JPH0791601A

JPH0791601A - 水管ボイラ

Info

Publication number: JPH0791601A
Application number: JP25938293A
Authority: JP
Inventors: Kazuhiro Ikeda; 和弘池田
Original assignee: Miura Co Ltd
Current assignee: Miura Co Ltd
Priority date: 1993-09-22
Filing date: 1993-09-22
Publication date: 1995-04-04

Abstract

(57)【要約】【目的】安全性が高く、比較的複雑な高温耐力構造及
びガスリーク耐力構造を必要とせず、ＮＯｘ生成の少な
い水管ボイラを提供することを目的とする。【構成】一対の水管壁３、３によって画成される燃焼
・熱交換区域Ｎの一側に配置され空気比１以下の混合気
が供給される部分予混合バーナ２と、互いに略平行で所
定の間隔を存してバーナ２からの燃焼火炎と交叉するよ
うに設けられる多数の水管４からなる水管群とを備え、
水管壁３の上流側部分の外側にこれと間隔を存して隔壁
部材８を配置して２次空気流通路１２を形成し、この２
次空気流通路１２を空気供給源に接続すると共に、水管
壁３の水管６、６間に２次空気流出孔１３を形成したこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、ＮＯｘ（窒素酸化
物）及びＣＯ（一酸化炭素）の排出濃度を減少させる貫
流ボイラ、自然循環式水管ボイラ、強制循環式水管ボイ
ラ等の水管ボイラに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年では、環境汚染問題等により、ボイ
ラにおいても有害燃焼排気物、特にＮＯｘ，ＣＯ等の一
層の排出濃度の低減が求められている。このような有害
燃焼排気物の排出濃度の低減化対策は種々提案されてい
る。その低減化対策を施した水管ボイラとして、互いに
略平行に、且つ間隔を存して燃焼火炎の流通方向に沿っ
て配置した複数の水管及び隣接する水管同士を連結する
フィン状部材から構成した一対の水管壁と、この水管壁
によって画成される燃焼・熱交換区域の一側に配置され
る予混合バーナと、前記燃焼・熱交換区域の他側に設け
た燃焼排ガス出口手段と、互いに略平行で所定の間隔を
存して前記バーナ手段からの燃焼火炎と交叉するように
設けられる多数の水管からなる水管群とを備えた高効
率、コンパクトで、ＮＯｘの排出量の少ない角型缶体を
有する多管式貫流ボイラが提案されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、こうし
た従来構造のボイラにおいては、高負荷燃焼の全一次空
気式予混合バーナを用いているために、次のような課題
がある。即ち、逆火のおそれが有りこの対策を施す必要
がある、バーナ近傍が高温となるためバーナ近傍を高温
耐力構造とする必要がある、ガスリーク耐力構造とする
必要がある点から構造が複雑となと共にコストが高くな
る。

【０００４】本発明の目的は、安全性が高く、比較的複
雑な高温耐力構造及びガスリーク耐力構造を必要とせ
ず、ＮＯｘ排出量の少ない水管ボイラを提供することを
目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するためになされたものであって、互いに略並行
に、且つ間隔を存して燃焼火炎の流通方向に沿って配置
した複数の水管を含む一対の水管壁と、この水管壁によ
って画成される燃焼・熱交換区域の一側に配置されるバ
ーナ手段と、前記燃焼・熱交換区域の他側に設けた燃焼
排ガス出口手段と、互いに略平行で所定の間隔を存して
前記バーナ手段からの燃焼火炎と交叉するように設けら
れる多数の水管からなる水管群とを備えるものにおい
て、前記バーナ手段を空気比１以下の混合気が供給され
る部分予混合バーナとし、前記水管壁の上流側部分の外
側にこの水管壁と間隔を存して隔壁部材を配置して２次
空気流通路を形成し、この２次空気流通路を空気供給源
に接続すると共に、前記２次空気流通路に面する前記水
管壁の水管間に２次空気流出孔を形成したことを特徴と
する。

【０００６】

【作用】上記手段によれば、バーナ手段から空気比１以
下の混合ガスが噴出され、先ず燃料過剰の低ＮＯｘ燃焼
が行われ、次いでその燃料過剰燃焼領域の周辺に２次空
気流通路、水管壁の２次空気流出孔を経て、２次空気が
上流側から下流側へ順次供給されて、最終的に適正空気
比での燃焼が行われる。そして、バーナ手段からの燃焼
火炎は水管群によって冷却され、２段燃焼と水管群によ
る冷却とによってＮＯｘの生成量が減少する。

【０００７】

【実施例】図１は、この発明に係る燃焼装置を水管式ボ
イラの一種である多管式貫流ボイラに適用した実施例の
缶体の横断面を示す概略構成図である。尚、本明細書で
用いる「燃焼火炎」とは現在燃焼反応を起こしている最
中の高温ガスを言い、この高温ガス中には燃焼を完了し
ていない可燃性予混合ガスと燃焼によって生成された燃
焼済みガスとを含む。又、燃焼火炎は燃焼ガスと言い換
えてもよい。

【０００８】図１を参照して、多管式貫流ボイラの角型
缶体１は、後記バーナ手段２から噴出される燃焼火炎の
流通方向（缶体の長手方向）に沿って配置した垂直の水
管壁（以下、単に管壁と称する）３、３と、互いに略平
行であって所定間隔を存して燃焼火炎と交叉するように
上記管壁３、３間に配列される多数の略垂直水管４、４
・・・（これら水管は水管群を構成する）と、上記管壁
３、３間の一側開口部に配設した部分予混合、即ち空気
比１以下、例えば０．８程度の混合気（燃料ガスと燃焼
空気の混合気体）が供給される部分予混合のバーナ手段
２と、上記管壁３、３間の他側開口部に形成した燃焼排
ガス出口５等から構成される。前記管壁３、３は燃焼・
熱交換区域Ｎを画成する。前記燃焼排ガス出口５は燃焼
・熱交換区域Ｎの反バーナ側端部に設ければ良く、例え
ば管壁３の一部を削除開口して形成することが出来る。

【０００９】上記管壁３、３は、この実施例では、それ
ぞれ複数本の水管６、６・・・を適宜の間隔をおいて燃
焼火炎の流通方向に並んで配置し、各水管６、６・・・
の隙間を、これら水管６、６・・・の軸線方向に沿って
延びる平板状のフィン状部材７、７・・・で閉鎖した構
成のものである。これら管壁３、３は、実質上互いに平
行をなすように適宜の間隔をおいて配置され、各管壁
３、３の外側にはこれと間隔を存して隔壁８、８を取り
付けている。

【００１０】前記水管壁３、３と隔壁８、８との間の通
路（空間）は別の隔壁９、９によって上流側１０Ａと下
流側１０Ｂとに仕切られ、上流側部分１０Ａの上流側端
部を図示しない送風機（燃焼用空気供給源）に接続され
る２次空気流通ダクト１１、１１に連通することで、２
次空気流通路１２、１２としている。この２次空気流通
路１２、１２に面する水管壁３、３のフィン状部材７、
７・・・には２次空気流出孔１３、１３・・・を形成し
ている。この２次空気流出孔１３、１３・・・は水管壁
３、３の上下方向に連続的に、又は離散的に所定の範囲
（燃焼・熱交換区域Ｎの上下幅の略全域）に渡って形成
している。勿論、フィン状部材７を削除する事によって
２次空気流出孔１３を形成してもよい。１４は空気比１
以下の混合気をバーナ手段２の燃焼板２Ａの混合気噴出
孔１５、１５・・・に供給する混合気流通ダクトであ
る。前記下流側部分１０Ｂ、１０Ｂは断熱空間として機
能する。

【００１１】上記管壁３、３を構成する水管６、６・・
・及び管壁３、３間に配置する水管４、４・・・の上端
並びに下端は、それぞれ、上部ヘッダ及び下部ヘッダ
（いずれも図示しない）に連通接続される。そして、こ
の両ヘッダは管壁３、３の上下端部と機密に接合され、
管壁３、３と共同して燃焼・熱交換区域Ｎの上下、左右
の４方を機密に区画して燃焼火炎及び燃焼済みガスが缶
体外部に漏れないように構成する。そして、残りの２方
の開口のうち、１方はバーナ手段２を取り付け、残り１
方の開口には排気筒（図示しない）を接続する。蒸気ボ
イラーにおいては、通常運転時下部ヘッダの全体と水管
６、６・・・及び水管４、４・・・の途中までは常時水
で満たされ、水管６、６・・・及び水管４、４・・・の
上部と上部ヘッダは蒸気で満たされている。尚、その各
々の水管は４、４・・・は、実開平2-28902 号公報に記
載の如く、バーナ手段２側から前記排ガス出口５側に向
けて、伝熱面密度（燃焼ガスの単位流路長さ当りの伝熱
面面積）の小なるものから大なるものの順に配置するこ
とが望ましい。

【００１２】上記管壁３、３間に配置される複数の水管
４、４・・・は、３列X,Y,Z が燃焼火炎の流通方向に並
列に配置されており、管壁３、３の水管６、６・・・を
含めて隣合う列の水管同士は千鳥状配置パターンとなっ
ている。また、燃焼火炎の流通路となる各水管６、６・
・・，４、４・・・相互の間隙は、各水管６の外径と略
等しいか、それ以下に設定するのが好ましく、これらの
各間隙は、全て同一であっても、互いに異なっていて
も、前述の条件内にあればよい。又、バーナ手段２の直
前に位置する水管X1,Z1 との間隙は、所定距離、例え
ば、水管４の外径の略３倍に等しいか、それ以下に設定
してある。

【００１３】以上の構成において、バーナ手段２から空
気比１以下の混合ガスが噴出され、先ず燃料過剰の低Ｎ
Ｏｘ燃焼が行われ、次いでその燃料過剰燃焼領域の周辺
に２次空気流通路１２、１２→水管壁３、３の２次空気
流出孔１３、１３・・・を経て、２次空気が燃焼・熱交
換区画Ｎ内の上流側から下流側へ順次供給されて、最終
的に適正空気比での燃焼が行われる。そして、バーナ手
段２からの燃焼火炎は水管群４、４・・・、６、６・・
・によって冷却され、２段燃焼と水管群による冷却とに
よってＮＯｘの生成量が減少する。こうして、燃焼反応
の進み加減を２次空気量、２次空気流出位置によってコ
ントロール可能となる。更に、２次空気流通路１２、１
２を流通する空気によって水管壁３、３の上流側部分外
面が冷却され、この冷却による吸熱は２次空気の予熱に
利用されるので熱ロスを少なく出来る。

【００１４】尚、本発明は上記の実施例に限定されるも
のではなく、水管４、４・・・の列数及び配列は種々変
更可能である。又、本発明は貫流式以外の水管ボイラに
適用可能であり、蒸気を発生させる水管ボイラだけでな
く、温水を生成する水管ボイラにも適用可能である。

【００１５】

【発明の効果】以上のように、この発明によれば、２段
燃焼と水管群による火炎の冷却によってＮＯｘの排出量
を低減できると共に、バーナ手段を部分予混合タイプと
しているので、予混合タイプのものと比較して、逆火や
ガスリークの危険性が無いと共に、バーナ近傍の構造に
おいて高温耐力程度を緩和でき、複雑な構造とすること
無く、安全性を向上できる。更に、水管壁の上流側外面
を２次空気で冷却できるので、その部分を断熱材で被覆
する必要がなくなる等多大なる効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明における一実施例の缶体の概略構造を
例示する横断面図である。

【符号の説明】

２バーナ手段３水管壁４、６水管１２２次空気流通路１３２次空気流出孔

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】互いに略並行に、且つ間隔を存して燃焼
火炎の流通方向に沿って配置した複数の水管を含む一対
の水管壁手段と、この水管壁によって画成される燃焼・
熱交換区域の一側に配置されるバーナ手段と、前記燃焼
・熱交換区域の他側に設けた燃焼排ガス出口手段と、互
いに略平行で所定の間隔を存して前記バーナ手段からの
燃焼火炎と交叉するように設けられる多数の水管からな
る水管群とを備えるものにおいて、前記バーナ手段を空
気比１以下の混合気が供給される部分予混合バーナと
し、前記水管壁の上流側部分の外側にこの水管壁と間隔
を存して隔壁部材を配置して２次空気流通路を形成し、
この２次空気流通路を空気供給源に接続すると共に、前
記２次空気流通路に面する前記水管壁の水管間に２次空
気流出孔を形成したことを特徴とする水管ボイラ。