JPH08260362A - アラミド系繊維の染色方法 - Google Patents
アラミド系繊維の染色方法Info
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- JPH08260362A JPH08260362A JP7061071A JP6107195A JPH08260362A JP H08260362 A JPH08260362 A JP H08260362A JP 7061071 A JP7061071 A JP 7061071A JP 6107195 A JP6107195 A JP 6107195A JP H08260362 A JPH08260362 A JP H08260362A
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- dyeing
- dye
- fibers
- fiber
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Abstract
(57)【要約】
【構成】アラミド系繊維をモノアゾ系カチオン系染料と
芳香族エーテル系繊維膨潤剤の水分散液をpH5以下に
保ちつつ130℃以上で染色することを特徴とするアラ
ミド系繊維の染色方法。 【効果】再現性良く多様な色相においてアラミド繊維の
染着度を高めうる。
芳香族エーテル系繊維膨潤剤の水分散液をpH5以下に
保ちつつ130℃以上で染色することを特徴とするアラ
ミド系繊維の染色方法。 【効果】再現性良く多様な色相においてアラミド繊維の
染着度を高めうる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアラミド繊維の染色方法
に関するものである。
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アラミド繊維は高い比強度、比弾性率、
優れた耐熱性、耐難燃性、耐薬品性などを有し、産業資
材用として、ロープ、ネット、漁網あるいは防護作業衣
などに広く利用されている。
優れた耐熱性、耐難燃性、耐薬品性などを有し、産業資
材用として、ロープ、ネット、漁網あるいは防護作業衣
などに広く利用されている。
【0003】ところが、アラミド繊維は結晶性が高く、
分子間結合力が強固で緻密な分子構造を有しているた
め、他の汎用繊維に適用される染色技術により染色する
ことが困難であり、これの改善として次のような手段が
提案されている。
分子間結合力が強固で緻密な分子構造を有しているた
め、他の汎用繊維に適用される染色技術により染色する
ことが困難であり、これの改善として次のような手段が
提案されている。
【0004】特開昭63-256765 号公報には、真空減圧に
よる膨潤作用を利用して染色する方法が提案されてい
る。また、特開平1-111014号公報には、濃硫酸の紡糸溶
液中に染料または顔料を分散させる、いわゆる原着法が
提案されている。特開平2-41414 号公報には、染色促進
剤に接触させることにより、カチオン染色可能なアラミ
ド繊維を得る方法が提案されている。さらに、特開平5-
209372号公報には、3,4-オキシジフェニルテレフタルア
ミドを共重合したアラミド系繊維を分子量400以下の
分散染料の水分散液で160℃以上に加熱して染色する
方法が提案されている。
よる膨潤作用を利用して染色する方法が提案されてい
る。また、特開平1-111014号公報には、濃硫酸の紡糸溶
液中に染料または顔料を分散させる、いわゆる原着法が
提案されている。特開平2-41414 号公報には、染色促進
剤に接触させることにより、カチオン染色可能なアラミ
ド繊維を得る方法が提案されている。さらに、特開平5-
209372号公報には、3,4-オキシジフェニルテレフタルア
ミドを共重合したアラミド系繊維を分子量400以下の
分散染料の水分散液で160℃以上に加熱して染色する
方法が提案されている。
【0005】しかし、これらの提案のいずれも着色しう
る色相、染着度の範囲が限られ、また従来の染色設備が
使用できないなどの問題を有していた。
る色相、染着度の範囲が限られ、また従来の染色設備が
使用できないなどの問題を有していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は特殊な染色設
備を用いることなく、再現性良く多様な色相においてア
ラミド繊維の染着度を高めうる染色方法を提供すること
を課題とする。
備を用いることなく、再現性良く多様な色相においてア
ラミド繊維の染着度を高めうる染色方法を提供すること
を課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明の方法は次の構成を有する。すなわち、アラミド
系繊維をモノアゾ系カチオン系染料と芳香族エーテル系
繊維膨潤剤の水分散液をpH5以下に保ちつつ130℃
以上で染色することを特徴とするアラミド系繊維の染色
方法である。
本発明の方法は次の構成を有する。すなわち、アラミド
系繊維をモノアゾ系カチオン系染料と芳香族エーテル系
繊維膨潤剤の水分散液をpH5以下に保ちつつ130℃
以上で染色することを特徴とするアラミド系繊維の染色
方法である。
【0008】以下、さらに詳細に本発明の染色方法につ
いて説明する。
いて説明する。
【0009】本発明の染色方法において用いる繊維はア
ラミド系繊維である。パラ系アラミド繊維、メタ系アラ
ミド繊維やこれらを共重合成分によって変性した繊維を
含む。本発明は染色しにくいパラ系アラミド繊維に対し
て特に有効であり、好ましい。
ラミド系繊維である。パラ系アラミド繊維、メタ系アラ
ミド繊維やこれらを共重合成分によって変性した繊維を
含む。本発明は染色しにくいパラ系アラミド繊維に対し
て特に有効であり、好ましい。
【0010】また、アラミド系繊維100%使いのほ
か、他の合成繊維や天然繊維と混用したアラミド系繊維
も用いることができる。
か、他の合成繊維や天然繊維と混用したアラミド系繊維
も用いることができる。
【0011】本発明の染色方法においては染料として、
モノアゾ系カチオン系染料を用いるものである。これ以
外の染料では分子量が大きく、アラミド系繊維内部に入
り込ませて良好に染色することができない。
モノアゾ系カチオン系染料を用いるものである。これ以
外の染料では分子量が大きく、アラミド系繊維内部に入
り込ませて良好に染色することができない。
【0012】本発明の染色方法においては、繊維膨潤剤
(キャリアー)として芳香族エーテル系膨潤剤を用いる
ものである。これ以外の繊維膨潤剤では、染色条件にお
いて水溶性となり乳化破壊を有効に防止することができ
ない、各種堅牢度が低い、臭気や毒性がある、密閉高圧
染色条件で安全に使用することができないなどの問題が
ある。
(キャリアー)として芳香族エーテル系膨潤剤を用いる
ものである。これ以外の繊維膨潤剤では、染色条件にお
いて水溶性となり乳化破壊を有効に防止することができ
ない、各種堅牢度が低い、臭気や毒性がある、密閉高圧
染色条件で安全に使用することができないなどの問題が
ある。
【0013】本発明の染色方法においては、モノアゾ系
カチオン系染料と芳香族エーテル系繊維膨潤剤の水分散
液をpH5以下に調節して染色するものである。pH5
を越える場合には、カチオン染料の染着性が低下する、
染料の変褪色が大きいなどの問題がある。
カチオン系染料と芳香族エーテル系繊維膨潤剤の水分散
液をpH5以下に調節して染色するものである。pH5
を越える場合には、カチオン染料の染着性が低下する、
染料の変褪色が大きいなどの問題がある。
【0014】本発明の染色方法においては、染色温度を
130℃以上、好ましくは140℃以上とするものであ
る。染色温度が130℃未満では、結晶性の高いアラミ
ド系繊維の内部に染料分子を浸透させることができな
い。なお、染料の分解を有効に防止する観点から、染色
温度を210℃以下、さらには200℃以下とするのが
好ましい。
130℃以上、好ましくは140℃以上とするものであ
る。染色温度が130℃未満では、結晶性の高いアラミ
ド系繊維の内部に染料分子を浸透させることができな
い。なお、染料の分解を有効に防止する観点から、染色
温度を210℃以下、さらには200℃以下とするのが
好ましい。
【0015】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。
る。
【0016】(実施例1〜3)経糸に“ケブラー29”
(登録商標)の20/2番手紡績糸、緯糸に“ケブラー
29”(登録商標)の20/1番手紡績糸を用いて、経
糸密度49本/inch、緯糸密度47本/inchの平織物を
製織した。
(登録商標)の20/2番手紡績糸、緯糸に“ケブラー
29”(登録商標)の20/1番手紡績糸を用いて、経
糸密度49本/inch、緯糸密度47本/inchの平織物を
製織した。
【0017】次いで、この織物を常温で水洗し、次にノ
ニオン系界面活性剤“サンデットG−29”(登録商
標、三洋化成(株)製)0.5g/lを含む浴で80℃
に昇温して20分精練した後、130℃で熱処理した。
ニオン系界面活性剤“サンデットG−29”(登録商
標、三洋化成(株)製)0.5g/lを含む浴で80℃
に昇温して20分精練した後、130℃で熱処理した。
【0018】精練織物を、表1に示すモノアゾ系カチオ
ン染料3%owfと芳香族エーテル系膨潤剤20%ow
fを含み、さらにpH酢酸5%owfおよび酢酸ナトリ
ウム0.5%owsを含むpH4.5の染浴で常温から
3℃/分の昇温速度で145℃まで昇温し、同温度で6
0分間保持して染色した。染着性はいずれも良好であっ
た。
ン染料3%owfと芳香族エーテル系膨潤剤20%ow
fを含み、さらにpH酢酸5%owfおよび酢酸ナトリ
ウム0.5%owsを含むpH4.5の染浴で常温から
3℃/分の昇温速度で145℃まで昇温し、同温度で6
0分間保持して染色した。染着性はいずれも良好であっ
た。
【0019】
【表1】 (比較例1〜17)実施例1〜3で用いたと同じ精練織
物を用い、表2に示す染料3%owfと膨潤剤を含み、
さらにpH酢酸5%owfおよび酢酸ナトリウム0.5
%owsを含むpH7の染浴で常温から3℃/分の昇温
速度で145℃まで昇温し、同温度で60分間保持して
染色した。
物を用い、表2に示す染料3%owfと膨潤剤を含み、
さらにpH酢酸5%owfおよび酢酸ナトリウム0.5
%owsを含むpH7の染浴で常温から3℃/分の昇温
速度で145℃まで昇温し、同温度で60分間保持して
染色した。
【0020】ただし、比較例2の分散染料はアゾ系、比
較例3〜4の酸性染料はアントラキノン系、比較例6の
酸性染料はモノアゾ系、比較例7の酸性染料はアントラ
キノン系、比較例8の酸性染料はモノアゾ系、比較例10
の酸性染料はアゾ系、比較例11の直接染料はジアゾ系で
ある。
較例3〜4の酸性染料はアントラキノン系、比較例6の
酸性染料はモノアゾ系、比較例7の酸性染料はアントラ
キノン系、比較例8の酸性染料はモノアゾ系、比較例10
の酸性染料はアゾ系、比較例11の直接染料はジアゾ系で
ある。
【0021】染色後、比較例1〜2については次の組成
の洗浄液で80℃、20分間洗浄し、繊維表面に付着し
た染料を除去した。
の洗浄液で80℃、20分間洗浄し、繊維表面に付着し
た染料を除去した。
【0022】 水酸化ナトリウム(30%水溶液) 2g/l ハイドロサルファイト 2g/l “サンデットG−29”(非イオン系界面活性剤) 1g/l また、比較例13〜17については、“ラワコールPS
K”(特殊アニオン系界面活性剤)の2g/l 水溶液から
なる洗浄液で60℃、20分間洗浄し、繊維表面に付着
した染料を除去した。
K”(特殊アニオン系界面活性剤)の2g/l 水溶液から
なる洗浄液で60℃、20分間洗浄し、繊維表面に付着
した染料を除去した。
【0023】染着性は表2に示すとおり、汚染程度か着
色していない状態であった。
色していない状態であった。
【0024】
【表2】 (実施例4、比較例18〜20)染色温度を100℃,
110℃,120℃,130℃とした以外は実施例3と
全く同様にして染色した。結果を表3に示す。
110℃,120℃,130℃とした以外は実施例3と
全く同様にして染色した。結果を表3に示す。
【0025】
【表3】
【0026】
【発明の効果】本発明の方法により、特殊な染色設備を
用いることなく、再現性良く多様な色相においてアラミ
ド繊維の染着度を高めうる染色方法を提供できる。
用いることなく、再現性良く多様な色相においてアラミ
ド繊維の染着度を高めうる染色方法を提供できる。
Claims (2)
- 【請求項1】アラミド系繊維をモノアゾ系カチオン系染
料と芳香族エーテル系繊維膨潤剤の水分散液をpH5以
下に保ちつつ130℃以上で染色することを特徴とする
アラミド系繊維の染色方法。 - 【請求項2】アラミド系繊維がパラフェニレンテレフタ
ルアミド系繊維であることを特徴とする請求項1記載の
アラミド繊維の染色方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7061071A JPH08260362A (ja) | 1995-03-20 | 1995-03-20 | アラミド系繊維の染色方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7061071A JPH08260362A (ja) | 1995-03-20 | 1995-03-20 | アラミド系繊維の染色方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08260362A true JPH08260362A (ja) | 1996-10-08 |
Family
ID=13160548
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7061071A Pending JPH08260362A (ja) | 1995-03-20 | 1995-03-20 | アラミド系繊維の染色方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08260362A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004083838A (ja) * | 2002-07-05 | 2004-03-18 | Teijin Ltd | 全芳香族ポリアミドの染色方法およびその方法で染色した全芳香族ポリアミド |
KR100743079B1 (ko) * | 2006-08-28 | 2007-07-26 | 한국생산기술연구원 | 폴리아릴렌-1,3,4-옥사디아졸 섬유의 염색방법 |
JP2012036534A (ja) * | 2010-08-09 | 2012-02-23 | Kisen Kk | アラミド繊維の染色方法 |
JP2013036132A (ja) * | 2011-08-05 | 2013-02-21 | Nitto Boseki Co Ltd | アラミド繊維基材の染色方法 |
-
1995
- 1995-03-20 JP JP7061071A patent/JPH08260362A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004083838A (ja) * | 2002-07-05 | 2004-03-18 | Teijin Ltd | 全芳香族ポリアミドの染色方法およびその方法で染色した全芳香族ポリアミド |
KR100743079B1 (ko) * | 2006-08-28 | 2007-07-26 | 한국생산기술연구원 | 폴리아릴렌-1,3,4-옥사디아졸 섬유의 염색방법 |
JP2012036534A (ja) * | 2010-08-09 | 2012-02-23 | Kisen Kk | アラミド繊維の染色方法 |
JP2013036132A (ja) * | 2011-08-05 | 2013-02-21 | Nitto Boseki Co Ltd | アラミド繊維基材の染色方法 |
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