JP3696262B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、電子写真感光体に関するものである。詳しくは、耐オゾン性に優れ、安定性、耐久性に優れ、かつ、光による劣化が極めて少ない電子写真感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真感光体には、セレン、セレン−テルル合金、セレン化ヒ素、硫化カドミウムなどの無機系光導電物質が広く用いられてきた。
近年有機系の光導電物質を感光層に用いる研究が盛んになり、大量生産に適していることや安全性の高いものが出来る可能性を持つ事から、特に光を吸収して電荷キャリアーを発生する機能と、発生した電荷キャリアーを移動させる機能を分離した、電荷発生層および電荷輸送層からなる積層型の感光体が考案され研究の主流となっている。
【0003】
有機系の感光体はそれぞれ効率の高い電荷発生作用及び電荷輸送作用を有する有機化合物を組み合わせることにより高感度な感光体が得られ実用化に至っている。しかし電子写真感光体はシステムのなかで繰返し使用され、その中にあって常に一定の安定した電子写真特性を要求されるが、このような安定性、耐久性については、いまだ十分なものが得られていないのが現状である。即ち繰返し使用するに従い電位の低下、残留電位の上昇、感度の変化などが生じ、コピー品質の低下が起こり使用に耐えなくなってしまう。これらの劣化の原因について全てが判っている訳ではないが、いくつかの要因が考えられる。なかでもコロナ放電帯電器より放出されるオゾン、窒素酸化物などの酸化性のガスが感光層に著しいダメージを与えることがわかっている。これら酸化性のガスは感光層中の材料を化学変化させ種々の特性変化をもたらす。例えば帯電電位の低下、残留電位の上昇、表面抵抗の低下による解像力の低下などがみられ、その結果著しく画質を低下させ、感光体の寿命を短くしている。これにたいして、コロナ帯電器の周りのガスを効率よく排気、置換し、感光体への影響を避けようとする工夫がなされたり、感光層に酸化防止剤、安定剤を添加し劣化を防ぐ提案もされている。例えば特開昭62−105151号公報に示される分子内にトリアジン環及びヒンダードフェノール骨格を有する酸化防止剤の添加、特開昭63−18355号公報には特定のヒンダードアミンの添加が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電荷発生物質として特定のアゾ化合物を用いた場合、このような酸化防止剤等の添加によって感度や、残留電位などの電子写真特性を悪化させたり、感光体の耐光性を悪化させる等、実用上不十分な効果しか得られなかったのが現状である。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、電荷発生物質、電荷輸送物質を含有する有機感光体の耐オゾン性の改良について鋭意検討を行った結果、電荷発生物質として特定のアゾ化合物を用いた場合、特定のフェノール化合物を感光層に添加することによって、著しく耐オゾン性が向上しかつ電気特性の優れた光による劣化が極めて少ない感光体が得られる事を見い出し、本発明を完成させるに至った。
【0006】
即ち、本発明の要旨は導電性支持体上に、下記一般式(I)で表される電荷発生物質および電荷輸送物質を含有する感光層を有する電子写真感光体において、該感光層が更に下記一般式(II)で表されるフェノール化合物を含有することを特徴とする電子写真感光体に存する。
【0007】
【化4】
A−N=N−D−N=N−B (I)
{一般式(I)中、A,Bは、フェノール性水酸基を有するカップラーを表し、A,Bの少なくとも一方は、下記一般式(III)で表され、A,Bは同一であっても異なってもよい。
【0008】
【化5】
Figure 0003696262
【0009】
(一般式(III)中、Qは置換基を有してもよい芳香族炭化水素の二価の基または置換基を有してもよい複素環の二価の基を表す)
Dは、アゾ基が結合している炭素原子が二重結合を形成するSP2 型の炭素原子である二価の基を表す。}
【0010】
【化6】
Figure 0003696262
【0011】
(一般式(II)中、R1 ,R2 ,及びR3 は、それぞれ、水素原子、アルキル基、アラルキル基または、アリール基を表し、アルキル基、アラルキル基、アリール基は置換基を有してもよく、R1 とR2 が同時に水素原子であるものを除く。
Xは合計炭素数3以上の有機残基を表す。
【0012】
1 ,R2 ,R3 及びXは他のフェノール化合物と結合し、多量体を形成してもよい。)
本発明のフェノール化合物を添加した場合には、光による劣化が極めて少ない。光による感光体の劣化機構について、詳細は不明であるが、後述の実施例、比較例より明らかなように、フェノール化合物を全く添加しない場合には起こらないことから、電荷発生物質、電荷輸送物質などが吸収した光によるフェノール化合物が関与した、化学的もしくは物理的な変化が感光体の特性低下の原因であると考えられる。また、これは、特定のアゾ化合物を電荷発生物質として用いた場合にのみ起こる現象である。
【0013】
本発明において用いるフェノール化合物は公知のフェノール化合物である2,6−ジターシャリヒドロキシトルエン(一般式(I)において、R1 =R2 =t−C4 9 ,R3 =H,X=CH3 )に比べて、水酸基のパラ位の立体障害が大きい。このことから、光による何らかの変化が、この立体障害により妨げられているものと考えられる。
【0014】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の感光層は少なくとも電荷発生物質、電荷輸送物質を含有する。さらに具体的な構成として
・導電性支持体上に電荷発生物質を主成分とする電荷発生層、電荷輸送物質およびバインダー樹脂を主成分とした電荷輸送層をこの順に積層した積層感光体。
・導電性支持体上に電荷輸送物質及びバインダー樹脂を主成分とする電荷輸送層、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層をこの順に積層した逆二層感光体。
・導電性支持体上に電荷輸送物質及びバインダー樹脂を含有する層中に電荷発生物質を分散させた、分散型感光体。
のような構成が基本的な形の例として挙げられる。
【0015】
これらの感光層はロールコーティング、バーコーティング、ディップコーティング、スプレイコーティング等公知の方法によって導電性支持体上に形成される。必要に応じて導電性基体と感光層のあいだにはポリアミド、ポリウレタン、酸化アルミニウムなどのバリアー層が設けられていてもよい。また感光層表面に必要に応じてポリアミド、熱硬化性シリコーン樹脂、架橋アクリル樹脂等よりなる保護層を設けていてもよい。
【0016】
導電性支持体としては種々公知のものが使用できる。例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレススチール等の金属ドラム;金属箔をラミネートしたり、金属、導線性酸化物などを蒸着あるいはスパッターした、あるいは金属粉末、カーボンブラック、ヨウ化銅、酸化スズなどの導電性物質を必要に応じてバインダー樹脂とともに塗布するなどの導電化処理をほどこしたプラスチックフィルム、プラスチックドラム、ガラスドラム、紙などが挙げられる。
【0017】
本発明に使用される電荷発生物質は下記一般式(I)で示されるビスアゾ化合物である。
【0018】
【化7】
A−N=N−D−N=N−B (I)
(一般式(I)中、A,Bは、フェノール性水酸基を有するカップラーを表し、A,Bの少なくとも一方は、下記一般式(III)で表される。A,Bは同一であっても異なってもよい。
【0019】
【化8】
Figure 0003696262
【0020】
(一般式(III)中、Qは置換基を有してもよい芳香族炭化水素の二価の基または置換基を有してもよい複素環の二価の基を表す)
Dはアゾ基が結合している炭素原子が二重結合を形成するSP2 型の炭素原子である二価の基を表す。)
【0021】
一般式(III)におけるDは、アゾ基が結合している炭素原子が二重結合を形成するSP2 型の炭素原子である2価の基であり、具体的には、芳香族炭化水素環の2価の基、芳香族複素環の2価の基、これらが直接結合するかもしくは縮合して縮合環を形成した2価の基又は結合基と芳香族炭化水素環、脂肪族炭化水素環、複素環などとの組合せにより得られる2価の基が挙げられる。代表的な例として、芳香族炭化水素環の2価の基としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ピレン、フルオレノン、アントラキノン、フェナントレン、ビフェニレン、トリフェニレン、ペリレンなどから導かれた2価の基が挙げられ、芳香族複素環の2価の基としては、N−エチルカルバゾール、アクリジン、キサントン、フェナジン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾフランなどから導かれる2価の基が挙げられる。
結合基と芳香族炭化水素環、脂肪族炭化水素環、複素環などとの組合せにより得られる2価の基における代表的な結合基の例としては、
【0022】
【化9】
Figure 0003696262
などがある。
【0023】
電荷発生物質は積層構造の場合には電荷発生層を構成する主成分として使用され、例えば蒸着、スパッターの様な方法で成膜した均一な層として用いられてもよく、また微粒子の形でバインダー樹脂に分散された形で用いられてもよい。この場合バインダー樹脂としてはポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、メタクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール等のポリビニルアセタール樹脂、フェノキシ樹脂、セルロースエステル、セルロースエーテル、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂など各種バインダー樹脂が使用できる。電荷発生物質とバインダー樹脂との組成比は通常重量比で100対10ないし5対100の範囲が好ましく、またこの層には電荷輸送物質が混合されていてもよい。電荷発生層の膜厚は通常0.1〜10μmで使用されることが好ましい。また前記のような分散型の感光層構成の場合には電荷発生物質は微粒子の形で電荷輸送物質及びバインダー樹脂を有するマトリックス中に分散される。
【0024】
本発明に使用される電荷輸送物質としては電子写真感光体に用いられる種々の公知のものがあげられる。カルバゾール、インドール、イミダゾール、チアゾール、オキサジアゾール、ピラゾール、ピラゾリン等の複素環を有する化合物;フェニルアミン、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン等のアニリン誘導体;ヒドラゾン誘導体;スチルベン誘導体;あるいはこれらの化合物からなる基を主鎖あるいは側鎖に有する重合体等の電子供与物質があげられる。
【0025】
特に好ましい物質として、ヒドラゾン誘導体、アニリン誘導体、スチルベン誘導体が挙げられる。
電荷輸送物質とともに使用されるバインダー樹脂としては種々の公知の樹脂が使用できる。ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、アクリル樹脂、メタクリレート樹脂、スチレン樹脂、シリコーン樹脂などの熱可塑性樹脂や硬化性の樹脂が使用できる。とくに摩耗、傷の発生の少ないポリカーボネート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。ポリカーボネート樹脂のビスフェノール成分としてはビスフェノールA、ビスフェノールC、ビスフェノールZ等の公知の種々の成分が使用出来る。
【0026】
電荷輸送物質とバインダー樹脂の配合比率は、樹脂100重量部に対して例えば20〜200重量部、好ましくは40〜150重量部の範囲で配合される。積層感光体の場合電荷輸送層として上記の成分を主成分として形成されるが電荷輸送層の膜厚としては通常5〜50μm、好ましくは10〜40μmで使用される。
【0027】
分散型の感光体の場合、上記のような配合比の電荷輸送物質及びバインダー樹脂を主成分とするマトリックス中に電荷発生物質が微粒子で分散されるがその粒子径は十分小さいことが必要であり、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.5μm以下で使用される。感光層内に分散される電荷発生物質の量は少なすぎると十分な感度が得られず、多すぎると帯電性の低下、感度の低下などの弊害があり、例えば、好ましくは0.5〜50重量%の範囲で、より好ましくは1〜20重量%の範囲で使用される。感光層の膜厚は通常5〜50μm、より好ましくは10〜40μmで使用される。
本発明に使用されるフェノール化合物は前述した通り、下記一般式(II)で表される化合物である。
【0028】
【化10】
Figure 0003696262
【0029】
一般式(II)において、R1 ,R2 およびR3 はそれぞれ、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ターシャリブチル基などのアルキル基、ベンジル基などのアラルキル基、フェニル基などのアリール基を表し、アルキル基、アラルキル基、アリール基は置換基を有してもよい。R1 ,R2 の両方が水素原子であるものを除く。R1 ,R2 ,R3 は、それぞれメチル基、イソプロピル基またはターシャリブチル基であることが好ましく、R1 ,R2 の少なくとも1つがターシャリブチル基などの分岐状アルキル基であることが特に好ましい。
【0030】
Xは、C,H,NおよびOからなる群より選ばれる元素より構成される合計炭素数3以上の有機残基より選ばれ、ターシャリブチル基などの分岐状アルキル基、ベンジル基などのアラルキル基、
【0031】
【化11】
Figure 0003696262
(Yは有機残基)などのようにエステル結合を介して他の有機残基と結合したアルキル基が好ましい。
【0032】
1 ,R2 ,R3 およびXは他のフェノール化合物と結合して、多量体を形成してもよい。
このような一般式(II)で表される化合物の具体的な例を以下に示す。
【0033】
【化12】
Figure 0003696262
【0034】
【化13】
Figure 0003696262
【0035】
【化14】
Figure 0003696262
尚、上記にてBuはC4 9 を表す。
【0036】
これらフェノール化合物は感光層の全層もしくは一部の層に添加される。表面より劣化が進行する事から、少なくとも表面層には添加されている事が好ましい。また保護層やブロッキング層を有する場合にはこれらの層にも必要に応じて添加される。フェノール化合物の添加量はその層内に重量比で通常0.1〜20重量%、より好ましくは1〜16重量%添加される。
【0037】
更に本発明の感光層には成膜性、可とう性、機械的強度等を向上させるための公知の可塑剤、残留電位の蓄積を抑制するための添加剤、分散安定性向上のための分散補助剤、塗布性を改善するためのレベリング剤、例えばシリコーンオイル、その他の添加剤が添加されていてもよい。
【0038】
【発明の効果】
本発明の電子写真感光体は優れた電子写真特性を有し、システムから発生するオゾン、窒素酸化物の影響を受けにくく、繰返し使用しても安定した特性および画質を有しかつ、高い耐光性を有した感光体である利点を有する。
本発明の感光体は電子写真式複写機のほか、各種プリンターなど、電子写真の広い応用分野に用いる事が出来る。
【0039】
【実施例】
次に本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例によって限定されるものではない。
なお、実施例中に「部」とあるのは、重量部を表す。
【0040】
実施例1
電荷発生物質として下記構造を有するビスアゾ化合物1部を用い、これにジメトキシエタン20部に加え、サンドグラインダーで分散処理をした後、
【0041】
【化15】
Figure 0003696262
【0042】
ポリビニルアセタール樹脂(電気化学工業(株)製、商品名 電化ブチラール#6000C)0.5部をジメトキシエタン10部に溶解した溶液に加え分散液を得た。この液をアルミニウムを蒸着した75μmの厚みのポリエステルフィルム上に乾燥後で0.4g/m2 の塗布量となるよう塗布し、電荷発生層を形成した。
この電荷発生層上に電荷輸送物質として下記構造を有するヒドラゾン化合物110部、
【0043】
【化16】
Figure 0003696262
【0044】
下記の繰返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:約22000)100部、
【0045】
【化17】
Figure 0003696262
【0046】
および、例示フェノール化合物(4)8部をテトラヒドロフラン500部に溶解した溶液を乾燥後の膜厚が28μmとなるように塗布した。これを暗所、125℃で20分間加熱乾燥し、さらに暗所において室温まで放冷し、電荷輸送層を形成し、サンプル1aを作成した。
【0047】
このサンプル1aの電子写真特性として、初期帯電圧、5luxの白色光により表面電位を500Vから250Vにまで減衰させるのに必要な半減露光量を測定した結果を表1に示す。
次にこの感光体の耐オゾン性を調べるため、コロナ放電雰囲気下にサンプルを放置した。箱の中にコロナ帯電器を置き−7kVの電圧を引加し、箱にもうけたファンによって空気を循環させ均一な雰囲気を作った。この時のオゾン濃度は200ppmであった。この雰囲気に5時間さらした後19時間大気下で保存し、さらにオゾン暴露、放置、オゾン暴露を行い計15時間保存し、オゾン暴露をした後のこれらの感光体の特性も表1に示す。
【0048】
さらにこの感光体の耐光性を調べるため、25℃および100℃の各温度で440luxの蛍光灯の光を20分間照射し、照射後の半減露光量を測定した。
また、比較のため暗所で、100℃、20分間放置したサンプルの半減露光量も測定した。
これらの結果を表2に示す。
【0049】
比較例1
例示フェノール化合物(4)を添加しないこと以外はサンプル1と同様にして比較サンプル1aを作成した。
また、例示フェノール化合物(4)のかわりに下記のフェノール化合物(i)を8部添加した以外はサンプル1と同様にして比較サンプル1bを作成した。
これらのサンプルの電子写真特性、耐オゾン性を表1に、耐光性を表2に示す。
【0050】
【化18】
Figure 0003696262
【0051】
表1よりフェノール化合物を添加しない比較サンプル(1a)では、オゾン暴露により帯電圧の低下が起こることがわかる。
また、表1,2より、公知のフェノール化合物を添加した比較サンプル1bでは、耐オゾン性は良好なものの、光により、感度の悪化が起こり、これは高温時の光照射の場合に、顕著である。
【0052】
以上より、本発明の感光体が優れた、電子写真特性、耐オゾン性、耐光性を有することがわかる。
【0053】
【表1】
Figure 0003696262
【0054】
【表2】
Figure 0003696262
【0055】
【数1】
Figure 0003696262
【0056】
実施例2
例示フェノール化合物(4)のかわりに例示フェノール化合物(1),(5),(6),(9),(10),(12),(14)を添加した以外は、サンプル1aと全く同様にして、サンプル1b−1hを作成した。
【0057】
比較例2
例示フェノール化合物(4)を添加しないこと以外は、サンプル1aと全く同様にして比較サンプル1aを作成した。
また、例示フェノール化合物(4)のかわりに下記のフェノール化合物(ii)−(iv)をそれぞれ8部添加した以外は、サンプル1aと全く同様にして、比較サンプル1c〜1eを作成した。
【0058】
【化19】
Figure 0003696262
【0059】
これらのサンプルの初期特性、耐オゾン性試験、耐光試験(100℃で440lux照射後の感度)の結果を表3に示す。表3より、本発明の感光体は、いずれも優れた耐オゾン性と共に、光照射後の感度が優れていることから極めて優れた耐光性を有することがわかる。
【0060】
【表3】
Figure 0003696262
【0061】
実施例3
サンプル1aにおいて、電荷輸送物質として下記構造(X)または(Y)を有する化合物を110部用いた以外はサンプル1aと同様にしてサンプル2a,2bを作成した。
【0062】
【化20】
Figure 0003696262
【0063】
比較例3
例示フェノール化合物(4)を添加しないこと以外はサンプル2a,2bと同様にして、比較サンプル2a,2bを作成した。
また、例示フェノール化合物(4)のかわりに比較例1で用いたフェノール化合物(i)を8部添加したこと以外は、サンプル2a,2bと同様にして、比較サンプル2c,2dを作成した。
【0064】
これらのサンプルの初期特性、耐オゾン試験100℃での耐光試験の結果を表4に示す。
表4より本発明の感光体はいずれの電荷輸送物質の場合も、優れた耐オゾン性と共に、極めて優れた耐光性を有することがわかる。
【0065】
【表4】
Figure 0003696262
【0066】
実施例4
電荷発生物質として、下記構造を有するビスアゾ化合物を1部用いた以外はサンプル1aと全く同様にしてサンプル3を作成した。
【0067】
【化21】
Figure 0003696262
【0068】
比較例4
例示フェノール化合物(4)を添加しないこと以外はサンプル3と同様にして比較サンプル3aを作成した。
また、例示フェノール化合物(4)のかわりに比較例1で用いたフェノール化合物(i)を8部添加したこと以外はサンプル3と同様にして、比較サンプル3bを作成した。
【0069】
これらのサンプルの初期特性、耐オゾン試験、100℃での耐光試験の結果を表5に示す。
表5より、本発明の感光体は、優れた耐オゾン性と共に、極めて優れた耐光性を有することがわかる。
【0070】
【表5】
Figure 0003696262
【0071】
参考例5
電荷発生材料として、チタニウムオキシフタロシアニンを1部用いた以外は比較サンプル2a,2bと同様にして比較サンプル4a,4bを作成した。
このサンプルの電子写真特性として、初期帯電圧、1μW/cmの780uw単色光を照射した場合の500Vから250Vに減衰させるのに必要な半減露光量を表5に示す。
【0072】
また実施例1と同様にして、評価した、耐オゾン性、耐光性の結果も表6に示す。
表6より明らかなように、電荷発生材料としてフタロシアニン類を用いた場合には、フェノール化合物の添加の有無にかかわらず、光照射により感度低下が起きない。
【0073】
【表6】
Figure 0003696262
【0074】
参考例6
電荷発生材料として下記(Z),(W)を1部用いた以外は、比較サンプル1aと同様にして、比較サンプル5a,5cを作成した。
【0075】
【化22】
Figure 0003696262
【0076】
また、比較例1で用いたフェノール化合物(i)を8部添加した以外は、比較サンプル5a,5cと同様にして、比較サンプル5b,5dを作成した。
これらのサンプルについて、実施例1と同様にして評価した結果を表7に示す。
【0077】
表7より明らかなように、電荷発生材料として本発明のアゾ化合物以外のアゾ化合物を用いた場合には、フェノール化合物の添加の有無にかかわらず、光照射による感度低下が起きない。
【0078】
【表7】
Figure 0003696262

Claims (1)

  1. 導電性支持体上に、下記一般式(I)で表される電荷発生物質、および、電荷輸送物質を含有する感光層を有する電子写真感光体において、該感光層が、更に下記一般式(II)で表されるフェノール化合物を含有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0003696262
    {一般式(I)中、A、Bは、フェノール性水酸基を有するカップラーを表し、A、Bは共に、下記一般式(III)で表され、かつ、同一である
    Figure 0003696262
    (一般式(III)中、Qは置換基を有してもよい芳香族炭化水素の二価の基または置換基を有してもよい複素環の二価の基を表す。)}
    Figure 0003696262
    (式中、R1 、R2 、及びR3 は、それぞれ、水素原子、アルキル基、アラルキル基またはアリール基を表し、アルキル基、アラルキル基、アリール基は置換基を有してもよく、ただし、R1 とR2 が同時に水素原子であることはない。
    Xは合計炭素数3以上の有機残基を表す。
    1 、R2 、R3 及びXは、他のフェノール化合物と結合し、多量体を形成してもよい。)
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