JP3700343B2 - 自動車部品用ポリプロピレン樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車部品用ポリプロピレン樹脂組成物、特に自動車内装部品の原料として好適に用いられる自動車部品用ポリプロピレン樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車部品の原料として用いられるポリプロピレン樹脂組成物には、機械物性、耐熱老化性、耐光性などを向上させるために無機フィラー、酸化防止剤、耐光安定剤、分散剤、銅害防止剤などが配合されている。またランプ装着部品に埃が付着して照度が低下するのを防止するために帯電防止剤を配合したり、成形加工性を向上させるために離型剤を配合することが行われている。
【0003】
しかし、上記のような添加剤を配合したポリプロピレン樹脂組成物からなる自動車内装部品では、使用条件により部品から添加剤が昇華または蒸発して揮散するため、耐霞み性が低いという問題点がある。例えば、窓を閉めた自動車の室内は80〜120℃程度の高温になる場合があるが、このような高温の車内または太陽光に晒されると、部品から揮散した添加剤がインストルメントパネルの計器表示部の透視板やウインドウガラスに付着して曇りが生じることがあり、視認性が低下する。
【0004】
特開平9−165478号には、酸化防止剤、エポキシ樹脂、ハイドロタルサイト、離型剤、合成シリカ、ならびにポリオキシエチレンアルキルアミン、ステアリルジエタノールアミンモノステアリン酸エステル/ステアリルジエタノールアミンジステアリン酸エステル/ステアリルジエタノールアミンの混合物などから選ばれる界面活性剤を配合した自動車部品用ポリプロピレン樹脂組成物が記載されている。この組成物は添加剤の揮散が抑制され、平板形状の成形品での埃付着防止性には優れているが、なぜか箱状などの複雑形状の成形品には埃が付着し易く、埃付着防止性を向上させるために添加剤の配合量を多くすると耐霞み性が低下するという問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、帯電防止性および離型性に優れ、しかも耐霞み性すなわち添加剤の揮散が抑制され、透視板やウインドウガラス等の曇りを防止することができる自動車部品用ポリプロピレン樹脂組成物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)結晶性ポリプロピレン40〜95重量%、
(B)無機フィラー5〜60重量%、および
(C)ラバー0〜20重量%
からなる基材組成物100重量部に対して、
(D)アルキル基の炭素数が20以上、オキシエチレンの重合度が10以上であるポリオキシエチレンアルキルエーテル0.1〜5重量部
が配合されてなることを特徴とする自動車部品用ポリプロピレン樹脂組成物である。
【0007】
本発明で用いる結晶性ポリプロピレン(A)は、結晶性のプロピレン単独重合体または10重量%以下のα−オレフィンが共重合された結晶性のプロピレン・α−オレフィン共重合体である。共重合体は、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。
【0008】
プロピレンと共重合する上記のα−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテンなどの炭素数2または4〜10のα−オレフィンがあげられる。
基材組成物中の結晶性ポリプロピレン(A)の含有量は40〜95重量%、好ましくは50〜80重量%である。
【0009】
本発明で用いる無機フィラー(B)としては、従来からポリプロピレンに配合されている公知の無機フィラーが制限なく使用できる。ただし、ハイドロタルサイト(F)および多孔質シリカ(H)は除く。具体的なものとしては、タルク、マイカ、ワラストナイト、クレー、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、二酸化ケイ素、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、硫酸マグネシウム繊維、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維などがあげられる。これらの中ではタルクが好ましい。無機フィラー(B)は1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。
【0010】
基材組成物中の無機フィラー(B)の含有量は5〜60重量%、好ましくは20〜50重量%である。5重量%未満の場合には剛性が小さく、また寸法安定性に欠ける。60重量%を越えると成形性が劣り、成形品の外観が悪くなる。
【0011】
本発明で用いるラバー(C)としては、従来からポリプロピレンに配合されている公知のラバーが制限なく使用できる。具体的なものとしては、エチレン・プロピレンラバー、エチレン・プロピレン・ジエンラバー、エチレン・ブテンラバー、スチレン・ブタジエンブロック共重合体および水素添加物、ならびにエチレン・オクテンラバーなどがあげられる。
【0012】
ラバー(C)を配合した場合、耐衝撃性を向上させることができる。
基材組成物中のラバー(C)の含有量は0〜20重量%、好ましくは0〜10重量%である。20重量%を越えて使用すると成形性が劣り、また成形品の外観も悪くなる。
【0013】
本発明で用いるポリオキシエチレンアルキルエーテル(D)は一般式(1)
R1O(CH2CH2O)nH ・・・・(1)
(式中、R1は炭素数20以上、好ましくは30〜100のアルキル基を示す。
nはオキシエチレン(CH2CH2O)の重合度を示し、10以上、好ましくは15〜50である。)
で表される化合物であり、非イオン界面活性剤である。
【0014】
ポリオキシエチレンアルキルエーテル(D)は帯電防止剤および離型剤として作用する。この場合、アルキル基R1の炭素数が20以上、オキシエチレンの重合度nが10以上の両方を満たすことにより、帯電防止性すなわち埃付着防止性、離型性および耐霞み性のバランスに優れたポリプロピレン樹脂組成物が得られる。ポリオキシエチレンアルキルエーテル(D)は1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。
【0015】
ポリオキシエチレンアルキルエーテル(D)の配合量は基材組成物100重量部に対して0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜3重量部である。0.1重量部未満では帯電防止効果が小さくなって埃の付着量が多くなり、5重量部を越えて使用すると耐霞み性が悪くなる。
【0016】
本発明の組成物には前記(A)〜(D)成分に加えて、他の樹脂、耐熱安定剤、帯電防止剤、耐候安定剤、耐光安定剤、老化防止剤、酸化防止剤、軟化剤、分散剤、充填剤、着色剤、滑剤など、従来からポリプロピレンに配合されている他の添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
【0017】
本発明の組成物は、前記(A)〜(D)成分、および必要により配合する他の添加剤を、バンバリーミキサー、単軸押出機、2軸押出機、高速2軸押出機などの混合装置により混合または溶融混練することにより得ることができる。
【0018】
本発明の組成物は帯電防止性および離型性に優れ、しかも添加剤の揮散が抑制されている。特に、添加剤の揮散を抑制した従来のポリプロピレン樹脂組成物に比べて、帯電防止性および離型性に優れ、箱状などの複雑な形状の成形品においても埃の付着が防止される。
【0019】
本発明の組成物から成形できる自動車部品は特に制限されず、例えばメーターケース、インスツルメントパネル、グローブボックス、コンソールボックス、ドアトリム、ピラートリム、ステアリングコラムカバーおよびランプ装着部品等の自動車内装部品ならびにその他の自動車部品があげられる。これらの中では自動車内装部品、特にメーターケース、ランプ装着部品が好ましい。
【0020】
【発明の効果】
本発明の自動車部品用ポリプロピレン樹脂組成物は、結晶性ポリプロピレンを主体とする基材組成物に特定のポリオキシエチレンアルキルエーテルを特定量配合しているので、帯電防止性および離型性に優れ、しかも添加剤の揮散が抑制され、透視板やウインドウガラス等の曇りを防止することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施例について説明する。
実施例1
メルトフローレート(ASTM D1238、230℃、荷重2.16kg)30g/10分の結晶性プロピレン単独重合体54重量部、無機フィラーとしてタルク36重量部および二酸化チタン10重量部、酸化防止剤としてテトラキス〔メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン0.1重量部、ならびにポリオキシエチレンアルキルエーテルとして前記一般式(1)においてR1が炭素数50のアルキル基、nが約24.5である化合物1.0重量部を混合し、210℃で二軸混練機により混練した後、ペレット化した。
【0022】
このペレットを樹脂温度230℃、金型温度40℃にて段付箱(縦75mm、横100mm、高さ45mm、厚さ1.5〜3mm、2個取り)および厚さ1.6mmの円板に射出成形した。
厚さ1.6mmの円板で耐霞み性を評価し、段付箱で埃付着防止性を評価した。結果を表1に示す。
【0023】
実施例2
ポリオキシエチレンアルキルエーテルの量を0.5重量部に変更した以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
【0024】
比較例1〜2
実施例1のポリオキシエチレンアルキルエーテルを下記に示す界面活性剤に変更し、配合量を表1に示す割合にした以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
比較例1のポリオキシエチレンアルキルエーテル:(前記一般式(2)のnが約4、アルキル基R1の炭素数50
比較例2のポリオキシエチレンアルキルエーテル:(前記一般式(2)のnが約20、アルキル基R1の炭素数18
【0025】
【表1】
【0026】
表1の注
*1 埃付着防止性
段付箱を空気中に吊り下げ、10日間放置後、下記基準で目視判定した。
◎:全く埃が付着しない
○:埃が僅かに付着しているが、目立ちにくい
△:埃が付着しているのが判る
×:埃が非常に目立つほど付着している
*2 耐霞み性
円板を縦方向に2分割、横方向に4分割した8片の試験片を内径50mm、高さ115mm、口径30mmのガラス瓶に入れ、開口部に厚さ1mmのガラスプレートを装着した後、瓶底から50mmまでオイルバスに浸け、140℃で72時間加熱した。その後、取り外したガラスプレートの霞み部のヘイズを日本電色工業株式会社製ヘイズメーターで測定した。
Claims (1)
- (A)結晶性ポリプロピレン40〜95重量%、
(B)無機フィラー5〜60重量%、および
(C)ラバー0〜20重量%
からなる基材組成物100重量部に対して、
(D)アルキル基の炭素数が20以上、オキシエチレンの重合度が10以上であるポリオキシエチレンアルキルエーテル0.1〜5重量部
が配合されてなることを特徴とする自動車部品用ポリプロピレン樹脂組成物。
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JP26256897A JP3700343B2 (ja) | 1997-09-26 | 1997-09-26 | 自動車部品用ポリプロピレン樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP26256897A JP3700343B2 (ja) | 1997-09-26 | 1997-09-26 | 自動車部品用ポリプロピレン樹脂組成物 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH11100471A JPH11100471A (ja) | 1999-04-13 |
JP3700343B2 true JP3700343B2 (ja) | 2005-09-28 |
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- 1997-09-26 JP JP26256897A patent/JP3700343B2/ja not_active Expired - Fee Related
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