先の出願の作業台にあっては、天板上に立設された対向する両手掛かり棒の上端部に、一連の感知ロッドの両端部を取付金具を介して脱着自在に取り付けるようにしているため、感知ロッドの取付け及び取外しに手間と時間がかかるという問題があった。
本発明は、上記の事情に鑑み、常時取り付けておいて、非使用時には手掛かり棒に沿って折り畳み収納できる感知ロッドを備えた可搬式作業台を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明は、天板1の両端に梯子状の脚体2,2を設け、天板1の四隅部に手掛かり棒5を立設した可搬式作業台において、天板長手方向に対向する手掛かり棒5,5の先端部間に、天板端部であることを知らせるための感知ロッド7を架け渡すにあたり、この感知ロッド7を、対向する一方の手掛かり棒5の先端部から天板長手方向に水平に突出可能でこの手掛かり棒5に沿って折り畳み可能な第1部材8と、第1部材8の先端部から同直線状に突出可能で第1部材8に沿って折り畳み可能な第2部材9と、他方の手掛かり棒5の先端部から天板長手方向に水平に突出可能でこの手掛かり棒5に沿って折り畳み可能な第3部材10と、第3部材10の先端部から同直線状に突出して第2部材9と連結可能で且つ第3部材10に沿って折り畳み可能な第4部材11とによって構成してなることを特徴としている。
請求項2に係る発明は、天板1の両端に梯子状の脚体2,2を設け、天板1の四隅部に手掛かり棒5を立設した可搬式作業台において、天板長手方向に対向する手掛かり棒5,5の先端部間に、天板端部であることを知らせるための感知ロッド7を架け渡すにあたり、この感知ロッド7を、対向する一方の手掛かり棒5の先端部から天板長手方向に水平に突出可能でこの手掛かり棒5に沿って折り畳み可能な中空状の第1部材8と、第1部材8の中空部8aから天板長手方向に同軸に伸長可能で且つ第1部材8の中空部8aに収納可能な第2部材9と、他方の手掛かり棒5の先端部から天板長手方向に水平に突出可能でこの手掛かり棒5に沿って折り畳み可能な第3部材10と、第3部材10の中空部10aから天板長手方向に同軸に伸長して第2部材9と連結可能で且つ第3部材10の中空部10aに収納可能な第4部材11とによって構成してなることを特徴としている。
請求項3は、請求項1に記載の可搬式作業台において、一方の手掛かり棒5には、感知ロッドの第2部材9を畳み込んだ第1部材8を手掛かり棒5に沿って折り畳んだ状態でこれらを手掛かり棒5に沿って保持する感知ロッド折り畳み保持手段12を設け、他方の手掛かり棒5にも、第4部材11を畳み込んだ第3部材10を手掛かり棒5に沿って折り畳んだ状態でこれらを手掛かり棒5に沿って保持する感知ロッド折り畳み保持手段12を設けてなることを特徴とする。
請求項4は、請求項1又は3に記載の可搬式作業台において、一方の手掛かり棒5から第1部材8及び第2部材9を水平に延出させた状態で、他方の手掛かり棒5から第3部材10を水平に突出させ、第3部材10に連結される第4部材11を、更に第2部材9に連結するために、第2部材9と第4部材11との間には、位置決め手段19及び連結手段20が介装されていることを特徴とする。
請求項5は、請求項2に記載の可搬式作業台において、一方の手掛かり棒5には、感知ロッド8の第2部材9を第1部材8の中空部8aに収納してなる第1部材8を手掛かり棒5に沿って折り畳んだ状態でこれらを手掛かり棒5に沿って保持する感知ロッド折り畳み保持手段12を設け、他方の手掛かり棒5にも、第4部材11を第3部材10の中空部10aに収納してなる第3部材10を手掛かり棒5に沿って折り畳んだ状態でこれらを手掛かり棒5に沿って保持する感知ロッド折り畳み保持手段12を設けてなることを特徴とする。
請求項6は、請求項1〜5の何れかに記載の可搬式作業台において、天板1上に設置されている既設の手掛かり棒5の上端部に、所要長さの継ぎ足し棒5aを連結具13によって継ぎ足し、天板長手方向に対向する継ぎ足し棒5a,5a間に感知ロッド7を架け渡すようにしたことを特徴とする。
上記解決手段による発明の効果を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明によれば、対向する手掛かり棒5,5の先端部間に架け渡される感知ロッド7を、一方の手掛かり棒5の先端部から天板長手方向に水平に突出可能でこの手掛かり棒5に沿って折り畳み可能な第1部材8と、第1部材8の先端部から同直線状に突出可能で第1部材8に沿って折り畳み可能な第2部材9と、他方の手掛かり棒5の先端部から天板長手方向に水平に突出可能でこの手掛かり棒5に沿って折り畳み可能な第3部材10と、第3部材10の先端部から同直線状に突出して第2部材9と連結可能で且つ第3部材10に沿って折り畳み可能な第4部材11とから構成したもので、不使用時は第1部材8と第2部材9、及び第3部材10と第4部材11を各手掛かり棒5に沿って簡単に折り畳みできるため邪魔にならず、また使用する時は折り畳んだ状態から簡単容易に使用状態とすることができ、感知ロッド7の取付け、取り外しを迅速容易に行うことができる。
又、この種の可搬式作業台において、天板1の高さが低い作業台、即ち、天板1の両端部の梯子状の脚体2,2が短い作業台があり、この場合には、これら脚体2,2に沿って折り畳まれる手掛かり棒5も脚体2,2の長さに合わせなければならないため、必然的に短くなる。又、手掛かり棒5に沿って折り畳まれる感知ロッドも手掛かり棒5の長さの範囲になければならないが、例えば、天板1の長手方向の長さが手掛かり棒5の長さよりも2倍以上ある場合に天板1の両端部の手掛かり棒5,5間に取り付けられる感知ロッドが中心部で分割される2分割だけの感知ロッドでは、手掛かり棒5の長さよりも長くなり、感知ロッドを手掛かり棒5に沿って折り畳むことができない事態を生じることになるが、本発明のように3分割された感知ロッド7を採用することによって、上述のような短い手掛かり棒5,5に沿って折り畳むことができ、これがために天板1の両端部の梯子状の脚体2,2が短い作業台にあっても、感知ロッド7を容易に設置することができるという利点がある。
更に又、上述のように第2部材9と第4部材11とが重合して連結されるようになっているから、感知ロッド7の剛性を高めることができる。
請求項2に係る発明は、天板1の両端に梯子状の脚体2,2を設け、天板1の四隅部に手掛かり棒5を立設した可搬式作業台において、天板長手方向に対向する手掛かり棒5,5の先端部間に、天板端部であることを知らせるための感知ロッド7を架け渡すにあたり、この感知ロッド7を、対向する一方の手掛かり棒5の先端部から天板長手方向に水平に突出可能でこの手掛かり棒5に沿って折り畳み可能な中空状の第1部材8と、第1部材8の中空部8aから天板長手方向に同軸に伸長可能で且つ第1部材8の中空部8aに収納可能な第2部材9と、他方の手掛かり棒5の先端部から天板長手方向に水平に突出可能でこの手掛かり棒5に沿って折り畳み可能な第3部材10と、第3部材10の中空部10aから天板長手方向に同軸に伸長して第2部材9と連結可能で且つ第3部材10の中空部10aに収納可能な第4部材11とによって構成したもので、不使用時は第1部材8の中空部8aに第2部材9を収納して状態で、又、第3部材10の中空部10aに第4部材11を収納した状態で第1部材8と第3部材10を各手掛かり棒5に沿って簡単に折り畳みできるため邪魔にならず、また使用する時は折り畳んだ状態から簡単容易に使用状態とすることができ、感知ロッド7の取付け、取り外しを迅速容易に行うことができる。
又、この種の可搬式作業台において、天板1の高さが低い作業台、即ち、天板1の両端部の梯子状の脚体2,2が短い作業台があり、この場合には、これら脚体2,2に沿って折り畳まれる手掛かり棒5も脚体2,2の長さに合わせなければならないため、必然的に短くなる。又、手掛かり棒5に沿って折り畳まれる感知ロッドも手掛かり棒5の長さの範囲になければならないが、例えば、天板1の長手方向の長さが手掛かり棒5の長さよりも2倍以上ある場合に天板1の両端部の手掛かり棒5,5間に取り付けられる感知ロッドが中心部で分割される2分割だけの感知ロッドでは、手掛かり棒5の長さよりも長くなり、感知ロッドを手掛かり棒5に沿って折り畳むことができない事態を生じることになるが、本発明のように3分割された感知ロッド7を採用することによって、上述のような短い手掛かり棒5,5に沿って折り畳むことができ、これがために天板1の両端部の梯子状の脚体2,2が短い作業台にあっても、感知ロッド7を容易に設置することができるという利点がある。
更に又、上述のように第2部材9と第4部材11とが重合して連結されるようになっているから、感知ロッド7の剛性を高めることができる。
更に又、第2部材9と第4部材11とを夫々入れ子式に第1部材8と第3部材10に収納することによって、第1部材8と第3部材10とを手掛かり部材5に沿って折り畳む際に嵩張らないという利点もある。
請求項3に係る発明によれば、一方の手掛かり棒5には、感知ロッドの第2部材9を畳み込んだ第1部材8を手掛かり棒5に沿って折り畳んだ状態でこれらを手掛かり棒5に沿って保持する感知ロッド折り畳み保持手段12を設け、他方の手掛かり棒5にも、第4部材11を畳み込んだ第3部材10を手掛かり棒5に沿って折り畳んだ状態でこれらを手掛かり棒5に沿って保持する感知ロッド折り畳み保持手段12を設けてなるから、感知ロッド7の不使用時には、折り畳んだ第2部材9と第3部材10とを一方の手掛かり棒5に簡単に保持させることができると共に、同様に折り畳んだ第3部材10と第4部材11とを他方の手掛かり棒5に簡単に保持させることができ、これらの部材が保管や運搬の際にばらけることがない。
請求項4に係る発明によれば、一方の手掛かり棒5から第1部材8及び第2部材9を水平に延出させた状態で、他方の手掛かり棒5から第3部材10を水平に突出させ、第3部材10に連結される第4部材11を、更に第2部材9に連結するために、第2部材9と第4部材11との間には、位置決め手段19及び連結手段20が介装されているため、両手段19,20の相乗作用によって、使用状態において第1〜第4部材8〜11からなる感知ロッド7を安定して直線状態に保持させ、良好に感知作用を発揮させることができる。
請求項5に係る発明によれば、一方の手掛かり棒5には、感知ロッド8の第2部材9を第1部材8の中空部8aに収納してなる第1部材8を手掛かり棒5に沿って折り畳んだ状態でこれらを手掛かり棒5に沿って保持する感知ロッド折り畳み保持手段12を設け、他方の手掛かり棒5にも、第4部材11を第3部材10に収納してなる第3部材10を手掛かり棒5に沿って折り畳んだ状態でこれらを手掛かり棒5に沿って保持する感知ロッド折り畳み保持手段12を設けてなるから、感知ロッド7の不使用時には、折り畳んだ第2部材9と第3部材10とを一方の手掛かり棒5に簡単に保持させることができると共に、同様に折り畳んだ第3部材10と第4部材11とを他方の手掛かり棒5に簡単に保持させることができ、これらの部材が保管や運搬の際にばらけることがない。
請求項6に係る発明によれば、作業台Tの天板1に設置されている手掛かり棒5には種々の長さのものがあるから、感知ロッド7を架け渡そうとする手掛かり棒5の長さが短い場合には、既設の手掛かり棒5の上端部に、所要長さの継ぎ足し棒5aを連結具13によって継ぎ足し、該連結具13を介して既設の手掛かり棒5に継ぎ足した、天板1長手方向に対応する継ぎ足し棒5a,5a間に感知ロッド7を架け渡すことができ、これによって良好に感知作用を発揮させることができる。
以下に本発明の作業台における作業位置感知装置の好適な実施形態を図面に基づいて説明すると、図1及び図2に示す作業台Tにおいて、天板1の左右両端に、夫々梯子状の脚体2,2が、回転金具3によって、図示は省略するが、天板1の下面に平行に沿うように折り畳んだ閉脚状態と、図1の(a) に示すように末広がり状に傾斜して起立した開脚状態との間で開閉可能に設けられ、天板1と各脚体2との間には途中で屈曲自在なステイ4が介装されている。各梯子状脚体2は、図1の(b) に示すように若干末広がり状に配置された両側一対の脚柱2a,2aと、両脚柱2a,2a間に複数段に横架された踏桟2bとからなる。
天板1の四隅部には脚体2と天板1との昇降口に位置するように手掛かり棒5が設けられ、各手掛かり棒5は、その下端部が、脚体2の外側面側上端部に装着された取付金具6により回転可能に枢着されて、図1の(a) ,(b) に実線で示すような起立姿勢と、図1の(b) に仮想線で示すように梯子状脚体2の脚柱2aに沿って折り畳まれた折畳姿勢とに姿勢変更できるようになっている。
そして、天板長手方向に対向する手掛かり棒5,5の先端部間に、天板端部であることを知らせるための感知ロッド7が架け渡されるようになっている。この感知ロッド7は、天板1上で作業している作業者がこれに触れた時に、その触れた地点が天板1の桁側端部であることを感知させるためのもので、作業者が体重をかけたり、少し強く触ったら潰れるような構造的強度の弱いものであって、対向する手掛かり棒の上端部間に手摺りとして架け渡される上横桟とは全く役割が異なるものである。尤も、構造的強度の高い手摺り部材を用いることを除外するものではない。
感知ロッド7は、図2の(a) に示すように、天板長さLの約1/3の長さを有していて、対向する手掛かり棒5,5の一方の(例えば、図1の(a) 及び図2の(a) の夫々左側の)手掛かり棒5の先端部から天板長手方向に水平に突出可能でこの手掛かり棒5に沿って折り畳み可能な第1部材8と、この第1部材8の先端部から同直線状に突出可能で、第1部材8よりも若干短く、この第1部材8に沿って折り畳み可能な第2部材9と、天板長さLの約1/3の長さを有して、他方の(図1の(a) 及び図2の(a) の夫々右側の)手掛かり棒5の先端部から天板長手方向に水平に突出可能で、この手掛かり棒5に沿って折り畳み可能な第3部材10と、この第3部材10の先端部から同じ直線状に突出して第2部材9と連結可能で、第3部材10よりも若干短く、この第3部材10に沿って折り畳み可能な第4部材11とによって構成される。第1〜第4部材8〜11の折り畳み方向及び水平突出方向は矢印で図示するとおりである。
上記感知ロッド7の構造について更に詳しく説明すれば、図3〜図6に示すように、第1部材8〜第4部材11は夫々、金属製又は樹脂製の溝形材からなるもので、対向する手掛かり棒5,5間に水平直線状に架け渡された状態で溝開口部が下向きとなるように使用され、しかして先ず、第1部材8の基端部は、一方の手掛かり棒5の外側面上端部に枢軸14によって枢着され、その先端部は、第2部材9の基端部に外嵌した状態で枢軸15により枢着され、また第3部材10の基端部は、他方の手掛かり棒5の外側面上端部に枢軸16により枢着され、その先端部は、第4部材11の基端部に外嵌した状態で枢軸17により枢着されている。
第3部材10の基端側上面には、図4の(a) ,(b) に示すように、この第3部材10が手掛かり棒5に沿って折り畳まれた収納姿勢から水平姿勢まで回転する時に水平姿勢以上上方に回転しないように規制する回転規制部材18が固着されてある。図4の(a) は回転規制部材18が手掛かり棒5の上端部内側面に当たって第3部材10が水平姿勢に規制された状態を示し、(b) は第3部材10が手掛かり棒5に沿って折り畳まれた収納姿勢を示す。尚、この回転規制部材18は、第1部材8の基端側上面に固着して、第1部材8がその折り畳み収納姿勢から水平姿勢まで回転する時に水平姿勢以上に回転しないようにしてもよく、また第1部材8と第3部材10の両方に設けてもよいし、第1部材8か第3部材10の何れかに設けてもよい。
第2部材9を第1部材8に対する折畳位置から回転して同直線状に突出させる時には、図3の(a) ,(b) 及び図5の(c) に示すように第2部材9の基端部が第1部材8の先端部に内嵌した状態にあるから、これによってそれ以上上方に回転しないよう回転規制される。また第4部材11を第3部材10に対する折畳位置から回転して同直線状に突出させる時は、図3の(a) ,(b) 及び図5の(a) に示すように第4部材11の基端部が第3部材10の先端部に内嵌した状態にあるから、これにより同様に回転規制される。
また、一方の手掛かり棒5から第1部材8及び第2部材9を水平に延出させた状態で、他方の手掛かり棒5から第3部材10を水平に突出させて、第4部材11を第2部材9に連結するために、第2部材9と第4部材11との間には、図3及び図5の(b)に示すように、位置決め手段19及び連結手段20が介装されている。このように、第2部材9と第4部材11との間には、位置決め手段19及び連結手段20が介装されているため、両手段19,20の相乗作用によって、使用状態において第1〜第4部材8〜11からなる感知ロッド7を安定して直線状態に保持させ、良好に感知作用を発揮させることができる。
位置決め手段19は、図3及び図5の(b) に示すように、第4部材11の基端側内に、両端部に係止ピン21,21を夫々外向きに突設した略V字形の板バネ22を一対の取付ピン23,23により取り付けると共に、両係止ピン21,21を第4部材11の両側壁のピン孔24,24から突出付勢させ、第2部材9の先端部には、図3の実線図示のように第2部材9内に第4部材11が嵌まり込んだ時に第4部材11側の係止ピン21,21が係合するピン孔25,25を設けてなるもので、第4部材11を第2部材9に嵌め込むと、第4部材11側の係止ピン21,21が第2部材9側のピン孔25,25に突入係合して、第4部材11を第2部材9に対する連結位置に位置決めすることができる。
連結手段20は、第4部材11の先端部側に基端部を枢着した掛け金26と、第2部材9の基端部側に取り付けた受け金具27とからなるもので、第4部材11を第2部材9に対して位置決め手段19により位置決めした後、第4部材11側の掛け金26のラッチ26aを第2部材9側の受け金具27に掛止することによって、第2部材9と第4部材11とを簡単に連結固定することができる。この連結手段20による第2部材9と第4部材11との連結は、位置決め手段19によって予め第4部材11を第2部材9との連結位置に位置決めするから、その操作が容易となる。
各手掛かり棒5の上部側には、感知ロッド折り畳み保持手段の一例である結束用ベルト12が取り付けられている。天板長手方向に対向する一方の(例えば、図1の(a) 及び図6の夫々左側の)手掛かり棒5の結束用ベルト12は、感知ロッド7の第2部材9を畳み込んだ第1部材8を手掛かり棒5に沿って折り畳んだ状態でこれらを結束固定し、他方の(図1の(a) 及び図6の夫々右側の)手掛かり棒5の結束用ベルト12は、第4部材11を畳み込んだ第3部材10を手掛かり棒5に沿って折り畳んだ状態でこれらを結束固定するようになっている。
上記結束用ベルト12は、面ファスナーベルトからなるもので、ベルト12の一方の面が例えばフック状に起毛され、他方の面がループ状に密集して起毛されていて、このベルト12を、第2部材9を畳み込んだ第1部材8を手掛かり棒5に沿って折り畳んだものに対し、あるいは第4部材11を畳み込んだ第3部材10を手掛かり棒5に沿って折り畳んだものに対し巻き付けた状態で、このベルト12の一面側先端部を同ベルト12の他面側所要部に押し付けて貼り付けることにより簡単に結束固定させることができる。
尚、作業台Tの天板1に設置されている手掛かり棒5には種々の長さのものがあるから、感知ロッド7を架け渡そうとする手掛かり棒5の長さが短い場合には、図1,図2,図6及び図7に示すように、既設の手掛かり棒5の上端部に、所要長さの継ぎ足し棒5aを連結具13によって継ぎ足すようにすればよい。連結具13の具体的構造の一例としては、図6に示すように、既設の手掛かり棒5の上端部と上記継ぎ足し棒5aの下端部とにわたって角筒状の連結本体13aを嵌合し、夫々をビス3b,3bで固定するようにしてもよい。又、図6の矢印で引き出してその横断面図に示すように、手掛かり棒5と継ぎ足し棒5aとにわたって開先状の筒状部材13を嵌合し、夫々の開先フランジ13c,13cをボルトナット等の固定具13bで固定して継ぎ足すようにしてもよい。
上記のように構成される可搬式作業台Tの使用法について説明すると、図1は作業台Tの使用状態を示すもので、両脚体2,2が開脚され、各手掛かり棒5が起立されていて、対向する手掛かり棒5,5の上端部間に感知ロッド7が架け渡された状態となっている。
従って、脚体2から天板1に上がる作業者は、手掛かり棒5を掴むことによって安全を確保しつつ天板1の上に上がることができる。そして、天板1の上で作業する作業者は、天板1の桁側端部で対向する手掛かり棒5,5間に感知ロッド7が架け渡されているから、この感知ロッド7に触れた時に、その触れた地点が天板1の桁側端部であることを感知することができ、その桁側端部から転落するなどの事故が防止される。
そして、上記作業台Tを不使用時に折り畳む時は、先ず、作業者は、図6に示すように感知ロッド7の第2部材9と第4部材11との連結を解除した後、図7に示すように、第2部材9を第1部材8内に折り畳み、この状態で第1部材8を手掛かり棒5に沿って折り畳んで、感知ロッド折り畳み保持手段である結束用ベルト12で手掛かり棒5に縛り付けた状態に結束する一方、第4部材11を第3部材10内に折り畳み、この状態で第3部材10を手掛かり棒5に沿って折り畳み、結束用ベルト12で手掛かり棒5に縛り付けた状態に結束する。
図7に示すような状態から手掛かり棒5を、図1の(b) の仮想線図示のように脚体2の脚柱2aに沿って折り畳み、更に図8に示すように、両脚体2,2を天板1の下面に平行に沿うように折り畳んだ閉脚して、作業台Tの全体が扁平状態となるように折り畳む。このように作業台Tの全体を扁平状態に折り畳むことにより、運搬や保管に便利となる。
以上説明した可搬式作業台Tにおける最大の特徴は、天板長手方向に対向する手掛かり棒5,5の先端部間に架け渡される感知ロッド7を、対向する一方の手掛かり棒5の先端部から天板長手方向に水平に突出可能でこの手掛かり棒5に沿って折り畳み可能な第1部材8と、第1部材8の先端部から同直線状に突出可能で第1部材8に沿って折り畳み可能な第2部材9と、他方の手掛かり棒5の先端部から天板長手方向に水平に突出可能でこの手掛かり棒5に沿って折り畳み可能な第3部材10と、第3部材10の先端部から同直線状に突出して第2部材9と連結可能で且つ第3部材10に沿って折り畳み可能な第4部材11とから構成したことであって、手掛かり棒5の長さも第1部材8及び第2部材9の長さと同等の長さとすることができ、必要以上に長い手掛かり棒5を備える必要がない、という格別の作用効果を奏する。
因みに、天板長手方向に対向する手掛かり棒5,5の先端部に、天板長さの約1/2の長さを有するロッド部材を夫々水平に突出可能で手掛かり棒5,5に沿って折り畳み可能に枢着すると共に、両ロッド部材の先端部どうしを切り離し可能に連結するような構成の感知ロッドとした場合には、手掛かり棒5も、天板長さの約1/2の長さを必要とすることになるが、天板1としては、長さが約1600mmや1800mmのものが多く使用されることから、手掛かり棒5の長さが800mmや900mmと長くなる。このように手掛かり棒5の長さが800mmや900mmとなると、対向する手掛かり棒5,5間に架け渡される感知ロッドの高さが高くなって、感知ロッドとして十分に機能しなくなるおそれがある。つまり、本発明に係る感知ロッド7は、天板1上で作業している作業者がこれに触れた時にその触れた地点が天板1の桁側端部であることを感知させるためのものであるから、その長さ、即ち天板1からの高さは約600mm程度が有効とされ、それ以上の800mmや900mmとなると、作業者は、強度的に弱い感知ロッド7を手摺りとして使用しやすくなり危険を伴うことがあり、また感知ロッドの設置高さが高くなると作業者が不必要に感知ロッドに触れやすくなりかえって作業性を低下させることにもなる。
又、この種の可搬式作業台において、天板1の高さが低い作業台、即ち、天板1の両端部の梯子状の脚体2,2の長さが500mm程度と短い作業台があり、この場合には、これら脚体2,2に沿って折り畳まれる手掛かり棒5も脚体2,2の長さに合わせなければならないため、必然的に500mmの長さに短くなる。又、手掛かり棒5に沿って折り畳まれる感知ロッドも手掛かり棒5の長さの範囲になければならないが、例えば、天板1の長手方向の長さが手掛かり棒5の長さよりも2倍以上ある場合に天板1の両端部の手掛かり棒5,5間に取り付けられる感知ロッドが中心部で分割される2分割だけの感知ロッドでは、手掛かり棒5の長さよりも長くなり、感知ロッドを手掛かり棒5に沿って折り畳むことができない事態を生じることになるが、本発明のように4分割された部材によって感知ロッド7を採用することによって、例えば、第1〜第4の各部材8〜11の長さを400mmとすれば天板長さが約1600mmのものに対して、上述のような短い手掛かり棒5,5に沿って折り畳むことができ、これがために天板1の両端部の梯子状の脚体2,2が短い作業台にあっても、感知ロッド7を容易に設置することができるという利点がある。
更に又、上述のように第2部材9と第4部材11とが重合して連結されるようになっているから、感知ロッド7の剛性を高めることができる。
また、上述した作業台Tの感知ロッド7においては、第2部材9と第4部材11とが重合して連結されるようになっているから、感知ロッド7の剛性を高めることができる。即ち、この感知ロッド7は、天板1上での作業者がこれに触れた時に、その触れた地点が天板1の桁側端部であることを感知させるためのもので、作業者が体重をかけたり、少し強く触ったら潰れるような構造的強度の弱いもので十分であるが、そのように構造的強度の弱いものであっても、それ相応の剛性を確保することができ、従ってロッド7を構成する部材として、細くて軽い部材を使用することができ、製作コストの低減化が可能となる。これは、感知ロッド7を樹脂によって形成した場合に特に有効である。
図9〜図13は、本発明の他の実施形態を示す可搬式作業台を示すもので、前記実施形態とは感知ロッド7の構成を除いては同一構成であるので、主に感知ロッド7の構成を中心に説明するものとする。
図9に示すように、感知ロッド7が一方側の手掛かり棒5に枢着される第1部材8及び第2部材9と、他方の手掛かり棒5に枢着される第3部材9及び第4部材11とからなる点は同じであるが、相違点の要旨は、前記実施形態にあっては、第1部材8と第2部材9とが、又、第3部材10と第4部材11とが夫々折り畳み可能に連結されているのに対して、本実施形態にあっては、図9のF部分及び図10のG部分で囲んで示すように、第1部材8と第2部材9とが、又、第3部材10と第4部材11とが夫々入れ子式に伸縮可能に連結されるようになっている点で大きく相違する。
図9は、一方側の手掛かり部材5に枢着される第1部材8から第2部材9が水平に突出し、又他方の手掛かり部材5に枢着される第3部材10から第4部材11が水平に突出し、第2部材9の先端部と第4部材11の先端部とが連結されて感知ロッド7を形成した使用状態を示す。
図10は、一方側の手掛かり部材5に枢着される第1部材8に第2部材9が一点鎖線で示す使用状態から矢印で示すように第1部材8の中空部に入れ子式に収納され、又他方の手掛かり部材5に枢着される第3部材10に第4部材11が一点鎖線で示す使用状態から矢印で示すように第3部材10の中空部に入れ子式に収納され、この状態で更に第1部材8及び第3部材9が矢印で示すように夫々の手掛かり部材5,5に沿って折り畳まれ、感知ロッド折り畳み保持手段の一例である結束用ベルト12によって手掛かり部材5,5に結束されるようになっている。
第1部材8と第2部材9との間の、又、第3部材10と第4部材11との間の夫々の入れ子式の水平突出及び収納構成について、図11以下で詳細に説明する。
図11の(a)は図9のF部分を拡大して示すもので、(b)は図11の(a)のH部分を更に拡大して示す図である。図11の(a)〜(c)に示すように、第1部材8〜第4部材11は内部を中空部8a〜11aとした金属製または樹脂製の中空部材からなり、第1部材8及び第3部材の内径8a,10aは第2部材9、第4部材が適嵌合して水平突出及び収納できる内径に形成され、第4部材11は第2部材9が適嵌合して両部材を互いに連結することができる内径に形成されている。
第1部材8と第2部材9の水平突出及び収納構成について説明すると、図11の(a)、(b)及び図12の(a)及び図13の(b)に示すように、第1部材8の先端部にはピン孔30が穿設され、第2部材9の後端部と先端部には係止ピン31,32が突設されれている。この係止ピン31,32は、図13の(b)に示すように、第2部材9の中空部9aに設置したV字状の板バネ33の両先端部に夫々一対取り付けられ、該板バネ33の付勢力によって突出し、該板バネ33の付勢力に抗して後退するようになっている。
そして、図11の(a)、(b)及び図12の(a)に示すように、第2部材9が第1部材8から水平突出したときには第2部材9の後端部の係止ピン31は第1部材8の先端部に形成されたピン孔30に係嵌し、第2部材9を第1部材8から水平突出状態に維持するようになっている。なお第2部材9が第1部材8から突出する際に第2部材9が第1部材8から抜け出ないよう規制手段34を設けている。この規制手段34は、第2部材9の中空部9aを横断するように抜け止めピン34aを固着し、第2部材9には当該部材9の抜け止め位置で該抜け止めピン34aに当接する規制ピン34bを第1部材8の中空部8a側に突設し、なお且つ第2部材9が抜け止めピン34aに規制ピン34bに当接するまでは第2部材9が第1部材8の中空部8aを自由に移動できるように第2部材9の外周側には凹状の規制ピン逃げ溝34cが形成されている。
また、第2部材9が第1部材8の中空部8aに収納される場合には、第2部材9の後端部の上記係止ピン31をV字状板バネ33の付勢力に抗してその中空部8aに後退させた状態で第2部材9を、図11の(c)に示すように、第1部材8の中空部8aに収納移動させ、図13の(b)にも示すように、第2部材9の先端部の係止ピン32を第1部材8の前記ピン孔30に係嵌することによって、第2部材9を第1部材8の中空部8aに収納状態に維持することができる。
次に、第3部材10と第4部材11の水平突出及び収納構成について説明すると、図11の(a)、(b)及び図13の(c)に示すように、第3部材10の後端部には収納用のピン孔35が、又、部材中程よりやや先端部よりの位置に水平突出用のピン孔36が、更に部材先端部に後述のように連結用のピン孔37が夫々穿設されている。又、第4部材11の後端部に係止ピン38が突設されている。この係止ピン38,は図13の(c)に示すように、第4部材11の中空部11aに設置したV字状の板バネ39の両先端部に夫々一対取り付けられ、該板バネ39の付勢力によって突出し、該板バネ39の付勢力に抗して後退するようになっている。
そして、図11の(a)、(b)及び図13の(c)に示すように、第4部材11が第3部材10から水平突出したときには第4部材11の後端部の係止ピン38は第3部材10の中程に形成されたピン孔36に係嵌し、これによって第4部材11を第3部材10から水平突出状態に維持するようになっている。
また、第4部材11が第3部材10の中空部10aに収納される場合には、第4部材11の後端部の上記係止ピン38をV字状板バネ39の付勢力に抗してその中空部11aに後退させた状態で第4部材11を、図11の(c)に示すように、第3部材10の中空部10aに収納移動させ、図13の(c)にも示すように、第4部材11の後端部の係止ピン38を第3部材8の後端部の収納用の前記ピン孔35に係嵌することによって、第4部材11を第3部材10の中空部10aに収納状態に維持することができる。
最後に、第2部材9の先端部と第4部材11の先端部とを連結する構成について説明すると、前述のようにして、図11の(a)及び(b)に示すように、一方の第1部材8から第2部材状態を水平突出させると共に、他方の第3部材10から第4部材11を水平突出させる際に、これに並行して、第2部材8の先端部を第4部材11の先端部の中空部11aに嵌合するようにし、この状態で図13の(b)にも示すように、第2部材9の先端部の前記係止ピン32を第4部材11の先端部の連結用のピン孔37に係嵌させることによって、第2部材9と第4部材11とを強固に連結することができ、感知ロッド7を形成するに至るのである。
このように、第2部材9と第4部材11とを夫々入れ子式に第1部材8と第3部材10に収納することによって、第1部材8と第3部材10とを手掛かり部材5に沿って折り畳む際に嵩張らないという利点もある。
なお、本発明において、感知ロッドを天板長さの約1/3の長さの部材からなると記載されているが、構成部材としては第1部材から第4部材の4部材からなり、これらの部材の一部が、これまでの説明から明らかなように互いに重合して連結されて、外観視として図1、図3、図9又は図11の(a)に示すように、天板長さの約1/3の長さの部材からなるように用いられるという意味に理解されるべきであり、第1部材8又は第3部材が必ずしも天板長さの約1/3の長さに限定されるというものではない。