JP3700253B2 - 空気調和装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に温風が流れる第1空気通路と主に冷風が流れる第2空気通路との分岐点に、バイレベルモードやフット・デフモード等の吹出口モードを切り替える風量配分ドアを取り付けた空気調和装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
冷風と温風とを混合して温度を調節した空気流の吹出方向を切り替える吹出口切替装置の一例として、例えば車両に搭載される車両用空気調和装置の吹出口切替装置(ヒータユニット)が知られている。このような吹出口切替装置100は、図3および図4に示したように、ヒータコア101、エアミックスドア102、吹出口切替ドア103、104、およびこれらを収容するユニットケース(吹出口切替箱)105等を備えている。
【0003】
そして、ユニットケース105には、ヒータコア101を空気が通過する温風通路106、ヒータコア101を空気が迂回するバイパス通路107、冷風と温風とを混合する混合室108、フット吹出口111に連通する第1空気通路109、およびフェイス吹出口112とデフロスタ吹出口113に連通する第2空気通路110が形成されている。なお、温風通路106および混合室108と第1空気通路109との間には、ユニットケース105に一体成形された仕切り壁114が設けられている。
【0004】
また、混合室108には、ユニットケース105の内壁面より混合室108の通風路内に突出するように凸状に形成された突条部(所謂温度コントロールガイド)115が設けられている。なお、混合室108における温風通路106内より流入する温風の圧力(風圧)は、ヒータコア101での圧力損失が大きいため、バイパス通路107内より流入する冷風の圧力(風圧)に比べて低い。
したがって、混合室108において、圧力の低い温風を、圧力の高い冷風に混合することは困難であった。このため、突条部115は、その図示上端部において温風の方が冷風よりも風圧が高くなるように混合室108内の温風の主流寄りに斜めに配置されている。
【0005】
そして、上記の吹出口切替装置100は、バイレベルモードやフット・デフモード時のように吹出口切替ドア103が中間位置に設定されている場合には、図4に示したように、突条部115の図示下端部において、冷風の圧力が温風の圧力よりも高圧のため、バイパス通路107内を流れる冷風を温風通路106側へ送り込まれ、温風に冷風が混ざる(図4の▲1▼参照)。
そして、突条部115の図示上端部において、仕切り壁114との間の通路面積が絞られ、温風の圧力が冷風の圧力よりも高圧になるため、温風が第2空気通路110側へ回り込み、温風が冷風に混ざる(図4の▲2▼参照)。これらの作用により、冷風と温風との混ざり具合を調整して車室内に吹き出す上下温度をコントロールしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の技術においては、上記に示したように、バイレベルモード時やフット・デフモード時の風量割合および上下温度差をコントロールするための突条部115を、ユニットケース105の内壁面より凸状に形成しているが、この突条部115は、フェイスモードやデフロスタモード時には障害物となる。このため、ユニットケース105内を流れる空気流の通風抵抗を増加させると共に、突条部115の存在により空気流に乱れが生じて騒音(風当たり音)が発生するという問題が生じている。
【0007】
【発明の目的】
本発明は、風量配分ドアが中間位置にある時に冷風に温風を混ぜることができ、且つ風量配分ドアが中間位置にない時に混合室内に障害物が存在することを防止することにより、ケース内を流れる空気流の通風抵抗および騒音を低減できるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明によれば、風量配分ドアの回動位置が中間位置である時、すなわち、第1空気通路および第2空気通路の両方に空気が流れる時には、バイパス通路を通過した冷風の圧力が加熱手段を通過した温風の圧力よりも高圧のため、混合室では冷風が温風に混ざり込む。このため、第1空気通路内の温風の温度が加熱手段より流出した時よりも低下する。また、風量配分ドアの回動範囲内では風量配分ドアによって温風の圧力が冷風の圧力よりも高圧となるので、その冷風よりも高圧化された温風が連通部を通って第2空気通路内に流れ込み、第2空気通路内の冷風の温度がバイパス通路の通過時よりも上昇する。これにより、風量配分ドアによる第1空気通路および第2空気通路の開度に応じた、第1空気通路内を流れる冷風の温度および第2空気通路内を流れる温風の温度のコントロールが可能となる。
【0009】
風量配分ドアの回動位置が中間位置ではない時、すなわち、第1空気通路または第2空気通路が全開で、且つ第2空気通路または第1空気通路が全閉である時には、バイパス通路および加熱手段と風量配分ドアの回動範囲との間の混合室に障害物が存在しないので、ケース内を流れる空気流の通風抵抗を低減できる。また、混合室内で空気の乱れが生じないので、騒音の発生を抑えることができるという効果が得られる。
【0010】
そして、加熱手段で加熱された温風がケースの内壁面によって積極的に風量配分ドアの方へ案内されることにより、風量配分ドアの回動範囲内では冷風の圧力よりも温風の圧力が高くなる。これにより、風量配分ドアの回動範囲内において、冷風の圧力よりも高圧化された温風が、風量配分ドアとケースとの間に形成される隙間としての通気口を通って冷風に混ざり易くなり、第2空気通路内を流れる冷風の温度をコントロールし易くなるという効果が得られる。
【0011】
【発明の実施の形態】
〔実施形態の構成〕
図1および図2は本発明の空気調和装置を自動車等の車両用空気調和装置に適用した実施形態を示したもので、図1は車両用空気調和装置のダクト構造を示した図で、図2(a)、(b)は車両用空気調和装置の吹出口切替装置の主要構造を示した図である。
【0012】
車両用空気調和装置は、自動車等の車両の車室内を空調するために搭載されるエアコンで、吸込口モードを切り替える吸込口切替装置1、冷媒蒸発器2で冷却された冷風とヒータコア3で加熱された温風とを混合して吹出空気の温度調整を行うと共に、吹出口モードを切り替える吹出口切替装置4、およびこれらの空調機器を機械的(または電気的)に操作(または制御)するエアコン操作装置(図示せず)等を備えている。なお、吸込口切替装置1および吹出口切替装置4は、車室内の前方側に設置されている。
【0013】
吸込口切替装置1は、ダクトの最も風上側に設けられるケース11、このケース11内で回動自在に支持された吸込口切替ドア12、および車室内へ向かう空気流を発生する遠心式送風機13等から構成されている。
ケース11の風上側部は吸込口切替箱として使用され、その切替箱には、車両の車室外空気(外気)を吸い込む外気吸込口14、および車両の車室内空気(内気)を吸い込む内気吸込口15が形成されている。
【0014】
吸込口切替ドア12は、吸込口モードを、外気吸込口14から外気を吸い込む外気導入モード、内気吸込口15から内気を吸い込む内気循環モード、または外気吸込口14および内気吸込口15の両方から内外気を吸い込む内外気導入モードのいずれかに切り替える板状のダンパで、アクチュエータにより駆動される。なお、吸込口切替ドア12として板状のダンパの代わりにフィルムダンパ等の他の風量振り分け手段を利用しても良い。
遠心式送風機13は、ケース11の風下側部、すなわち、スクロールケーシング内に回転自在に収容された遠心式ファン16、およびこの遠心式ファン16を回転駆動するブロワモータ等の駆動手段17等から構成されている。
【0015】
冷媒蒸発器2は、冷媒圧縮機、冷媒凝縮器、減圧装置および冷媒配管等と共に冷凍サイクルを構成し、冷媒圧縮機の起動により冷凍サイクルが作動すると、冷媒蒸発器2を通過する空気を冷却する冷却手段である。この冷媒蒸発器2は、周知の構造を有しており、ケース21内の通風路を塞ぐように配されている。
【0016】
ヒータコア3は、燃料の燃焼や排熱などを利用して温水を発生する温水発生手段(図示せず)から温水の供給を受けることによって、ヒータコア3を通過する空気を加熱する加熱手段である。このヒータコア3は、周知の構造を有しており、例えば温水と空気とを熱交換させるための複数本のチューブ、熱交換効率を向上させるための複数枚のコルゲートフィン、および複数本のチューブの両端部に接続される一対のタンク等を有している。
【0017】
吹出口切替装置4は、前述したヒータコア3、ケース21の風下側端部に接続される吹出口切替箱5、ヒータコア3を通過する空気の風量を調節するエアミックスドア6、および吹出口モードを切り替える第1、第2吹出口切替ドア7、8等から構成されている。
【0018】
吹出口切替箱5は、本発明のケースであって、ケース11およびケース21と共に、車両用空気調和装置の空調ダクトを形成するものである。この吹出口切替箱5の内部には、温風通路41、バイパス通路42、混合室(エアチャンバ)43、風量配分室44および第1、第2空気通路45、46等の通風路が風上側から風下側に向かって順に形成されている。
【0019】
温風通路41は、ヒータコア3を通過する空気が流れる領域で、エアミックスドア6により開閉される。また、温風通路41と第1空気通路45との間には、両通路を区画する区画手段としての仕切り壁47が吹出口切替箱5の内壁面に一体成形されている。仕切り壁47の温風通路41側の内壁面は、ヒータコア3より流出した空気を第1吹出口切替ドア7に向かうように案内するような凹形状に湾曲している。
【0020】
バイパス通路42は、ヒータコア3を迂回する空気が流れる領域で、エアミックスドア6により開閉される。
混合室43は、温風通路41より流入した温風とバイパス通路42より流入した冷風とを混合して車室内に吹き出す吹出空気の温度を調整する領域である。
風量配分室44は、第1吹出口切替ドア7の開度に応じて第1空気通路45内に流入する空気の風量と第2空気通路46内に流入する空気の風量とを分配する領域で、第1吹出口切替ドア7の回動範囲(図1の二点鎖線)内に設けられる。
【0021】
第1空気通路45は、仕切り壁47と外側壁(吹出ダクト)48との間に形成され、内部を主に温風が流れる吹出通路である。この第1空気通路45の風上側端部には、風量配分室44に連通する略方形状の第1通風口51が形成されている。また、第1空気通路45の風下側端部には、乗員の足元部に向けて空気流を吹き出すためのフット吹出口(第1吹出口)53が形成されている。
【0022】
第2空気通路46は、吹出口切替箱5内において風量配分室44を境にして第1空気通路45より分岐するように設けられている。第2空気通路46は、吹出ダクト49内に形成され、内部を主に第1空気通路45内を流れる温風よりも低温の冷風が流れる吹出通路である。この第2空気通路46の風上側端部には、風量配分室44に連通する略方形状の第2通風口52が形成されている。第2空気通路46の風下側は、乗員の頭胸部に向けて空気流を吹き出すためのフェイス吹出口(第2吹出口)54、および車両のフロント窓ガラスの内面に向けて空気流を吹き出すためのデフロスタ吹出口(第2吹出口または第3吹出口)55にそれぞれ連通する2つの分岐通路56、57に分岐している。
【0023】
エアミックスドア6は、ヒータコア3の風上側に回動自在に軸支され、開度に応じて温風通路41内に流入する空気の風量とバイパス通路42内に流入する空気の風量とを調節する板状のダンパで、アクチュエータにより駆動される。なお、エアミックスドア6として板状のダンパの代わりにフィルムダンパ等の他の風量振り分け手段を利用しても良い。
【0024】
第1、第2吹出口切替ドア7、8は、吹出口モードを、フェイスモード、バイレベルモード、フットモード、フット・デフモードまたはデフロスタモードのいずれかに切り替える吹出口切替手段である。なお、フェイスモードは、フェイス吹出口54のみから主に冷風を吹き出す吹出口モードで、フットモードは、フット吹出口53のみから主に温風を吹き出す吹出口モードである。そして、バイレベルモードは、フェイス吹出口54から冷風を吹き出し、フット吹出口53から温風を吹き出す吹出口モードである。さらに、フット・デフモードは、フット吹出口53から温風を吹き出し、デフロスタ吹出口55から冷風を吹き出す吹出口モードである。デフロスタモードは、デフロスタ吹出口55のみから空気を吹き出す吹出口モードである。
【0025】
第1吹出口切替ドア7は、本発明の風量配分ドアを構成し、風量配分室44の扇の要部分、すなわち、第1、第2空気通路45、46の分岐点に軸支された支軸71を中心に回動する板状のダンパで、アクチュエータにより駆動される。この第1吹出口切替ドア7は、混合室43側に向かって直線状に延長されており、図2(b)に示したように、吹出口切替箱5の内壁面との間に主に温風が通過する連通口(隙間、例えば2mm〜8mm)sを形成するように、風量配分室44の通路面積に対して幾分小さい面積を持つ。
【0026】
第1吹出口切替ドア7は、第1通風口51を全閉し、第2通風口52を全開する第1回動位置の時に、吹出口モードをフェイスモードまたはデフロスタモードのいずれかに設定する。また、第1通風口51および第2通風口52の両方を開く第2回動位置(中間位置:開度α°=25°)の時に、吹出口モードをバイレベルモードに設定する。
そして、第1通風口51および第2通風口52の両方を開く第3回動位置(中間位置:開度β°=43°)の時に、吹出口モードをフット・デフモードに設定する。さらに、第1通風口51を全開し、第2通風口52を全閉する第4回動位置の時に、吹出口モードをフットモードに設定する。
【0027】
そして、第1吹出口切替ドア7は、支軸71からの突出量を大きくする(従来の技術と比較して例えば5mm〜10mm程度)ことにより、第2回動位置および第3回動位置の時に風量配分室44内において冷風の圧力よりも温風の圧力の方を高圧化するように温風の通路面積を絞る絞り手段として働く。
ここで、バイレベルモードとフット・デフモードの時の各吹出口での風量割合および吹出口温度差を下記の表1に示した。
【表1】
【0028】
第2吹出口切替ドア8は、2つの分岐通路56、57の分岐点には、2つの分岐通路56、57に軸支された支軸81を中心に回動する板状のダンパで、アクチュエータにより駆動される。この第2吹出口切替ドア8は、第2空気通路46内に向かって直線状に延長されている。
第2吹出口切替ドア8は、分岐通路56を全閉し、分岐通路57を全開する第1回動位置の時に、吹出口モードをデフロスタモードまたはフット・デフモードのいずれかに設定する。また、分岐通路56を全開し、分岐通路57を全閉する第2回動位置の時に、吹出口モードをフェイスモードに設定する。
【0029】
エアコン操作装置は、エアコンスイッチ、吸込口モード切替スイッチ、吹出口モード切替スイッチ、風量設定スイッチおよび温度設定スイッチ等の各種スイッチに指令に基づいて、エアミックスドア6、第1、第2吹出口切替ドア7、8、吸込口切替ドア12、遠心式送風機の駆動手段17および冷凍サイクルの冷媒圧縮機を操作または制御する。
【0030】
〔実施形態の作用〕
次に、車両用空気調和装置の作用を図1および図2に基づいて簡単に説明する。
【0031】
イ)フェイス(FACE)モード時
エアコン操作装置または吹出口モード切替スイッチによりフェイスモードが選択されると、第1吹出口切替ドア7が第1回動位置に設定され、第2吹出口切替ドア8が第2回動位置に設定され、エアミックスドア6が適度に開かれる。
これにより、冷媒蒸発器2で冷却された冷風は、主にバイパス通路42を通って混合室43内に流入する。このとき、エアミックスドア6が開いている場合には、一部の冷風がヒータコア3で加熱されて温風となった後に温風通路41を通って混合室43内に流入し、冷風と混ぜ合わされる。
【0032】
そして、混合室43で温度が調節された空調風は、第1吹出口切替ドア7が第1通風口51を全閉し、第2通風口52を全開しているので、風量配分室44から第2通風口52を通って第2空気通路46内に流入する。そして、第2吹出口切替ドア8が分岐通路56を全開し、分岐通路57を全閉しているので、第2空気通路46内に流入した空調風(冷風)は、分岐通路56を通ってフェイス吹出口54より乗員の頭胸部に向かって吹き出される。これにより、車室内が冷房される。
【0033】
ロ)バイレベル(B/L)モード時
エアコン操作装置または吹出口モード切替スイッチによりバイレベルモードが選択されると、第1吹出口切替ドア7が第2回動位置(中間位置:開度α°=25°)に設定され、第2吹出口切替ドア8が第2回動位置に設定され、エアミックスドア6が適度に開かれる。
これにより、冷媒蒸発器2で冷却された冷風の一部は、バイパス通路42および温風通路41を通って混合室43内に流入する。また、冷風の残部は、ヒータコア3で加熱されて温風となった後に温風通路41を通って混合室43内に流入する。
【0034】
このとき、ヒータコア3の存在により、バイパス通路42より混合室43内に流入した冷風の圧力(風圧)の方が温風通路41より混合室43内に流入した温風の圧力(風圧)よりも高い。このため、混合室43では、図2(a)に示したように、冷風が温風に混ざり込む(図2の▲1▼参照)が、温風が冷風に混ざり込むことはできない。
そこで、この実施形態では、吹出口切替箱5の仕切り壁47の温風通路41側の内壁面が、ヒータコア3より流出した温風を第1吹出口切替ドア7に向かうように案内するように凹形状に湾曲している。しかも従来の技術よりも第1吹出口切替ドア7を長くすることで風量配分室44の温風通路側の通路面積を絞ると共に、第1吹出口切替ドア7と吹出口切替箱5の内壁面との間に連通口sを設けている。これにより、図2(a)に示したように、風量配分室44の温風通路(第1空気通路45)側の温風の圧力の方が風量配分室44の冷風通路(第2空気通路46)側の冷風の圧力よりも高くなるので、風量配分室44内において連通口sを経て温風が冷風に混ざり込む(図2の▲2▼参照)。
【0035】
したがって、第1吹出口切替ドア7の存在により、第1通風口51から第1空気通路45内に流入した温風は、混合室43において冷風が混ざり込むことにより、温度が低温化した温風となって、フット吹出口53より乗員の足元部に向かって吹き出される。
一方、第2通風口52から第2空気通路46内に流入した冷風は、風量配分室44において温風が混ざり込むことにより、温度が高温化した冷風となって、分岐通路56を通ってフェイス吹出口54より乗員の頭胸部に向かって吹き出される。これにより、上記の表1に示したように、吹出口温度差が10度〜15度とされた頭寒足熱の快適な車室内暖房がなされる。
【0036】
ハ)フット(FOOT)モード時
エアコン操作装置または吹出口モード切替スイッチによりフットモードが選択されると、第1吹出口切替ドア7が第4回動位置に設定され、エアミックスドア6が適度に開かれる。
これにより、冷媒蒸発器2で冷却された冷風の一部は、バイパス通路42および温風通路41を通って混合室43内に流入する。また、冷風の残部は、ヒータコア3で加熱されて温風となった後に温風通路41を通って混合室43内に流入する。
そして、混合室43内に流入した温風は、第1吹出口切替ドア7が第1通風口51を全開し、第2通風口52を全閉しているので、風量配分室44から第1通風口51、第1空気通路45を通ってフット吹出口53より乗員の足元部に向かって吹き出される。これにより、車室内が暖房される。
【0037】
ニ)フット・デフ(F/D)モード時
エアコン操作装置または吹出口モード切替スイッチによりフット・デフモードが選択されると、第1吹出口切替ドア7が第3回動位置(中間位置:開度β°=43°)に設定され、第2吹出口切替ドア8が第1回動位置に設定され、エアミックスドア6が適度に開かれる。
これにより、冷媒蒸発器2で冷却された冷風の一部は、バイパス通路42および温風通路41を通って混合室43内に流入する。また、冷風の残部は、ヒータコア3で加熱されて温風となった後に温風通路41を通って混合室43内に流入する。このとき、混合室43では、図2(a)に示したように、冷風が温風に混ざり込み、風量配分室44内において上記のバイレベルモード時と同様に連通口sを経て温風が冷風に混ざり込む。
【0038】
したがって、第1通風口51から第1空気通路45内に流入した温風は、混合室43において冷風が混ざり込むことにより、温度が低温化した温風となって、フット吹出口53より乗員の足元部に向かって吹き出される。
一方、第2通風口52から第2空気通路46内に流入した冷風は、風量配分室44において温風が混ざり込むことにより、温度が高温化した冷風となって、分岐通路57を通ってデフロスタ吹出口55より車室内のフロント窓ガラスの内面に向かって吹き出される。これにより、上記の表1に示したように、吹出口温度差が10度〜15度とされた頭寒足熱の快適な車室内暖房と車室内のフロント窓ガラスの除曇とがなされる。
【0039】
ホ)デフロスタ(DEF)モード時
エアコン操作装置または吹出口モード切替スイッチによりデフロスタモードが選択されると、第1、第2吹出口切替ドア7、8が共に第1回動位置に設定され、エアミックスドア6が適度に開かれる。
これにより、冷媒蒸発器2で冷却された冷風の一部は、バイパス通路42および温風通路41を通って混合室43内に流入する。また、冷風の残部は、ヒータコア3で加熱されて温風となった後に温風通路41を通って混合室43内に流入し、バイパス通路42から流入した冷風と混ぜ合わされて温度調節される。
【0040】
そして、混合室43で温度が調節された空調風は、第1吹出口切替ドア7が第1通風口51を全閉し、第2通風口52を全開しているので、風量配分室44から第2通風口52を通って第2空気通路46内に流入する。そして、第2吹出口切替ドア8が分岐通路56を全閉し、分岐通路57を全開しているので、第2空気通路46内に流入した空調風(冷風)は、分岐通路57を通ってデフロスタ吹出口55より車室内のフロント窓ガラスの内面に向かって吹き出される。これにより、車室内のフロント窓ガラスの曇りが除去される。
【0041】
〔実施形態の効果〕
以上のように、車両用空気調和装置の吹出口切替装置4は、バイレベルモード時およびフット・デフモード時に、吹出口切替箱5内の通風路に障害物(第1吹出口切替ドア7)が存在するので、第1、第2吹出口切替ドア7、8の回動位置に応じて、各吹出口より吹き出される吹出風量割合および吹出口温度差のコントロールを行うことができる。
【0042】
その上、吹出口切替装置4は、フェイスモード時、フットモード時およびデフロスタモード時に、吹出口切替箱5内の通風路に障害物が存在しないので、通風抵抗を低減できることにより、吹出風量の低下を抑えることができる。また、混合室43だけでなく、吹出口切替箱5内の通風路全体に障害物が存在しないので、通風路内での空気の乱れを小さくできることにより、騒音の発生を抑えることができる。
【0043】
〔他の実施形態〕
本実施形態では、吹出口切替装置4を自動車等の車両に搭載したが、他の車両に搭載しても良い。また、ビルの空調風の切り替えなど、車両以外における空気通路の切り替えに適用しても良い。
本実施形態では、車両用空気調和装置として室内の冷暖房が可能な例を示したが、室内の暖房のみ可能な空気調和装置に用いても良い。
【0044】
本実施形態では、アクチュエータを用いて第1、第2吹出口切替ドア7、8を駆動したが、手動操作によって第1、第2吹出口切替ドア7、8の回動位置を操作しても良い。
本実施形態では、加熱手段としてヒータコア3を用いたが、電気ヒータ等の他の加熱手段を用いても良い。また、本実施形態では、送風機として遠心式送風機13を用いたが、軸流式ファン等の他の送風機を用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用空気調和装置のダクト構造を示した概略図である(実施形態)。
【図2】(a)、(b)は車両用空気調和装置の吹出口切替装置の主要構造を示した概略図および正面図である(実施形態)。
【図3】車両用空気調和装置の吹出口切替装置を示した概略図である(従来の技術)。
【図4】車両用空気調和装置の吹出口切替装置の主要構造を示した概略図である(従来の技術)。
【符号の説明】
1 吸込口切替装置
2 冷媒蒸発器
3 ヒータコア(加熱手段)
4 吹出口切替装置
5 吹出口切替箱(ケース)
7 第1吹出口切替ドア(風量配分ドア)
8 第2吹出口切替ドア(吹出口切替ドア)
13 遠心式送風機
41 温風通路
42 バイパス通路
43 混合室
44 風量配分室
45 第1空気通路
46 第2空気通路
51 第1空気通路の第1通風口
52 第2空気通路の第2通風口
53 フット吹出口
54 フェイス吹出口
55 デフロスタ吹出口
56 分岐通路
57 分岐通路
Claims (3)
- (a)室内に空気を送風する送風機と、
(b)室内に向かう空気を加熱する加熱手段と、
(c)この加熱手段から空気を迂回させるバイパス通路、
前記加熱手段を通過する温風と前記バイパス通路を通過する冷風とを混合する混合室、 およびこの混合室よりも風下側に設けられ、主に温風が流れる第1空気通路と主に冷風が流れる第2空気通路とに分岐した空気通路
が形成されたケースと、
(d)前記第1空気通路と前記第2空気通路との分岐点を中心に回動するように配され、前記混合室内で混合した空気を、前記第1空気通路内に向かう空気と前記第2空気通路内に向かう空気とを振り分ける板状の風量配分ドアと
を備えた空気調和装置であって、
前記風量配分ドアは、前記第1空気通路および前記第2空気通路の両方に空気を振り分ける中間位置の時に、前記風量配分ドアの回動範囲内において冷風の圧力よりも温風の圧力の方を高圧化するように働き、
前記風量配分ドアまたは前記ケースは、前記冷風の圧力よりも高圧化された温風を前記第2空気通路内に流れ込ませる連通部を有し、
前記連通部は、前記風量配分ドアと前記ケースとの間に形成される通気口であって、
前記ケースは、前記加熱手段で加熱された温風を、前記風量配分ドアの方へ案内するような内壁面形状を有し、
前記ケースの内壁面形状と前記風量配分ドアの中間位置とにより前記風量配分ドアの回動範囲内では冷風の圧力よりも温風の圧力が高くなることを特徴とする空気調和装置。 - 請求項1に記載の空気調和装置において、
前記第1空気通路の風下側は、乗員の足元部に向けて空気流を吹き出すためのフット吹出口に連通しており、
前記第2空気通路の風下側は、乗員の頭胸部に向けて空気流を吹き出すためのフェイス吹出口、および車両のフロント窓ガラスの内面に向けて空気流を吹き出すためのデフロスタ吹出口に連通していることを特徴とする空気調和装置。 - 請求項2に記載の空気調和装置において、
前記第2空気通路は、風下側が前記フェイス吹出口と前記デフロスタ吹出口とにそれぞれ連通する2つの分岐通路に分岐しており、
前記2つの分岐通路の分岐点には、前記2つの分岐通路を選択的に開閉することにより吹出口モードを切り替える吹出口切替ドアが設けられていることを特徴とする空気調和装置。
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