JP3695876B2 - ドレンパン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷却器から落下するドレン水を受け入れた後に、外に排水するドレンパンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来この種のドレンパンは、たとえば特開平7−146040号公報(F25B47/02)などに記載されている。この様なドレンパンは、図5に示す様な構造をしている。図5は従来のドレンパンの斜視図である。
【0003】
この図5において、ドレンパンは、上面が開口しているドレン皿01と、ドレンパイプ02とからなっており、ドレン皿01はアルミ板を折り曲げて形成されている。このドレン皿01の側面には、ドレンパイプ02を取り付ける為の孔が穿たれており、そして、ドレンパイプ02は、端部をドレン皿01の孔に挿入した状態で、溶接されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ドレン皿01の孔を穿つ際に、ドレン皿01の底壁を破損すると、ドレン皿01にドレン水を溜めることができない。そのため、ドレン皿01の孔の下端は、ドレン皿01の底壁の上面よりも下げることはできない。したがって、ドレン皿01の孔に嵌め込まれるドレンパイプ02の内面は、ドレン皿01の底壁の上面よりも、少なくともドレンパイプ02の肉厚分は上方に位置し、段差が形成されている。その結果、この段差により、ドレン皿01のドレン水やゴミなどが、ドレンパイプ02から円滑に排出されないことがある。
【0005】
本発明は、以上のような課題を解決するためのもので、ドレン水を円滑に排水することができるドレンパンを提供することを目的とする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明のドレンパン(8)は、貯蔵室(2)内の天面に沿って略水平に配置された水平部(6a)とこの水平部(6a)の後端から略垂直に垂下している垂直部(6b)とからなる板状の冷却器(6)の下方に配置され冷却器の垂直部(6b)から落下するドレン水を受け入れる底壁が平坦な細長い箱形状の露受け部(11)と、一端部がこの露受け部の長手方向と直交する側壁に接続され他端が露受け部の側方へ突出している底壁が平坦なドレン樋(12)とを具備している。そして、前記目的を達成するために、露受け部の底壁の上面は、ドレン樋配置側に向かって漸次下側になるように傾斜しているとともに、ドレン樋と露受け部とが一体構造で、かつ、ドレン樋の底壁(33)の上面と、露受け部の底壁(21)の上面とが、略同じ高さで接続されている。
【0007】
また、ドレン樋の通路は、出口よりも入口の方が広い場合がある。
【0008】
【発明の実施の形態】
まず初めに、本発明の実施の形態のドレンパンが取り付けられる冷却貯蔵庫の説明を図1を用いて説明する。図1は前面の扉が外されている状態での冷却貯蔵庫の正面図である。
【0009】
冷却貯蔵庫の断熱箱体1は前面が開口し、その内部は貯蔵室2となっている。
そして、断熱箱体1の前面開口は図示しない断熱扉で開閉自在に閉塞されている。この断熱箱体1の横側である左側には、機械室3が配置され、この機械室3の前面にも、図示しない扉が開閉自在に取り付けられている。
【0010】
また、貯蔵室2には冷却器6が設けられており、この冷却器6が庫内を冷却している。冷却器6は断面略L字状すなわち、貯蔵室2の天面に沿って略水平に配置されている水平部6aと、この水平部6aの後端から略垂直に垂下している垂直部6bとから板状になっている。この冷却器6の垂直部6bの下方にドレンパン8が配置されており、垂直部6bからの除霜水などのドレン水は、ドレンパン8に滴下している。
【0011】
このドレンパン8は、冷却器6のドレン水を受け入れる露受け部11と、露受け部11に溜まったドレン水を排水するためのドレン樋12とからなっている。
なお、ドレンパン8の構造の詳細については後述する。ドレン樋12の先端部は、樹脂などからなるドレン受け14に差し込まれている。このドレン受け14は、断熱箱体1を貫通しており、ドレン受け14の他端は断熱箱体1の外側すなわち機械室3内に突出し、ドレンホース16に接続されている。このドレンホース16は、断熱箱体1の外側面および下面に沿って延在し、断熱箱体1の下面に取り付けられている排水管18に接続されている。この排水管18には庫内の排水が流入しており、ドレンホース16からのドレン水と合流し、排水ホース19を介して、冷却貯蔵庫の外に排水されている。
【0012】
次に、ドレンパン8の実施の形態について説明する。図2は本発明におけるドレンパンの斜視図で、(a)が実施の第1の形態のドレンパンの斜視図、(b)が実施の第2の形態のドレンパンの斜視図である。図3は実施の形態のドレンパンの展開図で、(a)が実施の第1の形態のドレンパンの展開図、(b)が変形例の展開図である。図4はドレンパンの説明図で、(a)が左側から見た図2(a)のドレンパンの側面図、(b)が左側から見た変形例の側面図、(c)が(a)の C-C断面図である。
【0013】
図2(a)、図4(a)および図4(c)において、実施の第1の形態のドレンパン8の露受け部11は、上面が開口した細長い箱形状をしている。そして、露受け部11の下面は略長方形の底壁21からなり、長手方向の右側から左側に行くほど低くなるように、すなわちドレン樋12配置側の方が順次低くなるように傾斜している。この露受け部11の底壁21の周縁には、前側側壁23、後側側壁24、左側側壁25および右側側壁26が立設している。露受け部11の後側側壁24の上部には突出部28が複数設けられ、この突出部28に各々取り付け孔29が形成されている。
【0014】
また、ビスをこの取り付け孔29に挿入して断熱箱体1などに螺合して固定している。そして、左側側壁25の下端には開口31が形成されており、この開口31にドレン樋12が連通している。ドレン樋12は、略長方形の底壁33と、この底壁33の前側の縁から略垂直に立ち上がっている前側側壁34と、底壁33の後側の縁から略垂直に立ち上がっている後側側壁35とからなっている。
【0015】
このドレンパン8はアルミなどの金属を板金加工して製作されており、図3(a)に図示するように、平面状に展開した状態のドレンパン8を、アルミなどの金属からなる一枚の平板から切り出し、破線の部分で折り曲げ、水漏れしないように溶接などで接合して、製造されている。
【0016】
より具体的に説明すると、ドレンパン8を展開して切り出した際には、露受け部11の略矩形の底壁21には、前辺に前側側壁23が、後辺に後側側壁24が、左辺にドレン樋12の底壁33が、右辺に右側側壁26が連続して形成されている。そして、露受け部11の前側側壁23の左辺にはドレン樋12の前側側壁34が、露受け部11の後側側壁24の左辺には露受け部11の左側側壁25が、また、ドレン樋12の底壁33の後側の辺にはドレン樋12の後側側壁35が連続して形成されている。ドレン樋12の前側側壁34はドレン樋12の底壁33とも連続して形成されている。
【0017】
この展開されているドレンパン8において、露受け部11の底壁21に対して、露受け部11の前側側壁23、露受け部11の後側側壁24および右側側壁26を略垂直に折り曲げる。この時、ドレン樋12の前側側壁34も、ドレン樋12の底壁33に対して略垂直に折り曲げられる。ついで、露受け部11の左側側壁25を露受け部11の後側側壁24に対して略直角に折り曲げ、また、ドレン樋12の後側側壁35をドレン樋12の底壁33に対して略直角に折り曲げる。
【0018】
ついで、露受け部11の右側側壁26の前辺と露受け部11の前側側壁23の右辺、露受け部11の右側側壁26の後辺と露受け部11の後側側壁24の右辺、露受け部11の左側側壁25の上部の前辺と露受け部11の前側側壁23の左辺、ドレン樋12の後側側壁35の右辺と露受け部11の左側側壁25の下部の前辺をそれぞれ溶接や半田付けなどで接合している。
【0019】
ところで、ドレンパン8の展開方法は種々あるが、その一変形例を図3(b)に図示してある。この変形例の場合には、ドレン樋12の前側側壁34に連続して、ドレン樋12の天壁37、後側側壁35および底壁33が連続して形成されている。したがって、ドレンパン8を組み立てると、図4(b)に図示するように、ドレン樋12は断面矩形のパイプ状になっており、上面は天壁37で覆われている。そして、露受け部11の左側側壁25は露受け部11の底壁21に、また、露受け部11の右側側壁26は露受け部11の前側側壁23に連続して形成されている。
【0020】
次に、実施の第2の形態のドレンパン8を、図2(b)で説明する。この実施の第2の形態においては、ドレン樋12の底壁33の前後幅は、露受け部11側の方が、先端側よりも広く形成されており、ドレン樋12のドレン水の通路は、入口から出口に向かって順次狭く形成されている。そして、ドレン樋12の前側側壁34は、入口側が露受け部11の前側側壁23と略同じ高さに形成されるとともに、出口側に向かって順次高さが低くなっている。また、ドレン樋12の後側側壁35も同様に、入口側が露受け部11の左側側壁25と略同じ高さに形成されるとともに、出口側に向かって順次高さが低くなっている。
【0021】
ところで、図5に図示する従来例では、ドレンパイプ02は断面円形のパイプで構成されており、円周状に溶接する必要があり、溶接作業に熟練を要する。また、溶接部から水漏れをおこすことがある。しかしながら、実施の第1の形態および実施の第2の形態では、溶接は略直線的に行われているので、円周状に行うよりも熟練を要せず、簡単に行うことができる。しかも、一枚の金属板から製作しているので、部品点数が減少する。
【0022】
また、露受け部11の底壁21と、ドレン樋12の底壁33との接続部分が、略面一すなわち略同じ高さとなっており、段差が形成されておらず、ドレン水が円滑に流れることができる。しかも、実施の第2の形態においては、ドレン樋12の入口が出口よりも大きく形成されているので、ドレン水をより円滑に排出させることができる。
【0023】
さらに、露受け部11の底壁21と、ドレン樋12の底壁33とは、連続した状態で、一枚の金属板から切り出されているので、露受け部11の底壁21とドレン樋12の底壁33との接続部分から水漏れが発生することはほとんどない。
【0024】
以上、本発明の実施の形態を詳述したが、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例を下記に例示する。
(1)実施の形態においては、ドレンパン8は板金加工されているが、鋳造で一体に成形することも可能である。ただし、板金加工した方が、製造コストを低下させることができる。
【0025】
(2)ドレン樋12の天壁37は形成することも可能であるし、形成しないことも可能である。
(3)ドレンパン8の展開方法は種々存在しており、適宜変更可能である。ただし、露受け部11の底壁21とドレン樋12の底壁33とが、連続している状態で切り出した方が、ドレン水を円滑に流すことができるとともに、水漏れを減少させることができる。
【0026】
(4)実施の形態においては、露受け部11の底壁21の傾斜と、ドレン樋12の底壁33の傾斜とは同じ傾斜角度であるが、傾斜角度を異ならすことも適宜可能である。
(5)実施の形態においては、ドレン樋12の断面形状は矩形であるが、ドレン樋12の断面形状は適宜変更可能である。但し、ドレン樋12の底壁33が平板状をしていると、露受け部11の平板状の底壁21との接続が滑らかになり、ドレン水が円滑に排出される。
(6)冷却器6の配置および形状や、冷却貯蔵庫の構造などは適宜変更可能である。
【0027】
【発明の効果】
本発明のドレンパンのドレン樋は、露受け部の側面から側方へ突出しており、ドレン樋を露受け部の底壁から下方に突出した場合に比して、物品をドレンパンの下方に収納する際に妨げになることが少ない。この様にドレン樋が露受け部から側方へ突出しているドレンパンにおいて、本発明では、露受け部の底壁の上面は、ドレン樋配置側に向かって漸次下側になるように傾斜ているとともに、ドレン樋と露受け部とが一体構造で、かつ、ドレン樋の底壁の上面と、露受け部の底壁の上面とが、略同じ高さで接続されているので、ドレン水を露受け部からドレン樋へ円滑に排出することができる。
【0028】
また、ドレン樋の通路の入口が、出口よりも広い場合には、露受け部からドレン樋へより円滑にドレン水を流すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は前面の扉が外されている状態での冷却貯蔵庫の正面図である。
【図2】図2は本発明におけるドレンパンの斜視図で、(a)が実施の第1の形態のドレンパンの斜視図、(b)が実施の第2の形態のドレンパンの斜視図である。
【図3】図3は実施の形態のドレンパンの展開図で、(a)が実施の第1の形態のドレンパンの展開図、(b)が変形例の展開図である。
【図4】図4はドレンパンの説明図で、(a)が左側から見た図2(a)のドレンパンの側面図、(b)が左側から見た変形例の側面図、(c)が(a)の C-C断面図である。
【図5】図5は従来のドレンパンの斜視図である。
【符号の説明】
6 冷却器
8 ドレンパン
11 露受け部
12 ドレン樋
21 露受け部の底壁
33 ドレン樋の底壁
Claims (2)
- 貯蔵室内の天面に沿って略水平に配置された水平部とこの水平部の後端から略垂直に垂下している垂直部とからなる板状の冷却器の下方に配置され、冷却器の垂直部から落下するドレン水を受け入れる底壁が平坦な細長い箱形状の露受け部と、一端部がこの露受け部の長手方向と直交する側壁に接続され、他端が露受け部の側方へ突出している底壁が平坦なドレン樋とを具備しているドレンパンにおいて、前記露受け部の底壁の上面は、ドレン樋配置側に向かって漸次下側になるように傾斜するとともに、前記ドレン樋と前記露受け部とが一体構造で、かつ、ドレン樋の底壁の上面と、露受け部の底壁の上面とが、略同じ高さで接続されていることを特徴とするドレンパン。
- 前記ドレン樋の通路は、出口よりも入口の方が広いことを特徴とする請求項1記載のドレンパン。
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