JP3697625B2 - 昇降作業台 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、天板が昇降する作業台に関する。
【0002】
【従来の技術】
作業者が製品を組み立てたり、梱包したり、あるいは物品を分解したり、計測したり、様々な作業をする上で、一つは作業者の身長の凸凹により、他方は高さ、角度、視角等の作業性に対処するのに、作業台を上下することは有効な方法である。すなわち疲労を軽減し、作業時間を短縮する等の効果は明白であり、作業精度の向上が認められる。
【0003】
従来、天板を昇降できるテーブルとして、図1のようなものがある(特開平7−148023号公報参照)。主として会議用、訓練用、食事用として、会社、病院、家庭等での使用に適したものとしている。
このテーブルは、天板1とその左右に設けられた一対の支脚3,3を有し、一対のスクリューシャフト4,4を、それぞれ左右の支脚3,3に沿って配設している。支脚3,3は、水平状の天板取り付け用連結部材2にて上部を連結し、この支脚3,3に配設したスクリュウシャフト4,4の回転により支脚3,3は伸縮する。さらに連結部材2内に、張り車24と所定方向へ回転駆動される歯付き車25とを設け、前記左右のスクリューシャフト4,4の上部にそれぞれ固着された歯付き回転子21,21と、歯付き車25に、一本の可撓性エンドレス状連動部材34を懸架している。
張り車24で、この連動部材34に張力を付加し、同時に歯付き車25とこの連動部材34との噛み合い歯数を増加させるように、この連動部材34を歯付き車25に沿って湾曲した構成としている。
【0004】
スクリューシャフト4,4の回転は、歯付きベルト、チェーン等の連動部材34を介して歯付き車25を駆動回転することによりなされる。
連動部材34にチェーンを用いる場合は、歯付き回転子21及び歯付き車25にスプロケットを用いる。歯の無い張り車24は、歯付きベルト、チェーンの、いずれの連動部材34にも張力を付加し得、前記したように、あわせて歯付き車25と該連動部材34との噛み合い歯数を増加させるように、該連動部材34を該歯付き車25に沿って湾曲させる。その際、歯の無い張り車24は、その作用を逸脱しない範囲で、移動の構成は自由としている。
【0005】
上記いずれの場合でも、このテーブルにおいて、回転駆動できる歯付き車25は一個で、したがって駆動源は一個である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述の構造のテーブルでは天板1上の負荷が小さいため、一対の支脚3,3で良いが、この支脚3,3を上下させるために、歯付き車25により連動部材34を介して歯付き回転子21,21と固着したスクリューシャフト4,4を直接回転しいる。
このような軽負荷であっても、連動部材34をより良く機能させるために、歯付き車25と別に張り車24を設ける必要があり、張り車24が回転体であっても、歯付きベルト34において、背面より湾曲することは好ましくないが、不可欠のものとしている。
又、回転する一対のスクリューシャフト4,4が上下するのは、これに螺合する支持筒体5に固着したナット8による。このナット8は、構成部品の加工精度及び組立て精度の低下や、偏荷重等によって生じるスクリューシャフト4,4と支持筒体5の相対的な傾きを自動的に補正し、歪みの発生を防止するために、外形表面を球形としいるが、それ自体、加工方法、加工精度で経済性に問題がある。
そのうえ、ナット8と保持部材12,14との間に、適切な摺動を与えることは構造上難しく、あわせて、テーブル使用時には調整不能な構造であることも、問題である。
【0007】
前記において、ナット8はピン9によりその回転を規制されるが、その為、ナット8の補正範囲はピン9の軸を含む面に沿って著しく制約される。
反面ピン9の軸回りには簡単に転動するので、テーブルの天板1の揺れを完全に止める事は出来ない。
それだけでなく、前後方向に取り付けられた、安定用の水平載置板7は左右方向に不安定なうえ、上下可動な全負荷が、ナット8の一点での支持としている為、天板1はより安定しにくくなっている。
【0008】
図2は、中荷重の昇降に多用されているリフターの縦断面図である。
台板B1と架台B2は平行運動機構を形成している。中央で交差する同上のリンクB5,及びB6の一端を、それぞれ台板B1と架台B2の一端A,Bに枢着し、他端に設けた車輪B3,B4を台板B1、架台B2に沿って転がす。これにより架台B2を床上に固定するとき、台板B1は架台B2と平行を保ちつつ上下運動を行う。これをシリンダーB7により駆動する。シリンダーB7は流体により伸縮し、架台B2を支えにリンクB6を揺動し、これにより台板B1を上下させる。
このリフターでは、中荷重の昇降テーブルとして、下降に荷重を利用するのと、バルブの開閉が感によるものが多い。その為、下降初めの操作がよく、リンクB5の回転速度が一定に設定できても、条件次第で台板B1の下降速度は急激に増大し、これに作業者が対応しきれず、急降下による台板B1と架台B2での人体の挟み込み事故が発生している。この対策として、周囲に図示しない、蛇腹状の安全カバーを設けるのは、常套手段である。
そのため、この種のリフターは、荷揚げ装置としては比較的経済性に優れているが、作業台としての昇降両面の使用で課題がある。
【0009】
そこで、本発明では、立位による軽中量級の各作業だけでなく、座位による各種軽作業の使用形態に対応する昇降作業台を、製作組立て容易とし、且つ昇降使用の利便性が高く、安全性のあるものとし、あわせて常用負荷に対応した、動力による駆動装置を容易に設置可能とする昇降作業台を提供する。
【0010】
【問題を解決するための手段】
本発明では、回転しない複数の螺旋体からなる支柱を上下させるか、あるいはこの支柱上のフレームを上下させることにより、一定速度で中量負荷まで昇降し、挟み込みが無く安全性の高い、上下駆動が容易な昇降作業台を得たものである。
【0011】
具体的には、請求項1では、螺旋体に螺合する複数のスプロケットをエンドレスチェーンを介して同期的に駆動し、回転できない螺旋体を上下させてこの螺旋体に固着した台板を昇降し、任意に台板面の位置を確保し使用するとともに、緊張用スプロケットの一つを移動操作し、エンドレスチェーンの張りを台板の昇降、使用のそれぞれに対応するようにしている。
したがって、高さの位置に関係なく、一定の速度で上下し、且つ安定した作業面が得られることとなった。
【0012】
又、請求項2では、緊張用スプロケットの一つを回転駆動し、回転できない螺旋体である支柱上を、フレームごと作業面である台板を上下させることにより、軽作業用テーブルから中量級作業台に対応する昇降の操作性が良いものとし、上下速度は台板の始動位置に関係なく一定で、且つ、台板使用の安定性が高い構成としている。
【0013】
請求項3では、上記構成部材の嵌合公差を疎に構成し、製作組立てを容易とした上で、それにより生じるあそびを解消すべく、昇降使用時と、実負荷使用時のそれぞれに対応するようにした上で、緊張用スプロケットの一つを作用させている。
【0014】
【発明の実施の形態】
先ず、請求項1に記載の実施の形態を示す図3〜図5において、箱枠状に構成したフレーム1Aは、上部受板2A、底板3、柱4、フタ16の各構成部分からなり、その内、上部受板2Aは、底板3に立設した柱4に水平に設置している。フタ16は、前記の上部受板2Aとでスプロケット7を挟み込むようにし、上部受板2Aの上側に着脱できるように付設している。ここで、底板3と柱4、柱4と受板2Aの接合は、それぞれ溶接手段、もしくは螺接手段のいずれでも良い。あるいは、フタ16を上部受板2Aに代えて柱4と接合し、上部受板2Aを着脱できるように構成してもよく、組立て加工に都合の好い方を選択する。いずれの場合も、使用上において、上部受板2A、底板3、柱4、フタ16は、箱枠状に一体に構成される。また底板3にはキャスター5を設けて移動自在としている。
螺旋体6は上端を台板8に回転不能に固着されており、台板8の支柱としての機能を持っている。螺旋体6の下部は、底板3に付設したストッパー29により、下への移動を制限している。これにより、台板8と、フレーム1Aのフタ16で形成する隙間Eを安全に確保でき、挟み込みの危険が無いようにしている。さらに、螺旋体6の先端部は、フレーム1Aに付設したカバー30により、挟み込みの無いように保護されている。
螺旋体6に螺合するスプロケット7は、上部受板2Aに付設した、ハウジング9に内装したベアリング10により、回転自在に軸支しており、上部のフタ16により規制されたガイド11により、上方向への移動が無いように構成している。
また、これらの複数個のスプロケット7は、エンドレスチェーン12によって連係している。
【0015】
図4に於いて、四個のスプロケット7がエンドレスチェーン12により連係し、エンドレスチェーン12は、上部受板2Aに付設した緊張スプロケット13により、緩みなく張られている。緊張スプロケット13は、上部受板2Aに固着した枢軸20に揺着した、槓杆21の軸19に枢着している。ここで槓杆21は、一方をスプリング31により、常に引き寄せられており、自動的にエンドレスチェーン12の張りを減少するようにする。
さらに反対側へは、螺子22の、上部受板2Aの外側へ付着したナット23により、槓杆21を適宜引き寄せ、これにより、強制的にエンドレスチェーン12の張りを増加させるようにしている。すなわち、緊張調節装置としている。
この緊張調節装置により、緊張スプロケット13を適宜操作し、台板8の昇降時にはエンドレスチェーン12の張りを緩め、上下駆動を容易にし、又台板8を使用するときはエンドレスチェーン12を強く張って、がたつきや揺れの無い、安定性のある使用状態を得るようにした。
尚、四隅に設けたスプロケット7の一つに、駆動装置を設けたものを、駆動用スプロケット7Aとしている。
【0016】
図5に於いて、駆動用スプロケット7Aに楔着されたウオームギヤ14を、これに噛合する、上部受板2Aの軸受32に軸支したウオーム15により駆動回転し、したがってスプロケット7Aは回転し、エンドレスチェーン12により、他の三個のスプロケット7も、一斉に同期的に回転する。
この際、ウオーム15の一端は、フレーム1Aの外側として手動的にハンドル27により回転させる。このウオーム15の駆動回転によるスプロケット7,7Aの一斉回転により、或いは、正逆回転により、回転を規制された螺旋体6は、上方、あるいは下方に移動する。よって、螺旋体6に固着した台板8は上下に昇降移動する。
【0017】
尚、前記のハンドル27に替えて、汎用タイプのギヤードモーター(図示せず)を直結し、当該モーターによりウオーム15を回転せしめるようにした場合には、頻繁な昇降を必要とする作業台として有効な駆動方式となる。この場合、駆動装置全体が上下移動せず、負荷とならないため、容易に電動タイプへの変更実施が可能となる。
また、螺旋体6とスプロケット7の螺合部分を、ボールネジ構造とするのも有用な手段であり、荷重を掛けたまま上下する場合、その昇降に必要な駆動力を軽減するのに有効である。
反面、停止時には荷重による自然降下に対処するため、機構の一部を制動する必要があり、コストに問題がある。
しかし、本発明においては、その加工精度、組立て精度に、高度な基準を要求されることがない点、使用時に台板8の安定化が出来る点と合わせて採用可能となる。この場合、条件により、ウオームギヤ14とウオーム15による、周知のセルフロック作用は、その効果を利用可能となる。
尚、螺旋体6は、用途により3本脚構造に変更することでも良く、その場合の変形例を図10に示す。図10は、エンドレスチェーン12部分の横断面図であり、緊張スプロケット13の配置例を示す。この場合には、受板2、フタ16、台板8等を平面円形構造とし、台板8上に円形状のターンテーブルを載置した構成の昇降作業台が得られる。同図において、前記した実施の形態と同一の部分には、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0018】
また、前記した実施の形態に説明した、箱枠状のフレーム1Aが形成する内部空間は、作業に伴う部材、書類等の格納スペースとして棚を設けたり、扉を付けるなど、適宜の構成を付加するもできる。また、フレーム1Aの底板3の前側をコ字状にフレーム構成することにより、作業椅子に着座した状態での作業性に対処することができる。
【0019】
次に、図6〜図8には、請求項2に記載の実施の形態を示す。同図において、箱枠状に構成したフレーム1Bは、下部受板2B、フタ16、台板8、柱4の各構成部分からなり、水平な下部受板2Bに立設した柱4の上端に、台板8を設置し、フタ16は、下部受板2Bとでスプロケット7を挟み込むように、下部受板2Bの上側に着脱できるように付設している。
ここで、下部受板2Bと柱4、柱4と台板8の接合は、それぞれ溶接手段、もしくは螺接手段のいずれでも良い。あるいは、フタ16を下部受板2Bに代えて柱4と接合し、受板2Bを着脱できるようにしても良く、組立て加工に都合の好い方を選択する。いずれの場合も、使用上において、下部受板2B、柱4、台板8、フタ16は、箱枠状に一体に構成している。
複数の螺旋体6は、その下部露出部を連杆18により各二つ以上を回転不能に固着連結されており、フレーム1Bの脚柱としての機能を持っている。この連杆18にはキャスター5を設けて移動自在としている。
フレーム1Bは、台板8に付設したストッパー29により、螺旋体6とで下への移動を制限している。これにより、フレーム1Bと、連杆18で形成する隙間Fを安全に確保でき、挟み込みの危険が無いようにしている。さらに、螺旋体6の先端部は、フレーム1Bに付設したカバー30により、挟み込みの無いように保護している。
螺旋体6に螺合するスプロケット7は、下部受板2Bに付設した、ハウジング9に内装したベアリング10により、回転自在に軸支しており、上部のフタ16により規制されたガイド11により、上方への移動が無いように構成している。
また、これらの複数個のスプロケット7は、エンドレスチェーン12によって連係している。
【0020】
図7に於いて、四個のスプロケット7はエンドレスチェーン12により連係し、エンドレスチェーン12は、下部受板2Bに付設した二個の緊張スプロケット13A、13Bにより、緩みなく張られている。
一方の緊張スプロケット13Aは、下部受板2Bに枢着され、隣接する二個のスプロケット7の、連係するエンドレスチェーン12の巻き付き量を増すようにする。もう一つの緊張スプロケット13Bは、下部受板2Bに固着した枢軸20に揺着した、槓杆21の回転軸19に枢着している。ここで槓杆21は、一方をスプリング31により常に引き寄せられており、自動的にエンドレスチェーン12の張りを減少するようにする。
さらに反対側へは、螺子22の、下部受板2Bの外側へ付着したナット23により、槓杆21を適宜引き寄せるようにし、これにより、強制的にエンドレスチェーン12の張りを増加させるようにしている。これにより、前記と同様の緊張調節装置としている。
【0021】
この緊張調節装置により、緊張スプロケット13Bを適宜操作し、台板8の昇降時にはエンドレスチェーン12の張りを緩め、上下駆動を容易にし、又台板8を使用するときはエンドレスチェーン12を強く張って、がたつきや揺れの無い、安定性のある使用状態を得るようにした。
また、緊張スプロケット13Aは、エンドレスチェーン12を駆動出来るように、回転軸19は下部受板2Bに付設枢着しており、その回転軸19の上部は、フレーム1Bの底部を形成するフタ16を貫通して突出している。
【0022】
図8において、スプロケット13Aの回転主軸19の一端は従動部17とし、汎用ボルト頭を形成している。ここでは、たとえば六角頭とし、これを当該ネジ締め工具により適宜回転せしめる。これによりエンドレスチェーン12を介して、四個のスプロケット7は一斉に同期的に回転する。
この際、ネジ締め工具は、手動的にはラチェットスパナが、動力としては手持ちの電動工具やエアー工具が簡便である。いずれの場合も従動部17は、作業者に認識しやすく、したがって操作性の良いものとしている。
また、駆動するのに汎用ネジ締め工具に替えて、ギヤーモーターを直結する駆動構造とすることもできる。但し、この場合は、駆動装置全体が昇降負荷となる点が、実施においての留意すべきこととなる。
【0023】
ここで、もう一つの緊張スプロケット13Bも周速を一つにして同期的に回転をする。したがって、緊張スプロケット13Bに駆動装置を設ける事も有用である。緊張スプロケット13、13A、13Bを多数個配設する変形例を図9に示す。
ここでは隣り合う二個のスプロケット7の間に、該スプロケット7へのエンドレスチェーン12の巻き付け角を増すようにして、緊張スプロケット13を配置する。
これにより、エンドレスチェーン12の張力が比較的小さくても、緊張スプロケット13の駆動が可能となって、そのすべてに駆動装置を付設する事も考えられる。さらに、そのうちの少なくとも一つは、緊張調節装置を設けて、細かな条件に対応する事は、併せて本発明に有効となる。
【0024】
これらの組み合わせにより、緊張調節装置の調節は、組立て時のみとして、軽荷重の実負荷昇降作業台とする事や、調節装置を微調節しない、OFF、ON的使用の設定を容易にする。
そして、これらスプロケットの正逆回転に従い、回転を規制された螺旋体6により、下部受板2Bすなわちフレーム1Bは、上方あるいは下方に移動する。よって、フレーム1Bの一部である台板8は上下に昇降移動する。
【0025】
比較的大型製品の組立て用昇降作業台の場合、複数の駆動用緊張スプロケット13を装備して、作業者が多角的位置で、その一つを手動的に駆動し、これにより容易に台板8を昇降できる。ここで、駆動用でない緊張スプロケット13は、その形状をプーリーとするのも、滑り子とするのも問題はない。
一例として、図11にプーリー13C、滑り子28として示す。図11は、請求項2に記載の実施の形態の変形例の一つを示すもので、図6におけるフレーム1Bの底部を形成する下部受板2B、フタ16を、椅子の進入が出来るように、コ字状にフレーム構成してなる場合のエンドレスチェーン12部分の横断面図である。
フレーム1Bの昇降は、駆動装置を持つスプロケット7Cで行い、エンドレスチェーン12の緊張は、プーリー13Cによって行う。プーリー13Cは、下部受板2Bに付設した溝24を摺動する、回転しない摺動ナット25の一端に枢着しており、摺動ナット25は、受板2Bの立面に枢着した、前後できない調節ボルト26の回転により前後に進退する。
これによって、エンドレスチェーン12の張り度合いを調節する。
滑り子28は、受板2Bの二個所の内角へ円弧状に固着し、エンドレスチェーン12をガイドするL型の断面としている。ここで滑り子28は溝付きプーリー状とし、固着してもよい。
【0026】
また、前記した連杆18は、キャスター5を外し、受板2Bと同形状にして比較的面積のある物にすれば、絨毯や畳床の上に直かに据える事もでき、さらにフレーム1Bに引き出し等を設ければ、全体として、事務机や勉強机としての構成が可能となる。これらを含めフレーム1Bの構成する空間Sの使用方法は、前記と同様に、必要により適宜に行う。
【0027】
また、前記の各実施の形態において、チェーンスプロケットに替え歯付きプーリーとし、これに組み合わせの、エンドレスチェーンに替えて両面歯付きベルトを使用するのも、注油が不要となって、メンテナンス上有効であり、本発明の実施に当たって採用可能である。この場合、駆動用緊張スプロケットは歯付きプーリーであることは自明である。ただし、滑り子の使用は問題を残す。
【0028】
また、螺旋体6とスプロケット7の螺合部分をボールネジとするのも有用な手段であり、荷重を掛けたまま上下する場合、その昇降に必要な駆動力を軽減するのに有効である。反面、停止時には荷重による自然降下に対処するため、機構の一部を制動する必要があり、コストに問題がある。
しかし、本発明においては、その加工精度、組立て精度に、高度な基準を要求されることがない点、使用時に台板8の安定化が出来る点を合わせて、採用可能となることは、前記した通りである。
尚、機構の一部を制動する方法として、クラッチや、ブレーキ付きモーターの使用が考えられ、これらは比較的大きい負荷に対して、有効な組み合せとなる。
【0029】
図3や図6において、負荷を掛けて昇降する場合、荷重の大きさに比例して、すなわちスプロケット7の回転駆動力に比例して、一定にエンドレスチェーン12を緊張させる必要がある。さもないと、巻き付け角が浅く緊張が小さいときには、歯跳びが生じ、他方緊張が過大であれば、それ自体で過負荷となって、事故の原因となる。エンドレスチェーン12に替えて歯付きベルトを用いる際や、負荷が大きいとき、課題が生ずる。自ずと台板8の昇降のそれぞれについて、負荷に対応した一定の緊張力でよく、緊張スプロケット13を用いて緊張力の調整をする時、万一歯跳びをしても、緊張スプロケット13部分ですみ、スプロケット7の同期回転に影響しない。
したがって、本発明では、エンドレスチェーン12の張りを容易に設定できることとなる。ここで、それぞれのその駆動力もまた、略一定であるので、動力の設定も最小必要限度に出来る。
【0030】
他方、汎用ネジとナットにおけるネジ締め効果は、相互間の滑り抵抗によって得られ、したがって締め付け後は二つの間の機械効率が悪いほど、緩みの少ない良いネジであり、このため一般汎用ネジを、高効率のボールネジや、台形ネジのようにカム機構として利用することは難しかった。
しかしながら、汎用ネジは一般に螺合簡単な公差を用いて組立作業を容易とし、その為、振動等に起因する緩みを回避するのに、バネ座金、割ピン、二重ナット等を用いたりしている。
【0031】
本発明の一つは、特に汎用ネジの利便性に着目し、図5に示すように、螺旋体6とスプロケット7のスキマを汎用とし、スプロケット7とそのベアリング10のスキマW、あるいはベアリング10とそのハウジング9のスキマX、螺旋体6とそのガイド11のスキマY、フタ16とガイド11のスキマZ等を、製作及び組立て容易に構築した。
その上で、緊張スプロケット13の一つにより、エンドレスチェーン12を緊張して、作業台の昇降時は、最小負荷の安定した駆動をし、作業台の使用状態においては、必要により、作業台の昇降に関係なく緊張することにより、前記種々のスキマによるガタツキを支障無く解消し、請求項1においては台板8を、請求項2においてはフレーム1Bを昇降し、使用することを可能にした。すなわち、ネジによるカム機構における緊張スプロケット13の作用効果である。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、螺旋体を使用したカム機構により、作業面の位置に関係なく、始動停止の安定した、昇降速度一定で、挟み込み事故の危険が無い、安定した昇降作業台を得ることができた。
【0033】
又、伝動部材の恣意的用法により、部材に汎用品の採用を可能とする構成を得、昇降駆動、作業使用の安定確実性を踏まえた、製作組立て容易な、低廉な商品の提供を可能とした。
【0034】
さらに、手動あるいは動力による昇降駆動のそれぞれに、使用現場に応じた装置及び方法の選択に、簡単に対処出来る昇降作業台としている。
【0035】
これらにより、ライン生産に適さない少量の商品の組立て等で、作業者の身長の凸凹に適応し、さらに、高低、前後、左右の様々な作業部位にも効率よく対処できることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の天板を昇降できるテーブルの断面図
【図2】従来の天板が昇降するリフターの断面図
【図3】台板が昇降する昇降作業台の縦断面図
【図4】台板が昇降する昇降作業台のエンドレスチェーン部の横断面図
【図5】台板が昇降する昇降作業台の、駆動装置を持つスプロケット部の縦断面図
【図6】フレームが昇降する昇降作業台の縦断面図
【図7】 フレームが昇降する昇降作業台の、エンドレスチェーン部の横断面図
【図8】従動部を持つ緊張スプロケットの縦断面図
【図9】緊張スプロケットの配置例1
【図10】緊張スプロケットの配置例2
【図11】緊張スプロケットの配置例3
【符号の説明】
1A、1B フレーム
2、2A、2B 受板
3 底板
4 柱
5 キャスター
6 螺旋体
7 スプロケット
8 台板
9 ハウジング
10 ベアリング
11 ガイド
12 エンドレスチェーン
13 緊張スプロケット
14 ウオームギヤ
15 ウオーム
16 フタ
17 従動部
18 連杆
19 回転軸
20 枢軸
21 槓杆
22 螺子
23 ナット
24 溝
25 摺動ナット
26 調節ボルト
27 ハンドル
28 滑り子
29 ストッパー
30 カバー
31 スプリング
32 軸受
【発明の属する技術分野】
本発明は、天板が昇降する作業台に関する。
【0002】
【従来の技術】
作業者が製品を組み立てたり、梱包したり、あるいは物品を分解したり、計測したり、様々な作業をする上で、一つは作業者の身長の凸凹により、他方は高さ、角度、視角等の作業性に対処するのに、作業台を上下することは有効な方法である。すなわち疲労を軽減し、作業時間を短縮する等の効果は明白であり、作業精度の向上が認められる。
【0003】
従来、天板を昇降できるテーブルとして、図1のようなものがある(特開平7−148023号公報参照)。主として会議用、訓練用、食事用として、会社、病院、家庭等での使用に適したものとしている。
このテーブルは、天板1とその左右に設けられた一対の支脚3,3を有し、一対のスクリューシャフト4,4を、それぞれ左右の支脚3,3に沿って配設している。支脚3,3は、水平状の天板取り付け用連結部材2にて上部を連結し、この支脚3,3に配設したスクリュウシャフト4,4の回転により支脚3,3は伸縮する。さらに連結部材2内に、張り車24と所定方向へ回転駆動される歯付き車25とを設け、前記左右のスクリューシャフト4,4の上部にそれぞれ固着された歯付き回転子21,21と、歯付き車25に、一本の可撓性エンドレス状連動部材34を懸架している。
張り車24で、この連動部材34に張力を付加し、同時に歯付き車25とこの連動部材34との噛み合い歯数を増加させるように、この連動部材34を歯付き車25に沿って湾曲した構成としている。
【0004】
スクリューシャフト4,4の回転は、歯付きベルト、チェーン等の連動部材34を介して歯付き車25を駆動回転することによりなされる。
連動部材34にチェーンを用いる場合は、歯付き回転子21及び歯付き車25にスプロケットを用いる。歯の無い張り車24は、歯付きベルト、チェーンの、いずれの連動部材34にも張力を付加し得、前記したように、あわせて歯付き車25と該連動部材34との噛み合い歯数を増加させるように、該連動部材34を該歯付き車25に沿って湾曲させる。その際、歯の無い張り車24は、その作用を逸脱しない範囲で、移動の構成は自由としている。
【0005】
上記いずれの場合でも、このテーブルにおいて、回転駆動できる歯付き車25は一個で、したがって駆動源は一個である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述の構造のテーブルでは天板1上の負荷が小さいため、一対の支脚3,3で良いが、この支脚3,3を上下させるために、歯付き車25により連動部材34を介して歯付き回転子21,21と固着したスクリューシャフト4,4を直接回転しいる。
このような軽負荷であっても、連動部材34をより良く機能させるために、歯付き車25と別に張り車24を設ける必要があり、張り車24が回転体であっても、歯付きベルト34において、背面より湾曲することは好ましくないが、不可欠のものとしている。
又、回転する一対のスクリューシャフト4,4が上下するのは、これに螺合する支持筒体5に固着したナット8による。このナット8は、構成部品の加工精度及び組立て精度の低下や、偏荷重等によって生じるスクリューシャフト4,4と支持筒体5の相対的な傾きを自動的に補正し、歪みの発生を防止するために、外形表面を球形としいるが、それ自体、加工方法、加工精度で経済性に問題がある。
そのうえ、ナット8と保持部材12,14との間に、適切な摺動を与えることは構造上難しく、あわせて、テーブル使用時には調整不能な構造であることも、問題である。
【0007】
前記において、ナット8はピン9によりその回転を規制されるが、その為、ナット8の補正範囲はピン9の軸を含む面に沿って著しく制約される。
反面ピン9の軸回りには簡単に転動するので、テーブルの天板1の揺れを完全に止める事は出来ない。
それだけでなく、前後方向に取り付けられた、安定用の水平載置板7は左右方向に不安定なうえ、上下可動な全負荷が、ナット8の一点での支持としている為、天板1はより安定しにくくなっている。
【0008】
図2は、中荷重の昇降に多用されているリフターの縦断面図である。
台板B1と架台B2は平行運動機構を形成している。中央で交差する同上のリンクB5,及びB6の一端を、それぞれ台板B1と架台B2の一端A,Bに枢着し、他端に設けた車輪B3,B4を台板B1、架台B2に沿って転がす。これにより架台B2を床上に固定するとき、台板B1は架台B2と平行を保ちつつ上下運動を行う。これをシリンダーB7により駆動する。シリンダーB7は流体により伸縮し、架台B2を支えにリンクB6を揺動し、これにより台板B1を上下させる。
このリフターでは、中荷重の昇降テーブルとして、下降に荷重を利用するのと、バルブの開閉が感によるものが多い。その為、下降初めの操作がよく、リンクB5の回転速度が一定に設定できても、条件次第で台板B1の下降速度は急激に増大し、これに作業者が対応しきれず、急降下による台板B1と架台B2での人体の挟み込み事故が発生している。この対策として、周囲に図示しない、蛇腹状の安全カバーを設けるのは、常套手段である。
そのため、この種のリフターは、荷揚げ装置としては比較的経済性に優れているが、作業台としての昇降両面の使用で課題がある。
【0009】
そこで、本発明では、立位による軽中量級の各作業だけでなく、座位による各種軽作業の使用形態に対応する昇降作業台を、製作組立て容易とし、且つ昇降使用の利便性が高く、安全性のあるものとし、あわせて常用負荷に対応した、動力による駆動装置を容易に設置可能とする昇降作業台を提供する。
【0010】
【問題を解決するための手段】
本発明では、回転しない複数の螺旋体からなる支柱を上下させるか、あるいはこの支柱上のフレームを上下させることにより、一定速度で中量負荷まで昇降し、挟み込みが無く安全性の高い、上下駆動が容易な昇降作業台を得たものである。
【0011】
具体的には、請求項1では、螺旋体に螺合する複数のスプロケットをエンドレスチェーンを介して同期的に駆動し、回転できない螺旋体を上下させてこの螺旋体に固着した台板を昇降し、任意に台板面の位置を確保し使用するとともに、緊張用スプロケットの一つを移動操作し、エンドレスチェーンの張りを台板の昇降、使用のそれぞれに対応するようにしている。
したがって、高さの位置に関係なく、一定の速度で上下し、且つ安定した作業面が得られることとなった。
【0012】
又、請求項2では、緊張用スプロケットの一つを回転駆動し、回転できない螺旋体である支柱上を、フレームごと作業面である台板を上下させることにより、軽作業用テーブルから中量級作業台に対応する昇降の操作性が良いものとし、上下速度は台板の始動位置に関係なく一定で、且つ、台板使用の安定性が高い構成としている。
【0013】
請求項3では、上記構成部材の嵌合公差を疎に構成し、製作組立てを容易とした上で、それにより生じるあそびを解消すべく、昇降使用時と、実負荷使用時のそれぞれに対応するようにした上で、緊張用スプロケットの一つを作用させている。
【0014】
【発明の実施の形態】
先ず、請求項1に記載の実施の形態を示す図3〜図5において、箱枠状に構成したフレーム1Aは、上部受板2A、底板3、柱4、フタ16の各構成部分からなり、その内、上部受板2Aは、底板3に立設した柱4に水平に設置している。フタ16は、前記の上部受板2Aとでスプロケット7を挟み込むようにし、上部受板2Aの上側に着脱できるように付設している。ここで、底板3と柱4、柱4と受板2Aの接合は、それぞれ溶接手段、もしくは螺接手段のいずれでも良い。あるいは、フタ16を上部受板2Aに代えて柱4と接合し、上部受板2Aを着脱できるように構成してもよく、組立て加工に都合の好い方を選択する。いずれの場合も、使用上において、上部受板2A、底板3、柱4、フタ16は、箱枠状に一体に構成される。また底板3にはキャスター5を設けて移動自在としている。
螺旋体6は上端を台板8に回転不能に固着されており、台板8の支柱としての機能を持っている。螺旋体6の下部は、底板3に付設したストッパー29により、下への移動を制限している。これにより、台板8と、フレーム1Aのフタ16で形成する隙間Eを安全に確保でき、挟み込みの危険が無いようにしている。さらに、螺旋体6の先端部は、フレーム1Aに付設したカバー30により、挟み込みの無いように保護されている。
螺旋体6に螺合するスプロケット7は、上部受板2Aに付設した、ハウジング9に内装したベアリング10により、回転自在に軸支しており、上部のフタ16により規制されたガイド11により、上方向への移動が無いように構成している。
また、これらの複数個のスプロケット7は、エンドレスチェーン12によって連係している。
【0015】
図4に於いて、四個のスプロケット7がエンドレスチェーン12により連係し、エンドレスチェーン12は、上部受板2Aに付設した緊張スプロケット13により、緩みなく張られている。緊張スプロケット13は、上部受板2Aに固着した枢軸20に揺着した、槓杆21の軸19に枢着している。ここで槓杆21は、一方をスプリング31により、常に引き寄せられており、自動的にエンドレスチェーン12の張りを減少するようにする。
さらに反対側へは、螺子22の、上部受板2Aの外側へ付着したナット23により、槓杆21を適宜引き寄せ、これにより、強制的にエンドレスチェーン12の張りを増加させるようにしている。すなわち、緊張調節装置としている。
この緊張調節装置により、緊張スプロケット13を適宜操作し、台板8の昇降時にはエンドレスチェーン12の張りを緩め、上下駆動を容易にし、又台板8を使用するときはエンドレスチェーン12を強く張って、がたつきや揺れの無い、安定性のある使用状態を得るようにした。
尚、四隅に設けたスプロケット7の一つに、駆動装置を設けたものを、駆動用スプロケット7Aとしている。
【0016】
図5に於いて、駆動用スプロケット7Aに楔着されたウオームギヤ14を、これに噛合する、上部受板2Aの軸受32に軸支したウオーム15により駆動回転し、したがってスプロケット7Aは回転し、エンドレスチェーン12により、他の三個のスプロケット7も、一斉に同期的に回転する。
この際、ウオーム15の一端は、フレーム1Aの外側として手動的にハンドル27により回転させる。このウオーム15の駆動回転によるスプロケット7,7Aの一斉回転により、或いは、正逆回転により、回転を規制された螺旋体6は、上方、あるいは下方に移動する。よって、螺旋体6に固着した台板8は上下に昇降移動する。
【0017】
尚、前記のハンドル27に替えて、汎用タイプのギヤードモーター(図示せず)を直結し、当該モーターによりウオーム15を回転せしめるようにした場合には、頻繁な昇降を必要とする作業台として有効な駆動方式となる。この場合、駆動装置全体が上下移動せず、負荷とならないため、容易に電動タイプへの変更実施が可能となる。
また、螺旋体6とスプロケット7の螺合部分を、ボールネジ構造とするのも有用な手段であり、荷重を掛けたまま上下する場合、その昇降に必要な駆動力を軽減するのに有効である。
反面、停止時には荷重による自然降下に対処するため、機構の一部を制動する必要があり、コストに問題がある。
しかし、本発明においては、その加工精度、組立て精度に、高度な基準を要求されることがない点、使用時に台板8の安定化が出来る点と合わせて採用可能となる。この場合、条件により、ウオームギヤ14とウオーム15による、周知のセルフロック作用は、その効果を利用可能となる。
尚、螺旋体6は、用途により3本脚構造に変更することでも良く、その場合の変形例を図10に示す。図10は、エンドレスチェーン12部分の横断面図であり、緊張スプロケット13の配置例を示す。この場合には、受板2、フタ16、台板8等を平面円形構造とし、台板8上に円形状のターンテーブルを載置した構成の昇降作業台が得られる。同図において、前記した実施の形態と同一の部分には、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0018】
また、前記した実施の形態に説明した、箱枠状のフレーム1Aが形成する内部空間は、作業に伴う部材、書類等の格納スペースとして棚を設けたり、扉を付けるなど、適宜の構成を付加するもできる。また、フレーム1Aの底板3の前側をコ字状にフレーム構成することにより、作業椅子に着座した状態での作業性に対処することができる。
【0019】
次に、図6〜図8には、請求項2に記載の実施の形態を示す。同図において、箱枠状に構成したフレーム1Bは、下部受板2B、フタ16、台板8、柱4の各構成部分からなり、水平な下部受板2Bに立設した柱4の上端に、台板8を設置し、フタ16は、下部受板2Bとでスプロケット7を挟み込むように、下部受板2Bの上側に着脱できるように付設している。
ここで、下部受板2Bと柱4、柱4と台板8の接合は、それぞれ溶接手段、もしくは螺接手段のいずれでも良い。あるいは、フタ16を下部受板2Bに代えて柱4と接合し、受板2Bを着脱できるようにしても良く、組立て加工に都合の好い方を選択する。いずれの場合も、使用上において、下部受板2B、柱4、台板8、フタ16は、箱枠状に一体に構成している。
複数の螺旋体6は、その下部露出部を連杆18により各二つ以上を回転不能に固着連結されており、フレーム1Bの脚柱としての機能を持っている。この連杆18にはキャスター5を設けて移動自在としている。
フレーム1Bは、台板8に付設したストッパー29により、螺旋体6とで下への移動を制限している。これにより、フレーム1Bと、連杆18で形成する隙間Fを安全に確保でき、挟み込みの危険が無いようにしている。さらに、螺旋体6の先端部は、フレーム1Bに付設したカバー30により、挟み込みの無いように保護している。
螺旋体6に螺合するスプロケット7は、下部受板2Bに付設した、ハウジング9に内装したベアリング10により、回転自在に軸支しており、上部のフタ16により規制されたガイド11により、上方への移動が無いように構成している。
また、これらの複数個のスプロケット7は、エンドレスチェーン12によって連係している。
【0020】
図7に於いて、四個のスプロケット7はエンドレスチェーン12により連係し、エンドレスチェーン12は、下部受板2Bに付設した二個の緊張スプロケット13A、13Bにより、緩みなく張られている。
一方の緊張スプロケット13Aは、下部受板2Bに枢着され、隣接する二個のスプロケット7の、連係するエンドレスチェーン12の巻き付き量を増すようにする。もう一つの緊張スプロケット13Bは、下部受板2Bに固着した枢軸20に揺着した、槓杆21の回転軸19に枢着している。ここで槓杆21は、一方をスプリング31により常に引き寄せられており、自動的にエンドレスチェーン12の張りを減少するようにする。
さらに反対側へは、螺子22の、下部受板2Bの外側へ付着したナット23により、槓杆21を適宜引き寄せるようにし、これにより、強制的にエンドレスチェーン12の張りを増加させるようにしている。これにより、前記と同様の緊張調節装置としている。
【0021】
この緊張調節装置により、緊張スプロケット13Bを適宜操作し、台板8の昇降時にはエンドレスチェーン12の張りを緩め、上下駆動を容易にし、又台板8を使用するときはエンドレスチェーン12を強く張って、がたつきや揺れの無い、安定性のある使用状態を得るようにした。
また、緊張スプロケット13Aは、エンドレスチェーン12を駆動出来るように、回転軸19は下部受板2Bに付設枢着しており、その回転軸19の上部は、フレーム1Bの底部を形成するフタ16を貫通して突出している。
【0022】
図8において、スプロケット13Aの回転主軸19の一端は従動部17とし、汎用ボルト頭を形成している。ここでは、たとえば六角頭とし、これを当該ネジ締め工具により適宜回転せしめる。これによりエンドレスチェーン12を介して、四個のスプロケット7は一斉に同期的に回転する。
この際、ネジ締め工具は、手動的にはラチェットスパナが、動力としては手持ちの電動工具やエアー工具が簡便である。いずれの場合も従動部17は、作業者に認識しやすく、したがって操作性の良いものとしている。
また、駆動するのに汎用ネジ締め工具に替えて、ギヤーモーターを直結する駆動構造とすることもできる。但し、この場合は、駆動装置全体が昇降負荷となる点が、実施においての留意すべきこととなる。
【0023】
ここで、もう一つの緊張スプロケット13Bも周速を一つにして同期的に回転をする。したがって、緊張スプロケット13Bに駆動装置を設ける事も有用である。緊張スプロケット13、13A、13Bを多数個配設する変形例を図9に示す。
ここでは隣り合う二個のスプロケット7の間に、該スプロケット7へのエンドレスチェーン12の巻き付け角を増すようにして、緊張スプロケット13を配置する。
これにより、エンドレスチェーン12の張力が比較的小さくても、緊張スプロケット13の駆動が可能となって、そのすべてに駆動装置を付設する事も考えられる。さらに、そのうちの少なくとも一つは、緊張調節装置を設けて、細かな条件に対応する事は、併せて本発明に有効となる。
【0024】
これらの組み合わせにより、緊張調節装置の調節は、組立て時のみとして、軽荷重の実負荷昇降作業台とする事や、調節装置を微調節しない、OFF、ON的使用の設定を容易にする。
そして、これらスプロケットの正逆回転に従い、回転を規制された螺旋体6により、下部受板2Bすなわちフレーム1Bは、上方あるいは下方に移動する。よって、フレーム1Bの一部である台板8は上下に昇降移動する。
【0025】
比較的大型製品の組立て用昇降作業台の場合、複数の駆動用緊張スプロケット13を装備して、作業者が多角的位置で、その一つを手動的に駆動し、これにより容易に台板8を昇降できる。ここで、駆動用でない緊張スプロケット13は、その形状をプーリーとするのも、滑り子とするのも問題はない。
一例として、図11にプーリー13C、滑り子28として示す。図11は、請求項2に記載の実施の形態の変形例の一つを示すもので、図6におけるフレーム1Bの底部を形成する下部受板2B、フタ16を、椅子の進入が出来るように、コ字状にフレーム構成してなる場合のエンドレスチェーン12部分の横断面図である。
フレーム1Bの昇降は、駆動装置を持つスプロケット7Cで行い、エンドレスチェーン12の緊張は、プーリー13Cによって行う。プーリー13Cは、下部受板2Bに付設した溝24を摺動する、回転しない摺動ナット25の一端に枢着しており、摺動ナット25は、受板2Bの立面に枢着した、前後できない調節ボルト26の回転により前後に進退する。
これによって、エンドレスチェーン12の張り度合いを調節する。
滑り子28は、受板2Bの二個所の内角へ円弧状に固着し、エンドレスチェーン12をガイドするL型の断面としている。ここで滑り子28は溝付きプーリー状とし、固着してもよい。
【0026】
また、前記した連杆18は、キャスター5を外し、受板2Bと同形状にして比較的面積のある物にすれば、絨毯や畳床の上に直かに据える事もでき、さらにフレーム1Bに引き出し等を設ければ、全体として、事務机や勉強机としての構成が可能となる。これらを含めフレーム1Bの構成する空間Sの使用方法は、前記と同様に、必要により適宜に行う。
【0027】
また、前記の各実施の形態において、チェーンスプロケットに替え歯付きプーリーとし、これに組み合わせの、エンドレスチェーンに替えて両面歯付きベルトを使用するのも、注油が不要となって、メンテナンス上有効であり、本発明の実施に当たって採用可能である。この場合、駆動用緊張スプロケットは歯付きプーリーであることは自明である。ただし、滑り子の使用は問題を残す。
【0028】
また、螺旋体6とスプロケット7の螺合部分をボールネジとするのも有用な手段であり、荷重を掛けたまま上下する場合、その昇降に必要な駆動力を軽減するのに有効である。反面、停止時には荷重による自然降下に対処するため、機構の一部を制動する必要があり、コストに問題がある。
しかし、本発明においては、その加工精度、組立て精度に、高度な基準を要求されることがない点、使用時に台板8の安定化が出来る点を合わせて、採用可能となることは、前記した通りである。
尚、機構の一部を制動する方法として、クラッチや、ブレーキ付きモーターの使用が考えられ、これらは比較的大きい負荷に対して、有効な組み合せとなる。
【0029】
図3や図6において、負荷を掛けて昇降する場合、荷重の大きさに比例して、すなわちスプロケット7の回転駆動力に比例して、一定にエンドレスチェーン12を緊張させる必要がある。さもないと、巻き付け角が浅く緊張が小さいときには、歯跳びが生じ、他方緊張が過大であれば、それ自体で過負荷となって、事故の原因となる。エンドレスチェーン12に替えて歯付きベルトを用いる際や、負荷が大きいとき、課題が生ずる。自ずと台板8の昇降のそれぞれについて、負荷に対応した一定の緊張力でよく、緊張スプロケット13を用いて緊張力の調整をする時、万一歯跳びをしても、緊張スプロケット13部分ですみ、スプロケット7の同期回転に影響しない。
したがって、本発明では、エンドレスチェーン12の張りを容易に設定できることとなる。ここで、それぞれのその駆動力もまた、略一定であるので、動力の設定も最小必要限度に出来る。
【0030】
他方、汎用ネジとナットにおけるネジ締め効果は、相互間の滑り抵抗によって得られ、したがって締め付け後は二つの間の機械効率が悪いほど、緩みの少ない良いネジであり、このため一般汎用ネジを、高効率のボールネジや、台形ネジのようにカム機構として利用することは難しかった。
しかしながら、汎用ネジは一般に螺合簡単な公差を用いて組立作業を容易とし、その為、振動等に起因する緩みを回避するのに、バネ座金、割ピン、二重ナット等を用いたりしている。
【0031】
本発明の一つは、特に汎用ネジの利便性に着目し、図5に示すように、螺旋体6とスプロケット7のスキマを汎用とし、スプロケット7とそのベアリング10のスキマW、あるいはベアリング10とそのハウジング9のスキマX、螺旋体6とそのガイド11のスキマY、フタ16とガイド11のスキマZ等を、製作及び組立て容易に構築した。
その上で、緊張スプロケット13の一つにより、エンドレスチェーン12を緊張して、作業台の昇降時は、最小負荷の安定した駆動をし、作業台の使用状態においては、必要により、作業台の昇降に関係なく緊張することにより、前記種々のスキマによるガタツキを支障無く解消し、請求項1においては台板8を、請求項2においてはフレーム1Bを昇降し、使用することを可能にした。すなわち、ネジによるカム機構における緊張スプロケット13の作用効果である。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、螺旋体を使用したカム機構により、作業面の位置に関係なく、始動停止の安定した、昇降速度一定で、挟み込み事故の危険が無い、安定した昇降作業台を得ることができた。
【0033】
又、伝動部材の恣意的用法により、部材に汎用品の採用を可能とする構成を得、昇降駆動、作業使用の安定確実性を踏まえた、製作組立て容易な、低廉な商品の提供を可能とした。
【0034】
さらに、手動あるいは動力による昇降駆動のそれぞれに、使用現場に応じた装置及び方法の選択に、簡単に対処出来る昇降作業台としている。
【0035】
これらにより、ライン生産に適さない少量の商品の組立て等で、作業者の身長の凸凹に適応し、さらに、高低、前後、左右の様々な作業部位にも効率よく対処できることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の天板を昇降できるテーブルの断面図
【図2】従来の天板が昇降するリフターの断面図
【図3】台板が昇降する昇降作業台の縦断面図
【図4】台板が昇降する昇降作業台のエンドレスチェーン部の横断面図
【図5】台板が昇降する昇降作業台の、駆動装置を持つスプロケット部の縦断面図
【図6】フレームが昇降する昇降作業台の縦断面図
【図7】 フレームが昇降する昇降作業台の、エンドレスチェーン部の横断面図
【図8】従動部を持つ緊張スプロケットの縦断面図
【図9】緊張スプロケットの配置例1
【図10】緊張スプロケットの配置例2
【図11】緊張スプロケットの配置例3
【符号の説明】
1A、1B フレーム
2、2A、2B 受板
3 底板
4 柱
5 キャスター
6 螺旋体
7 スプロケット
8 台板
9 ハウジング
10 ベアリング
11 ガイド
12 エンドレスチェーン
13 緊張スプロケット
14 ウオームギヤ
15 ウオーム
16 フタ
17 従動部
18 連杆
19 回転軸
20 枢軸
21 槓杆
22 螺子
23 ナット
24 溝
25 摺動ナット
26 調節ボルト
27 ハンドル
28 滑り子
29 ストッパー
30 カバー
31 スプリング
32 軸受
Claims (3)
- フレーム1Aの上部受板2Aに、回転自在に軸支した複数のスプロケット7に螺合する螺旋体6を貫着し、該螺旋体6の一端に台板8を固着すると共に、スプロケット7の全数を一本のエンドレスチェーン12により連係し、該エンドレスチェーン12を駆動することにより、スプロケット7を介してフレーム1A上に螺旋体6を上下させ、したがって螺旋体6に固着した台板8を昇降させるようにするとともに、緊張スプロケット13Aにより、エンドレスチェーン12の張り度合いを、台板8の停止時には、昇降時より強くすることを特徴とする昇降作業台。
- フレーム1Bの下部受板2Bに回転自在に軸支した複数のスプロケット7に螺合する螺旋体6を貫着し、該螺旋体6の一側を連杆18により固着すると共に、スプロケット7の全数を一本のエンドレスチェーン12により連係し、該エンドレスチェーン12を緊張する緊張スプロケット13Bの一つを回転駆動することにより、エンドレスチェーン12、スプロケット7、螺旋体6を介しフレーム1Bを上下させ、したがってフレーム1Bに設置した台板8を昇降させることを特徴とする昇降作業台。
- スプロケット7とそのベアリング10のスキマW、ベアリング10とそのハウジング9とのスキマX、並びに螺旋体6とそのガイド11のスキマY、ガイド11とフタ16のスキマZ等を組立て容易に構築し、これらのスキマによるガタつきを台板8に及ぼさないように、緊張スプロケット13により、エンドレスチェーン12を強弱自在に緊張し、作用させる請求項1又は請求項2に記載の昇降作業台。
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