JP3698035B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラーレーザプリンタなどの画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラーレーザプリンタは、通常、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各色を重ねてカラー画像を形成するものであって、まず、それら各色のトナーによって、感光ドラムに形成された静電潜像をそれぞれ現像した後、現像された各可視像を、順次、中間転写体に1次転写によって重ね合わせ、次いで、重ね合わされたカラー画像を、用紙に一括して2次転写する、いわゆる中間転写方式のものがよく知られている。
【0003】
このような中間転写方式のカラーレーザプリンタでは、通常、各色毎に現像ローラが設けられており、たとえば、反転現像で可視像が形成されるものにあっては、まず、1色目の現像ローラによって、感光ドラムに形成された静電潜像の露光部分が現像され、それが、感光ドラムと対向配置される1次転写ローラの1次転写バイアスによって、中間転写体に1次転写された後、次いで、2色目の現像ローラによって、感光ドラムに形成された静電潜像の露光部分が現像され、それが、同じく1次転写ローラの1次転写バイアスによって、既に1色目の画像が形成されている中間転写体上に1次転写され、3色目および4色目と同様の1次転写が繰り返されることにより、中間転写体上に、カラー画像が形成され、それが、中間転写体と対向配置される2次転写ローラの2次転写バイアスによって、用紙に一括して2次転写され、これによって、用紙にフルカラー画像が形成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような中間転写方式のカラーレーザプリンタでは、2色目以後の1次転写時おいては、1次転写ローラからの転写バイアスによって、感光ドラムと中間転写体との間に放電が生じやすい状態となっているため、たとえば、転写前に放電が生じると、放電により発生したイオンによって、感光ドラム上の転写前のトナーの帯電極性が反転して、転写不良を生じるという不具合がある。
【0005】
そのため、たとえば、1次転写ローラを、感光ドラムに対して中間転写体の移動方向下流側に対向配置して、転写前の放電を防止することが考えられる。しかし、1次転写ローラを、感光ドラムに対して中間転写体の移動方向下流側に配置すると、転写前の放電を防止して、転写不良の低減を図ることはできるが、一方で、転写後の放電によって、中間転写体上に転写されたトナーがチャージアップされ、その帯電量が高くなる。そのため、たとえば、2色目、3色目、4色目と、順次、1次転写される毎に放電が生じると、最初に転写された1色目のトナーの帯電量が放電の回数分だけ高くなり、2次転写時においては、帯電量が高くなり過ぎて、用紙に良好に2次転写できなくなるという不具合を生じる。
【0006】
そこで、2色目以後の1次転写時において、1次転写ローラの転写バイアスと、感光ドラムの表面電位との間の電位差を小さくして、転写前後での放電を防止することが考えられる。しかし、感光ドラムの露光部分に現像されたトナーを、中間転写体に1次転写するためには、1次転写バイアスと露光部分の電位との間に十分な電位差が必要であり、反転現像においては、1次転写バイアスと未露光部分の電位との間の電位差はさらに大きくなるため、未露光部分での放電が生じやすいという不具合を有している。さらに、現像ローラと感光ドラムとの接触により現像するインプレッション現像においては、露光部分と未露光部分との間の電位差を大きく設定する必要があるため、未露光部分での放電を防止することは困難である。
【0007】
一方、これを防止するために、たとえば、1次転写前の感光ドラムの表面を、除電ランプによって露光することも考えられるが、感光ドラムの露光部分に担持されているトナーは、露光部分と未露光部分との間の電位差によって束縛されているので、このような除電ランプによって露光すると、露光部分と未露光部分との間の電位差が小さくなって、1次転写時にトナーが飛散して、良好な転写を行なえないという不具合を生じる。
【0008】
本発明は、上記した不具合を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、中間転写方式によってカラー画像を形成するカラーレーザプリンタにおいて、1次転写時における転写前後の放電を有効に防止することができるとともに、良好な1次転写および2次転写によって、高品質のフルカラー画像を形成することのできる、画像形成装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、感光体と、前記感光体を露光して静電潜像を形成するための露光手段と、前記感光体に形成された静電潜像に現像剤を供給して可視像を形成するための現像手段とを備え、前記現像手段が、各色毎に複数設けられるとともに、前記感光体に形成された各色毎の可視像を順次中間転写体に転写するための1次転写手段と、前記中間転写体に形成された多色画像を記録媒体に転写するための2次転写手段とを備える、画像形成装置において、前記感光体における露光部分に前記現像手段から現像剤を供給して、反転現像によって可視像を形成するように構成されており、前記感光体に形成された少なくとも2色目以後の可視像を前記中間転写体に転写する前に前記感光体を除電露光するための除電露光手段が設けられるとともに、前記現像剤は、その母粒子の帯電極性と逆極性に帯電される成分を含み、前記現像手段を前記感光体に接触させて反転現像するように構成するとともに、2色目以後の可視像を形成する前記現像剤が、マゼンタまたはシアンである場合に、前記感光体における現像後転写前の未露光部分に粘着テープを貼着し、次いで、引き剥がした貼着面とその貼着テープの未貼着面との差から求められる色差の値が、前記現像手段の現像バイアスを現像時の現像バイアスに設定したときに、3〜7であり、かつ、前記現像手段の現像バイアスを前記感光体のアース電位に設定したときには、前記現像手段の現像バイアスを現像時の現像バイアスに設定したときよりも大きい値であり、前記現像剤の一部が、逆極性に帯電した現像剤として前記感光体における露光部分と未露光部分との境界付近の未露光部分に付着することを特徴としている。
【0010】
このような構成によると、少なくとも2色目以後の可視像を中間転写体に転写する前には、除電露光手段によって、感光体が除電露光されるので、1次転写バイアスと、感光ドラム、とりわけ、未露光部分との間の電位差を小さくすることができる。そのため、転写前の放電による現像剤の帯電極性の反転に起因する1次転写不良や、転写後の放電による現像剤の帯電量の増加に起因する2次転写不良を有効に防止することができる。
【0011】
しかも、転写前に感光体が露光されても、現像剤が、感光体における未露光部分に逆極性の現像剤として付着する成分を含んでいるので、この逆極性の現像剤が、現像時のエッジ効果によって、露光部分と未露光部分との境界付近の未露光部分により多く付着して、除電露光手段による境界付近の未露光部分の露光を阻止するように作用するので、この境界付近の未露光部分の電位が下がり切らず、露光部分に付着している現像剤が、この境界付近の下がり切らない電位によって束縛される。そのため、1次転写時においても、可視像を形成する現像剤は飛散することなく、良好な1次転写を達成することができる。
【0012】
なお、このような逆極性の現像剤は、いわゆるかぶりを生ずる原因となるが、この構成においては、中間転写体に形成された多色画像を、2次転写手段によってさらに記録媒体に転写するので、1次転写時と2次転写時との両方において選別されるため、記録媒体に到達することはなく、そのようなかぶりが生じることも低減されている。
【0013】
したがって、1次転写時における転写前後の放電を有効に防止することができるとともに、良好な1次転写および2次転写によって、高品質のフルカラー画像を形成することができる。
また、色差が大きい場合には、感光体における現像後転写前の未露光部分に付着している現像剤が多い、すなわち、逆極性の現像剤が多いことが、また、色差が小さい場合には、感光体における現像後転写前の未露光部分に付着している現像剤が少ない、すなわち、逆極性の現像剤が少ないことが客観的に判断できる。
【0014】
そして、現像手段の現像バイアスを感光体のアース電位に設定して、かぶりを生じさせた場合に、現像時の現像バイアスに設定したときより色差が大きければ、かぶりを生じた現像剤は、未帯電の現像剤ではなく、少なくとも逆極性に帯電する現像剤の存在を確認することができ、また、現像時の現像バイアスにおいて、この色差が3〜7の範囲であれば、良好な1次転写および2次転写を達成することができる。すなわち、この色差がたとえば、2である場合には、逆極性の現像剤が少なく、帯電露光手段による露光部分と未露光部分との境界付近における未露光部分の露光を阻止し得ず、1次転写時において現像剤が飛散してしまい、また、たとえば、8である場合には、逆極性の現像剤が多過ぎて、1次転写時と2次転写時との両方で選別しても、記録媒体にかぶりを生じる。
【0015】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記感光体、前記露光手段および前記1次転写手段が、各色毎に複数設けられていることを特徴としている。
このような構成によると、各色毎に、現像手段、感光体および露光手段が設けられる、
いわゆるタンデム方式の画像形成装置として構成することができる。そのため、各色毎に現像された可視像を、その色毎に、順次中間転写体に転写することができるので、モノクロ画像を形成する速度とほぼ同じ速度で多色画像を形成することができる。一方、このようなタンデム方式の画像形成装置では、各色毎に感光体および1次転写手段が設けらているので、通常、各色毎の感光体および1次転写手段の間隔が短く、そのため、1次転写後の放電によりチャージアップした現像剤をディスチャージするためのスペースを設けることができないが、本発明の画像形成装置では、転写前後における放電が良好に防止されるので、そのようなスペースを設けずとも、タンデム方式の画像形成装置の小型化を図りつつ、高品質の画像を形成することができる。
【0016】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記中間転写体に転写される1色目の可視像は、イエローの現像剤によって形成されることを特徴としている。
このような構成によると、1色目の可視像がイエローの現像剤によって形成される。この場合、放電が生じやすい、少なくとも2色目以後の可視像を形成する現像剤(マゼンタ、シアンおよびブラックの現像剤)に母粒子の帯電極性と逆極性に帯電される成分を含ませればよく、イエローの現像剤には、そのような成分を含ませることを省略することができる。
【0017】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の発明において、前記現像剤は、重合によって得られた重合トナーであることを特徴としている。
このような構成によると、現像剤として重合トナーが用いられる場合においても、転写前の放電による現像剤の帯電極性の反転に起因する1次転写不良や、転写後の放電による現像剤の帯電量の増加に起因する2次転写不良を有効に防止することができる。しかも、転写前に除電露光手段によって感光体が露光されても、逆極性の現像剤が、露光部分と未露光部分との境界付近における未露光部分の露光を阻止して、露光部分に付着している現像剤がこの境界付近の下がり切らない電位によって束縛されるので、1次転写時においても、可視像を形成する現像剤が飛散することはなく、良好な1次転写を達成することができる。したがって、1次転写時における転写前後の放電を有効に防止することができるとともに、良好な1次転写および2次転写によって、高品質のフルカラー画像を形成することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の画像形成装置としてのカラーレーザプリンタの一実施形態を示す要部側断面図である。図1において、カラーレーザプリンタ1は、本体ケーシング2内に、記録媒体としての用紙3を給紙するためのフィーダユニット4、給紙された用紙3に所定の画像を形成するための画像形成ユニット5などを備えている。
【0019】
フィーダユニット4は、本体ケーシング2内の底部に、着脱可能に装着される給紙トレイ6と、その給紙トレイ6の一端部上方に配置される給紙ローラ7と、用紙3の搬送方向において、給紙ローラ7の下流側に配置されるレジストローラ9とを備えている。給紙トレイ6内には、給紙ローラ7に対向する端部が上下方向に揺動可能な用紙押圧板10が設けられており、その用紙押圧板10上に、用紙3が積層状にスタックされている。用紙押圧板10は、図示しないばねによって裏面から付勢されており、用紙押圧板10上の最上位にある用紙3は、そのばねによって給紙ローラ7に向かって押圧され、その給紙ローラ7の回転によって1枚毎に給紙される。給紙ローラ7によって給紙された用紙3は、レジストローラ9に送られ、このレジストローラ9によって、所定のレジスト後に、画像形成ユニット5に送られる。
【0020】
画像形成ユニット5は、プロセスユニット11、スコロトロン型帯電器12、露光手段としてのLEDアレイ13、除電露光手段としての除電ランプ8、中間転写体としての中間転写ベルト14、1次転写手段としての1次転写ローラ15、2次転写手段としての2次転写ローラ16、および、定着ユニット17などを備えている。
【0021】
プロセスユニット11は、本体ケーシング2に着脱自在に装着される、イエロー現像プロセスユニット11Y、マゼンタ現像プロセスユニット11M、シアン現像プロセスユニット11Cおよびブラック現像プロセスユニット11Kの4つのプロセスユニット11からなり、それら各プロセスユニット11が、それぞれ所定の間隔を隔てて上下方向に並列状に設けられている。そして、各プロセスユニット11は、現像ユニット18および感光体としての感光ドラム19を備えている。
【0022】
各現像ユニット18は、トナーボックス20、供給ローラ21、現像手段としての現像ローラ22、層厚規制ブレード23などを備えている。
トナーボックス20内には、各現像ユニット18毎に、現像剤として、イエロー現像プロセスユニット11Yにはイエロー、マゼンタ現像プロセスユニット11Mにはマゼンタ、シアン現像プロセスユニット11Cにはシアンおよびブラック現像プロセスユニット11Kにはブラックの色を有する正帯電性の非磁性1成分のトナーがそれぞれ充填されている。
【0023】
このトナーは、重合性単量体、たとえば、スチレンなどのスチレン系単量体や、アクリル酸、アルキル(C1〜C4)アクリレート、アルキル(C1〜C4)メタアクリレートなどのアクリル系単量体を、懸濁重合などの公知の重合方法によって共重合させることにより得られる重合トナーが使用されている。このようなトナーは、球状をなし、流動性が極めて良好であって、上記した各色の着色剤やワックスなどが配合されるとともに、流動性を向上させるために、シリカなどの外添剤が添加されている。その粒子径は、約6〜10μm程度である。
【0024】
そして、このカラーレーザプリンタ1では、使用するトナーの各色毎に、外添剤成分として、重合トナーの母粒子に対して帯電極性が反対極性の逆極性外添剤が適量添加されている。この逆極性外添剤は、後述するように、感光ドラム19の現像において、重合トナーの少なくとも一部を、感光ドラム19における未露光部分に、逆極性の重合トナーとして付着させるために添加されるものであって、マゼンタおよびシアンのトナーにあっては、その添加量が、適宜、後述する色差において、現像ローラ22の現像バイアスを、現像時の現像バイアスに設定したときに、3〜7となり、かつ、感光ドラム19のアース電位に設定したときには、現像時の現像バイアスに設定したときより大きい値となるように調整されている。
【0025】
そして、トナーボックス20内のトナーは、アジテータ24の撹拌によって、トナーボックス20の側方に開口されたトナー供給口から供給ローラ21に向けて放出される。
トナー供給口の側方には、供給ローラ21が回転可能に配設されており、また、この供給ローラ21に対向して、現像ローラ22が回転可能に配設されている。そして、これら供給ローラ21と現像ローラ22とは、供給ローラ21がある程度圧縮するような状態で互いに当接されている。
【0026】
供給ローラ21は、金属製のローラ軸に、導電性の発泡材料からなるローラが被覆されている。また、現像ローラ22は、金属製のローラ軸に、導電性のゴム材料からなるローラが被覆されている。より具体的には、現像ローラ22のローラ部分は、カーボン微粒子などを含む導電性のウレタンゴムまたはシリコーンゴムからなるローラ本体の表面に、フッ素が含有されているウレタンゴムまたはシリコーンゴムのコート層が被覆されている。
また、このカラーレーザプリンタ1では、現像時における現像ローラ22の現像バイアスが、450Vとして設定されている。
【0027】
また、現像ローラ22の近傍には、層厚規制ブレード23が配設されている。この層厚規制ブレード23は、金属の板ばね材からなるブレード本体の先端部に、絶縁性のシリコーンゴムからなる断面半円形状の押圧部を備えており、ブレード本体の一端部が、現像ローラ22の近くにおいて現像ユニット18に支持されるとともに、押圧部がブレード本体の弾性力によって現像ローラ22上に圧接されるように構成されている。
【0028】
そして、トナー供給口から放出されるトナーは、供給ローラ21の回転により、現像ローラ22に供給され、この時、供給ローラ21と現像ローラ22との間で、そのほとんどが正に摩擦帯電され、さらに、現像ローラ22上に供給されたトナーは、現像ローラ22の回転に伴って、層厚規制ブレード23の押圧部と現像ローラ22との間に進入し、ここでさらに十分に摩擦帯電されて、一定厚さの薄層として現像ローラ22上に担持される。
【0029】
感光ドラム19は、現像ローラ22の側方において、その現像ローラ22に接触状に対向するような状態で回転可能に配設されている。この感光ドラム19は、ドラム本体が接地されるとともに、その表面部分がポリカーボネートなどから構成される正帯電性の感光層により形成されている。なお、このカラーレーザプリンタ1では、感光ドラム19の電位が、接地によって0Vに設定されている。
【0030】
スコロトロン型帯電器12は、本体ケーシング2側において、各感光ドラム19の側方に、各感光ドラム19に接触しないように、所定の間隔を隔ててそれぞれ配設されている。このスコロトロン型帯電器12は、タングステンなどの帯電用ワイヤからコロナ放電を発生させる正帯電用のスコロトロン型の帯電器であり、感光ドラム19の表面を一様に正極性に帯電させるように構成されている。なお、このカラーレーザプリンタ1では、スコロトロン型帯電器12からの帯電によって、感光ドラム19の帯電電位が、800Vとなるように設定されている。
【0031】
LEDアレイ13は、本体ケーシング2側において、各感光ドラム19の側方であって、各感光ドラム19の回転方向において、各スコロトロン型帯電器12と、各現像ローラ22との間にそれぞれ設けられている。このLEDアレイ13は、多数のLEDが配列されることにより構成されており、所定の画像データに基づくLEDの発光により、感光ドラム19の表面を露光照射するようにしている。なお、各LEDアレイ13は、各プロセスユニット11の着脱に影響されないように、本体ケーシング2側において、位置固定されている。
【0032】
除電ランプ8は、本体ケーシング2側において、各感光ドラム19の回転方向において、各現像ローラ22の下流側にそれぞれ設けられている。この除電ランプ8は、ELランプなどからなり、次に述べるように、現像ローラ22によって現像され、可視像が形成されている感光ドラム19の表面に光を照射して、転写時における感光ドラム19の表面電位と1次転写ローラ15から印加される転写バイアスとの間の電位差を小さくするために設けられている。
【0033】
そして、各色毎のトナーは、次のように露光および現像される。すなわち、まず、感光ドラム19の回転によって、その感光ドラム19の表面が、スコロトロン型帯電器12により一様に正帯電された後、LEDアレイ13からの発光により露光され、これによって、所定の画像データに基づく露光部分と未露光部分とからなる静電潜像が形成される。なお、このカラーレーザプリンタ1では、LEDアレイ13からの発光によって、感光ドラム19における露光部分の帯電電位が、200Vとなるように設定されている。
【0034】
次いで、現像ローラ22の回転により、現像ローラ22上に担持されかつ正帯電されているトナーが、感光ドラム19に対向して接触する時に、感光ドラム19の表面上に形成されている静電潜像、すなわち、一様に正帯電されている感光ドラム19の表面のうち、LEDアレイ13によって露光され電位が下がっている露光部分に供給され、選択的に付着されることによって可視像化され、これによって、いわゆるインプレッション現像で、反転現像が達成される。
【0035】
一方、この現像時には、図2(a)に示すように、感光ドラム19の露光部分と未露光部分との境界において帯電電位が大きく変動するいわゆるエッジ効果を生じるので、上記したように、トナーの成分として、逆極性外添剤が添加されていると、その逆極性外添剤に起因する逆極性のトナーが、そのエッジ効果によって、感光ドラム19における露光部分と未露光部分との境界付近の未露光部分に集中して付着する。
【0036】
その後、除電ランプ8によって、可視像が形成されている感光ドラム19の表面に光が照射される。このような除電ランプ8による露光によって、感光ドラム19の表面電位、とりわけ、帯電電位の高い未露光部分の電位を下げることができるので、次に述べる転写時において、感光ドラム19の表面電位、とりわけ、帯電電位の高い未露光部分の電位と、1次転写ローラ15から印加される転写バイアスと間の電位差を小さくすることができ、1次転写時における転写前後の放電を有効に防止することができる。なお、このレーザプリンタ1では、除電ランプ8の露光によって、感光ドラム19の表面電位を約200Vまで下げることができるように設定されている。
【0037】
一方、感光ドラム19の露光部分に担持されているトナーは、露光部分と未露光部分との間の電位差によって束縛されているので、除電ランプ8の露光によって感光ドラム19の表面電位を下げると、図2(b)に示すように、露光部分と未露光部分との間の電位差が小さくまたはなくなって、飛散してしまうおそれがある。しかし、このカラーレーザプリンタ1においては、上記したように、感光ドラム19における露光部分と未露光部分との境界付近の未露光部分に、逆極性外添剤に起因する逆極性のトナーが付着しているので、その逆極性のトナーが、除電ランプ8から境界付近の未露光部分に照射される光の侵入を阻止するように作用する。そのため、この境界付近の未露光部分の電位が下がり切らず、露光部分に付着しているトナーは、この境界付近の下がり切らない電位によって束縛されるようになるので、そのような飛散は、有効に防止される。
【0038】
1次転写ローラ15は、各感光ドラム19の回転方向において、各現像ローラ22および各除電ランプ8の下流側であって、後述するエンドレスベルト27を挟んで、各感光ドラム19と対向するようにそれぞれ配設されている。この1次転写ローラ15は、金属製のローラ軸に、導電性のゴム材料からなるローラが被覆されており、所定の転写バイアスが印加されている。そして、各感光ドラム19上に担持された可視像は、エンドレスベルト27が各感光ドラム19と各1次転写ローラ15との間を通る間にエンドレスベルト27上に1次転写される。
【0039】
中間転写ベルト14は、本体ケーシング2内において、各感光ドラム19と対向するように上下方向に配置されており、上側に設けられる第1ローラ25と、下側に設けられる第2ローラ26と、これら第1ローラ25および第2ローラ26の外周に巻回されるエンドレスベルト27とによって構成されており、転写される面を矢印方向に上から下に移動可能とされている。
【0040】
そして、第1ローラ25および第2ローラ26の回転により、エンドレスベルト27を各感光ドラム19と順次対向させることによって、各感光ドラム19上に形成された各色毎の可視像を、順次エンドレスベルト27上に重ねていくことによってカラー画像が形成される。すなわち、たとえば、イエロー現像プロセスユニット11Yの現像ユニット18に充填されるイエローのトナーによって感光ドラム19上に形成されたイエローの可視像が、エンドレスベルト27上に転写されると、次いで、マゼンタ現像プロセスユニット11Mの現像ユニット18に充填されるマゼンタのトナーによって感光ドラム19上に形成されたマゼンタの可視像が、既にイエローのトナー画像が転写されているエンドレスベルト27上に重ねて転写され、同様の操作によって、シアン現像プロセスユニット11Cによって形成されるシアンの可視像、ブラック現像プロセスユニット11Kによって形成されるブラックの可視像が重ねて転写されて、これによって、エンドレスベルト27上にカラー画像が形成される。
【0041】
2次転写ローラ16は、中間転写ベルト14の第2ローラ26と用紙3を挟んで対向する位置に回転可能に配設されている。この2次転写ローラ16は、金属製のローラ軸に、導電性のゴム材料からなるローラが被覆されており、所定の転写バイアスが印加されている。そして、エンドレスベルト27上に形成されたカラー画像は、用紙3がエンドレスベルト27と2次転写ローラ16との間を通る間に用紙3に一括転写される。
【0042】
定着ユニット17は、2次転写ローラ16に対して、用紙3の搬送方向下流側に配置されており、用紙3の画像形成面側を加熱する第1の加熱ローラ28と、用紙3の非画像形成面側を加熱する第2の加熱ローラ29、および、これら第1の加熱ローラ28および第2の加熱ローラ29に対して用紙3の搬送方向下流側に設けられる1対の搬送ローラ30および31をそれぞれ備えている。第1の加熱ローラ28および第2の加熱ローラ29は、金属に弾性層を設けた構成とされており、加熱のためのハロゲンランプを備えており、2次転写ローラ16によって用紙3上に転写されたカラー画像を、用紙3が第1の加熱ローラ28と第2の加熱ローラ29との間を通過する間に熱定着させ、その後、その用紙3を搬送ローラ30および31によって、排紙ローラ32に搬送するようにしている。排紙ローラ32に搬送された用紙3は、その排紙ローラ32によって排紙トレイ33上に排紙される。
【0043】
なお、このカラーレーザプリンタ1には、カラー画像が用紙3に一括転写された後に、エンドレスベルト27上に残存するトナーを回収するためのベルトクリーナ40が設けられている。このベルトクリーナ40は、中間転写ベルト14の側方であって、第2ローラ26から第1ローラ25に至る間に配置されるクリーナケーシング41内に、クリーナブラシ42、回収ローラ43、回収ボックス44および掻取ブレード45を備えている。
【0044】
クリーナブラシ42は、円筒状の本体にブラシが放射状に形成されており、エンドレスベルト27にブラシが接触状に対向するような状態において、回転可能に配設されている。円筒状の本体には、エンドレスベルト27との間に所定の電位差が与えられるようなバイアスが印加されている。
回収ローラ43は、金属製のローラからなり、クリーナブラシ42の下方において、このクリーナブラシ42のブラシに接触状に対向するような状態において、回転可能に配設されている。また、この回収ローラ43は、クリーナブラシ42との間に所定の電位差が与えられるようなバイアスが印加されている。
【0045】
回収ボックス44は、回収ローラ43の下方において、その回収ローラ43に対向する部分が開口されており、その開口部分の近傍に、回収ローラ43上に圧接される掻取ブレード45が設けられている。
そして、用紙3にカラー画像が一括転写された後に、エンドレスベルト27上に残存するトナーは、クリーナブラシ42と対向した時に、クリーナブラシ42によって掻き取られながらそのクリーナブラシ42に印加されるバイアスによってブラシに付着される。その後、クリーナブラシ42に付着された残存トナーは、回収ローラ43と対向した時に、回収ローラ43に印加されるバイアスによって回収ローラ43に付着され、次いで、掻取ブレード45によって掻き取られて回収ボックス44に回収される。
【0046】
また、このカラーレーザプリンタ1には、転写後において各感光ドラム19に残存するトナーを回収するためのクリーニングローラ46が、各感光ドラム19に対してそれぞれ設けられている。このクリーニングローラ46は、感光ドラム19の回転方向における1次転写ローラ15とスコロトロン型帯電器12との間において、感光ドラム19と対向配置されている。クリーニングローラ46には、感光ドラム19との間に所定の電位差が与えられるようなバイアスが印加されており、転写後に残存するトナーは、このクリーニングローラ46によって回収される。
【0047】
そして、このようなカラーレーザプリンタ1では、上記したように、1次転写時においては、除電ランプ8による転写前の露光によって、感光ドラム19の表面電位と転写バイアスと間の電位差が小さくなるように構成されているので、1次転写時における転写前後の放電が有効に防止されている。そのため、たとえば、転写前の放電により、トナーの帯電極性が反転して1次転写不良が生じることを有効に防止することができる。また、転写後の放電によって、トナーの帯電量が高くなりすぎて2次転写不良が生じること、すなわち、エンドレスベルト27上に転写されたトナーが、その後に生じる転写後の放電毎にチャージアップされて、その帯電量が高くなり過ぎることによって2次転写できなくなってしまうこと、より具体的には、たとえば、最初に転写されたイエローのトナーの帯電量が、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナーが転写される時毎の放電によって、どんどんと増加して、2次転写できなくなってしまうこと、を有効に防止することができる。
【0048】
しかも、転写前に除電ランプ8によって感光ドラム19を露光しても、上記したように、逆極性のトナーが、感光ドラム19における露光部分と未露光部分との境界付近の未露光部分に照射される光の侵入を阻止して、露光部分に付着しているトナーの飛散を有効に防止しているので、良好な1次転写を達成することができる。
【0049】
また、このような逆極性のトナーは、2次転写時において、用紙3にかぶりを生ずる原因となるが、この構成においては、エンドレスベルト27に形成されたカラー画像を、2次転写ローラ16によってさらに用紙3に転写するので、この2次転写時において選別されるため、用紙3に到達することはなく、そのようなかぶりが生じることも有効に低減されている。
【0050】
したがって、このカラーレーザプリンタ1では、1次転写時における転写前後の放電を有効に防止することができるとともに、良好な1次転写および2次転写によって、高品質のフルカラー画像を形成することができる。
なお、このようなレーザプリンタ1では、使用するトナーの各色毎に、逆極性外添剤を添加して、感光ドラム19における未露光部分に、逆極性トナーとして付着させるとともに、各感光ドラム19を、各除電ランプ8によって、1次転写前に露光するようにしたが、このような構成は、放電が生じやすい、少なくとも2色目以後に転写されるマゼンタ、シアンおよびブラックのトナーの1次転写、とりわけ、マゼンタおよびシアンのトナーの1次転写について適用すればよく、最初に転写されるイエローのトナーには、逆極性外添剤を添加せずともよく、また、そのイエローのトナーの可視像が形成される感光ドラム19を、除電ランプ8によって露光せずともよい。
【0051】
そして、とりわけ、マゼンタまたはシアンのトナーについては、その逆極性外添剤の添加量が適宜調整されて、次の測定方法によって求められる色差において、現像ローラ22の現像バイアスを、現像時の現像バイアスに設定したときに、3〜7となり、かつ、感光ドラム19のアース電位に設定したときには、現像時の現像バイアスに設定したときより大きい値となるように調整されている。
【0052】
すなわち、色差は、次の方法によって測定することができる。つまり、まず、カラーレーザプリンタ1を画像形成動作中に停止させて、感光ドラム19の回転方向において、現像ローラ22の下流側であってエンドレスベルト27の上流側において、感光ドラム19の未露光部分に、貼着テープとしてメンディングテープを貼着し、未露光部分に付着するトナーを採取し、次いで引き剥がす。次に、そのメンディングテープの貼着面を基準となる白紙にそのまま貼着する。そして、ブランクとして、未使用のメンディングテープを白紙に貼着し、これら両方の色差を、L*a*b*等色差空間で測定する。このような色差の測定方法において、メンディングテープとしては、白紙に貼着した時に透明なものが好ましく、たとえば、Scotch810(3M社製)が好ましい。また、色差測定装置としては、たとえば、Spectrodensitometer938(X−Rite社製)が好ましく用いられる。
【0053】
このような色差の測定方法によると、色差が大きい場合には、感光ドラム19における現像後転写前の未露光部分に付着しているトナーが多い、すなわち、逆極性トナーが多いことが、また、色差が小さい場合には、感光ドラム19における現像後転写前の未露光部分に付着しているトナーが少ない、すなわち、逆極性トナーが少ないことが客観的に判断できる。
【0054】
そして、現像ローラ22の現像バイアスを感光ドラム19のアース電位に設定して、かぶりを生じさせた場合に、現像時の現像バイアスに設定したときよりも、色差の値が大きければ、未帯電のトナーではなく、少なくとも逆極性に帯電するトナーの存在を確認することができ、また、現像時の現像バイアスにおいて、この色差が3〜7の範囲であれば、良好な1次転写および2次転写を達成することができる。すなわち、この色差が、たとえば、2である場合には、逆極性トナーが少なく、除電ランプ8による露光部分と未露光部分との境界付近における未露光部分の露光を阻止し得ず、1次転写時においてトナーが飛散してしまい、また、たとえば、8である場合には、逆極性トナーが多過ぎて、1次転写時と2次転写時との両方で選別しても、用紙3にかぶりを生じる。
【0055】
また、このカラーレーザプリンタ1は、各色毎に、現像ローラ22、感光ドラム19、スコロトロン型帯電器12、LEDアレイ13および1次転写ローラ15が設けられる、いわゆるタンデム方式のカラーレーザプリンタ1として構成されており、各色毎に現像された可視像を、その色毎に、順次エンドレスベルト27に転写することができるので、モノクロ画像を形成する速度とほぼ同じ速度でカラー画像を形成することができる。一方、このようなタンデム方式のカラーレーザプリンタ1では、各色毎に感光ドラム19および1次転写ローラ15が設けらているので、各色毎の感光ドラム19および1次転写ローラ15の間隔が短く、そのため、1次転写後の放電によりチャージアップしたトナーをディスチャージするためのスペースを設けることができないが、この実施形態のカラーレーザプリンタ1では、転写前後における放電が良好に防止されるので、そのようなスペースを設けずとも、タンデム方式のカラーレーザプリンタ1の小型化を図りつつ、高品質の画像を形成することができる。
【0056】
また、以上に述べたカラーレーザプリンタ1では、使用するトナーの各色毎に、逆極性外添剤を添加して、各感光ドラム19における未露光部分に、逆極性トナーとして付着させるとともに、各感光ドラム19を、各除電ランプ8によって、1次転写前に露光するようにしたが、使用するトナーには、逆極性外添剤を添加せずに、除電ランプ8を、感光ドラム19がエンドレスベルト27と接触した直後からその感光ドラム19の表面に光を照射することができるように配置してもよい。
【0057】
図3は、上記したカラーレーザプリンタ1の要部であって、そのような実施形態の1つが示されている。なお、図3に示す要部は、図1に示すカラーレーザプリンタ1の各色毎に設けられるものであって、上記と同様の部材には、同様の符号が付されている。すなわち、図3においては、除電ランプ8が、1次転写後の感光ドラム19および中間転写体たるエンドレスベルト27によって形成される略楔形状の空間に配置されており、感光ドラム19とエンドレスベルト27との接触部分に向けて光を照射し得るように構成されている。
【0058】
除電ランプ8をこのように配置すると、除電ランプ8から照射される光が、感光ドラム19およびエンドレスベルト27によって形成される略楔形状の空間から感光ドラム19とエンドレスベルト27との接触部分に向けて確実に照射される。そのため、転写前に感光ドラム19上に担持されているトナーが、転写前に露光されることによって飛散することがなく、良好な1次転写を確保することができる。また、感光ドラム19は、エンドレスベルト27と接触した直後から確実に除電されるので、転写後に放電が生じることも有効に防止される。そのため、上記と同様に、エンドレスベルト27上に転写されたトナーの帯電量が転写後の放電によって高くなることもなく、帯電量が高くなり過ぎることによる2次転写不良を有効に防止することができる。したがって、このような除電ランプ8の照射によっても、転写前後の放電を有効に防止して、高品質のカラー画像を形成することができる。
【0059】
また、このような構成においては、エンドレスベルト27における感光ドラム19と対向する面が、除電ランプ8から照射される光を反射し得るような光沢を有していることが好ましい。エンドレスベルト27がそのような光沢を有していると、除電ランプ8から照射される光が、エンドレスベルト27で反射されるので、より多くの光を、感光ドラム19とエンドレスベルト27との接触部分に到達させることができる。そのため、転写後の放電を、より確実に防止して、高品質のカラー画像を形成することができる。なお、そのような光沢を有するエンドレスベルト27は、たとえば、ポリカーボネートやポリイミドなどにカーボンを分散させた材料を用い、成形によって、表面を滑らかに形成することによって得ることができる。
【0060】
また、除電ランプ8を、感光ドラム19がエンドレスベルト27と接触した直後からその感光ドラム19の表面に光を照射することができるように配置する態様としては、さらに図4に示す実施形態のものであってもよい。
図4は、上記したカラーレーザプリンタ1の要部であって、図4に示す要部は、図1に示すカラーレーザプリンタ1の各色毎に設けられるものであって、上記と同様の部材には、同様の符号が付されている。すなわち、図4においては、除電ランプ8が、エンドレスベルト27を挟んで、感光ドラム19の反対側に対向配置され、感光ドラム19とエンドレスベルト27との接触部分に向けて光を照射し得るように構成されるとともに、エンドレスベルト27が透明性材料によって構成されている。なお、エンドレスベルト27を構成する透明性材料としては、たとえば、上記したポリカーボネートやポリイミドなどが用いられる。ただし、導電性を付与するためのカーボンを添加し過ぎると、透明性が損なわれるため、カーボンファイバーにして添加量を減らしたり、金属粉や酸化スズなどのカーボン以外の導電性微粒子を利用することによって、適度な透明性を持たせるようにする。
除電ランプ8をこのように配置すると、除電ランプ8から照射される光が、透明性材料によって構成されるエンドレスベルト27を介して、感光ドラム19とエンドレスベルト27との接触部分から直後の感光ドラム19に、確実かつ安定して照射することができる。そのため、転写後の放電を、より確実に防止して、高品質のカラー画像を形成することができる。また、このような構成によると、除電ランプ8は、エンドレスベルト27の内側に配置されるようになるので、省スペース化を図ることができる。なお、この場合において、図4に示すように、1次転写ローラ15を、エンドレスベルト27の移動方向において、感光ドラム19とエンドレスベルト27との接触部分から下流側に配置すれば、除電ランプ8による感光ドラム19の露光を阻害することはない。
【0061】
また、図4に示す実施形態では、除電ランプ8から照射される光を遮光するための遮光部材34が、エンドレスベルト27の移動方向において、感光ドラム19とエンドレスベルト27との接触部分から直前に配設されている。すなわち、この遮光部材34は、たとえば、スポンジ部材などからなり、エンドレスベルト27に対して、除電ランプ8と同じ側にであって、その除電ランプ8の直ぐ上流側に、エンドレスベルト27の移動方向と直交する方向に延びるような状態で配置され、その除電ランプ8から発光される光が、感光ドラム19の回転方向における感光ドラム19とエンドレスベルト27との接触部分よりも上流側に照射されることを阻止するように設けられている。このような遮光部材34を設けることにより、除電ランプ8から照射される光が、感光ドラム19の回転方向における感光ドラム19とエンドレスベルト27との接触部分よりも上流側に照射されることが阻止される。そのため、転写前に感光ドラム19上に担持されているトナーが、転写前に露光されることによって飛散することを有効に防止することができ、より一層良好な1次転写を確保することができる。なお、このような遮光部材34は、上記した図3に示す実施形態のものに適用してもよい。
【0062】
また、以上に説明した図3および図4に示す実施形態においては、除電ランプ8が、感光ドラム19の外側に設けられているので、簡易な構成によって、このような構成が実現されている。
また、以上に説明した図3および図4に示す実施形態において、除電ランプ8は、上記と同様に、少なくとも2色目以後に転写されるマゼンタ、シアンおよびブラックのトナーの1次転写、とりわけ、マゼンタおよびシアンのトナーの1次転写について適用すればよく、最初に転写されるイエローの1次転写には、設けなくてもよい。
【0063】
なお、以上に述べたカラーレーザプリンタ1では、中間転写ベルト14を設けて、各感光ドラム19に色毎に担持される可視像を、一旦、エンドレスベルト27上に1次転写して、カラー画像を形成した後、2次転写ローラ16によってエンドレスベルト27上から用紙3にそのカラー画像を一括して2次転写するように構成しているが、その目的および用途などによっては、たとえば、各色毎の現像ローラ22から供給されるトナーを1つの感光ドラム19によって現像し、それをエンドレスベルト27に転写する動作を、各色毎に順次繰り返すことにより、エンドレスベルト27上に、カラー画像を形成し、それを用紙3に一括して2次転写するような構成としてもよい。
【0064】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1に記載の発明によれば、転写前の放電による現像剤の帯電極性の反転に起因する1次転写不良や、転写後の放電による現像剤の帯電量の増加に起因する2次転写不良を有効に防止することができる。しかも、転写前に除電露光手段によって感光体が露光されても、逆極性の現像剤が、露光部分と未露光部分との境界付近における未露光部分の露光を阻止して、露光部分に付着している現像剤がこの境界付近の下がり切らない電位によって束縛されるので、1次転写時においても、可視像を形成する現像剤が飛散することはなく、良好な1次転写を達成することができる。したがって、1次転写時における転写前後の放電を有効に防止することができるとともに、良好な1次転写および2次転写によって、高品質のフルカラー画像を形成することができる。
【0065】
また、逆極性の現像剤によって、帯電露光手段による露光部分と未露光部分との境界付近における未露光部分の露光を阻止して、現像剤の飛散を有効に防止でき、かつ、2次転写時におけるかぶりの発生を有効に防止することができる。そのため、良好な1次転写および2次転写を達成することができ、高品質の画像を形成することができる。
【0066】
請求項2に記載の発明によれば、モノクロ画像を形成する速度とほぼ同じ速度で多色画像を形成することができ、タンデム方式の画像形成装置の小型化を図りつつ、高品質の画像を形成することができる。
請求項3に記載の発明のように、1色目の可視像がイエローの現像剤によって形成される場合、放電が生じやすい、少なくとも2色目以後の可視像を形成する現像剤(マゼンタ、シアンおよびブラックの現像剤)に母粒子の帯電極性と逆極性に帯電される成分を含ませればよく、イエローの現像剤には、そのような成分を含ませることを省略することができる。
【0067】
請求項4に記載の発明によれば、現像剤として重合トナーが用いられる場合においても、1次転写時における転写前後の放電を有効に防止することができるとともに、良好な1次転写および2次転写によって、高品質のフルカラー画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像形成装置としてのカラーレーザプリンタの一実施形態を示す要部側断面図である。
【図2】 感光ドラムの表面電位を概略的に示す図であって、(a)は現像後除電前、(b)は除電後の状態を示す。
【図3】 図1に示すカラーレーザプリンタにおいて、除電ランプを、感光ドラムおよび1次転写ローラによって形成される略楔形状の空間に配置した状態を示す要部拡大図である。
【図4】 図1に示すカラーレーザプリンタにおいて、除電ランプを、エンドレスベルトを挟んで、感光ドラムの反対側に対向配置した状態を示す要部拡大図である。
【符号の説明】
1 カラーレーザプリンタ
3 用紙
8 除電ランプ
13 LEDアレイ
14 中間転写ベルト
15 1次転写ローラ
16 2次転写ローラ
19 感光ドラム
22 現像ローラ
34 遮光部材
Claims (4)
- 感光体と、前記感光体を露光して静電潜像を形成するための露光手段と、前記感光体に形成された静電潜像に現像剤を供給して可視像を形成するための現像手段とを備え、
前記現像手段が、各色毎に複数設けられるとともに、前記感光体に形成された各色毎の可視像を順次中間転写体に転写するための1次転写手段と、前記中間転写体に形成された多色画像を記録媒体に転写するための2次転写手段とを備える、画像形成装置において、
前記感光体における露光部分に前記現像手段から現像剤を供給して、反転現像によって可視像を形成するように構成されており、
前記感光体に形成された少なくとも2色目以後の可視像を前記中間転写体に転写する前に前記感光体を除電露光するための除電露光手段が設けられるとともに、
前記現像剤は、その母粒子の帯電極性と逆極性に帯電される成分を含み、
前記現像手段を前記感光体に接触させて反転現像するように構成するとともに、
2色目以後の可視像を形成する前記現像剤が、マゼンタまたはシアンである場合に、
前記感光体における現像後転写前の未露光部分に粘着テープを貼着し、次いで、引き剥がした貼着面とその貼着テープの未貼着面との差から求められる色差の値が、前記現像手段の現像バイアスを現像時の現像バイアスに設定したときに、3〜7であり、かつ、前記現像手段の現像バイアスを前記感光体のアース電位に設定したときには、前記現像手段の現像バイアスを現像時の現像バイアスに設定したときよりも大きい値であり、
前記現像剤の一部が、逆極性に帯電した現像剤として前記感光体における露光部分と未露光部分との境界付近の未露光部分に付着することを特徴とする、画像形成装置。 - 前記感光体、前記露光手段および前記1次転写手段が、各色毎に複数設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記中間転写体に転写される1色目の可視像は、イエローの現像剤によって形成されることを特徴とする、請求項1または2に記載の画像形成装置。
- 前記現像剤は、重合によって得られた重合トナーであることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置。
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