JP5100995B2 - 実験台 - Google Patents

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Description

本発明は、シンクを有するコア部に対して、天板を有するテーブルを、前記コア部に取り付けて構成した実験台に関する。
従来の実験台は、シンク本体を中央位置、その両脇に実験台に適した天板を備えたテーブルを配置したものが、特に学校等の実験室に多く存在し公知である。シンク本体には水やガスを供給可能な水道管およびガス管や排水管が備えられていることから、この設置位置は固定されている。テーブルは実験中に移動しないようにシンク本体に対し、移動不能に一体に構成されているため実験中のテーブルの移動が防止され実験時の安定性を確保している。(例えば、特許文献1参照)。
特開平5−38456号公報(段落0007〜0008、図3)
しかしながら特許文献1にあっては、実験室内のレイアウトの変更を行う際、すでにシンク本体内には水道管およびガス管や配水管が配管されていることから、シンク本体の移動は現実的ではない。そこで、シンク本体の両脇位置に固定されたテーブルを取り外すか、またはテーブルを追加することでレイアウト変更は可能ではあるが、実験台はテーブルとシンク本体が一体で形成されたものなので、両者を簡便に分離できずに手間と時間が掛かるとともに、取り外し後のテーブルを単独で使用することが出来なかった。また、テーブルの分離後において、シンク本体にはテーブルの取付跡が露出してしまい見栄えが良いものではなかった。一方テーブルを追加する場合はレイアウトの変更に限界があった。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、シンク本体とテーブルとの着脱を簡便に行えるとともに、テーブルの連結時にはシンク本体と確実に連結され、さらにテーブルを取り外し分離した場合には、テーブルを独立して使用でき、しかもレイアウト変更が容易に可能な実験台を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の実験台は、シンクを有するコア部に対して、天板を有するテーブルを、前記コア部に取り付けて構成した実験台であって、前記テーブルは床面に立設される脚体によって単独で接地され、前記コア部の左右側面あるいは後側面に接続具を介して、前記テーブルが着脱可能に連結され、前記接続具は、前記テーブルの脚柱間に架設された連結杆に前記コア部方向に貫通して離脱不能に保持される連結ボルトと、前記コア部の側面に設けた前記連結ボルトと螺合するボルト受け部材とからなり、前記連結ボルトには、前記ボルト受け部材への螺入方向とは逆方向に付勢するバネを備えていることを特徴としている。
この特徴によれば、接続具を用いたことでコア部とテーブルの着脱が簡便かつ確実に行えるとともに、コア部からテーブルを分離した時には、床面に立設される脚体によってテーブルがコア部から独立して単独で使用できるので、実験台を所望の利用形態に合わせて容易に変更でき、適宜レイアウト変更が行える。そして連結杆には予め連結ボルトを離脱不能に保持したことで、コア部とテーブルを近接した際に、連結のための連結ボルトを探す手間が省け、迅速に連結ボルトの回動操作を行うことができ、コア部にテーブルが簡便に取り付けられるとともに、この取り付け位置が天板の下面に位置され外部から遮蔽されるので美観を損なうことがない。更にボルト受け部材と連結ボルトの非螺合時には、バネ力によりコア部の反対方向に押圧されるので、テーブルをコア部から分離した状態において、連結ボルトが外方に突設されることがなく、テーブルを安全に使用できる。
本発明の請求項に記載の実験台は、請求項に記載の実験台であって、前記テーブルには、該テーブルと前記コア部との連結状態において、前記連結杆の外方には前記コア部の側面と当接できる緩衝材が設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、テーブルとコア部とが緩衝材を介して連結されるので、両者の接続時の衝撃を抑え、連結ボルトの締めすぎによるテーブルとコア部との当接傷を生じさせることもない。
本発明の請求項に記載の実験台は、シンクを有するコア部に対して、天板を有するテーブルを、前記コア部に取り付けて構成した実験台であって、前記テーブルは床面に立設される脚体によって単独で接地され、前記コア部の左右側面あるいは後側面に接続具を介して、前記テーブルが着脱可能に連結され、
前記接続具は、前記コア部に固定される固定片と、該固定片に対して上方に回動し前記天板の下面に着脱自在に固着される可動片と、からなり、前記テーブルが前記コア部から分離した状態においては、前記可動片が下方に回動し前記コア部の側面に沿って前記固定片に向かって折り畳まれるものとしたことを特徴としている。
この特徴によれば、コア部にテーブルが連結された状態においては、接続具が天板の下面に位置され外部から遮蔽されるので美観を損なうことがない。そして、テーブルをコア部から分離した状態においては、可動片が固定片に向かって折り畳まれることで、コア部と固定片の取り付け箇所が遮蔽されるとともに、可動片が外部に突設することがなく、服や手足等が可動片と引っ掛かったり、ぶつかったりせず安全性を高めることができる。
本発明の請求項に記載の実験台は、請求項に記載の実験台であって、前記コア部の左右側面または後面には、前記接続具を固定するネジ穴が上下方向に複数形成され、少なくとも前記接続具を前記ネジ穴の上下2箇所で螺着したことを特徴としている。
この特徴によれば、少なくとも接続具が上下2箇所のネジ穴に螺着されるので、コア部に対して回動する虞がなくなり、接続具のズレを確実に防止できるとともに、ネジ穴が上下に複数設けられているので、接続具の取り付け位置を適宜変更可能であり、容易に天板の高さの違うテーブルをコア部に連結可能となる。
本発明の請求項に記載の実験台は、請求項1乃至のいずれかに記載の実験台であって、前記接続具は、前記コア部の左右側面または後面の幅方向において、所定距離離間した状態で複数取り付けられることを特徴としている。
この特徴によれば、接続具がコア部の左右側面または後面の幅方向に複数取り付けられることにより、テーブルがコア部に対してより安定して連結される。
本発明の請求項に記載の実験台は、請求項1乃至のいずれかに記載の実験台であって、前記テーブルは、前記コア部に連結したときの取付幅が、前記コア部の前後幅、もしくは左右幅に略整合するものとしたことを特徴としている。
この特徴によれば、テーブルをコア部に連結したときに、天板の幅とコア部の幅とが整合するので、コア部またはテーブルのいずれかが段付きとなって使用者側に突出することがなく、服の引っ掛かりや怪我が未然に防止される。
本発明の請求項に記載の実験台は、請求項1乃至のいずれかに記載の実験台であって、前記テーブルの脚体にキャスタを設けたことを特徴としている。
この特徴によれば、コア部からテーブルを分離した後、テーブルの移動がキャスタにより容易に行えるとともに、テーブルの連結時にもコア部に近接する位置まで円滑に移動できるので、コア部とテーブルの分離および連結作業を迅速に行える。
本発明の請求項に記載の実験台は、請求項に記載の実験台であって、前記コア部側に位置する前記脚体にのみ前記キャスタを設けたことを特徴としている。
この特徴によれば、コア部とテーブルの分離時および連結時には、コア部と近接される天板の対向側を持ち上げるだけでテーブルを容易移動でき、特にテーブルの分離時にはキャスタを設けない脚体が床面に直に接地されるので、テーブルが安定して支持される。
本発明の実施例を以下に説明する。
図1は、本発明の実施例1における実験台の全体像を示す斜視図であり、図2は、実験台のコア部を示す斜視図であり、図3(a)は、テーブルをコア部に取り付ける過程を示す側面図であり、図3(b)は、テーブルをコア部に取り付けた平面図であり、図4は、テーブルとコア部の連結直前の状態を示す要部拡大側断面図であり、図5は、テーブルにコア部を連結した状態を示す要部拡大側断面図である。
図1に示されるように実験台1は、特に学校等の理化学の実験室および研究室に複数台設置され、例えば複数の人数で共同実験を行う際に利用される多機能な実験台であり、研究者や実習生の研究および実験等に使用される。以下、本実施例の説明において、図1に図示された上方が開放されたシンク8に対面した状態で見て、シンク8の手前側を前方とし、シンク8の奥行き側を後方とし、左手側を左方、右手側を右方として説明する。
この実験台1は、床面に載置固定されたコア部2と、このコア部2の左右側面板2c,2dに各々接続され、一体となるように着脱自在に取り付けられたテーブル11,11からなり、後述において詳しく説明するが両テーブル11,11は接続具を介してコア部2に連結固定されている。
これらテーブル11,11は後述においても説明するが、それぞれコア部と分離して単独でも使用可能なテーブル11,11である。詳しくはテーブル11には、左右の長さ方向に延びる矩形の天板12と、天板12の下面の角部近傍に各々設けられた脚体である4本の脚柱14,15とで構成され、コア部2側の前後2本の脚柱15の下端部には、それぞれ回動移動可能なロック機能付きのキャスタ16が設けられている。天板12の下面12aには物を載置可能な収納棚17が設けられ、使用者A等の手荷物を収納可能になっている(図3参照)。
このように、天板12は4本からなる脚柱14,15で支持されているため、天板2の使用時においてもガタツキが防止され、安定して実験等の作業を行うことができる。さらにテーブル11がコア部2に取り付けられた状態では、コア部2の前後方向の長さ(テーブル11との取付幅)と、このテーブル11の前後方向の長さが互いに整合されるように形成されており、実験台1の周囲で実験等の作業を行う使用者A側に突出しない構成となっているので、服の引っ掛かりや怪我の防止も未然に防止される。
図2に示されるように、コア部2の上面板2eの前方には水およびお湯を供給可能な蛇口8aを備えたシンク8が設けられ、中間位置に左右一対でガスバーナー等が接続可能なガス栓10,10が設けられている。この上面板2eの後方には蓋部材18で閉蓋された前方と同じシンクが前後対称に備えられ、このシンクを特に使用しない場合には、図示されているようにシンクの上部が蓋部材18で閉蓋され、この蓋部材18の上面はテーブルとして利用される。
コア部2の前面板2aには前方のシンク8から取り外された蓋部材18が取り付けられている。また、蛇口8aの不使用時には蛇口8aを回動してシンク8内に収納可能になっているので、蓋部材18で閉蓋することができる。また、蛇口8aには水道管,ガス栓10にはガス管,シンク8には配水管がそれぞれ接続されており、これら管は床面21の下方に向けて配管されている。
コア部2の右側面板2cには、前後に所定間隔離間して、一対のボルト穴36a,36aが形成された接続具の一部であるボルト受け部材36が設けられており、これらボルト穴36a,36aに後述する連結ボルトを螺合可能になっている。ボルト穴36a,36aの下方には電気を給電可能なコンセント4,4が形成されており、実験器具を接続可能になっている。
同様にして、コア部2の左側面板2dにも、一対のボルト穴36a,36aおよびコンセント4,4が、左側面板2dに設けたそれらと対向する位置に設けられている。尚、右側面板2cと左側面板2dへのテーブル11,11の取り付け構造は左右対称の同構成のため、以下の説明において右側面板2cにおけるテーブル11の取り付けについて説明をし、左側面板2dにおけるテーブル11の取り付けについての説明を割愛する。
図3(b)に示されるように、前後一対の脚柱15,15間と脚柱14,14間は、中空矩形管状に押出し成型された連結杆32,32’でそれぞれ連結され、この左右の連結杆32,32’が前後一対の補強材37,37で連結されたことで、天板12の支持強度をさらに高めている。脚柱15,15の連結杆32の左側面には、上面視コ字状(右向き)に折曲形成されたボルト案内金具34,34が熱溶着され連結固定されている。
これら連結杆32およびボルト案内金具34には、コア部2にテーブル11が接続された状態において、前述した右側面板2cの一対のボルト受け部材36,36と重なる同じ高さ位置に、接続具の一部である連結ボルト30が左方から右方に貫通され、離脱不能に取り付けられている。尚、ボルト受け部材36,36および連結ボルト30,30を、コア部2の右側面板2cの前後の幅方向に所定距離離間した状態で設けたことで、テーブル11がコア部2に対してより安定して連結されている。尚、連結ボルト30とその近傍の構成については後述において具体的に説明する。
次に、独立したテーブル11をコア部2に連結するには、図3(a)に示されるように、脚柱15のキャスタ16のロックを予め解除しておき、脚柱14側の天板12が使用者Aに持ち上げられることで、床面21に接地された脚柱14の下端が上方に離間され接地状態にない。この状態を維持したままで使用者Aによってテーブル11を矢示されるコア部2の方向に移動させていくと、キャスタ16の回動によりテーブル11が床面21に沿って円滑に移動され、コア部2の右側面板2cに近接されていく。そして、テーブル11の天板12をコア部2の右側面板2cに当接させ、脚14を床面21に接地させる。
そして、図3(b)に示されるように、連結ボルト30をボルト受け部材36に螺合することで、コア部2にテーブル11が連結される。尚、接続具を構成する連結ボルト30およびボルト受け部材36の螺合によって、テーブル11が移動されることはまずないが、慎重を期してキャスタ16をロックして回動を阻止することで脚柱15の下部移動が確実に防止され、テーブルを安定した状態で支持できる。
また、キャスタ16が脚柱15に設けられたことで、コア部2から分離したテーブル11の移動も容易に行えるとともに、テーブル11の取り付け時にもコア部2に近接する位置まで円滑に移動できるので、コア部2とテーブル11の分離および連結作業を迅速に行えるとともに、このコア部2側に位置する脚柱15にのみキャスタ16を設けたことで、特にコア部2とテーブル11の分離時には、キャスタ16を設けない脚柱14が床面に直に接地されるので、テーブル11を不動に支持できる。
次いで、図4および図5に示されるように、連結ボルト30とボルト受け部材36の連結構造および、その連結過程について具体的に説明する。まず、図4に示されるように、予め右側面板2cには左右に貫通する取付孔2fが形成されており、この取付穴2fにコア部2の内方から外方に向けてボルト穴36aが形成されたボルト受け部材36が圧入されている。尚、ボルト受け部材36は右側面板2cから外方に突出しない長さとなっているため、テーブル11を分離してコア部2を単独で使用する場合においても、服や手の引っ掛かりを生じさせることなく安全性が高められている。
脚柱15,15間に熱溶着された連結杆32の左右側面には、連結ボルト30を左右方向に貫通可能な貫通孔32aおよび貫通孔32bが形成され、連結杆32に連結されたボルト案内金具34にも、貫通孔32aと重なる位置に貫通孔34aが形成されている。これら貫通孔32a,32b,34aは、コア部2にテーブル11を当接させた状態において、ボルト受け部材36のボルト穴36aと左右方向に重なる位置で形成されている。
連結ボルト30には、ボルト受け部材36のボルト穴36aに螺合可能な螺合部30aと、このボルトを回動操作する操作部30cと、螺合部30aよりもやや右方側に形成された鍔部30bと、から構成されており、前述の貫通孔32a,32b,34aに貫通して左右方向に移動可能に取り付けられ、螺合部30aの先端側が貫通孔34aから左方に向けて若干突出されている。
ボルト案内金具34内における連結ボルト30の外周には、連結ボルト30のボルト受け部材36への螺入方向とは逆方向に付勢するバネ35が設けられ、このバネ35の左側端がボルト案内金具34に、右側端が鍔部30bにそれぞれ保持されている。鍔部30bの径の大きさは、連結杆32の貫通孔32aおよびボルト案内部材34の貫通孔34aの径よりも大径となっており、これら貫通孔32aと貫通孔34a間で連結ボルト30の移動が規制される構成となっているため、連結杆32から連結ボルト30が離脱不能に保持されている。
そして、連結ボルト30とボルト受け部材36の非螺合時において、鍔部30bがバネ35のバネ力によりコア部2の反対方向に押圧される。つまり、テーブル11をコア部2から分離した状態において、連結ボルト30が外方に突設することが未然に防止されることから、テーブル11を安全性に使用することができる。また、連結ボルト30が連結杆32から離脱不能に保持されているので、コア部2とテーブル11の分離状態においても、連結ボルト30を誤って紛失する虞がない。
ボルト案内金具34の貫通孔34aの上部位置には嵌合孔34bが形成されており、この嵌合孔34bにコア部2側に向けて凸設するように弾性ゴム状の緩衝材33が取り付けられている。この緩衝材33によって、例えば前述のように使用者Aによってコア部2に向けてテーブル11が移動される際に、このテーブル11が勢い良く移動されてしまった場合であっても、コア部2とテーブル11とが緩衝材33を介して接続されるので、両者の接続時の衝撃を抑え、衝突による傷を互いに生じさせることがない。また、連結ボルトの締めすぎによるテーブルとコア部との当接傷を生じさせることもない。
次いで、図5に示されるように、連結ボルト30の操作部30cをバネ35の付勢方向とは逆方向に向けて操作しながら、螺合部30aをボルト穴36aに螺入させていくことでバネ35がコア部2方向に圧縮されながら、バネ受け部材36に連結ボルト30が螺合されていく。尚、操作部30cの形状が大きな略円球状で、且つ周囲に滑り止め溝を形成されているため作業時に使用者Aは把持および回動し易く、しかも滑りにくく操作し易い構造になっている。また、この螺合時においても、緩衝材33を介してテーブル11とコア部2が接続されることで、ボルト案内金具34が直に右側面板2cに接触することを防止でき、傷を生じさせることがない。
このように、ボルト案内部材34によって連結杆32には、予め連結ボルト30を離脱不能に保持したことで、コア部2とテーブル11を近接した際に、常に連結ボルト30は同じ位置(本実施例では脚柱15の上部近傍)で離脱不能に保持されるので、連結ボルト30を探す手間が省け、迅速に連結ボルト30の回動操作によってコア部2の側面(本実施例では右側面板2c)に設けたボルト受け部材36に螺合を行うことができ、コア部2にテーブル11を即座に取り付けることができるとともに、この取り付け位置が天板12の下面12aに位置され外部から遮蔽されるので美観を損なうことがない。
以上の説明から、連結ボルト30およびボルト受け部材36からなる接続具を用いたことで、コア部2とテーブル11の着脱が簡便、確実且つ迅速に行えるとともに、コア部2からテーブル11を分離した時には、床面21に立設される脚体によってテーブル11がコア部2から独立して単独で使用できるので、実験台1を所望の利用形態に合わせて容易に変更でき、適宜レイアウト変更が行える。
次に、本発明の実施例2を図6〜8に基づいて説明する。図6は、コア部を示す斜視図であり、図7(a)は、テーブルをコア部に取り付ける過程を示す側面図であり、図7(b)は、テーブルをコア部に取り付けた側面図であり、図8(a)は、接続具の解放操作を示す要部拡大側面図であり、図8(b)は、接続具とテーブルの接続過程を示す要部拡大側断面図であり、図9は、本発明の実施例2における使用変形例を示す実験台の側面図である。尚、以下の実施例2において前述の実施例1と同様の構造部分に関しては、同一の符号を付すことにより詳細な説明は省略することにする。
図6に示されるように、コア部2’の右側面板2cには、前後に所定間隔離間して、一対のネジ穴3,3が上下方向に等間隔で複数形成されている。ネジ穴3,3の下方には電気を給電可能なコンセント4,4が形成されており、実験器具が接続可能になっている。ネジ穴3,3には金属製の接続具5が取り付けられている。同様にして、コア部2’の左側面板2dにも、複数のネジ穴3、接続具5およびコンセント4が、左側面板2dに設けたそれらと対向する位置に設けられている。
次に、独立したテーブル11をコア部2’に連結するには、図7(a)に示されるように、使用者Aによってテーブル11を矢示されるコア部2’の方向に移動させると、キャスタ16の回動によりテーブル11が床面16に沿って円滑に移動され、コア部2’の右側面板2cに近接されていく。そして、テーブル11の天板12をコア部2’の右側面板2cに当接又は近接させて、図7(b)に示されるように、右側面板2cに設けられた接続具5を介して、コア部2’にテーブル11を連結する。
次いで、図8(a)に示されるように、接続具5について具体的に説明すると、接続具5は固定片6と可動片7とで構成され、可動片7が固定片6に回動自在に軸支されており、コア部2’からテーブル11が分離独立された状態においては、可動片7が下方に回動してコア部2’の右側面板2cに沿って、固定片6上に折り畳まれている。
固定片6は右側面板2cに沿って当接される取付部6aと、この取付部6aの前後側端から右方に向けて延びた屈曲部6cと、取付部6aを貫通するネジ孔6b,6bとで構成され、可動片7は天板12の下面12aに当接される取付部7aと、この取付部7aの前後側端から左方に向けて折り曲げ形成された屈曲部7cと、取付部7aを貫通するボルト孔7bとで構成されている。
図8(b)に示されるように、固定片6は2本のネジ20がそれぞれ上下のネジ孔6b,6bを介して、右側面板2cの複数形成されたネジ穴3,3の2箇所に螺合することで固定されている。このように、固定片6が上下2箇所のネジ穴3を介して螺着されるので、コア部2’に対して回動する虞がなくなり、接続具5のズレを確実に防止できるとともに、ネジ穴3が上下に複数設けられているので、天板2の高さに合わせて容易に接続具5の取り付け位置を変更することができる。
コア部2’にテーブル11を連結する際は、可動片7を上方に回動させながら天板12の下面12aに取付部7aを当接させ、ボルト19をボルト孔7bを介して、天板12の下面12aから上方に向けて形成されたボルト穴13に螺合することで、可動片7が天板12に固着される。2つの接続具5,5が所定間隔離間されているので、テーブル11がコア部2’に対してより安定して連結される(図6参照)。このようにして、接続具5を介してコア部2’にテーブル11を簡便に連結することができるとともに、コア部2’にテーブル11が取り付けられた状態においては、接続具5が天板12の下面12aに位置され、外部から遮蔽されるので美観を損なうことがない。
コア部2’からテーブル11を分離するには、ボルト19をボルト穴13から取り外して連結状態を解除すればよい。このとき、図8(a)に示されるように、可動片7の前後の屈曲部7cが固定片6の前後の屈曲部6cに向けて覆うように折り畳まれることで、テーブル11をコア部2’から分離独立した状態においても、可動片7の取付部7aおよび前後の屈曲部7cで、コア部2’と固定片6との取り付け箇所(ネジ20,20等)が露呈しないように遮蔽されるとともに、可動片7が外部に突設していないので、使用者Aの服や手足等の引っ掛かりを防止して安全性が高められている(図6参照)。尚、コア部2’の左側面板2dも接続具5を介してテーブル11が連結分離可能であるが、構造及び作用が右側面板2c側と同じであるのでその説明を割愛する。
次に、本発明の実施例2の使用変形例を図9に基づいて説明する。図9に示されるように、コア部2’の左右側面板2c,2dに取り付けられるテーブル11’は、コア部2’の上面板2eよりも低い高さの脚柱14’,15’が立設されており、この丈の低いテーブル11’をコア部2’に連結する場合でも、左右側面板2c,2dには上下方向に、複数のネジ穴が形成されている。
そこで、連結具5を天板12の高さに合うようにネジ穴を選定して位置調整してから固定片6をネジで螺着し、天板12の下面12aに可動片7をボルトで固着することで、コア部2’にテーブル11’が連結され、丈の低いテーブル11’を備えた新たな実験台1’’を簡便に構成できる。このように、ネジ穴が上下に複数設けられているので、接続具5の取り付け位置を適宜変更可能であり、天板12の高さの違うテーブル11でも容易にコア部2’に連結可能となる。
以上の説明により、実施例1とは異なる接続具5を用いた場合であっても、コア部2’とテーブル11の連結、分離が簡便、且つ確実に行えるとともに、コア部2’からテーブル11を分離した時には、床面21に立設される脚柱14,15によってテーブル11がコア部2’から独立して単独で使用できるので、実験台1’を所望の利用形態に合わせて容易に変更できる。
次に、本発明の実施例3を図10に基づいて説明する。図10は、本発明の実施例3における実験台1’’’を示す斜視図である。尚、以下の実施例3において前述の実施例1及び2と共通の構造部分に関しては、同一の符号を付すことにより詳細な説明は省略することにする。
図10に示されるように、コア部2’’には上面視コ字状の上面板2e’の前方にシンク8、後方にガス栓10が設けられ、コア部2’’の後面板2bに上下方向に複数のネジ穴3,3が左右方向に離間した状態で形成され、これらネジ穴3,3に左右一対の接続具5の固定片6が螺着されている。接続具5の可動片7が上方に回動され、左右幅がコア部2’’の上面板2e’の取付幅と略同幅で、前後の長さ方向に延びる矩形の天板12’の下面12aに、ボルト孔7bを介してボルト19を螺合することで、コア部2’’の後面板2bにテーブル11’’が連結され、上記の実施例1又は2とは形態の異なる実験台1’’’が構成される。
このコア部2’’の後面板2bにテーブル11’’が取り付けられた実験台1’’’においても、テーブル11’’の取付時には接続具5を介してコア部2’’とテーブル11’’とが確実に連結され、さらに、コア部2’’からテーブル11’’を分離した時には、床面21に立設される天板12’の角部に各々立設された脚柱14,15によってテーブル11’’がコア部2’’から分離して単独で使用することができる。
さらに前後方向に延びる長さのある天板12’であっても、コア部2’’側に位置する脚柱15,15にはキャスタ16が設けられているので、コア部2’’から分離後のテーブル11’’の移動も、また連結時のテーブル11’’のコア部2’’までの移動も円滑に行えるので、コア部2’’とテーブル11’’の分離および連結作業が迅速に行える。尚、接続具5は実施例2で示した固定片と可動片から成るものを使用しているが、実施例1で示した連結ボルトとボルト受け部材で構成した接続具を使用することもできる。
以上のように説明した実施例2,3の実験台1’,1’’,1’’’を教室に配置したレイアウトが、図11に示されており、教壇Kの配置された教室内には、コア部2’,2’’や、シンク8を蓋部材18で閉蓋して作業台としたコア部2’,2’’が適宜所定の位置に設置され、これらコア部2’,2’’の側面に通常のテーブル11や丈の低いテーブル11’、長さ幅のあるテーブル11’’が接続具を介して連結されている。
このように、実験台を所望の利用形態に合わせて容易に変更でき、コア部とテーブルの一体型や、コア部とテーブルの独立型等をいろいろ組み合わせて、教室内に配置することで適宜レイアウト変更が行える。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれ、例えば実施例1では、連結ボルト30を離脱不能に連結杆32に保持したことで、コア部2にテーブル11を連結する際に連結ボルト30を探す手間が省け、迅速かつ容易にボルト受け部材36に螺合できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、コア部2とテーブル11の分離状態時には、連結ボルト30を連結杆32から取り外して、別途保管可能な構成にしても良い。
また、実施例1では、連結ボルト30にバネ35を設けたことにより、連結ボルト30の非螺合時には、バネ力により自動的にコア部2の反対方向に押圧され、連結ボルト30の先端がテーブル11の内方に収納されるので、テーブル11をコア部から分離して単独で使用する際にも安全に使用できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、連結ボルト30の非螺合時にはバネ35を用いることなく、使用者Aが手動で連結ボルト30をテーブル11の内方に収納しても良い。
また、本発明の接続具は上記実施例1又は2に示したもの限定されるものではなく、例えばテーブル側に係止爪を設け、コア部側にこの係止爪が挿し込まれることが可能な嵌合孔を備え、テーブルをコア部に連結する際に、係止爪が嵌合孔に挿し込まれるようにした接続具であっても良い。
また、上記実施例1、2では各コア部2,2’の左右側面板2c,2dにテーブル11,11’を連結し、上記実施例3ではコア部2’’の後面板2bにテーブル11’’を取り付けているが、本発明はこれらコア部2,2’,2’’に取り付けられるテーブル11,11’,11’’の形状を限定するものではなく、例えば、テーブルを上面視L字状の天板とし、このL字の折り曲げ凹部にコア部の後面板と左側面板または右側面板の2側面を組み合わせて連結するようにしてもよく、また、テーブルを上面視凹状の天板とし、この凹状の窪みにコア部の後面板と左側面板および右側面板の3側面を嵌合させ連結してもよい。
本発明の実施例1における実験台の全体像を示す斜視図である。 実験台のコア部を示す斜視図である。 (a)は、テーブルをコア部に取り付ける過程を示す側面図であり、(b)は、テーブルをコア部に取り付けた平面図である。 テーブルとコア部の連結直前の状態を示す要部拡大側断面図である。 テーブルにコア部を連結した状態を示す要部拡大側断面図である。 本発明の実施例2における実験台のコア部を示す斜視図である。 (a)は、テーブルをコア部に取り付ける過程を示す側面図であり、(b)は、テーブルをコア部に取り付けた側面図である。 (a)は、接続具の解放操作を示す要部拡大側面図であり、(b)は、接続具とテーブルの接続過程を示す要部拡大側断面図である。 本発明の実施例2における使用変形例を示す実験台の側面図である。 本発明の実施例3における実験台を示す斜視図である。 実施例2,3の実験台を各々教室に配置したレイアウト図である。
符号の説明
1、1’、1’’、1’’’ 実験台
2、2’、2’’ コア部
2a 前面板
2b 後面板
2c 右側面板
2d 左側面板
2e、2e’ 上面板
2f 取付孔
3 ネジ穴
4 コンセント
5 接続具
5a 支軸
6 固定片(接続具の一部)
6a 取付部
6b ネジ孔
6c 屈曲部
7 可動片(接続具の一部)
7a 取付部
7b ボルト孔
7c 屈曲部
8 シンク
8a 蛇口
10 ガス栓
11、11’、11’’ テーブル
12、12’ 天板
12a 下面
13 ボルト穴
14、14’ 脚柱(脚体の一部)
15、15’ キャスタ付きの脚柱(脚体の一部)
16 キャスタ
17 収納棚
18 蓋部材
19 ボルト
20 ネジ
21 床面
30 連結ボルト(接続具の一部)
30a 螺合部
30b 鍔部
30c 操作部
32、32’ 連結杆
32a、32b 貫通孔
33 緩衝材
34 ボルト案内金具
34a 貫通孔
34b 嵌合孔
35 バネ
36 ボルト受け部材(接続具の一部)
36a ボルト穴
37 補強材
A 使用者
K 教壇

Claims (8)

  1. シンクを有するコア部に対して、天板を有するテーブルを、前記コア部に取り付けて構成した実験台であって、前記テーブルは床面に立設される脚体によって単独で接地され、前記コア部の左右側面あるいは後側面に接続具を介して、前記テーブルが着脱可能に連結され、前記接続具は、前記テーブルの脚柱間に架設された連結杆に前記コア部方向に貫通して離脱不能に保持される連結ボルトと、前記コア部の側面に設けた前記連結ボルトと螺合するボルト受け部材とからなり、前記連結ボルトには、前記ボルト受け部材への螺入方向とは逆方向に付勢するバネを備えていることを特徴とする実験台。
  2. 前記テーブルには、該テーブルと前記コア部との連結状態において、前記連結杆の外方には前記コア部の側面と当接できる緩衝材が設けられている請求項に記載の実験台。
  3. シンクを有するコア部に対して、天板を有するテーブルを、前記コア部に取り付けて構成した実験台であって、前記テーブルは床面に立設される脚体によって単独で接地され、前記コア部の左右側面あるいは後側面に接続具を介して、前記テーブルが着脱可能に連結され、
    前記接続具は、前記コア部に固定される固定片と、該固定片に対して上方に回動し前記天板の下面に着脱自在に固着される可動片と、からなり、前記テーブルが前記コア部から分離した状態においては、前記可動片が下方に回動し前記コア部の側面に沿って前記固定片に向かって折り畳まれるものとしたことを特徴とする実験台。
  4. 前記コア部の左右側面または後面には、前記接続具を固定するネジ穴が上下方向に複数形成され、少なくとも前記接続具を前記ネジ穴の上下2箇所で螺着した請求項に記載の実験台。
  5. 前記接続具は、前記コア部の左右側面または後面の幅方向において、所定距離離間した状態で複数取り付けられる請求項1乃至のいずれかに記載の実験台。
  6. 前記テーブルは、前記コア部に連結したときの取付幅が、前記コア部の前後幅、もしくは左右幅に略整合するものとした請求項1乃至のいずれかに記載の実験台。
  7. 前記テーブルの脚体にキャスタを設けた請求項1乃至のいずれかに記載の実験台。
  8. 前記コア部側に位置する前記脚体にのみ前記キャスタを設けた請求項に記載の実験台。
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