JP3700279B2 - 元混合型表面燃焼バーナ - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、元混合型表面燃焼バーナに関するものであり、さらに詳しくは吸収式冷温水機用燃焼装置、吸収式冷凍機、蒸気ボイラー、温水ボイラー、加熱調理器、暖房器、その他各種装置に適用できる燃焼能力を大きくした大きな横長型あるいは縦長型元混合型表面燃焼バーナに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、バーナ表面に多数の混合ガス噴出孔を備え、この噴出孔から燃料ガスと燃焼用空気を混合した混合ガスを噴出させて噴出側に多数の微小火炎を形成して燃焼させるようにした一枚の表面燃焼プレートを備えた横長型あるいは縦長型の元混合型表面燃焼バーナは、混合ガスをよく透過することができ、逆火しにくい構造をもっているので一般に使われているが、燃焼能力を大きくした大きなバーナの場合は表面燃焼プレートの面積が大きくなるため、表面燃焼プレートの形状や炉構造により燃焼ガスの流れが不均一になり、均一な火炎を得ることがむずかしい。
【０００３】
すなわち、例えば、横長型の表面燃焼プレートの場合は、炉壁で火炎が冷却されることにより未燃ガス（ＣＯガスなど）の生成が多くなったり、縦長型の表面燃焼プレートの場合は、火炎が上方向に引かれる傾向にあるため、燃焼ガスの流れが不均一になり、均一な火炎を得ることがむずかしいという問題がある。
一般に、表面燃焼プレートは混合ガスの通過抵抗が大きいため、混合ガス透過量を増やすためには、混合ガスの圧力を上げるか又は表面燃焼プレートに混合ガス噴出孔を多数あける加工が施される。孔加工を施す場合、混合ガス噴出孔の大きさをあまり大きくすると逆火し易くなるため、小さい孔を多数あけることになる。
【０００４】
しかし、均一に数多くの混合ガス噴出孔をあけた場合は、火炎相互の干渉があり、それぞれの孔から形成された小火炎が広い範囲でつながって、表面燃焼プレートからリフトし易くなり、リフトした場合は断火や振動燃焼、騒音などの原因となる。
バーナ表面に生じる多数の火炎を所望面域毎に区画して燃焼火炎の保炎を計る提案があるが（特開平３−２１３９０４号公報）、燃焼能力を大きくした大きな横長型あるいは縦長型元混合表面燃焼バーナの場合の上記問題を解決することは困難であった。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の問題を解決し、数多くの混合ガス噴出孔をあけても断火や振動燃焼、騒音などの原因となる表面燃焼プレートからのリフトを抑制でき、燃焼ガスの流れを均一にして、均一な火炎を得ることができ、それにより低ＮＯｘ化、低騒音化、燃焼装置の小型化などを達成できる、燃焼能力を大きくした大きな横長型あるいは縦長型元混合型表面燃焼バーナを提供することである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記の課題に鑑み鋭意研究した結果、横長型あるいは縦長型元混合表面燃焼バーナの表面燃焼プレートの単位面積当たり噴出する混合ガスの量を連続的に、あるいは段階的に、あるいは両者を組み合わせて変化させることにより燃焼ガスの流れを均一にして均一な火炎を得ることができることを見出し本発明を成すに至った。
【０００７】
すなわち本発明の請求項１の発明は、バーナ表面に多数の混合ガス噴出孔を備え、この噴出孔から燃料ガスと燃焼用空気の混合ガスを噴出させて噴出側に多数の微小火炎を形成して燃焼させるようにした一枚の表面燃焼プレートを備えた横長型元混合型表面燃焼バーナにおいて、前記表面燃焼プレートに対する混合ガスの供給側に燃料ガスと燃焼用空気を混合するための隔壁で区画された複数の混合器を設け、各混合器にそれぞれ必要量の燃料ガスと燃焼用空気を供給して、前記表面燃焼プレートの単位面積当たり噴出する混合ガスの量を連続的および／または段階的に変化させることを特徴とする横長型元混合型表面燃焼バーナである。
【０００８】
本発明の請求項２の発明は、請求項１記載の横長型元混合型表面燃焼バーナにおいて、前記表面燃焼プレートの単位面積当たり噴出する混合ガスの量を前記表面燃焼プレート中央部において大きく、炉壁部に近い前記表面燃焼プレート両端部において小さくしたことを特徴とする。
【０００９】
本発明の請求項３の発明は、バーナ表面に多数の混合ガス噴出孔を備え、この噴出孔から燃料ガスと燃焼用空気の混合ガスを噴出させて噴出側に多数の微小火炎を形成して燃焼させるようにした一枚の表面燃焼プレートを備えた縦長型元混合型表面燃焼バーナにおいて、前記表面燃焼プレートに対する混合ガスの供給側に燃料ガスと燃焼用空気を混合するための隔壁で区画された複数の混合器を設け、各混合器にそれぞれ必要量の燃料ガスと燃焼用空気を供給して、前記表面燃焼プレートの単位面積当たり噴出する混合ガスの量を連続的および／または段階的に変化させることを特徴とする縦長型元混合型表面燃焼バーナである。
【００１０】
本発明の請求項４の発明は、請求項３記載の縦長型元混合型表面燃焼バーナにおいて、前記表面燃焼プレートの単位面積当たり噴出する混合ガスの量を前記表面燃焼プレート重力方向下部において大きく、前記表面燃焼プレート重力方向上部において小さくしたことを特徴とする。
【００１１】
本発明の請求項５の発明は、混合ガス噴出孔の分布密度および／または混合ガス噴出孔の孔径を連続的および／または段階的に変化させることを特徴とする請求項１あるいは請求項２記載の横長型元混合型表面燃焼バーナあるいは請求項３あるいは請求項４記載の縦長型元混合型表面燃焼バーナである。
【００１２】
【発明の実施の形態】
図１は、表面燃焼プレートに対する燃料ガスと燃焼用空気の混合ガスの供給側に複数の混合器を設けた例を示す本発明の横長型あるいは縦長型元混合型表面燃焼バーナの表面燃焼プレートの断面説明図である。
図１において、１Ｂは多数の混合ガス噴出孔２Ａ、２Ｂ、２Ｃ・・・２Ｇを備え、この噴出孔から燃料ガスと燃焼用空気の混合ガス３Ａ、３Ｂ、３Ｃ・・・・３Ｇを噴出させて噴出側に多数の微小火炎Ｆを形成して燃焼させるようにした表面燃焼プレートを示す。表面燃焼プレート１Ｂに対する混合ガスの供給側に混合ガス噴出孔２Ａ、２Ｂ、２Ｃ・・・・２Ｇにそれぞれ燃料ガスと燃焼用空気を混合した混合ガスを供給するための複数の混合器４Ａ、４Ｂ、４Ｃ、４Ｄ、・・・４Ｇを設けてある。各混合器には必要量のガスが図示しないガスの圧力を変化させるなどの方法により制御して送られている。
【００１３】
そして上記のように、混合ガス噴出孔２Ａからは３本の矢印で示したほぼ同じ量の混合ガス３Ａが噴出するようにしてあり、混合ガス噴出孔２Ｂからは３本の矢印で示したほぼ同じ量の混合ガス３Ｂが噴出するようにしてあり、他の混合ガス噴出孔２Ｃ・・・・２Ｇからはそれぞれ３本の矢印で示したほぼ同じ量の混合ガス３Ｃ・・・・３Ｇが噴出するようにしてある。
そして表面燃焼プレート１Ｂの中央部の混合ガス噴出孔２Ｄから噴出する混合ガス３Ｄの量を最も多くして、他の混合ガス噴出孔２Ｃ、２Ｂ、２Ａおよび２Ｅ、２Ｆ、２Ｇから噴出する混合ガス３Ｃ、３Ｂ、３Ａおよび３Ｅ、３Ｆ、３Ｇの量を段階的に少なくなるようにしている。
【００１４】
元混合型表面燃焼バーナにおいて、燃料ガスと燃焼用空気との混合が良くない場合は、未燃ガスの発生や、振動燃焼の原因となるため、混合器内で充分に混合した後に、表面燃焼プレート１Ｂへ供給してやることが必要となる。しかし、元混合型表面燃焼バーナの寸法が大きくなるに従い混合性能が悪くなる。この場合には上記のように一枚の表面燃焼プレート１Ｂに対して複数の混合器４Ａ、４Ｂ・・を設けることにより、より良い混合を得ることができる。しかも、上記のように表面燃焼プレート１Ｂの単位面積当たり噴出する混合ガスの量を連続的および／または段階的に変化させることにより、燃焼能力を大きくした大きな横長型あるいは縦長型元混合型表面燃焼バーナであっても、断火や振動燃焼の原因となる表面燃焼プレートからのリフトを抑制でき、燃焼ガスの流れを均一にして、均一な火炎を得ることができ、それにより低ＮＯｘ化、低騒音化、燃焼装置の小型化などを達成できる。
【００１５】
図２は、表面燃焼プレートに対する混合ガスの供給側に複数の混合器を設けた他の例を示す本発明の横長型あるいは縦長型元混合型表面燃焼バーナの表面燃焼プレートの断面説明図である。
図２において、１Ｃは図示しない多数の混合ガス噴出孔を備え、この噴出孔から図示しない燃料ガスと燃焼用空気の混合ガスを噴出させて噴出側に多数の微小火炎Ｆを形成して燃焼させるようにした表面燃焼プレートを示す。図１との相違点は表面燃焼プレート１Ｃに対する混合ガスの供給側に３個の混合器４Ａ、４Ｂ、４Ｃを設け、混合器４Ａと混合器４Ｂとの隔壁５Ａと表面燃焼プレート１Ｃとの間に通路６を設け、かつ、混合器４Ｂと混合器４Ｃとの隔壁５Ｂと表面燃焼プレート１Ｃとの間にも通路６を設けたことである。各混合器には必要量のガスが図示しないガスの圧力を変化させるなどの方法により制御して送られている。
図２に示す横長型あるいは縦長型元混合型表面燃焼バーナは、図１に示す横長型あるいは縦長型元混合型表面燃焼バーナと同じ効果を奏するとともに、通路６を設けたことにより隔壁５Ａと隔壁５Ｂにより火炎Ｆが切れることがなくなり、より均一な火炎Ｆが得られる。
【００１６】
図３は、縦長型元混合型表面燃焼バーナを用いて燃焼を行った時の火炎の状態を示す説明図である。
縦長の表面燃焼バーナ１Ｄの場合も、上記のように例えば混合ガス噴出孔数を増やした場合、火炎の干渉による各種の問題があるが、同時に縦長の表面燃焼バーナ１Ｄの場合には、図３に示すように火炎Ｆが上方に向かって燃焼が行われる傾向があり、火炎Ｆは重力方向上部の方が火炎温度が高くなり、表面燃焼プレート１Ｄの温度も高くなり易い傾向がある。従って、表面燃焼プレート１Ｄの重力方向上部を通過する混合ガスの燃焼速度が大きくなる傾向にあり、逆火し易くなる。
このような場合は、表面燃焼プレート１Ｄの単位面積当たり噴出する燃料ガスと燃焼用空気の混合ガスの量を表面燃焼プレート重力方向下部において大きく、表面燃焼プレート１Ｄの重力方向上部において小さくして全体のバランスをとることにより、均一な火炎Ｆが得られ、均一な安定燃焼を行うことができ、断火や振動燃焼の原因となる表面燃焼プレートからのリフトを抑制でき、それにより低ＮＯｘ化、低騒音化、燃焼装置の小型化などを達成できる。
【００１７】
図４の（ａ）は、一定の孔径の混合ガス噴出孔の間隔を変化させて混合ガス噴出孔の分布密度を連続的に変えた、本発明で用いる表面燃焼プレートの例を示す平面説明図であり、図４の（ｂ）は、混合ガス噴出孔の間隔を一定にして混合ガス噴出孔の孔径を連続的に変えた、本発明で用いる表面燃焼プレートの他の例を示す平面説明図である。
図４の（ａ）の表面燃焼プレートの場合は、一定の孔径の混合ガス噴出孔２の間隔をｔ１＜ｔ２＜ｔ３＜ｔ４＜ｔ５＜ｔ６と連続的に逐次大きくなるように変化させて混合ガス噴出孔の分布密度を連続的に変えた場合の例を示す。
図４の（ｂ）の表面燃焼プレートの場合は、混合ガス噴出孔２の間隔ｔを一定にして混合ガス噴出孔の孔径をｄ１＜ｄ２＜ｄ３＜ｄ４＜ｄ５＜ｄ６と連続的に逐次大きくなるように変化させた場合の例を示す。
本発明においては、両者を組み合わせて使用することもできる。
【００１８】
【発明の効果】
本発明の元混合型表面燃焼バーナは、燃焼能力を大きくした大きな元混合型表面燃焼バーナであっても燃焼ガスの流れを均一にして均一な火炎を得ることができ、それにより低ＮＯｘ化、低騒音化、燃焼装置の小型化などを達成できる。
本発明の元混合型表面燃焼バーナは構造が簡単で経済的であり、吸収式冷温水機用燃焼装置、吸収式冷凍機、蒸気ボイラー、温水ボイラー、加熱調理器、暖房器、その他各種装置に適用できるので、産業上の利用価値が高い。
【図面の簡単な説明】
【図１】 表面燃焼プレートに対する燃料ガスと燃焼用空気の混合ガスの供給側に複数の混合器を設けた例を示す本発明の横長型あるいは縦長型元混合型表面燃焼バーナの表面燃焼プレートの断面説明図である。
【図２】 表面燃焼プレートに対する燃料ガスと燃焼用空気の混合ガスの供給側に複数の混合器を設けた他の例を示す本発明の横長型あるいは縦長型元混合型表面燃焼バーナの表面燃焼プレートの断面説明図である。
【図３】 縦長型元混合型表面燃焼バーナを用いて燃焼を行った時の火炎の状態を示す説明図である。
【図４】 （ａ）は、一定の孔径の混合ガス噴出孔の間隔を変化させて混合ガス噴出孔の分布密度を連続的に変えた、本発明で用いる表面燃焼プレートの例を示す平面説明図であり、（ｂ）は、混合ガス噴出孔の間隔を一定にして混合ガス噴出孔の孔径を連続的に変えた、本発明で用いる表面燃焼プレートの他の例を示す平面説明図である。
【符号の説明】
１Ｂ、１Ｃ、１Ｄ、１Ｅ、１Ｆ 表面燃焼プレート
２、２Ａ、２Ｂ・・２Ｇ 混合ガス噴出孔
３Ａ、３Ｂ・・３Ｇ 混合ガス
４Ａ、４Ｂ・・４Ｇ 混合器
５Ａ、５Ｂ 隔壁
６ 通路
【発明の属する技術分野】
本発明は、元混合型表面燃焼バーナに関するものであり、さらに詳しくは吸収式冷温水機用燃焼装置、吸収式冷凍機、蒸気ボイラー、温水ボイラー、加熱調理器、暖房器、その他各種装置に適用できる燃焼能力を大きくした大きな横長型あるいは縦長型元混合型表面燃焼バーナに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、バーナ表面に多数の混合ガス噴出孔を備え、この噴出孔から燃料ガスと燃焼用空気を混合した混合ガスを噴出させて噴出側に多数の微小火炎を形成して燃焼させるようにした一枚の表面燃焼プレートを備えた横長型あるいは縦長型の元混合型表面燃焼バーナは、混合ガスをよく透過することができ、逆火しにくい構造をもっているので一般に使われているが、燃焼能力を大きくした大きなバーナの場合は表面燃焼プレートの面積が大きくなるため、表面燃焼プレートの形状や炉構造により燃焼ガスの流れが不均一になり、均一な火炎を得ることがむずかしい。
【０００３】
すなわち、例えば、横長型の表面燃焼プレートの場合は、炉壁で火炎が冷却されることにより未燃ガス（ＣＯガスなど）の生成が多くなったり、縦長型の表面燃焼プレートの場合は、火炎が上方向に引かれる傾向にあるため、燃焼ガスの流れが不均一になり、均一な火炎を得ることがむずかしいという問題がある。
一般に、表面燃焼プレートは混合ガスの通過抵抗が大きいため、混合ガス透過量を増やすためには、混合ガスの圧力を上げるか又は表面燃焼プレートに混合ガス噴出孔を多数あける加工が施される。孔加工を施す場合、混合ガス噴出孔の大きさをあまり大きくすると逆火し易くなるため、小さい孔を多数あけることになる。
【０００４】
しかし、均一に数多くの混合ガス噴出孔をあけた場合は、火炎相互の干渉があり、それぞれの孔から形成された小火炎が広い範囲でつながって、表面燃焼プレートからリフトし易くなり、リフトした場合は断火や振動燃焼、騒音などの原因となる。
バーナ表面に生じる多数の火炎を所望面域毎に区画して燃焼火炎の保炎を計る提案があるが（特開平３−２１３９０４号公報）、燃焼能力を大きくした大きな横長型あるいは縦長型元混合表面燃焼バーナの場合の上記問題を解決することは困難であった。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の問題を解決し、数多くの混合ガス噴出孔をあけても断火や振動燃焼、騒音などの原因となる表面燃焼プレートからのリフトを抑制でき、燃焼ガスの流れを均一にして、均一な火炎を得ることができ、それにより低ＮＯｘ化、低騒音化、燃焼装置の小型化などを達成できる、燃焼能力を大きくした大きな横長型あるいは縦長型元混合型表面燃焼バーナを提供することである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記の課題に鑑み鋭意研究した結果、横長型あるいは縦長型元混合表面燃焼バーナの表面燃焼プレートの単位面積当たり噴出する混合ガスの量を連続的に、あるいは段階的に、あるいは両者を組み合わせて変化させることにより燃焼ガスの流れを均一にして均一な火炎を得ることができることを見出し本発明を成すに至った。
【０００７】
すなわち本発明の請求項１の発明は、バーナ表面に多数の混合ガス噴出孔を備え、この噴出孔から燃料ガスと燃焼用空気の混合ガスを噴出させて噴出側に多数の微小火炎を形成して燃焼させるようにした一枚の表面燃焼プレートを備えた横長型元混合型表面燃焼バーナにおいて、前記表面燃焼プレートに対する混合ガスの供給側に燃料ガスと燃焼用空気を混合するための隔壁で区画された複数の混合器を設け、各混合器にそれぞれ必要量の燃料ガスと燃焼用空気を供給して、前記表面燃焼プレートの単位面積当たり噴出する混合ガスの量を連続的および／または段階的に変化させることを特徴とする横長型元混合型表面燃焼バーナである。
【０００８】
本発明の請求項２の発明は、請求項１記載の横長型元混合型表面燃焼バーナにおいて、前記表面燃焼プレートの単位面積当たり噴出する混合ガスの量を前記表面燃焼プレート中央部において大きく、炉壁部に近い前記表面燃焼プレート両端部において小さくしたことを特徴とする。
【０００９】
本発明の請求項３の発明は、バーナ表面に多数の混合ガス噴出孔を備え、この噴出孔から燃料ガスと燃焼用空気の混合ガスを噴出させて噴出側に多数の微小火炎を形成して燃焼させるようにした一枚の表面燃焼プレートを備えた縦長型元混合型表面燃焼バーナにおいて、前記表面燃焼プレートに対する混合ガスの供給側に燃料ガスと燃焼用空気を混合するための隔壁で区画された複数の混合器を設け、各混合器にそれぞれ必要量の燃料ガスと燃焼用空気を供給して、前記表面燃焼プレートの単位面積当たり噴出する混合ガスの量を連続的および／または段階的に変化させることを特徴とする縦長型元混合型表面燃焼バーナである。
【００１０】
本発明の請求項４の発明は、請求項３記載の縦長型元混合型表面燃焼バーナにおいて、前記表面燃焼プレートの単位面積当たり噴出する混合ガスの量を前記表面燃焼プレート重力方向下部において大きく、前記表面燃焼プレート重力方向上部において小さくしたことを特徴とする。
【００１１】
本発明の請求項５の発明は、混合ガス噴出孔の分布密度および／または混合ガス噴出孔の孔径を連続的および／または段階的に変化させることを特徴とする請求項１あるいは請求項２記載の横長型元混合型表面燃焼バーナあるいは請求項３あるいは請求項４記載の縦長型元混合型表面燃焼バーナである。
【００１２】
【発明の実施の形態】
図１は、表面燃焼プレートに対する燃料ガスと燃焼用空気の混合ガスの供給側に複数の混合器を設けた例を示す本発明の横長型あるいは縦長型元混合型表面燃焼バーナの表面燃焼プレートの断面説明図である。
図１において、１Ｂは多数の混合ガス噴出孔２Ａ、２Ｂ、２Ｃ・・・２Ｇを備え、この噴出孔から燃料ガスと燃焼用空気の混合ガス３Ａ、３Ｂ、３Ｃ・・・・３Ｇを噴出させて噴出側に多数の微小火炎Ｆを形成して燃焼させるようにした表面燃焼プレートを示す。表面燃焼プレート１Ｂに対する混合ガスの供給側に混合ガス噴出孔２Ａ、２Ｂ、２Ｃ・・・・２Ｇにそれぞれ燃料ガスと燃焼用空気を混合した混合ガスを供給するための複数の混合器４Ａ、４Ｂ、４Ｃ、４Ｄ、・・・４Ｇを設けてある。各混合器には必要量のガスが図示しないガスの圧力を変化させるなどの方法により制御して送られている。
【００１３】
そして上記のように、混合ガス噴出孔２Ａからは３本の矢印で示したほぼ同じ量の混合ガス３Ａが噴出するようにしてあり、混合ガス噴出孔２Ｂからは３本の矢印で示したほぼ同じ量の混合ガス３Ｂが噴出するようにしてあり、他の混合ガス噴出孔２Ｃ・・・・２Ｇからはそれぞれ３本の矢印で示したほぼ同じ量の混合ガス３Ｃ・・・・３Ｇが噴出するようにしてある。
そして表面燃焼プレート１Ｂの中央部の混合ガス噴出孔２Ｄから噴出する混合ガス３Ｄの量を最も多くして、他の混合ガス噴出孔２Ｃ、２Ｂ、２Ａおよび２Ｅ、２Ｆ、２Ｇから噴出する混合ガス３Ｃ、３Ｂ、３Ａおよび３Ｅ、３Ｆ、３Ｇの量を段階的に少なくなるようにしている。
【００１４】
元混合型表面燃焼バーナにおいて、燃料ガスと燃焼用空気との混合が良くない場合は、未燃ガスの発生や、振動燃焼の原因となるため、混合器内で充分に混合した後に、表面燃焼プレート１Ｂへ供給してやることが必要となる。しかし、元混合型表面燃焼バーナの寸法が大きくなるに従い混合性能が悪くなる。この場合には上記のように一枚の表面燃焼プレート１Ｂに対して複数の混合器４Ａ、４Ｂ・・を設けることにより、より良い混合を得ることができる。しかも、上記のように表面燃焼プレート１Ｂの単位面積当たり噴出する混合ガスの量を連続的および／または段階的に変化させることにより、燃焼能力を大きくした大きな横長型あるいは縦長型元混合型表面燃焼バーナであっても、断火や振動燃焼の原因となる表面燃焼プレートからのリフトを抑制でき、燃焼ガスの流れを均一にして、均一な火炎を得ることができ、それにより低ＮＯｘ化、低騒音化、燃焼装置の小型化などを達成できる。
【００１５】
図２は、表面燃焼プレートに対する混合ガスの供給側に複数の混合器を設けた他の例を示す本発明の横長型あるいは縦長型元混合型表面燃焼バーナの表面燃焼プレートの断面説明図である。
図２において、１Ｃは図示しない多数の混合ガス噴出孔を備え、この噴出孔から図示しない燃料ガスと燃焼用空気の混合ガスを噴出させて噴出側に多数の微小火炎Ｆを形成して燃焼させるようにした表面燃焼プレートを示す。図１との相違点は表面燃焼プレート１Ｃに対する混合ガスの供給側に３個の混合器４Ａ、４Ｂ、４Ｃを設け、混合器４Ａと混合器４Ｂとの隔壁５Ａと表面燃焼プレート１Ｃとの間に通路６を設け、かつ、混合器４Ｂと混合器４Ｃとの隔壁５Ｂと表面燃焼プレート１Ｃとの間にも通路６を設けたことである。各混合器には必要量のガスが図示しないガスの圧力を変化させるなどの方法により制御して送られている。
図２に示す横長型あるいは縦長型元混合型表面燃焼バーナは、図１に示す横長型あるいは縦長型元混合型表面燃焼バーナと同じ効果を奏するとともに、通路６を設けたことにより隔壁５Ａと隔壁５Ｂにより火炎Ｆが切れることがなくなり、より均一な火炎Ｆが得られる。
【００１６】
図３は、縦長型元混合型表面燃焼バーナを用いて燃焼を行った時の火炎の状態を示す説明図である。
縦長の表面燃焼バーナ１Ｄの場合も、上記のように例えば混合ガス噴出孔数を増やした場合、火炎の干渉による各種の問題があるが、同時に縦長の表面燃焼バーナ１Ｄの場合には、図３に示すように火炎Ｆが上方に向かって燃焼が行われる傾向があり、火炎Ｆは重力方向上部の方が火炎温度が高くなり、表面燃焼プレート１Ｄの温度も高くなり易い傾向がある。従って、表面燃焼プレート１Ｄの重力方向上部を通過する混合ガスの燃焼速度が大きくなる傾向にあり、逆火し易くなる。
このような場合は、表面燃焼プレート１Ｄの単位面積当たり噴出する燃料ガスと燃焼用空気の混合ガスの量を表面燃焼プレート重力方向下部において大きく、表面燃焼プレート１Ｄの重力方向上部において小さくして全体のバランスをとることにより、均一な火炎Ｆが得られ、均一な安定燃焼を行うことができ、断火や振動燃焼の原因となる表面燃焼プレートからのリフトを抑制でき、それにより低ＮＯｘ化、低騒音化、燃焼装置の小型化などを達成できる。
【００１７】
図４の（ａ）は、一定の孔径の混合ガス噴出孔の間隔を変化させて混合ガス噴出孔の分布密度を連続的に変えた、本発明で用いる表面燃焼プレートの例を示す平面説明図であり、図４の（ｂ）は、混合ガス噴出孔の間隔を一定にして混合ガス噴出孔の孔径を連続的に変えた、本発明で用いる表面燃焼プレートの他の例を示す平面説明図である。
図４の（ａ）の表面燃焼プレートの場合は、一定の孔径の混合ガス噴出孔２の間隔をｔ１＜ｔ２＜ｔ３＜ｔ４＜ｔ５＜ｔ６と連続的に逐次大きくなるように変化させて混合ガス噴出孔の分布密度を連続的に変えた場合の例を示す。
図４の（ｂ）の表面燃焼プレートの場合は、混合ガス噴出孔２の間隔ｔを一定にして混合ガス噴出孔の孔径をｄ１＜ｄ２＜ｄ３＜ｄ４＜ｄ５＜ｄ６と連続的に逐次大きくなるように変化させた場合の例を示す。
本発明においては、両者を組み合わせて使用することもできる。
【００１８】
【発明の効果】
本発明の元混合型表面燃焼バーナは、燃焼能力を大きくした大きな元混合型表面燃焼バーナであっても燃焼ガスの流れを均一にして均一な火炎を得ることができ、それにより低ＮＯｘ化、低騒音化、燃焼装置の小型化などを達成できる。
本発明の元混合型表面燃焼バーナは構造が簡単で経済的であり、吸収式冷温水機用燃焼装置、吸収式冷凍機、蒸気ボイラー、温水ボイラー、加熱調理器、暖房器、その他各種装置に適用できるので、産業上の利用価値が高い。
【図面の簡単な説明】
【図１】 表面燃焼プレートに対する燃料ガスと燃焼用空気の混合ガスの供給側に複数の混合器を設けた例を示す本発明の横長型あるいは縦長型元混合型表面燃焼バーナの表面燃焼プレートの断面説明図である。
【図２】 表面燃焼プレートに対する燃料ガスと燃焼用空気の混合ガスの供給側に複数の混合器を設けた他の例を示す本発明の横長型あるいは縦長型元混合型表面燃焼バーナの表面燃焼プレートの断面説明図である。
【図３】 縦長型元混合型表面燃焼バーナを用いて燃焼を行った時の火炎の状態を示す説明図である。
【図４】 （ａ）は、一定の孔径の混合ガス噴出孔の間隔を変化させて混合ガス噴出孔の分布密度を連続的に変えた、本発明で用いる表面燃焼プレートの例を示す平面説明図であり、（ｂ）は、混合ガス噴出孔の間隔を一定にして混合ガス噴出孔の孔径を連続的に変えた、本発明で用いる表面燃焼プレートの他の例を示す平面説明図である。
【符号の説明】
１Ｂ、１Ｃ、１Ｄ、１Ｅ、１Ｆ 表面燃焼プレート
２、２Ａ、２Ｂ・・２Ｇ 混合ガス噴出孔
３Ａ、３Ｂ・・３Ｇ 混合ガス
４Ａ、４Ｂ・・４Ｇ 混合器
５Ａ、５Ｂ 隔壁
６ 通路
Claims (5)
- バーナ表面に多数の混合ガス噴出孔を備え、この噴出孔から燃料ガスと燃焼用空気の混合ガスを噴出させて噴出側に多数の微小火炎を形成して燃焼させるようにした一枚の表面燃焼プレートを備えた横長型元混合型表面燃焼バーナにおいて、前記表面燃焼プレートに対する混合ガスの供給側に燃料ガスと燃焼用空気を混合するための隔壁で区画された複数の混合器を設け、各混合器にそれぞれ必要量の燃料ガスと燃焼用空気を供給して、前記表面燃焼プレートの単位面積当たり噴出する混合ガスの量を連続的および／または段階的に変化させることを特徴とする横長型元混合型表面燃焼バーナ。
- 前記表面燃焼プレートの単位面積当たり噴出する混合ガスの量を前記表面燃焼プレート中央部において大きく、炉壁部に近い前記表面燃焼プレート両端部において小さくしたことを特徴とする請求項１記載の横長型元混合型表面燃焼バーナ。
- バーナ表面に多数の混合ガス噴出孔を備え、この噴出孔から燃料ガスと燃焼用空気の混合ガスを噴出させて噴出側に多数の微小火炎を形成して燃焼させるようにした一枚の表面燃焼プレートを備えた縦長型元混合型表面燃焼バーナにおいて、前記表面燃焼プレートに対する混合ガスの供給側に燃料ガスと燃焼用空気を混合するための隔壁で区画された複数の混合器を設け、各混合器にそれぞれ必要量の燃料ガスと燃焼用空気を供給して、前記表面燃焼プレートの単位面積当たり噴出する混合ガスの量を連続的および／または段階的に変化させることを特徴とする縦長型元混合型表面燃焼バーナ。
- 前記表面燃焼プレートの単位面積当たり噴出する混合ガスの量を前記表面燃焼プレート重力方向下部において大きく、前記表面燃焼プレート重力方向上部において小さくしたことを特徴とする請求項３記載の縦長型元混合型表面燃焼バーナ。
- 混合ガス噴出孔の分布密度および／または混合ガス噴出孔の孔径を連続的および／または段階的に変化させることを特徴とする請求項１あるいは請求項２記載の横長型元混合型表面燃焼バーナあるいは請求項３あるいは請求項４記載の縦長型元混合型表面燃焼バーナ。
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