JP3696463B2 - 画像処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディジタル複写機、ディジタルプリンタ、ディジタルファクシミリ、それらの複数の機能を持つ複ディジタル複合機など、画像データ中の各画素に対してフィルタリングなどの処理を行う画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
スキャナ等で読み取った原稿の画像データを処理するこの種の画像処理装置では、印刷出力結果の品質をよくするために、画像データに対して各種のフィルタ処理が行われる場合がある。最も典型的には、画像データ中の各画素に対して、その画素とその周辺画素との濃度レベル差に基づいて濃度を鮮鋭化するフィルタ処理や、濃度勾配を緩やかにして平滑化するフィルタ処理が用いられる。例えば、特開昭60−236580号公報では、処理しようとする注目画素とその周辺画素との濃度レベル差を比較し、濃度レベル差が所定値より大きければ鮮鋭化処理を行い、所定値より小さければ平滑化処理を行うようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の画像処理において、画像の鮮鋭化を行うフィルタを使用した場合、そのフィルタの種類によっては逆に画質が低下する場合が生じてくる。例えば、フィルタとしてエッジを強調する微分フィルタが使用された場合、高い濃度はより高く、低い濃度はより低くなることから、濃度の高い領域内で濃度差があるような中間調画像では、フィルタ処理前にある程度の濃度があった部分もフィルタ処理後にはその濃度がかなり低くなってしまい、結果としてその部分で白抜けや境界線のようなものが発生してしまうという問題がある。例えば、図19の左側に示す原画像データb1に対し微分フィルタをかけると右側のb2のようになるが、この場合、中央の画素I0 は濃度値150から濃度値−50に変化し、この画素が白抜けとなってしまう。なお、微分フィルタでは、注目画素(ここでは中央の画素I0 )とその周辺画素の濃度勾配に微分処理を施す。したがって、図19に示すように、注目画素I0 の画素値が−50となり、その周辺の画素の画素値が250となり、鋭いエッジが形成されることになるが、注目画素I0 では白抜けとなってしまうことになる。
【0004】
一方、上記の特開昭60−236580号に示される画像処理装置では、注目画素とその近傍画素との濃度差が所定値より大きい時にだけ鮮鋭化処理を行い、所定値より小さければ平滑化処理を行うようにしている。しかしながら、このような方法では、注目画素と周辺画素との濃度差がそれ程大きくない雑音成分などは強調されることがなくなるが、濃度の高い領域で濃度差があるような中間調画像に対してはやはり白抜けや境界線のようなものが発生することが避けられないという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、濃度を鮮鋭化するフィルタ処理を行った場合にも、白抜けや境界線のようなものが発生しにくい画像処理装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するために以下の構成を備えている。
【0007】
(1) 画像データ中の各画素に対して、該画素とその周辺画素との濃度レベル差に基づいて濃度を鮮鋭化するフィルタ処理を行うとともに、フィルタ処理前後の濃度値を比較して、フィルタ処理後の濃度値がフィルタ処理前の濃度値よりも低い場合に、これらの濃度値に基づいて当該画素の濃度値を補正するフィルタ手段、を備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明では、例えば図19に示すような場合、すなわち、注目画素I0 のフィルタ処理前後の濃度値を注目し、フィルタ処理前の濃度値よりもフィルタ処理後の濃度値が低い場合には、これらの濃度値に基づいて注目画素の濃度値を補正する。すなわち、注目画素I0 のフィルタ処理前の濃度値150とフィルタ処理後の濃度値−50の2つの値を用いてこの注目画素I0 の濃度値を−50とならないように補正するものである。このようにすることで、濃度の鮮鋭化を行うと共に、白抜けや境界線が生じるのを防止する。
【0009】
濃度補正には、いくつかの方法がある。例えば、注目画素の濃度値をフィルタ処理前の濃度値に補正する。図1に示すように、微分フィルタを通すことによって、注目画素I0 が−50の濃度値となった場合、濃度補正1によって、b3に示すように、注目画素I0 の濃度値をフィルタ処理前の濃度値150に戻す。これにより、注目画素I0 の周囲の濃度値はフィルタ処理によって濃度値が250となるが、注目画素I0 の濃度値は150のままである。したがって、エッジ強調処理が行われると共に、白抜けや境界線のようなものが発生しなくなる。
【0010】
なお、図2は、フィルタ処理の一例を示す。すなわち、この例では、注目画素である画素Eのフィルタ処理後の濃度は、E*5+B*(−1)+D*(−1)+F*(−1)+H*(−1)で求められる。
【0011】
濃度補正には、さらに、注目画素の濃度値をフィルタ処理前後の濃度値の平均値とする方法がある。図3にこの場合を示す。すなわち、微分フィルタを通した結果、注目画素I0 の濃度値が150から−50となった場合、濃度補正2によって、平均化処理を行う。この結果、注目画素I0 の濃度値は50となり、その周辺画素の濃度値は250となって、エッジ強調されると共に白抜けや境界線のようなものが発生するのを防止できる。
【0012】
なお、平均化処理とは、注目画素のフィルタ処理前後の濃度値の平均値を求める処理を言う。また、平均化には、単純平均とする方法と、重み付けをする加重平均とする方法がある。加重平均の処理を行う場合は、重みについては、適切な実験等を行うことによって決めるのが望ましい。
【0013】
さらに、濃度補正の他の方法として、2つの値の濃度差を使用する方法が挙げられる。しきい値と掛け率とを設定しておき、濃度差がしきい値より大きい場合には、該濃度差に予め設定した値を掛けたものをフィルタ処理後の濃度値に加算し、濃度差がしきい値より小さい場合は、該濃度差に予め設定した値を掛けたものをフィルタ処理後の濃度値に加算する。
【0014】
(2) 前記フィルタ手段は、当該画素のフィルタ処理前の濃度値が所定値以上の時に該画素の濃度値を補正する。
【0015】
本発明では、すべての場合に上記(1)の濃度補正処理を行うのではなく、注目画素のフィルタ処理前の濃度値が所定値以上の時にだけ行うことも可能である。このようにすると、低濃度部分については濃度補正処理が行われない。低濃度領域では、微分処理を行っても白抜けなどが起こりにくいため、濃度補正を行わないほうが良い場合がある。そこで、本発明では高濃度部分についてのみ濃度補正を行いことで、白抜けや境界線のようなものが発生するのを防止すると共に、高濃度部分および低濃度部分の両方においてエッジ強調処理を行うことができる。
【0016】
(3) 前記フィルタ手段は、注目画素のフィルタ処理前の濃度値の大きさに応じて前記補正を行う。
【0017】
本発明では、注目画素のフィルタ処理後の濃度値がフィルタ処理前の濃度値よりも低い場合、フィルタ処理前の濃度値に応じて、当該注目画素のフィルタ処理前後の濃度値に基づいて該画素の濃度値の補正を行うものである。例えば、フィルタ処理前の濃度値を3段階に分け、それぞれの段階に応じて注目画素の濃度値の補正を行う。この場合、フィルタ処理前の濃度値がどの大きさにあるかによって、注目画素の濃度値をフィルタ処理前の元の濃度値に補正したり、フィルタ処理前後の濃度平均値を求め、この値に補正する。このように処理すると、さらにきめ細かな濃度補正が可能となる。
【0018】
(4) 前記フィルタ手段は、各画素のフィルタ処理後の濃度値がフィルタ処理前の濃度値よりも低く、且つ当該画素およびその周辺画素を含む領域でのフィルタ処理前の濃度平均値が所定値以上であるときに、前記補正を行う。
【0019】
濃度の高い所で濃度差があるような中間調画像に対して、濃度を鮮鋭化するフィルタ処理を行った場合、白抜けや境界線のようなものが発生するが、本発明では、注目画素とその周辺画素を含む領域でのフィルタ処理前の濃度平均値が所定値以上である場合にのみ上記の濃度値補正を行うために、低濃度領域に上記補正による悪影響を及ぼすことがなくなる。すなわち、本発明にかかる濃度値補正は、低濃度の領域に対してはむしろ好ましくない場合が生じるために、本発明のように構成することで、高濃度領域内に存在する中間調画像に対してのみ濃度補正を行うことができる。
【0020】
(5) 前記フィルタ手段は、当該画素およびその周辺画素を含む領域でのフィルタ処理前の濃度平均値の大きさに応じて前記補正を行う。
【0021】
本発明では、上記(3)と同様により細かい濃度補正を行うことができる。
【0022】
(6) 本発明では、また、各画素が文字領域、写真領域、網点領域の中のどの領域の画素かを判定する画素領域判定手段を備えたり、原稿を読み取る時の倍率設定可能な読取部を備えたり、また、原稿が文字、文字および写真、写真の各々の場合に、文字モード、文字写真モード、写真モードを指定する原稿モード指定手段を備えることができる。そして、フィルタ手段は、これらの手段による判定結果や設定倍率または指定モード等に応じて上記の補正を行う。
【0023】
本発明では、このような構成によってもさらにきめ細かな補正を行うことができるようになる。
【0024】
【発明の実施の形態】
図4は、本発明の実施形態であるディジタル複合機の構成図である。
【0025】
図4は、ディジタル複合機30の全体構成を示す図である。この図に示すように、ディジタル複合機30は、大きく分けてスキャナ部31と、レーザ記録部32と、から構成されている。
【0026】
スキャナ部31は、透明ガラス製のプラテンガラスを含む構成の原稿載置台35、原稿載置台35上へ自動的に原稿を供給搬送するための両面対応自動原稿送り装置(以下、RADFと称する。)36、及び原稿載置台35上に載置された原稿の画像を走査して読み取るためのスキャナユニット40等から構成されている。このスキャナ部31で読み取られた原稿画像は、画像データとして後述する画像処理部へと送られ、画像データに対して所定の画像処理が施される。
【0027】
RADF36は、原稿トレイ上に複数枚の原稿を一度に載置しておき、載置された原稿を1枚ずつ自動的にスキャナユニット40の原稿載置台35上へ給送する装置である。またRADF36は、操作者の選択に応じて原稿の片面または両面をスキャナユニット40に読み取らせるように、片面原稿のための搬送経路、両面原稿のための搬送経路、搬送経路切換手段、各部を通過する原稿の状態を把握し管理するセンサ群、および制御部等から構成されている。
【0028】
原稿載置台35上に載置された原稿の画像を読み取るためにスキャナユニット40は、原稿面上を露光するランプリフレクタアセンブリ41と、原稿からの反射光を反射する第1反射ミラー42aを搭載してなる第1の走査ユニット40a、第1反射ミラー42aからの反射光像を反射する第2反射ミラー42b、第3反射ミラー42cを搭載してなる第2の操作ユニット40b、上述した各反射ミラー42a〜42cで反射した原稿からの反射光像を電気的画像信号に変換する光電変換素子(以下、CCDと称する。)44から構成される。
【0029】
スキャナ部31は、RADF36とスキャナユニット40との関連した動作により、原稿載置台35上に読み取るべき原稿を順次載置させながら、原稿載置台35の下面に沿ってスキャナユニット40を移動させて原稿画像を読み取るように構成されている。特に第1走査ユニット40aは、原稿載置台35に沿って副走査方向に一定速度Vで走査制御され、また第2走査ユニット40bは、その速度Vに対してV/2の速度で同一方向に平行に走査制御される。この動作により、原稿載置台35上に載置された原稿の画像を、1ライン毎に順次CCD44へと結像させて画像を読み取ることができる。
【0030】
原稿画像をスキャナユニット40にて読み取ることにより得られた画像データは、後述する画像処理部へ送られ、本発明に係るフィルタ処理と濃度補正処理が施された後、画像処理部のメモリに一旦記憶される。そして、出力指示に応じてメモリ内の画像を読みだしてレーザ記録部32に転送して、記録用紙上に画像を形成させる。
【0031】
このレーザ記録部32は、画像を形成させるための記録材である記録用紙の収納・搬送部50、レーザ書込ユニット(以下、LSUと称する。)46、および画像を形成するための電子写真プロセス部47を備えている。LSU46は、上述した画像形成を行う電子写真プロセス部47の転写器が配置された転写位置へとシートPを搬送する搬送部33、搬送部33へとシートPを送り込むためのカセット給紙装置51・52・53、必要なサイズのシートを適宜給紙するための手差し給紙装置54、転写後のシートPに形成されたトナー像を定着するための定着器49、定着後のシートPの裏面に再度画像を形成するためにシートPを再供給するための再供給経路55・56とを備えている。また、用紙の搬送経路の定着器49の後部には、画像が記録されたシートPを受け取り、このシートPに対して用紙を複数部複写する場合にグループごとに振り分けるソート処理や、グループごとに振り分けた用紙を綴じるステープル処理等の処理を行う後処理装置34が配置されている。
【0032】
LSU46及び電子写真プロセス部47において、画像メモリから読み出された画像データは、LSU46によってレーザ光線を走査させることにより感光体ドラム48の表面上に静電潜像として形成され、トナーにより可視像化されたトナー像は多段給紙ユニットのいずれかの給紙部から搬送された用紙の面上に静電転写される。このようにして画像が形成された用紙は、定着器49でトナー像を定着されて排紙ローラ57を経て、後処理装置34内へと搬送されたり、搬送路56を介して両面複写ユニット55へと選択的に搬送される。後処理装置34は、第1の排出トレイ341と、第2の排出トレイ342とが、装置左側において第1の排出トレイ341が第2の排出トレイ342の上部に位置するように設けられ、画像が記録された用紙は搬送路57から排出されて、第1の排出トレイ341または第2の排出トレイ342に載置していく。
【0033】
図5は、図4に示したディジタル複合機30を構成している各種ユニット部、画像処理部等の全体ブロック構成図である。メインの中央演算処理装置(以下、CPUと称する。)401により各ユニット部毎に搭載されたサブのCPUとの連携を取りながら動作管理している。
【0034】
図5において、ディジタル複合機30は、操作パネル1・2を管理制御するオペレーションパネルボード10・20、ディジタル複合機30を構成する各ユニットを管理制御するマシンコントロールボード200、原稿画像を読み取りディジタルデータとするCCDボード300、前記CCDボード300にてディジタルデータ化された原稿画像に対して所定の画像処理を施すメイン画像処理ボード400、このメイン画像処理ボード400にて処理された画像情報に対してさらに所定の画像処理を施すサブ画像処理ボード500、および前記サブ画像処理ボード500にインターフェイスを介して接続されたその他の拡張ボード群600(プリンタボード601、機能拡張ボード602、FAXボード603)等から構成されている。
【0035】
以下に、各ボード毎に管理制御している内容について説明する。
【0036】
(オペレーションパネルボード)
オペレーションパネルボード10・20は、基本的にサブのCPU101により制御されており、操作パネル1・2上に配置されたLCD表示部103・104の表示画面、各種モードに関する指示を入力する操作キー群105・106からの操作入力等を管理している。そして操作キー群105・106から入力されたデータ、LCD表示部103・104の表示画面に表示させる情報等操作パネルにおける各種制御情報を記憶しておくメモリ102が設けられている。
【0037】
この構成において、サブのCPU101は、メインのCPU401との制御データ通信を行い、ディジタル複合機30の動作指示を行う。また、メインのCPU401からは、ディジタル複合機30の動作状態を示す制御信号をサブのCPU101へと転送することで、操作パネル1・2のLCD表示部103・104を通して、装置が現在どのような状態にあるのかを、操作者に動作状態を表示するようになっている。
【0038】
(マシンコントロールボード)
マシンコントロールボード200は、サブのCPU201により全体が制御されており、ADF・RADF等の自動原稿送り装置203、原稿画像を読み取る読取スキャナ部204、画像情報を画像として再現するプロセス部205、画像が記録される用紙を収納部からプロセス部205へ向かって順次搬送する給紙搬送部206、画像が記録された用紙を反転させて用紙の両面に画像が形成されるように用紙を反転搬送する両面ユニット207、および画像が記録された用紙に対してステープル等の後処理を行うフィニッシャ208等によって構成されている。
【0039】
(CCDボード)
CCDボード300は、原稿画像を読み取りアナログのデータに変換するCCD44、CCD44を駆動する回路であるCCDゲートアレイ(図3では、CCD G/Aと表示する。)302、CCD44から出力されるアナログデータのゲイン調整等を行うアナログ回路303、CCD44のアナログ出力をディジタル信号に変換してディジタルデータとして出力するA/D変換器304等から構成され、制御管理はメインのCPU401により行われている。
【0040】
(メイン画像処理ボード)
メイン画像処理ボード400は、メインのCPU401により制御され、前記CCDボード300から送られてきた原稿画像のディジタルデータを基に、画像の階調性や品質を所望の状態で表現できるように、シェーディング補正・濃度補正・領域分離・フィルタ処理・MTF補正・解像度変換・電子ズーム(変倍処理)・ガンマ補正等、多値の画像データの状態のまま処理を施す多値画像処理部402、処理が施された画像データあるいは処理の手順管理等各種制御情報を記憶させておくメモリ403、処理が施された画像情報を画像に再現するためにLSU46側へとデータを転送制御するレーザコントロール部404等から構成される。
【0041】
本実施形態では、後述のように、このうちのフィルタ処理に特徴がある。フィルタには、エッジ強調を行うための微分フィルタが含まれる。
【0042】
(サブ画像処理ボード)
サブ画像処理ボード500は、メイン画像処理ボード400とコネクタ505・405で接続され、メイン画像処理ボード400上のメインのCPU401により制御された2値画像処理部501、画像処理の施された2値画像情報あるいは処理上での制御情報等を記憶管理するメモリおよびメモリを制御するゲートアレイ502、複数枚の原稿画像情報を記憶管理しておき複数枚の原稿画像を繰り返し所望部数の数だけ読み出して複数の複写物を生成するためのハードディスクおよびハードディスクを制御するゲートアレイ503、および外部インターフェイスとしてのSCSIボードおよびSCSIを制御するゲートアレイ504等から構成される。また、前述の2値画像処理部501は、多値画像情報を2値画像に変換する処理部、画像を回転する処理部、および2値画像の変倍処理を行う2値変倍処理部等から構成され、さらに、FAX画像を通信手段を介して送受信することが出来るようにFAXインターフェイス(図5では、FAX I/Fと表示する。)も備えている。
【0043】
(拡張ボード)
拡張ボード600は、パソコン等から送られてくるデータをディジタル複合機30のレーザ記録部32からプリンタモードとして出力可能とするためのプリンタボード601、ディジタル複合機30の編集機能を拡張してディジタル複合機30の特徴を有効活用するための機能拡張ボード602、およびディジタル複合機30のスキャナ部31から読み込んだ原稿画像を相手先に対して送信したり、相手先から送られてきた画像情報をディジタル複合機30のレーザ記録部32から出力することを可能にするFAXボード603等から構成される。
【0044】
以下に、ディジタル複合機30の画像処理装置としての機能の一例として、、コピーモードでの画像データの処理、画像データの流れについてさらにくわしく説明する。
【0045】
ディジタル複合機30のRADF36の所定位置にセットされた原稿は、1枚ずつスキャナユニット40の原稿載置台35上へと順次供給され、原稿の画像は、スキャナユニット40により順次読み取られ、8ビットのディジタルデータとしてメイン画像処理ボード400へと転送される。メイン画像処理ボード400に転送された8ビットのディジタルデータは、8ビットのディジタル画像データとして多値画像処理部402で所定の処理が施される。8ビットのディジタル画像データはエッジ強調処理を行うため微分フィルタ処理が行われ、レーザコントロール部404を介してLSU46へと送られる。上記の処理によって、ディジタル複合機30のスキャナ部31で読み取られた原稿画像は、レーザ記録部32から階調性のある高品質なコピー画像として出力される。
【0046】
ディジタル複合機30のRADF36の所定位置にセットされた原稿は、1枚ずつスキャナユニット40の原稿載置台35上へと順次供給され、原稿の画像は、スキャナユニット40により順次読み取られ、8ビットのディジタルデータとしてメイン画像処理ボード400へと転送される。メイン画像処理ボード400に転送された8ビットのディジタルデータは、8ビットのディジタル画像データとして多値画像処理部402で所定の処理が施される。この8ビットのディジタル画像データは、次にメイン画像処理ボード400側のコネクタ405からサブ画像処理ボード500側のコネクタ505を介してサブ画像処理ボード500側に送られ、2値画像処理部501の多値2値変換部において誤差拡散等の処理と共に8ビットのディジタル画像データから2ビットのディジタル画像データに変換される。
【0047】
なお、8ビットのディジタル画像データを誤差拡散等の処理を含めて2ビットのディジタル画像データに変換しているのは、単に多値2値変換を行っただけでは画質的に問題があるので、画質の劣化が少なくなるように配慮している。また、8ビットのディジタル画像データを2ビットのディジタル画像データに変換するのは、画像の記憶容量等を考慮したためである。
【0048】
このようにして変換された2ビットのディジタル画像データは、原稿1枚毎にハードディスク等のディスクメモリ503へと転送されて一時的に記憶管理される。ディジタル複合機30のRADF36にセットされた原稿群の全てが読取処理されると、一時的にハードディスク503に記憶された2ビットのディジタル画像データを、ゲートアレイ503の制御により指定された部数だけ繰り返し読み出して、読み出された2ビットのディジタル画像データは、再度コネクタ接続部405・505を介してメイン画像処理ボード400へ送られ、ガンマ補正等の処理を行いレーザコントロール部404を介してLSU46へと送られる。
【0049】
なお、全ての原稿群画像が読み取られてから画像群を所望する部数だけ繰り返し読み出すようにして説明したが、1部目の画像出力は所定分の画像が準備できた段階で順次出力するように構成することも可能である。
【0050】
上記の処理により、ディジタル複合機30のスキャナ部31で読み取られた原稿画像は、レーザ記録部32から階調性のある高品質なコピー画像として出力される。
【0051】
次に、上記メイン画像処理ボード400における多値画像処理部402内のフィルタ処理について説明する。
【0052】
このフィルタ処理には、濃度を鮮鋭化するためのエッジ強調処理を行うフィルタとして、たとえば微分フィルタが使用される。微分フィルタでは、画像データ中の各画素に対して、該画素とその周辺画素との濃度レベル差に基づいてエッジ強調処理を行う。エッジ強調処理を行う微分フィルタは、図2に示すフィルタリングを行う。すなわち、画像データの画素Eを注目画素とすると、この注目画素Eの濃度は、微分フィルタリングの結果、E*5+B*(−1)+D*(−1)+F*(−1)+H*(−1)の濃度となる。なお、定数を適当に変えることで、微分処理結果を変えることが可能である。
【0053】
上記の微分フィルタ処理後、該フィルタ処理ではさらに本発明の濃度補正を行う。フィルタ処理部は次のようにして注目画素の濃度値の補正を行う。
【0054】
(実施例1)
図6は、実施例1の動作を示すフローチャートである。
なお、本明細書において、実施例xとは、本実施形態のディジタル複合機において実施可能なx番目の画像処理例を意味しているのであって、必ずしも本発明の実施例と一致するものではない。
【0055】
すなわち、ステップ201で微分フィルタ処理(以下、単にフィルタ処理という)201を行った結果、ステップ202において、注目画素に対するフィルタ処理前濃度値とフィルタ処理後濃度値とを比較する。その比較の結果、フィルタ処理後の濃度値がフィルタ処理前の濃度値よりも低くない場合には、ステップ204に進んで、通常通りフィルタ処理後の濃度値を当該注目画素の濃度値としてフィルタ自身が出力する。しかし、フィルタ処理後の濃度値がフィルタ処理前の濃度値よりも低い場合には、ステップ203に進む。このステップ203では、フィルタ処理後の濃度値を捨て、フィルタ処理前の濃度値を当該注目画素の濃度値として出力する。すなわち、この場合には、注目画素に対する2つの濃度値(フィルタ処理前とフィルタ処理後の濃度値)を用い、フィルタ処理前の濃度値には100%、フィルタ処理後の濃度値には0%をそれぞれ乗じて、それらを足し合わせた結果を出力する。フィルタ処理部では、本来のフィルタ処理とともに、このような濃度補正をも行って、最終的なフィルタ出力とする。この結果、図1に示したように、注目画素I0 に対するフィルタ処理の結果、その濃度値が150から−50に低下した場合は、−50の濃度値を捨て、これを150に置き換える。なお、上記の図1に示す例では、1つの注目画素I0 が白抜けとなる例を示しているが、図7に示すように、ライン上の白抜け部が発生する場合は本実施例でこれが補正される。すなわち、図7の左上に示す原画像a1は文字などのエッジ部を示しているが、微分フィルタ処理を施すことによって、右上画像a2のように高濃度部はより高くなり、低濃度部はより低くなるために、エッジ部分が強調された画像となる。しかしながら、濃度値が−10の画素は白抜け部となるために、これが境界線のような画像となってしまう。そこで、本実施例では、−10の画素値となった領域を元の画素値20に戻す濃度補正1を行う。この結果が図7の左下に示す画像a3である。このようにして、再生画像に白抜けや境界線のようなものが発生するのを防止する。
【0056】
(実施例2)
図8は、実施例2の動作を示すフローチャートである。
【0057】
本実施例では、ステップ501で微分フィルタ処理を行った後、ステップ502に進んで、フィルタ処理前濃度値とフィルタ処理後濃度値とを比較する。そして、フィルタ処理後の濃度値がフィルタ処理前の濃度値よりも低くない場合には、通常通りステップ504に進んで、フィルタ処理後の濃度値を当該注目画素の濃度値として出力する。しかし、フィルタ処理後の濃度値がフィルタ処理前の濃度値よりも低い場合には、ステップ503に進み、フィルタ処理前の濃度値とフィルタ処理後の濃度値とを平均処理し、その平均値を当該注目画素の濃度値として出力する。なお、平均処理には、2つの濃度値の単純平均でもよいし、2つの濃度値を使用した加重平均であってもよい。この場合の重み付けは実験等により決めることが好ましい。
【0058】
図9は、同実施例2による濃度補正を示す図である。すなわち、図9の左上に示す元画像データc1は横方向の複数のラインを示しているが、これを微分フィルタにかけると図9右上のような画像c2になる。この状態では、濃度値が−20の画素のラインができるために、本実施例での濃度補正(濃度補正2)を行うと、同図右下の画像c4となる。このように、平均処理の濃度補正2を行うことによって白い境界線のようなラインが形成されるのを防止することができる。なお、図9の左下のc3は上記実施例1の濃度補正1を行った結果を示している。すなわち、微分フィルタ処理によって、濃度値が−20となった画素の濃度値を元の60に戻す。同図から明かなように、微分フィルタ処理後のc2の解像度のコントラストに比較してc3のコントラストはかなり低下するが、本実施例のように濃度補正2によってc4のように濃度値補正を行うと、c3のような過度のコントラスト低下を防止できる。このように、本実施例では、解像度のコントラスト低下も防ぐことが可能である。
【0059】
さらに、フィルタ処理部による濃度補正の他の方法として、2つの値の濃度差を使用する方法が挙げられる。例えば、しきい値と掛け率とを設定しておき、濃度差がしきい値より大きい場合には、該濃度差に予め設定した値を掛けたものをフィルタ処理後の濃度値に加算し、濃度差がしきい値より小さい場合は、該濃度差に予め設定した値を掛けたものをフィルタ処理後の濃度値に加算する。
【0060】
(実施例3)
図10は、実施例3の動作を示すフローチャートである。
【0061】
この実施例では、ステップ801でフィルタ処理を行った後、ステップ802で、フィルタ処理前濃度値とフィルタ処理後濃度値とを比較し、フィルタ処理後濃度値がフィルタ処理前濃度値よりも低くなければ、通常通り、ステップ805に進みフィルタ処理後濃度値を当該注目画素の濃度値として出力する。フィルタ処理後濃度値がフィルタ処理前濃度値よりも低くなった場合には、ステップ803に進む。ここでは、フィルタ処理前濃度値が一定のしきい値THを越えるかどうかを判定する。フィルタ処理前濃度値がしきい値THを越えていなければ、ステップ805に進むが、しきい値THを越えていればステップ804に進む。このステップ804では、当該注目画素の濃度値を、フィルタ処理前後の濃度値に基づいて補正する。すなわち、上記濃度補正1のように、当該注目画素の濃度値をフィルタ処理前の濃度値に置き換えるか、または、上記濃度補正2のように、フィルタ処理前後の濃度値の平均値(単純平均値または加重平均値)を当該注目画素の濃度値にする。この処理により、濃度の高い所で濃度差があるような中間調画像に対して強調レベルの高い微分フィルタ処理を行った場合に発生する白抜けや境界線のようなものを防ぐことができると共に、ステップ803を設けているために、低濃度部分に影響を与えることなく高濃度部分についてのみ上記濃度補正を行うことができる。
【0062】
(実施例4)
図11は、実施例4のフローチャートを示している。
【0063】
この実施例では、ステップ901において微分フィルタ処理を行い、ステップ902でフィルタ処理前の濃度値とフィルタ処理後の濃度値とを比較し、フィルタ処理後の濃度値がフィルタ処理前の濃度値よりも低くなければ通常通りステップ905に進んでフィルタ処理後の濃度値を当該注目画素の濃度値として出力する。
【0064】
フィルタ処理後の濃度値がフィルタ処理前の濃度値よりも低くなった場合には、ステップ903に進む。このステップ903では、当該注目画素およびその周辺画素を含む領域でのフィルタ処理前の濃度平均値を求め、この平均値が一定のしきい値THを越えているかどうかを判断する。ここでは、この濃度平均値をマスク内濃度平均値という。マスクとは、当該注目画素およびその周辺画素を含む領域を意味する。マスク内濃度平均値がしきい値THを越えている場合には、ステップ904に進み、当該注目画素のフィルタ処理前後の濃度値に基づいて該画素の濃度値を補正する。
【0065】
この実施例では、上記実施例3と同様に、低濃度部分に影響を与えることなく、高濃度部分についてのみ白抜けや境界線のようなものが発生するのを防止することができる。なお、この実施例では、ステップ903において、マスク内の濃度平均値を求めているため、注目画素の周辺の画素を含む一定の領域が高濃度部分であるかどうかを判断しているから、高濃度部分についてのみ濃度補正を行うという点でより正確なものとなる。
【0066】
(実施例5)
図12は、実施例5のフローチャートを示す。
【0067】
この実施例では、ステップ1001においてフィルタ処理を行った後、ステップ1002でフィルタ処理前濃度値とフィルタ処理後濃度値とを比較する。上記の各実施例と同様に、フィルタ処理後濃度値がフィルタ処理前濃度値よりも低くなければ、ステップ1007に進んで通常通りフィルタ処理後の濃度値を当該注目画素の濃度値として出力する。
【0068】
フィルタ処理後の濃度値がフィルタ処理前の濃度値よりも低くなると、ステップ1003に進んで、ここでフィルタ処理前の濃度値を判断する。すなわち、フィルタ処理前の濃度値が2つのしきい値TH1、TH2で区切られるどの領域に入るかによってステップ1004〜1006で異なった濃度補正を行う。しきい値TH1はしきい値TH2よりも低い値に設定されており、フィルタ処理前の濃度値がしきい値TH1以下であれば、ステップ1006に進んでフィルタ処理前後の濃度値の加重平均値を当該注目画素の濃度値として出力する。フィルタ処理前濃度値がしきい値TH1とTH2の間の範囲にあれば、ステップ1005に進んで、フィルタ処理前後の濃度値の単純平均値を出力する。また、フィルタ処理前の濃度値がしきい値TH2以上であれば、ステップ1004に進んで、フィルタ処理前の濃度値を当該注目画素の濃度値として出力する。
【0069】
このような処理を行うことによって、しきい値TH1、TH2を適当に定めることによりより最適な濃度補正を行うことができる。
【0070】
(実施例6)
図13は、実施例6のフローチャートを示している。
【0071】
この実施例6では、ステップ1101においてフィルタ処理を行った後、ステップ1102においてフィルタ処理前濃度値とフィルタ処理後濃度値とを比較し、フィルタ処理後の濃度値がフィルタ処理前の濃度値よりも低くなければ、ステップ1107に進んで、通常通りフィルタ処理後の濃度値を当該注目画素の濃度値として出力する。
【0072】
フィルタ処理後の濃度値がフィルタ処理前の濃度値よりも低くなった場合には、ステップ1103に進む。このステップ1103では、フィルタ処理前のマスク内の濃度平均値を判断する。上述のように、マスクとは、当該注目画素およびその周辺画素の領域を意味し、このマスク内の濃度平均値と予め定めたしきい値TH1、TH2とを比較する。マスク内濃度平均値がしきい値TH1、TH2で区切られるどの領域にあるかによって、ステップ1104〜1106で処理される濃度補正が行われる。すなわち、マスク内濃度平均値がしきい値TH1以下であれば、ステップ1106においてフィルタ処理前後の濃度値の加重平均値が当該注目画素の濃度値として出力される。マスク内濃度平均値が2つのしきい値TH1、TH2の間にあるならば、ステップ1105において、フィルタ処理前後の濃度値の単純平均値が当該注目画素の濃度値として出力される。また、マスク内濃度平均値がしきい値TH2以上であるなら、ステップ1104に進んで当該注目画素の濃度値がフィルタ処理前の濃度値に置き換えられて出力される。この実施例6も、上記実施例5と同様に、より細かく正確な濃度補正を行うことができる。
【0073】
(実施例7)
図14は、実施例7のフローチャートを示す。
【0074】
この実施例7では、ステップ1201でフィルタ処理を行った後、ステップ1202においてフィルタ処理前濃度値とフィルタ処理後濃度値とを比較し、フィルタ処理後濃度値がフィルタ処理前濃度値よりも低くなければ、ステップ1205に進んで通常通りフィルタ処理後の濃度値を当該注目画素の濃度値として出力する。
【0075】
フィルタ処理後の濃度値がフィルタ処理前の濃度値よりも低くなった時には、ステップ1203に進む。ステップ1203では、当該注目画素が、文字領域にあるのか写真領域にあるのか、網点領域にあるのかを判断する。この領域判定の方法は、例えば、注目画素とその周辺の画素の連結度合いに基づいて行うことができる。文字部分であれば、文字部分の画素の連結度合いは高い。また、写真部分であれば、隣合う画素の濃度値の変化が文字に比較して小さく、連結度合いは相対的に低い。このように、隣接または近接する画素同士の連結度合いを見ることによってその画素の領域が文字領域なのか写真領域なのかまたは網点領域なのかを判断することが可能である。そして、当該注目画素の領域が文字領域であるなら、ステップ1205に進んでフィルタ処理後の濃度値を出力する。また、写真領域または網点領域であるなら、ステップ1204に進み、フィルタ処理前後の濃度値に基づいて当該注目画素の濃度値を補正する。補正は、フィルタ処理前の濃度値に置き換えてもよいし(濃度補正1)、フィルタ処理前後の濃度値の平均値を求めるようにしてもよい(濃度補正2)。なお、図15に示すように、ステップ1303において領域を判定し、その判定結果に応じてステップ1304〜ステップ1306において濃度補正を行うこともできる。この場合の領域1〜領域3は、それぞれ文字領域、写真領域、網点領域であってもよいが、その他、ステップ1304〜1306の濃度補正が適正となる任意の領域であってもよい。
【0076】
この実施例の濃度補正によれば、白抜けや境界線のようなものが発生するのを防止することができるほか、より適切な濃度補正が可能であり、より高画質化を実現することができる。
【0077】
(実施例8)
図16は、実施例8のフローチャートである。
【0078】
この実施例8では、ステップ1401でフィルタ処理を行った後、ステップ1402においてフィルタ処理前の濃度値とフィルタ処理後の濃度値とを比較し、フィルタ処理後の濃度値がフィルタ処理前の濃度値よりも低くなければ、ステップ1407に進み、当該注目画素の濃度値としてフィルタ処理後の濃度値を出力する。
【0079】
フィルタ処理後の濃度値がフィルタ処理前の濃度値よりも低くなった場合には、ステップ1403に進んで変倍率の判定を行う。図5の多値画像処理部402の電子ズーム機能は、操作パネルで設定された倍率に基づいてディジタルズーム処理、すなわち画像データの変倍処理を行うが、この設定された倍率の値に基づいて、濃度値補正の方法を変更する。この実施例では、変倍率が64〜141パーセントの場合には、ステップ1405において、フィルタ処理前後の濃度値の単純平均を行い、その平均値を当該注目画素の濃度値として出力する。また、変倍率が60%以下または142%以上の場合には、ステップ1406に進み、フィルタ処理前後の濃度値の加重平均を行い、その平均値を当該注目画素の濃度値として出力する。
【0080】
この実施例8では、上記のような処理を行うことにより、倍率に応じた適切な濃度値補正を行うことができる。なお、変倍率が60%以下や142パーセント以上になった場合濃度勾配が大きく変化するために、濃度値補正ではステップ1406のように加重平均を行うことになるわけであるが、この加重平均を行うための重み付けの値については実験等により求めることが必要である。
【0081】
(実施例9)
図17は、実施例9のフローチャートである。
【0082】
この実施例9では、ステップ1501においてフィルタ処理を行った後、ステップ1502においてフィルタ処理前濃度値とフィルタ処理後濃度値とを比較し、フィルタ処理後の濃度値がフィルタ処理前の濃度値よりも低くなければステップ1507に進んで、通常通り、フィルタ処理後の濃度値を当該注目画素の濃度値として出力する。
【0083】
フィルタ処理後の濃度値がフィルタ処理前の濃度値よりも低くなった場合にはステップ1503に進む。このステップ1503では、載置された原稿の画像が文字なのか文字写真なのか写真なのかを判定する。モードの判定はユーザの操作内容に基づいて行うこともできるが、公知の手法によって自動判定することも可能である。そして、その画像モードの判定結果に応じて、ステップ1504〜ステップ1506において濃度値の補正処理が行われる。すなわち、写真モードの場合はステップ1504において、当該注目画素の濃度値としてフィルタ処理前の濃度値を出力し、文字写真モードの場合にはステップ1505において、フィルタ処理前後の濃度値の単純平均値を出力し、文字モードの場合には、ステップ1506においてフィルタ処理前後の濃度値の加重平均値を出力する。
【0084】
このように実施例9では、画像モードに応じて適切な濃度値補正処理を行うことが可能となり、より高画質化を実現することができる。
【0085】
(実施例10)
図18は、実施例10のフローチャートを示す。
【0086】
この実施例では、上記の各実施例を組み合わせてより細かな濃度補正を行うようにしたものである。
【0087】
すなわち、ステップ1601においてフィルタ処理を行った後、ステップ1602においてフィルタ処理前の濃度値とフィルタ処理後の濃度値とを比較し、フィルタ処理後の濃度値がフィルタ処理前の濃度値よりも低くなければステップ1603に進んで、通常のフィルタ処理後の濃度値を当該注目画素の濃度値として出力する。また、フィルタ処理後の濃度値がフィルタ処理前の濃度値よりも低くなった場合には、ステップ1604に進んで、まず、上記図17の実施例9に示すような画像モードの判定を行い、判定結果に応じて、ステップ1605、1610、1614において図15に示す実施例7の領域判定を行う。さらに、領域判定結果が、写真領域または網点領域の場合には、ステップ1606、1611、1615に進み、図16の実施例8の変倍率の判定を行う。設定された変倍率が、64〜141%の場合には、ステップ1607、1612、1616に進んで、図11の実施例4のマスク内濃度平均値の判定を行う。そして、マスク内濃度平均値がしきい値TH以下かどうかで、ステップ1608、1609、1613での濃度値補正を行う。
【0088】
なお、ステップ1608の濃度値補正は、当該注目画素の濃度値をフィルタ処理前の濃度値に補正し、ステップ1609ではフィルタ処理前後の濃度値の単純平均値を出力し、ステップ1613ではフィルタ処理前後の濃度値の加重平均値を出力する。
【0089】
上記図8におけるステップ1604、ステップ1605、ステップ1606の意義について詳述すると次のようになる。
【0090】
・ステップ1604
画像モードは、ここでは文書中心の画像に適したモードである文字モード、文書及び中間調部分の混在する原稿に適したモードである文字写真モード、中間画像中心の画像に適した写真モードの3つのモードとする。文字モード処理の狙いとして、フィルタによる強い鮮鋭化処理を行っていることから、フィルタ処理後の濃度値がフィルタ処理前の濃度値よりも低くなる場合が多くなり、さらにその濃度差も大きくなる。文字写真モードの処理としては、文字モードほどの強い鮮鋭化処理フィルタは使用しない。よって、フィルタ処理後の濃度値が文字モードの場合のフィルタ処理後の濃度値よりも低くなることは少なく、さらにその濃度差も、文字モードの場合ほど大きくない。写真モードの処理としては、鮮鋭化成分の強いフィルタを使用することは少なく、よって、フィルタ処理後の濃度値がフィルタ処理前の濃度値よりも低くなる場合は少なく、さらにその濃度差も小さくなる。フィルタ処理後の濃度値とフィルタ処理前の濃度値との濃度差の大きい処理ほど、白抜け等の画質劣化を引き起こしてしまうことになるので、その部分にはフィルタ処理前の濃度値に近い値に変換する構成とする。このようにするため、モードに応じてステップ1608、ステップ1609、ステップ1613の処理が行われるようにする。
【0091】
・ステップ1605、1610、1614
領域分離結果は、ここでは、文字領域、写真領域及び網点領域とする。フィルタにて鮮鋭化処理を行うべき文字領域に属する場合は、フィルタ結果の変換(濃度補正)を行うことなく、フィルタ処理後濃度値そのものを出力するように構成する。写真領域及び網点領域では、フィルタ処理後の濃度値がフィルタ処理前の濃度値よりも低くなる場合に白抜けやモアレといった画像劣化を引き起こすので、フィルタ処理結果の変換を行うように構成する。このようにするため、ステップ1605、ステップ1610、ステップ1614で分岐させる。
【0092】
・ステップ1606,1611,1615
変倍率については、拡大率や縮小率の高いものでは、フィルタのかかりも異なってくる。そこで、等倍付近の倍率にてフィルタ結果の変換を行うように構成する。このようにするため、ステップ1606、ステップ1611、ステップ1615で分岐させる。
【0093】
なお、上記の各ステップの意義については、先に示した実施例においても同様な意義をもつものである。
【0094】
このように、図18のように組み合わせて構成することにより、画像モード、領域判定結果及び変倍率に応じて、必要な部分にのみ適切な処理を行うことが可能となり、より高画質化が図れるという効果がある。例えば、文字モードに関して領域判定結果を用いない場合に、フィルタ処理前の濃度値に変換するように構成した場合、解像度低下等の画質劣化が避けられないが、領域判定により、文字領域に属する部分にはフィルタ処理後濃度値そのものを出力するように構成することで、この問題を解決することが可能となる。
【0095】
この実施例10のように、画像モード、領域判定、変倍率、マスク内濃度平均値の4つの項目についてそれぞれ区分けすることにより、上記の各実施例に比較してより正確な濃度補正が可能となり、より高画質化を実現することができる。なお、上記実施形態はディジタル複合機について述べたが、画像データを画素毎に処理する画像処理装置ならどのようなものにも本発明を適用することができる。また、フィルタには、微分フィルタに代えて、濃度を鮮鋭化するあらゆるフィルタが使用可能である。
【0096】
【発明の効果】
本発明によれば、微分フィルタなど、濃度を鮮鋭化するフィルタ処理を行った時に生じ易い白抜けや境界線のようなものを発生することを抑制することができ、より再生画像の高品質化が可能となる。また、注目画素のフィルタ処理前後の濃度値を使用するだけでよいために、濃度値補正が簡単である。さらに、この補正を、各種の条件を満たす時に行うようにすることで、より精度の高い濃度補正が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像処理装置のフィルタ処理部による濃度補正の一例について説明する図
【図2】微分フィルタによるフィルタ処理の一例を示す図
【図3】本発明の実施形態のディジタル複合機による濃度値補正内容について説明する図
【図4】上記ディジタル複合機の構成図
【図5】上記ディジタル複合機の制御部の構成図
【図6】フィルタ処理部の濃度補正の第1の実施例を示す図である。
【図7】濃度補正1について説明する図
【図8】実施例2のフローチャート
【図9】濃度補正1および濃度補正2を示す図
【図10】実施例3を示すフローチャート
【図11】実施例4を示すフローチャート
【図12】実施例5を示すフローチャート
【図13】実施例6を示すフローチャート
【図14】実施例7を示すフローチャート
【図15】実施例7の他の例を示すフローチャート
【図16】実施例8を示すフローチャート
【図17】実施例9を示すフローチャート
【図18】実施例10を示すフローチャート
【図19】微分フィルタ処理を行った場合の不都合について説明する図

Claims (9)

  1. 画像データ中の各画素に対して、該画素とその周辺画素との濃度レベル差に基づいて濃度を鮮鋭化するフィルタ処理を行うとともに、フィルタ処理前後の濃度値を比較して、フィルタ処理後の濃度値がフィルタ処理前の濃度値よりも低い場合に、当該画素の濃度値をフィルタ処理前後の濃度値から算出された値に補正するフィルタ手段、を備えたことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記フィルタ手段は、フィルタ処理後の濃度値がフィルタ処理前の濃度値よりも低い場合に、当該画素のフィルタ処理前の濃度値が所定値以上のときに、当該画素の濃度値をフィルタ処理前後の濃度値から算出された値に補正することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 前記フィルタ手段は、フィルタ処理後の濃度値がフィルタ処理前の濃度値よりも低い場合に、当該画素のフィルタ処理前の濃度値の大きさに応じて当該画素の濃度値をフィルタ処理前後の濃度値から算出された値に補正することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  4. 前記フィルタ手段は、フィルタ処理後の濃度値がフィルタ処理前の濃度値よりも低い場合に、当該画素およびその周辺画素を含む領域でのフィルタ処理前の濃度平均値が所定値以上であるときに、当該画素の濃度値をフィルタ処理前後の濃度値から算出された値に補正することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  5. 前記フィルタ手段は、フィルタ処理後の濃度値がフィルタ処理前の濃度値よりも低い場合に、当該画素およびその周辺画素を含む領域でのフィルタ処理前の濃度平均値の大きさに応じて当該画素の濃度値をフィルタ処理前後の濃度値から算出された値に補正することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  6. 画像データ中の各画素が複数の画像種類領域の中のどの領域の画素かを判定する画素領域判定手段を備え、
    前記フィルタ手段は、フィルタ処理後の濃度値がフィルタ処理前の濃度値よりも低い場合に、当該画素の領域判定結果に応じて当該画素の濃度値をフィルタ処理前後の濃度値から算出された値に補正することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  7. 画像データを設定倍率に変倍処理する変倍手段を備え、
    前記フィルタ手段は、フィルタ処理後の濃度値がフィルタ処理前の濃度値よりも低い場合に、前記設定倍率に応じて当該画素の濃度値をフィルタ処理前後の濃度値から算出された値に補正することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  8. 原稿の種類を原稿モードとして設定する原稿モード設定手段を備え、
    前記フィルタ手段は、フィルタ処理後の濃度値がフィルタ処理前の濃度値よりも低い場合に、前記設定された原稿モードに応じて当該画素の濃度値をフィルタ処理前後の濃度値から算出された値に補正することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  9. 原稿の種類を原稿モードとして設定する原稿モード設定手段と、各画素が複数の画像種類領域の中のどの領域の画素かを判定する画素領域判定手段と、画像データを設定倍率に変倍処理する変倍手段と、を備え、
    前記フィルタ手段は、フィルタ処理後の濃度値がフィルタ処理前の濃度値よりも低い場合に、前記設定された原稿モード、前記判定された画素領域、前記設定倍率、および当該画素およびその周辺画素を含む領域でのフィルタ処理前の濃度平均値の大きさに応じて当該画素の濃度値をフィルタ処理前後の濃度値から算出された値に補正することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
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