JP3696145B2 - 温度依存型定電流発生回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は定電流発生回路に係わり、特に光伝送装置や光データリンクなど、半導体レーザーを光源とする光出力装置の発光特性を一定に保つフィードフォワード帰還型安定化レーザー駆動回路に適した温度依存型定電流発生回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光通信や光データリンクが急速に普及してきている。これらの用途に使われている光伝送装置では、半導体レーザー(LD)を直接強度変調して光信号を発生させ、その光信号を光ファイバーなどの伝送媒体を経由させ、あるいは自由空間を伝播させて伝送する構成が一般的となっている。特に、各家庭での光通信利用を目論むFTTH(Fiber To The Home)など光加入者系を始めとして、ギガビット・イーサネットやlEEE1394 、 ' 光配線などの光データリンクに使用される送信モジュールにおいては、直接強度変調をする方法として、光信号オフ状態では、LDをレーザー発振閾値以下の直流バイアス電流に保ち、一方オン時には、完全なレーザー発振状態が得られ、かつ、必要な出力強度が得られるだけの振幅のパルス電流を印加して、光信号のオン・オフ強度比を出来るだけ大きくする駆動方式が採られている。
【0003】
ここで、伝送すべき信号が比較的低周波の場合には、オフ状態のバイアス電流値が完全に零となる零バイアス駆動が用いられている。しかし、オン・オフ変調周波数が高くなると、単純に零バイアス駆動を適用することは以下の理由から難しくなる。使用するLDによって決まるキャリア寿命をτとして、LDの電流閾値がIth、LDオフ動作時でも定常的に印加する直流バイアス電流をIb、LDオン動作時の駆動パルス電流振幅をIpとした時、電流注入からLDのレーザー発振に到る遅延時間Tdは、
Td=τ×In(Ip/(Ip+Ib−Ith)) (1)
で与えられることが知られている。一般にτはナノ秒オーダーのため、100Mb/s以上の信号伝送速度を要求される場合には、上式中の対数項の採る値を0.1以下の出来るだけ小さい値とすることが重要となる。完全な零バイアス条件であるIb=0を満たすようにしながら対数項の値0.1以下を実現するには、比Ip/Ithを0.1以下、即ち、Ipの値をlthに比べ10倍よりずっと大きくする必要がある。換言すれば、パルス駆動電流振幅は必要なレーザー強度振幅を得る値よりも大きく設定せざるを得なくなり、LD駆動回路の電流駆動能力を必要な伝送光信号強度を得るのに最低限求められる値以上に強力にする必要があると同時に、結果として消費電力が大きくなる問題があった。
【0004】
一方、閾値Ithより僅かに小さい直流バイアスIbを常に印加しておく擬似零バイアス駆動方式では、Ip自身はそれ程大きくしなくても比Ip/(Ith−Ib)を容易に10以上に大きくできるため、ずっと有利となる。即ち、擬似零バイアス駆動方式を使えば、遅延時間を小さくして高周波動作を確保し、同時に大きな消光比を確保すること、低消費電力化が同時に実現可能である。
【0005】
しかし、この擬似零バイアス駆動方式でもIbの制御が難しい問題が残る。なぜなら、任意の温度Tにおける電流閾値Ithは、使用するLDに固有の特性温度T0を用いて、基準温度T=Tsにおける閾値をIsとした時、
Ith=Is×exp((T−Ts)/T0) (2)
なる近似式で表されることが知られおり、温度変化に対し非線形的に大きな変化をする特性を持つためである。例えば、lnP系のLDではT0の値が数10〜100であるため、100度の温度変化に対し数倍から10倍近い閾値変化を示す。また、室温から70℃程度の範囲では、比較的温度依存性の小さい特性を持つと言われているGaAs系のLDの場合でも、一40℃から100℃の温度変化範囲で(2)式より近似精度を高めるためには、右辺に定数項Icを付加することによって可能である。その修正した結果のT0の値は、lnP系の素子と同じような値を示すことが知られている。これらを勘案して擬似零バイアスを実現するIbの値をIthに追随させ、かつ、その差をほぼ一定に保つためには、直流バイアス発生回路自身が、Ithと同様の大きな温度依存性を持つことが必須となる。
【0006】
図8に示される本出願人が出願した特開平11-103108が開示さる以前の従来の技術では、閾値電流Ithの温度変動に正しく追随でき、かつ簡易であって、しかも種々の異なる特性を持つLDに対して適用できるようなバイアス電流発生回路は実現されていない。例えば、従来のLDの閾値バイアス電流の補償方式としては、直流のバイアス電流の微分値を調べ、閾値電流の近傍でその変曲点を探してその点に固定する方式や、実際のLDの発光強度をモニターして直流バイアスにフィードバックする方式名等が知られているが、これらは何れも大掛かりな検出・帰還回路を必要とするために、光データリンク用LD駆動回路のようにコンパクトなワンチップlC化が不可欠な用途には、その適用が不可能に近かった。
【0007】
一方、LDは閾値Ithばかりでなく発光強度も温度特性を持ち、特性温度T0´を定数として温度と共に減少する指数関数で表わされることが知られている。T0´の値はT0に比べて大きくて一般に数100であるため、閾値ほどの大きな変化は生じないが、発光強度の温度補償が必要な場合も多い。従来、光通信では、光伝送信号の大きさを一定に保って信号品質の劣化を抑えるため、レーザーの発光強度を一定に保つAPC(Automatic Power Control)回路が使用されてきた。アクティブな帰還による厳密な制御を狙い、LD出力の一部をPDでモニターしてフィードバックする大掛かりなAPC回路が普通に使われている。
【0008】
また、最近では、LDの性能向上によリ物理特性の均一性と安定性が良くなってきたため、LDの温度特性はほぼ一定と見なしてフィードフォワード型の安定化回路が使われるように成ってきている。即ち、簡便にLDの発光強度を温度補償する方法として、パッシブにフィードフォワード帰還を懸ける制御方式による安定化の採用である。
【0009】
このようなフィードフォワード型APC回路におけるLD発光強度の温度補償方式として、特開平3-21493.5や特開平8-139410に例示されるように、予めLDの特性を把握しておき、(1)IC内のダイオードの温度依存性を使って荒い近似を行う方式、(2)サーミスタを選別して比較的近似精度を上げる方式、(3)何種類かの抵抗を切換えて折れ線で近似する方式、(4)LDの特性をメモリーに記憶しておきD/A変換器を用いて厳密に調節する方式、などが考案されている。また、特開平7-76287に開示されているように、バンドギャップ基準電源を変形した電圧源とエミッター・フォロワおよび電流帰還増幅器を組合せた方式もある。しかしながら、これらの何れでも、温度変化に対する補償特性が不十分で温度範囲が限定されたり、特性を合わせるための調整個所が多かったり、調整そのものが煩雑であったりするという問題を抱えている。また、これらの問題が少ないものでは、代わりに複雑な回路を必要としてチップ面積が大きくなり、特定のLDには適用できるが少し特性温度が違ったものには適用できない、などの欠点があった。
【0010】
図8に示される本願発明者の発明にかかる特開平11-103108では、上述した種々の問題点に対して、有力な改善手段を示している。Siバイポーラーを使った設計例に対して、直流バイアス電流出力のシミュレーション結果とその近似指数関数との比較をした結果が図12であり、特性温度T0が45℃から58℃まで、RGの抵抗値を3種に変えるだけで、100℃の温度範囲で0.2mA以下の誤差範囲で、(1)式のオフセット指数関数に良く一致していることがわかる。しかし、図には表されていないが、通信工業用として求められている0℃以下の温度変化範囲を十分にカバー仕切れていないことに加えて、それ以前の方法に比べれば格段に改善されたとは言え依然0.2mA程度の近似誤差は避け難い。最近は、LDの低閾値化が進んで数mA以下が普通になって来ているのに対して、この発生電流値の近似精度の関係から常に閾値電流の1/10以下まで直流バイアスを補償することが難しくなって、更なる低消費電力化への対応には限界があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、高速の光データリンクを実現すべく発振遅延時間を小さくして高周波動作を確保し、同時に大きな消光比を確保するためにLDに閾値より僅かだけ小さな一定の直流バイアス電流を常時流す擬似零バイアス駆動方式では、指数関数的に大きな温度依存性をもって変化するLDの閾値電流の温度特性に忠実に追随できるような直流バイアス電流を発生する回路が必要となるが、従来の技術ではそのような直流バイアス電流発生回路を実現することが難しく、ある特定の特性を持つLDだけに限定して温度補償特性が適用可能であったり、大掛かりな検出・帰還回路を必要とするため、コストが上がると同時に、本質的に小さくし難い問題点があった。
【0012】
また、従来の技術ではフ.イードフォワード型APC回路でLDの発光強度の温度補償を行う種々の方式が提案されているが、何れの方式においても温度変化に対する補償特性が不十分で温度範囲が限定されたり、特性を合わせるための調整個所が多かったり、調整そのものが煩雑であったり、あるいは複雑な回路を必要としてチップ面積が大きくなり、特定のLDには適用できるが、特性温度が違ったものには適用できない、などの問題点があった。
【0013】
したがって、本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたもので、LDの閾値電流の温度変動に忠実に追随し、かつ温度補償特性の精度が格段に優れた直流バイアス電流を発生でき、しかも小型・低コストであってFTTHの光加入者系や光データリンクのLD駆動回路などに広く適用でき、さらにLDの出力強度の温度補償にも適用可能な温度依存型定電流発生回路を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明の係わる温度依存型低電流発生回路は、所定の基準電圧を基準として安定化した電圧を発生する安定化電圧発生回路と、少なくとも2組以上の、基準電圧を分圧する分圧回路と、この分圧回路の分圧出力端にべ一スまたはゲートが接続され、エミッターまたはソースが接地されたトランジスターを含む電流増幅回路とから組み合わされた複数の電流発生回路から出力される電流の合成電流と逆向きの電流を出力する電流ミラー回路と、安定化電圧発生回路の出力端に一端が接続され、電流ミラー回路の出力端に他端が接続された電流−電圧変換抵抗と、この電流−電圧変換抵抗の他端にべ一スまたはゲートが接続された電流帰還抵抗からなり、該トランジスターのエミッターまたはソースに接糸売された電流帰還抵抗からなり、該トランジスターのコレクターから電流を取り出す出力段増幅回路とを備えたことを特徴とする。
【0015】
基準電圧は電源電圧変動や動作温度の変動に対して一定の電圧であるのに対して、安定化電圧発生回路は基準電圧より高く、定電流発生回路から基準温度の下で定電流発生回路から所望の値の出力電流を発生できる電圧よりは僅かに低く、その温度で電流−電圧変換抵抗に流入した電流で発生する端子間電圧だけ低い値に設定される。
【0016】
電流−電圧変換抵抗の一端には安定化電圧発生回路から出力される温度に依存しない安定化電圧が印加され、他端には安定化電圧と電流ミラー回路から発生する電流を電流−電圧変換した温度に依存する電圧とを加算した電圧が発生する。一方、電流増幅回路においては、基準電圧を分圧回路で分圧した電圧がトランジスターのべ一スまたはゲートに加えられ、このトランジスターのコレクターまたはドレインに温度に依存して指数関数的に変化する電流が出力され、電流−電圧変換抵抗に他端側から流入する。
【0017】
このようにして電流−電圧変換抵抗の電流ミラー回路からの電流入力端には、基準温度において定電流発生回路から所望の値の出力電流を発生させ、かつ基準温度以外では温度に対して指数関数的に変化するような電圧が発生する。従って、この電流−電圧変換抵抗の電流入力端に発生する電圧をバッファー増幅回路を介して出力増幅回路における出カトランシスターのべ一スまたはゲートに印加することにより、出力トランジスターのコレクターまたはドレインから、基準温度で所望の値を持ち、温度に対して指数関数的に変化するような温度補償に必要な出力電流を負荷に供給することができる。この場合、電流−電圧変換抵抗の電流入力端で発生した電圧をバッファー増幅回路、つまり利得が1の増幅回路によりインピーダンスを下げて出力回路に入力することによって、出力増幅回路の入力電圧が負荷の変動を受けないようにすることができる。
【0018】
このように本発明の定電流発生回路では、基準温度で所望の電流値を持ち、かつ温度変化に依存して指数関数的に変化する出力電流が得られるため、LD駆動回路に適用した場合には、LDの閾値電流の温度変動に常に追随し、かつ閾値電流より僅かに小さい直流バイアス電流を精度良く発生してLDに流すことができるため、従来では困難であった擬似零バイアス駆動が可能となる。
【0019】
さらに、出力の非線形特性を決定する大元の電流発生回路を、2組以上の多段構成にしてその合成電流を最終的に電圧に変換出力しているため、大元の電流発生回路が一組だけの構成の従来のものに比べ、非線形特性への近似が高精度で、かつ、広範囲でその特性温度T0を可変にできる温度依存型定電流の発生が可能となる。その結果、擬似零バイアス用直流電流をレーザー発振閾値ギリギリまで近づけた設定ができるようになって高速化に必要であった過剰なオーバードライブ電流も不要となるため、パルス変調駆動電流振幅も小さく抑えることが出来るようになる。大雑把な見積もりでも、消費電流を半分以下まで小さくすることが可能となる。また、元々の電流源が一段構成であれ2組以上の多段構成であれ、この場合、安定化電圧発生回路から発生される安定化電圧や電流一電圧発生抵抗に発生する電圧の関係を前述のように選ぶことによって、出力電流の温度に依存する成分と温度に依存しないオフセット成分を独立に設定することが可能となる。
【0020】
また、分圧回路の分圧比は基準電圧の絶対値と、電流増幅回路の特性(例えばトランジスターのべ一ス・エミッター間電圧)と、電流−電圧変換抵抗の抵抗値、および定電流発生回路からの出力南流の温度依存性(特性温度)に依存して決められるが、これらのうち特性温度を除いた値を固定値として設計できるので、電圧分圧比を適宜調整することによって、出力電流の特性温度を任意に調整できる。すなわち、基準電圧と電流−電圧変換抵抗の値が決まれば、電圧回路4の分圧比を変える事により、出力電流の温度依存性(特性温度)を変えることができる。
また、電流−電圧変換抵抗の値を調節することによっても、出力電流の温度依存性(特性温度)を調節することができる。
【0021】
さらに、電流ミラー回路を構成する入力側および出力側トランジスターのサイズを前者より後者が大きくなるようにすることによって、電流ミラー回路に電流増幅作用を持たせることができるので、最初の電流増幅回路の出力電流が小さい場合でも所期の動作を実現することができる。
【0022】
本発明に係わる温度依存型定電流発生回路においては、上記の電流ミラー回路を除き、分圧回路の分圧出力端にべ一スまたはゲートが接続され、エミッターまたはソースが接地されたトランジスターを含む電流増幅回路を電流吐き出し型の回路として構成し、この電流吐き出し型電流増幅回路の出力端に電流−電圧変換抵抗の他端を接続してもよい。
【0023】
さらに、本発明においてはバッファー増幅回路の出力端と出力増幅段のべ一スまたはゲートとの間に、コレクターまたはドレインが接地された増幅回路(エミッター・フォロワまたはソース・フオロワ回路)を挿入してもよく、このようにすることによって、追加された増幅回路の電流増幅機能により、出力段増幅回路の安定性を維持しつつ出力電流を大きくすることができる。当然、追加された回路によって出力電流の温度特性が変わるので、電流−電圧変換回路に発生する電圧の温度依存性を最適化し直す必要が生じる。
【0024】
また、このバッファー増幅回路と出力増幅回路に挿入した増幅回路以降の回路を多段に接地することによって、アレイ出力タイプの定電流発生回路を作ることもでき、その場合には、追加された増幅回路にアレイ出力の各チャンネル間のアイソレーション機能を兼ね備えるようにすることが可能である。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、具体的実施形態を示しながら説明する。図1は本発明の温度依存型定電流発生回路の第1の実施形態を示すブロック図である。同図に示すように、基準電圧発生回路Vrefは、例えば基本的な回路構成のバンドギャップ電圧基準電源を用いる。なお、本出願人の出願(特開平10-268954)に開示された回路を使用することにより、電源変動に対する安定度を更に高めることができる。Si半導体を用いた例では、接地を基準点として1.2V程度の安定な電圧が得られ、nPnトランジスターのべ一ス・エミッター間順方向電圧より十分に大きな電圧が出力される。第2の電圧発生回路VGにより、電圧の安定度は同じ程度でVrefよりは高い基準バイアス電圧Vgを発生させる。Vgの値は、基準温度Tsで所望の値の電流Isを発生できる電圧よりは僅か低く、その温度で基準抵抗RGに流入した電流で生じる端子間電圧分だけ低い値に設定する。
【0026】
定電流発生回路は最低限2組以上から構成されるが、以下ではaとbの2組で構成される場合の例を取り上げて説明する。第1の組aでは、主に低温領域での温度依存性を制御する電流発生回路であり、第2の組bでは、aで低温特性に合わせたものの、aでは制御し切れなかった主に高温領域の所望特性からのずれを補う電流発生回路である。
【0027】
まず、抵抗R1a、R2a、R3aとnPnトランジスターQlaで構成されるエミッター接地型増幅回路を用いて、Qlaのコレクターから温度変化に対して指数関数的に変化する電流を発生させる。べ一スには抵抗R1aとR2aによって基準電圧を分割減衰して供給する。減衰の割合は、基準電圧の絶対値と、トランジスターQ1aのべ一ス・エミッター間順方向降下電圧と、基準抵抗RGの値と、最終的な得たい低温領域での電流の温度変化を規定する特性温度に依存して決められる。実際には、特性温度を除いた値が固定値として設計できるので、電圧分割用抵抗の比を適宜調整することによって特性温度を任意に調整できる。R1aとR2aの値は、使用するQ1aのべ一スの最大電流よりは5倍以上大きなバイアス電流を流せる値に設定した。LDの特性が正確に測定されている時には抵抗の比は、出来るだけ全動作温度範囲で所望の定電流出力温度依存性特性が精度良く近似できるようにするが、特に低温領域での近似精度を重視した最適化となるように決める。一般に、この大きな非線形性を持つ特性に対して精度良い近似結果を得るためには、R3a=0の完全なエミッター接地型増幅とするよりは、R3aを有限値に留めて電流帰還型とする方が良い結果が得られた。典型的なトランジスターに対しては、R3aの値は、100Ω以上で5kΩ以下の範囲にあった。
【0028】
続いて、抵抗R1b,R2b,R3bとnPnトランジスターQ1bで構成されるエミッター接地型増幅回路を用いて、Q1bのコレクターから温度変化に対して指数関数的に変化する電流を発生させる。べ一スには抵抗R1bとR2bによって基準電圧を分割減衰して供給する。減衰の割合は、基準電圧の絶対値とトランジスターQ1bのべ一ス=エミッター間順方向降下電圧と、上記決定した基準岳抗RGの値と、最終的な得たい低温領域での電流の温度変化を規定する特性温度に依存して決められる。実際には、電流発生回路aにおいて、低温領域での主な温度依存性は決定されているので、aよりは低い電圧となるように電圧分割用抵抗の比を適宜調整して選び、高温領域でのaでは追いかけきれなかった温度変化成分を補うように発生させ、aとbの合成によって精度よく特性温度を任意に調整する。R1bとR2bの値は、使用するQ1bのべ一スの最大電流よりは10倍以上大きなバイアス電流を流せる値と設定した。LDの特性が正確に測定されている時には、抵抗の比は、出来れば全動作温度範囲で所望の電流出力特性が精度良く近似できるようにするが、元々低温領域の電流値は小さい上に変化量の絶対値も小さいため、特性温度の僅かの違いが主に高温領域で値が大きく乖離する結果として現れるので、これを補うように高温領域での近似精度を重視した最適化となるように決める。電流発生回路a同様に、この大きな非線形性を持つ特性に対して精度良い近似結果を得るためには、R3b=0の完全なエミッター接地型増幅とするよりは、R3bを有限値に留めて電流帰還型とする方が良い結果が得られた。典型的なトランジスターに対しては、R3bの値は、300Ω以上で20kΩ以下の範囲にあった。
【0029】
変数xとしてaまたはbを指すものとして、前記の通り、抵抗R1xとR2xの比を変えることによって出力電流の特性温度が変わる。また、抵抗比を固定した場合には、基準抵抗RGの値を大きくすることによって特性温度だけが上昇するように出来ることが判った。また、LD特性の通常のバラツキ変動に対しては、RIbとR2b以外の値を固定してこの抵抗比だけを調整することに構成のチューニングが可能であることが判った。図2(A)は、RGの値を可変として特性温度を可変としたもの、同図(B)は、RlxとR2xの抵抗比を可変として特性温度を変えられるようにした実施形態である。
【0030】
電源のプラス側から電流を吐き出させる目的で設置した電流ミラー回路は、Q1xとは相補型のPnPトランジスターQ2,Q3と抵抗R6の簡単な構成でも直線性の良い動作が実現できた。勿論、素子数を増やして高性能の電流ミラー回路としても良い。Q1xから発生する電流が小さ場合には、Q2のトランジスターサイズmに対して、Q3のトランジスターサイズnを大きくすることによって比例して電流が増幅され、大きな電流を得ることが出来た。ミラー反転された電流は、基準抵抗RGに入力され、温度に依存しない成分Vgと強く温度に依存するRGの両端に発生した電圧を加算した電圧が発生する。RGの電流入力端子で発生した電圧の出カインピーダンスは、ほぼRGの値と同じで大きいので、インピーダンスを下げる目的で、利得1のバッファー増幅回路x1を通して出力する。
【0031】
出力電圧は、エミッターに抵抗R4を接続した電流帰還型増幅器をなす出カトランジターQ4のべ一スに入力される。コレクター出力電流には、元々大きな温度依存性を持たせて指数関数的な温度特性を得ようとしているのであるから、電流帰還抵抗のR4はそれ程大きな値である必要はなく、抵抗値は流れる電流値との積が0.1〜2.0Ω・Aの値となるようにすると良い。電流出力はQ4のコレクターから得られ、負荷Loadに接続される。なお、図1の実施形態において、バッファー増幅器x1を除去してQ3コレクターとRGの結節点をQ4のべ一スに直結してもよい。この実施形態が有効となるのは、Q4のべ一ス電流がQ3のコレクター電流に対して無視できる程度に小さい時、または、それらの電流がほぼ一定の比になっている時に適用でき、回路のコンパクト化と消費電流の低減に寄与する。
【0032】
図1の出力回路は、出力電流が小さい時の例であり、一段のトランジスターで構成した。図3に示す本発明の第2の実施形態は、大きな出力電流を得たいときに適用できる。第1の実施形態におけるバッファー増幅回路x1と最終段出カトランシスターQ4の間に、トランシスターQ5と抵抗R5からなるエミッター・フォロワ回路を挿入することによって第1の実施形態同様、良好な特性を実現できた。この回路構成を揺れば、大電流出力を可能にするばかりでなく、バッファー増幅器出力にエミッター・フォロワ回路以降の出力回路を多段設置することも可能になって、アレイ出力タイプの定電流発生回路を作ることも出来る。この時のエミッター・フォロワ回路は電流を増幅する機能ばかりでなく、アレイ出力の各チャンネル間のアイソレーションを確保する機能も果たす特徴をもつ。
【0033】
図4と図5は、それぞれ本発明の第3および第4の実施形態である。いずれも電流ミラー回路に代わって、相補型のpnpトランジスターQ11aとQ11bによって直接電流を吐き出す回路構成を採っており、基本的には上記実施形態のQ1xに関わる回路を反転した構造である。第3の実施形態では電源が安定に保たれている場合にのみ適用可能であるのに対し、第4の実施形態では、電源のプラス側を基準とするVref1とは相補型の基準電圧発生器Vref2を内蔵しているので、電源の変動があっても、第1及び第2の実施形態に近い特性が得られた。
【0034】
なお、各々の図中のバッファー回路7を除去してトランシスターQ10xのコレクターと抵抗RGの結節点をQ4のべ一スに直結してもよいことは前述したとおりである。
【0035】
図6は、本発明の温度依存型定電流発生回路を、具体的に設計した回路例を示す。基準電圧発生回路Vrefは、特開平10-268954の改良されたバンドギャップ基準電圧源を使用している。第2の安定化電源回路VGでは、二段の差動誤差増幅器と、エミッター接地型増幅器と負荷R13の組合せで、電圧Vg=(1+R24/R25)×Vrefの値を有し、Vref同等の安定な電圧を発生する。利得1のバッファー増幅器x1は、同様な回路構成とした。抵抗R36の抵抗値はトランシスターQ34のべ一ス流入電流よりは大きな電流が常に流れるように小さい値を選定してあり、トランジスターQ33が遮断することはない。
【0036】
エミッター・フォロワを形成するトランジスターQ34のべ一ス入力部には、抵抗R38とキャパシタC20からなる高周波遮断フィルターを設置した。一般に出力電流の高周波雑音を抑えるのに有効であることに加えて、特にアレイ化出力とした時には、チャンネル間の高周波クロストークを抑えるために有効に作用する。出カトランシスターQ35のコレクター出力には、Load 9と表記してあるが、LDと抵抗の組合せに限らずLD単体、あるいは、抵抗単体など、任意の負荷を接続してもよい。
【0037】
Siバイポーラートランジスタを使った図6の回路について、直流バイアス電流出力のシミュレーションを行い、その結果と理論的な近似指数関数との比較をした。その結果を図7に示す。太線が指数関数、細線が出力電流に6μAを加算した値である。特性温度T0が44℃と小さい値であるにも拘わらず、一40℃から100℃までの範囲に亙って殆どズレが見られない。出力電流を増幅率約30の電流ミラー回路を使って増幅すれば、図9のT0=45℃とほぼ同じ特性が得られるが、非線形近似特性の精度の差は明らかである。
【0038】
実際に負荷9として、波長650nmで発振するGaAs低閾値LDを接続し、そのシミュレーションによる特性と理論に基づく指数関数特性とを比較してみると、高温領域でLDの閾値自体の指数関数からのズレが生じるが、回路定数の調整によって0.1mA以内で一致させることが可能であった。LDとICチップを熱伝導の良いキャリアにマウントして同一温度になるようにし、図6の回路を用いれば、定電流発生回路でかなり正確に擬似零バイアスを実現することが可能であることが判る。また、回路のパラメター値を調節することによって特性温度を数100℃とし、かつ、パルス電流出力が数10mAの12チャンネルのアレイ型LD駆動回路の定電流発生回路に適用して、先出力強度の温度補償が可能なことも確かめられた。また、上記の回路はアレイ出力にも適用でき、チップサイズもレーザー駆動回路を含めて1チップのlCに組込むに十分なだけ小さく実現できる。
【0039】
以上の説明では電流発生回路が2組から構成される場合で説明してきたが、電流発生回路を3組以上に増やせば、最終的電流出力の非線形温度依存性の近似精度を一層向上することが出来る。段数を増やせば当然回路規模が大きくなることと、ある程度のプロセス上のバラ付きは不可避のためにパラメター数が増大した最適化で決めるべき素子定数の誤差による限界が生じるため、あまり段数を増やすのは得策ではない。実際の効果を調べた例では、3組までは有効性が認められた。
【0040】
以上の説明では、Veeが接地側、Vccが正の電源として説明してきたが、本発明の趣旨を何ら変えることなく、Vccを接地に、Veeを負の電源として適用することが出来ることは明らかである。また、本発明は、上記で説明したバイポーラ・トランジスターの種別のnpnとpnpを全て入れ替えて逆にした回路を使うことによって、電流の向きを全て逆にした回路に適用できることも明らかである。さらに、上記説明ではSiバイポーラ・トランジスターを念頭に置いた説明内容となっているが、GaAsやlnP系のHBTに置換えても構わないし、また、入力電圧に対して指数関数的出力電流を得る目的に使うものを除いて、回路の基本動作を変更しない限りにおいて、M0SFET、CM0S、GaAs MESFET、HEMTなど別の種類のトランジスターを使用しても本発明の趣旨から逸脱しないことは明らかである。
【0041】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によって、LDの擬似零バイアス駆動を可能とするように、閾値の温度変動に忠実に追随して閾値より僅かに小さいバイアス電流を精度良く発生でき、しかも、大きな非線形性をもつ温度変動部分と温度に依存しない部分を各々分離して独立に調整できる温度依存性型定電流回路が実現できた。
【0042】
また、回路の定数を変えることによって、特性温度が大きいLDレーザー強度の温度依存性を補償する定電流発生回路にも適用できる特徴を持つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す温度依存型定電流回路のブロック図。
【図2】図1に示す回路の変形例を示す部分回路図。
【図3】本発明の第2の実施形態を示す温度依存型定電流回路のブロック図。
【図4】本発明の第3の実施形態を示す温度依存型定電流回路のブロック図。
【図5】本発明の第4の実施形態を示す温度依存型定電流回路のブロック図。
【図6】本発明の温度依存型定電流回路の具体的な回路図。
【図7】図6に示す回路における直流バイアス電流出力のシミュレーション結果とその理論的な近似指数関数値とを比較して示すグラフ。
【図8】従来の温度依存型定電流回路の一例を示すブロック図。
【図9】従来の温度依存型定電流回路の電流出力特性を示すグラフ。
【符号の説明】
1 基準電圧発生回路
2 安定化電圧発生回路
3 電流−電圧変換抵抗
4 分圧回路
5 エミッター接地増幅回路
6 電流ミラー回路
7 バッファー増幅器
8 出力増幅回路
Claims (16)
- 所定の基準電圧を供給する基準電圧源と、この基準電圧を分圧する複数の分圧回路と、これらの分圧回路の分圧出力がそれぞれべ一スまたはゲートに供給され、エミッターまたはソースが接地されたトランジスターを含み、それぞれ温度に依存する電流を発生するとともにそれぞれ異なる温度範囲において異なる温度特性を有する複数の電流増幅回路と、これらの電流増幅回路から出力される電流の合成電流と同じ電流値を有する逆向きの電流を出力する電流ミラー回路と、この電流ミラー回路の出力が供給され、この電流に比例する電圧を発生するとともに、この電圧を前記安定化電圧発生回路の出力電圧に加算し、これらの加算電圧を発生するように設けられた電流−電圧変換抵抗と、この電流−電圧変換抵抗により発生された加算電圧が供給される出力増幅回路とを備え、この出力増幅回路は前記電流−電圧変換抵抗に発生した加算電圧出力がべ一スまたはゲートに供給される出力トランジスターと、この出力トランジスターのエミッターまたはソースに接続された帰還抵抗とからなり、前記出力トランジスターのコレクターまたはドレインから出力電流を取り出すように構成されていることを特徴とする温度依存型定電流発生回路。
- 前記複数の分圧回路は、それぞれ異なる分圧比に設定することにより、前記複数の電流増幅回路の温度特性を調整することを特徴とする請求項1記載の温度依存型定電流発生回路。
- 前記電流−電圧変換抵抗の抵抗値および前記分圧回路の分圧比の少なくとも一方を可変としたことを特徴とする請求項1記載の温度依存型定電流発生回路。
- 前記電流ミラー回路は、前記複数の電流増幅回路を構成するトランジスターとは相補関係のトランジスターにより構成され、この回路によりミラー反転した電流を前記電流−電圧変換抵抗に供給することを特徴とする請求項1記載の温度依存型定電流発生回路。
- 所定の基準電圧を供給する基準電圧源と、この基準電圧を分圧する第1の分圧回路と、この第1の分圧回路の分圧出力がべ一スまたはゲートに供給され、エミッターまたはソースが接地されたトランジスターを含む第1の電流増幅回路と、前記基準電圧を分圧する第2の分圧回路と、この第2の分圧回路の分圧出力がべ一スまたはゲートに供給され、エミッターまたはソースが接地されたトランジスターを含む第2の電流増幅回路と、前記第1および第2の電流増幅回路から出力される電流の合成電流と逆向きの電流を出力する電流ミラー回路と、この電流ミラー回路の出力が供給され、この電流に比例する電圧を発生するとともに、この電圧を前記安定化電圧発生回路の出力電圧に加算し、これらの加算電圧を発生するように設けられた電流−電圧変換抵抗と、この電流−電圧変換抵抗により発生された加算電圧が供給される出力増幅回路とを備え、前記第1および第2の電流増幅回路は、それぞれ温度に依存する電流を発生するとともに、それぞれ異なる温度範囲において異なる温度特性を有し、前記出力増幅回路は前記電流−電圧変換抵抗に発生した加算電圧出力がべ一スまたはゲートに供給される出力トランジスターと、この出力トランジスターのエミッターまたはソースに接続された帰還抵抗とからなり、前記出力トランジスターのコレクターまたはドレインから出力電流を取り出すように構成されていることを特徴とする温度依存型定電流発生回路。
- 前記複数の分圧回路は、それぞれ異なる分圧比に設定することにより、前記複数の電流増幅回路の温度特性を調整することを特徴とする請求項5記載の温度依存型定電流発生回路。
- 前記電流−電圧変換抵抗の抵抗値および前記分圧回路の分圧比の少なくとも一方を可変としたことを特徴とする請求項5記載の温度依存型定電流発生回路。
- 前記電流ミラー回路は、前記複数の電流増幅回路を構成するトランジスターとは相補関係のトランジスターにより構成され、この回路によりミラー反転した電流を前記電流−電圧変換抵抗に供給することを特徴とする請求項5記載の温度依存型定電流発生回路。
- 所定の基準電圧を供給する基準電圧源と、この基準電圧を分圧する第1の分圧回路と、この第1の分圧回路の分圧出力端にべ一スまたはゲートが接続され、エミッターまたはソースが接地されたトランジスターを含む第1の電流増幅回路と、前記基準電圧を分圧する第2の分圧回路と、この第2の分圧回路の分圧出力端にべ一スまたはゲートが接続され、エミッターまたはソースが接地されたトランジスターを含む第2の電流増幅回路と、前記第1および第2の電流増幅回路から出力される出流の合成電流と逆向きの電流を出力する電流ミラー回路と、この電流ミラー回路の出力端に一端が接続され、前記安定化電圧発生回路の出力端に他端が接続された電流−電圧変換抵抗と、この電流−電圧変換抵抗の一端に発生した電圧が入力端に供給されるバッファー増幅回路と、このバッファー増幅回路の出力端に接続された出力増幅回路とを備え、前記第1および第2の電流増幅回路は、それぞれ温度に依存する電流を発生するとともに、それぞれ異なる温度範囲において異なる温度特性を有し、前記出力増幅回路は前記バッファー増幅回路の出力端に発生した電圧出力がべ一スまたはゲートに供給される出力トランジスターと、この出力トランジスターのエミッターまたはソースに接続された帰還抵抗とからなり、前記出力トランジスターのコレクターまたはドレインから出力電流を取り出すように構成されていることを特徴とする温度依存型定電流発生回路。
- 所定の基準電圧を供給する基準電圧源と、この基準電圧を分圧する第1の分圧回路と、この第1の分圧回路の分圧出力がべ一スまたはゲートに供給され、エミッターまたはソースが接地されたトランジスターを含む第1の電流増幅回路と、前記基準電圧を分圧する第2の分圧回路と、この第2の分圧回路の分圧出力がべ一スまたはゲートに供給され、エミッターまたはソースが接地されたトランジスターを含む第2の電流増幅回路と、前記第1および第2の電流増幅回路から出力される出流の合成電流が供給され、この合成電流に比例する電圧を発生するとともに、この電圧を前記安定化電圧発生回路の出力電圧に加算し、これらの加算電圧を発生するように設けられた電流−電圧変換抵抗と、この電流−電圧変換抵抗により発生された前記加算電圧が供給される出力増幅回路とを備え、前記第1および第2の電流増幅回路は、それぞれ温度に依存する電流を発生するとともに、それぞれ異なる温度範囲において異なる温度特性を有し、前記出力増幅回路は前記電流−電圧変換抵抗に発生した加算電圧出力がべ一スまたはゲートに供給される出力トランジスターと、この出力トランジスターのエミッターまたはソースに接続された帰還抵抗とからなり、前記出力トランジスターのコレクターまたはドレインから出力電流を取り出すように構成されていることを特徴とする温度依存型定電流発生回路。
- 前記複数の分圧回路は、それぞれ異なる分圧比に設定することにより、前記複数の電流増幅回路の温度特性を調整することを特徴とする請求項10記載の温度依存型定電流発生回路。
- 前記電流−電圧変換抵抗の抵抗値および前記分圧回路の分圧比の少なくとも一方を可変としたことを特徴とする請求項10記載の温度依存型定電流発生回路。
- 前記複数の電流増幅回路を構成するトランジスターは、前記出力増幅回路を構成する出力トランジスターとは相補関係のトランジスターにより構成され、この回路により増幅した電流を前記電流−電圧変換抵抗に供給することを特徴とする請求項10記載の温度依存型定電流発生回路。
- 所定の基準電圧を供給する基準電圧源と、この基準電圧を分圧する第1の分圧回路と、この第1の分圧回路の分圧出力端にべ一スまたはゲートが接続され、エミッターまたはソースが接地されたトランジスターを含む第1の電流増幅回路と、前記基準電圧を分圧する第2の分圧回路と、この第2の分圧回路の分圧出力端にべ一スまたはゲートが接続され、エミッターまたはソースが接地されたトランジスターを含む第2の電流増幅回路と、前記第1および第2の電流増幅回路から出力される出流の合成電流の出力端に一端が接続され、前記安定化電圧発生回路の出力端に他端が接続された電流−電圧変換抵抗と、この電流−電圧変換抵抗の一端に発生した電圧が入力端に供給されるバッファー増幅回路と、このバッファー増幅回路の出力端に接続された出力増幅回路とを備え、前記第1および第2の電流増幅回路は、それぞれ温度に依存する電流を発生するとともに、それぞれ異なる温度範囲において異なる温度特性を有し、前記出力増幅回路は前記バッファー増幅回路の出力端に発生した電圧出力がべ一スまたはゲートに供給される出力トランジスターと、この出力トランジスターのエミッターまたはソースに接続された帰還抵抗とからなり、前記出力トランジスターのコレクターまたはドレインから出力電流を取り出すように構成されていることを特徴とする温度依存型定電流発生回路。
- 前記バッファー増幅回路の出力端と前記出力増幅回路のトランジスターのべースまたはゲートとの間に、コレクターまたはドレインが接地された増幅回路を挿入したことを特徴とする請求項14に記載の温度依存型定電流発生回路。
- 前記電流−電圧変換抵抗の抵抗値および前記分圧回路の分圧比の少なくとも一方を可変としたことを特徴とする請求項14に記載の温度依存型定電流発生回路。
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