JP3696390B2 - モータ保持構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転子及び固定子並びにこれらを収容するモータケースを含んで構成されたモータを、モータホルダの保持部内に保持するためのモータ保持構造に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
直流モータにおいては、整流をする際にトルク変動が発生する。このトルク変動によって振動が発生し、異音発生の一因となっている。そこで、従来から、この種の異音の発生を低減する目的で、種々の対策が講じられている。
【0003】
例えば、実開平3−1652号公報に開示されたモータの固定構造によれば、モータ固定台に形成された断面半円形状の凹部に円柱状のモータを固定するに際して、凹部の表面とモータの外周面との間に振動吸収部材を介在させている。この振動吸収部材の表裏面には接着剤が塗布されており、表面側の接着剤によってモータが振動吸収部材に固定され、裏面側の接着剤によって振動吸収部材がモータ固定台の凹部に固定されるようになっている。
【0004】
しかしながら、この構成による場合、振動吸収部材を間に介してモータをモータ固定台に固定する際に接着剤を使用するため、接着剤が硬化するまでに時間がかかると共に、脱脂処理等が必要になりコストアップを招く不利がある。
【0005】
このような不利を解消し得る技術として、モータホルダ内にモータをフローティング支持する技術が知られている。具体的には、有底円筒状のモータホルダの周壁に所定の間隔で径方向外側へ向けて中空扇形状に突出する複数の突起部を形成し、これらの突起部内へゴム製の緩衝部材を嵌め込む構成となっている。この状態のモータホルダ内へ円柱状のモータを圧入させることにより、複数の緩衝部材によってモータがモータホルダに対してフローティング支持される構造である。
【0006】
上記構成によれば、複数のゴム製の緩衝部材によってモータホルダ内にモータをフローティング支持する構成であるため、接着剤を使用することに起因した不利は生じない。しかしながら、この構成による場合、モータホルダ内へモータを圧入する際に、モータの周面と緩衝部材との接触面に生じる摩擦力によって緩衝部材が突起部から脱落して本来の振動低減機能が確保されないおそれがある。一方、緩衝部材の振動低減機能を担保しようとすれば、緩衝部材が突起部から脱落しないようにモータをモータホルダ内へ慎重に圧入しなければならず、モータのモータホルダへの組付性が低下するといった新たな問題が生じる。
【0007】
本発明は上記事実を考慮し、異音の発生を極力低減することができ、しかもモータのモータホルダへの組付性を向上させることができるモータ保持構造を得ることが目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、回転子及び固定子並びにこれらを収容するモータケースを含んで構成されたモータを、モータホルダの保持部内に保持するためのモータ保持構造であって、軸芯部にモータケースの膨出部が嵌合される円孔が形成された円板状の底部と、この底部の周縁部からモータケースの周面に沿ってモータ軸線方向へ延出されかつモータ径方向へ弾性変形可能な複数の脚部と、各脚部の内側面にそれぞれ装着されてモータ取付後の状態ではモータケースの周面にそれぞれ圧接される複数の緩衝部材と、底部における円孔の周囲に形成された複数のモータ取付用孔内へ緩衝部材とは別個に弾性的にそれぞれ装着されてモータ取付後の状態ではモータケースの底部と接触して複数の緩衝部材と共にモータのフローティング支持に供される複数のグロメットと、を含んでサブホルダを構成し、モータホルダの保持部内へサブホルダを介してモータが組付けられた状態では、モータはサブホルダの複数の脚部の緩衝部材によってモータ径方向内側へ挟持されると共に複数のグロメットがモータケースの底部に弾性的に接触し、この状態で複数の緩衝部材及び複数のグロメットによってモータがモータホルダの保持部内にフローティング支持状態で保持されている、ことを特徴としている。
【0009】
上記構成の本発明によれば、以下の組付要領で、回転子及び固定子並びにこれらを収容するモータケースを含んで構成されたモータを、モータホルダの保持部内に保持させることができる。
【0010】
まず、サブホルダの円板状の底部の周縁部からモータケースの周面に沿ってモータ軸線方向へ延出された複数の脚部をモータ径方向外側へ向けて弾性変形させる。そして、この状態で、モータケースの膨出部がサブホルダの底部の円孔内へ嵌合されかつ円孔の周囲に形成された複数のモータ取付用孔に装着された複数のグロメットにモータケースの底部が接触するまでモータをサブホルダ内へ挿入させる。
モータの挿入後は、弾性変形状態にある複数の脚部を復元させる。このとき、複数の脚部の内側面にはそれぞれ緩衝部材が装着されており、複数の脚部を弾性復元させると各緩衝部材がモータケースの周面に圧接される。これにより、複数の脚部の弾性復元力に起因した摩擦力が緩衝部材とモータケースとの接触面に作用し、当該摩擦力によってモータがサブホルダに保持されて一体化される。
【0011】
次いで、モータをサブホルダごとモータホルダの保持部内へ挿入させる。これにより、モータがサブホルダを介してモータホルダの保持部内に保持される。モータホルダの保持部内へサブホルダを介してモータが組付けられた状態では、モータはサブホルダの複数の脚部の緩衝部材によってモータ径方向内側へ挟持されると共に複数のグロメットがモータケースの底部に弾性的に接触し、この状態で複数の緩衝部材及び複数のグロメットによってモータがモータホルダの保持部内にフローティング支持状態で保持される
【0012】
このように本発明では、モータホルダに緩衝部材を直接装着させるのではなく、モータ径方向へ弾性変形可能な複数の脚部を備えたサブホルダをモータホルダとモータとの間に介在させ、このサブホルダの脚部に緩衝部材を装着させる構成としたので、脚部の弾性を利用することにより、モータケースの膨出部がサブホルダの底部の軸芯部に形成された円孔内へ嵌合されかつ当該底部の円孔の周囲に形成された複数のモータ取付用孔に装着された複数のグロメットにモータケースの底部が接触するまで、緩衝部材とモータケースとを非接触の状態に保つことができる。このため、モータの挿入動作によって緩衝部材が脱落するおそれがなくなる。従って、すべての組付作業が終了した状態では、緩衝部材はモータケースの周面に確実に圧接される。その結果、本発明によれば、緩衝部材によるモータの振動低減機能は充分に担保され、これにより異音の発生を極力低減することができる。
【0013】
また、本発明によれば、モータのサブホルダへの挿入時には緩衝部材はモータケースの周面に対して非接触の状態とされるので、緩衝部材が脱落しないように慎重にモータをサブホルダへ挿入する必要はない。さらに、サブホルダとモータとが一体化された状態では、サブホルダの脚部とモータケースの周面との間に緩衝部材が介在されることになるため、その後にモータホルダの保持部内へモータ及びサブホルダを挿入する際に緩衝部材が脱落するおそれもない。その結果、本発明によれば、作業者は安心して組付作業を行うことができ、モータのモータホルダへの組付性を向上させることができる。
【0014】
請求項2記載の本発明に係るモータ保持構造は、請求項1記載の発明において、前記モータケースの底部には前記モータ取付用孔に対して同軸上となる位置に小孔が形成されており、前記サブホルダは当該グロメット内へ挿通された固定具が当該小孔へ螺合されることによりモータケースの底部に固定されている、ことを特徴としている。
上記構成の本発明によれば、モータケースの底部には前述したモータ取付用孔に対して同軸上となる位置に小孔が形成されており、サブホルダはグロメット内へ挿通された固定具が小孔へ螺合されることによりモータケースの底部に固定される構成としたので、サブホルダの複数の脚部の弾性による挟持力以外に、固定具による固定力によってサブホルダをモータに確実に固定することができる。すなわち、固定具を用いることによって、サブホルダとモータとの固定状態を補完することができる。
請求項3記載の本発明に係るモータ保持構造は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記サブホルダの各脚部には所定形状の切欠又は孔として形成された被嵌入部が設けられており、当該被嵌入部に前記緩衝部材が嵌入されることにより、当該緩衝部材が当該脚部に装着されている、ことを特徴としている。
【0015】
上記構成の本発明によれば、サブホルダの各脚部には所定形状の切欠又は孔として形成された被嵌入部が設けられており、この被嵌入部に緩衝部材が嵌入されることにより、当該緩衝部材が当該脚部に装着される構成としたので、組付作業的には緩衝部材の被嵌入部への嵌入作業だけでよいことになる。このため、緩衝部材のサブホルダへの組付性を向上させることができる。
【0016】
さらに、本発明によれば、同様の理由から、緩衝部材をサブホルダに装着させるのに接着剤等を用いる必要がない。このため、接着剤を塗布する等の作業が不要になると共に、接着剤が硬化するまでの時間を待つ等の必要がない。従って、この点からも緩衝部材のサブホルダへの組付性を向上させることができ、又組付時間の短縮化を図ることができる。
【0017】
請求項4記載の本発明に係るモータ保持構造は、請求項1及び請求項3のいずれかに記載の発明において、前記緩衝部材の肉厚方向の所定部位には、空隙部が設けられている、ことを特徴としている。
【0018】
上記構成の本発明によれば、緩衝部材の肉厚方向の所定部位に空隙部が設けられているため、緩衝部材が圧縮された際に、この空隙部が逃げ代としての役目を果たす。
【0019】
請求項5記載の本発明に係るモータ保持構造は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の発明において、前記モータホルダの保持部の内周面には、サブホルダの脚部の外周面に当接して当該脚部をモータ径方向内側へ加圧する複数の突起が形成されている、ことを特徴としている。
【0020】
上記構成の本発明によれば、モータホルダの保持部の内周面に、サブホルダの脚部の外周面に当接して当該脚部をモータ径方向内側へ加圧する複数の突起が形成されているため、サブホルダにモータを組み付けた後にこれをモータホルダの保持部内へ圧入すると、複数の突起がサブホルダの脚部の外周面に当接してこれを径方向内側(即ち、緩衝部材を圧縮する方向)へ加圧する。その結果、本発明によれば、モータホルダの保持部内にモータを適正に保持することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図8を用いて、本発明の一実施形態について説明する。
【0024】
図3には本実施形態に係る直流モータ10のモータホルダ12への組付状態の平面図が示されており、又図1には直流モータ10のモータホルダ12への組付状態の縦断面構造が示されており、更に図2には直流モータ10のサブホルダ14への組付前後の状態の縦断面構造が示されている。なお、図2の切断位置は基本的には図1同様に図3の1−1線に沿う位置であるため、本来図2には後述する三つの脚部48のうち一つの脚部48のみが図示される筈であるが、ここでは直流モータ10が組付けられるに際して各脚部48がどのようにされるかを強調すべく、三つの脚部48のうちの二つの脚部48を図示している。
【0025】
まず、直流モータ10の概略構造について説明する。なお、本実施形態に係る直流モータ10は、ブロワモータとして使用されるものであるが、広義には小型モータとして把握されるものである。
【0026】
これらの図に示されるように、直流モータ10は、有底円筒状のモータケース16と、このモータケース16の開放側の端部に嵌着されてかしめ固定される円板状のエンドプレート18と、によってその外郭が構成されている。モータケース16及びエンドプレート18の軸芯部には互いに離間する方向へ膨出する膨出部20、22が同軸上にそれぞれ形成されており、これらの膨出部20、22内には軸受24、26がそれぞれ配設されている。
【0027】
上述した一対の軸受24、26には、モータケース16及びエンドプレート18による隔成空間内に収容された回転子28の軸30が支持されている。また、モータケース16の周壁部16B内周面には、回転子28と対向して固定子(マグネット)32が固着されている。さらに、エンドプレート18の裏面側には、薄肉かつ樹脂製のインシュレータプレート34が固定されている。インシュレータプレート34には、図示しないブラシ及びスプリングを収容したブラシホルダ36が整流子38に臨むかたちで取り付けられている。ブラシからは連結用のピッグテール40が引き出されており、給電用の接続線42に接続されている。また、スプリングはブラシをブラシホルダ36から突出する方向へ常時付勢しており、これによりブラシの先端部は整流子38の周面に圧接されるようになっている。
【0028】
次に、上述した直流モータ10の保持構造について説明する。
特には図1に示されるように、上述した直流モータ10は、サブホルダ14を間に介してモータホルダ12に保持されている。以下、本実施形態の要部に係るサブホルダ14の構成について詳細に説明した後、モータホルダ12の構成についても簡単に説明することにする。
【0029】
図4及び図5に示されるように、サブホルダ14は、軸芯部に円孔44が形成された円板状の底部46と、この底部46の周縁部から120度間隔で立ち上げられた三つの脚部48と、から成るサブホルダ本体50を備えている。このサブホルダ本体50は、例えば樹脂等の弾性を有する材料(包括概念的には、樹脂材料以外に金属材料も含む弾性材料)から形成されている。
【0030】
サブホルダ本体50の底部46に形成された円孔44の内径はモータケース16の膨出部20の外径よりも若干大きく設定されており、組付に際して当該円孔44内へ膨出部20が嵌合されるようになっている。また、底部46における円孔44と脚部48との間には「モータ取付用孔」としての3個の取付孔52が形成されており、これらの取付孔52へはゴム製のグロメット54がそれぞれ嵌着されている。これに対応して、モータケース16の底壁部16Aには取付孔52に対して同軸上となる位置に雌ねじ付きの小孔56(図1及び図2参照)が形成されており、グロメット54の軸芯部へ挿入された「固定具」としてのスクリュー58が小孔56へ螺合されることにより、サブホルダ14がモータケース16の底壁部16Aに固定されている。なお、本実施形態では、グロメット54をゴム製としているが、これに限らず、樹脂製等でもよい。
【0031】
また、サブホルダ本体50の脚部48は底部46の曲率に合致する曲面形状とされており、底部46に対して面直角に延出されている。従って、脚部48は、サブホルダ本体50の径方向(モータ径方向)へ弾性変形可能とされている(図2参照)。さらに、サブホルダ本体50の各脚部48の幅方向中間部には、その上縁側から高さ方向中間部付近まで切れ込む所定幅の「被嵌入部」としてのスリット60が形成されている。
【0032】
このスリット60を利用して、ゴム等の弾性材料によって構成された緩衝部材62が脚部48の内側に取り付けられている。より具体的に説明すると、緩衝部材62は脚部48の内側面に沿うような曲面形状に形成されており、その背面側中央部には平面視でT字形に形成された係合突起64が一体に形成されている(図4参照)。係合突起64の首部64Aの幅方向寸法は、スリット60のスリット幅に略一致する寸法に設定されている。そして、この係合突起64の首部64Aをスリット60内へ嵌入させていくことにより、緩衝部材62が脚部48の内側に取り付けられている。緩衝部材62の取付後の状態では、係合突起64の頭部64Bが脚部48の外周面に係合しており、これにより緩衝部材62の脚部48からの抜止めとしての機能を果たしている(図5及び図6参照)。
【0033】
なお、緩衝部材62の厚さ並びに周方向に沿う寸法は、サブホルダ14が取り付けられた直流モータ10を後述するモータホルダ12へ組み付けた際に、緩衝部材62の弾性変形量(圧縮変形量)が適切になる程度(即ち、緩衝部材62がモータケース16の周壁部16Bに圧接された際の面圧が適切な面圧になる程度)の厚さに設定されている。
【0034】
また、緩衝部材62の肉厚方向の中間部には、周方向に沿って一対の空隙部66が並設されている。
【0035】
図1に示されるように、上述したサブホルダ14が予め組付けられた直流モータ10は、モータホルダ12に保持されている。図1及び図7に示されるように、モータホルダ12は、直流モータ10をサブホルダ14と共に収容して保持する有底円筒状の保持部68と、この保持部68の開放側の端部から半径方向外側へ向けて延出された延出部69と、この延出部69の周方向の所定位置に形成された複数の取付部70と、を主要部として構成されている。なお、モータホルダ12は、直流モータ10を保持部68に保持した状態で、取付部70を介して相手部材(具体的には、本実施形態では、ユニットケース)に取り付けるために用いられるものである。
【0036】
上述した保持部68の底壁部68Aの軸芯部には、モータケース16の膨出部20を貫通させるための貫通孔72が形成されている。さらに、底壁部68Aの貫通孔72の周囲における所定位置には、グロメット54の下端部を挿通させるための挿通孔74がそれぞれ形成されている。
【0037】
また、保持部68の周壁部68Bの所定位置(脚部48の形成位置に対応する120度間隔の三箇所)には、径方向外側へ膨出する凸部76が一体に形成されている(図3及び図8参照)。この凸部76の内周面の中央には、係合突起64の頭部64Bを挿通させるための溝77が形成されている。さらに、凸部76の内周面には、溝77を挟んで保持部68の軸線に沿って細長く形成された一対の突起78が形成されている。各突起78は、上端部が球面状に形成されており、更に下端部に向かうにつれて先細りになるように形成されている(図7参照)。
また、突起78の径方向内側への突出長さは、緩衝部材62の圧縮量との関係で所定長さに設定されている。
【0038】
次に、直流モータ10のモータホルダ12への組付手順について説明し、当該説明を通して本実施形態の作用並びに効果について説明する。
【0039】
まず、サブホルダ14をサブアッセンブリ化しておく。すなわち、サブホルダ14の各脚部48のスリット60内へ緩衝部材62の係合突起64を嵌入させて、緩衝部材62を脚部48の内側面に装着させる。また、サブホルダ14の底部46の取付孔52内へグロメット54を弾性変形させつつ嵌合させる。これにより、サブホルダ14がサブアッセンブリ化される。
【0040】
次に、サブアッセンブリ化されたサブホルダ14に直流モータ10を組付ける。より具体的に説明すると、図2に二点鎖線で示されるように、サブホルダ14の各脚部48を半径方向外側へ向けてそれぞれ弾性変形させる。次いで、この状態を維持しながら、直流モータ10をサブホルダ14内へ挿入していく。このとき、サブホルダ14の各脚部48は弾性変形された状態に維持されることから、緩衝部材62とモータケース16の周壁部16Bとが接触することはない。
【0041】
なお、挿入に際しては、モータケース16の膨出部20がサブホルダ14の円孔44内へ確実に嵌合されるように挿入され、又モータケース16の底壁部16Aに形成された小孔56がグロメット54に対して同軸上に位置されるように位置決めされる。
【0042】
直流モータ10のモータケース16への挿入及び位置決めが終了したら、各脚部48を弾性復帰させて図2の実線図示状態とする。この状態では、脚部48の弾性復元力によって、脚部48に装着された緩衝部材62がモータケース16の周壁部16Bに圧接される。その後、スクリュー58がグロメット54内へ挿入されて小孔56に螺合される。これにより、サブホルダ14はモータケース16に完全に固定される。なお、スクリュー58による固定は、モータホルダ12への組付後に行ってもよい。
【0043】
次に、図1に示されるように、サブホルダ14が取り付けられた直流モータ10がモータホルダ12に組付けられる。すなわち、直流モータ10をサブホルダ14ごとモータホルダ12の保持部68内へ圧入していく。このとき、保持部68の内周面に形成された複数の突起78によって脚部48が半径方向内側へ向けて押圧される。このため、緩衝部材62は空隙部66を潰しつつより圧縮変形され、直流モータ10の保持状態を安定化させる。
【0044】
上記の如くして、モータホルダ12の保持部68内へサブホルダ14を介して直流モータ10が組付けられた状態では、直流モータ10はサブホルダ14の複数の脚部48の緩衝部材62によって挟持され、この状態で、当該保持部68内にフローティング支持状態で保持される。その後、モータホルダ12は、相手部材(ユニットケース)に組付けられる。
【0045】
このように本実施形態では、モータホルダ12に緩衝部材62を直接装着させるのではなく、モータ径方向へ弾性変形可能な複数の脚部48を備えたサブホルダ14をモータホルダ12と直流モータ10との間に介在させ、このサブホルダ14の脚部48に緩衝部材62を装着させる構成としたので、脚部48の弾性を利用することにより、サブホルダ14の底部46にモータケース16の底壁部16Aが到るまで緩衝部材62とモータケース16の周壁部16Bとを非接触の状態に保つことができる。このため、直流モータ10の挿入動作によって緩衝部材62が脱落するおそれがなくなる。従って、すべての組付作業が終了した状態では、緩衝部材62はモータケース16の周壁部16Bに確実に圧接される。その結果、本実施形態によれば、緩衝部材62による直流モータ10の振動低減機能は充分に担保され、これにより異音の発生を極力低減することができる。
【0046】
また、本実施形態によれば、直流モータ10のサブホルダ14への挿入時には緩衝部材62はモータケース16の周壁部16Bに対して非接触の状態とされるので、緩衝部材62が脱落しないように慎重に直流モータ10をサブホルダ14へ挿入する必要がなくなる。さらに、サブホルダ14と直流モータ10とが一体化された状態では、サブホルダ14の脚部48とモータケース16の周壁部16Bとの間に緩衝部材62が介在されることになるため、その後にモータホルダ12の保持部68内へ直流モータ10及びサブホルダ14を挿入する際に緩衝部材62が脱落するおそれもない。その結果、本実施形態によれば、作業者は安心して組付作業を行うことができ、直流モータ10のモータホルダ12への組付性を向上させることができる。
【0047】
総じていえば、本実施形態によれば、直流モータ10の作動状態における異音の発生を極力低減することができ、しかも直流モータ10のモータホルダ12への組付性を向上させることができる。
【0048】
また、本実施形態によれば、サブホルダ14の各脚部48にはスリット60を形成して、このスリット60へ緩衝部材62の係合突起64を嵌入させることにより、当該緩衝部材62を当該脚部48に装着させる構成としたので、組付作業的には緩衝部材62の係合突起64のスリット60への嵌入作業だけでよいことになる。このため、緩衝部材62のサブホルダ14への組付性を向上させることができる。
【0049】
さらに、本実施形態によれば、同様の理由から、緩衝部材62をサブホルダ14に装着させるのに接着剤等を用いる必要がない。このため、接着剤を塗布する等の作業が不要になると共に、接着剤が硬化するまでの時間を待つ等の必要がない。従って、この点からも緩衝部材62のサブホルダ14への組付性を向上させることができ、又緩衝部材62のサブホルダ14への組付時間の短縮化を図ることができる。
【0050】
また、本実施形態によれば、緩衝部材62の肉厚方向の所定部位に空隙部66が設けられているため、緩衝部材62が圧縮された際に、この空隙部66が逃げ代としての役目を果たす。
【0051】
さらに、本実施形態によれば、モータホルダ12の保持部68の内周面に、サブホルダ14の脚部48の外周面に当接して当該脚部48をモータ径方向内側へ加圧する複数の突起78が形成されているため、サブホルダ14に直流モータ10を組み付けた後にこれをモータホルダ12の保持部68内へ圧入すると、複数の突起78がサブホルダ14の脚部48の外周面に当接して当該脚部48を径方向内側(即ち、緩衝部材62を圧縮する方向)へ加圧する。その結果、本実施形態によれば、モータホルダ12の保持部68内に直流モータ10を適正に保持することができる。
【0052】
また、本実施形態によれば、サブホルダ14の底部46に取付孔52が形成されており、当該サブホルダ14は取付孔52に装着されたグロメット54内へ挿通されたスクリュー58によってモータホルダ12の底壁部に固定される構成としたので、サブホルダ14の複数の脚部48の弾性による挟持力以外に、スクリュー58による固定力によってサブホルダ14を直流モータ10に確実に固定することができる。すなわち、スクリュー58を用いることによって、サブホルダ14と直流モータ10との固定状態を補完することができる。
【0053】
なお、本実施形態では、サブホルダ14の脚部48に上縁側から下縁側へ向かって切れ込むスリット60を形成し、このスリット60に緩衝部材62の係合突起64を嵌入させる構成を採ったが、これに限らず、脚部48に円孔等の孔を形成して当該孔に緩衝部材に設けた傘状等の係合突起を嵌入させるようにしてもよい。
【0054】
また、本実施形態では、サブホルダ14に120度間隔で3つの脚部48を形成したが、これに限らず、2つ又は4つ以上の脚部を設けてもよい。
【0055】
さらに、本実施形態では、小型の直流モータ10をモータホルダ12の保持部68に保持させる構成に対して本発明を適用したが、これに限らず、種々のモータに対して本発明は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るサブホルダを用いた直流モータのモータホルダへの保持構造を示す図3の1−1線に沿う縦断面図である。
【図2】直流モータをサブホルダへ組付ける際の要領を説明するための縦断面図である。
【図3】モータホルダにサブホルダを介して直流モータが保持された状態を示す平面図である。
【図4】サブホルダを単体で示す平面図である。
【図5】サブホルダの断面構造を示す図4の5−5線に沿う縦断面図である。
【図6】脚部に緩衝部材が装着された状態を脚部の外側から見て示す要部拡大図である。
【図7】図1に示されるサブホルダを一部断面にして単体で示す側面図である。
【図8】サブホルダの保持部の内周面に形成された突起を示す要部拡大平面図である。
【符号の説明】
10 直流モータ
12 モータホルダ
14 サブホルダ
16 モータケース
28 回転子
32 固定子
48 脚部
52 取付孔(モータ取付用孔)
58 スクリュー(固定具)
60 スリット(被嵌入部)
62 緩衝部材
66 空隙部
68 保持部
78 突起
Claims (5)
- 回転子及び固定子並びにこれらを収容するモータケースを含んで構成されたモータを、モータホルダの保持部内に保持するためのモータ保持構造であって、
軸芯部にモータケースの膨出部が嵌合される円孔が形成された円板状の底部と、この底部の周縁部からモータケースの周面に沿ってモータ軸線方向へ延出されかつモータ径方向へ弾性変形可能な複数の脚部と、各脚部の内側面にそれぞれ装着されてモータ取付後の状態ではモータケースの周面にそれぞれ圧接される複数の緩衝部材と、底部における円孔の周囲に形成された複数のモータ取付用孔内へ緩衝部材とは別個に弾性的にそれぞれ装着されてモータ取付後の状態ではモータケースの底部と接触して複数の緩衝部材と共にモータのフローティング支持に供される複数のグロメットと、を含んでサブホルダを構成し、
モータホルダの保持部内へサブホルダを介してモータが組付けられた状態では、モータはサブホルダの複数の脚部の緩衝部材によってモータ径方向内側へ挟持されると共に複数のグロメットがモータケースの底部に弾性的に接触し、この状態で複数の緩衝部材及び複数のグロメットによってモータがモータホルダの保持部内にフローティング支持状態で保持されている、
ことを特徴とするモータ保持構造。 - 前記モータケースの底部には前記モータ取付用孔に対して同軸上となる位置に小孔が形成されており、
前記サブホルダは当該グロメット内へ挿通された固定具が当該小孔へ螺合されることによりモータケースの底部に固定されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のモータ保持構造。 - 前記サブホルダの各脚部には所定形状の切欠又は孔として形成された被嵌入部が設けられており、
当該被嵌入部に前記緩衝部材が嵌入されることにより、当該緩衝部材が当該脚部に装着されている、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のモータ保持構造。 - 前記緩衝部材の肉厚方向の所定部位には、空隙部が設けられている、
ことを特徴とする請求項1及び請求項3のいずれかに記載のモータ保持構造。 - 前記モータホルダの保持部の内周面には、サブホルダの脚部の外周面に当接して当該脚部をモータ径方向内側へ加圧する複数の突起が形成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のモータ保持構造。
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1997
- 1997-12-12 JP JP34276497A patent/JP3696390B2/ja not_active Expired - Fee Related
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