JP3697303B2 - 搬送分離装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙葉類を処理する紙葉類処理装置であって、特に、紙葉類把を搬送して一把ずつ分離する搬送分離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、紙葉類処理装置は、紙葉類を所定枚数ずつ施封帯により施封する施封処理や、これとは逆に、施封された所定枚数の紙葉類の把から施封帯を除去して紙葉類を1枚ずつ分離する分離処理、或いは、多数の紙葉類を判別してこれらを区分する区分処理等、様々な処理を行なう。
【0003】
例えば、前記分離処理において、紙葉類の把は、その厚さ方向に所定の把数だけ積層された立位状態の把群として搬送される。そして、この把群は搬送の途中で一把ずつに分離され、その後、分離された把毎に施封帯の除去処理等がなされるものである。
【0004】
立位状態で搬送されてくる把群から紙葉類把を一把ずつ分離する方法は様々であるが、例えば、把群の搬送方向の最先端に位置する紙葉類把(一把目)とこれに隣接する紙葉類把(二把目)とを挟持部材によって別個に挟持し、その後、一把目の紙葉類把のみを挟持部材によって90度回転させることにより水平状態にねかせて、この一把目の紙葉類把のみを帯除去処理部に向けて搬送する搬送ベルトに受け渡すようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
挟持部材によって一把の紙葉類把のみを90度回転させて搬送ベルトに受け渡す分離方法では、挟持部材の挟持位置と挟持強度とが一定しているため、媒体である各紙葉類把の厚みが異なっていると、一把目の紙葉類把を回転させる際に二把目の紙葉類把も同時に回転させてしまったり、或いは、回転時に空振りしてしまうなどの挟持不良が発生する。
【0006】
また、回転時に挟持部材も回転するため、挟持部材の駆動電源ハーネスが挟持部材の回転動作に伴って屈曲して断線してしまう虞がある。
本発明は上記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、紙葉類把の厚みが把間で異なっていても、確実かつ容易に紙葉類把を一把ずつ分離搬送することができる搬送分離装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の搬送分離装置は、略垂直な搬送路に沿って延びる第1の搬送ベルトと、施封帯によって束ねられた紙葉類の把が積層されて成る積層体を紙葉類の把の厚さ方向に略水平に押し出して、積層体の紙葉類の把を一把ずつ順次に前記第1の搬送ベルトの搬送面に当接させる押出し手段と、第1の搬送ベルトの搬送面に設けられ、この搬送面に前記押出し手段によって押し付けられる紙葉類の一把のみに対して下側から当接してこの紙葉類把を略垂直上方に持ち上げることにより他の紙葉類把から分離する爪部と、第1の搬送ベルトと略平行に延び、前記爪部によって持ち上げられた紙葉類の把を第1の搬送ベルトとの間で挟持しつつ第1の搬送ベルトと協働して略垂直上方に搬送する第2の搬送ベルトとを具備している。
【0008】
上記構成によれば、積層体の押出し方向最先端に位置する紙葉類把は、押出し手段によって第1の搬送ベルトの搬送面に押し付けられ、第1の搬送ベルトの搬送面に設けられた爪部によって垂直上方に持ち上げられて他の紙葉類把(残存する積層体)から分離され、第1および第2の搬送ベルトに挟持されつつ搬送される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の搬送分離装置の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態の搬送分離装置5を含む施封帯除去装置1を模式的に示したものである。
【0010】
図中Cは、所定枚数例えば100枚の紙葉類を積層状態で小帯9により結束して施封した紙葉類把である。小帯9は、その端部が例えばヒータによりヒートシールされることによって、積層状態の紙葉類を把状に結束して施封している。
【0011】
また、図中Aは、所定把数例えば10把の紙葉類把Cを積層状態で大帯8a,8bにより十文字結束して施封した紙葉類束である。大帯8,8も、小帯9と同様、その端部が例えばヒータによりヒートシールされることによって、積層状態の紙葉類把Cを束状に結束して施封している。大帯8a,8bを掛ける順序は外れ易い横帯8aを先に行ない、縦帯8bを後にしている。
【0012】
なお、図1に示す施封帯除去装置1は、図8に示す施封判別装置とともに紙葉類処理装置を構成している。
図1に示すように、施封帯除去装置1は、ベルトコンベア25によって立位状態で移載されてくる紙葉類束Aを取り込む束取込み部2と、束取込み部2で取り込まれた紙葉類束Aの大帯8a,8bを除去する大帯除去部3と、大帯除去部3で大帯8a,8bが除去された把群Bを所定の搬送路に沿って搬送する搬送部4と、把群Bから紙葉類把Cを1把ずつ分離する搬送分離装置としての把分離部5と、紙葉類把Cの小帯9を除去する小帯除去部6と、小帯除去部6で小帯9が除去されたバラ状態の紙葉類積層体Dを図8に示す装置110の供給装置112に排出する排出部7とからなる。
【0013】
このような構成では、ベルトコンベア25によって搬送されてきた紙葉類束Aが束取込み部2のプッシャ11によって大帯除去部3に送られる。そして、大帯除去部3は、プッシャ11によって送り込まれた紙葉類束Aの大帯8a,8bをカッター等の帯除去具25によって切断して除去する。搬送部4は、大帯除去部3で大帯8a,8bが除去された把群Bを、例えば一対の挟持部材12,12(13,13)によって挟持しながら所定の搬送路に沿って搬送し、把分離部5に送る。
【0014】
把分離部5は、搬送部4によって送り込まれた把群Bをバックアップ14によって押し出しながら把群Bから紙葉類把Cを1把ずつ分離する。また、把分離部5は、この分離した紙葉類把Cの小帯9に対して印字部23により所定のデータを印字した後、紙葉類把Cを搬送ベルト26,26によって小帯除去部6へと搬送する。
【0015】
小帯除去部6は、紙葉類把Cの把面に対する小帯9の接着を剥がす糊剥がし部20と、紙葉類把Cの把面との接着が剥がされた小帯9を帯除去具によって切断して除去回収する除去回収部21とからなり、紙葉類把C(D)を搬送ベルトによって排出部7まで搬送する。
【0016】
図2には、搬送分離装置である把分離部5と小帯除去部6の詳細な構成が示されている。ここでは、まず、把分離部5の構成について説明する。
図2に示すように、把分離部5は、搬送部4によって送り込まれた把群Bを載置するためのテーブル15と、把群Bから紙葉類把Cを1把ずつ分離して搬送する搬送部18と、テーブル15上の把群Bを搬送部18に向けて押し出すバックアップ14と、搬送部18によって搬送される紙葉類把Cの小帯9に対して所定のデータを印字する印字部23とを備えている。
【0017】
図3は、搬送部18を側方から見た図である。搬送部18は、3つの奥側搬送ベルト26,26,26と、奥側搬送ベルト26,26,26の回転駆動を伝達するギア78,79と、このギア78,79による駆動力の伝達によって奥側搬送ベルト26,26,26に同期して回転駆動する一対の手前側搬送ベルト27,27(図5参照)とからなり、紙葉類把Cを奥側搬送ベルト26,26,26と手前側搬送ベルト27,27との間で挟持しながら垂直上方に搬送する。
【0018】
各搬送ベルト26,27は、図2で示すギア78,79の内側にある駆動プーリ69,72および他の複数のガイドプーリ34,35に掛け渡されており、テーブル15に対して垂直に延びている。この場合、奥側搬送ベルト26,26,26の搬送路が手前側搬送ベルト27,27の搬送路よりも下方向に長く延びており、バックアップ14によって押し出された把群Bの端面をまずこの奥側搬送ベルト26,26,26によって受けるようになっている。なお、奥側搬送ベルト26,26,26を駆動させる前記駆動プーリ69は、駆動モータ29によって駆動される。この場合、駆動モータ29の回転力は伝達ベルト59によって駆動プーリ69に伝達される。
【0019】
図4の(a)に示すように、手前側搬送ベルト27と奥側搬送ベルト26との間は距離cだけ離間されており、これによって、ベルト27,26間に挟持される紙葉類把Cを搬送するための搬送路70が形成される。また、各手前側搬送ベルト27は、奥側搬送ベルト26と距離cだけ離間したこの状態から、ばね部材33,33の付勢力に抗して、上部プーリ35のプーリシャフト57を支点にして時計回りに回動することができるようになっている。したがって、本構成では、ベルト27とベルト26との間の前記距離cを紙葉類把Cの想定される最小把厚に設定し、最小把厚以上の厚みを有する紙葉類把Cが搬送される場合には、各手前側搬送ベルト27が距離cを開くように回動して厚みの大きい紙葉類把Cの搬送にも対応できるようにしている。つまり、手前側搬送ベルト27は、ばね部材33の付勢力によって紙葉類把Cに常時押し付けられ、紙葉類把Cを挟持状態で搬送する。
【0020】
また、搬送路70の終端部には湾曲板状のガイド部材56が設けられている。このガイド部材56は、紙葉類把Cを小帯除去部6の後述するコンベア上に水平方向で載置するために、搬送ベルト26,27によって垂直方向に搬送されてくる紙葉類把Cを90度反転させる。
【0021】
図2および図3に示すように、各搬送ベルト26,26,26の搬送面(挟持面)には爪部28が突設されている。この爪部28は、搬送ベルト26の回転駆動に伴って搬送路を移動し、搬送ベルト26の搬送面に押し付けられる把群Bの一番奥側に位置する一把目の紙葉類把Cの下面と当接して、この紙葉類把Cを上方に持ち上げる。搬送ベルト26の搬送面からの爪部28の突出長は紙葉類把Cの一把のみを上方へ持ち上げることができる長さに設定されている。つまり、爪部28の突出長は紙葉類把Cの一把の想定される最小把厚以下となっている。
【0022】
また、手前側搬送ベルト27,27の駆動プーリ72の下側には、二把目の紙葉類把Cが一把目の紙葉類把Cと同時に持ち上げ搬送されることを防止するストッパ68が設けられている。この場合、ストッパ19と奥側搬送ベルト26との間の間隔d(図4の(a)参照)は、紙葉類把Cの想定される最大把厚に設定されている。
【0023】
図2および図3に示すように、把群Bを押し出すバックアップ14は、バックアップ駆動装置77によって駆動される。また、図3に示すように、奥側搬送ベルト26,26,26に把群Bが押し付けられたことを検知するセンサ58が搬送部18に設けられている。このセンサ58は、例えば発光素子と受光素子とから成る光センサであり、把群Bの一番奥側に位置する紙葉類把Cの端面が奥側搬送ベルト 26,26,26に押し付けられると、発光素子からの光が遮断される。センサ58はバックアップ14を駆動させるバックアップ駆動装置77と駆動プーリ69を駆動させる駆動モータ29とに電気的に接続されており、奥側搬送ベルト26,26,26に把群Bが押し付けられたことがセンサ58によって検知されると、バックアップ駆動装置77がバックアップ14の駆動を停止させ、駆動モータ29が駆動されるようになっている。
【0024】
つまり、バックアップ14は、搬送部18によって紙葉類把Cが一把ずつ搬送される毎に、搬送部18に向かって間欠的に押し出し動作して、残存する把群Bの一番奥側に位置する紙葉類把Cの端面を奥側搬送ベルト26,26,26に押し付け、また、駆動モータ29は、紙葉類把Cの端面が奥側搬送ベルト26,26,26に押し付けられる毎に駆動して搬送部18を動作させ、紙葉類把Cを搬送部18によって上方に持ち上げる。
【0025】
なお、バックアップ駆動装置77は、バックアップ14の移動量(押し出し距離)を検出する移動量検出手段(図示せず)を有しており、この移動量検出手段によって得られたバックアップ移動量の情報は図2に示す制御部76に入力されるようになっている。つまり、紙葉類把Cの一把の搬送毎にバックアップ14の移動量が制御部76に逐次入力される。
【0026】
一方、搬送部18によって搬送される紙葉類把Cの小帯9に対して所定のデータを印字する印字部23は、図5に示すように、把群Bの一番奥側に位置する紙葉類把Cの把面画像を取り込んで横方向の小帯掛け位置を検知する小帯検知CCDカメラ36と、搬送されてきた紙葉類把Cの小帯9に所定のデータを印字する印字ヘッド25とから成り、小帯検知CCDカメラ36によって検知された小帯9の掛け位置情報に基づいて印字ヘッド25がモータ60により小帯9の位置まで移動される。具体的には、印字ヘッド25は、モータ60によって回転駆動されるボールネジ62に接続され、スライドレール61に沿って水平方向に案内されながら回転するボールネジ62によって移動される。
【0027】
次に、小帯除去部6の構成について説明する。
図2に示すように、小帯除去部6は、紙葉類把C(D)を糊剥がし部20から除去回収部21を経て排出部7まで搬送する搬送路を備えている。この搬送路は、糊剥がし部20に位置する第1のコンベア30と、除去回収部21に位置する第2のコンベア31と、排出部7に位置する第3のコンベア32とから成る。
【0028】
このうち、第1のコンベア30は、一対の搬送ベルト30a,30bによって構成され、各搬送ベルト30a,30bは、駆動プーリ40および他の複数のガイドプーリに掛け渡されている。駆動プーリ40はモータ50によって回転駆動され、モータ50の回転力は伝導ベルト51によって駆動プーリ40に伝達される。そして、このような構成の第1のコンベア30に載置されて糊剥がし部20の領域内を搬送される紙葉類把Cは、ヘラを紙葉類把Cの上面と小帯9との間に差し込む動作を行って、紙葉類把Cと小帯9とが誤って接着されている場合に、この接着を剥がす。
【0029】
また、排出部7に位置する第3のコンベア32は搬送ベルト32aによって構成されている。そして、この搬送ベルト32aは駆動プーリ42および他の複数のガイドプーリに掛け渡されている。
【0030】
また、除去回収部21に位置する第2のコンベア31は、一対の搬送ベルト31a,31bによって構成され、各搬送ベルト31a,31bは、駆動プーリ41および他の複数のガイドプーリに掛け渡されている。また、第2のコンベア31の上方には、コンベア上を搬送されてきた紙葉類把Cに対して上方からアプローチする帯除去具38が動作可能に配置されている。この帯除去具38は、第2のコンベア31の上方の所定の高さ位置すなわち帯切断保持位置で、紙葉類把Cと小帯9との間に形成した隙間に挿入され、この挿入した状態で小帯9を切断して保持しつつ把Cから引き剥がすことができる。
【0031】
また、第2のコンベア31は搬送路に対して垂直に上下動可能となっている。第2のコンベア31を上下動させる機構の詳細が図6に示されている。図6に示すように、第2のコンベア31は枠部材72を有している。枠部材72にはピン83が突設されており、このピンは、固定軸85を中心に回動自在なリンク部材53の第1の長孔80に係合している。また、リンク部材53の第2の長孔81にはコンベア上下動モータ55の駆動軸に接続された作動リンク54のピン82が係合している。したがって、コンベア上下動モータ55が駆動して作動リンク54が回転すると、ピン82,83が長孔80,81内をスライドするとともにリンク部材53が固定軸85を中心に回動して、枠部材72すなわち第2のコンベア31が上下動する。なお、図中73は駆動プーリ41を回転させるモータであり、74はモータ73の回転力を駆動プーリ41に伝達する伝導ベルトである。
【0032】
このような第2のコンベア31の上下動は、制御部76によって制御される。すなわち、前述したように、把群Bの一番奥側に位置する一把目の紙葉類把Cが搬送部18によって上方に搬送されると、残存する把群Bは再びバックアップ14によって搬送部18側に押し出されて、二把目の紙葉類把Cが奥側搬送ベルト26の搬送面に到達するが、制御部76は、この二把目押し出し時のバックアップ11の移動距離を既に搬送部18によって搬送されている一把目の紙葉類把Cの厚みとみなし、この把厚情報に基づいてコンベア上下動モータ55の駆動を制御する。制御部76によるコンベア上下動モータ55の駆動制御により、図4の(b)に示す把上面高さeが紙葉類把Cの厚さにかかわらず常に一定位置となるように(帯除去具38の帯切断保持位置に対する把Cの搬送高さが把毎に変動しないように)、第2のコンベア31が上下動されて搬送高さfが調整される。
【0033】
図7は、制御部76をさらに具体的に示したブロック図である。図示のように、制御部76は、主制御部76aと、主制御部76aによって制御される大帯処理制御部76bおよび小帯処理制御部76cとを有している。そして、把分離部5から送られる前述したバックアップ把群押付量(バックアップ移動量)の情報は大帯処理制御部76bを介して小帯処理制御部76cに送られ、小帯処理制御部76cはこの情報に基づいて第2のコンベア31の上下動量を算出して小帯除去部6のコンベア上下動モータ55を駆動制御する。
【0034】
図8は、排出部7から排出されるバラ把Dを受けとる施封判別装置110を示している。この施封判別装置110は、所定枚数、例えば1000枚の紙葉類を一単位として処理可能に構成され、排出部7から排出されるバラ把Dを受けとって次工程に供給する供給装置112を有している。この供給装置112は、1000枚の紙葉類を積層状態で一括して次工程に順次供給する。
【0035】
施封判別装置110は、供給装置112によって投入された紙葉類を1枚ずつ取り出す取り出し部114と、取り出された紙葉類を所定の搬送路に沿って搬送する搬送装置116と、搬送されている紙葉類から模様、寸法、搬送ピッチ等の情報を検出する判別部118と、検出結果に応じて紙葉類の搬送方向を区分する区分部120と、区分された紙葉類を集積する集積部122と、集積された紙葉類を所定枚数ずつ施封する施封部124と、廃棄処分させる紙葉類を裁断および収納する失効部126とを備えている。
【0036】
次に、本実施形態の搬送分離装置(把分離部)5の動作を装置1全体の流れの中で説明する。なお、図9のフローチャートは装置1の全体的な動作を示しており、また、図10のフローチャートは搬送分離装置(把分離部)5の詳細な動作を示している。
【0037】
まず、前工程部からベルトコンベア25によって束取込み部2に立位状態で移載されてくる紙葉類束Aは、束取込み部2のプッシャ11によって大帯除去部3に送られる。大帯除去部3は、プッシャ11によって送り込まれた紙葉類束Aを大帯除去位置まで搬送し、この位置で大帯8a,8bをカッター等の帯除去具25によって切断して除去する。
【0038】
その後、搬送部4は、大帯除去部3で大帯8a,8bが除去された把群Bを、例えば一対の挟持部材12,12(13,13)によって挟持しながら所定の搬送路に沿って搬送し(ステップ1)、把分離部5に送る。
【0039】
把分離部5は、搬送部4によって送り込まれた把群Bをバックアップ14によって押し出しながら把群Bから紙葉類把Cを1把ずつ分離する。この工程では、図2に詳細に示されているように、把群Bが図示しないガイド部材に挟持されながらテーブル15上をバックアップ14によって奥方向(搬送部18側)に搬送され、奥側搬送ベルト26,26,26の搬送面に把群Bが到達しているか否かをセンサ58での検知結果から判断する(ステップ2)。そして、奥側搬送ベルト26,26,26に把群Bが押し付けられたことがセンサ58によって検知されると、バックアップ14の押し出し動作が停止される(ステップ3)。この時、把群Bの一番奥側に位置する紙葉類把Cの把面画像が小帯検知CCDカメラ36に取込まれて(ステップ4)、紙葉類把Cに掛けられた小帯9の位置が検知される(ステップ5)。
【0040】
このように把群Bの一番奥側に位置する紙葉類把C(一把目の紙葉類把C)が奥側搬送ベルト26,26,26に押し付けられると、奥側搬送ベルト26,26,26が回転し、このベルトの搬送面に設けられた爪部28によって一把目の紙葉類把Cのみが上方向へ分離搬送される(ステップ6)。この時、紙葉類把Cは、奥側搬送ベルト26,26,26とこのベルト13と同期回転する手前側搬送ベルト27,27との間に挟み込まれる。また、紙葉類把Cの厚さに応じて奥側搬送ベルト26,26,26と手前側搬送ベルト27,27との挟持間隔がばね部材33,33の付勢力に抗して開かれる。
【0041】
一把目の紙葉類把Cが小帯印字位置の高さまで搬送されると、搬送ベルト26,26,26の駆動が停止される。そして、この小帯印字位置で紙葉類把Cの小帯9に所定のデータが印字される。すなわち、小帯検知CCDカメラ36によって検知された小帯9の掛け位置情報に基づいて印字ヘッド25がモータ60により小帯9の位置まで移動し(ステップ7)、搬送されてきた紙葉類把Cの小帯9にデータを印字する(ステップ8)。
【0042】
印字が完了した紙葉類把Cは、ベルト26,27間に挟持されたまま搬送され(ステップ9)、搬送路の終端に位置するガイド部材によって90度反転されて小帯除去部6の第1のコンベア30上に水平状態で載置される。
【0043】
小帯除去部6の第1のコンベア30上に載置された紙葉類把Cは、糊剥がし部20のヘラを紙葉類把Cの上面と小帯9との間に差し込む動作を行って、紙葉類把Cと小帯9とが誤って接着されている場合に、この接着を剥がす。また、このようにして小帯除去部6に対する一把目の紙葉類把Cの受け渡しが終了すると、残存する把群Bが再びバックアップ14によって搬送部18側に押し出されて、二把目の紙葉類把Cが奥側搬送ベルト26の搬送面に到達する(それ以後の二把目の紙葉類把Cの動作は一把目の紙葉類把Cと同様である)。
【0044】
この時、制御部76は、この二把目押し出し時のバックアップ11の移動距離を既に小帯除去部6によって搬送された一把目の紙葉類把Cの厚みとみなして把厚を検出する(ステップ10)。この把厚情報に基づいて小帯除去部6の第2のコンベア31のモータ55の駆動を制御する。制御部76によるモータ55の駆動制御により、第2のコンベア31が上下動されて、搬送高さf(図4の(b)参照)が調整される。すなわち、一把目の紙葉類把Cは、最も良好な帯除去性能が得られる高さ(帯除去具38の固定された帯切断保持位置)で、帯除去具38が待機する場所まで供給される。
【0045】
高さ調整が完了した第2のコンベア31上に一把目の紙葉類把Cが搬送されてくると、帯切断保持位置で待機していた帯除去具38が紙葉類把Cと小帯9との間に形成された隙間に挿入される。そして、この挿入状態で、帯除去具38によって小帯9が切断保持され把Cから引き剥がされて回収される。
【0046】
このように処理された一把目の紙葉類把Cは、小帯9が掛かっていない状態のバラ把(紙葉類積層体)Dとして第3のコンベア32上に受け渡される。そして、このバラ把Dは排出部7にて一時待機後、次工程部すなわち施封判別装置110(図8参照)に排出される。なお、これらの一連の動作は、テーブル15上の把群Bの残留の有無が検出され(ステップ11)、全ての把群Bが処理されるまで繰り返される。
【0047】
以上説明したように、本実施形態の搬送分離装置(把分離部)5によれば、把群Bの最も奥側に位置する紙葉類把C(一把目)は、バックアップ14によって奥側搬送ベルト26,26,26の搬送面に押し付けられ、奥側搬送ベルト26,26,26の搬送面に設けられた爪部28によって垂直上方に持ち上げられて、把群Bから分離される。また、この場合、ストッパ68と、ばね部材33を有する回動自在な手前側搬送ベルト27,27とが、爪部28によって得られる分離能をさらに向上させる。
【0048】
すなわち、ストッパ68は、二把目の紙葉類把Cが一把目の紙葉類把Cと同時に持ち上げ搬送されることを阻止することによって分離不良を防止して、爪部28によって得られる分離能をさらに向上させる。また、手前側搬送ベルト27,27は、最小把厚以上の厚みを有する紙葉類把Cが搬送される場合には、奥側搬送ベルト26,26,26との挟持間隔を開きながら、ばね部材33,33の付勢力により奥側搬送ベルト26,26,26との間で紙葉類把Cをしっかりと挟持して、分離された紙葉類把の厚みの違いによって生じる搬送不良を防止するとともに、爪部28によって分離された紙葉類把Cの円滑かつ確実な搬送を可能にする。
【0049】
また、本実施形態の搬送分離装置(把分離部)5は、把群Bをバックアップ14により奥側搬送ベルト26,26,26に押し付けた際に、分離直前の紙葉類把C(奥側搬送ベルト26に押し付けられた最奥側の紙葉類把)の小帯9の位置を検出し、この検出情報に基づいて予め移動した印字ヘッド25により搬送途中の紙葉類把Cの小帯9に印字することができる。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の搬送鰤装置は、紙葉類把の厚みが把間で異なっていても、確実かつ容易に紙葉類把を一把ずつ分離搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る搬送分離装置を含む施封帯除去装置の模式図である。
【図2】図1の施封帯除去装置を構成する搬送分離装置(把分離部)と小帯除去部の詳細を示す斜視図である。
【図3】図2の搬送分離装置(把分離部)の側面図である。
【図4】(a)は搬送分離装置(把分離部)の搬送ベルトの側面図、(b)は小帯除去部の第2のコンベアの正面図である。
【図5】搬送分離装置(把分離部)の印字部の構成を示す斜視図である。
【図6】小帯除去部の第2のコンベアの駆動機構を示す斜視図である。
【図7】制御部の構成例を示すブロック図である。
【図8】施封判別装置の全体構成を示す概略図である。
【図9】施封帯除去装置の全体の動作の流れを示すフローチャートである。
【図10】搬送分離装置(把分離部)の詳細な動作の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
5…搬送分離装置(把分離部)、9…施封帯、14…バックアップ(押出し手段)、26…奥側搬送ベルト(第1の搬送ベルト)、27…手前側搬送ベルト(第2の搬送ベルト)、28…爪部、B…把群(積層体)、C…紙葉類把。
Claims (6)
- 略垂直な搬送路に沿って延びる第1の搬送ベルトと、
施封帯によって束ねられた紙葉類の把が積層されて成る積層体を、紙葉類の把の厚さ方向に略水平に押し出して、積層体の紙葉類の把を一把ずつ順次に前記第1の搬送ベルトの搬送面に当接させる押出し手段と、
第1の搬送ベルトの搬送面に設けられ、この搬送面に前記押出し手段によって押し付けられる紙葉類の一把のみに対して下側から当接してこの紙葉類把を略垂直上方に持ち上げることにより他の紙葉類把から分離する爪部と、
第1の搬送ベルトと略平行に延び、前記爪部によって持ち上げられた紙葉類の把を第1の搬送ベルトとの間で挟持しつつ第1の搬送ベルトと協働して略垂直上方に搬送する第2の搬送ベルトと、
を具備することを特徴とする搬送分離装置。 - 略垂直な搬送路に沿って延びる第1の搬送ベルトと、
施封帯によって束ねられた紙葉類の把が積層されて成る積層体を、紙葉類の把の厚さ方向に略水平に押し出して、積層体の紙葉類の把を一把ずつ順次に前記第1の搬送ベルトの搬送面に当接させる押出し手段と、
第1の搬送ベルトの搬送面に設けられ、この搬送面に前記押出し手段によって押し付けられる紙葉類の一把のみに対して下側から当接してこの紙葉類把を略垂直上方に持ち上げることにより他の紙葉類把から分離する爪部と、
第1の搬送ベルトと略平行に延び、前記爪部によって持ち上げられた紙葉類の把を第1の搬送ベルトとの間で挟持しつつ第1の搬送ベルトと協働して略垂直上方に搬送する第2の搬送ベルトと、
第1の搬送ベルトの搬送面に当接された紙葉類把の施封帯の位置を検知する検知手段と、
第1の搬送ベルトと第2の搬送ベルトとによって搬送される紙葉類把の施封帯に対して所定のデータを印字する印字手段と、
前記検知手段からの検知情報に基づいて印字手段を駆動させる駆動手段と、
を具備することを特徴とする搬送分離装置。 - 隣接する2つの紙葉類把が第1および第2の搬送ベルトによって同時に搬送されることを阻止する手段が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の搬送分離装置。
- 隣接する2つの紙葉類把が第1および第2の搬送ベルトによって同時に搬送されることを阻止する手段が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の搬送分離装置。
- 前記第2の搬送ベルトは、第1の搬送ベルトとの挟持間隔を開くように回動可能であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか 1 項に記載の搬送分離装置。
- 前記第2の搬送ベルトを、第1の搬送ベルトとの挟持方向に向けて付勢する付勢手段が設けられていることを特徴とする請求項2または請求項5に記載の搬送分離装置。
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- 1995-10-20 JP JP27277995A patent/JP3697303B2/ja not_active Expired - Lifetime
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