JP3697011B2 - プロピレン重合体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の物性、構造を有するプロピレン重合体に関するものであり、それらは、分子量が比較的低く、立体規則性および融点が高く、且つ、分子量分布が広いプロピレン重合体である。
【0002】
【従来の技術】
近年、プロピレンを重合するために、マグネシウム、チタン、ハロゲン元素、及び電子供与体を必須とする触媒固体成分、周期率表I 〜III 族金属の有機金属化合物、及び電子供与体からなる高活性担持型触媒系が、特開昭57-63310号公報、特開昭58-83016号公報、特開昭59-58010号公報、特開昭60-44507号公報などに数多く提案されている。さらに、特開昭62-11705号公報、特開昭63- 259807号公報、特開平 2-84404号公報、特開平4-202505号公報、特開平4-370103号公報などには、電子供与体として特定の有機ケイ素化合物を用いることを特徴とする重合触媒が開示されている。
【0003】
しかし、上記の担持型触媒系を用いて得られるプロピレン重合体は、通常、分子量分布は狭く、重合体溶融時の粘弾性が小さく、用途によっては、成形性、成形体の外観などに問題となる場合がある。この問題を改善するために、特開昭63-245408 、特開平2-232207、特開平4-370103などに、複数の重合器を用いた重合あるいは、多段重合することによって、分子量分布を拡大する方法が開示されている。しかし、この様な方法は、煩雑な操作が必要で工業的に生産速度を下げざるを得ず、コスト面を含めて好ましくない。特に、Mwが200,000以下の低分子量でしかも、Mw/Mnが10以上の分子量分布の広いプロピレン重合体を複数の重合器で製造するには、一方の重合器で水素などの連鎖移動剤を過剰に用いて超低分子量のプロピレン重合体を製造しなければならず、耐圧限界のある重合器では重合温度を下げざるを得ず、生産速度に悪影響を及ぼす問題がある。
【0004】
また、特開平3-7703号公報、特開平4-136006号公報、特開平8-301920公報には、異なるM.F.R を与える少なくとも二種類の有機ケイ素化合物を混合し触媒成分として用いる重合方法が開示されているが、どちらか一方の触媒成分が作用することが多く、分子量分布拡大効果が充分でない。また、この方法では、二種類以上の触媒成分を使用する事が必須となるため、重合プロセス、重合装置、および重合操作がより煩雑になる。
【0005】
また、特開平8-120021号公報にはポリマーのアイソ立体規則性を向上させるための触媒成分として一つの環状アミノ基を有するシラン化合物を用いる方法、あるいは、特開平8-143621号公報には二つの環状アミノ基を有するシラン化合物を用いる方法が開示されている。
一方、特開平6-329726号公報には、高流動性の高結晶性プロピレン重合体と低流動性の高結晶性プロピレン重合体とを所望の割合で混合して得られた高流動性、高融点、高結晶性ポリプロピレンが開示されているが、実施例で開示されているポリプロピレンのMw/Mnは高々10程度であり、また、分子量については記載されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の従来技術の問題点を解決し、高立体規則性、高融点を保持しながら、低分子量で広い分子量分布を有するプロピレン重合体を提供することを目的とする。
【0007】
【問題点解決のための技術的手段】
本発明は、GPC測定におけるポリスチレン換算でMwが200,000以下、Mw/Mnが10以上、13C−NMRにおけるmmmmペンタッド分率が96%以上、DSC測定における融点が162℃以上であるプロピレン重合体に関する。
【0008】
本発明におけるプロピレン重合体の下記の特性を有するものである。
GPC測定におけるポリスチレン換算で重量平均分子量Mwが200,000以下、好ましくは50,000〜200,000であり比較的分子量が低い。
【0009】
重量平均分子量と数平均分子量の比Mw/Mnが10以上、好ましくは12以上、さらに好ましく13以上、特に好ましくは13〜30以上である。
【0010】
Macromolelcules 8 , 687(1975) に基づいて帰属した13C−NMR測定において、連続するプロピレンモノマーユニットの5種のメチル基の配置(ddまたはllをmとする)mmmmの分率が96%以上、好ましくは97%以上であり、特に好ましくは97.5〜99.5%である。
【0011】
DSCにおける1分間に10℃の昇温速度で測定した融点が162℃以上、好ましくは162.5〜166℃である。
【0012】
本発明のプロピレン重合体は、例えば、[A]マグネシウム、チタン、ハロゲン元素及び電子供与体を必須とする触媒固体成分、[B]有機アルミニウム化合物成分、並びに[C]一般式 (1)又は(2)で表される有機ケイ素化合物成分とからなる触媒の存在下にα−オレフィンを重合する方法で製造できる。
【0013】
【化1】
【0014】
【化2】
【0015】
(但し、(1)又は(2)において、R1 は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、R2 は炭素数2〜24の炭化水素基、炭素数2〜24の炭化水素アミノ基又は炭素数1〜24の炭化水素アルコキシ基を示し、R3 Nは窒素原子とともに骨格を形成する炭素数が7以上の飽和多環式アミノ基を示す。)
【0016】
触媒固体成分[A]の製造方法は特に限定されず、たとえば、特開昭54-94590合公報、特開昭56-55405号公報、特開昭56-45909号公報、特開昭56-163102 号公報、特開昭57-63310号公報、特開昭57-15408号公報、特開昭58-83006号公報、特開昭58-83016号公報、特開昭58-138707 号公報、特開昭59-149905 号公報、特開昭60-23404号公報、特開昭60-32805号公報、特開昭61-18330号公報、特開昭61-55104号公報、特開平2-77413 号公報、特開平2-117905号公報などに提案されている方法が採用できる。
【0017】
成分[A]の代表的な製造方法として、 (1)塩化マグネシウムなどのマグネシウム化合物、電子供与体、及び四塩化チタンなどのハロゲン化チタン化合物を共粉砕する方法(2) 溶媒にマグネシウム化合物及び電子供与体を溶解し、この溶液にハロゲン化チタン化合物を添加して触媒固体を析出させる方法などが挙げられる。
【0018】
成分[A]としては、特開昭60-152511 号公報、特開昭61-31402号公報、特開昭62-81405号公報に記載の触媒固体成分が、本発明の効果を達成する上で特に好ましい。これら記載の製造方法によれば、ハロゲン化アルミニウムとケイ素化合物を反応させ、さらにグリニャール化合物を反応させて固体を析出させる。上記反応で使用することのできるハロゲン化アルミニウムは、無水のハロゲン化アルミニウムが好ましいが、吸湿性により完全に無水のものを用いることが困難であり、少量の水分を含有するハロゲン化アルミニウムも用いることができる。ハロゲン化アルミニウムの具体例としては、三塩化アルミニウム、三臭化アルミニウム、三沃化アルミニウムを挙げることができ、特に三塩化アルミニウムが好ましい。
【0019】
上記反応で使用されるケイ素化合物の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリブトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、トリメチルモノエトキシシラン、トリメチルモノブトキシシランを挙げることができる。特に、メチルフェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシランが好ましい。
【0020】
ハロゲン化アルミニウムとケイ素化合物の反応における化合物の使用量は、元素比(Al/Si)で通常0.4 〜1.5 、好ましくは0.7 〜1.3 の範囲であり、反応するに際しヘキサン、トルエンなどの不活性溶媒を使用することが好ましい。反応温度は通常10〜100 ℃、好ましくは20〜80℃であり、反応時間は通常0.2 〜5 時間、好ましくは0.5 〜3 時間である。
【0021】
上記反応で使用されるマグネシウム化合物の具体例としては、エチルマグネシウムクロライド、プロピルマグネシウムクロライド、ブチルマグネシウムクロライド、ヘキシルマグネシウムクロライド、オクチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムブロマイド、プロピルマグネシウムブロマイド、ブチルマグネシウムブロマイド、エチルマグネシウムアイオダイドが挙げられる。マグネシウム化合物の溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジイソアミルエーテル等の脂肪族エーテル、テトラヒドロフランなどの脂肪族環状エーテルを使用することができる。
【0022】
マグネシウム化合物の使用量は、前記ハロゲン化アルミニウムとケイ素化合物の反応生成物の調製に使用されたハロゲン化アルミニウムに対する元素比(Mg/Al)で通常0.5 〜3 、好ましくは1.5 〜2.3 の範囲である。反応温度は通常-50 〜100 ℃、好ましくは-20 〜50℃、反応時間は通常0.2 〜5 時間、好ましくは0.5 〜3 時間である。
【0023】
ハロゲン化アルミニウムとケイ素化合物との反応、続いてグリニヤール化合物との反応において得られた白色系の固体を、電子供与体及びハロゲン化チタン化合物と接触処理する。接触処理の方法としては、 (1)固体をハロゲン化チタン化合物で処理した後、電子供与体で処理し、さらに再度ハロゲン化チタン化合物で処理する方法、および、 (2)固体をハロゲン化チタン化合物と電子供与体の共存下で処理した後、ハロゲン化チタン化合物で処理する方法、などの従来良く知られた方法が採用できる。
【0024】
例えば上記固体を不活性溶媒中に分散させ、これに電子供与体または/及びハロゲン化チタン化合物を溶解する、あるいは不活性溶媒を使用せずに電子供与体または/及び液状ハロゲン化チタン化合物の中に固体を分散させる。この場合、固体と電子供与体または/及びハロゲン化チタン化合物との接触処理を攪拌下、温度は通常50〜150 ℃、接触時間は特に制限はないが通常0.2 〜5 時間で行うことができる。また、この接触処理を複数回行うこともできる。
【0025】
接触処理に使用できるハロゲン化チタン化合物の具体例としては、テトラクロロチタン、テトラブロモチタン、トリクロロモノブトキシチタン、トリブロモモノエトキシチタン、トリクロロモノイソプロポキシチタン、ジクロロジエトキシチタン、ジクロロジブトキシチタン、モノクロロトリエトキシチタン、モノクロロトリブトキシチタンを挙げることができる。特に、テトラクロロチタン、トリクロロモノブトキシチタンが好ましい。
【0026】
上記の接触処理で使用する電子供与体は、ルイス塩基性の化合物であり、好ましくは、芳香族ジエステルであり、特に好ましくは、オルトフタル酸ジエステルである。オルトフタル酸ジエステルの具体例として、オルトフタル酸ジエチル、オルトフタル酸ジn-ブチル、オルトフタル酸ジイソブチル、オルトフタル酸ジペンチル、オルトフタル酸ジn-ヘキシル、オルトフタル酸ジ-2- エチルヘキシル、オルトフタル酸ジ-n- ヘプチル、オルトフタル酸ジn-オクチルなどが挙げられる。また、電子供与体として、特開平3-706 号公報、同3-62805 号公報、同4-270705号公報、同6-25332 号公報に示されているような2個以上のエーテル基を有する化合物も好ましく用いることができる。
【0027】
上記の接触処理の後に、一般には処理固体を処理混合物から分離し、不活性溶剤で充分洗浄して得られる固体を、本発明の触媒固体成分[A]としてα−オレフィンの重合触媒として使用することができる。
【0028】
本発明の有機アルミニウム化合物成分[B]としては、アルキルアルミニウム、アルキルアルミニウムハライドなどが使用できるが、特に好ましいのはトリアルキルアルミニウムであり、具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリn-プロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウムなどが挙げられる。前記有機アルミニウム化合物類はいずれも混合物としても使用することができる。また、アルキルアルミニウムと水との反応によって得られるポリアルミノキサンも同様に使用することができる。
【0029】
プロピレンの重合触媒として有機アルミニウム化合物成分[B]の使用量は、触媒固体成分[A]のチタンに対する元素比(Al/Ti) で、0.1 〜500 、好ましくは0.5 〜150 である。
【0030】
本発明の成分[C]は、一般式 (1)又は(2)で表される有機ケイ素化合物である。
【0031】
【化3】
【0032】
【化4】
【0033】
(但し、(1)又は(2)において、R1 は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、R2 は炭素数2〜24の炭化水素基、炭素数2〜24の炭化水素アミノ基又は炭素数1〜24の炭化水素アルコキシ基を示し、R3 Nは窒素原子とともに骨格を形成する炭素数が7以上の飽和多環式アミノ基を示す。)
【0034】
1 は炭素数1〜8の炭化水素基であり、炭素数1〜8の不飽和あるいは飽和脂肪族炭化水素基などが挙げられる。具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、ter-ブチル基、sec-ブチル基、n-ペンチル基、iso-ペンチル基、シクロペンチル基、n-ヘキシル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。特に好ましくはメチル基である。
【0035】
2 は炭素数2〜24好ましくは2〜8の炭化水素基、炭素数2〜24好ましくは2〜8の炭化水素アミノ基、または炭素数1〜24好ましくは1〜8の炭化水素アルコキシ基である。中でも、炭素数2〜24の炭化水素基又は炭素数2〜24の炭化水素アミノ基が挙げられる。
【0036】
炭素数2〜24の炭化水素基の具体例として、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、ter-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、テキシル基、フェニル基、ベンジル基、トルイル基などが挙げられる。又、トリメチルシリルメチル基、ビストリメチルシリルメチル基などのケイ素原子を含有する炭化水素基が挙げられる。
【0037】
炭素数2〜24の炭化水素アミノ基の具体例として、ジメチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチルn-プロピルアミノ基、ジn-プロピルアミノ基、エチルイソプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、ヘキサメチレンイミノ基などが挙げられる。
炭素数1〜24の炭化水素アルコキシ基の具体例として、メトキシ基、iso-プロポキシ基、ter-ブトキシ基などが挙げられる。
【0038】
3 Nは窒素原子とともに骨格を形成する炭素数が7以上の飽和多環式アミノ基である。該飽和多環式アミノ基の窒素原子は、成分[C]の有機ケイ素化合物のケイ素原子と直接結合する。すなわち、第二級アミンであるR3 NHの水素原子が外れてSiとNが化学結合したものである。一般式(1)において二つのR3 N基は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0039】
3 NHの具体例としては、下記の化学構造式で示すように、パーヒドロインドール、パーヒドロイソインドール、パーヒドロキノリン、パーヒドロイソキノリン、パーヒドロカルバゾール、パーヒドロアクリジン、パーヒドロフェナントリジン、パーヒドロベンゾ(g) キノリン、パーヒドロベンゾ(h) キノリン、パーヒドロベンゾ(f) キノリン、パーヒドロベンゾ(g) イソキノリン、パーヒドロベンゾ(h) イソキノリン、パーヒドロベンゾ(f) イソキノリン、パーヒドロアセキノリン、パーヒドロアセイソキノリン、パーヒドロイミノスチルベンのようなアミン化合物、さらには前記アミン化合物において窒素原子以外の水素原子の一部がアルキル基、フェニル基、シクロアルキル基で置換されたアミン化合物を挙げることができる。
【0040】
特に好ましいR3 NHは、パーヒドロインドール、パーヒドロイソインドール、パーヒドロキノリン、パーヒドロイソキノリンおよびそれらの誘導体を挙げることができる。
【0041】
【化5】
【0042】
一般式(1)で表される有機ケイ素化合物としては、一般式(3)で表されるパーヒドロキノリノ化合物、一般式(4)で表されるパーヒドロイソキノリノ化合物、一般式(5)で表されるパーヒドロインドーリノ化合物、一般式(6)で表されるパーヒドロイソインドーリノ化合物などが挙げられる。
【0043】
【化6】
【0044】
【化7】
【0045】
【化8】
【0046】
【化9】
【0047】
4 はR3 Nの飽和環上の置換基を表し、水素、又は、炭素数1〜24の不飽和あるいは飽和脂肪族炭化水素基である。R4 として好ましいのは、水素、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、ter-ブチル基、sec-ブチル基などが挙げられる。R3 Nの飽和環上の炭化水素置換基は1以上であってもよい。
【0048】
一般式(3)で表されるパーヒドロイソキノリノ化合物としては、ビス(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、ビス(1-メチルパーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、ビス(1,2-ジメチルパーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、ビス(3-メチルパーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、ビス(4-メチルパーヒドロイイソキノリノ)ジメトキシシラン、ビス(5-メチルパーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、ビス(6-メチルパーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、ビス(7-メチルパーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、ビス(8-メチルパーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、ビス(9-メチルパーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、ビス(10- メチルパーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシランなどのビス(パーヒドロイソキノリノ)シラン化合物が挙げられる。
上記の化合物の中でも、ビス(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシランなどの化合物が好適である。
【0049】
一般式(1)で表される有機ケイ素化合物の具体例としては、下記に化学構造式で示される化合物を挙げられる。
【0050】
【化10】
【0051】
【化11】
【0052】
一般式(2)で表される有機ケイ素化合物としては、一般式(7)で表されるパーヒドロイソキノリノ化合物などが挙げられる。
【0053】
【化12】
【0054】
4 はR3 Nの飽和環上の置換基を表し、水素、又は、炭素数1〜24の不飽和あるいは飽和脂肪族炭化水素基である。R4 として好ましいのは、水素、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、ter-ブチル基、sec-ブチル基などが挙げられる。R3 Nの飽和環上の炭化水素置換基は1以上であってもよい。
【0055】
一般式(7)で表されるパーヒドロイソキノリノ化合物の具体例としては、エチル(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、n-プロピル(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、iso-プロピル(パーヒドロイイソキノリノ)ジメトキシシラン、n-ブチル(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、iso-プロピル(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、ter-ブチル(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、sec-ブチル(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、n-ペンチル(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、iso-ペンチル(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、シクロペンチル(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、n-ヘキシル(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、シクロヘキシル(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、テキシル(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、n-オクチル(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、フェニル(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシランなどのパーヒドロイソキノリノシラン化合物が挙げられる。
【0056】
エチル(1-メチルパーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、n-プロピル(1-メチルパーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、iso-プロピル(1-メチルパーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、n-ブチル(1-メチルパーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、iso-プロピル(1-メチルパーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、ter-ブチル(1-メチルパーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、sec-ブチル(1-メチルパーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、n-ペンチル(1-メチルパーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、iso-ペンチル(1-メチルパーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、シクロペンチル(1-メチルパーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、n-ヘキシル(1-メチルパーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、シクロヘキシル(1-メチルパーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、テキシル(1-メチルパーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、n-オクチル(1-メチルパーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、フェニル(1-メチルパーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシランなどの1-メチルパーヒドロイソキノリノシラン化合物が挙げられる。
【0057】
iso-プロピル(3-メチルパーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、iso-プロピル(4-メチルパーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、iso-プロピル(5-メチルパーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、iso-プロピル(6-メチルパーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、iso-プロピル(7-メチルパーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、iso-プロピル(8-メチルパーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、iso-プロピル(9-メチルパーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、iso-プロピル(10- メチルパーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシランなどのメチル置換パーヒドロイソキノリノシラン化合物が挙げられる。
【0058】
上記の化合物の中でも、n-プロピル(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、iso-プロピル(パーヒドロイイソキノリノ)ジメトキシシラン、n-ブチル(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、iso-ブチル(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、ter-ブチル(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、sec-ブチル(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシランなどの化合物が好適である。
【0059】
一般式(2)で表される有機ケイ素化合物の具体例としては、下記に化学構造式で示される化合物を挙げることができる。
【0060】
【化13】
【0061】
【化14】
【0062】
【化15】
【0063】
一般式(1)で表される有機ケイ素化合物成分[C]は、たとえば、テトラメトキシシランあるいはジクロロジメトキシシランと、HNR第二級アミンのマグネシウムあるいはリチウム塩の二当量との反応により合成することができる。また、一般式(2)で表される成分[C]は、アルキルトリメトキシシランあるいはアルキルクロロジメトキシシランと、HNR第二級アミンのマグネシウムあるいはリチウム塩との当量反応により合成することができる。
【0064】
成分[C]の使用量は、成分[B]のアルミニウムに対する成分[C]のシランの元素比(Si/Al) で0.01〜1.0 が好ましく、特に0.05〜0.33が好ましい。
【0065】
本発明においては、水素などの連鎖移動剤を使用することができる。所望の立体規則性、融点及び分子量を有するプロピレン重合体を製造するための水素の使用量は、重合方法及び重合条件によって、適宜決定することができるが、通常、水素分圧0.05〜3.0 の範囲である。
【0066】
本発明において、プロピレン重合時、各触媒成分の接触順序として特に制限はないが、成分[A]と成分[B]または成分[B]と成分[C]をあらかじめ接触してから、成分[A]と成分[C]を接触させることが好ましい。
【0067】
本発明のプロピレン重合体中には、本発明の特性が損なわれない範囲で、フィルムの透明性を高めるなどの目的でプロピレン以外に少量のエチレンあるいは他のα−オレフィン、例えば、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチルペンテン−1、1−オクテンなどと共重合して融点を下げたランダム共重合体も含まれる。
【0068】
また、本発明のプロピレン重合体は、成形体の特に低温での衝撃強度を付与するために、前段の重合器でプロピレンの重合、または、プロピレンと少量のエチレンあるいは他のα−オレフィンと共重合した後に、後段の重合器でさらに、エチレンとプロピレンを共重合したいわゆるブロック共重合体のベースポリマーとしてすぐれた性能を発揮できる。
【0069】
本発明におけるプロピレンの重合法としては、プロパン、 ブタン、 ペンタン、 ヘキサン、ヘプタン、 オクタンなどの無極性溶媒を使用するスラリー重合法、モノマーを気体状態で触媒と接触して重合を行う気相重合法、あるいは液化状態のモノマーを溶媒としてその中で重合させるバルク重合法などが採用できる。また、上記重合法で、連続重合、バッチ重合のいずれを行ってもよい。重合圧力は0.1 〜20MPa 、好ましくは1 〜6MPa、重合温度は10〜150 ℃、好ましくは30〜100 ℃、特に好ましくは60〜90℃である。重合時間は通常0.1 〜10時間、好ましくは0.5 〜7 時間の範囲である。本触媒では特に70℃以上の高い重合温度で重合活性が高く、立体規則性が高く、分子量分布の広いプロピレン重合体を得ることができる。
【0070】
また、本発明では、エチレンあるいはα−オレフィンを前記の各種重合方法に従って予備重合してから、プロピレン本重合を行うことが好ましい。予備重合の効果としては、重合活性の向上、重合体の立体規則性の向上、重合体の粒子形状の安定化があげられる。予備重合の方法としては、あらかじめ触媒固体成分[A]を、有機アルミニウム化合物成分[B]及び有機ケイ素化合物成分[C]と接触処理し、固体の洗浄によって予備処理固体を調製することができる。さらに、成分[A]または前記の予備処理固体を用いて、成分[B]及び成分[C]の存在下、限定された量のエチレンあるいはα−オレフィンを重合することによって予備重合処理固体を調製することができる。
【0071】
本発明においては、前記の予備処理固体あるいは予備重合処理固体を、本重合における触媒固体成分として用いる場合は、本重合において成分[C]を省くことができる。
【0072】
本発明の接触処理としては、成分[A]、成分[B]及び成分[C]を混合し、通常、0 〜100 ℃で0.1 〜10時間反応する。各成分の混合順序は、特に限定されないが、通常、成分[A]、成分[B]、成分[C]の順が好ましい。接触処理した後に、n-ヘプタンなどの不活性炭化水素溶媒で固体を洗浄、ろ過、分離して、予備重合あるいは本重合の触媒固体成分として用いる。
【0073】
本発明における予備重合は、気相法、スラリー法、塊状法などで行うことができる。予備重合において得られた固体は分離してから本重合に用いる、あるいは、分離せずに本重合を続けて行うことができる。
【0074】
予備重合時間は通常、0.1 〜10時間であり、触媒固体成分1g当たり0.1 〜100gの予備重合体が生成するまで予備重合を続けることが好ましい。触媒固体成分1g当たり0.1g未満であると本重合活性が充分でなく触媒残渣が多くなり、プロピレン重合体の立体規則性も充分でない。また、100gをこえると、重合活性およびプロピレン重合体の結晶性が低下する傾向がある。予備重合温度は、0 〜100 ℃、好ましくは10〜90℃で各触媒成分の存在下に行う。50℃をこえるような高い温度で予備重合を行う場合は、エチレンあるいはα−オレフィン濃度を小さくするか、重合時間を短くすることが好ましい。そうでないと触媒固体成分1g当たり0.1 〜100gの予備重合体の生成を制御することが困難であり、また、本重合で重合活性が低下したり、得られるプロピレン重合体の結晶性が低下したりする。
【0075】
予備重合での有機アルミニウム化合物成分[B]の使用量は、通常、触媒固体成分のチタン原子に対して Al/Tiモル比が0.5 〜1000、好ましくは1 〜100 である。有機ケイ素化合物成分[C]の使用量は、通常、成分[B]のアルミニウム原子に対して Si/Alモル比が0.01〜1 、好ましくは0.08〜0.5 である。また予備重合時に、必要に応じて水素を共存させることができる。
【0076】
【発明の効果】
本発明のプロピレン重合体は立体規則性が高いため結晶性が高く、且つ、分子量分布が広いため、成形体の剛性、耐熱性、引張り強度などの機械物性にすぐれる。また、特に、ブロック共重合体のベースポリマーとして用いると、溶融時のせん断速度に対するダイスウェル値が高いため、従来の分子量分布の狭いプロピレン重合体で発生していた成形体のフローマークなどの問題がなく、しかも分子量が低く、溶融流動性が高いため、成形サイクルの向上、成形体の薄肉化に有益である。本発明のプロピレン重合体を単独で用いるだけではなく、コンパウンド用材料として、他のプラスチック、エラストマーとのブレンド、さらにグラスファイバー、タルクなどの無機、有機フィラーの強化剤、その他結晶核剤を混合使用できる。このため、本発明のプロピレン重合体は、特に限定されないが自動車、家電などの構造材料としてすぐれた性能を発揮できる。
【0077】
[実施例]
以下に本発明の実施例を説明する。
実施例において、「重合活性」とは、触媒固体1g当たりのプロピレン重合体の生成ポリマーの収量(Kg)である。
【0078】
溶融流動性(M.F.R) は、ASTM-D1238にしたがって測定した230 ℃、2.16Kgの加重下で10分間の溶融重合体の重量(g) を表す。
【0079】
融点(Tm)は、DSC(セイコー電子工業製 ASC-5200)により測定した。測定条件として、プロピレン重合体においては、10mgを23〜230 ℃まで毎分10℃の速度で昇温し、そのまま5 分間保持した後、230 〜40℃まで毎分5 ℃の速度での降温し、再び40〜230 ℃まで毎分10℃の速度での昇温した際の融点を測定した。
重合体の立体規則性の指標の1つで、そのミクロタクティシティーを調べたアイソペンタッド分率(mmmm)% は、プロピレン重合体においてMacromolelcules 8 , 687(1975) に基づいて帰属した13C−NMRスペクトルのピーク強度比より算出した。13C−NMRスペクトルは、日本電子製 EX-400 の装置を用い、TMSを基準とし、温度130 ℃、o-ジクロロベンゼン溶媒を用いて測定した。
【0080】
分子量分布は、ポリスチレンを標準物質として用いたGPC(ウォーターズ社製 150CV型、o-ジクロロベンゼン溶媒、カラム SHODEX 、温度145 ℃、濃度0.05wt% )から求めた重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnの比Mw/Mnによって評価した。
【0081】
曲げ弾性率は、プロピレン重合体粉末に添加剤としてIrganox-1010を 0.1wt% 、Irganox-1076を 0.1wt% 、ステアリン酸カルシウムを0.1wt%入れ、押出機によりペレット化し、射出成形により試験片を作製し、ASTM-D-790に準じて測定した。射出成形機は、日本製鋼所社製 J100SAII で、成形条件は背圧1.5MPa、金型温度60℃で行った。
熱変形温度は、前記と同時に射出成形した試験片を用い、ASTM-D-648に準じた測定した。
【0082】
参考例
(有機ケイ素化合物成分[C]の合成法 合成例:ビスパーヒドロキノリノジメトキシシラン) 滴下ロートを備えた容量200mL の3ツ口フラスコ内にスターラーピースを入れ、真空ポンプを用いて、フラスコ内を十分窒素置換した後、フラスコ内に蒸留・脱水n-ヘプタン100mL 、デカヒドロキノリン17.9mL(0.12mol) を入れ、滴下ロート内には、1.6Mのブチルリチウムヘキサン溶液75mL(0.12mol) を入れた。フラスコ内温度を 4℃に保ちながら、滴下ロート内のブチルリチウム溶液をフラスコ内にゆっくりと滴下した。滴下終了後、引き続き室温で12時間攪拌を行い、パーヒドロキノリンのリチウム塩を得た。
【0083】
次に、滴下ロートを備えたガラスフィルター付きフラスコ(容量400mL )内にスターラーピースを入れ、真空ポンプを用いて、フラスコ内を十分窒素置換した後、フラスコ内には、蒸留・脱水n-ヘプタン60mL、テトラメトキシシラン8.9mL(0.06mol) を入れ、滴下ロート内には、前記のパーヒドロキノリンのリチウム塩を入れた。室温にて、滴下ロート内のパーヒドロキノリンのリチウム塩をフラスコ内にゆっくりと滴下した。滴下終了後、引き続き40℃で2 時間攪拌を行い、さらに、室温で12時間攪拌を行った。目的物が生成していることをガスクロマトグラフィーで確認した後、沈殿物をろ過した。このろ液中の溶媒を減圧下に十分に留去し、その後、生成物の1次蒸留および2次蒸留を行って精製し、目的物であるビスパーヒドロキノリノジメトキシシランを得た。この化合物の沸点は189.5 ℃/3mmHg 、GC純度96.5% であった。
【0084】
実施例1
(1) 触媒固体成分[A] の調製
無水塩化アルミニウム15mmolをトルエン40mLに添加し、次いで、メチルトリエトキシシラン15mmolを攪拌下に滴下し、滴下終了後25℃で 1時間反応させた。反応生成物を-5℃に冷却した後、攪拌下にブチルマグネシウムクロライド30mmolを含むジイソプロピルエーテル18mLを30分間で反応生成物に滴下し、反応溶液の温度を-5〜 0℃の範囲内に保った。滴下終了後徐々に昇温し、30℃で1時間反応を続けた。析出した固体を濾別し、トルエン及びn-ヘプタンで洗浄した。次に、得られた固体4.9gをトルエン30mLに懸濁させ、この懸濁液に四塩化チタン 150mmol、フタル酸ジ-n- ヘプチル 3.3mmolを添加し、攪拌下に90℃で 1時間反応させた。同温度で固体をろ別し、トルエン、次いでn-ヘプタンで洗浄した。さらに、再度固体をトルエン30mLに懸濁させ、四塩化チタン 150mmolを添加し、攪拌下に90℃で 1時間反応させた。同温度で固体を濾別し、固体をトルエン次いでn-ヘプタンで洗浄した。得られた触媒固体成分中のチタン含有量は3.55wt% であった。この固体をヘプタン80mLに懸濁し触媒固体成分のヘプタンスラリーを調製した。
【0085】
(2) プロピレンの重合
攪拌機付の内容積2Lのステンレス製オートクレーブ内に触媒固体成分[A]のn-ヘプタンスラリー(触媒固体成分として 7.9mg)を封入した硝子製アンプル管を取りつけた後、オートクレーブ内を窒素で充分置換した。次に、有機アルミニウム化合物成分[B]としてトリエチルアルミニウム 2.1mmol含有するn-ヘプタン溶液 2.1mL、有機ケイ素化合物成分[C]としてビスパーヒドロインドーリノジメトキシシランを0.35mmol含有するn-ヘプタン溶液1.74mLを仕込んだ。続いて、0.7MPaの水素を導入後、液化プロピレン 1.2L を導入してオートクレーブを振とうした。オートクレーブを10℃に冷却し、攪拌開始とともに触媒固体成分の入った硝子製アンプル管を破砕し、10分間予備重合した。引き続きオートクレーブ内を70℃に昇温し、さらに70℃で 1時間重合を行った。
重合終了後、未反応プロピレンガスを放出し、重合体を50℃で20時間減圧乾燥して、白色の粉末状ポリプロピレンを得た。重合活性および重合体の特性についての測定結果を表1及び表2に示した。
【0086】
実施例2
プロピレンの重合時に、成分[C]としてビスパーヒドロインドーリノジメトキシシランにかえてビスパーヒドロキノリノジメトキシシランを用いて行った以外は実施例1と同様にして行った。重合活性および重合体の特性についての測定結果を表1及び表2に示した。
【0087】
実施例3
プロピレンの重合時に、0.7MPaの水素にかえて1MPaの水素を導入し、成分[C]としてビスパーヒドロインドーリノジメトキシシランにかえてビスパーヒドロイソインドーリノジメトキシシランを用いて行った以外は、実施例1と同様にして行った。重合活性および重合体の特性についての測定結果を表1及び表2に示した。
【0088】
実施例4
プロピレンの重合時に、0.7MPaの水素にかえて1MPaの水素を導入し、成分[C]としてビスパーヒドロインドーリノジメトキシシランにかえてビスパーヒドロイソキノリノジメトキシシランを用いて行った以外は、実施例1と同様にし行った。重合活性および重合体の特性についての測定結果を表1及び表2に示した。
【0089】
比較例
プロピレン重合時に、成分[C]としてビスパーヒドロインドーリノジメトキシシランにかえてシクロヘキシルメチルジメトキシシランを用いて行った以外は、実施例1と同様にして行った。重合活性および重合体の特性についての測定結果を表1び表2に示した。
【0090】
【表1】
【0091】
【表2】

【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例4および比較例で得られたプロピレン重合体の分子量分布を示すGPCチャートである。

Claims (2)

  1. [A]マグネシウム、チタン、ハロゲン元素及び電子供与体を必須とする触媒固体成分、[B]有機アルミニウム化合物成分、並びに[C]一般式(1)で表される有機ケイ素化合物成分とからなる触媒の存在下で重合されたGPC測定におけるポリスチレン換算でMwが200,000以下、Mw/Mnが10以上、13C−NMRにおけるmmmmペンタッド分率が96%以上、及び、DSC測定における融点が162℃以上であるプロピレン重合体。
    (但し、(1)において、R1 は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、R3 Nは窒素原子とともに骨格を形成する炭素数が7以上の飽和多環式アミノ基を示す。)
  2. 前記一般式(1)で表される有機ケイ素化合物は、一般式(3)で表されるパーヒドロキノリノ化合物、一般式(4)で表されるパーヒドロイソキノリノ化合物、一般式(5)で表されるパーヒドロインドーリノ化合物、及び一般式(6)で表されるパーヒドロイソインドーリノ化合物のいずれかであることを特徴とする請求項1記載のプロピレン重合体。
    (但し、一般式(3)、(4)、(5)又は(6)において、R1 はメチル基を示し、R4は飽和環上の置換基を表し、水素、又は、炭素数1〜24の不飽和あるいは飽和脂肪族炭化水素基を示す。)
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