JP3696273B2 - 染色されたパラ系芳香族ポリアミド繊維の製造方法 - Google Patents

染色されたパラ系芳香族ポリアミド繊維の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は染色されたパラ系芳香族ポリアミド繊維(以下、パラ系芳香族ポリアミド繊維をパラアラミド繊維と称することがある)及びその製造方法に関する。パラアラミド繊維はその高強度、高弾性率等の優れた機械的特性を利用してロープ、タイヤ、ベルト、防弾チョッキ等に使用されている。さらにその優れた耐熱性、耐化学薬品性を生かして耐熱防護衣料等にも使われている。
【0002】
【従来の技術】
従来パラアラミド繊維は、その高い比強度、比弾性率、優れた耐熱性等の特長を生かして、ロープ、タイヤ、ベルト、防弾チョッキ等の様々な分野で利用されている。しかしながらパラアラミド繊維は耐光性が悪く、太陽光に暴露されると変色あるいは劣化(強度低下)が起きるため、太陽光に暴露されるような用途には使用できないか使用するにしても他の材料で被覆する等の特別の配慮が必要であった。この欠点を改良するには繊維を着色して太陽光を遮ることが有効であるが、パラアラミド繊維は化学的に安定であるため染色性が悪く、濃色に洗濯堅牢度良く染色することは困難であった。そのため耐熱防護衣料、航空機用座席シートカバー等の種々の色に染色されたものが求められる用途に使用することが困難であった。
【0003】
従来パラアラミド繊維を染色する方法としては、いろいろなものが提案されている。例えば、特開平2−41414号公報には、紡糸ドープ中に染料を直接添加して染色する方法が提案されている。しかしこの方法では染料が繊維の内部まで入り込み充分な染色効果が得られるものの、紡糸設備が染料で汚染されるため小ロットで数多くの色調の染色糸を揃えることが実際上できず実用的ではない。また、特開昭62−206088号公報、特開昭62−206089号公報、特開昭62−223384号公報には、繊維をメタル化したりプラズマ処理したりして繊維表面を改質した後、特定の反応染料を用いて常法によりアラミド繊維を染色する方法が提案されている。しかしこれらの方法では、使用可能な染料が限定されるうえ、染色糸の洗濯堅牢度も必ずしも充分なものとは言えない。さらに特開昭63−152408号公報には、3.5以上の固有粘度を持つパラアラミド繊維を紡糸直後の水に膨潤し、かつ張力を緩和した状態で、染料溶液と接触させることにより、高強度と高い洗濯堅牢度及び耐光堅牢度を有する染色アラミド繊維を与える方法を提案している。しかしこの方法では高強度は達成できるものの、耐光堅牢度は3級以下のものしか得られない。一般的に屋外で着用する衣料に求められる耐光堅牢度が4級以上であることを考えると、この方法で得られる染色アラミド繊維も実用に供するにはかなりの制限が伴う。また、染色時間が5〜10分と長いため、連続生産するためには特別の設備が必要であることが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、耐熱性及び高い堅牢度の染色性を必要とする用途に、好適に用いることができるパラアラミド繊維の製造方法を提供するものである。具体的には、4級以上の洗濯堅牢度、及び4級以上の耐光堅牢度を有する染色されたパラアラミド繊維を得るための製造方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち上記の問題点を解決するための本発明は、次の発明からなる。
)固有粘度が2.5dl/g以下であるパラ系芳香族ポリアミドを4〜10重量%及びアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩化物を2〜10重量%含有する極性アミド溶液である重合体ドープを得る工程、該重合体ドープからパラ系芳香族ポリアミドを紡糸し水系凝固液中で凝固させる工程、得られた繊維を水で膨潤された状態で水系の染料または顏料の溶液または分散液と接触させ染色する工程、及び乾燥する工程を有し、得られた繊維の洗濯堅牢度が4級以上で、耐光堅牢度が4級以上であること特徴とする染色されたパラ系芳香族ポリアミド繊維の製造方法。
)重合体ドープが、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩化物を2〜10重量%溶解した極性アミド系溶媒中で、パラ系芳香族ポリアミド濃度が4〜10重量%になるように、パラ配向芳香族ジアミン1.00モルに対してパラ配向芳香族ジカルボン酸ハライドを0.94〜0.99モル添加して、温度−20〜50℃で重合して得られるものである上記項()記載の染色されたパラ系芳香族ポリアミド繊維の製造方法。
)各工程を連続して実施することを特徴とする上記項()または()記載の染色されたパラ系芳香族ポリアミド繊維の製造方法。
【0006】
以下、本発明について詳しく説明する。本発明においてパラ系芳香族ポリアミド(パラアラミド)とは、パラ配向芳香族ジアミンとパラ配向芳香族ジカルボン酸ハライドの縮重合により得られるものであり、アミド結合が芳香族環のパラ位又はそれに準じた配向位(例えば、4,4’−ビフェニレン、1,5−ナフタレン、2,6−ナフタレン等のような反対方向に同軸または平行に延びる配向位)で結合される繰り返し単位から実質的になるもので、例えば、ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)、ポリ(4,4’−ベンズアニリドテレフタルアミド)、ポリ(パラフェニレン−4,4’−ビフェニレンジカルボン酸アミド)、ポリ(パラフェニレン−2,6―ナフタレンジカルボン酸アミド)等のパラ配向型又はパラ配向型に近い構造を有する芳香族ポリアミドを具体的に挙げることができる。
【0007】
本発明においてパラ系芳香族ポリアミドの固有粘度は2.5dl/g以下である。この固有粘度範囲を選ぶことにより、後述するように、重合液をそのまま紡糸ドープとして紡糸することができ、より高い固有粘度のポリマーの場合のように腐食性の高い濃硫酸を紡糸溶媒として用いる必要がないので、工程が簡略化され経済性の面で優れている。また、固有粘度を2.5dl/g以下とするために化学量論よりも過剰の芳香族ジアミンを使用する結果、分子鎖末端は実質的にアミノ基となることが示唆される。したがって、アミノ基との親和性または反応性を有する染料の場合には、染料を繊維中に固定する効果も期待される。このようなパラ系芳香族ポリアミドの繊維を、水で膨潤された状態で染色することにより、洗濯堅牢度が4級以上で、耐光堅牢度が4級以上の染色されたアラミド繊維を得ることができる。
【0008】
本発明において、パラアラミドが水で膨潤された状態とは、パラアラミドが紡糸等により水系の凝固液中に凝固された状態をいい、見掛け上はパラアラミド繊維等に水が介在している状態をいう。特に、本発明の水で膨潤されたパラアラミド繊維は、水分量が70〜85重量%と高いので、染料を迅速に吸収することができると考えられる。濃硫酸を溶媒とするパラアラミドのドープの場合には、パラアラミドの濃度が約10重量%以下ではドープは等方性溶液となる。等方性溶液からの紡糸では、パラアラミドの特徴である高剛性、高強度の繊維は得られない。本発明のドープはパラアラミドの濃度が4〜10重量%で光学異方性を示す溶液となる。この結果、結晶性繊維の特徴を有し、かつ湿潤状態では水分量が高い湿潤繊維が得られた。
【0009】
本発明のパラアラミド繊維は、固有粘度が2.5dl/g以下であるパラアラミドを含む紡糸ドープから紡糸することにより製造される。具体的には、パラアラミドを4〜10重量%、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩化物を2〜10重量%含む極性アミド溶液である重合体ドープをそのまま紡糸ドープとして用い、湿式または乾湿式(エアーギャップ紡糸と通称されることがある)の方法で紡糸することにより、パラアラミド繊維が製造される。該組成の紡糸ドープは液晶状態を示し、高強度、高剛性のパラアラミド繊維を得ることができる。
【0010】
このとき、低重合度でパラアラミド分子の末端が実質的にアミノ基であると考えられるパラアラミドの重合体ドープは、例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩化物を2〜10重量%溶解した極性アミド系溶媒中で、パラアラミド濃度が4〜10重量%になるように、パラ配向芳香族ジアミン1.00モルに対してパラ配向芳香族ジカルボン酸ハライドを0.94〜0.99モル、好ましくは0.95〜0.98モル添加して、温度−20〜50℃で重合して製造される。
【0011】
水で膨潤された状態で染色する時のパラアラミド繊維の形状は、用途に応じて長繊維、ステープル、チョップド繊維、パルプ等から選ぶことができる。本発明においては、水に溶解または分散し得る殆ど全ての染料を使用することができる。例えば、アゾ系、フタロシアニン系及びジオキサン系等の直接染料、アゾ系及びアントラキノン系等の酸性染料、トリフェニルメタン系、アジン系、オキサジン系、チアジン系等の塩基性染料、ベンゼンアゾ系(モノアゾ、ジスアゾ等)、複素環アゾ系(チアゾールアゾ、ベンゾチアゾールアゾ、キノリンアゾ、イミダゾールアゾ、チオフェンアゾ等)、アントラキノン系、縮合系(キノフタリン、スチリル、マクリン等)等の分散染料等である。また、染色に顔料を用いることもできる。顔料としては、例えば、群青、酸化チタン、モリブデン赤等の無機顔料、アゾ系、フタロシアニン系等の有機顔料を挙げることができる。これらの水系の染料や顔料を用いて、水で膨潤された状態の固有粘度が2.5dl/g以下であるパラアラミド繊維を常法により染色することにより、目的の染色されたパラアラミド繊維を得ることができる。
【0012】
染色は染料および/または顔料(以下、染料等ということがある)を水中に溶解または分散させた染浴に水で膨潤されたパラアラミド繊維を浸漬させて行う。染色の条件は使用する染料等の種類に応じた、その染料等について一般的に推奨される条件を、そのまま用いることができる。この時、染浴のpHは繊維の強度低下をできるだけ少なくするため、5以上9以下の範囲で選ぶことが望ましい。また同時に、難燃剤、酸化防止剤、耐光性付与剤、柔軟剤等の薬剤を添加してさらに機能性を高めることもできる。染色処理後、水洗して繊維表面に付着した余分な染料等を洗い落とした後、乾燥して、目的の染色されたパラアラミド繊維を得る。
【0013】
本発明の染色では、染色時間が数十秒から数分で染色可能であり、かつ洗濯堅牢度と耐光堅牢度の高い染色されたパラアラミド繊維を得ることができる。このような短時間で染色できることは、高い生産性が実現できる点で工業的に優位である。具体的には、液状重合体ドープから紡糸して水系凝固液で凝固したパラアラミド繊維を充分に水洗して重合溶媒を除き、水で膨潤した状態のパラアラミド繊維を得る。次に、前述の染色液に所定の滞留時間浸漬し、余剰の染色液を水洗除去した後、乾燥して本発明の染色されたパラアラミド繊維を得ることができる。従来の技術では染色時間が長いため、染色液に滞留させるための特別な方法を用いるか、バッチ式の製造方法しか適用できなかった。本発明では染色時間が短いので、染色用の浴を設置するだけで紡糸から連続的に製造できる。すなわち、本発明の方法は、上記した重合から染色までの各工程を連続して実施するができるので、工業的に有利な染色されたパラ系芳香族ポリアミド繊維の製造方法である。
【0014】
本発明によれば、濃色で鮮明な染色と、4級以上という優れた洗濯堅牢度が実現できる。さらに紫外線を効果的に遮蔽するため4級以上という優れた耐光堅牢度が得られる。
【0015】
【実施例】
本発明について、以下に実施例によりさらに具体的に説明する。実施例及び比較例における試験、評価方法又は判定基準は、次に示す通りである。
1.固有粘度の測定法 96〜98%硫酸100mlにパラアラミド0.5gを溶解した溶液と96〜98%硫酸そのものについてそれぞれ毛細管粘度計により30℃にて流動時間を測定した。求められた流動時問の比から次式により固有粘度を求めた。
固有粘度=ln(T/T0 )/C〔単位:dl/g〕
ここで、TおよびT0 はそれぞれパラアラミド硫酸溶液及び硫酸の流動時間であり、Cはパラアラミド溶液の濃度(g/dl)を表す。
2.単繊維強度 JIS L 1015「化学繊維ステープル試験方法」に記載された方法に準じて以下の条件で測定した。
(1)繊度:バイブロスコープ法
(2)強度:ゲージ長さ10mm、クロスヘッド速度1mm/min
【0016】
3.染色性 SICOMUC20 型 分光光度計((株)住化分析センター)を用いて、400−700nmの波長の表面反射率を測定して、染色糸の色の濃さを測色した。
4.洗濯堅牢度 JIS L 0844「洗濯に対する染色堅牢度試験方法」の、A−2法に準じて行なった。
(1)約0.5gの試料を、5cm角の綿布とポリエステル(テトロン)布の間に挟んで2枚の布の周囲を縫合わせる。
(2)450mlの試料瓶に、5g/lの石鹸水溶液100mlとステンレス鋼球10個を入れ、これに1で調製した試料を入れる。
(3)試料瓶をSJK洗濯試験機にセットし、50℃で30分間震盪して洗濯試験を行なう。
(4)試料の退色、及び添付白布と洗浄液の汚染度を、JIS L 0801等の方法に準じて判定して洗濯堅牢度を決定する。さらに試験の前後の単繊維強度の測定を行って繊維の劣化の程度を判定する。
【0017】
5.耐光性試験 JIS L 0842「カーボンアーク灯光に対する染色堅牢度試験方法」に準じて以下の条件で耐光性試験を行なった。
(1)装置:紫外線カーボンアーク FA−3(スガ試験機(株)製)
(2)照射時間:20時間
(3)ブラックパネル温度:63℃
(4)試料の退変色を、JIS L 0801等の方法に準じて判定して耐光堅牢度を決定する。さらに試験の前後の単繊維強度の測定を行って繊維の劣化の程度を判定する。
【0018】
合成例1(パラアラミド短繊維の調製)
以下に述べる方法により、水で膨潤されたポリパラ(フェニレンテレフタルアミド)の短繊維を得た。
1.重合 攪拌翼、温度計、窒素流入管及び粉体添加口を有する500mlのセパラブルフラスコを使用して、ポリパラ(フェニレンテレフタルアミド)の重合を行なった。フラスコを十分乾燥してから、NMP300gに0.135モルの乾燥した塩化カルシウムを添加し、内温85℃で完全に溶解した。次に0.120モルのパラフェニレンジアミン(以下、PPDと略称することがある)を加え溶解し、内温が−6℃になるまで冷却した後、内温を5℃以下に保ちながら0.115モルのテレフタロイルクロリド(以下、TPCと略称することがある)を徐々に加えた。TPCの添加終了後、温度−6〜0℃にて2時間熟成し、安定な液状重合体ドープを得た。このポリパラ(フェニレンテレフタルアミド)の固有粘度を測定したところ1.8dl/gであった。
【0019】
2.紡糸 このようにして得られたパラアラミドの液状重合体ドープをNMPを20wt%含む水溶液を凝固液として紡糸した。紡糸ノズルとしては、その穴がコーン型の形状で先端は円柱状であり、該円柱状の穴部分のL/Dが1であり、その穴径が0.07mmのものを使用した。紡糸後充分に水洗し、繊維長約60mmに切断し水で膨潤されたパラアラミド短繊維を得た。この短繊維の一部分を採取して、120℃で2時間乾燥したところ固形分は約20wt%であった。この繊維の単繊維強度は8g/dであった。
【0020】
実施例1
合成例1で得られた水で膨潤されたパラアラミド繊維をその乾燥重量として2g分を採取して、下記の組成の染色浴中に浸漬し、カラーペット染色機(日本 Dyening Machine社製)にて130℃で1時間染色処理した。冷却後取出して水洗した後95℃で乾燥して赤色に染色されたパラアラミド繊維を得た。
(1)染料:アニオン系分散染料、Sumikaron Brilliant Red S-BLF(カラーインデックス Red 92 )
160mg(対繊維、8%)
(2)pH調整剤(酢酸/酢酸ソーダ):2.5ml(pH5.5)
(3)分散剤(スミポンTF):2.0ml
(4)水:250ml
得られた赤色に染色されたパラアラミド繊維の表面反射率は30%であり、非常に濃い赤色に染色されていることが分った。また、洗濯堅牢度は4〜5級であった。染色による強度の低下は35%であった。さらにこのもの耐光堅牢度は4級であり、耐光性試験による強度低下は認められなかった。
【0021】
実施例2
染色浴の組成を下記のようにした他は実施例1と同様にして合成例1で得られた水で膨潤されたパラアラミド繊維を染色した。
(1)染料:アニオン系分散染料、Sumikaron Brilliant Red S-BLF(カラーインデックス Red 92 )80mg(対繊維、4%)
(2)pH調整剤:無し(pH7.0)
(3)分散剤(スミポンTF):0.7ml
(4)水:250ml
得られた赤色に染色されたパラアラミド繊維の表面反射率は29%であり、非常に濃い赤色に染色されていることが分った。また、洗濯堅牢度は4級であった。染色による強度の低下は15%であった。
【0022】
実施例3
合成例1で得られた水で膨潤されたパラアラミド繊維をその乾燥重量として2g分を採取して、下記の組成の染色浴中に浸漬し、カラーペット染色機(日本 Dyening Machine社製)にて120℃で1時間染色処理した。冷却後取出して水洗した後95℃で乾燥して黒色に染色したパラアラミド繊維を得た。
(1)染料:カチオン染料、Estrol Black NSL280mg(対繊維、14%)
(2)pH調整剤(酢酸/酢酸ソーダ):2.0ml(pH5.5)
(3)水:250ml
得られた黒色に染色されたパラアラミド繊維の表面反射率は50%であり、非常に濃い黒色に染色されていることが分った。また、洗濯堅牢度は5級であった。染色による強度の低下は45%であった。さらにこのもの耐光堅牢度は4〜5級であり、耐光性試験による強度低下は認められなかった。
【0023】
比較例1
染色用の繊維として市販のパラアラミドステープル(単繊維強度18g/d、原料のパラアラミドの固有粘度は3.5以上であると推測される。)を使用する以外は実施例1と全く同様にして染色を行なった。染色されたパラアラミドステープルの表面反射率は15%であり、不十分な濃度にしか染色されていないことが分った。また洗濯堅牢度は2級であった。染色による強度の低下は15%であった。さらにこのもの耐光堅牢度は2級であり、耐光性試験によって繊維強度が15%低下していることが認められた。
【0024】
比較例2
比較例1と同様に、染色用の繊維として市販のパラアラミドステープルを使用する以外は実施例3と全く同様にして染色を行った。染色されたパラアラミドステープルの表面反射率は10%であり、不十分な濃度にしか染色されていないことが分った。また洗濯堅牢度は2級であった。染色による強度の低下は20%であった。さらにこのもの耐光堅牢度は2級であり、耐光性試験によって繊維強度が50%低下していることが認められた。
【0025】
比較例3
合成例1で得られたパラアラミド繊維、及び比較例1及び2で用いた市販のパラアラミドステープルの耐光性試験を比較のために行った。前者の耐光堅牢度は、1〜2級であり、耐光性試験による繊維強度の低下は15%であった。後者の耐光堅牢度は、3級であり、耐光性試験による繊維強度の低下は40%であった。
【0026】
比較例4
合成例1で得られた湿潤パラアラミド繊維をその乾燥重量として2g分を採取し、150℃のオーブン中で2時間乾燥した後、実施例1と全く同様にして染色を行った。得られた染色されたパラアラミド繊維の表面反射率は12%であり、不十分な濃度にしか染色されていないことが分った。また洗濯堅牢度は3級であった。染色による強度の低下は25%であった。さらにこのもの耐光堅牢度は2級であり、充分な耐光堅牢度を有していなかった。
【0027】
合成例2(パラアラミド繊維の調製)
以下に述べる方法により、水で膨潤されたポリパラ(フェニレンテレフタルアミド)の繊維を得た。
1.重合 攪拌翼、温度計、窒素流入管及び粉体添加口を有する100lのSUS製溶解槽に室温で91.96kgのNMPを仕込んだ。次に50torr以下まで減圧し、乾燥窒素でゲージ圧1kg/cm2 まで加圧した。この操作を2回繰り返した後、粉体添加口を開き、乾燥窒素を流しながら、塩化カルシウムを6kg添加した。次に85℃まで昇温し、2時間85℃に保持して塩化カルシウムを完全に溶解した。溶解後、室温まで冷却した。攪拌翼、温度計、窒素流入管及び粉体添加口を有する100lのGL製反応器に前述の塩化カルシウムのNMP溶液を9.2kg移送した。前述と同様な方法乾燥窒素で反応器内の気相部を置換し、PPDを2.857kg(26.42モル)添加し、溶解した。次に5.198kg(25.66モル)のTPCを13回に等分して1時間30分で添加した。この間重合温度を16〜23℃に制御した。最後のTPCを添加してから1時間熟成した後、3時間真空下で脱泡して紡糸用ドープを製造した。得られたポリパラ(フェニレンテレフタルアミド)の固有粘度は1.95dl/gであった。
【0028】
2.紡糸 穴径が0.05mmで4000ホールの紡糸ノズルを使用して、29m/分の紡糸速度で上記のドープを紡糸した。凝固液はNMP濃度が26重量%になるように制御した。紡糸後充分に水洗し、そのままプラスチック製の筒に巻き取った。得られた水で膨潤されたパラアラミド繊維の一部を取り乾燥した後、単繊維強度を測定したところ8.1g/dであった。
【0029】
実施例4
攪拌翼、温度計、冷却管及び繊維浸漬用の口を有する500mlフラスコに、実施例1と同じ染色液を調製した。このフラスコをオイルバスに入れ昇温した。合成例2で得られた水で膨潤されたパラアラミド繊維を約5cmに切り、60℃、80℃、90℃で20秒、40秒、60秒間浸漬した。次に、水洗し繊維束に含まれる染色液を除去してから乾燥した。得られた赤色に染色されたパラアラミド繊維の反射率を表1に示す。該繊維は濃い赤色に染色されており、90℃で20秒間の染色条件でも充分に染色されていた。
【0030】
【表1】
Figure 0003696273
【0031】
実施例5
Sumikaron Brilliant Red S-BLF の代わりに、Sumikaron Blue E-FBL を用いた以外は実施例4と同じ方法で青色に染色されたパラアラミド繊維を得た。該繊維の染色条件と反射率を表2に示す。この場合も、90℃で20秒間の染色条件で充分に染色された青色のパラアラミド繊維が得られた。
【0032】
【表2】
Figure 0003696273
【0033】
実施例6
実施例4と同じ方法で、長さ3mの水で膨潤されたパラアラミド繊維を束ねて染色液に90℃で2分間浸漬した。水洗により繊維間に介在する染色液を除去し、120℃で繊維束(4000本)当たり2kgの張力を負荷して2時間乾燥した。このようにして得られた赤色に染色されたパラアラミド繊維は単繊維強度が8.9g/dであった。また、洗濯堅牢度は4級以上であった。
【0034】
実施例7
実施例5と同じ方法で、長さ3mの水で膨潤されたパラアラミド繊維を束ねて染色液に90℃で2分間浸漬した。水洗により繊維間に介在する染色液を除去し、120℃で繊維束(4000本)当たり2kgの張力を負荷して2時間乾燥した。このようにして得られた青色に染色されたパラアラミド繊維は単繊維強度が8.6g/dであった。また、洗濯堅牢度は4級以上であった。
【0035】
得られた染色パラアラミド繊維は、耐熱防火服や航空機のシートカバー等の、耐熱性及び高い堅牢度の染色性を必要とする用途に好適に用いることができる。
【0036】
【発明の効果】
本発明により、洗濯堅牢度及び耐光堅牢度がいずれも4級以上と優れた耐久性を有する染色されたパラアラミド繊維を提供することができる。また、固有粘度が2.5dl/g以下である水で膨潤されたパラ系芳香族ポリアミド繊維は、極めて短時間で染色ができるので、重合から染色までの連続製造という工業的に優位な製法を可能とする。

Claims (3)

  1. 固有粘度が2.5dl/g以下であるパラ系芳香族ポリアミドを4〜10重量%及びアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩化物を2〜10重量%含有する極性アミド溶液である重合体ドープを得る工程、該重合体ドープからパラ系芳香族ポリアミドを紡糸し水系凝固液中で凝固させる工程、得られた繊維を水で膨潤された状態で水系の染料または顏料の溶液または分散液と接触させ染色する工程、及び乾燥する工程を有し、得られた繊維の洗濯堅牢度が4級以上で、耐光堅牢度が4級以上であること特徴とする染色されたパラ系芳香族ポリアミド繊維の製造方法。
  2. 重合体ドープが、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩化物を2〜10重量%溶解した極性アミド系溶媒中で、パラ系芳香族ポリアミド濃度が4〜10重量%になるように、パラ配向芳香族ジアミン1.00モルに対してパラ配向芳香族ジカルボン酸ハライドを0.94〜0.99モル添加して、温度−20〜50℃で重合して得られるものである請求項記載の染色されたパラ系芳香族ポリアミド繊維の製造方法。
  3. 各工程を連続して実施することを特徴とする請求項または記載の染色されたパラ系芳香族ポリアミド繊維の製造方法。
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