JP3634559B2 - 温風暖房機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体燃料を気化器で気化して燃焼させる開放燃焼式の石油ファンヒータなどの温風暖房機に関し、特に、消火時における温風暖房機の燃料供給装置および送風機の制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の温風暖房機の消火動作の制御としては、特開平2−197760号公報に開示されたように、燃焼停止操作時には、燃料供給装置(詳しくは電磁ポンプ)の動作状態如何に関係なく、即座に液体燃料の供給を停止するようにしたものが一般的である。特に、上記公報に開示された暖房機によれば、液体燃料の供給停止と同時に燃焼用空気を微弱風量に固定することで、バーナの残熱によって燃料供給装置(詳しくは、ノズル)を加熱してその温度を高め、燃料を滴下しやすくしている。
【0003】
また、特開平6−94235号公報には、燃焼用空気と気化燃料との混合ガスの燃え残りを少なくして消火時の臭気を低減すべく、燃焼用空気の減少速度を燃料の減少速度に近づけたり、燃料が規定量に減少した時点で燃焼用空気の供給を停止したりする技術が開示されている。
【0004】
しかしながら、上記制御形態であっても、消火時には混合ガスの未燃分(以下未燃ガスという)は発生しており、この未燃ガスが液体燃料燃焼装置の機体外に放出されて、使用者に臭いとなって感じられることがわかっている。
【0005】
この未燃ガスの量は、温風暖房機の燃焼部の構造や消火動作の制御シーケンス、具体例を挙げれば、バーヘッドの構造・バーナヘッドや気化部の温度・混合ガスの混合比(空燃比)・混合ガスのスピード・燃焼量などのいろいろな要因によって変化すると考えられる。
【0006】
そこで、消火動作が指示された消火時における未燃ガスの発生を出来るだけ少なくするために、燃料供給送装置(特にポンプ)を停止してから対流用送風機および燃焼用送風機にブレーキをかける時期を適宜制御することで、炎が無くなる前、すなわち、失火寸前の混合ガスの濃度を燃えやすい適切な状態に調整して未燃ガスの発生を抑制した温風暖房機が考えられる。
【0007】
係る制御形態であれば、消火時に気化器から炎形成部にかけての空間に滞留した混合ガスを燃やし切ることが可能となり、従来のように飛び火(炎のリフティング)現象の後に失火し、未燃ガスが機外に排出されるといった問題が解消され、消火時の臭いを抑制することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような温風暖房機における消火動作の制御シーケンスでは、液体燃料供給装置を停止した後、対流用送風機と燃焼用送風機を同時に停止し、それぞれの送風機が惰性によって徐々に回転数が減少するように制御されているため、消火動作の開始初期時においては、この対流用送風機によるまだ衰えない通常時に近い風力(対流用空気)が、燃焼用送風機の停止により減少されていく混合ガスに悪影響して消火直前の弱々しい炎を吹き消し、未燃ガスを排出させるといった問題が残されていた。
【0009】
本発明は、上記問題を解消するために成されたものであって、消火動作の開始時には、まず、対流用送風機の回転数を所定値に低下して対流用空気の風力を弱くし、その後に燃焼用送風機を減速させることで、対流用空気の消火直前の混合ガスへの悪影響を無くし、安定した消火動作を実現した温風暖房機を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
即ち、請求項1に記載の本発明では、交互に供給されるオン信号とオフ信号に基づいて動作する燃料供給装置で供給された液体燃料を気化器で気化し、この気化ガスを燃焼用送風機からの燃焼用空気と混合し、この混合ガスを炎形成部にて点火装置で点火して燃焼させ、この燃焼ガスを温風として対流用送風機で室内に排出して暖房を行う温風暖房機において、運転切スイッチによる消火操作時には、前記対流用送風機への駆動信号を停止し、この対流用送風機の回転数が所定値に低下した後、前記燃料供給装置へのオフ信号供給に合わせて前記燃焼用送風機への駆動信号を停止し、この燃焼用送風機への駆動信号の停止から所定時間後に燃焼用送風機を減速制御する減速信号を一定時間だけ出力する制御装置を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、請求項2に記載の本発明では、交互に供給されるオン信号とオフ信号に基づいて動作する燃料供給装置で供給された液体燃料を気化器で気化し、この気化ガスを燃焼用送風機からの燃焼用空気と混合し、この混合ガスを炎形成部にて点火装置で点火して燃焼させ、この燃焼ガスを温風として対流用送風機で室内に排出して暖房を行う温風暖房機において、運転切スイッチによる消火操作時には、前記対流用送風機への駆動信号を停止し、この対流用送風機の回転数が所定値に低下した後、前記燃料供給装置へのオフ信号供給に合わせて前記燃焼用送風機への駆動信号を停止し、この燃焼用送風機への駆動信号の停止から所定時間後に燃焼用送風機を減速制御する減速信号を出力し、且つ対流用送風機および燃焼用送風機が停止しない内に対流用送風機および燃焼用送風機の駆動信号をそれぞれ出力する制御装置を備えたことを特徴とする。
【0012】
さらに、請求項3に記載の本発明では、温風暖房機に何らかの異常が発生したことを検出した場合には、制御装置は即座に消火動作に移行させることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図1乃至図5に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態を示す温風暖房機として石油ファンヒータの全体構成を示す概略の斜視図、図2は同じく液体燃料供給装置、燃焼用送風機および対流用送風機を制御する制御手段を中心とする制御装置のブロック回路図、図3は前記制御手段の制御動作の概略を示すフローチャート、図4は図3の消火動作シーケンスの概略を示す本発明の主要なフローチャート、図5は図4の消火シーケンスにおける信号処理の概略を示すタイムチャートである。
【0014】
図1において、1は石油ファンヒータHの本体を構成する外装ケース、2は温風を吹き出す吹出口であり、外装ケース1内におけるこの吹出口2の後方には図示しない燃焼室、燃焼用送風機ならびに対流用送風機などがある。
【0015】
尚、ここでいう燃焼室には、燃料タンクから気化器および気化器の上部に位置した炎形成部としてのバーナヘッド(これらを総称してバーナもしくは燃焼部という)に燃料を供給するための電磁ポンプおよび燃料吐出ノズルを含む液体燃料供給装置、点火装置としての点火プラグ(イグナイタ)、バーナヘッドに形成される炎の状態を検出する着火および炎検出装置としてのフレームセンサおよび気化器に内蔵された気化ヒータ等で構成される燃焼装置が配置されている。
【0016】
3は図示しない燃料タンクに対して着脱自在にセットされるカートリッジタンクを出し入れするための開閉自在の蓋体、4は後述する制御手段による石油ファンヒータHの動作を指示するためのスイッチなどの操作手段およびランプや液晶などの表示手段を配置した操作部としての操作パネルであって、外装ケース1の上面に設けられる。
【0017】
ここで、石油ファンヒータHの背面下部には操作パネル4の真下に配置した操作基板や制御基板上に搭載された制御装置10や燃焼装置、燃焼用送風機ならびに対流用送風機などの電機部品に電源を供給するための電源コードが配線されており、電源コードのプラグをコンセントに差し込めば、少なくとも制御装置10には電源が供給されるようになっており、プラグをコンセントに差し込む操作のことを運転スイッチオン操作と区別して電源投入という。
【0018】
次に、図2に基づいて点火装置、液体燃料供給装置、燃焼用送風機ならびに対流用送風機を制御する制御手段11を中心とする制御装置10の概略構成を説明する。
【0019】
図2中、10は本発明の主体的構成要素である制御手段11を中心とする制御装置であり、制御手段11はタイマや記憶手段としてのROMやRAMを備えるマイクロコンピュータで構成されている。制御手段11は、入力信号に基づいて各種負荷の動作を制御するための制御信号を出力するもので、12はこの制御手段11に信号線で接続された随時書き込み可能な記憶手段としてのEEPROMである。なお、図2ではEEPROMを制御手段11と別体であるかの如く表現しているが、これは別体に限定されるものではなく、EEPROMを制御手段11に組み込んでも構わない。
【0020】
この制御手段11の入力側には、操作パネル4に設けられた各種スイッチ13乃至15および適所に設置された各種センサ16乃至20が接続され、制御手段11の出力側には電機部品すなわちバーナ(詳しくは気化器)に内蔵された気化ヒータ21、点火装置としての点火プラグ(イグナイタ)22、燃料タンクからバーナ(燃焼部)に燃料を供給するための燃料供給装置の一部を構成する電磁ポンプ23、燃焼部に燃焼用空気を供給する燃焼用送風機24および外気を外装ケース1内に吸い込み、燃焼室で発生した燃焼ガスと熱交換して吹出口2へ供給する対流用送風機25が接続されている。
【0021】
制御手段11の入力側に接続される各種スイッチとしては、石油ファンヒータHの運転開始および燃焼時間の延長を指示する運転入スイッチ13、運転の停止を指示する運転切スイッチ14および秒速点火やタイマなどその他の機能を指示するその他のスイッチ15がある。
【0022】
なお、本実施形態では、運転切スイッチ14に対して消火動作時の電磁ポンプ23および燃焼用送風機24のそれぞれの運転を制御して未燃ガスの発生を抑制制御する機能を持たせている。その具体例としては、運転スイッチ14とは別に単独で他のスイッチを設けても良いが、操作パネルのスイッチを少なくする上で兼用することが好ましいことに加え、運転を停止する時には常時この制御形態で消火動作を行うようにする方が温風暖房機としての機能が充実する。
【0023】
各種センサとしては、バーナ(詳しくは気化器)の下部に設けられたバーナの温度を検出するバーナサーミスタ16、バーナヘッドに炎が形成されたこと、すなわち、着火とバーナヘッドに形成される炎の状態を検出する炎検出装置としてのフレームセンサ17、燃焼用送風機24や対流用送風機25の回転数を検出する回転数センサ18、燃料タンク内に貯留される灯油などの液体燃料の所定レベル以上の残り有無を検出する液面センサ19、および図示しない吸込口近傍に設けられた外装ケース1内に吸込んだ外気(すなわち室内空気)の温度を検出する室温センサ20がある。
【0024】
以上の構成により、図3乃至図5に基づき、制御手段11の各動作処理について説明する。
【0025】
先ず、ステップS1で運転スイッチ13をオンして運転開始を指示すると、ステップS2で運転ランプを点灯させるか液晶表示部の運転モードの文字を表示させ、ステップS3で気化ヒータ(例えばシーズヒータ)21に通電を開始し、ステップS4で気化器(詳しくはバーナボディ)の温度が点火動作に適した温度(例えば250〜270℃の温度帯)か否かが判断され、適温に達するまで気化ヒ−タ21の通電制御が継続され、適温に達するとステップS5で燃焼用送風機(詳しくはバーナモータ)24を駆動する。
【0026】
次に、ステップS6では、回転数センサ18で検出されたバーナモータ24の回転数が規定の回転数(例えば1100rpm)に達したか否かが判断され、規定の回転数に達していなければステップS15の動作に移行し、規定の回転数に達すればステップS7で点火動作を行い、ステップS8でフレームセンサ17で検出されたフレーム電流に基づいて着火されたか否かが判断され、ステップS9で正常燃焼か否かが判断される。
【0027】
ステップS8で着火されない、若しくはステップ9で正常燃焼でないと判断された場合は、ステップS17乃至S19の動作に移行し、正常燃焼である場合は、ステップS10でその他のスイッチ15による設定に基づいた燃焼モード若しくは設定室温にすべく、燃焼量の自動変化動作が開始される。
【0028】
次のステップS11では、フレームセンサ17で検出されたフレーム電流に基づいて設定された燃焼量での炎の状態が正常か否かが判断され、正常でなければ、ステップS21乃至S23の動作に移行し、正常であればステップS12で運転切スイッチ14が操作されたか否か判断される。
【0029】
以下、電源切スイッチ14が操作されるまでステップS10乃至ステップS12の動作が繰り返され、電源切スイッチ14が操作されれば次のステップS13で消火動作を行い、ステップS14で燃焼停止動作が完了して石油ファンヒータHの運転が停止する。
【0030】
前記ステップS6において、バーナモータ24の回転数が異常であることが判明した場合、ステップS15でバーナモータ24のエラー処理が実行される。この場合、異常が解除されるまで点火動作に移行することはない。そして、ステップS16で使用者が運転切スイッチ14および運転入スイッチ13の操作を行うと、制御処理はステップS3へ復帰する。
【0031】
前記ステップS8、若しくはステップS9で点火トライアル期間(例えば23秒)内に正常な炎が検出されない場合(これを点火ミスという)、ステップS17でミス着火の処理が実行され、続くステップS18で対流用送風機25(ファンモータ)を、ステップS19で燃焼用送風機24(バーナモータ)をそれぞれ停止すべく、駆動信号を停止して点火シーケンスを終了する。そして、ステップS20で使用者が運転切スイッチ14および運転入スイッチ13の操作を行うと、制御処理はステップS3へ復帰する。
【0032】
前記ステップS11で、着火はしたが燃焼量を変化させる途中で消火した異常(これを途中消火という)であることが判明した場合、ステップ21では途中消火の処理が実行される。続いて、ステップS22で対流用送風機25を、また、ステップS23で燃焼用送風機24をそれぞれ停止すべく、駆動信号を停止して燃焼量制御のシーケンスを終了する。そして、ステップS24で使用者が運転切スイッチ14および運転入スイッチ13の操作を行うと、制御処理はステップS3へ復帰する。
【0033】
ここで、エラー処理、ミス着火処理、および途中消火の処理について一例を説明すると、気化ヒータ21の通電を停止し、運転ランプを点滅させるか液晶表示部の運転モードの文字を点滅表示させ、異常内容としてバーナモータ24の回転数異常を示す記号(例えばE6)、或いは、ミス着火を示す信号(例えばE1)、或いは、途中消火を示す信号(例えばE2)を表示して異常を報知する。
【0034】
次に、図4に基づき上述のステップS13の運転切スイッチ14の操作による消火動作について、更に詳細な動作を説明する。
【0035】
先ず、ステップS30では消火信号(燃焼オフ信号)の有無を検出し、このオフ信号が検出されるまで燃焼を継続する。オフ信号が検出されると、ステップS31で運転切スイッチ14の操作によるオフ信号か、或いは、それ以外の原因(例えば、ミス着火など機器異常が発生した場合)によるオフ信号かを判断する。
【0036】
運転切スイッチ14の操作による場合には、通常の消火信号であると判断してステップS32で対流用送風機25への駆動信号(詳しくは位相制御信号)を停止して送風機の回転数をダウンさせる。この場合、対流用送風機25の回転数ダウンは上記のように惰性によらず、後述する減速信号による減速制御であっても良い。
【0037】
ステップ33で対流用送風機25の回転数が目標の回転数に低下したと判断されると、ステップ34でポンプ信号(電磁ポンプ23の駆動パルス信号)のontime出力(図5のT2)が終了したか否かが判断され、on time出力が終了するまで燃焼を継続し、on time出力が終了すると、ステップS35で電磁ポンプ23の駆動を停止する一方、燃焼用送風機24への駆動信号(詳しくは位相制御信号)を停止して、消臭動作を行わせる通常の消火シーケンスを開始する。
【0038】
ここで、on time出力が終了するまで燃焼を継続する時の燃焼モードは、消火信号が出力される直前の燃焼モード(例えば、固定燃焼モード)であり、しかも、この燃焼モードに応じてポンプ信号のオンオフ周期は変化するようにしてあり、図5のタイムチャートにその信号変化の推移を示すように、例えば、オンオフ周期をT1、on timeをT2とし(自動的にoff timeはT1−T2となる)、off time中(図5のT1−T2期間中)に運転スイッチ14の操作が行われたとすると、この期間(特にoff time)が終了して次のon timeが終了した時点で、燃焼用送風機24の駆動信号(位相制御信号)が停止される。即ち、ポンプ信号がどの状態で運転スイッチ14が操作されるかによって、この燃焼用送風機24の駆動信号(位相制御信号)が停止されるまでの時間が変化する。但し、最大でもオンオフ周期T1であることはいうまでもない。
【0039】
このように、運転切スイッチ14が操作されてから電磁ポンプ23へのポンプ信号がオフに切り替わるまでは操作前の状態で燃焼動作が継続され、一方、この間、駆動信号が停止された対流用送風機25の回転数は惰性によって徐々に低下していく。そしてポンプ信号がオフに切り替わったところで、燃焼用送風機24への駆動信号を停止するようにしたので、電磁ポンプ23は運転切スイッチ14の操作による消火指示時には常にプランジャーの先端(ひいてはノズルの先端)から燃料を出し切った状態(即ち、先端側から引き込む方向の慣性力を期待できる状態)で止まることとなり、この消火時に、ノズルから出る燃料の量を常に一定に維持できることに加え、電磁ポンプの惰性によるノズルの先端部分からの油垂れがなくなる。
【0040】
次に、ステップS36では、EEPROM12に記憶されたデータの中から直前の燃焼量に応じて適宜選択した所定時間Aが制御手段11のタイマにセットされる。この所定時間Aは、消火シーケンスの開始、すなわち、電磁ポンプ23のオフ信号供給から燃焼送風機24への位相制御信号の出力を停止させる停止時間としての時間であって、この間、燃焼用送風機24は惰性によって動作し、回転数が徐々に減少していく。
【0041】
次に、ステップS37で所定時間Aが経過したか否か判断され、所定時間Aが経過するまで惰性による回転動作が継続し、所定時間Aが経過すると、ステップS38で後述する減速信号を出力して燃焼用送風機24の減速制御を開始し、続くステップS39で減速時間としての一定時間Bをセットする。ステップS40で一定時間Bが経過したか否か判断され、一定時間Bが経過するまで減速制御を継続し、一定時間Bが経過すると、次のステップS41で燃焼用送風機24の駆動信号を、ステップS42で対流用送風機25の駆動信号を再び供給(即ち、再駆動)して、ステップS14へ移行する。尚、本実形態では、再駆動信号を停止するまでの時間の起点は、運転切スイッチ14が操作された時点に合わせてあり、この起点から時間A+Bよりも大きい時間C(これを対流用送風機25のポストパージ時間という)の経過後に対流用送風機25を停止し、この時間Cよりも大きい時間D(これを燃焼用送風機器24のポストパージ時間という)の経過後に燃焼用送風機24を停止するようにしている。
【0042】
ここで、一定時間Bは、燃焼用送風機24の回転数を強制的に下げる(即ち、ブレーキ制御する)ように、例えば半波整流された信号(減速信号)を出力する時間(減速時間)であり、この一定時間Bも所定時間Aと同様EEPROM12に記憶されたデータの中から直前の燃焼量に応じて適宜選択した時間である。
【0043】
このように、燃焼用送風機24の位相制御信号を停止することで、送風機24の回転数は惰性で徐々に低下するが、ポンプ信号がオフに切り替えられてから所定時間A後に燃焼用送風機24をブレーキ制御したことで、燃焼用送風機24の回転数の低下速度が速くなり、消火動作時における失火寸前に混合ガスの濃度を燃えやすい適切な状態にすることができる。
【0044】
しかも、本実施形態では、消火操作が成されると、直ちに対流用送風機25の駆動信号(位相制御信号)を停止し、対流用送風機25の回転数を惰性で徐々に低下するように制御することで、これに続く消火シーケンス時(燃焼用送風機24の回転数が減速されて混合ガスが減少していく過程)には、既に前記対流用送風機25による対流用空気の風力は弱められるため、この対流用空気が混合ガスに悪影響して消火直前の弱々しい炎を吹き消して未燃ガスを排出するといった問題を防止できるようになる。
【0045】
また、一定時間Bの経過後に燃焼用送風機24および対流用送風機25を再駆動することで、失火させてから速やかにポストパージ運転に移行することができる。尚、ポストパージとは、消火動作(詳しくは失火)後に燃焼部、遮熱用の板(例えばシェルタ)および液体燃料供給装置(詳しくはノズル)を冷却すると共に、燃焼部に滞留した未燃ガスを排出するための送風動作のことである。
【0046】
また、前記ステップS31で、運転切スイッチ14の操作以外(即ち、機器異常)による消火信号と判断した場合は、ステップS43で即座に電磁ポンプ23の駆動を停止する、いわゆる異常発生時の消火シーケンスを開始するように制御する。因みに、この異常発生時の消火シーケンスでは、異常内容を別途表示するようにすれば使用者に対して親切である。
【0047】
また、図5のタイムチャートにその信号変化の推移を示すように、上述と同じ時点でエラー信号が発生した場合には、燃焼モードに関係なく即座に電磁ポンプ23のオン信号が停止される。
【0048】
このように、温風暖房機Hに何らかの異常が発生したこと(即ちエラー)を検出した場合には、制御装置10が即座に電磁ポンプ23、燃焼用送風機24および対流用送風機25をそれぞれ消火動作に移行させるので、このエラー発生時には臭いを抑制する制御を行うよりも安全性を重視した、いわゆるフェイルセーフの制御を行うことで燃焼の継続で危険性が増すことが抑制でき、安全性が向上する。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の本発明によれば、消火操作時には、対流用送風機の回転数を所定値に低下した後、燃料供給装置(例えば電磁ポンプ)の停止指示(即ち、オフ信号)から所定時間後、燃焼用送風機のブレーキ制御を行うことで、急激に送風量を低下することができ、結果的に消火時における燃料の混合比率を燃えやすい適切な値にすることによって燃えやすい状態を作ることができ、混合ガスの燃え残り(すなわち、未燃ガスの発生)を抑制して、混合ガスを燃やしきる方向に近づけることができる。しかも、前記燃焼用送風機が減速される時には、既に対流用送風機の回転数が所定値に低下させられて対流用空気の風力が弱められているので、この対流用空気が混合ガスに悪影響して消火直前の弱々しい炎を消してしまうといったことが無くなり、安定した消火動作が実現される。
【0050】
また、請求項2に記載の本発明によれば、燃焼用送風機を急激に減速制御することにより、燃焼用空気の量が少なくなって燃料の混合比率を高くし、混合ガスを燃えやすい状態にして混合ガスの未燃分の発生を抑制する一方、対流用送風機および燃焼用送風機が完全に停止しない状態で再起動するので、バーナ(詳しくは炎形成部や気化器、並びにノズル先端)の冷却(詳しくはバーナの残熱による輻射および伝達によるノズル先端部の温度上昇を抑制するための送風)など、消火後のポストパージ運転に素早く移行できると共に、バーナの冷却を素早く開始することによる消火特性の向上およびポストパージ動作への適切な移行を実現することができる。
【0051】
さらに、請求項3に記載の本発明によれば 、温風暖房機に何らかの異常が発生したこと(すなわちエラー)を検出した場合は、制御装置が即座に消火動作に移行させて安全性を確保する、いわゆるフェイルセーフの制御を行うから、異常時に燃焼が継続されるといった不都合が解消され、機器の安全性が確保される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す温風暖房機として石油ファンヒータの全体構成を示す概略の斜視図である。
【図2】同じく、液体燃料供給装置、燃焼用送風機および対流用送風機を制御する制御手段を中心とする制御装置のブロック回路図である。
【図3】同じく、制御手段の制御動作の概略を示すフローチャートである。
【図4】図3の消火動作のシーケンスにおける概略を示す主要なフローチャートである。
【図5】図4の消火シーケンスにおける信号処理の概略を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
H 温風暖房機(石油ファンヒータ)
10 制御装置
11 制御手段(マイクロコンピュータ)
21 気化器(気化ヒータ)
23 燃料供給装置(電磁ポンプ)
24 燃焼用送風機(バーナモータ)
25 対流用送風機(ファンモータ)
Claims (3)
- 交互に供給されるオン信号とオフ信号に基づいて動作する燃料供給装置で供給された液体燃料を気化器で気化し、この気化ガスを燃焼用送風機からの燃焼用空気と混合し、この混合ガスを炎形成部にて点火装置で点火して燃焼させ、この燃焼ガスを温風として対流用送風機で室内に排出して暖房を行う温風暖房機において、
運転切スイッチによる消火操作時には、前記対流用送風機への駆動信号を停止し、この対流用送風機の回転数が所定値に低下した後、前記燃料供給装置へのオフ信号供給に合わせて前記燃焼用送風機への駆動信号を停止し、この燃焼用送風機への駆動信号の停止から所定時間後に燃焼用送風機を減速制御する減速信号を一定時間だけ出力する制御装置を備えたことを特徴とする温風暖房機。 - 交互に供給されるオン信号とオフ信号に基づいて動作する燃料供給装置で供給された液体燃料を気化器で気化し、この気化ガスを燃焼用送風機からの燃焼用空気と混合し、この混合ガスを炎形成部にて点火装置で点火して燃焼させ、この燃焼ガスを温風として対流用送風機で室内に排出して暖房を行う温風暖房機において、
運転切スイッチによる消火操作時には、前記対流用送風機への駆動信号を停止し、この対流用送風機の回転数が所定値に低下した後、前記燃料供給装置へのオフ信号供給に合わせて前記燃焼用送風機への駆動信号を停止し、この燃焼用送風機への駆動信号の停止から所定時間後に燃焼用送風機を減速制御する減速信号を出力し、且つ対流用送風機および燃焼用送風機が停止しない内に対流用送風機および燃焼用送風機の駆動信号をそれぞれ出力する制御装置を備えたことを特徴とする温風暖房機。 - 温風暖房機に何らかの異常が発生したことを検出した場合には、制御装置は即座に消火動作に移行させることを特徴とする請求項1または請求項2の何れかに記載の温風暖房機。
Priority Applications (1)
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JP12921197A JP3634559B2 (ja) | 1997-05-20 | 1997-05-20 | 温風暖房機 |
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JP12921197A JP3634559B2 (ja) | 1997-05-20 | 1997-05-20 | 温風暖房機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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