JP3695896B2 - 液体燃料燃焼装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、石油ファンヒータ等の開放式の液体燃料燃焼機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の液体燃料燃焼機器では、点火時や消火時に未燃焼ガスによる臭いの発生が見られることから、点火時や消火時における燃焼状態を制御して、前述した未燃焼ガスの発生を極力抑制することが試みられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような未燃焼ガスの発生の抑制制御は、燃焼用送風機を強制的に減速したりあるいは停止させるといった、通常の運転とは異なる運転によって行なっていることから、使用者において、その運転状態を異常運転と誤認してしまうことが想定される。
【0004】
また、消火時における未燃焼ガス発生の抑制制御中において再点火操作を行なった場合、あるいは、点火時における未燃焼ガス発生の抑制制御中において消火操作を行なった場合、未燃焼ガス発生の抑制制御中において通常運転モードへ移行してしまい、前述した未燃焼ガス発生の抑制制御が崩れて、臭い低減の安定化が損なわれる場合がある。
【0005】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、未燃焼ガス発生の抑制制御中における運転状態の誤認を回避し、また、未燃焼ガス発生の抑制制御を安定して行なうことのできる液体燃料燃焼機器を提供するものである。
【0006】
【0007】
【0008】
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の液体燃料燃焼機器は、点火時に、未燃焼ガスの低減を図るようにした液体燃料燃焼機器において、前記未燃焼ガスの低減制御を行なう制御手段と、前記未燃焼ガスの低減制御が動作中であることを表示する表示手段とを備え、前記制御手段が、前記未燃焼ガスの低減制御が動作中である場合に、消火処理を保留状態に保持するようになされているものである。
【0010】
さらに、本発明の請求項2に記載の液体燃料燃焼機器は、請求項1において、前記消火処理の保留を一定時間保持するようになされているものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、本実施形態が適用された石油ファンヒータを示し、この図に符号Hで示す石油ファンヒータは、その本体を構成する外装ケース1と、この外装ケース1の前方略中央部に設けられた吹き出し口2と、前記外装ケース1の上部側方に設けられ、図示しない燃料用カートリッジタンクの脱着をなす開閉自在な蓋体3と、前記外装ケース1の上部前方に設けられ、石油ファンヒータHの動作を設定するためのスイッチ等の操作手段およびランプや液晶等の表示手段を備えた操作パネル4とを備え、この操作パネル4の直下には、操作基盤や制御基盤が配設され、これらの基盤上に後述する制御装置5が設けられ、また、前記外装ケース1の内部には、燃焼装置、燃焼用送風機、あるいは、対流用送風機等の諸機器が設置されている。
【0013】
さらに詳述すれば、前記操作パネル4には、図2に示すように、運転を開始させるための運転入りスイッチ6、運転を停止させるための運転切りスイッチ7およびその他のスイッチ8が設けられているとともに、運転状態や運転条件等の表示を行なう表示器9が設けられており、この表示器9には、石油ファンヒータHの運転が、未燃焼ガスの発生を抑制する制御状態にあることを表示する消臭表示部9aが設けられている。
【0014】
前記制御装置5は、石油ファンヒータHの制御の主構成要素である制御手段10を備え、この制御手段10は、記憶手段としてのROMやRAMを備えたマイクロコンピュータで構成され、入力信号に基づいて各種負荷の動作を制御するための制御信号を出力するもので、随時書き込み可能な記憶手段としてのEEPROM11が接続されている。
【0015】
また、前記制御手段10の入力側には、図3に示すように、操作パネル4に設けられた各種スイッチ6〜8および石油ファンヒータHの適所に設置された各種センサ12〜16が接続され、また、出力側には、表示器9、バーナに内蔵された気化ヒータ17、点火装置としての点火プラグ18、燃料タンクからバーナに燃料を供給する電磁ポンプ19、前記バーナに燃焼用空気を供給する燃焼用送風機20、および、外気を外装ケース1内に吸い込んで前記バーナにおいて発生した燃焼ガスとの熱交換を行なわせた後に、前記吹き出し口2から外部へ排出する対流用送風機21が接続されている。
【0016】
前記各種センサとしては、バーナの下部に設けられ、バーナの温度を検出するバーナサーミスタ16、バーナヘッドに炎が形成されたこと、すなわち、着火とバーナヘッドに形成される炎の状態を検出するフレームセンサ15、前記燃焼用送風機20の回転数を検出する回転数センサ14、燃料タンク内に貯留されている燃料の所定レベル以上の残りの有無を検出する液面センサ13、前記外装ケース1内に吸い込んだ外気(すなわち室内空気)の温度を検出する室温センサ12等が挙げられる。
【0017】
このように構成された本実施形態に係わる石油ファンヒータHの各種動作処理について以下に説明する。
【0018】
まず、運転入りスイッチ6をONして運転開始を指示すると、運転ランプが点灯されるか前記表示器9において運転モードが文字表示され、また、前記気化ヒータ17への通電が開始されて、この気化ヒータ17により、バーナを構成する気化器が加熱されるとともに、この気化器の温度がバーナサーミスタ16によって検出され、この気化器の温度が点火動作に適した温度に至った時点で、燃焼用送風機20が駆動されて、前記バーナに燃焼用空気が送り込まれる。
【0019】
ついで、制御手段10において、前記回転数センサ14からの検出信号に基づいて、前記燃焼用送風機20の回転数が規定の回転数に至ったかの判断がなされ、規定の回転数に至ったことを条件として点火プラグ18へ駆動信号が出力されて点火動作が行なわれるとともに、電磁ポンプ19へ駆動信号が出力されて、この電磁ポンプ19が点火動作特有の燃料供給量となるように駆動されることにより、前記燃料が着火され、この着火の確認と正常燃焼の確認が、前記フレームセンサ15に流れるフレーム電流に基づいて行なわれる。
【0020】
そして、前記燃焼用送風機20は、設定時間経過毎にその風量を増加させて、所定時間経過後に通常の風量となされるとともに、前記電磁ポンプ19の駆動時を起点として、この起点から所定時間経過後に前記対流用送風機21が駆動されることにより、室内空気が前記燃焼ガスに接触させられて加熱された後に室内へ戻されて、室内の暖房が行なわれる。
【0021】
このような点火動作に際して、その初期段階において対流用送風機21が停止させられていることから、燃料と空気の混合気は、従来よりも噴出速度が遅くなることはもとより、この混合気に対する対流用の風による影響がなくなり、これによって、前記混合気の流れが安定して、着火が円滑に行なわれるとともに、飛び火等の現象が抑制されて未燃焼ガスの発生が抑制される。
【0022】
したがって、点火動作中における臭いの発生が抑制される。
【0023】
さらに、運転切りスイッチ7が操作されて消火動作が開始されると、前記電磁ポンプ19の動作が停止されて所定時間経過後に燃焼用送風機20や対流用送風機21の駆動が停止ないしは減速させられる。
【0024】
これによって、消火動作時における失火寸前の混合気の濃度が燃えやすい状態に保持されるとともに、対流用の風によって炎が煽られることが防止されて、残存する燃料の殆どが燃焼させられることとなって、未燃焼ガスの発生が抑制されるとともに、臭いの発生が抑制される。
【0025】
一方、本実施形態においては、前述した点火制御時にあるいは消火制御時において、特殊な処理を行なうように設定されている。
【0026】
すなわち、点火制御時においては、図4(B)のフローチャートに示すように、点火制御が開始されると、ステップS1において点火信号の有無が確認され、点火信号があると判断されたことを条件として、ステップS2へ移行して点火制御が開始された後に、次のステップS3へ移行する。
【0027】
このステップS3においては、前記制御手段10から表示部9へ駆動信号が出力されて、この表示部9に設けられている消臭表示部9aが点灯させられて、現在の運転状態が、消臭制御状態にあることが報知される。
【0028】
このような消臭表示部9aにおける表示が行なわれた後に、次のステップS4において、消臭表示時間がセットされてステップS5へ移行し、消火信号が入ったか否かの判断がなされ、消火信号が入っている場合には、ステップS6において前記消火信号の入力が記憶された後にステップS7へ移行し、消火信号が入っていないと判断された場合には、直接ステップS7へ移行する。
【0029】
このステップS7においては、前記ステップS4においてセットされた消臭表示時間が経過したか否かの判断がなされ、経過していないと判断された場合には、前記ステップS5以降の処理へ移行し、経過したと判断された場合には、次のステップS8へ移行して前記消臭表示部9aに表示が消灯された後に、ステップS9へ移行する。
【0030】
このステップS9へ移行すると、点火制御が終了させられた後にステップS10へ移行して、消火信号が記憶されているかの判断がなされて、ないと判断された場合にはメインルーチンへ戻り、あると判断された場合には、ステップS11へ移行して、消火制御が行なわれた後にメインルーチンへ戻る。
【0031】
このように、本実施形態においては、点火制御が開始されると、図5(B)にも示すように、表示器9における消臭表示部9aが点灯されることにより、使用者において、この表示を視認することにより、通常運転とは異なる状態で運転されている点火制御時の運転が、異常ではないことが認知される。
【0032】
また、前述した点火制御時に、運転停止の操作を行なった場合においても、点火制御が完了するまでのB時間は、運転停止の動作へ移行することが阻止される。
【0033】
この結果、特殊な運転状態で運転されている点火制御の制御条件が、この点火制御が完了するまで維持され、この点からも未燃焼ガスの発生、すなわち、臭いの発生が抑制される。
【0034】
また、消火制御時においては、図4(A)のフローチャートに示すように、消火制御が開始されると、ステップS20における通常の燃焼制御から、ステップS21へ移行して消火信号の有無が確認され、消火信号があると判断されたことを条件として、ステップS22へ移行して消火制御が開始された後に、次のステップS23へ移行する。
【0035】
このステップS23においては、前記制御手段10から表示部9へ駆動信号が出力されて、この表示部9に設けられている消臭表示部9aが点灯させられて、現在の運転状態が、消臭制御状態にあることが報知される。
【0036】
このような消臭表示部9aにおける表示が行なわれた後に、次のステップS24において、消臭表示時間がセットされてステップS25へ移行し、再運転信号が入ったか否かの判断がなされ、再運転信号が入っている場合には、ステップS26において前記再運転信号の入力が記憶された後にステップS27へ移行し、再運転信号が入っていないと判断された場合には、直接ステップS27へ移行する。
【0037】
このステップS27においては、前記ステップS24においてセットされた消臭表示時間が経過したか否かの判断がなされ、経過していないと判断された場合には、前記ステップS25以降の処理へ移行し、経過したと判断された場合には、次のステップS28へ移行して前記消臭表示部9aに表示が消灯された後に、ステップS29へ移行する。
【0038】
このステップS29へ移行すると、消火制御が終了させられた後にステップS30へ移行して、再運転信号が記憶されているかの判断がなされて、ないと判断された場合にはメインルーチンへ戻り、あると判断された場合には、ステップS31へ移行して、再運転が開始された後にメインルーチンへ戻る。
【0039】
このように、本実施形態においては、消火制御が開始されると、図5(A)にも示すように、表示器9における消臭表示部9aが点灯されることにより、使用者において、この表示を視認することにより、通常運転とは異なる状態で運転されている消火制御時の運転が異常ではないことが認知される。
【0040】
また、前述した消火制御時に、再運転の操作を行なった場合においても、消火制御が完了するまでのA時間は、運転の再開が阻止される。
【0041】
この結果、特殊な運転状態で運転されている消火制御の制御条件が、この消火制御が完了するまで維持され、この点からも未燃焼ガスの発生、すなわち、臭いの発生が抑制される。
【0042】
なお、前記実施形態において示した各構成部材の諸形状や寸法等は一例であって設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【発明の効果】
本発明の請求項1に記載の液体燃料燃焼機器によれば、点火時における未燃焼ガスの低減制御中において、消火処理の操作がなされても、その操作を保留状態に保持することにより、未燃焼ガスの低減制御の制御条件を維持することができ、これによって、未燃焼ガスの発生すなわち臭いの発生を抑制することができる。
【0047】
また、本発明の請求項2に記載の液体燃料燃焼機器によれば、請求項1における消火処理操作の保留を一定時間保持するようにしたことにより、未燃焼ガスの発生すなわち臭いの発生を極力抑えつつ、消火処理の開始までの時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係わる液体燃料燃焼機器が適用された石油ファンヒータの外観図である。
【図2】 本発明の一実施形態に係わる液体燃料燃焼機器が適用された石油ファンヒータに設けられた操作パネルを示す平面図である。
【図3】 本発明の一実施形態に係わる液体燃料燃焼機器が適用された石油ファンヒータの主構成要素のブロック図である。
【図4】 本発明の一実施形態に係わる液体燃料燃焼機器が適用された石油ファンヒータにおける制御手段の制御動作を示すフローチャートである。
【図5】 本発明の一実施形態に係わる液体燃料燃焼機器が適用された石油ファンヒータにおける制御手段の制御動作を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
9 表示器
9a 消臭表示器(表示手段)
10 制御手段
H 石油ファンヒータ

Claims (2)

  1. 点火時に、未燃焼ガスの低減を図るようにした液体燃料燃焼機器において、前記未燃焼ガスの低減制御を行なう制御手段と、前記未燃焼ガスの低減制御が動作中であることを表示する表示手段とを備え、前記制御手段が、前記未燃焼ガスの低減制御が動作中である場合に、消火処理を保留状態に保持するようになされていることを特徴とする液体燃料燃焼機器。
  2. 前記消火処理の保留を一定時間保持するようになされていることを特徴とする請求項1に記載の液体燃料燃焼機器。
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