
【0029】
これらR1 〜R3 のアリール基及びアリーレン基はフッ素、塩素等のハロゲン原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、及びターシャリーブチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、及びターシャリーブトキシ基等のアルコキシ基、ジメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、及びジナフチルアミノ基等のアミノ基、N,N-ジトリルアニリン基等の芳香族第三級アミンを含む基、トリフルオロメチル基及びシアノ基等の電子吸引性置換基で置換されてもよい。また、R1 とR3 とは、互いに同一であっても、異なっていてもよい。
【0030】
4 としては炭素数1〜10のアルキレン基、アリーレン基及びジアルキレンオキサイド基等を挙げることができる。
【0031】
5 及びR6 としては、水素原子、及びアルキル基を挙げることができる。R5 及びR6 に用いられるアルキル基は、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基であり、メチル基、エチル基、イソプロピル基、及びターシャリーブチル基等を挙げることができる。
【0032】
7 〜R12としては、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、及びアリール基を挙げることができる。R7 〜R12に用いられるハロゲン原子はフッ素、塩素等を挙げることができる。アルキル基としてはエチル基、メチル基、イソプロピル基、及びターシャリーブチル基等を挙げることができる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、及びイソプロポキシ基等を挙げることができる。
【0033】
また、R7 〜R12に用いられるアミノ基としては、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、及びジナフチルアミノ基などを挙げることができる。アリール基としては、フェニル基、トリル基、ナフチル基、アントラリル基、フェナントリル基、ビフェニルイル基、トリフェニルイル基、ペンタフェニル基、インデニル基、及びフルオレニル基等を挙げることができる。
【0034】
このR7 〜R12に用いられるアリール基は、フッ素、塩素等のハロゲン原子、エチル基、メチル基、イソプロピル基、及びターシャリーブチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、及びイソプロポキシ基等のアルコキシ基、ジメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、及びジナフチルアミノ基等のアミノ基、及びシアノ基等の置換基で置換されていてもよい。また、R7〜R12は、互いに同一であっても、異なっていてもよい。
【0035】
一般式(1)の具体例を下記化学式(1)〜(8)に挙げる。
【0036】
【化9】
Figure 0003701520
【0037】
【化10】
Figure 0003701520
【0038】
【化11】
Figure 0003701520
【0039】
【化12】
Figure 0003701520
【0040】
【化13】
Figure 0003701520
【0041】
【化14】
Figure 0003701520
【0042】
【化15】
Figure 0003701520
【0043】
【化16】
Figure 0003701520
【0044】
化学式(1)〜(7)に示した材料は主に有機薄膜EL素子用の正孔輸送材料及び電子写真用電荷輸送材料として利用できる。化学式(8)に示した材料は可視領域の青緑色蛍光が強く有機薄膜EL素子用の発光材料として利用できる。
以上示した本発明の高分子電荷輸送材料および発光材料は、他の電荷輸送材料や発光材料と混合して用いることも可能である。
【0045】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
窒素雰囲気下で、パラ- トリルジフェニルアミン0.5mmolと1,4−ジビニルベンゼン0.5mmolに、1,4−ジオキサン4.0mlを加え、これにパラ−トルエンスルホン酸10mol%を加えて105℃で24時間攪拌反応させた。これをメタノールで沈殿し、得られた沈殿物をトルエンとメタノールを用いて、再沈殿法で精製することにより、化学式(1)に示す、白色粉末状の高分子電荷輸送材料を得た。
【0046】
図1に、上述のようにして得られた高分子電荷輸送材料の1HNMRスペクトル(日本電子社製α−500を使用、重クロロホルム溶媒)を示す。
【0047】
1HNMR(CDCl3,TMS)σ[ ppm] :1.2〜1.7(6H、CH3)、2.1〜2.4(3H、CH3)、3.6〜4.4(2H、CH)、6.6〜7.4(16H、CH)
【0048】
また、この高分子電荷輸送材料について、ポンプとして日本分光工業社製の880−PUを用い、検出器として日本分光工業社製の示差屈折計830−RIを用い、スチレンゲルを固定相、クロロホルムを移動相としてGPC測定を行ったところ、数平均分子量が1,800、重量平均分子量が70,900(昭和電工社製、標準ポリスチレン換算)であることがわかった。
【0049】
この高分子電荷輸送材料について、セイコー電子工業社製のDSC 220を用い、窒素雰囲気下で昇温速度20℃/minでガラス転移温度(Tg)を測定したところ、160.7℃であることがわかった。
【0050】
さらに、この高分子電荷輸送材料からなるキャスト膜を白金電極上に形成し、窒素雰囲気下、アセトニトリル中で、参照電極にAg/AgClを用い、東方研社製PS−06により、この高分子電荷輸送材料の酸化電位を測定した。その結果、0.88V、1.00Vであり、高分子化していない低分子の電荷輸送材料を用いた場合とほぼ同様の値が得られた。また、このキャスト膜は、掃引を繰り返し行っても、同様な酸化還元波が得られた。
【0051】
(実施例2)
窒素雰囲気下で、パラ- トリルジフェニルアミン0.5mmolと1,3−ジイソプロペニルベンゼン0.5mmolに、クロロベンゼン4.0mlを加え、これにパラ- トルエンスルホン酸10mol%を加えて105℃で2時間攪拌反応させた。これをメタノールで沈殿し、得られた沈殿物をトルエンとメタノールを用いて、再沈殿法で精製することにより、化学式(2)に示す、白色粉末状の高分子電荷輸送材料を得た。
【0052】
図2に、上述のようにして得られた高分子電荷輸送材料の1HNMRスペクトル(日本電子社製α−500を使用、重クロロホルム溶媒)を示す。
1HNMR(CDCl3,TMS)σ[ ppm] :1.5〜1.8(12H、CH3)、2.2〜2.4(3H、CH3)、6.8〜7.4(16H、CH)
【0053】
また、この高分子電荷輸送材料について、ポンプとして日本分光工業社製の880−PUを用い、検出器として日本分光工業社製の示差屈折計830−RIを用い、スチレンゲルを固定相、クロロホルムを移動相としてGPC測定を行ったところ、数平均分子量が4, 200、重量平均分子量が5, 700(昭和電工社製、標準ポリスチレン換算)であることがわかった。
【0054】
この高分子電荷輸送材料について、セイコー電子工業社製のDSC 220を用い、窒素雰囲気下で昇温速度20℃/minでガラス転移温度(Tg)を測定したところ、113.4℃であることがわかった。
【0055】
さらに、この高分子電荷輸送材料からなるキャスト膜を白金電極上に形成し、窒素雰囲気下、アセトニトリル中で、参照電極にAg/AgClを用い、東方研社製PS−06により、この高分子電荷輸送材料の酸化電位を測定した。その結果、0.80V、1.05Vであり、高分子化していない低分子の電荷輸送材料を用いた場合とほぼ同様の値が得られた。また、このキャスト膜は、掃引を繰り返し行っても、同様な酸化還元波が得られた。
【0056】
(実施例3)
透明絶縁性の基板として、厚さ1.1mmの青板ガラス板上にスパッタリング法で成膜した110nmのITOをエッチングしパターニングした後、使用前に水洗し、イソプロピルアルコール蒸気で乾燥し陽極とした。
次に、第1正孔注入輸送層としてCuPcを10nm真空蒸着し、次に、第2正孔注入輸送層として(化学式1)で表す化合物をトルエンに溶解させ、スピンコート法により40nmの厚さで形成した。
【0057】
次に、有機発光層としてAlqを50nm蒸着し、その上面にアルカリ金属含有電子注入層としてLiFを0.5nm蒸着し、さらにその上面に陰極としてAlを200nm蒸着する。
次に絶縁封止膜として酸化ゲルマニウムをArプラズマ下で素子全体に1μm蒸着した。
最後に乾燥窒素下で、プラズマ洗浄したカバーガラスを感光性接着剤で貼り付けた。
【0058】
この素子は陽極と陰極を直流電源につないで電圧印加すると3V以上の電圧で緑色発光し最高輝度で1000cd/m2 以上得られた。100℃で30分間加熱した後も素子は破壊せず高い耐熱性を示した。
【0059】
(実施例4)
透明絶縁性の基板として、厚さ1.1mmの青板ガラス板上にスパッタリング法で成膜した170nmのITOをエッチングしパターニングした後、使用前に水洗し、イソプロピルアルコール蒸気で乾燥し陽極とした。
次に、正孔注入輸送層としてCuPcを10nm真空蒸着する。
【0060】
次に、有機発光層として(化学式8)で表される化合物をトルエンに溶解させスピンコート法により90nmの厚さで形成し、その上面にアルカリ金属含有電子注入層としてLiFを0.5nm蒸着し、陰極としてAlを200nm蒸着する。
次に絶縁封止膜として酸化ゲルマニウムをArプラズマ下1μm蒸着した。
最後に乾燥窒素下で、プラズマ洗浄したカバーガラスを感光性接着剤で貼り付けた。
【0061】
この素子は陽極と陰極を直流電源につないで電圧印加すると3V以上の電圧で青緑色発光が得られた。100℃で30分間加熱した後も素子は破壊せず高い耐熱性を示した。
【0062】
上記実施例で形成された高分子電荷輸送材料からなるキャスト膜は、剥離やクラックなどが発生しにくく、機械的強度に優れていることが確認された。また、上記実施例の高分子電荷輸送材料は、100℃以上の高いガラス転移温度を有し、高い耐熱性を得ることができた。さらに、酸化電位も、それらの高分子化していない低分子の電荷輸送材料と同程度であり、低分子と同等の電荷注入特性を得ることができる。
【0063】
【発明の効果】
以上に示したように、本発明によると、芳香族第三級アミンとジビニル化合物との付加重合により生成される高分子で電荷輸送材料または発光材料として用いることにより、高い電荷注入特性、耐熱性、及び機械的強度を得ることができる。
【0064】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る高分子電荷輸送材料の1HNMRスペクトルを示すグラフ図。
【図2】本発明の実施例2に係る高分子電荷輸送材料の1HNMRスペクトルを示すグラフ図。

Claims (4)

  1. 少なくとも2ヵ所以上の窒素原子に結合したアリール基のパラ位が水素である、芳香族第三級アミンと、ジビニル化合物との付加重合により得られる、下記一般式(1)で示される構造を繰り返し単位として分子中に含むことを特徴とする高分子電荷輸送材料。
    Figure 0003701520
    (式中、m、nは重合度を示す正の整数を表し、R及びRはアリーレン基、Rはアリール基、Rはアルキレン基、アリーレン基、及びジアルキレンオキサイド基、R、Rは水素原子、アルキル基からなる群から選ばれる置換基を示し、前記アリール基及びアリーレン基は、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、アリール基、及び芳香族第3級アミンを含む基からなる群から選ばれる置換基で置換された置換基、または未置換の置換基を示す。)
  2. 下記一般式(2)で示される構造を繰り返し単位として分子中に含むことを特徴とする請求項1に記載の高分子電荷輸送材料。
    Figure 0003701520
    (式中、nは重合度を表す正の整数を示し、R〜Rは請求項1と同様。R〜R12は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、アミノ基及び、アリール基からなる群から選ばれる置換基を示し、上記R〜R12に用いられるアリール基はハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、及びアミノ基からなる群から選ばれる置換基で置換された置換基、または未置換の置換基を示す。)
  3. 少なくとも2ヵ所以上の窒素原子に結合したアリール基のパラ位が水素である、芳香族第三級アミンと、ジビニル化合物との付加重合により得られる、下記一般式(1)で示される構造を繰り返し単位として分子中に含むことを特徴とする発光材料。
    Figure 0003701520
    (式中、m、nは重合度を示す正の整数を表し、R及びRはアリーレン基、Rはアリール基、Rはアルキレン基、アリーレン基、及びジアルキレンオキサイド基、R、Rは水素原子、アルキル基からなる群から選ばれる置換基を示し、前記アリール基及びアリーレン基は、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、アリール基、及び芳香族第3級アミンを含む基からなる群から選ばれる置換基で置換された置換基、または未置換の置換基を示す。)
  4. 下記一般式(2)で示される構造を繰り返し単位として分子中に含むことを特徴とする請求項3に記載の発光材料。
    Figure 0003701520
    (式中、nは重合度を表す正の整数を示し、R〜Rは請求項1と同様。R〜R12は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、アミノ基及び、アリール基からなる群から選ばれる置換基を示し、上記R〜R12に用いられるアリール基はハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、及びアミノ基からなる群から選ばれる置換基で置換された置換基、または未置換の置換基を示す。)
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