JPH0522113Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、仏壇、収納家具等の重量物を載台に
載置したまま、その安置及び移動を容易にするた
めの重量物移動装置に関するものである。

（従来の技術） 収納家具、特に大型書棚、タンス等や仏壇など
の重量物にあつては、大きく、かつ重くて移動が
面倒であるため、一度室内の定位置に配置された
後はそのまま固定化されてしまうことが多く、そ
のために該配置部分のじゆうたんや畳の掃除や除
湿が不充分となり非衛生的であつた。

また、一部には、下端面４隅に直接、キヤスタ
ーを設けて移動可能ならしめたものもあるが、こ
れは常時キヤスターに全荷重が掛けるため、不安
定で、かつ該キヤスター下部の畳やじゆうたんが
凹没変形するという問題があつた。

そのために最近では、例えば第４図に示すよう
にタンス等の台輪２内に、設置面に略平行に取付
けられる支持板１０と、該支持板１０を貫通し延
び、該支持体１０とのねじ係合により上下動可能
とされたねじ付ボルト１１と、該ボルト１１下端
部に取付けられたキヤスター１２を４隅に備え、
該キヤスター１２が前記ボルト１１上端のハンド
ル１３の手回動に伴うボルト１１の上下動に基づ
く高さ調節により前記台輪２内に収納された状態
の位置と該台輪２下面より下方へ突出した位置と
を採り得る移動装置１が台輪２内一方の装着部４
の上側にピン４１により脱着自在に取着されてな
り、通常は、移動装置１を外し、底板３で覆つた
状態で、該タンス等の台輪２下面が設置面に安置
され、タンス等を移動させるときは、底板３の一
部を取外し、移動装置１を装着部４に取着して、
ハンドル１３の操作によりキヤスター１２を台輪
２下面から突出させれば該キヤスター１２により
容易に移動できるようにした移動装置内装型の収
納家具が実開昭62−181250号公報等により提案さ
れている。

（考案が解決しようとする課題） ところで、叙上の如き従来の移動装置内装型の
重量物にあつては、確かに通常は任意の室内位置
に安定して配置でき、かつ移動を要するときは小
さな力でハンドルを回すだけでキヤスータが下方
に突出し、該キヤスターを介して容易に移動でき
るにしても、前記４隅のハンドルを順次１つづつ
手で回動して個々のキヤスターを上下動せしめる
操作自体、極めて煩雑かつ冗長な時間を要するば
かりでなく、上下動時の途中においては４隅の各
キヤスターの高さが絶えず変動して不揃いとなる
ので安定性が極めて悪く転倒等の懸念もあり、重
量物であるだけに危険である等の問題がある。

本考案は、かかる実状に対処してなされたもの
で、その目的とするところは、重量物載台の空所
内に設けた駆動スプロケツトに、下端に移動体を
有するネジボスを取付けた４隅部のネジシヤフト
付スプロケツトをチエーンを介して一連に連結
し、駆動スプロケツトを回転させるだけで４隅部
の移動体を同時に同じ高さに上下動できるように
して載台の上下動を水平かつ迅速ならしめ、以て
重量物の移動を安全かつ容易ならしめる重量物移
動装置を提供することにある。

（課題を解決するための手段） 上記課題を解決するための本考案の重量物移動
装置の特徴は、４周に立設された台枠の略中間高
さ部分に下板が張り渡され、該下板の上方が、そ
の中央部分を残して前記台枠の上端と同一高さで
上板により被われて、重量物を載置する載台が構
成されると共に、該載台の下板上方の中央部空所
内には、ハンドルが設けられ、一方、下板下方の
空所内には、前記ハンドルにより回転可能な駆動
スプロケツトが、また、該空所内４隅部には、ネ
ジシヤフト付スプロケツトと、各ネジシヤフト付
スプロケツトに上下動可能にネジ結合されたネジ
ボス、及び各ネジボス下端部に取り付けられた移
動体が夫々設けられ、さらに、前記駆動スプロケ
ツトと前記４隅部のネジシヤフト付スプロケツト
とを一連に結合するチエーンが設けられているこ
とを特徴とする重量物移動装置を構成したことに
ある。

（作用） しかして、上記構成を備えた本考案の重量物移
動装置は、下方に台枠で囲まれた空所を有する載
台の該空所内に取付けられた駆動スプロケツト
と、上記空所内４隅部に取着けられたネジシヤフ
ト付スプロケツト及び該ネジシヤフト付スプロケ
ツトに上下動可能にネジ結合されたネジボスと、
該ネジボス下端部に取付けられた移動体を備え、
かつ前記駆動スプロケツトと前記４隅部のネジシ
ヤフト付スプロケツトとをチエーンを介して一連
に連結したことにより、上記駆動スプロケツトを
回転させるとチエーンにより一連に連結された４
隅部のネジシヤフト付スプロケツトが一斉に等
速、同方向に連動回転される。

このとき、該ネジシヤフト付スプロケツトに
夫々上下動可能にネジ結合されている各ネジボス
は常に等速、等高に上下動されるので、それら各
ネジボス下端に取付けられている各移動体が重量
物を載置した載台の下方空所内に収納される位置
から該空所内より下方に突出する位置までの上下
高さ間に同時に等速、等高に上下動されることに
なり、したがつて前記載台は駆動スプロケツトを
回転させるだけで迅速、かつ常に水平に上下動さ
れることになる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を添付図面に基づいて更
に詳細に説明する。

第１図は、本考案の重量物移動装置を装着した
載台の一実施例を示す一部破断側面図、第２図は
第１図における重量物移動装置の配置態様を示す
概略上面図、第３図は本考案装置の他の配置態様
を示す一部概略下面図である。

これら各図において、１は、上面に重量物Ｗを
載置する載台２下面の四周を台枠３で囲まれた空
所内に装着した重量物移動装置である。

上記載台２は、第１図に示す如く四周を囲む台
枠３の上端に、直接重量物Ｗを載置する上板２ａ
が、また略中間部の高さ位置に下板２ｂが、その
間に握りこぶし、腕等の挿脱に充分な間隔を有し
て夫々張り渡されており、また台枠３の上記上、
板２ａ，２ｂ間の一側面には図示しないが有蓋の
開口部が開設されている。

そして、第２図にも示す如く上記下板２ｂ中央
の上記開口部寄り側の下方に空所が存する下面に
は、上面側に取付けられたハンドル１０の操作に
より回転される駆動スプロケツト４が回転自在に
軸着されており、また同下板２ｂ下面の四隅部に
は夫々ネジシヤフト付スプロケツト５……が、そ
の回転面を前記駆動スプロケツト４の回転面と面
一にして、かつ夫々のネジシヤフトの下部を下方
に垂下した状態にネジシヤフト付スプロケツト取
付ボス１１……を介して取付けられ、更にそれら
各ネジシヤフトの下部には、下端にフリーベア等
の移動体７を備えたネジボス６……が夫々ねじ結
合されている。

また、上記各ネジボス６には、夫々がネジ結合
しているネジシヤフト付スプロケツト５の回転動
を上下動に変換させるために、上端で前記ネジシ
ヤフト付スプロケツト取付けボス１１……に夫々
垂設固定されたネジボス回転防止ボルト９……が
第１図に示す如く、各ネジボス６……のガイド可
能に近傍に併設されている。

そして、上記の如く配置された四隅部のネジシ
ヤフト付スプロケツト５……には、夫々の各外周
面を捲回して中央部の駆動スプロケツト４の一側
面に至る一連のチエーン８が、第２図に示す如く
懸装されて、前記ハンドル１０の操作に伴う駆動
スプロケツト４の回転に連動して４隅部の各ネジ
シヤフト付スプロケツト５……が一斉に同方向に
回転する如く張設されている。

なお、上面に重量物Ｗを載置する載台２の高さ
が制約されて前記上板２ａがなく、下板２ｂのみ
となり、その上面にハンドル１０が設けられない
場合は、第３図に示す如く下板２ｂ下面に軸着す
る駆動スプロケツト４の位置を台枠３に設けた有
蓋開口部近傍の一側に近接して設け、更にハンド
ル１０も駆動スプロケツト４の下面に設けて開口
部より挿入した指先でハンドル１０操作ができる
ようにすることも可能である。

以上述べた本考案における載台２の形状及びそ
の下方空所内に装着する重量物移動装置１の配設
態様ならびにその移動体７の種類等については何
ら限定されるものではなく、要は前記本考案の要
件を満たし、かつそれによつて前記目的を達成し
得るものであればすべて可能である。

（考案の効果） 以上述べた如く、本考案の重量物移動装置によ
れば、これを下方に空所を有する仏壇等重量物の
載台の、該空所内に装着することにより、駆動ス
プロケツトを回転させるだけで、空所内４隅部の
各移動体が、前記載台の下方空所内に収納される
位置から該空所内より下方に突出する位置までの
上下高さ間を同時に等速、等高で上下動するので
載台は重量物を載置したまま、常に水平に安定し
た状態のまま迅速に上下動することができ、した
がつて重量物の配置、移動が極めて安全かつ容易
となるという顕著なる効果を奏し得るものであ
る。

しかも、本考案重量物移動装置は重量物と別体
のものであり、当初から重量物本体に組み付けて
おいたりせずとも、あるいは、重量物側に移動装
置を係止する部材を設け、該係止部材を介して重
量物移動装置を係止するようなことを行わずと
も、載台上板に重量物の下部を載置するだけで、
直ちに、重量物の移動が可能となる効果も有す
る。

また、重量物を上下動させるためのハンドル
が、載台の、上板に囲まれた空所に装着されてい
るため、この空所に手を入れれば容易にハンドル
操作ができ、手作業により簡単に重量物を上下動
させることができる効果も達成される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の重量物移動装置を装着した載
台の一実施例を示す一部破断側面図、第２図は第
１図における重量物移動装置の配置態様を示す概
略上面図、第３図は本考案装置の他の配置態様を
示す一部概略下面図、第４図は従来の重量物移動
装置である。 Ｗ……重量物、１……重量物移動装置、２……
載台、３……台枠、４……駆動スプロケツト、５
……ネジシヤフト付スプロケツト、６……ネジボ
ス、７……移動体、８……チエーン、９……ネジ
ボス回転防止ボルト、１０……ハンドル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ４周に立設された台枠の略中間高さ部分に下板
   が張り渡され、該下板の上方が、その中央部分を
   残して前記台枠の上端と同一高さで上板により被
   われて、重量物を載置する載台が構成されると共
   に、該載台の下板上方の中央部空所内には、ハン
   ドルが設けられ、一方、下板下方の空所内には、
   前記ハンドルにより回転可能な駆動スプロケツト
   が、また、該空所内４隅部には、ネジシヤフト付
   スプロケツトと、各ネジシヤフト付スプロケツト
   に上下動可能にネジ結合されたネジボス、及び各
   ネジボス下端部に取り付けられた移動体が夫々設
   けられ、さらに、前記駆動スプロケツトと前記４
   隅部のネジシヤフト付スプロケツトとを一連に結
   合するチエーンが設けられていることを特徴とす
   る重量物移動装置。