JP3622124B2 - 天板の高さ調節自在なワゴン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基台の上面に設けた天板の高さを、簡単な手段により、無段階に調節できるようにした天板の高さ調節自在なワゴンに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、スーパーマーケット等では、上面にPOS機器等を備えるチェックアウトカウンターに、商品の入った買物籠や、買物用カートから取り出した商品を載置して、商品の精算を行っているが、客数の多い繁忙時には、チェックアウトカウンターだけでは精算を円滑に行うことができない。
【0003】
そのため、常時はチェックアウトカウンターの下方に収容されているワゴンを、チェックアウトカウンターに連結し、作業領域を広げて、精算作業を行うことがある。
【0004】
効率のよい精算作業を行うには、チェックアウトカウンターとワゴンの上面の高さを等しくして、ワゴンに載置した商品や買物籠を、チェックアウトカウンターに円滑に送れるようにする必要がある。しかし、通常、チェックアウトカウンターは、店員の身長等に応じて、その天板の高さを無段階に調節できるようにしてあるため、ワゴンの天板の高さを調節する手段を設けることも必要となる。
【0005】
従来の昇降装置としては、本出願人による特開平5−266350号公報に記載されているように、チェックアウトカウンターに併設した籠載せ台を無段階に昇降させるようにした電動式の昇降装置や、実用新案登録第3000832号公報に記載されているような机用サイドチェストの上面板を昇降させるリンク機構と、サイドチェスト本体と上限位置に達した上面板との間に配設されて、上面板を上限位置で保持するストッパー機構とを備えるものがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した特開平5−266350号公報に記載された高さ調節手段は、電動式であるため、これをワゴンに適用すると、ワゴンが高価になってしまう。
【0007】
また、実用新案登録第3000832号公報に記載されたリンク機構とストッパー機構とをワゴンに適用し、ワゴンの天板の高さを調節しうるようにしたとしても、天板は下限位置と上限位置とにしか移動できないので、無段階の高さ調節が可能なチェックアウトカウンターに対応することができない。
【0008】
本発明は、従来の技術が有する上述のような問題点に鑑みてなされたもので、簡単かつ安価な装置により、天板の高さを調節しうるようにした、天板の高さ調節自在なワゴンを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1) 下面にキャスタが設けられた基台の上面より、上方を向く連結軸を突設するとともに、この連結軸の上端を天板に止着し、かつ前記基台の上面に上下方向を向く複数のねじ孔を穿設するとともに、各ねじ孔に螺合した高さ調節可能な支持軸の上端をもって、天板を支持する。
【0010】
(2) 上記(1)項において、天板の側端部に、並置されたカウンターやテーブル等の家具本体の係合部と係合して、前記ワゴンを家具本体に連結するための係止具を設ける。
【0011】
(3) 上記(2)項において、ねじ孔を、前記基台の上面の前記係止具から離れた方の側端部にのみ設け、各ねじ孔に支持軸を螺合する。
【0012】
(4) 上記(1)〜(3)項のいずれかにおいて、天板を、常時下方に付勢する付勢手段を設ける。
【0013】
(5) 上記(1)〜(3)項のいずれかにおいて、天板を、常時上方に付勢する付勢手段を設ける。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明(請求項1、2、4記載の発明)を適用した第1の実施例を、図1〜4を参照しながら説明する。
尚、以下の説明においては、図1の右側を「後方」、左側を「前方」とする。
【0015】
(1)は、下端部にアジャスタ(2)(2)を備えるとともに、後面及び下面が開口する中空の基台(3)の上面に天板(4)を設けたチェックアウトカウンターであり、天板(4)の上面には、ディスプレイ(5)、キーボード(6)、スキャナ装置(7)等からなるPOS機器が設置されている。
【0016】
(8)は、天板(4)の後端部における左右両側縁に配設されたガードストッパーで、天板(4)上の図示しない買物籠商品が、天板(4)から落下するのを防止するためのものである。
【0017】
(9)(9)は、基台(3)の後面上端部の左右2個所に固着された、平面視前向きU字状をなす連結杆で、後述する本発明のワゴン(10)の係止杆(24)(24)と係合するものである。
【0018】
ワゴン(10)は、下面にキャスタ(11)を有する中空の基台(12)と、基台(12)の上方に配設され、基台(12)の上面を覆う天板(22)とを備えており、基台(12)の右側側面は開口している。
【0019】
図3に示すように、基台(12)の上板(12a)の下面中央部の左右2個所には座金(13)(13)が固着され、上板(12a)と座金(13)(13)とに設けた、互いに整合する通孔 (14)(15) には、上部をねじ軸(16a)とした垂直の連結軸(16)(16)が貫挿されている。
【0020】
連結軸(16)は、天板(22)の下面における前記通孔(14)(15)と対向する位置に設けたねじ孔(23)へ強固に螺合されており、天板(22)は上下動可能となっている。
【0021】
連結軸(16)の下端には、フランジ(17)を設けてあり、このフランジ(17)と座金(13)の間には、コイル圧縮ばね(18)が縮設され、天板(22)を常時下方に向けて付勢している。
【0022】
基台(12)の上板(12a)における下面四隅には、ナット(19)(19)が固着されており、また上板(12a)におけるナット(19)のねじ孔と整合する位置には、通孔(20)が設けられている。
【0023】
ナット (19) と通孔(20)へ下方から挿入した有頭ボルト(21)を、上板(12)から上方へ等しく突出させ、天板(22)の下面四隅を、各有頭ボルト(21)の上端に載置することにより、天板(22)は支持されている。
【0024】
天板(22)の下面前縁における左右2個所には、側面視倒立後向L字形をなすとともに、左右方向に延びる係止杆(24)(24)が固着されており、その垂下片(25)(25)を、前述したチェックアウトカウンター(1)の連結杆(9)(9)に上方から係合することにより、ワゴン(10)をチェックアウトカウンター(1)に連結することができる。
【0025】
ワゴン(10)をチェックアウトカウンター(1)から分離し、コイル圧縮ばね(18)の付勢力に抗して、天板(22)を上方に持ち上げた後、基台(12)の右側面、或いは天板(22)と基台(12)との間から有頭ボルト(21)の突出量を増大させ、再び天板(22)を有頭ボルト(21)に載置すれば、天板(22)を所定位置まで上昇させることができる。
【0026】
天板(22)を手で支持して、或いは支持することなく、有頭ボルト(21)の突出量を減少させ、再び天板(22)を有頭ボルト(21)に載置すれば、天板(22)を所定位置まで下降させることができる。
【0027】
ワゴン(10)の高さ調節を行い、天板(22)とチェックアウトカウンター(1)の天板(4)とが等高となるようにした後、係止杆(24)を連結杆(9)に係合し、図1に示すように、天板(4)(22)の上面が同一面となるようにして、ワゴン(10)をチェックアウトカウンター(1)に連結することができる。
【0028】
ワゴン(10)をチェックアウトカウンター(1)から分離した後、天板(22)を、基台(12)の上面に当接する下限位置まで降下させれば、図4に示すように、ワゴン(10)をチェックアウトカウンター(1)の内部に収納することができる。
【0029】
このように本実施例によれば、簡単かつ安価な装置により、ワゴン(10)の天板(22)の高さを無段階に調節することができる。
また、コイル圧縮ばね(18)により天板(22)は下方に付勢されているので、天板(22)が軽量であっても、天板(22)が妄りに浮き上がることはなく、天板(22)上の商品等が落下するおそれはない。
【0030】
次ぎに、本発明(請求項1〜4記載の発明)を適用した第2の実施例を、図5及び図6を参照しながら説明する。
尚、第1の実施例と同様の部材には、同じ符号を付すに止めて、その詳細な説明は省略する。
【0031】
本実施例のワゴン(10)では、連結軸(16)が貫通する通孔(14)(15)は、上板(12a)の前端部にのみ設けられ、有頭ボルト(21)が貫通する通孔(20)は、係止具(24)(24)から離れた方の上板(12a)の後端部にのみ設けてあり、より簡単かつ安価な構造となっている。
【0032】
天板(22)を持ち上げて、係止具(24)(24)をチェックアウトカウンター(1)の連結杆(9)に上方から係合した後、有頭ボルト(21)の突出量を調整して、天板(22)を水平にすれば、天板(4)(22)同士が等高となるようにして、ワゴン(10)をチェックアウトカウンター(1)に連結できる。
【0033】
このように本実施例では、本来チェックアウトカウンター(1)とワゴン(10)とを連結するための手段である係止具(24)(24)を利用して、天板(22)の前端部を支持しているので、有頭ボルト(21)は、基台(12)の上板(12a)の後側部のみにあればよく、有頭ボルト(21)、通孔(20)及びナット(19)の数は少なくなっている。
【0034】
連結軸(16)は、基台(12)の上板(12a)の中央部や前端部にあってもよく、また連結軸(16)は1本でもよい。
【0035】
第1の実施例及び第2の実施例ともに、連結軸(16)のフランジ(17)と座金(13)との間に、コイル圧縮ばね(18)を縮設する代わりに、基台(12)の上板(12a)と天板(22)との間に、コイル圧縮ばねを縮設して、常時天板(22)を上方に付勢することもある。
このようにすれば、有頭ボルト(21)のみによって行われている天板(22)の支持を補助することができ、天板(22)上に、より多くの商品等を載置できるようになる。
【0036】
【発明の効果】
本発明によると、次のような効果を奏することができる。
(a) 請求項1記載の発明によれば、簡単かつ安価な装置により、ワゴンの天板の高さを無段階に調節することができる。
【0037】
(b) 請求項2記載の発明によれば、ワゴンを家具本体に連結して、商品の精算等を行うための作業領域を広げることができる。
【0038】
(c) 請求項3記載の発明によれば、より簡単かつ安価な装置により、ワゴンの天板の高さを無段階に調節することができる。
【0039】
(d) 請求項4記載の発明によれば、天板が軽量であっても、天板が妄りに浮き上がることはないので、天板上の商品等が落下するおそれがない。
【0040】
(e) 請求項5記載の発明によれば、支持軸のみによって行われている天板の支持を補助することができ、天板上に、より多くの商品等を載置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例のワゴンを、チェックアウトカウンターに連結した状態を示す側面図である。
【図2】同じくワゴンの斜視図である。
【図3】同じくチェックアウトカウンター及びワゴンの要部の縦断側面図である。
【図4】同じくワゴンをチェックアウトカウンターから分離した状態を示す側面図である。
【図5】本発明の第2の実施例のワゴンの斜視図である。
【図6】同じくチェックアウトカウンター及びワゴンの要部の縦断側面図である。
【符号の説明】
(1)チェックアウトカウンター(家具本体)
(2)アジャスタ
(3)基台
(4)天板
(5)ディスプレイ
(6)キーボード
(7)スキャナ装置
(8)ガードストッパー
(9)連結杆(係合部)
(10)ワゴン
(11)キャスタ
(12)基台
(12a)上板
(12b)側板
(13)座金
(14)(15)通孔
(16)連結軸
(16a)ねじ軸
(17)フランジ
(18)コイル圧縮ばね(付勢手段)
(19)ナット
(20)通孔
(21)有頭ボルト(支持軸)
(22)天板
(23)ねじ孔
(24)係止杆
(25)垂下片
Claims (5)
- 下面にキャスタが設けられた基台の上面より、上方を向く連結軸を突設するとともに、この連結軸の上端を天板に止着し、かつ前記基台の上面に上下方向を向く複数のねじ孔を穿設するとともに、各ねじ孔に螺合した高さ調節可能な支持軸の上端をもって、天板を支持するようにしたことを特徴とする天板の高さ調節自在なワゴン。
- 天板の側端部に、並置されたカウンターやテーブル等の家具本体の係合部と係合して、前記ワゴンを家具本体に連結する係止具を設けた請求項1記載の天板の高さ調節自在なワゴン。
- ねじ孔を、前記基台の上面の前記係止具から離れた方の側端部にのみ設け、各ねじ孔に支持軸を螺合した請求項2記載の天板の高さ調節自在なワゴン。
- 天板を、常時下方に付勢する付勢手段を設けた請求項1〜3のいずれかに記載の天板の高さ調節自在なワゴン。
- 天板を、常時上方に付勢する付勢手段を設けた請求項1〜3のいずれかに記載の天板の高さ調節自在なワゴン。
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