JP2005314474A - プロピレン樹脂組成物およびその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】剛性と耐衝撃性、成形性に優れ、且つキャップとした時のクロージング性、開栓性が飛躍的に優れ、かつ高い摺動性を有する樹脂組成物、およびその成形体を提供すること
【解決手段】メルトフローレートが2〜20(g/10分)でホモ部立体規則性が0.960以上で且つ全エチレン含有量が6〜12(重量%)であるエチレン−プロピレンブロック共重合体85〜95重量部と、(B)190℃におけるメルトフローレートが8〜28(g/10分)、密度0.957〜0.966(g/cm)である高密度ポリエチレン5〜15重量部とからなることを特徴とするプロピレン樹脂組成物、および該樹脂組成物を圧縮成形して得られる樹脂キャップである。さらに有機リン酸エステル金属塩等の造核剤を組成物に添加すると一層効果が向上し、全てのキャップ要求性能を満足する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、プロピレン樹脂組成物およびその組成物からなる容器用キャップに関する。更に詳しくは、剛性と成形性に優れ、且つキャップとした時のクロージング性、開栓性に優れ、更にチルド領域の5℃における低温耐衝撃性が飛躍的に優れ、かつ高い摺動性、生産性を有する樹脂組成物、およびその成形体を提供することに関する。
一般にプロピレン樹脂は化学的特性および物理的特性に優れ、しかも、優れた成形加工性を有するため、食品容器、医療容器、キャップ、自動車部品等の成形品製造に幅広く利用されている。これら用途向けの樹脂では、剛性、耐衝撃性、成形加工性が共に高いことが望ましいが、すべての性能を一律に目標レベルに合わせることは難しかった。
また、プロピレン樹脂成形品を最も生産性の高い圧縮成形(コンプレッション成形)する際、製造ラインでのキャップネジ部の無理抜き(ネジ部を回して抜くのではなく、無理やり引き抜く工程)におけるネジ不具合や削れによって生じるダストが品質上悪い影響を与える。高密度ポリエチレン樹脂は摺動性が高く開栓トルクは低いが、高温充填される飲料には耐熱性即ち変形に伴う密閉性の問題があり使用できない。また、近年のいたずらに対する防止対策、身体能力低下に伴うキャップ開栓力の低下によって、キャップに求められる性能が一定トルクに至るまでのキャップの締り角度が大きく且つ開栓時に生じるトルク即ち開栓力は低いキャップが近年要望されており、耐熱性を含めたこれら全てを満足するキャップは存在しない。
そこでこれらの問題を改良するために、プロピレン樹脂にステアリルアミドやエルシルアミド等の滑剤と総称される脂肪酸アミドや、帯電防止剤と総称される脂肪酸モノグリセライド、脂肪酸モノエタノールアミン、脂肪酸ジエタノールアミン、脂肪酸ジエタノールアミド、脂肪酸アルコール等の化合物を配合し、動摩擦係数の低下を図り、ネジ不具合やダスト削減を行っているが、キャップの締り角度及び開栓トルクは要求される高密度ポリエチレン並には至っておらず、更なる改良の為に多量の滑剤を添加することは内容物の臭気に悪い影響を与えてしまう。
本出願人は、剛性と成形性に優れ、且つキャップとした時のクロージング性、開栓性に非常に優れたプロピレン樹脂組成物を既に開発しているが、キャップの低温耐衝撃性においては未だ改良の余地が残されていた。
本発明は、従来技術に伴う前記の問題点全てを解決しようとするものであって、剛性と成形性に優れ、且つキャップとした時のクロージング性、開栓性が優れ且つ低温耐衝撃性が飛躍的に優れ、かつ高い摺動性、耐熱性を有する樹脂組成物、およびその成形体を提供することを目的としている。
すなわち本発明は、(A)230℃におけるメルトフローレートが2〜20(g/10分)でホモ部立体規則性が0.960以上で且つ全エチレン含有量が6〜12(重量%)であるエチレン−プロピレンブロック共重合体85〜95重量部と、(B)190℃におけるメルトフローレートが8〜28(g/10分)、密度0.957〜0.966(g/cm)である高密度ポリエチレン5〜15重量部とからなることを特徴とするプロピレン樹脂組成物および該樹脂組成物を配合して圧縮成形された樹脂キャップに関する。
また本発明は、前記のプロピレン樹脂組成物にさらに造核剤を、(A)エチレン−プロピレンブロック共重合体100重量部に対して、0.05〜0.3重量部を配合したプロピレン樹脂組成物に関し、その造核剤としては、有機リン酸エステル金属塩または請求項4記載の化1が70%以上含有する造核剤であることが好ましい。
また本発明は、前記の樹脂組成物に、190℃におけるメルトフローレートが5〜50(g/10分)、密度が0.957〜0.966(g/cm)である高密度ポリエチレン10〜80重量%を含有する顔料マスターバッチをブレンドしたプロピレン樹脂組成物に関する。
さらに本発明は、前記のいずれかのプロピレン樹脂組成物から圧縮成形してなることを特徴とする樹脂キャップに関する。
本発明では、具体例として、ホモ部立体規則性が0.960以上で且つ230℃でのMFRが8g/10分のエチレン−プロピレンブロック共重合体に190℃でのMFRが10の高密度のポリエチレンを配合したことにより、圧力勾配下における分子量差によって生じるバラス効果を僅かに有しポリエチレン樹脂が表面近傍に存在し、クロージング性と同時に易開栓性、開栓トルク低減を達成し、且つポリプロピレン本来の持つ耐熱性を阻害することなく、更にチルドにおける低温耐衝撃性を向上させた新規性の高い樹脂組成物を得ることができる。
また、造核剤は通常樹脂の透明性を高めたり、時には剛性を高めるために配合されているが、本発明の樹脂組成物では、剛性と耐衝撃性との優れたバランスを実現すると共に、本発明の高立体規則性ポリプロピレンを用いることにより、飛躍的に結晶化速度すなわち生産性向上を大きく改善することができた。このことにより、生産時のネジ不具合を解消することができる。
従って、本樹脂組成物から得られた圧縮成形キャップは、剛性と低温耐衝撃性、耐熱性、クロージング性、易開栓性が求められる飲料キャップの用途に適しており、現在、キャップに要求されている全ての要求を満たす。
次に本発明を詳細に説明する。本発明に係わるプロピレン樹脂組成物は、(A)エチレン−プロピレンブロック共重合体、(B)高密度ポリエチレンおよび(C)造核剤とからなっている。
(A)エチレン−プロピレンブロック共重合体
エチレン−プロピレンブロック共重合体は、ポリプロピレンセグメントとエチレン・プロピレン共重合体セグメントとから基本的に構成された重合体であって、必要に応じてさらにポリエチレンセグメントが共存していてもよい。ポリプロピレンセグメントは結晶性であって、主にブロック共重合体の剛性等の機械強度付与に寄与している。エチレン・プロピレン共重合体セグメントはゴム的な性質を有しており、ブロック共重合体のゴム部分を形成し、耐衝撃性の付与に寄与している。
ブロック共重合体中に占めるポリプロピレンセグメントは、80〜95、好ましくは86〜91重量%であって、エチレン・プロピレン共重合体セグメントは5〜20、好ましくは9〜14重量%であって、この範囲にあると樹脂組成物の諸機械的な物性向上に適している。必要に応じて共存するポリエチレンセグメントは、0〜10重量%の範囲が好ましい。
また、ブロック共重合体中のエチレン含有量は、6〜12、好ましくは6〜9(重量%)であって、この範囲にあると樹脂組成物の耐衝撃性に適している。ブロック共重合体のメルトフローレート(MFR)は、ASTM D−1238に準拠して230℃、2.16kg荷重下で測定した値が、2〜20、好ましくは6〜11(g/10分)であって、この範囲にあると樹脂組成物の剛性と耐衝撃性、成形温度に由来する高生産速度に適した樹脂組成物を与える。
このようなブロック共重合体は、オレフィンの立体規則性重合触媒の存在下に、プロピレンの単独重合、次いでプロピレンとエチレンとの共重合、必要に応じてエチレンの単独重合を行う、いわゆる多段重合法を採用することによって製造することができる。また、プロピレン単独重合体、プロピレンとエチレンとの共重合体、必要に応じてエチレン単独重合体を機械的に溶融混練りすることによっても製造することができる。
(B)高密度ポリエチレン
(B)成分となる高密度ポリエチレンの重合体は、エチレン単独重合体が好ましいが、必要に応じ、エチレンと全モノマー単位の0.5モル%以下、好ましくは0.2モル%以下、特に好ましくは0.1モル%以下の他のα−オレフィンとを共重合させた重合体である。他のα−オレフィンの例としては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン等を挙げることができるが、ポリエチレンの密度(ASTM D1505)として0.957〜0.966(g/cm3)であること。
高密度ポリエチレンは、そのメルトフローレート(MFR)をASTM D−
1238に準拠し190℃、2.16kg荷重下で測定した値が、8〜28、
好ましくは8〜15(g/10分)である。この範囲内にあると、樹脂組成物
の機械強度、特に耐衝撃性を飛躍的に向上させ、且つ成形加工性及びキャップ性能を高めることができ、かつ摺動性を保持できる。
このような高密度ポリエチレン、オレフィンの立体規則性重合触媒を用い、分子量調整を図りつつエチレンおよび必要に応じて他のα−オレフィンを共存させて重合することによって、製造することができる。
造核剤
本発明に係わるプロピレン樹脂組成物には、必要に応じて造核剤(以下の説明では単に核剤とも云う)を添加配合することができる。使用できる造核剤としては、(a)p−tert−ブチル安息香酸アルミニウム等のカルボン酸金属塩、(b)ジベンジリデンソルビトール、ビス(4−メチルベンジリデン)ソルビトール等の多価アルコール誘導体、(c)ナトリウム−2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェート等の有機リン酸エステル金属塩、(d)分岐状オレフィン、例えば3−メチル−1−ブテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン等の単独重合体または共重合体等のポリマー核剤、等々を挙げることができる。
これらの中でも有機リン酸エステル金属塩が好ましく、その添加によってプロピレン樹脂組成物の剛性と耐衝撃性との良好なバランスを図り、かつ優れた摺動性を付与することができる。有機リン酸エステル金属塩として、式(II)で表されるナトリウム−2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェート、式(III)で表されるアルミニウム化合物等を例示することができる。特に、式(III)で表される化合物の効果が高い。
Figure 2005314474
ここで、t−Buは、tert-ブチル基を示す。
Figure 2005314474
上記式(III)において、R1およびR2は、各々独立して水素原子またはアルキル基である。アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、アミル、tert-アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、2−エチルヘキシル等の基を例示することができる。Xはアルキレン基であって、メチレン、エチレン、プロピレン基等を挙げることができる。
具体的には、Xがメチレン基であって、R1がtert-ブチル基、R2がメチル基
の化合物、またXがメチレン基であって、R1およびR2がtert-ブチル基の化合
物、さらにXがメチレン基であって、R1およびR2がtert-アミル基の化合物を
例示することができる。
また、キャップの生産速度を特に重要視したい場合は、キャップの接液する飲料によって造核剤が抽出されない飲料系で下記式(I)で表される成分を主成分とする造核剤を用いることが好ましい。なお本発明でいう「主成分」とは含有量が50重量%以上であることを示す。また含有量は70重量%以上が好ましく、80%重量以上が特に好ましい。
Figure 2005314474
上記式(I)において、Metalは1価または3価の金属を指し、その中でも1価が好ましい。特に好ましいMetalは、ナトリウムである。なお、3価金属の場合は水酸基を含むアルミニウム金属も可能である。
プロピレン樹脂組成物
本発明に係わる樹脂組成物は、(A)エチレン−プロピレンブロック共重合体が85〜95、好ましくは90〜95重量部、(B)高密度ポリエチレンが5〜15、好ましくは5〜10重量部とからなっている。この範囲内であると、製品であるキャップの寸法を現行金型で現行寸法のままにすることができ、且つキャップとした時のクロージング性、開栓性に優れ、且つ飛躍的に耐衝撃性が優れる樹脂組成物となる。
さらに本発明では、(A)エチレン−プロピレンブロック共重合体100重量部に対して、造核剤を0.05〜0.3、好ましくは0.07〜0.3、さらに好ましくは0.1〜0.3重量部配合することができる。この範囲内であると、プロピレン樹脂組成物の剛性と耐衝撃性、結晶化速度向上による生産性と更なる耐熱性向上といった全てのバランスに優れた組成物を得ることができる。
プロピレン樹脂組成物には、必要に応じてフェノール系、リン系、あるいはチオエーテル系の酸化防止剤、中和剤、光安定剤、耐候性安定剤、顔料、染料、ステアリルアミドやエルシルアミド等の滑剤、充填剤等の添加剤を、本発明の目的を阻害しない範囲で配合することができる。
本発明に係わる樹脂組成物は、(A)エチレン−プロピレンブロック共重合体、および(B)高密度ポリエチレン、必要に応じて造核剤、その他の添加剤を前記した配合量範囲で、ヘンシェルミキサー、V-ブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーブレンダーなどの混合機を用いて混合した後、一軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサーなどで溶融混練りすることによって、均一組成の組成物を得ることができる。
成形体
前記したプロピレン樹脂組成物に必要に応じ顔料マスターバッチをブレンドし、これを射出成形により、各種の成形品を製造することができるが、キャップにおいて最も生産性の高い圧縮成形が特に好ましい。使用される顔料マスターバッチの顔料成分としては、無機顔料または有機顔料系のマスターバッチのいずれも使用することができる。前者としては各種金属の酸化物、硫化物、硫酸塩、後者はフタロシアニン系、キナクリドン系、ベンジジン系、クロモフタル系、ペリレン系の化合物が挙げられる。上記の顔料成分は、230℃におけるメルトフローレートが10〜100(g/10分)、好ましくは30〜70(g/10分)、密度が0.957〜0.966(g/cm)、好ましくは0.960 〜0.966(g/cm)の高密度ポリエチレン10〜80重量%から成る顔料マスターバッチとして通常使用される。本発明では、前記のプロピレン樹脂組成物〔(A)+(B)〕に対して、前記マスターバッチを2〜10重量部、好ましくは4〜9重量部配合することができる。この範囲内であると、プロピレン樹脂組成物の剛性と耐衝撃性、結晶化速度向上による生産性に悪影響も与えず、顔料マスターバッチのコストとのバランスに優れた組成物を得ることができる。成形品は、剛性と耐衝撃性、特に低温での耐衝撃性とのバランスに優れており、食品分野、医療分野などのキャップとしての広範囲の産業分野で利用することができる。
特に、食品容器およびそのキャップ、具体的にはPETボトルキャップへの利用に適しており、高い摺動性を有していることから、内容物の充填工程や充填体の包装工程等での最終商品の製造ラインで円滑に移動、輸送することができる。
次に実施例を通して本発明を説明するが、本発明はそれ等実施例に限定されるものではない。まず実施例および比較例で用いた樹脂および添加剤について説明する。
(A−1)エチレン−プロピレンブロック共重合体;エチレン含有量 7wt%で、メルトフローレート(ASTM D-1238、230℃、2.16kg荷重)が8(g/10分)、ホモ部立体規則性は13C−NMRによる測定で0.971。
(A−2)エチレン−プロピレンブロック共重合体:エチレン含有量7wt%でメルトフローレート(ASTM D-1238、230℃、2.16kg荷重)が8(g/10分)、ホモ部立体規則性は13C−NMRによる測定で0.955。
(B−1)高密度ポリエチレン;密度(ASTM D1505)0.963(g/cm3)、メルトフローレート(ASTM D-1238,190℃、2.16kg荷重)が10(g/10分)。
(B−2)高密度ポリエチレン;密度(ASTM D-1505)が0.963(g/cm)、メルトフローレート(ASTMD-1238、190℃、2.16kg荷重)が5(g/10分)。
(B−3)高密度ポリエチレン;密度(ASTM D-1505)が0.963(g/cm)、メルトフローレート(ASTMD-1238、190℃、2.16kg荷重)が30(g/10分)。
(C)フェノール系酸化防止剤;テトラキス〔メチレン−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン
(D)リン系酸化防止剤;トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェノール)フォスファイト。
(E−1)中和剤;ステアリン酸カルシウム。
(E−2)中和剤;ハイドロタルサイト。
(F−1)造核剤リン酸2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ナトリウム
(F−2)造核剤;前記式(I)で表されるCAS No.351870-33-2;80wt%、CAS No.7631-86-9;10wt%、CAS No.112-84-5;10wt%から構成される商品名HPN−68L(ミリケンジャパン製)を使用。
(G)顔料マスターバッチ;顔料としては白を用いた。マスターバッチの組成は、酸化チタンが9wt%、エルシルアミドを9wt%、190℃でのMFRが40(g/10min)で密度が0.963(g/cm3)の高密度ポリエチレン82wt%を含有。
(実施例1〜3)
前記した樹脂および添加剤を表1記載の配合割合(重量部)で準備し、その後ヘンシェルミキサー中で均一混合した。次いで、日本製鋼所製CIM−50高速二軸押出機を用いて、樹脂温度200℃にて溶融混練し、その混練物を押出してペレットを得た。このペレットで結晶化速度、曲げ,アイゾット試験においては(J)白色顔料マスターバッチをブレンドして射出成形を行い試験片作成した。キャップは、実際の締り角度、開栓トルクをもとめるため、(J)白色顔料マスターバッチをブレンドして圧縮成形により、樹脂温度200℃、金型温度20℃の条件で、キャップを作製した。
このペレット及びキャップを用いて、次の方法で、各種物性を調べた。
(a)メルトフローレート(MFR);ASTM D-1238、230℃、2.16kg荷重、単位は(g/10分)。
(b)結晶化速度は、DSCによって測定。方法は240℃で6分溶融し、プレスフィルムを厚み270μmにして作成。これを5mg取りだし、230℃10分溶融し、500℃/minの速度で温度を135℃まで下げ、結晶飽和となる半分の時間、いわゆるt1/2(半結晶化時間)をもとめた。単位は分。
(c)曲げ初期弾性率;23℃にて、ASTM D-790に準じて行った。単位は、(MPa)。
(d)アイゾット衝撃強度;ノッチ付きの試験片を用い、5℃にて、ASTM D-256に準じて行った。単位は、(J/m)。
(e)締り角度:現行PETボトルキャップ型において締付けトルク23kgf・mに到達するまでの角度をもとめた。単位は度。
(f)開栓トルク;1回転2秒の速度でキャップをまわし、開栓時に生じるトルクをもとめた。単位はkgf・mである。
(比較例1〜5)
表1に記載した樹脂および添加剤を用いた以外は実施例1と同様に行い、ペレットおよび試験片を得た。その後、物性試験を行い、その結果を表1に併せて記した。
実施例1および2は、締り角度が比較例1よりも大きくクロージング性が増し、また、開栓トルクは比較例1の15kgf・mに比べ、実施例1で13kgf・m、実施例2及び3で12kgf・mと遙かに低下しており、易開栓性に優れており、且つ5℃アイゾット衝撃強度が向上している。
比較例2では締り角度及び開栓トルクはいいが、結晶化速度が遅いため、高速成形時のネジの捲れという不具合が発生した。
比較例3では、高密度ポリエチレンの表面層への配列(バラス効果)が不充分な為、締り角度及び開栓トルクが改善されない。
比較例4では、締り角度が、開栓トルクも良好であるが、5℃アイゾット衝撃強度が低い。
表1から明らかなように、実施例1〜3で得られた樹脂組成物は、比較例1〜4と比べて、キャップとした時の必要物性を満足し、更にキャップとして重要な低温チルド保存を想定した5℃耐衝撃性を満足し且つ高速生産性を備えた今までにない組成物であることがわかる。
Figure 2005314474

Claims (6)

  1. (A)230℃におけるメルトフローレートが2〜20(g/10分)でホモ部立体規則性が0.960以上で且つ全エチレン含有量が6〜12(重量%)であるエチレン−プロピレンブロック共重合体85〜95重量部と、(B)190℃におけるメルトフローレートが8〜28(g/10分)、密度0.957〜0.966(g/cm3)である高密度ポリエチレン5〜15重量部とからなる
    ことを特徴とするプロピレン樹脂組成物。
  2. 請求項1記載の樹脂組成物にさらに造核剤を、(A)エチレン−プロピレンブ
    ロック共重合体100重量部に対して、0.05〜0.3重量部配合をしたことを特徴とするプロピレン樹脂組成物。
  3. 請求項2記載の造核剤が、有機リン酸エステル金属塩であることを特徴とする請求項2記載のプロピレン樹脂組成物。
  4. 請求項2記載の造核剤が、下記一般式(I)で表される成分を主成分とする造核剤であることを特徴とするプロピレン樹脂組成物。
    Figure 2005314474
    (式中、Metalは1価又は3価の金属を示す。)
  5. 請求項1〜4記載の樹脂組成物に、190℃におけるメルトフローレートが5〜50(g/10分)、密度が0.957〜0.966(g/cm)の高密度ポリエチレン10〜80重量%を含有する顔料マスターバッチをブレンドしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のプロピレン樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のプロピレン樹脂組成物から圧縮成形してなることを特徴とする樹脂キャップ。
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