JP3696033B2 - イメージセンサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファクシミリ装置などの画像入出力情報機器における画像入力装置であるイメージセンサ、およびそれに用いる導波路の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ファクシミリ装置、フラットベッドスキャナ、手で掴んで原稿上を走査させて読取り画像を複写するハンドコピーおよび原稿上を走査して読取り画像をデジタルに変換して複写するデジタルコピアなどの画像入力装置には、大きく分けてCCD(Charge Coupled Device)方式とCIS(Contact Image Sensor)方式とがある。
【0003】
CCD方式は、装置内に1つのレンズ縮小光学系が配置され、原稿像をリニアCCDに縮小結像し、画像信号に変換する。原稿からセンサまでの全共役長(TC)は30cm以上あり、ミラーで複数回折返すことにより小型化を図っている。
【0004】
CIS方式は、装置内に屈折率分散型ロッドレンズアレイが読取り全幅にわたって配置され、原稿像を等倍正立像でこれも読取り全幅にわたって配置されたセンサアレイに結像し、画像信号に変換する。TCは、10mm前後で小型化が可能である。近年、屈折率分散型ロッドレンズアレイに代わって、より製造が容易な凸マイクロレンズアレイによって原稿像を等倍正立投影するマイクロレンズアレイ光学系の開発が試みられている。
【0005】
CCD方式は、CIS方式に比べ、TCが長く小型化が困難である。
図22は、従来のマイクロレンズアレイ光学系の構造を示す断面図である。マイクロレンズアレイ光学系の場合は、センサに正立像を投影するために少なくとも2枚の凸レンズを光軸上に配置する必要がある。原稿1側のレンズアレイ2によって光101による倒立中間像が形成され、光電変換素子アレイ5側のレンズアレイ3が光111による等倍正立像として光電変換素子アレイ5上に投影する。なお光電変換素子アレイ5は、受光素子である光電変換素子が複数個走査方向に配列されている。光軸23および24が一直線上にあるマイクロレンズ26および27から成るレンズペア間のみで反射光を結像すれば、レンズアレイペア上の各レンズペアの像がセンサ面上でつながり、読取り全幅の正立投影像が形成される。ところが光軸が一直線上にないレンズ組合わせによる像が形成されて、反射光7が光107のように光電変換素子アレイ5上に投影されてゴーストが発生する場合がある。
【0006】
図23は、従来のアパーチャ6を備えたマイクロレンズアレイ光学系の構造を示す断面図である。入射側マイクロレンズアレイ2と出射側マイクロレンズアレイ3との間であって、光軸23および24が一直線上にあるマイクロレンズ26および27から成るレンズペアと、マイクロレンズ106および108から成る隣接するレンズペアとの間に空間102を設けて、遮光部であるアパーチャ6を配置して、マイクロレンズ106および108から成るレンズペアとマイクロレンズ109および110から成るレンズペアとの間、すなわち隣接するレンズペア間を渡る光7を完全に遮断することによって、ゴーストを防ぐことができることが特開平10−210213号公報に記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように隣接するレンズペア間をアパーチャ6によって遮光した場合、アパーチャ6側面で反射する光が存在するので、本来の結像に寄与しない光がハロウ8となって光電変換素子アレイ5に到達し、信号対雑音比(S/N)を低下させる。
【0008】
図24は、従来のアパーチャを備えたその他のマイクロレンズアレイ光学系の構造を示す断面図である。原稿1とレンズアレイ2との間、およびレンズアレイ3と光電変換素子アレイ5との間にアパーチャ6を配置して、ゴーストを防止するようにしている。この場合も図23に示したマイクロレンズアレイ光学系と同様、ハロウ8が発生するという問題が生じる。
【0009】
図25は、従来のアパーチャ6を用いた場合における原稿浮きによる画像への影響を示すイメージセンサの断面図である。アパーチャ6を用いた従来構造のマイクロレンズアレイ3におけるレンズ中央部に比べて周辺部の解像度は、原稿1がガラス面Cから離れると急激に低下する。原稿1がガラス面C上に有れば、光源からの光はフォーカス位置73で反射し、その反射光71がマイクロレンズ26によって倒立結像され、倒立結像された光77はマイクロレンズ27によって光電変換素子5上の結像点75に結像される。原稿1がガラス面Cから離れると、光源からの光は反射位置74で反射し、その反射光72がマイクロレンズ26によって倒立結像され、倒立結像された光78はマイクロレンズ27によって光電変換素子5上に結像されず、結像点79に結像される。
【0010】
本発明の目的は、ゴーストおよびハロウが発生することのないイメージセンサを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、被写体である原稿を光照射するライン状光源と、
主走査方向に配置され、光照射による原稿からの反射光を結像する複数の入射側マイクロレンズを備える第1のマイクロレンズアレイと、
各入射側マイクロレンズごとにそれぞれ対応して主走査方向に配置される複数の導波路セットで構成され、各導波路セットには入射側マイクロレンズによる結像光を入射し伝播させて出射する複数の導波路が主走査方向に間隔をあけて配置され、複数の導波路のコアが光を吸収する材料を含むクラッドに保持されてなる複数の導波路セットによって構成される導波路アレイと、
各導波路セットごとにそれぞれ備えられ、前記コアからの出射光を結像する複数の出射側マイクロレンズを備える第2のマイクロレンズアレイと、
各出射側マイクロレンズごとにそれぞれ備えられ、出射側マイクロレンズによる結像光を電気信号に変換する複数の受光素子を備える受光素子アレイとを含むことを特徴とするイメージセンサである。
【0012】
本発明に従えば、導波路アレイをイメージセンサの読取り光学系として用いることによって、導波路へ結像する光の入射角度が制限されることを利用してクロストークなしに原稿像を受光素子アレイである光電変換素子アレイへ投影することができる。クラッドに吸収を持たせたので、導波路へ結合しない光はクラッドで吸収される。ファイバを黒色樹脂に埋込むような従来の構造に比べてクラッド自体に吸収がある場合は、高次モードの光ほど減衰が大きくなるので、実質的な開口角が狭まり、分解能を上げ、読取り深度を深くすることができる。
【0013】
本発明は、被写体である原稿を光照射するライン状光源と、
主走査方向に配置され、光照射による原稿からの反射光を結像する複数の入射側マイクロレンズを備える入射側マイクロレンズアレイと、
各入射側マイクロレンズごとにそれぞれ対応して主走査方向に配置される複数の導波路セットで構成され、各導波路セットには入射側マイクロレンズによる結像光を入射し伝播させて出射する複数の導波路が主走査方向に間隔をあけて配置され、複数の導波路のコアが光を吸収する材料を含むクラッドに保持されてなる複数の導波路セットによって構成される導波路アレイであって、各導波路セット内の各導波路から出射される光は、それぞれ異なる出射角度で出射され、クロスして受光素子上に、各導波路の並びと逆順に照射されるように、傾けられている導波路アレイと、
各導波路セットごとにそれぞれ備えられ、導波路セットからの出射光を電気信号に変換する複数の受光素子を備える受光素子アレイとを含むことを特徴とするイメージセンサである。
【0014】
本発明に従えば、導波路アレイをイメージセンサの読取り光学系として用い、マイクロレンズを入射側のみ採用することによって、導波路へ結像する光の入射角度が制限されることを利用してクロストークなしに原稿像を受光素子アレイである光電変換素子アレイへ投影することができるだけでなく、構造の小型化を図れる。クラッドに吸収を持たせたので、導波路へ結合しない光はクラッドで吸収される。ファイバを黒色樹脂に埋込むような従来の構造に比べてクラッド自体に吸収がある場合は、高次モードの光ほど減衰が大きくなるので、実質的な開口角が狭まり、分解能を上げ、読取り深度を深くすることができる。
【0018】
本発明は、前記導波路アレイにおける各導波路セット内の導波路の入射開口角の広がりが、対応する入射側マイクロレンズ表面領域内に収まるように形成されていることを特徴とする。
本発明に従えば、ゴースト像の発生を防ぐことができる。
【0019】
本発明は、前記導波路アレイにおける各導波路セット内の導波路の入射開口角の広がりが、対応する入射側マイクロレンズ表面領域内に収まるように、導波路が、入射側において傾斜されてテーパ状に広げられることを特徴とする。
【0020】
本発明に従えば、1つの導波路へは1つの入射側レンズからの光のみが入射するので、導波路からの出射光が対応する受光素子である光電変換素子面上に照射されれば、導波路の開口角を狭めることなくゴースト像の発生を防ぐことができる。
【0021】
本発明は、前記導波路アレイにおける各導波路セット内の導波路の入射開放角の広がりが、対応する入射側マイクロレンズ表面領域内に収まるように、導波路が、入射側において傾斜されてテーパ状に広げられ、かつ、前記導波路の出射光が、対応する出射側マイクロレンズ表面領域内に収まるように、導波路が、出射側において傾斜されて逆テーパ状に狭められることを特徴とする。
【0022】
本発明に従えば、1つの導波路へは1つの入射側レンズからの光のみが入射し、1つの導波路からの光は1つの出射側レンズにのみに照射するので、原稿像とセンサ位置が1対1に対応する。これによって、ゴースト像の発生を防ぐことができる。また1つの導波路セット内の導波を平行に設ける場合には、各導波路における開口角の広がりは、端部の導波路ほどマイクロレンズ辺縁部を通る。各導波路を平行に配置したまま、端部の導波路における開口角の広がりをレンズ表面領域内に納めるためにはレンズの開口角が制限されて暗くなり、レンズと導波路との位置精度を高める必要が生じる。各導波路における開口角の中心がレンズの中心を通るように、各導波路を傾けると、1つのマイクロレンズに対応する導波路のマイクロレンズ位置での集光領域が一致するので、導波路の開口角を大きく取れ、位置合わせ精度を緩和することができる。
【0023】
本発明は、前記受光素子アレイにおける各受光素子が、各導波路セット内の複数の導波路から光を受ける1つの受光素子であることを特徴とする。
【0024】
本発明に従えば、導波路アレイと受光素子アレイである光電変換素子アレイとの位置合わせ精度を緩和することができる。
【0025】
本発明は、前記導波路アレイが副走査方向に複数列備えられていることを特徴とする。
【0026】
本発明に従えば、3次元積層構造の導波路において、クロストークなしに原稿像を光電変換素子アレイへ投影することができ、分解能を上げて読取り深度を深くすることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態である分解能200dpiのイメージセンサの概略構成を示す断面図である。図2は、図1における切断面線IIから見た断面図である。支持体18に取付けられて原稿1を照射する光源17と、原稿1に接する透光性支持板、たとえばガラス板9と、原稿1からの反射光21または22を結像する入射側マイクロレンズアレイ2と、結像された光を伝播する導波路アレイ4と、導波路アレイ4からの出射光28または29を結像する出射側マイクロレンズアレイ3と、結像光を電気信号に変換する光電変換素子アレイ5と、光電変換素子を実装する実装基板16とを含む。
【0034】
図3は、図1における導波路アレイ4の入射側を拡大して示す断面図である。入射側マイクロレンズ26と出射側マイクロレンズ27とで構成される一対のマイクロレンズ対に対応する導波路セットは、コア51a〜51fの6本で構成される。
【0035】
図1〜3によって導波路アレイ4への光の入射および出射のようすを示す。支持部材18に取付けられた光源17が原稿1の読取り領域E1を照射する。光源17から原稿1の走査方向Fの読取り領域F1に照射された光の反射光21または22は、入射側マイクロレンズアレイ2を構成する入射側マイクロレンズ26によって、導波路入射端面30に倒立結像される。導波路のコア51fおよび51aをそれぞれ伝播し出射端面38から放射された光28および29は、出射側マイクロレンズアレイ3を構成するとともに、入射側マイクロレンズ26とペアとなる出射側マイクロレンズ27によって、光電変換素子5aおよび5b上にそれぞれ倒立結像され、原稿1の読取り領域F1に対して、結像領域Gに正立像が形成される。
【0036】
入射側マイクロレンズ26の凸部の光軸23と、出射側マイクロレンズ27の凸部の光軸24とは一直線上25にある。直線25は原稿1が配置される面の垂直方向にある。各光軸が一直線上にあるマイクロレンズペアによる像は、光電変換素子アレイ5上でつながり、原稿1の走査方向Fの全読取り幅の正立像が光電変換素子アレイ5上に形成される。
【0037】
副走査方向Eにおいては、光源17から原稿1の副走査方向Eの読取り領域E1に照射された光の反射光22または32は、入射側マイクロレンズアレイ2を構成する入射側マイクロレンズ26によって、導波路入射端面30に倒立結像される。導波路のコア51および52をそれぞれ伝播し出射端面38から放射された光39および29は、出射側マイクロレンズアレイ3を構成するとともに、入射側マイクロレンズ26とペアとなる出射側マイクロレンズ27によって、光電変換素子アレイ5上に倒立結像され、原稿1の読取り領域E1に対して、結像領域Hに正立像が形成される。副走査方向EへE1が過ぎるごとにE1と等しく定める距離ごとに光電変換素子の出力が読出されていく。
【0038】
図4は、図1における導波路アレイ4の断面構造を示す断面図である。紙面垂直方向は、図1の原稿1が配置される面の垂直方向と一致する。導波路アレイ4は、コア51と総称する51a、51b、51c、51d、51eおよび51fが走査方向Fに間隔をあけて配置されるとともに、コア51およびコア51と同様に構成されるコア52が副走査方向Eに2列配置されている。
【0039】
図5(a)は、図1に示すイメージセンサの一部の概略構造を示す断面図である。(b)は、(a)における導波路アレイ4のコア51a〜51fの形状をコア31a〜31fの形状に変えた構造を示す断面図である。θ1=θ2=θ3=θ4となるように定められている。導波路アレイ4を備えたイメージセンサにおいて、マイクロレンズアレイ2の各マイクロレンズの径を大きくすることによって、感度を上げることができる。レンズ径を大きくし、かつ分解能を高いまま維持するため、1つのマイクロレンズに対して複数の導波路のコアが対応する構造にしている。(b)のように導波路アレイ4において導波路のコア31a〜31fをストレートな形状で平行に配置した場合、導波路へ入射されて導波路を伝播できる光60または61の最大角である入射開口角θ1〜θ4をマイクロレンズの開口角と一致させても、31cより31b、31bより31a、または31dより31e、31eより31fというように、導波路のコアの位置がマイクロレンズの光軸23から遠ざかるにしたがって、光7のように導波路の入射開口角θ2のレンズ凸部表面位置での広がりがマイクロレンズ26からはみ出る。はみ出た領域が隣接するマイクロレンズ28にかかることによって、光7によるゴーストが生じる。光7によるゴーストを防ぐためには、導波路の開口角を狭める必要があるが、開口角を狭めると感度が低下する。
【0040】
図5(a)のように、導波路アレイ4における各導波路のコア51a〜51fを傾けて導波路の入射端から中央までテーパ状に広げ、全ての導波路のコア51a〜51fにおいて導波路コアとレンズの屈折率差も考慮してレンズの凸面の中心から導波路の中心に向かった光線が導波路にストレートに入射するようにしている。これによって、導波路に隣接するマイクロレンズの光7が結合するのを防止することができる。なお出射端においては逆に導波路の中央から出射端まで逆テーパ状に狭める。
【0041】
図6(a)は、導波路のコアの数が光電変換素子である受光セルの数の3倍である場合の位置ずれによる解像度への影響を示す説明図である。図6(b)は、導波路のコアの数が光電変換素子である受光セルの数と等しい場合の位置ずれによる解像度への影響を示す説明図である。図6(a)および(b)において、1)は導波路像が1つの受光セルに収まる場合を示し、2)は導波路像が2つの受光セルにかかる場合を示す。
【0042】
本発明の導波路アレイを備えたイメージセンサにおいて、解像度は導波路ピッチと光電変換素子ピッチとで制限され、図6(b)のように、導波路のコア数と光電変換素子数とが等しい場合には、導波路のコアからの出力像である導波路像TおよびUと光電変換素子S3およびS4との位置ずれが解像度を低下させる。図6(b)の2)のように、光電変換素子である受光セルS3およびS4上での導波路のコアTおよびUからの出射光による結像が、2つの光電変換素子S3およびS4ならびにS4およびS5にそれぞれ等分にかかる場合、解像度は半分に低下する。図6(a)のように、導波路のコア数を光電変換素子数より多くし、たとえば光電変換素子S3またはS4の1つに対して導波路のコアT1〜T3またはU1〜U3の3つずつなどの複数対応するような構成とすることによって、導波路アレイと光電変換素子アレイとの位置合わせ精度が緩和される。図6(a)のように、導波路のコア数が光電変換素子数の3倍の場合、2)のように、最悪の位置ずれである導波路のコアU3およびT3からの出射光による結像が、2つ光電変換素子S3およびs4にそれぞれかかる場合でも、結合部の空間周波数伝達特性を示すMTF(modulation transfer function)は、
Figure 0003696033
であるから、MTFは0.67となり解像度を維持できる。
【0043】
図7は、図3に示す導波路アレイ4の一部を拡大して示す拡大図である。導波路アレイ4は、コア51d〜51fとクラッド50とで構成され、クラッド50には光吸収材料を使用している。図8は、強度に対する導波路の出射角度を説明するためのグラフである。図9は、導波路における透過率の入射角度依存性を説明するためのグラフである。導波路アレイ4に入射されて伝播する光について、図5、7、8および9によって説明する。光導波路は、コア51eとクラッド50との屈折率で決まる開口角θ11を有する。開口角θ11は導波路入射端面30の法線34とコア51eに入射する光41とのなす角度であって、導波路へ入射されて導波路を伝播できる光の最大角である。開口角θ11より大きな角度で入射する光は伝播しない。透明な材料で形成されていれば光導波路の開口角は、全反射の始まる臨界角によって決定される。クラッド50に吸収がある場合、実際の開口角θ11は臨界角θ21によって決定される開口角より狭くなる。以降、この場合の開口角を実質的な開口角と称す。
【0044】
図5に示したように、1つの導波路に対してその入射開口角θ1〜θ4の延長がレンズ凸部表面位置で占める領域が1つのレンズ内に収まっているなら、その導波路には他のマイクロレンズからの光は結合しない。レンズは、レンズ径Dと焦点距離fとで決まる開口角atan(D/2f)を有する。導波路の入射端はマイクロレンズのほぼ焦点位置にあり、マイクロレンズの開口角と導波路の実質的な開口角が等しければ、マイクロレンズに垂直に入射した光は全て導波路へ入って伝播し、他の光は入射しても伝播しない。すなわち図7に示すように、導波路へ結合しない光46はクラッド50内に入射されるが、クラッド50には光吸収材料を使用して吸収を持たせているので、クラッド50は導波路に結合しない光47を吸収することができる。
【0045】
また出射側においても、導波路とマイクロレンズが同様の関係であれば、原稿1上の1点は、光電変換素子上の1点に1対1に対応し、ゴーストは発生しない。その他の導波路へ結合しない光は、クラッド50内に照射されるが、前述のように、クラッド50に吸収されるので、光電変換素子アレイ5へ到達することを回避することができる。
【0046】
コア51e中を伝播する光42は、クラッド50中にエネルギを染み出させた状態で伝播する。クラッド50に吸収があるとコア51eが透明であっても染み出しエネルギが吸収されるので、光43は光44で示すように減衰する。高次モードの光ほど、伝播によって急速に減衰する。高次モードほど、強度は低い。図8のように、高次モードの光ほどクラッド50への染み出し長が長く減衰が大きいので、出射光45の低次モードの成分比が高くなり、出射角θ31が狭まる。出射角θ31は、導波路出射端面38の法線36とコア51eから出射する光45とのなす角度である。クラッド吸収220cm-1の場合63およびクラッド吸収なしの場合64とも、低次モード、すなわち強度が高い程、出射角度が狭くなっている。
【0047】
図9のように、入射角度θ1の大きい光ほど導波路内で高次モードとなるので、透過率が低く、すなわち減衰が大きく、導波路の実質的な入射開口角θ11も、コア51eとクラッド50との屈折率差で決まる全反射の臨界角θ21によって決定される開口角より狭まる。クラッド吸収2200cm-1の場合65、クラッド吸収220cm-1の場合66およびクラッド吸収なしの場合67の順に、同じ透過率で、入射角度が狭くなっていることが判る。
【0048】
前述のように、クラッドの吸収を大きくして導波路からの出射光広がりを狭めると、出射側マイクロレンズを介さなくとも光電変換素子面上に導波路からの光をスポット状に照射することができ、解像度が低下しない。
【0049】
図10は、本発明の導波路アレイを備えた場合における原稿浮きによる画像への影響を示すイメージセンサの断面図である。前述のように、アパーチャ6を用いた従来構造のマイクロレンズ光学系の場合、入射側マイクロレンズアレイ2および出射側マイクロレンズアレイ3におけるレンズ中央部に比べて周辺部に対応する光電変換素子上での解像度は、原稿1がガラス面Cから離れると急激に低下する。
【0050】
これに対して図10のように、導波路アレイ4を入射側マイクロレンズアレイ2と出射側マイクロレンズアレイ3との間に挟んだ場合、導波路入射端面30で画像情報がサンプリングされる。導波路中で光の入射方向情報はほぼ消滅し、出射端面38では開口角全体に放射される。このため、アパーチャ6を用いた場合に比べて、アパーチャ6による周辺光量の低下を防止することができるとともに、原稿1がガラス面Cから浮いた場合の解像度の低下を低減することができる。
【0051】
原稿1がガラス面C上にあれば、光源からの光はフォーカス位置73で反射し、その反射光71がマイクロレンズ26によって導波路入射端面30に結像され、結像された光は導波路を伝播し、マイクロレンズ27によって光電変換素子5上の結像点75に結像される。原稿1がガラス面Cから離れて、光源からの光が反射位置74で反射すると、マイクロレンズ26によって結像される導波路入射端面30の像が小さくなり、かつボケる。導波路入射端面30に結像された光72の導波路中で入射方向情報はほぼ消滅し、入射された光72は出射端では光76のように開口角全体に放射されるので、光電変換素子5上の焦点75に結像され、隣の光電変換素子上にかかることがない。
【0052】
本実施形態は、入射側および出射側にマイクロレンズアレイ2および3をそれぞれ配置し、入射側と出射側とを対称構造にしたイメージセンサである。導波路パターンも入射側と同様に出射光の中心方向がレンズ中心を通るように、出射側の導波路のコアをテーパ状に配置し対称構造とする。
【0053】
本発明の実施の一形態である分解能200dpiのイメージセンサにおいて、レンズ曲率半径180μm、レンズ径250μmおよびピッチ間隔250μmで1列に配列された入射側マイクロレンズアレイ2を形成し、マイクロレンズの頂点を、厚さ0.9mmのガラス板9から0.1mm離す。マイクロレンズアレイ2の厚さは760μmで裏面には導波路アレイ4を装着する。導波路アレイ4において、クラッドの屈折率は1.492、吸収係数は220cm−1、コアの屈折率は1.508で、導波路の長さは1mm、各導波路のコアは幅8μm、深さ8μmで、14μmピッチで配置する。導波路の実質的な入射開口角は8度となる。各マイクロレンズに対応する6本の導波路のコア51a〜51fの入射側傾きは基板16の面の垂直方向に対して、各々−1.7度、−1.0度、−0.4度、0.4度、1.0度、1.7度とする。
【0054】
導波路アレイ4の出射側端面38に、レンズ曲率半径180μm、レンズ径250μmおよびピッチ間隔250μmで1列に配列された入射側マイクロレンズアレイ2を形成して装着する。マイクロレンズアレイ2の厚さは760μmで、導波路端面と光電変換素子アレイ5のセンサ面との間の距離を1mmとする。各マイクロレンズに対応する6本の導波路のコア51a〜51fの出射側角度を基板16の垂直方向に対して、各々−1.7度、−1.0度、−0.4度、0.4度、1.0度、1.7度とする。
【0055】
このような入射側と出射側とにマイクロレンズアレイを備えた対称構造によって、導波路出射端の倒立像が光電変換素子アレイ5のセンサ面に結像され、原稿面に対して連続した等倍正立像が形成される。なお入射側と出射側とを全くの対照構造としなくても、マイクロレンズのレンズ曲率半径、レンズ径およびピッチ間隔と、該マイクロレンズに対応する導波路のコアをテーパ状にする角度とを調整して設定すれば、等倍正立像を形成することができる。
【0056】
前記導波路アレイを、本発明の実施の一形態である分解能200dpiのイメージセンサに備え、原稿がガラス面から浮いた場合、マイクロレンズによって結像される導波路入射端の像は、小さくなり、かつボケる。言い換えれば、1つのマイクロレンズに対応する原稿面上の領域が広くなる。このため隣合うマイクロレンズで取込む原稿面上の領域に重なりが生じ、読取り分解能が低下する。しかし導波路アレイを用いたイメージセンサについては、マイクロレンズアレイのみで構成したイメージセンサのように、マイクロレンズに対応しない隣の光電変換素子上に光がかかることはないので、原稿浮きによる解像度の低下は少ない。
【0057】
また光電変換素子アレイ5の1つの光電変換素子が複数の導波路のコアからの出射光を受ける構造としているので、光電変換素子と導波路との位置ずれがあっても解像度を維持することができる。
【0058】
図11は、本発明の実施の他の形態である分解能200dpiのイメージセンサの概略構成を示す正面断面図である。図11は、導波路アレイを変更した点を除いて、図1に示すイメージセンサと全く同じである。図1と同じ構成部分には同じ符号を記した。導波路アレイ80を構成する各導波路は、3本のコア81a〜81cを有し、各コアはストレート形状である。前述のように、入射側マイクロレンズアレイ2および出射側マイクロレンズアレイ3のレンズ径があまり大きくない場合には、コアがストレート形状であっても、前記発明の実施の一形態と同様の効果を得ることができる。
【0059】
図12は、本発明の実施の他の形態である分解能200dpiのイメージセンサの概略構成を示す断面図である。図13は、図12における切断面線XIIIから見た断面図である。支持体18に取付けられて原稿1を照射する光源17と、原稿1に接する透光性の支持板、たとえばガラス板9と、原稿1からの反射光を結像する入射側マイクロレンズアレイ2と、結像された光を伝播する導波路アレイ4と、導波路アレイ4からの出射光を電気信号に変換する光電変換素子アレイ5と、光電変換素子アレイ5を実装する実装基板16とを含む。
【0060】
ガラス板9の厚さは、0.9mmである。入射側マイクロレンズアレイ2は、射出成型によって作製し、レンズ曲率半径180μm、レンズ径250μm、ピッチ250μmで1列に配列されたレンズアレイ2を形成する。マイクロレンズの頂点は、ガラス板9から0.1mm離れている。マイクロレンズアレイ2の厚さは760μmでガラス板9と反対の面には導波路アレイ4が装着されている。各マイクロレンズに対して各々6本の導波路入射端が、対応するマイクロレンズの光軸を中心として左右に3本づつ、14μmのピッチで配置されている。このようなマイクロレンズアレイ2によって、導波路入射端面に縮小倒立像が形成され、導波路アレイ4に入射される。
【0061】
導波路アレイ4は、第1実施形態と同様、クラッド50の屈折率1.492、コア51の屈折率1.508、導波路の長さ1mm、各導波路のコア51は幅8μmおよび深さ8μmである。ただし、クラッド50の吸収係数は220cm-1であり、導波路の実質的な入射開口角は8度となる。導波路の開口角はマイクロレンズの開口角より小さく、さらに各導波路を入射端面に対してテーパ状に形成し、開口角の中心方向がマイクロレンズの中心を通るようにする。これによって、ゴースト像の発生を防止するとともに、マイクロレンズと導波路との位置合わせ精度を緩和する。
【0062】
具体的には、各マイクロレンズに対応する6本の導波路のコア51a〜51fの入射側傾きは基板16の垂直方向に対して、各々−1.7度、−1.0度、−0.4度、0.4度、1.0度および1.7度である。
【0063】
図14は、図12における導波路アレイ4の出射側部分の概略構造を示す断面図である。導波路の出射側における導波路角度を傾けることによって、導波路のコア51fおよび51aをそれぞれ伝播し出射端面38から放射された光89および88は空間で交差し、光電変換素子5bおよび5a上にそれぞれ倒立結像され、原稿1の読取り領域F1に対して、結像領域Gに正立像が形成される。出射側のマイクロレンズを省略することにより、小型化と低コスト化が可能となる。
【0064】
導波路アレイ4は、出射側において、導波路のコアの出射角度を傾けて形成し、出射光88および89を空間で交差させる。本実施形態では、導波路端面38と光電変換素子アレイ5のセンサ面との間の距離を500μm、6本の導波路のコア51a〜51fの出射側角度を基板16の垂直方向に対して、各々−10.1度、−6.2度、−2.1度、2.1度、6.2度および10.1度とした。たとえばコア51fからの出射光89と、コア51aからの出射光88とが空間で交差して、光電変換素子アレイ5上でコア51aから51fへの並びに対して逆順に照射する。これによって、導波路アレイ4の出射光88および89がマイクロレンズなしで、光電変換素子アレイ5のセンサ面上で、導波路入射端面に形成された像の拡大倒立像が形成される。したがってセンサ面の像は、原稿に対して等倍正立像になる。
【0065】
前記導波路においては、導波路のクラッドに光吸収があるので、高次モードの減衰が大きく低次モードのみ出射されることによって光広がりが非常に小さくなる。したがって導波路のコアから出射された光の広がりが大きいことによって像がぼけるということがなく、所望の分解能が得られる。
【0066】
前記導波路アレイを、本発明の実施の他の形態である分解能200dpiのイメージセンサに備え、原稿がガラス面から浮いた場合も、第1実施形態と同様である。すなわち前記導波路アレイを用いたイメージセンサにおいては、マイクロレンズアレイのみで構成したイメージセンサのように、マイクロレンズに対応しない隣の光電変換素子上に光がかかることはないので、原稿浮きによる解像度の低下は少ない。
【0067】
さらに第1実施形態と同様、光電変換素子アレイ5の1つの光電変換素子が導波路の複数のコアからの出射光を受ける構造としているので、光電変換素子と導波路との位置ずれがあっても解像度を維持することができる。
【0068】
図15は、本発明の実施のまた他の形態である分解能200dpiのイメージセンサの概略構成を示す断面図である。図16は、図15における切断面線XVIからみた断面図である。支持体18に取付けられて原稿1を照射する光源17と、原稿1に接する透光性支持板、たとえばガラス板9と、原稿1からの反射光を入力する導波路アレイ99と、導波路アレイ99からの出射光を受光して電気信号に変換する光電変換素子アレイ5と、光電変換素子アレイ5を実装する基板16とを含む。
【0069】
図17は、図15における導波路アレイ99への反射光の入射および出射を示す概略断面図である。クラッド90の吸収をより大きくし、導波路の実質的な入射開口角を狭めることにより、出射側マイクロレンズアレイだけでなく、入射側マイクロレンズアレイも省略することができる。さらなる小型化と低コスト化が可能となる。
【0070】
前記導波路アレイ99は、クラッド90の屈折率1.492、クラッド90の吸収係数2200cm-1、コア91の屈折率1.508、導波路の長さ1mmで、幅8μmおよび深さ8μmの直線導波路のコア91が14μmピッチで並ぶ導波路パターンの構造を有する。導波路アレイ99において、クラッド90の持つ吸収のため高次モードの導波成分は吸収されて減衰するので、導波路の実質的な入射開口角θ91は狭まり、約2度となり、導波路の出力側の出射角θ92は約1度である。ちなみにクラッド90およびコア91が透明な場合に入射角度を2度以下にするには、屈折率差を10-3以下にする必要があり、製造が困難である。
【0071】
前記導波路アレイが、分解能200dpiのイメージセンサに備えられ、導波路入力端と原稿1との距離Dが約1mmである場合、1つの導波路に入力する原稿領域は約70μm径である。なおガラス板9の厚さは0.9mmである。導波路出力端と光電変換素子アレイ5との距離Lは500μmであり、1つの導波路からの出射光92の光電変換素子上での広がりは約20μm径である。原稿がガラス面から1mm浮いても1つの導波路に入力する原稿領域は140μm径であり、200dpiの分解能を有するので、本の折目近くに書かれた文字も読取ることができる。
【0072】
また光電変換素子アレイ5の1つの光電変換素子が導波路の複数のコア91の出射光を受ける構造としているので、光電変換素子と導波路との位置ずれがあっても解像度を維持することができる。
【0073】
(導波路の製造方法)
図18は、図1における導波路アレイ4の作製工程を示す工程図である。成型基板50には、カーボンなどの光吸収材料を含むアクリル樹脂成型基板を用いる。(a)のように、成型基板50の表面には、導波路コア形成のための直線溝が14μmピッチで平行に複数形成され、成型基板50が導波路の下部および側面のクラッドとなる。(b)のように、成型基板50にコア形成のための透明紫外線重合材料53を塗布によって溝に充填する。透明紫外線重合材料53としては、アクリレート系モノマー材料などを用いることができる。溝以外にはみ出した紫外線重合材料53は、(c)のように掻取り器56を用いてスキージにて除去する。(d)のように、スキージ後の成型基板50に紫外線を照射してコア51を硬化させる。上部クラッドは、コア51を硬化させた後の成型基板50上に、(e)のように光吸収材料を含んだ熱重合材料54を薄く塗布し、さらに図11(a)〜(d)と同様にしてコア形成した導波路基板を張合わせて加熱することによって熱重合材料54を硬化させて形成する。熱重合材料54としては、カーボン微粒子、色素などの光吸収材料を含んだアクリレート系モノマー材料などを用いることができる。これによりコアが図2において示す副走査方向Eに2列形成される。
【0074】
クラッド部12となるクラッド材料塗布膜の厚みと、該クラッド材料塗布膜に含ませる光吸収材料の濃度は、塗布面に垂直に入射した紫外線が硬化に充分な強度で透過できるように調整する。
【0075】
図19は、本発明のイメージセンサに用いる導波路アレイの他の例の断面構造を示す断面図である。図18(a)〜(d)と同様にしてコア51を硬化させた後の成型基板50上に、上部クラッドとなる光吸収材料を含む熱重合材料である熱硬化樹脂55を塗布し、さらに不透明樹脂板である黒色上板58を張合わせ硬化接着させる構造も可能である。黒色上板58としては、アクリルにカーボンを混合した成型基板などを用いることができる。熱硬化樹脂55および黒色上板58もクラッドを構成するクラッド部である。
【0076】
図20は、本発明のイメージセンサに用いる導波路アレイのさらに他の例の断面構造を示す断面図である。2P法とスキージ法とを組合わせて積層した導波路アレイ構造である。図21は、図20に示す導波路アレイの作製工程を示す工程図である。(a)のように導波路溝の型形状を表面に形成したガラス板153上に、可視光吸収材料を含んだ紫外線硬化樹脂154を塗布し、(b)のように上からクラッド部となる2P製造用黒色基板150を被せて加圧し、紫外線照射して重合させクラッド152を形成する。ついで(c)のようにガラス板58を離型し、(d)のようにクラッド50の溝に透明紫外線硬化樹脂156を塗布し、(e)のように掻取り器56を用いてスキージにて余分な透明紫外線硬化樹脂156を掃出し、(f)のように透明紫外線硬化樹脂156に紫外線を照射して硬化させコア151にする。(a)〜(f)の工程によって第1層の導波路アレイが形成される。さらに(a)の工程と同様にしてガラス板153上に塗布された紫外線硬化樹脂156の上から、第1層の導波路アレイが形成された基板を被せて加圧し、紫外線照射して重合させて2層目のクラッド152を形成する。以降(g)および(c)〜(f)の工程を繰返して導波路アレイの3次元積層構造を作製する。
【0077】
以上のようにして、ファイバを黒色樹脂に埋込むような従来の方法に比べて、高密度に導波路アレイ、特に3次元積層構造の導波路アレイを形成することができる。3次元積層構造の導波路において、クロストークなしに原稿像を光電変換素子アレイへ投影することができ、分解能を上げて読取り深度を深くすることができる。
【0078】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、導波路アレイをイメージセンサの読取り光学系として用いることによって、導波路へ結像する光の入射角度が制限されることを利用してクロストークなしに原稿像を光電変換素子アレイへ投影することができる。クラッドに吸収を持たせたので、導波路へ結合しない光はクラッドで吸収される。ファイバを黒色樹脂に埋込むような従来の構造に比べてクラッド自体に吸収がある場合は、高次モードの光ほど減衰が大きくなるので、実質的な開口角が狭まり、分解能を上げ、読取り深度を深くすることができる。
【0079】
本発明によれば、導波路アレイをイメージセンサの読取り光学系として用い、マイクロレンズを入射側のみ採用することによって、導波路へ結像する光の入射角度が制限されることを利用してクロストークなしに原稿像を光電変換素子アレイへ投影することができるだけでなく、構造の小型化を図れる。クラッドに吸収を持たせたので、導波路へ結合しない光はクラッドで吸収される。ファイバを黒色樹脂に埋込むような従来の構造に比べてクラッド自体に吸収がある場合は、高次モードの光ほど減衰が大きくなるので、実質的な開口角が狭まり、分解能を上げ、読取り深度を深くすることができる。
【0082】
また本発明によれば、ゴースト像の発生を防ぐことができる。
また本発明によれば、1つの導波路へは1つの入射側レンズからの光のみが入射するので、導波路からの出射光が対応する受光素子である光電変換素子面上に照射されれば、導波路の開口角を狭めることなくゴースト像の発生を防ぐことができる。
【0083】
また本発明によれば、1つの導波路へは1つの入射側レンズからの光のみが入射し、1つの導波路からの光は1つの出射側レンズにのみに照射するので、原稿像とセンサ位置が1対1に対応する。これによって、ゴースト像の発生を防ぐことができる。また1つの導波路セット内の導波を平行に設ける場合には、各導波路における開口角の広がりは、端部の導波路ほどマイクロレンズ辺縁部を通る。各導波路を平行に配置したまま、端部の導波路における開口角の広がりをレンズ表面領域内に納めるためにはレンズの開口角が制限されて暗くなり、レンズと導波路との位置精度を高める必要が生じる。各導波路における開口角の中心がレンズの中心を通るように、各導波路を傾けると、1つのマイクロレンズに対応する導波路のマイクロレンズ位置での集光領域が一致するので、導波路の開口角を大きく取れ、位置合わせ精度を緩和することができる。
【0084】
また本発明によれば、導波路アレイと光電変換素子アレイとの位置合わせ精度を緩和することができる。
【0085】
また本発明によれば、3次元積層構造の導波路において、クロストークなしに原稿像を光電変換素子アレイへ投影することができ、分解能を上げて読取り深度を深くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である分解能200dpiのイメージセンサの概略構成を示す断面図である。
【図2】図1における切断面線IIから見た断面図である。
【図3】図1における導波路アレイ4の入射側を拡大して示す断面図である。
【図4】図1における導波路アレイ4の断面構造を示す断面図である。
【図5】図5(a)は、図1に示すイメージセンサの一部の概略構造を示す断面図である。図5(b)は、図5(a)における導波路アレイ4の形状を変えた構造を示す断面図である。
【図6】図6(a)は、導波路のコアの数が光電変換素子である受光セルの数の3倍である場合の位置ずれによる解像度への影響を示す説明図である。図6(b)は、導波路のコアの数が光電変換素子である受光セルの数と等しい場合の位置ずれによる解像度への影響を示す説明図である。
【図7】図3に示す導波路アレイ4の一部を拡大して示す拡大図である。
【図8】強度に対する導波路の出射角度を説明するためのグラフである。
【図9】導波路における透過率の入射角度依存性を説明するためのグラフである。
【図10】本発明の導波路アレイを備えた場合における原稿浮きによる画像への影響を示すイメージセンサの断面図である。
【図11】本発明の実施の他の形態である分解能200dpiのイメージセンサの概略構成を示す断面図である。
【図12】本発明の実施の他の形態である分解能200dpiのイメージセンサの概略構成を示す断面図である。
【図13】図12における切断面線XIIIから見た断面図である。
【図14】図12における導波路アレイ4の出射側部分の概略構造を示す断面図である。
【図15】本発明の実施のまた他の形態である分解能200dpiのイメージセンサの概略構成を示す断面図である。
【図16】図15における切断面線XVIからみた断面図である。
【図17】図15における導波路アレイ99への反射光の入射および出射のようすを示す断面図である。
【図18】図1における導波路アレイ4の作製工程を示す工程図である。
【図19】本発明のイメージセンサに用いる導波路アレイの他の例の断面の構造を示す断面図である。
【図20】本発明のイメージセンサに用いる導波路アレイのさらに他の例の断面の構造を示す断面図である。
【図21】図20に示す導波路アレイの作製工程を示す工程図である。
【図22】従来のマイクロレンズアレイ光学系の構造を示す断面図である。
【図23】従来のアパーチャ6を備えたマイクロレンズアレイ光学系の構造を示す断面図である。
【図24】従来のアパーチャを備えたその他のマイクロレンズアレイ光学系の構造を示す断面図である。
【図25】従来のアパーチャ6を用いた場合における原稿浮きによる画像への影響を示すイメージセンサの断面図である。
【符号の説明】
1 原稿
2 入射側マイクロレンズアレイ
3 出射側マイクロレンズアレイ
4 導波路アレイ
5 光電変換素子アレイ
9 ガラス板
16 実装基板
17 光源

Claims (7)

  1. 被写体である原稿を光照射するライン状光源と、
    主走査方向に配置され、光照射による原稿からの反射光を結像する複数の入射側マイクロレンズを備える第1のマイクロレンズアレイと、
    各入射側マイクロレンズごとにそれぞれ対応して主走査方向に配置される複数の導波路セットで構成され、各導波路セットには入射側マイクロレンズによる結像光を入射し伝播させて出射する複数の導波路が主走査方向に間隔をあけて配置され、複数の導波路のコアが光を吸収する材料を含むクラッドに保持されてなる複数の導波路セットによって構成される導波路アレイと、
    各導波路セットごとにそれぞれ備えられ、前記コアからの出射光を結像する複数の出射側マイクロレンズを備える第2のマイクロレンズアレイと、
    各出射側マイクロレンズごとにそれぞれ備えられ、出射側マイクロレンズによる結像光を電気信号に変換する複数の受光素子を備える受光素子アレイとを含むことを特徴とするイメージセンサ。
  2. 被写体である原稿を光照射するライン状光源と、
    主走査方向に配置され、光照射による原稿からの反射光を結像する複数の入射側マイクロレンズを備える入射側マイクロレンズアレイと、
    各入射側マイクロレンズごとにそれぞれ対応して主走査方向に配置される複数の導波路セットで構成され、各導波路セットには入射側マイクロレンズによる結像光を入射し伝播させて出射する複数の導波路が主走査方向に間隔をあけて配置され、複数の導波路のコアが光を吸収する材料を含むクラッドに保持されてなる複数の導波路セットによって構成される導波路アレイであって、各導波路セット内の各導波路から出射される光は、それぞれ異なる出射角度で出射され、クロスして受光素子上に、各導波路の並びと逆順に照射されるように、傾けられている導波路アレイと、
    各導波路セットごとにそれぞれ備えられ、導波路セットからの出射光を電気信号に変換する複数の受光素子を備える受光素子アレイとを含むことを特徴とするイメージセンサ。
  3. 前記導波路アレイにおける各導波路セット内の導波路の入射開口角の広がりが、対応する入射側マイクロレンズ表面領域内に収まるように形成されていることを特徴とする請求項1または2記載のイメージセンサ。
  4. 前記導波路アレイにおける各導波路セット内の導波路の入射開口角の広がりが、対応する入射側マイクロレンズ表面領域内に収まるように、導波路が、入射側において傾斜されてテーパ状に広げられることを特徴とする請求項2記載のイメージセンサ。
  5. 前記導波路アレイにおける各導波路セット内の導波路の入射開放角の広がりが、対応する入射側マイクロレンズ表面領域内に収まるように、導波路が、入射側において傾斜されてテーパ状に広げられ、かつ、前記導波路の出射光が、対応する出射側マイクロレンズ表面領域内に収まるように、導波路が、出射側において傾斜されて逆テーパ状に狭められることを特徴とする請求項1記載のイメージセンサ。
  6. 前記受光素子アレイにおける各受光素子が、各導波路セット内の複数の導波路から光を受ける1つの受光素子であることを特徴とする請求項1または2記載のイメージセンサ。
  7. 前記導波路アレイが副走査方向に複数列備えられていることを特徴とする請求項1または2記載のイメージセンサ。
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