JP3697051B2 - 撮像装置およびそのレンズ制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は撮像装置およびそのレンズ制御方法に関し、特に、いわゆるインナーフォーカスタイプのレンズシステムを搭載したカメラにおけるレンズ制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図10は、従来から用いられているインナーフォーカスタイプのレンズシステムの簡単な構成例を示すものである。図10において、101は固定されている第1のレンズ群、102は光軸に沿って移動して変倍を行うための第2のレンズ群(以下、変倍レンズまたはズームレンズと称す)、103は絞り、104は固定されている第3のレンズ群、105は光軸に沿って移動し、焦点調節機能と変倍による焦点面の移動を補正するためのいわゆるコンペ機能とを兼ね備えた第4のレンズ群(以下、フォーカスレンズと称す)、106はCCD等の撮像素子上に形成される撮像面である。
【0003】
図10のように構成されたレンズシステムでは、フォーカスレンズ105が焦点調節機能とコンペ機能とを兼ね備えているため、焦点距離(変倍レンズ102の位置)が等しくても、撮像面106に合焦するためのフォーカスレンズ105の位置は、被写体距離によって異なってしまう。各焦点距離において被写体距離を変化させたとき、撮像面106上に合焦させるためのフォーカスレンズ105の位置を連続してプロットすると、図11のようになる。したがって、変倍動作中は、被写体距離に応じて図11に示された何れかの軌跡を選択し、その選択した軌跡どおりにフォーカスレンズ105を移動させれば、ボケのないズームが可能になる。
【0004】
なお、前玉フォーカスタイプのレンズシステムでは、変倍レンズに対して独立したコンペレンズが設けられており、さらに変倍レンズとコンペレンズとが機械的なカム環で結合されている。したがって、例えばこのカム環にマニュアルズーム用のツマミを設け、手動で焦点距離を変えようとした場合、ツマミをいくら速く動かしてもカム環はこれに追従して回転し、変倍レンズとコンペレンズはカム環のカム溝に沿って移動する。よって、フォーカスレンズのピントがあっていれば、上記動作によってボケを生じることはない。
【0005】
上述のような特徴を有するインナーフォーカスタイプのレンズシステムの制御においては、図11に示される複数の軌跡情報を何らかの形でレンズ制御用マイコンに記憶させておく。そして、フォーカスレンズ105と変倍レンズ102の位置によって何れかの軌跡を選択して、該選択した軌跡上をたどりながらズーミングを行うのが一般的である。
【0006】
さらに、変倍レンズ102の位置に対するフォーカスレンズ105の位置を記憶媒体(上記レンズ制御用マイコンの記憶素子など)から読み出してレンズ制御用に応用するため、各レンズの位置の読み出しをある程度精度良く行わなくてはならない。特に、図11からも明らかなように、変倍レンズ102が等速度またはそれに近い速度で移動する場合、焦点距離の変化によって刻々とフォーカスレンズ105の軌跡の傾きが変化している。これは、フォーカスレンズ105の移動速度と移動の向きとが刻々と変化することを示している。換言すれば、フォーカスレンズ105のアクチュエータは、1Hz〜数百Hzまでの精度良い速度応答をしなければならないことになる。
【0007】
上述の要求を満たすアクチュエータとして、インナーフォーカスレンズシステムのフォーカスレンズ群には、ステッピングモータを用いるのが一般的になりつつある。ステッピングモータは、レンズ制御用のマイコン等から出力される歩進パルスに完全に同期しながら回転し、1パルス当たりの歩進角度が一定なので、高い速度応答性と停止精度と位置精度とを得ることが可能である。さらに、ステッピングモータを用いる場合は、歩進パルス数に対する回転角度が一定であるから、歩進パルスをそのままインクリメント型のエンコーダとして用いることができ、特別な位置エンコーダを追加しなくてもよいという利点がある。
【0008】
上述したように、ステッピングモータを用いて合焦を保ちながら変倍動作を行おうとする場合、レンズ制御用のマイコン等に図11に示した軌跡情報を何らかの形(軌跡そのものでも、レンズ位置を変数とした関数でも良い)で記憶しておき、変倍レンズ102の位置または移動速度に応じて適切な軌跡情報を読み出して、その情報に基づいてフォーカスレンズ105を移動させる必要がある。
【0009】
図12は、既に提案されている軌跡追従方法の一例を説明するための図である。図12(a)において、z0 ,z1 ,z2 ,…z6 は変倍レンズ102の位置を示しており、a0 ,a1 ,a2 ,…a6 およびb0 ,b1 ,b2 ,…b6 は、それぞれレンズ制御用マイコンに記憶しているフォーカスレンズ105の代表軌跡である。また、p0 ,p1 ,p2 ,…p6 は、上記記憶している2つの軌跡をもとに算出された軌跡である。
【0010】
この軌跡の算出式を以下に記す。
pn+1 =|pn −an |/|bn −an |×|bn+1 −an+1 |+an+1 ……(1)
この(1)式によれば、図12において、例えばフォーカスレンズ105が位置p0 にある場合、点p0 が線分b0-a0 を内分する比を求め、この比に従って線分b1-a1 を内分する点をp1 としている。このp1 −p0 の位置差と、変倍レンズ102が位置z0 から位置z1 まで移動するのに要する時間とから、合焦を保つためのフォーカスレンズ105の移動速度が分かる。
【0011】
次に、変倍レンズ102の停止位置に関し、記憶された代表軌跡データを所有する境界上のみという制限がないとした場合について説明する。図13は、変倍レンズ位置方向の内挿方法を説明するための図であり、図12(a)の一部を抽出し、変倍レンズ位置(ズームレンズ位置)を任意としたものである。
【0012】
図13において、縦軸、横軸はそれぞれフォーカレンズ位置、変倍レンズ位置を示している。また、レンズ制御用マイコンで記憶している代表軌跡位置(変倍レンズ位置に対するフォーカスレンズ位置)は、変倍レンズ位置を、
z0 ,z1 ,…zk-1 ,zk …zn
とし、そのときのフォーカスレンズ位置を被写体距離別に、
a0 ,a1 ,…ak-1 ,ak …an
b0 ,b1 ,…bk-1 ,bk …bn
としている。
【0013】
今、変倍レンズ位置がズーム境界上でない位置zx にあり、フォーカスレンズ位置がpx である場合、位置ax ,bx を求めると、
ax =ak −(zk −zx )×(ak −ak-1 )/(zk −zk-1 )…(2)
bx =bk −(zk −zx )×(bk −bk-1 )/(zk −zk-1 )…(3)
となる。つまり、現在の変倍レンズ位置(例えば、図13の位置zx )とそれを挟む2つのズーム境界位置(例えば、図13の位置zk ,zk-1 )とから得られる内分比に従い、記憶している4つの代表軌跡データ(図13では位置ak ,ak-1 ,bk ,bk-1 )のうち同一被写体距離のものを上記内分比で内分することにより、位置ax ,bx を求めることができる。
【0014】
そして、上記の各位置ax ,px ,bx から得られる内分比に従い、記憶している4つの代表軌跡データ(図13では位置ak ,ak-1 ,bk ,bk-1 )のうち、同一焦点距離のものを(1)式のように上記内分比で内分することにより位置pk ,pk-1 を求めることができる。
【0015】
さらに、ワイドからテレ側へのズーム時には、追従先のフォーカス位置pk と現フォーカス位置px との位置差と、変倍レンズ102が位置zx から位置zk まで移動するのに要する時間とから、合焦を保つためのフォーカスレンズ105の移動速度が分かる。一方、テレからワイド側へのズーム時には、追従先のフォーカス位置pk-1 と現フォーカス位置px との位置差と、変倍レンズ102が位置zx から位置zk-1 まで移動するのに要する時間とから、合焦を保つためのフォーカスレンズ105の移動速度が分かる。
以上のような軌跡追従方法が提案されている。
【0016】
ところで、図11から明らかなように、変倍レンズ102がテレからワイド方向に移動する場合には、ばらけている軌跡が収束する方向なので、どの軌跡をたどれば良いかが比較的明確であり、上述した軌跡追従方法でも合焦は維持できる。しかしながら、ワイドからテレ方向に移動する場合には、収束点にいたフォーカスレンズ105がどの軌跡をたどるべきかが判らないので、同様な軌跡追従方法では合焦を維持できない。
【0017】
図14は、上述したような問題に対して提案されている軌跡追従方法の一例を説明するための図である。図14(a)、(b)とも横軸は変倍レンズの位置を示しており、縦軸は(a)がAF評価信号、すなわち、映像信号の高周波成分(鮮鋭度信号)の水平同期期間内の鮮鋭度ピーク信号を垂直同期期間内で足し合わせた積分値を示しており、(b)がフォーカスレンズ位置を示している。
【0018】
図14において、ある被写体に対してズーミングを行う際の合焦カム軌跡が曲線604であるとする。ここで、ズーム位置606(z14)よりワイド側での合焦カム軌跡追従速度を正(フォーカスレンズ至近方向に移動)、ズーム位置606よりテレ側の無限方向に移動する合焦カム軌跡追従速度を負とする。合焦を維持しながらフォーカスレンズ105がカム軌跡604を辿るときに、上記鮮鋭度ピーク信号の大きさは601のようになる。一般に、合焦を維持したズーミングでは、鮮鋭度ピーク信号のレベルはほぼ一定値となることが知られている。
【0019】
図14(b)において、ズーミング時に合焦カム軌跡604をトレースする理想的なフォーカスレンズ移動速度をVf0とする。実際のフォーカスレンズ105の移動速度をVf とし、カム軌跡604をトレースする移動速度Vf0に対して、移動速度Vf を大小させながらズーミングすると、その軌跡は605のようにジグザグの軌跡となる。このとき、上記鮮鋭度ピーク信号のレベルは603のように山、谷を生ずるように変化する。
【0020】
ここで、軌跡604と軌跡605とが交わる位置(z0 ,z2 ,…z16の偶数のポイント)で鮮鋭度ピーク信号603の大きさは最大となり、軌跡605の移動方向ベクトルが切り替わる位置(z1 ,z3 ,…z15の奇数のポイント)で最小となる。602は上記鮮鋭度ピーク信号603の最小値であるが、逆にこの最小値602のレベルTH1を設定し、鮮鋭度ピーク信号603の大きさがレベルTH1と等しくなる毎に、軌跡605の移動方向ベクトルを切り替えれば、切り替え後のフォーカスレンズ移動方向は、合焦軌跡604に近づく方向に設定することができる。
【0021】
つまり、鮮鋭度ピーク信号603の最大レベル601と最小レベル602(TH1)との差分だけ像がボケる毎に、ボケを減らすようにフォーカスレンズ105の移動方向および速度を制御することで、ボケ量を抑制したズーミングを行うことができる。
【0022】
上述した手法を用いることにより、図11に示したようなカム軌跡が収束から発散していくワイドからテレ側へのズーミングにおいて、仮に合焦速度Vf0が分からなくても、従来例、図12で説明した追従速度((1)式より求まるpn+1 を使って算出)に対して、フォーカスレンズ移動速度Vf を制御しながら、図14の軌跡605のように切り替え動作を繰り返すことにより(鮮鋭度ピーク信号レベルの変化に従って)、鮮鋭度ピーク信号レベルが最小値602(TH1)よりも下がらない、つまり、一定量以上のボケを生じない軌跡の選択が行える。
【0023】
ここで、フォーカスレンズ105の実際の移動速度Vf は、正方向の補正速度をVf+、負方向の補正速度をVf-として、
Vf =Vf0+Vf+ ……(4)
Vf0+Vf- ……(5)
より決まる。このとき補正速度Vf+,Vf-は、上記ズーミング手法による追従軌跡選択時の片寄りが生じないように、(4)式および(5)式により得られる移動速度Vf の2つの方向ベクトルの内角が、vf0の方向ベクトルにより2等分されるように決定される。
【0024】
また、被写体や、焦点距離、被写界深度に応じて補正速度の大きさを変化させることにより、追従軌跡の選択精度の向上を図った手法も提案されている。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、最近は、多段速ズームが主流であり、低速ズームから高速ズームまでズーム速度が多様である。この場合でも、ズーム動作中において撮影被写体にフォーカスを追従しなくてはならない。
【0026】
ところが、AF評価信号の鮮鋭度積分信号は、水平同期期間内の鮮鋭度ピーク信号を垂直同期期間内で足し合わせた値であるので、低速ズーム時には手ブレ等によるノイズによって評価信号の変化も積分されて現れる。そのため、ズーム動作中のフォーカスレンズの追従ずれによる評価信号変化なのか、ノイズ等による変化なのかを判断できず、ズーム動作中に撮影被写体にフォーカスを正確に追従できないという問題があった。
【0027】
また、高速ズーム時には画角変化が急峻なために、ズーム動作中のフォーカスレンズの追従ずれによる評価信号変化なのか、画角変化によるものなのかを判断できず、ズーム動作中に撮影被写体にフォーカスを正確に追従できないという問題があった。
【0028】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、低速ズームから高速ズームまでの多段速ズームを採用したカメラ等において、どのようなズーム速度でもズーム動作中に撮影被写体にフォーカスを正確に追従できるようにすることを目的とする。
また、本発明は、低速ズーム時に発生しやすい手ブレ等の内部ノイズの有無やその他の要因に応じてズーム動作中に撮影被写体にフォーカスを正確に追従できるようにすることをも目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】
本発明の撮像装置は、変倍動作中に合焦を維持するよう繰り返し算出された評価値に基づいてレンズを駆動するような構成を有する撮像装置であって、撮影された被写体の映像信号の水平同期期間内の第1の信号を垂直同期期間内に足し合わせて鮮鋭度信号を検出する信号検出手段と、上記信号検出手段において検出された上記鮮鋭度信号に基づいて算出された評価値に応じて合焦を維持するようレンズを駆動するレンズ駆動手段と、上記変倍動作中に、上記鮮鋭度信号を平均化し、平均化された鮮鋭度信号に基づいて評価値を算出するとともに、鮮鋭度信号を平均化する垂直同期期間を変倍動作の速度に応じて可変する評価値算出手段とを備えたことを特徴とする。
【0030】
ここで、上記評価値算出手段は、上記変倍動作の速度に応じて、変倍速度が速いときは上記鮮鋭度信号の平均時間を短くし、変倍速度が遅いときは上記鮮鋭度信号の平均時間を長くして上記合焦評価値を算出するようにしても良い。
また、上記評価値算出手段は、様々な変倍速度に応じて設定された平均時間テーブルを有し、当該平均時間テーブルを参照して上記様々な変倍速度に応じて上記鮮鋭度信号の平均時間を決定し、上記合焦評価値を算出するようにしても良い。
【0035】
本発明の他の撮像装置は、変倍動作を行うための第1のレンズ群と、上記第1のレンズ群の移動時における焦点面の移動を補正するための第2のレンズ群と、撮影された被写体の映像信号から高周波成分を抽出して鮮鋭度信号を所定期間ごとに検出する信号検出手段と、指定された変倍速度を読み込む読込手段と、上記指定された変倍速度に応じて上記第1のレンズ群を駆動する駆動手段と、上記第1のレンズ群の位置に対する上記第2のレンズ群の合焦位置の情報を、被写体距離に応じて記憶する記憶手段と、上記記憶手段に記憶されている情報に基づいて、上記第1のレンズ群の移動時における上記第2のレンズ群の標準移動速度を求める移動速度算出手段と、加減算された標準移動速度に応じて上記第2のレンズ群を駆動する第2の駆動手段と、上記変倍動作時に、上記求められた上記第2のレンズ群の標準移動速度に対して補正速度を加減算する速度補正手段と、上記変倍動作時に、変倍動作中の合焦評価値の算出に用いる上記鮮鋭度信号の数を上記変倍動作の速度に応じて可変にし、設定された数の上記鮮鋭度信号に基づいて変倍動作中の合焦評価値を算出して、算出した合焦評価値の大きさにより、上記標準移動速度に加減算させる補正速度を可変とする合焦制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0036】
ここで、上記合焦制御手段は、上記変倍動作の速度に応じて、変倍速度が速いときは上記鮮鋭度信号の数を少なくし、変倍速度が遅いときは上記鮮鋭度信号の数を多くして上記合焦評価値を算出するようにしても良い。
また、上記合焦制御手段は、様々な変倍速度に応じて設定された上記鮮鋭度信号数テーブルを有し、当該鮮鋭度信号数テーブルを参照して上記様々な変倍速度に応じて上記鮮鋭度信号の数を決定し、上記合焦評価値を算出するようにしても良い。
【0041】
本発明の他の撮像装置は、変倍動作中に合焦を維持するよう繰り返し算出された評価値に基づいてフォーカス機能を有するレンズを駆動するような構成を有する撮像装置であって、撮影された被写体の映像信号の垂直同期期間に合わせて鮮鋭度信号を検出する信号検出手段と、上記信号検出手段において検出された上記鮮鋭度信号に基づいて算出された評価値に応じて上記レンズを駆動するレンズ駆動手段と、さらに、第1のズーム速度よりも遅い第2のズーム速度にした場合、当該第1のズーム速度の場合よりも多くの垂直同期期間のそれぞれにおいて検出された鮮鋭度信号に基づいて評価値を算出する制御手段を有することを特徴とする。
【0042】
本発明のレンズ制御方法は、変倍動作中に合焦を維持するよう繰り返し算出された評価値に基づいて駆動されるレンズのレンズ制御方法であって、撮影された被写体の映像信号の水平同期期間内の第1の信号を垂直同期期間内に足し合わせて鮮鋭度信号を検出し、上記鮮鋭度信号に基づいて算出された評価値に応じて合焦を維持するようレンズを駆動する際、上記変倍動作中に、評価値の算出に用いる鮮鋭度信号の数を上記変倍動作の速度に応じて可変にし、評価値を算出することを特徴とする。
【0043】
本発明の他のレンズ制御方法は、変倍動作中に合焦を維持するよう繰り返し算出された評価値に基づいて駆動されるレンズのレンズ制御方法であって、撮影された被写体の映像信号の垂直同期期間に合わせて鮮鋭度信号を検出し、検出された上記鮮鋭度信号に基づいて算出された評価値に応じて上記レンズを駆動する際に、第1のズーム速度よりも遅い第2のズーム速度にした場合、当該第1のズーム速度の場合よりも多くの垂直同期期間のそれぞれにおいて検出された鮮鋭度信号に基づいて評価値を算出することを特徴とする。
【0044】
このように構成した本発明によれば、変倍動作中に合焦を維持するためのレンズ群の移動軌跡を表す合焦軌跡が確定されていない、ワイドからテレ側への変倍動作において、合焦カム軌跡の選択およびボケのないフォーカス追従を正確に行うことが可能となる。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0046】
(第1の実施形態)
図1は、本発明に係る撮像装置の一実施形態による構成を示すブロック図である。図1において、101,102,103,104,105はそれぞれインナーフォーカスタイプのレンズシステムを構成する要素であり、それぞれ固定の前玉レンズ群、変倍を行うための第2のレンズ群、絞り、固定の第3のレンズ群、コンペ機能とフォーカシング機能とを兼ね備えた第4のレンズ群である。
【0047】
このレンズシステムを透過した被写体光は、CCD等の撮像素子106上で結像され、光電変換により映像信号に変換される。この変換された映像信号は、増幅器またはインピーダンス変換器107で増幅され、カメラ信号処理回路108に入力される。ここで所定の信号処理を施された映像信号は、増幅器109で規定レベルまで増幅され、LCD表示回路110で処理された後、LCD111に撮影画像として表示される。
【0048】
上記増幅器またはインピーダンス変換器107で増幅された映像信号は、絞り制御回路112およびAF評価値処理回路115にも送られる。絞り制御回路112では、映像信号の入力レベルに応じて、IGドライバ113およびIGメータ114を駆動して、絞り103を制御し、光量調節を行っている。また、AF評価値処理回路115では、測距枠生成回路117からのゲート信号に応じて、測距枠内の映像信号の高周波成分のみを抽出し、AF評価信号生成のための所定の処理を行っている。
【0049】
116はAFマイコンであり、上記AF評価値処理回路115から与えられるAF評価信号強度に応じて、レンズの駆動制御、および測距エリアを変更するための測距枠制御を行っている。また、AFマイコン116は、システムコントロールマイコン(以下、シスコンと称す)122と通信をしており、シスコン122がA/D変換等によって読み込むズームスイッチ123の情報や、AFマイコン116が制御するズーム時のズーム方向や焦点距離などの変倍動作情報等を、互いにやり取りしている。
【0050】
上記ズームスイッチ123は、ユニット化されたズームSWであり、操作部材の回転角度に応じた電圧が出力される。図2に、ユニット化されたズームSWの構成とその特性とを示す。図2(a)に示すように、ズームSWは、操作部材の回転角度に応じた電圧が出力されるように可変抵抗で構成されている。この出力電圧の大きさに応じて可変速ズームが行われる。
【0051】
また、図2(b)には、ズームSWの出力電圧と可変速ズーム速度との関係が示されている。出力電圧の範囲中で中間の2.5V付近が変倍動作の停止区間であり、その値より出力電圧が小さいときはワイド方向に変倍動作を行い、その電圧が低いほど高速、高いほど低速となる。一方、停止電圧より高いときはテレ方向に変倍動作を行い、その電圧が高いほど高速、低いほど低速となる。ワイド方向とテレ方向のどちらも出力電圧と変倍速度とが線形な関係になっている。
【0052】
118は変倍レンズドライバであり、AFマイコン116から出力される変倍レンズ102の駆動命令に従って、駆動エネルギーをレンズ駆動用モータに出力する。120はフォーカスコンペレンズドライバであり、AFマイコン116から出力されるフォーカスレンズ105の駆動命令に従って、駆動エネルギーをレンズ駆動用モータに出力する。119,121はそれぞれ変倍レンズ102およびフォーカスレンズ105を駆動するための上記レンズ駆動用モータである。
【0053】
上記レンズ駆動用モータがステッピングモータであるとして、モータの駆動方法を以下に説明する。
AFマイコン116は、プログラム処理により変倍レンズモータ119、フォーカスコンペレンズモータ121の駆動速度を決定し、それを各ステッピングモータの回転周波数信号として、変倍レンズドライバ118とフォーカスコンペレンズドライバ120に送る。また、各モータ119,121の駆動/停止命令および回転方向命令も各ドライバ118,120に送っている。
【0054】
上記駆動/停止命令および回転方向命令は、変倍レンズモータ119に関しては、主としてズームスイッチユニット123の状態に応じて出力される。また、フォーカスコンペレンズモータ121に関しては、AF時およびズーム時にAFマイコン116内の処理で決定する駆動命令に応じて出力される。モータドライバは、受信した回転方向信号に応じて、4相のモータ励磁相の位相を順回転および逆回転の位相に設定する。さらに、受信した回転周波数信号に応じて、4つのモータ励磁相の印加電圧(または電流)を変化させながら出力することにより、モータの回転方向と回転周波数とを制御しつつ、駆動/停止命令に応じて、モータへの出力をON/OFFしている。
【0055】
図3は、本発明を実施するための制御フローであり、レンズ制御のためのAFマイコン116内で処理される。ステップS301は初期設定ルーチンであり、AFマイコン116内の図示しないRAMや各種ポートの初期設定処理を行う。ステップS302はシスコン122との相互通信ルーチンであり、ここでズームSWユニット123の情報や、ズームレンズ位置などの変倍動作情報のやりとりを行っている。
【0056】
ステップS303の鮮鋭度信号処理ルーチンでは、AF評価値処理回路115から得られた信号によってAF評価信号である鮮鋭度信号を加工する。次にステップS304のAF処理ルーチンでは、上記ステップS303にて加工されたAF評価信号の変化に応じて自動焦点調節処理を行っている。
【0057】
次のステップS305はズーム処理ルーチンであり、変倍動作時において合焦を維持するためのコンペ動作の処理を行う。本ルーチンで、図11に示したようなカム軌跡をトレースするために、フォーカスレンズ105の駆動方向および駆動速度を算出する。これに関しては後に図4を用いて詳しく説明する。
【0058】
ステップS306では、AF動作時や変倍動作時等に応じて、上記ステップS304〜S305で算出されるズームやフォーカスの駆動方向および駆動速度のうち、いずれを使用するのかを選択し、レンズのメカ端に当たらないようにソフト的に設けているテレ端よりテレ側、ワイド端よりワイド側、至近端より至近側および無限端より無限側には駆動しないように設定する。
【0059】
ステップS307では、上記ステップS306で定めたズームおよびフォーカス用の駆動方向と駆動速度に関する情報に応じて、変倍レンズドライバ118およびフォーカスコンペレンズドライバ120に制御信号を出力し、レンズの駆動/停止を制御する。このステップS307の処理終了後はステップS302に戻る。なお、図3の一連の処理は、垂直同期期間に同期して実行される(ステップS302の処理の中で、次の垂直同期信号がくるまで、待機する)。
【0060】
図4は、本発明を実施するための制御フローであり、上記図3のステップS305内のサブルーチンの処理内容を示す。
まずステップS401では、シスコン122との通信によって得られたズームSW123の情報によりズームの速度を設定し、反転フラグの値を“0”とする。そして、ステップS402でズーム中であるかどうかを判断し、ズーム中でなければズーム処理ルーチンをぬける。
【0061】
一方、上記ステップS402でズーム中であると判断された場合は、ステップS403に進み、そのときの変倍レンズ102およびフォーカスレンズ105の位置と、あらかじめ記憶されている代表カム軌跡テーブルの内容とから標準のカム軌跡を設定する。すなわち、先の図12(a)の例でフォーカスレンズ105の現在位置がp0 のとき、点p0 が線分b0-a0 (β)を内分する比は、
p0-a0 /b0-a0 =α/β
となる。図12(b)上ではa0 =A00、b0 =A10なので、v=0でn=0,1間の位置をα/βの比率で内分する点がフォーカスレンズ105の位置となり、その内分点をワイドからテレ側まで(v=0,1,…s)結んだのが軌跡となる。
【0062】
したがって、そのときの変倍レンズ102およびフォーカスレンズ105の位置から、n,α,βの値を算出すれば、標準カム軌跡が設定できる。そして、この標準カム軌跡(n,α,β)と、AFマイコン116に記憶されている軌跡データとから、従来例で述べた(1)式より求まるp1 を算出し、これを使ってフォーカスレンズ105の標準追従速度Vf0を算出する。
【0063】
次に、ステップS404では、図14(b)に示した正方向、負方向にフォーカスレンズ105を駆動するための補正速度Vf+,Vf-を算出する。この補正速度Vf+,Vf-は、以下のように算出する。
図5は、上記補正速度Vf+,Vf-の計算方法を説明するための図である。すなわち、図5において、横軸は変倍レンズ位置、縦軸はフォーカスレンズ位置を示しており、604が追従すべきカム軌跡であるとする。
【0064】
今、変倍レンズ102の位置がxだけ変化するとき、フォーカスレンズ105の位置がyだけ変化するフォーカス速度が上記ステップS403で算出された標準速度Vf0(503)である。また、変倍レンズ102の位置がxだけ変化するときフォーカスレンズ105の位置がnまたはmだけ変化するフォーカス速度がそれぞれ、求めたい補正速度Vf+,Vf-である。ここで、+状態を作る標準速度Vf0に補正速度Vf+を加えた速度501と、−状態を作るVf0+Vf-のフォーカス速度を持つ速度502とが、標準速度Vf0の方向ベクトルに対して等しい角度γだけ離れた方向ベクトルを持つように、n,mの値を決定する。
【0065】
まずm,nを求める。図5より図形的に、
tanθ=y/x、 tan(θ−γ)=(y−m)/x、 tan(θ+γ)=(y+n)/x ……(6)
tan(θ±γ)=( tanθ tanγ)/(1± tanθ tanγ) ……(7)
が成り立つ。上記(6)式および(7)式より、
m=(x2+y2)/(x/k+y) ……(8)
n=(x2+y2)/(x/k−y) ただし tanγ=k ……(9)
となり、m、nの値を求めることができる。
【0066】
ここで、角度γの大きさは、焦点距離により、ワイド側の値を基準としてミドル域では0.8倍、テレ領域では2倍とするように変化させる。このようにすることで、フォーカスレンズ105の駆動状態に応じて変化する鮮鋭度信号レベルの増減周期を、所定のフォーカスレンズ位置変化量に対して一定に保つことができ、ズーミング動作中に追従すべき軌跡を見逃す可能性を低減できる。
【0067】
本実施形態では、角度γの値に応じてAFマイコン116のメモリ内にテーブルとしてkの値で記憶し、必要に応じて読み出すことにより、(8)式および(9)式の計算を行う。ここで、変倍レンズ102の位置が単位時間当たりxだけ変化するとすれば、ズーム速度Vz =x、フォーカス標準速度Vf0=y、補正速度Vf+=n、Vf-=mとでき、上記(8)式および(9)式により、補正速度Vf+,Vf-が得られる。
【0068】
次に、ステップS405で、上記ステップS401で設定したズーム速度が高速か低速かを判断し、高速ズームならばステップS406に進み、ズーム動作中に使用するための合焦評価値Aにそのとき得られる垂直同期期間内の鮮鋭度信号の積分値を代入する。一方、低速ズームならばステップS407に進み、以前の垂直同期期間から現在までの鮮鋭度信号の積分値の平均値を代入する。
【0069】
そして、ステップS408で、ズーム方向がワイドからテレ側への方向であるかどうかの判断を行い、判断結果が偽ならばステップS409で補正速度をVf+=0、Vf-=0とし、ステップS412の処理にジャンプする。一方、判断結果が真ならば、ステップS410において現在の鮮鋭度信号レベル(合焦評価値A)がしきい値TH1以下であるかどうかを判断する。そして、この判断結果が偽ならばステップS412ヘジャンプし、真ならばステップS411で反転フラグの値を“1”とする。
【0070】
ステップS412では、反転フラグの値が“1”かどうかを判断し、真ならばステップS413で補正フラグの値が“1”かどうかを更に判断する。ここで、補正フラグとは、カム軌跡追従状態が+状態であるのか−状態であるのかを示すフラグである。上記ステップS413の判断結果が偽ならば、ステップS416で補正フラグ=1(+状態)とするとともに、フォーカス速度Vf を、
ただし、Vf+≧0
とする。
【0071】
一方、上記ステップS413の判断結果が真ならば、ステップS414で補正フラグ=0(−状態)とするとともに、フォーカス速度Vf を、
ただし、Vf-≧0
とする。
【0072】
また、上記ステップS412の判断結果が偽、すなわち、反転フラグが“1”でない場合は、ステップS415で補正フラグ=1かどうかの判断を上記ステップS413と同様に行い、この判断結果が真ならステップS416ヘ進み、偽ならステップS414へ進む。最後に、ステップS417でフォーカスモータ速度Vf を設定する。以上の動作で図3のステップS305のズーム処理ルーチンが終了し、その後ステップS306、S307で実際にモータ駆動を行う。
【0073】
このように、第1の実施形態では、合焦点の分からないときに、合焦評価値を増減させながら変倍動作を行う場合に、高速ズームのときはその評価値に、その垂直同期期間内の(その瞬間の)鮮鋭度積分信号を使用し、低速ズームのときはその評価値に、以前から今の垂直同期期間までの鮮鋭度信号積分値の平均値を使用する。これにより、高速ズーム時は評価信号の応答性を良くし、低速ズーム時には手ブレ等によるノイズを除去してフォーカシングを行うことができ、高速および低速時の変倍動作時のフォーカス追従能力を向上させることができる。
【0074】
(第2の実施形態)
上記第1の実施形態では、ワイドからテレ側への変倍動作中にフォーカス追従するための評価信号として、高速ズームのときはその評価値に、その垂直同期期間内の(その瞬間の)鮮鋭度積分信号を使用し、低速ズームのときはその評価値に、以前から今の垂直同期期間までの鮮鋭度信号積分値の平均値を使用することにより、変倍動作時のフォーカス追従能力を向上する方法に関して述べた。
【0075】
しかしながら、この第1の実施形態の方法では、高速ズーム時と低速ズーム時との2段階のズーム速度に関してしか述べていない。そこで、第2の実施形態では、ズーム速度が多段速度である場合の方法を説明する。
【0076】
図6は、本実施形態を実施するための制御フローであり、上記図3のステップS305内のサブルーチンを示す。ここで、第1の実施形態との違いは、図4のステップS405〜S407の処理に代えて、第2の実施形態ではステップS605の処理としたことである。すなわち、ステップS605では、ズーム速度に応じて設定された平均時間テーブルから平均時間を決定し、合焦評価値Aを算出するものである。以下に、平均時間テーブルの例を示す。
【0077】
【0078】
したがって、例えばズーム速度が最高速の“6”のときは、平均時間が1垂直同期期間で、その瞬間の垂直同期期間内に得られる鮮鋭度信号の積分値を評価値Aとして用いる。また、ズーム速度が中速の“3”では、2垂直同期期間の鮮鋭度信号の積分値を平均した値を評価値Aとして用い、最低速度の“1”では3垂直同期期間の鮮鋭度信号の積分値を平均した値を評価値Aとして用いる。なお、この平均時間は、ズーム速度に応じて3垂直同期期間より長くすることも有効である。以下、ステップS606〜S615の処理は、図4のステップS408〜S417の処理と同様である。
【0079】
以上のように、第2の実施形態では、ズーム動作中のフォーカス動作に使用する評価値Aを算出するために、高速ズーム中は評価値の応答性を良くし、低速ズーム中は手ブレ等のノイズ除去を行うように多段階のズーム速度に応じて鮮鋭度信号の積分値の平均時間を微妙に変更することにより、様々なズーム速度時の変倍動作中に適切な評価値Aを得ることができ、合焦軌跡の選択およびフォーカス追従の精度向上を図ることができる。
【0080】
(第3の実施形態)
上記第1、第2の実施形態では、ワイドからテレ側への変倍動作中にフォーカス追従するための評価信号として、ズーム速度に応じて、鮮鋭度信号の積分値を平均して使用することにより、被写体変化や手ブレ等の変化によるノイズの値を除去する方法に関して述べた。
【0081】
しかしながら、第1、第2の実施形態の方法では、ズーム速度だけに応じて平均時間を決めたので、低照度時で映像信号のレベルが小さくて、増幅回路で信号が増幅された結果電気ノイズが大きくなったときには、効果を示さなくなる。そこで、照度の度合いによって、フォーカス追従の評価値を算出するための平均時間を変化させる方法を第3の実施形態で説明する。
【0082】
図7は、本実施形態を実施するための制御フローであり、上記図3のステップS305内のサブルーチンを示す。ここで、第1の実施形態との違いは、図4のステップS405〜S407の処理に代えて、第3の実施形態ではステップS705〜S707の処理としたことである。
【0083】
すなわち、ステップS705では、図1のCCD106から得られる輝度信号の大きさなどから低照度であるかどうかを判断し、輝度信号がある値より小さいときは低照度とし、ある値より大きいときは通常照度とする。このステップS705で低照度であると判断された場合は、ステップS706で、ある設定された垂直同期期間分だけ鮮鋭度信号の積分値を平均した値を、評価値Aとする。
【0084】
一方、上記ステップS705で低照度でないと判断されたときは、ステップS707で、その瞬間の垂直同期期間内の鮮鋭度積分信号を評価値Aとする。以下ステップS708〜S717の処理は、図4のステップS408〜S417の処理と同様である。
【0085】
以上のように、第3の実施形態では、ズーム動作中のフォーカス動作のための評価値Aを生成する際に、照度情報によって鮮鋭度信号の積分値の平均時間を変更することで、電気的ノイズに左右されない適切な評価値Aを得ることができ、合焦軌跡の選択およびフォーカス追従の向上を図ることができる。
【0086】
(第4の実施形態)
上記第1、第2の実施形態では、ワイドからテレ側への変倍動作中にフォーカス追従するための評価信号として、ズーム速度に応じて鮮鋭度積分信号の平均値を使用する方法に関して述べた。しかしながら、第1、第2の実施形態の方法では、鮮鋭度信号の変化が被写体変化とレンズの移動によるものだけのときに主に通用し、手ブレ等の外部ノイズによって鮮鋭度積分信号が低くなったときなどは、信号の変化が複雑になる。そこで、手ブレ等の外部情報によって鮮鋭度積分信号の平均時間を変更させる方法を第4の実施形態で説明する。
【0087】
図8は、本実施形態に係る撮像装置の特徴を表す構成図である。また図9は、本実施形態を実施するための制御フローであり、上記図3のステップS305内のサブルーチンを示す。ここで、第1の実施形態との違いは、第4の実施形態を示す図8では、図1の構成に加えて、角速度センサや加速度センサ等を用いた揺れ検知手段801を設けていることと、図4のステップS405〜S407の処理に代えて、第4の実施形態ではステップS905〜S907の処理としたことである。
【0088】
すなわち、図9のステップS905では、図8の揺れ検知手段801によって手ブレ情報を検出する。そして、手ブレ状態であるならステップS906に移行し、ある設定された垂直同期期間分だけ鮮鋭度積分値を平均した値を、評価値Aとする。一方、上記ステップS905で手ブレが検出されないときは、ステップS907で、その瞬間の垂直同期期間内の鮮鋭度積分信号を評価値Aとする。以下ステップS908〜S917の処理は、図4のステップS408〜S417の処理と同様である。
【0089】
以上のように、第4の実施形態では、ズーム動作中のフォーカス動作のための評価値Aを生成する際に、手ブレ情報によって鮮鋭度信号の積分値の平均時間を変更することで、手ブレによるノイズに左右されない適切な評価値Aを得ることができ、合焦軌跡の選択およびフォーカス追従の向上を図ることができる。
【0090】
なお、以上の各実施形態にて説明した本発明の撮像装置は、ビデオカメラ、VTR、デジタビデオルカメラなど種々のタイプのカメラに適用することが可能である。また、上述した各実施形態の機能は、主にAFマイコン116やシスコン122の制御によって実現されるが、この制御動作は、図示しない記録媒体に格納されたプログラムに従って行われる。
【0091】
この場合、上記プログラム自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラム自体、およびそのプログラムをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムコードを格納した記憶媒体は本発明を構成する。かかるプログラムを記憶する記憶媒体としては、例えばフロッピーディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0092】
【発明の効果】
本発明によれば、そのとき設定されている変倍速度に合った合焦評価値でもって合焦レンズの移動を制御することができ、変倍時における合焦軌跡の選択能力および軌跡変化に対する追従能力を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る撮像装置の第1〜第3の実施形態による構成を示すブロック図である。
【図2】ズームスイッチの構成とその特性とを示す図である。
【図3】本実施形態のAFマイコンで処理される制御フローを示すフローチャートである。
【図4】本実施形態のAFマイコンで処理される制御フローであり、図3に示したズーム処理ルーチンの第1の実施形態に係る処理を示すフローチャートである。
【図5】補正速度Vf+,Vf-の計算方法を説明するための図である。
【図6】本実施形態のAFマイコンで処理される制御フローであり、図3に示したズーム処理ルーチンの第2の実施形態に係る処理を示すフローチャートである。
【図7】本実施形態のAFマイコンで処理される制御フローであり、図3に示したズーム処理ルーチンの第3の実施形態に係る処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明に係る撮像装置の第4の実施形態による構成を示すブロック図である。
【図9】本実施形態のAFマイコンで処理される制御フローであり、図3に示したズーム処理ルーチンの第4の実施形態に係る処理を示すフローチャートである。
【図10】従来から用いられているインナーフォーカスタイプのレンズシステムの簡単な構成例を示す図である。
【図11】各焦点距離(変倍レンズ位置)とフォーカスレンズ位置との関係を示す図である。
【図12】既に提案されている軌跡追従方法の一例を説明するための図である。
【図13】変倍レンズ位置方向の内挿方法を説明するための図である。
【図14】軌跡追従方法の他の例を説明するための図である。
【符号の説明】
102 変倍レンズ(ズームレンズ)
105 フォーカスコンペレンズ
115 AF評価値処理回路
116 AFマイコン
118 変倍レンズドライバ
119 変倍レンズモータ
120 フォーカスコンペレンズドライバ
121 フォーカスコンペレンズモータ
122 シスコン
123 ズームスイッチユニット
801 揺れ検知手段
Claims (9)
- 変倍動作中に合焦を維持するよう繰り返し算出された評価値に基づいてレンズを駆動するような構成を有する撮像装置であって、
撮影された被写体の映像信号の水平同期期間内の第1の信号を垂直同期期間内に足し合わせて鮮鋭度信号を検出する信号検出手段と、
上記信号検出手段において検出された上記鮮鋭度信号に基づいて算出された評価値に応じて合焦を維持するようレンズを駆動するレンズ駆動手段と、
上記変倍動作中に、上記鮮鋭度信号を平均化し、平均化された鮮鋭度信号に基づいて評価値を算出するとともに、鮮鋭度信号を平均化する垂直同期期間を変倍動作の速度に応じて可変する評価値算出手段とを備えたことを特徴とする撮像装置。 - 上記評価値算出手段は、上記変倍動作の速度に応じて、変倍速度が速いときは上記鮮鋭度信号の平均時間を短くし、変倍速度が遅いときは上記鮮鋭度信号の平均時間を長くして上記合焦評価値を算出することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- 上記評価値算出手段は、様々な変倍速度に応じて設定された平均時間テーブルを有し、当該平均時間テーブルを参照して上記様々な変倍速度に応じて上記鮮鋭度信号の平均時間を決定し、上記合焦評価値を算出することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- 変倍動作を行うための第1のレンズ群と、
上記第1のレンズ群の移動時における焦点面の移動を補正するための第2のレンズ群と、
撮影された被写体の映像信号から高周波成分を抽出して鮮鋭度信号を所定期間ごとに検出する信号検出手段と、
指定された変倍速度を読み込む読込手段と、
上記指定された変倍速度に応じて上記第1のレンズ群を駆動する駆動手段と、
上記第1のレンズ群の位置に対する上記第2のレンズ群の合焦位置の情報を、被写体距離に応じて記憶する記憶手段と、
上記記憶手段に記憶されている情報に基づいて、上記第1のレンズ群の移動時における上記第2のレンズ群の標準移動速度を求める移動速度算出手段と、
加減算された標準移動速度に応じて上記第2のレンズ群を駆動する第2の駆動手段と、
上記変倍動作時に、上記求められた上記第2のレンズ群の標準移動速度に対して補正速度を加減算する速度補正手段と、
上記変倍動作時に、変倍動作中の合焦評価値の算出に用いる上記鮮鋭度信号の数を上記変倍動作の速度に応じて可変にし、設定された数の上記鮮鋭度信号に基づいて変倍動作中の合焦評価値を算出して、算出した合焦評価値の大きさにより、上記標準移動速度に加減算させる補正速度を可変とする合焦制御手段とを備えたことを特徴とする撮像装置。 - 上記合焦制御手段は、上記変倍動作の速度に応じて、変倍速度が速いときは上記鮮鋭度信号の数を少なくし、変倍速度が遅いときは上記鮮鋭度信号の数を多くして上記合焦評価値を算出することを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
- 上記合焦制御手段は、様々な変倍速度に応じて設定された上記鮮鋭度信号数テーブルを有し、当該鮮鋭度信号数テーブルを参照して上記様々な変倍速度に応じて上記鮮鋭度信号の数を決定し、上記合焦評価値を算出することを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
- 変倍動作中に合焦を維持するよう繰り返し算出された評価値に基づいてフォーカス機能を有するレンズを駆動するような構成を有する撮像装置であって、
撮影された被写体の映像信号の垂直同期期間に合わせて鮮鋭度信号を検出する信号検出手段と、
上記信号検出手段において検出された上記鮮鋭度信号に基づいて算出された評価値に応じて上記レンズを駆動するレンズ駆動手段と、
さらに、第1のズーム速度よりも遅い第2のズーム速度にした場合、当該第1のズーム速度の場合よりも多くの垂直同期期間のそれぞれにおいて検出された鮮鋭度信号に基づいて評価値を算出する制御手段を有することを特徴とする撮像装置。 - 変倍動作中に合焦を維持するよう繰り返し算出された評価値に基づいて駆動されるレンズのレンズ制御方法であって、
撮影された被写体の映像信号の水平同期期間内の第1の信号を垂直同期期間内に足し合わせて鮮鋭度信号を検出し、上記鮮鋭度信号に基づいて算出された評価値に応じて合焦を維持するようレンズを駆動する際、
上記変倍動作中に、評価値の算出に用いる鮮鋭度信号の数を上記変倍動作の速度に応じて可変にし、評価値を算出することを特徴とするレンズ制御方法。 - 変倍動作中に合焦を維持するよう繰り返し算出された評価値に基づいて駆動されるレンズのレンズ制御方法であって、
撮影された被写体の映像信号の垂直同期期間に合わせて鮮鋭度信号を検出し、検出された上記鮮鋭度信号に基づいて算出された評価値に応じて上記レンズを駆動する際に、
第1のズーム速度よりも遅い第2のズーム速度にした場合、当該第1のズーム速度の場合よりも多くの垂直同期期間のそれぞれにおいて検出された鮮鋭度信号に基づいて評価値を算出することを特徴とするレンズ制御方法。
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