JP3698768B2 - 眼用レンズ材料の加工用治具からの取外し方法および取外し装置 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は、眼用レンズの製造時に、レンズ材料を切削装置等の加工装置に取り付けるための加工用治具から、該レンズ材料を取り外す方法と装置に係り、特にコンタクトレンズや眼内レンズ等の小さくて取扱いが煩わしい眼用レンズの製造時に好適に採用される眼用レンズ材料の加工用治具からの取外し装置および取外し方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】
コンタクトレンズや眼内レンズ等の眼用レンズを製造するための方法として、特開平7−195556号公報等に記載されているように、ブロック状のレンズ材料を切削などして凹面側のレンズ面を形成した後、凸面側のレンズ面を形成するに際し、所定の加工装置に取り付けられる基台部と、眼用レンズ材料(以下、単にレンズ材料という)の球状凹面が接着される湾曲凸面を有するレンズ保持部とを備えた加工用治具を用い、該加工用治具を介して、凸面側のレンズ面を加工する装置にレンズ材料を取り付けて切削加工等を行う方法が知られている。
【0003】
このような方法においては、レンズ材料が加工用治具の湾曲凸面に対して接着剤により接着された保持せしめられた状態下で、レンズ材料に対する切削等の加工が行われるが、その後、加工用治具からレンズ材料を取り外す必要がある。
【0004】
そこで、従来では、例えば、眼用レンズ材料と加工用治具の間に介在する接着剤を溶かし、且つ眼用レンズ材料に悪影響を及ぼさない適当な液体中に浸漬して接着剤を溶かすことによって、加工された眼用レンズ材料を加工用治具から分離していた。
【0005】
ところが、一般に、接着剤を溶かしてレンズ材料を加工用治具から分離させるためには、それらを液中に数時間以上浸漬する必要があることから、作業時間が非常に長いものとなり、生産効率向上の大きな障壁となっていたのである。
【0006】
しかも、このような方法では、レンズ材料が加工用治具から液中で分離されるために、分離したレンズ材料が液中に浮遊することとなり、加工用治具から分離されて浮遊したレンズ材料を、後から回収する面倒な作業が必要となるのであり、特に、コンタクトレンズや眼内レンズのように透明で小さな場合には、かかる回収作業が極めて煩わしく、生産効率にも悪影響を及ぼすといった問題があった。
【0007】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、レンズ材料を加工用治具から速やかに分離させることが出来る、レンズ材料の加工用治具からの新規な取外し方法および取外し装置を提供することにある。
【0008】
【解決手段】
そして、かかる課題を解決するために、本発明方法の特徴とするところは、湾曲凸面を有するレンズ保持部に対して眼用レンズ材料の球状凹面が接着されることにより、該眼用レンズ材料を保持せしめる加工用治具において、かかるレンズ保持部の湾曲凸面に接着された眼用レンズ材料を取り外すに際して、加工用治具に対して、眼用レンズ材料に触れることなく、直接に外力を及ぼして、該加工用治具の湾曲凸面を変形させることにより、該湾曲凸面から眼用レンズを離脱させるようにした眼用レンズの加工用治具からの取外し方法にある。
【0009】
すなわち、このような本発明方法においては、レンズ材料が接着された加工用治具の湾曲凸面を強制的に変形させることにより、レンズ材料の弾性乃至は剛性に基づいてレンズ材料と湾曲凸面の間に剥離力が作用することとなり、レンズ材料が湾曲凸面から直ちに離脱せしめられる。
【0010】
従って、本発明方法によれば、加工用治具からレンズ材料を速やかに取り外すことが出来、作業時間の短縮化と生産効率の向上が達成され得るのである。
【0011】
しかも、本発明方法によれば、加工用治具からレンズ材料を取り外すに際して、レンズ材料に対して外力が直接に作用するものでないことに加えて、レンズ材料に大きな圧力が作用することもないから、レンズ材料の損傷等が可及的に回避され得るのである。
【0012】
なお、本発明方法においては、例えば、加工用治具の湾曲凸面を変形させるに際して、該湾曲凸面に接着された眼用レンズ材料を外部から吸着支持することが有効である。それによって、加工用治具から取り外されたレンズ材料が保持され得ることから、離脱されたレンズ材料の回収作業が容易となる。
【0013】
また、本発明方法において、加工用治具の湾曲凸面を変形させるために採用される外力の作用方法や作用方向等は、加工用治具の形状や材質等を考慮して適宜に選択されるものであって、限定されるものでないが、例えば、加工用治具において、湾曲凸面の外周縁部から軸方向に延び出す筒状外周面を有する基台部を設けて、該基台部に対し、略軸直角方向の外力を作用せしめて、該基台部を軸直角方向に押し潰すように変形させることが、有効である。このような加工用治具に対する外力の作用方法を採用すれば、レンズ保持部に接着保持せしめられたレンズ材料に触れることなく、外力によって湾曲凸面を容易且つ有利に変形させてレンズ材料をより有効に分離させることが可能となる。
【0014】
さらに、本発明方法の適用範囲は、加工用治具の湾曲凸面とレンズ材料を接着する接着剤の種類等によって特に限定されるものでない。かかる接着剤としては、レンズ材料の加工時等にレンズ材料と湾曲凸面との接着を保証し、湾曲凸面が変形された際に容易にレンズ材料が分離される程度の接着力を有するものであって、レンズ材料や加工用治具に悪影響を与えないものであれば使用可能であって、レンズ材料や加工用治具の特性や硬度等に応じて適宜に選定されることとなり、従来から採用されている紫外線硬化型接着剤等が何れも採用され得る。
【0015】
また、本発明方法の適用範囲は、レンズ材料の種類等によって特に限定されるものでもない。レンズ材料としては、加工用治具の湾曲凸面からの取外しに際して、湾曲凸面が湾曲された際に有効な剥離力を生ぜしめ得るだけの弾性乃至は剛性を有するものであれば良く、かかる点において、一般に、ハード系のコンタクトレンズ材料を採用する場合等に好適に適用され得る。
【0016】
更にまた、本発明方法の適用範囲は、加工用治具の材質等によって特に限定されるものでもない。加工用治具の材質としては、湾曲凸面に接着されたレンズ材料の加工等に際して、変形等することなくレンズ材料を安定して保持せしめ得るものであって、且つレンズ材料の取外しに際して、外力によって割れたりすることなく変形するものであれば使用可能であって、例えば、アクリル系やスチレン系の合成樹脂材料が好適に採用される。なお、レンズ材料を接着するために紫外線硬化型接着剤を採用する場合には、接着面に紫外線を有利に照射するために、紫外線透過性の材質が望ましい。
【0017】
一方、前述の如き課題を解決するために、本発明装置の特徴とするところは、(a)所定の加工装置に取り付けられる基台部と、眼用レンズ材料の球状凹面が接着される湾曲凸面を有するレンズ保持部とを備えた、外力の作用によって変形可能な材質からなる加工用治具と、(b)該加工用治具における基台部に外力を及ぼすことにより、レンズ保持部の湾曲凸面を変形させて、該湾曲凸面に接着された眼用レンズ材料を離脱させる外力作用手段と、(c)眼用レンズ材料を球状凸面側から吸引吸着することにより、加工用治具から離脱せしめられた眼用レンズ材料を支持する支持手段とを、有する眼用レンズ材料の加工用治具からの取外し装置にある。
【0018】
このような本発明装置においては、加工用治具を外力作用手段によって変形させることにより、湾曲凸面とレンズ材料との接着面に対して、レンズ材料の弾性力や剛性力に基づく剥離力が作用せしめられて、レンズ材料が加工用治具から速やかに取り外されることとなる。しかも、レンズ材料が支持手段によって吸引吸着支持されることから、加工用治具から取り外されたレンズ材料を回収する作業も容易である。
【0019】
従って、このような本発明装置によれば、加工用治具からレンズ材料を速やかに取り外すことが出来るのであり、また、加工用治具から取り外されたレンズ材料の回収や搬送も容易かつ速やかに行われることから、レンズ加工に際しての作業時間の短縮化と生産効率の向上が達成され得るのである。
【0020】
しかも、本発明装置によれば、レンズ材料の加工用治具からの取外し時や、取り外されたレンズ材料の回収時等においても、レンズ材料に対する過大な外力の作用が回避されることから、レンズ材料の損傷等が可及的に回避されて製品品質の向上と安定化が有利に達成され得る。
【0021】
なお、加工用治具は、少なくとも外力作用手段による外力が及ぼされる基台部とレンズ保持部とが変形可能な材質によって形成されていれば良く、例えば、前述の如きアクリル系やスチレン系の合成樹脂材料等、塑性変形可能な樹脂材料が好適に採用される。また、かかる加工用治具における基台部とレンズ保持部を、弾性材料によって形成しても良く、それによって、湾曲凸面からレンズ材料を取り外す際にも加工用治具を弾性変形領域内で使用することにより、レンズ材料の加工に際して、かかる加工用治具を繰り返して複数回使用することが可能となる。
【0022】
また、本発明装置において、加工用治具の具体的形状は、該加工用治具が取り付けられる加工装置の構造等に応じて適宜に決定されるものであると共に、その基台部に対する外力の作用方法も、加工用治具の形状等に応じて適宜に決定されるものであって、特に限定されるものではないが、例えば、基台部を段付き或いはストレートな軸状と為すと共に、該基台部の軸方向先端部分にレンズ保持部を設けた構造の加工用治具を採用し、外力作用手段により、該基台部を軸直角方向両側から挟むように外力が及ぼされるようにすることが可能である。
【0023】
このような構成を採用すれば、外力作用手段から基台部に対して大きな外力を容易に且つ安定して及ぼすことが出来ると共に、基台部に及ぼされた外力をレンズ保持部に有利に伝達せしめて、湾曲凸面に対して有効なレンズ剥離力を発生するような変形を効率的に生ぜしめることが出来るのである。
【0024】
更にまた、本発明装置において、加工用治具の基台部は中実構造であっても良いが、例えば、かかる基台部を中空の筒体構造とすると共に、該基台部の軸方向先端部分にレンズ保持部を設けることが、好ましい。
【0025】
このような構造を採用すれば、基台部を外力作用手段によって容易に変形させることが出来るのであり、特に、基台部に対して軸方向両側から押圧力を作用させるようにすれば、一層容易に基台部を変形させることが出来る。しかも、中空筒体構造とされた基台部の軸方向先端部分にレンズ保持部を形成すれば、基台部を軸直角方向に押しつぶすような変形がレンズ保持部に対して一層有利に及ぼされて、湾曲凸面に対して有効なレンズ剥離力を発生するような変形がより効率的に生ぜしめられるのである。
【0026】
また、本発明装置においては、(d)加工装置から搬送された加工用治具を、外力作用手段によって外力が及ぼされる作業位置に導く搬入手段と、(e)外力作用手段によって外力が及ぼされることにより、加工用治具から離脱せしめられた眼用レンズ材料を、かかる作業位置から取り出す搬出手段と、(f)レンズ材料が離脱された加工用治具を、かかる作業位置から取り出す払出手段とが、好適に採用される。
【0027】
このような構成を採用すれば、加工用治具からのレンズ材料の取外し作業の自動化が有利に図られ得ることとなる。
【0028】
なお、本発明装置においても、前述した本発明方法の場合と同様、採用される接着剤の種類やレンズ材料の材質、加工用治具の材質等によって、その適用範囲が特に限定されることはない。
【0029】
【発明の実施の形態・実施例】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施例について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0030】
先ず、図1には、本発明に従う構造とされた装置の一実施例の平面概略図が示されていると共に、図2には、かかる装置の要部の側面図が示されており、更に図3には、かかる装置の作用部の平面図が示されている。これらの図に示された本実施例における眼用レンズ材料の加工用治具からの取外し装置は、架台10に対して、その中央部分に治具設置台12が立設されていると共に、該治具設置台12を挟んだ両側に外力作用手段としての一対の挟圧装置14,14が設置されている。
【0031】
治具設置台12は、先端面の中央部分に円形のセット凹所16が設けられており、このセット凹所16に対して、加工用治具18がセットされるようになっている。なお、本実施例では、加工用治具18として、図4及び図5に示されているように、上部20が下部22よりも小径で内部が中空とされた段付円筒形状を有する基台部24と、該基台部24の上部20側の開口部を覆蓋する、外周面が球状の湾曲凸面26とされた球殻形状のレンズ保持部28とを有するものが、採用されている。このような加工用治具18にあっては、図4に仮想線で示されている如く、切削加工によって球状凹面30が形成されたレンズ材料27が、該球状凹面30において、レンズ保持部28の湾曲凸面26に接着保持されるようになっていると共に、図示はされていないが、該加工用治具18の基台部24を切削加工装置における主軸のチャックによって把持固定可能とされており、該基台部24を切削加工装置に把持固定することにより、レンズ保持部28に接着保持されたレンズ材料27の外面が目的とする球状凸面に切削加工されることとなる。
【0032】
また、本実施例では、加工用治具18の材質として、切削加工装置によるレンズ材料27の加工に際して該レンズ材料27の変形を防止し得るだけの硬度を有する変形可能な材質であって、良好なる光透過性を有するものが採用されている。具体的には、例えばスチレン系樹脂材料にて形成された加工用治具18が好適に採用される。
【0033】
そして、このような加工用治具18は、基台部24の大径下部22が、治具設置台12のセット凹所16に嵌め込まれることにより、治具設置台12上の所定位置に載置されるようになっている。
【0034】
一方、挟圧装置14,14にあっては、架台10上において治具設置台12を挟んだ両側に対向位置して固定的に設置された竪板32,32に対して、それぞれ四台のエアシリンダ機構34が固設されていると共に、これら四台のエアシリンダ機構34のピストンロッドが、各竪板32の対向面側に配設された矩形平板形状の駆動板36の四隅部分に連結されており、かかる駆動板36が対向方向に接近,離隔駆動せしめられるようになっている。また、両駆動板36,36の対向面上には、対応する位置において、それぞれ、対向方向に向かって突出する挟圧板40が固着されており、後述する如く、両駆動板36,36が接近駆動せしめられた際に、これらの挟圧板40,40の先端部によって、治具設置台12上にセットされた加工用治具18の基台部24を径方向両側から挟圧せしめて、該加工用治具18からレンズ材料27を分離せしめるようになっている。なお、図中、38は、エアシリンダ機構34に駆動エアを給排するエアホースである。
【0035】
特に、本実施例では、挟圧装置14の竪板32が四台のエアシリンダ機構34によって駆動されるようになっていると共に、治具設置台12の上面に挟圧板40を案内するガイド溝37が形成されていることにより、挟圧板40の駆動時における傾きが防止されるようになっている。
【0036】
また、図1に示されているように、治具設置台12の周囲には、搬入装置42と搬出装置44および払出装置46が配設されている。搬入装置42は、図面上では必ずしも明らかでないが、回転中心軸48の回りに回動駆動される作動アーム50を有していると共に、この作動アーム50の先端部分に加工用治具18を把持し得る把持部が上下動可能に組み付けられており、作動アーム50の回動によって、かかる把持部が、治具設置台12と受渡台52の間を往復移動せしめられるようになっている。そして、切削加工装置によって球状凸面を切削加工されたレンズ材料27が加工用治具18と共に、図示しないエアコンベア等の搬送装置によって受渡台52上に搬送されるようになっており、この受渡台52上に搬送,載置された加工用治具18が、搬入装置42によって、治具設置台12上に搬送されて所定位置にセットされるようになっているのである。
【0037】
更にまた、搬出装置44は、回転中心軸54の回りに回転駆動される作動アーム56を有していると共に、この作動アーム56の先端部分に対して、図2に示されている如き吸着装置58が取り付けられており、作動アーム56の回動によって、かかる吸着装置58が、治具設置台12とレンズ受取台60の間を往復移動せしめられるようになっている。また、吸着装置58は、作動アーム56の先端部に固設されたハウジング62から下方に向かって突出する吸引管64を有しており、該吸引管64の下端部に対して、下方に向かってテーパ状に拡開するゴム製の吸着パット66が固着されている。更にまた、吸引管64は、ハウジング62から下方に延出し/引込み可能とされていると共に、外挿されたコイルスプリングによって、ハウジング62から延び出す方向に付勢されており、図示しない駆動手段によって引込み方向に駆動されることにより、ハウジング62から延出し/引込み自在とされている。
【0038】
そして、この吸着装置58の吸引管64に対して、エアホース68を通じて負圧を導くことにより、該吸引管64の先端部に設けられた吸着パット66により、治具設置台12上に載置された加工用治具18から分離されたレンズ材料27が吸着保持されるようになっており、吸着保持せしめたレンズ材料27を、吸引管64の上方への移動によって加工用治具18から引き離し、更に作動アーム56の回動によって、レンズ受取台60上に搬送するようになっているのである。
【0039】
また、払出装置46は、図面上では必ずしも明らかでないが、回転中心軸70の回りに回動駆動される作動アーム72を有していると共に、この作動アーム72の先端部分に加工用治具18を把持し得る把持部が上下動可能に組み付けられており、作動アーム72の回動によって、かかる把持部が、治具設置台12と治具受取台74の間を往復移動せしめられるようになっている。そして、レンズ材料27が取り外されて治具設置台12上に載置された加工用治具18が、かかる払出装置46によって、治具受取台74上に搬出されるようになっているのである。
【0040】
次に、このような構造とされた装置を用いて、眼用レンズ材料を加工用治具から取外す方法について説明する。
【0041】
先ず、接着されたレンズ材料27に対して球状凸面加工が施されて受渡台52上に搬送された加工用治具18を、搬入装置42によって、治具設置台12上に搬送してセット凹所16にセットする。なお、かかる搬入装置42による加工用治具18のセット作業は、挟圧装置14,14の挟圧板40,40を相互に離隔位置せしめた状態下において実施される。
【0042】
次いで、図6に示されているように搬出装置44の吸着装置58を治具設置台12上に移動させ、該吸着装置58によって、加工用治具18に接着されたレンズ材料27の球状凸面(外側面)を吸着支持せしめる。その状態下で、図7に示されているように、挟圧装置14,14の各エアシリンダ機構34を作動せしめて挟圧板40,40を相互に接近駆動させ、加工用治具18の基台部24を軸直角方向両側から挟圧することによって、該基台部24を径方向に押し潰すように変形せしめる。
【0043】
すなわち、このように基台部24を変形させることにより、基台部24の変形がレンズ保持部28にも及ぼされて、該レンズ保持部28が径方向内側に折り曲げられるように変形せしめられるのであり、それによって、該レンズ保持部28の湾曲凸面26とそこに接着されたレンズ材料27との接着面間に、該レンズ材料27の弾性乃至は剛性に基づく変形に対する抵抗力が剥離力として作用し、以て、かかる剥離力が接着剤による接着力に打ち勝ってレンズ材料27が湾曲凸面26から離脱せしめられることとなるのである。
【0044】
その後、加工用治具18から離脱されたレンズ材料27を、吸着装置58によって吸着支持せしめたまま、搬出装置44によって、レンズ受取台60上に導いて取り出す。なお、レンズ受取台60上に取り出されたレンズ材料27は、その後、必要に応じて施される仕上げ作業工程へ、図示しない搬送装置等によって導かれることとなる。
【0045】
また一方、レンズ材料27が取り外された加工用治具18単体は、挟圧装置14,14の挟圧板40,40を離隔せしめた後、払出装置46によって、治具受取台74上に搬出する。なお、搬出された加工用治具18は、初期の形状に復元する弾性材料によって形成されており再利用可能とされている場合以外は、適当に処分されることとなる。
【0046】
このような方法に従えば、加工用治具18からレンズ材料27を極めて速やかに取り外すことが出来るのであり、レンズの生産効率が飛躍的に向上される。
【0047】
特に、本実施例においては、搬出装置44によって、加工用治具18から取り外されたレンズ材料27が吸着支持されることから、取外し後のレンズ材料27の回収や搬送も容易かつ速やかに行われ得、レンズの生産効率が一層有利に向上され得るのである。
【0048】
また、本実施例においては、レンズ材料27が接着された加工用治具18の搬入や、分離されたレンズ材料27と加工用治具18の搬出も、搬入装置42,搬出装置44,払出装置46によって、速やかに行われることから、レンズ加工の自動化が容易に且つ効率的に実現され得ると共に、レンズの生産効率の更なる向上が有利に達成され得ることとなる。
【0049】
以上、本発明の実施例について詳述してきたが、これは文字通りの例示であって、本発明は、かかる具体例にのみ限定して解釈されるものではない。
【0050】
例えば、搬入装置42や搬出装置44,払出装置46は、必ずしも設ける必要はない。
【0051】
また、前記実施例では、挟圧装置14における挟圧板40が、四台のエアシリンダ機構34によって駆動されるようになっていたが、その駆動機構は何等限定されるものでなく、一台や二台のエアシリンダ機構によって駆動したり、或いはその他の駆動機構を採用することも可能である。
【0052】
更にまた、加工用治具18が弾性変形し易い場合には、レンズ材料27の切削加工時における剛性を確保するために、例えば、加工用治具18の中空内部に補強用部材を挿入して実質的に中実構造とし、加工用治具18からレンズ材料27を離脱させる際に、かかる補強用部材を加工用治具18から取り出して、加工用治具18の変形を容易とすることも、可能である。
【0053】
その他、一々列挙はしないが、本発明は当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
【0054】
【発明の効果】
上述の説明から明らかなように、本発明方法および本発明装置によれば、レンズ材料が接着された加工用治具の湾曲凸面を強制的に変形させることにより、レンズ材料が湾曲凸面から直ちに離脱せしめられることから、レンズ材料を加工用治具から極めて速やかに取り外すことが出来るのであり、それ故、従来の溶液中に浸漬してレンズ材料を取り外す方法に比して、作業時間が大幅に短縮化されて生産効率の飛躍的な向上が達成され得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての眼用レンズ材料の加工用治具からの取外し装置を概略的に示す平面図である。
【図2】図1に示された実施例装置の要部を概略的に示す側面図である。
【図3】図1に示された実施例装置の要部を拡大して示す平面図である。
【図4】図1に示された実施例装置に用いられる加工用治具の具体例を示す縦断面図である。
【図5】図4に示された加工用治具の平面図である。
【図6】図1に示された実施例装置を用いて加工用治具から眼用レンズ材料を取り外す作業の一工程を示す説明図である。
【図7】図1に示された実施例装置を用いて加工用治具から眼用レンズ材料を取り外す作業の別の工程を示す説明図である。
【符号の説明】
12 治具設置台
14 挟圧装置
18 加工用治具
24 基台部
26 湾曲凸面
27 レンズ材料
28 レンズ保持部
30 球状凹面
34 エアシリンダ機構
40 挟圧板
42 搬入装置
44 搬出装置
46 払出装置
58 吸着装置
Claims (6)
- 湾曲凸面を有するレンズ保持部に対して眼用レンズ材料の球状凹面が接着されることにより、該眼用レンズ材料を保持せしめる加工用治具において、かかるレンズ保持部の湾曲凸面に接着された該眼用レンズ材料を取り外すに際して、
前記加工用治具に対して、前記眼用レンズ材料に触れることなく直接に外力を及ぼし、該加工用治具の前記湾曲凸面を変形させるにあたり、該湾曲凸面の外周縁部から軸方向に延び出す筒状外周面を有する基台部に対して、略軸直角方向の外力を作用せしめて、該基台部を軸直角方向に押し潰すように変形させることにより、前記湾曲凸面から前記眼用レンズ材料を離脱させることを特徴とする眼用レンズ材料の加工用治具からの取外し方法。 - 前記加工用治具の前記湾曲凸面を変形させるに際して、該湾曲凸面に接着された前記眼用レンズ材料を外部から吸着支持する請求項1に記載の取外し方法。
- 所定の加工装置に取り付けられ、中空の筒体構造を呈する基台部と、該基台部の軸方向先端部分に設けられ、眼用レンズ材料の球状凹面が接着される湾曲凸面を有するレンズ保持部とを備えた、外力の作用によって変形可能な材質からなる加工用治具と、
該加工用治具における前記基台部に外力を及ぼすことにより、前記レンズ保持部の湾曲凸面を変形させて、該湾曲凸面に接着された前記眼用レンズ材料を離脱させる外力作用手段と、
前記眼用レンズ材料を球状凸面側からゴム製の吸着パットにより吸引吸着することにより、前記加工用治具から離脱せしめられた該眼用レンズ材料を支持する支持手段とを、
有することを特徴とする眼用レンズ材料の加工用治具からの取外し装置。 - 前記加工用治具における基台部およびレンズ保持部が、塑性変形可能な樹脂材料によって形成されている請求項3に記載の取外し装置。
- 前記加工用治具に対して、前記外力作用手段により、前記基台部を軸直角方向両側から挟むように外力を及ぼして、該基台部を変形させることにより、前記レンズ保持部の湾曲凸面を変形せしめる請求項3又は4に記載の取外し装置。
- 前記加工装置から搬送された前記加工用治具を、前記外力作用手段によって外力が及ぼされる作業位置に導く搬入手段と、
前記外力作用手段によって外力が及ぼされることにより、前記加工用治具から離脱せしめられた前記眼用レンズ材料を、かかる作業位置から取り出す搬出手段と、
前記眼用レンズ材料が離脱された前記加工用治具を、かかる作業位置から取り出す払出手段とを、
備えた請求項3乃至5の何れか1項に記載の取外し装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24136995A JP3698768B2 (ja) | 1995-09-20 | 1995-09-20 | 眼用レンズ材料の加工用治具からの取外し方法および取外し装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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1995
- 1995-09-20 JP JP24136995A patent/JP3698768B2/ja not_active Expired - Fee Related
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