JP3698449B2 - ガイドワイヤ及びその製造法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、例えば血管、尿管、胆管、気管などにカテーテルを挿入する際に用いられる医療用のガイドワイヤ及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、血管、尿管、胆管、気管などの人体の管状器官における検査・治療のため、カテーテルを挿入して造影剤などの薬剤を投入したり、カテーテルを通して鉗子等によって組織の一部を採取したりすることが行なわれている。カテーテルの挿入に際しては、管状器官内に、まず、比較的細くて柔軟なガイドワイヤを挿入し、このガイドワイヤの外周に沿ってカテーテルを挿入した後、ガイドワイヤを抜き出すようにしている。
【0003】
上記ガイドワイヤとして、図5に示されるように、金属の芯線42の先端部42aをテーパ状に形成し、その外周を合成樹脂膜43で被覆したガイドワイヤ41が知られている。このガイドワイヤ41は芯線42の先端部を細くすることにより柔軟性を付与し、挿入時の操作性を向上させたものである。
【0004】
しかし、ガイドワイヤは、その先端位置をX線テレビモニターで確認しながら体内に挿入されるので、先端部がテーパ状に形成されていると、先端部が細すぎてその先端位置を確認しにくいという問題がある。
【0005】
この問題を解決するため、ガイドワイヤの芯線等をX線不透過性の材料により形成することが考えられる。しかしながら、X線不透過性の材料、例えば金、白金等は、極めて高価な材料であるため、ガイドワイヤの芯線全体を上記材料で構成すると、製品コストが極めて高くなる。また、芯線に必要とされる弾性や剛性が十分に得られなくなる可能性がある。
【0006】
そこで、ガイドワイヤの先端部に、X線不透過性の材料からなる造影用チップを取り付けたガイドワイヤが提案されている。このようなガイドワイヤの例としては、芯線の外周を被覆する合成樹脂膜の外周に造影用チップが取り付けられたものがある。また、特開平4-9162号には、図6に示されるように芯線52のテーパ状部52aの先端部に造影用チップ54が取り付けられ、その外周全体を合成樹脂膜53で被覆したガイドワイヤ51が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、造影用チップが合成樹脂膜の外周に取り付けられたものは、ガイドワイヤ表面に段差がついて、管状器官への挿入が困難になり、また、管状器官への挿入時に外れやすいという問題があった。
【0008】
また、特開平4-9162号に開示されたものは、造影用チップ54の取り付け方法が、▲1▼圧着する、▲2▼芯線52に造影用チップ54との接着性を高める金属をメッキあるいは蒸着した後取り付ける、▲3▼ハンダ付けする方法であるが、▲1▼の方法では、テーパ状で、かつ非常に細い部分であるために圧着しにくく、また、合成樹脂膜を被覆する際に、芯線52の基部側から押出し成形装置のダイに挿入し、図6中矢印イの方向へ引き抜こうとすると、造影用チップ54が抜け落ちてしまうという問題があり、また、▲2▼、▲3▼の方法は操作が煩雑で、コスト高になってしまうという問題があった。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、芯線の先端部に造影用チップが製造中及び使用中に抜け落ちないように取り付けられ、しかも取り付けが容易で経済的にも有利であり、かつ、表面に段差がつきにくいガイドワイヤ及びその製造法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のガイドワイヤは、芯線の先端部が次第に細くなるように形成され、この芯線の外周が合成樹脂膜で被覆されてなるガイドワイヤにおいて、前記芯線の先端部の外周を囲むように1 個の造影用チップが装着され、前記芯線の先端が前記造影用チップの内径よりも大きく拡径された拡径部をなし、前記造影用チップは、一端が前記拡径部に当接し、他端が前記芯線の次第に細くなる先端部の途中で当接して止まる内径とされていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明のガイドワイヤの製造法は、芯線の先端部を次第に細くなるように形成し、この芯線の先端部の途中で当接して止まる内径とされた1個の造影用チップを、前記芯線の先端部外周を囲むように装着した後、前記芯線の先端を溶融して前記造影用チップの内径よりも大きくなるように拡径し、その後、前記芯線の基部側から押出し成形装置に挿入して、前記芯線及び前記造影用チップの外周全体を合成樹脂膜で被覆することを特徴とする。
【0012】
【作用】
本発明のガイドワイヤは、先端部に造影用チップを取付けて、先端位置をX線テレビモニターで確認しながら体内に挿入されるようにしたものであるが、造影用チップは芯線の先端部の外周に装着され、芯線の先端が拡径されて抜け止めになっているので、押出し成形により合成樹脂膜を被覆する際、あるいは管状器官内への挿入の際に、造影用チップが抜け落ちることがない。
【0013】
また、芯線の先端部に造影用チップを装着した後、芯線の先端を、例えば、プラズマ、レーザ等で溶融して拡径するだけでよいので、製造が容易であり、したがって経済的にも有利である。
【0014】
【実施例】
図1には、本発明のガイドワイヤの一実施例が示されている。このガイドワイヤ11は、先端部12aがテーパ状に細く形成され、先端部12aの最先端に拡径部12bが形成された金属の芯線12と、この芯線12の先端部12aの外周に取付けられ、拡径部12bにより抜け止めされている筒状の造影用チップ14と、これらの外周に被覆された合成樹脂膜13とから構成されている。
【0015】
芯線12としては、例えばステンレス、形状記憶合金、ピアノ線などの弾性金属材料が好ましく使用される。芯線12は、1本のワイヤーからなるものばかりでなく、複数の細線をより合わせたより線で構成されていてもよい。芯線12の先端部12aは、次第に細くなるようにテーパ状に形成され、その最先端には、芯線を溶融して形成した丸い拡径部12bが形成されている。この拡径部12bは、先端部12aの外周に取付けられた造影用チップ14の内径よりも大きくなるように形成され、造影用チップ14を抜け止めしている。なお、芯線12の線端部12aの形状は、いわゆるテーパ形状に限らず、次第に細くなるように段状に縮径された形状であってもよい。
【0016】
造影用チップ14としては、X線不透過性の材料、例えば金、白金、タングステン、タンタル、イリジウム、レニウム、これらの合金等の金属材料が好ましく使用されるが、特に金、白金又はその合金が好ましく用いられる。また、その形状は、筒状、環状、コイル状、巻ブッシュ状等、芯線12の先端部12aの外周に取付けることのできる形状であればよい。また、断面C字状をなすように屈曲形成された筒状、環状であってもよい。ただし、造影用チップ14の内径は、芯線12の先端部12aの外周に挿入可能で、かつ先端部12aの所定位置で止まる程度とされている。
【0017】
合成樹脂膜13としては、例えばシリコン樹脂、フッ素樹脂、ポリエチレン樹脂、形状記憶樹脂等の各種樹脂が用いられ、その表面に親水性ポリマーを被覆したものであってもよい。このような親水性ポリマーとしては、例えば特公昭4-14991 号に開示されたような樹脂が挙げられる。
【0018】
次に、本発明のガイドワイヤの製造法について説明する。
まず、図2に示されるように、先端部12aがテーパ状に形成された芯線12の先端部12aに、例えば筒状の造影用チップ14を装着する。
【0019】
次いで、図3に示されるように、先端部12aの最先端を溶融して拡径して拡径部12bを形成する。先端部12aの先端を溶融する方法としては、プラズマやレーザによる処理等が好ましい。なお、拡径部12bの外径は、少なくとも造影用チップ14の内径より大きいことが必要である。
【0020】
その後、図4に示すような押出し成形装置21を用いて、芯線12及び造影用チップ14の外周全体を、合成樹脂膜13で被覆する。この押出し成形装置21は、樹脂材料を投入するホッパ22と、樹脂材料を加熱、混練して圧送するスクリュー部23と、芯線12及び造影用チップ14に樹脂を被覆する押出しダイ24とで構成されている。
【0021】
そして、先端部12aに造影用チップ14を装着した芯線12を、その基部側から押出しダイ24の入口24aに挿入し、出口24bから図4中矢印ロ方向に引き抜いて、芯線12及び造影用チップ14の外周に樹脂を一体成形する。その際、造影用チップ14は、拡径部12bで抜け止めされるので、芯線12から抜け落ちることを防止される。なお、芯線12の先端部12a側から押出しダイ24に挿入しようとすると、先端部12aが柔軟なため挿入できない。こうして、芯線12及び造影用チップ14の外周に合成樹脂膜が被覆された本発明のガイドワイヤを得ることができる。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のガイドワイヤは、体内に挿入する際にその先端位置をX線テレビモニターで確認できるように、先端部にX線不透過性材料からなる造影用チップが取り付けられているが、芯線及び造影用チップの全体が合成樹脂膜で覆われているので、造影用チップ取付け部の表面に段差がつきにくく、管状器官への挿入操作がスムーズになされる。
【0023】
また、芯線の先端に拡径部が設けられて、造影用チップが抜け止めされているので、押出し成形装置により芯線及び造影用チップの外周に合成樹脂膜を被覆するときや、ガイドワイヤを体内に挿入する際に、造影用チップが抜け落ちてしまう危険性がなくなる。
【0024】
更に、造影用チップを抜け止めするための上記拡径部は、芯線の先端をプラズマやレーザにより溶融するだけで形成できるので、製造が容易であり、低コストで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガイドワイヤの一実施例を示す断面図である。
【図2】同ガイドワイヤの製造工程において、芯線の先端部に造影用チップを装着した状態を示す部分拡大斜視図である。
【図3】同ガイドワイヤの製造工程において、芯線の先端を溶融して拡径した状態を示す部分拡大斜視図である。
【図4】同ガイドワイヤの製造工程において、押出し成形装置により芯線及び造影用チップの外周に合成樹脂膜を被覆する方法を示す断面図である。
【図5】従来のガイドワイヤの一例を示す断面図である。
【図6】従来のガイドワイヤの他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
11 ガイドワイヤ
12 芯線
12a 先端部
12b 拡径部
13 合成樹脂膜
14 造影用チップ
21 押出し成形装置
Claims (2)
- 芯線の先端部が次第に細くなるように形成され、この芯線の外周が合成樹脂膜で被覆されてなるガイドワイヤにおいて、前記芯線の先端部の外周を囲むように1 個の造影用チップが装着され、前記芯線の先端が前記造影用チップの内径よりも大きく拡径された拡径部をなし、前記造影用チップは、一端が前記拡径部に当接し、他端が前記芯線の次第に細くなる先端部の途中で当接して止まる内径とされていることを特徴とするガイドワイヤ。
- 芯線の先端部を次第に細くなるように形成し、この芯線の先端部の途中で当接して止まる内径とされた1個の造影用チップを、前記芯線の先端部外周を囲むように装着した後、前記芯線の先端を溶融して前記造影用チップの内径よりも大きくなるように拡径し、その後、前記芯線の基部側から押出し成形装置に挿入して、前記芯線及び前記造影用チップの外周全体を合成樹脂膜で被覆することを特徴とするガイドワイヤの製造法。
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JP09363094A JP3698449B2 (ja) | 1994-04-07 | 1994-04-07 | ガイドワイヤ及びその製造法 |
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JPH07275367A JPH07275367A (ja) | 1995-10-24 |
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JP09363094A Expired - Lifetime JP3698449B2 (ja) | 1994-04-07 | 1994-04-07 | ガイドワイヤ及びその製造法 |
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1994
- 1994-04-07 JP JP09363094A patent/JP3698449B2/ja not_active Expired - Lifetime
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