JP3694958B2 - サイドノック式シャ−プペンシル - Google Patents

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  • Mechanical Pencils And Projecting And Retracting Systems Therefor, And Multi-System Writing Instruments (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、軸筒の内部に芯繰り出し機構を配置するとともに、軸筒の側壁にノック駒を径方向に対し押圧可能に配置し、このノック駒の押圧動作により前記芯繰り出し機構を前後動せしめ、これらの動作によって芯を軸筒より繰り出すサイドノック式シャ−プペンシルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
サイドノック式シャ−プペンシルの1例として、実開昭55−171577号が知られている。そして、その要旨を、「外筒軸内に、口金を下端に備えており外筒軸より短尺な内筒を移動可能に収容し、上記口金を外筒軸の下端より突出し及び引退させる役目を果たす内部機構戻しばね及び適宜の係止手段を設け、上記外筒軸の把持指頭附近に外窓孔及び上記内筒の外窓孔に対応する部分に内窓孔をそれぞれ設け、上記内筒内に芯ケ−スと中継パイプと三割チャックとが一体になるよう収容し、上記内筒内より突出した三割チャックの外側でかつ口金の内側に締め具を設け、上記内筒内に三割チャックを芯先き方向に移動させ得かつばねにより復帰する摺動子を設け、上記外窓孔内に摺動子の上端傾斜面を下方に押し得るサイドノック釦及び上記芯ケ−スの上端に三割チャックを芯先き方向に押し得るノックカバ−をそれぞれ設けたことを特徴とするヘッド及びサイドノック式シャ−プペンシル。」とするものである。
【0003】
つまり、芯ケ−スに蓄えられた芯は、中継パイプの上端部によって1本ごと分離され、前記中継パイプを通過し三割チャックへと導かれるものであり、三割チャックに把持された芯は、サイドノック釦の径方向への押圧作用によって摺動子並びに三割チャックが前進し、繰り出されるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に、サイドノック式シャ−プペンシルで芯繰り出し操作を行うと、つまり、サイドノック釦を押圧すると、摺動子には前進方向への力だけではなく、勿論、サイドノック釦を押圧した方向へも力が作用する。そして、この摺動子に対する押圧方向への力は、摺動子を傾かせる方向への力となり、また、その傾かせる力はサイドノック釦を押圧するに従って増す。そして、摺動子の傾きによって前記中継パイプと三割チャックとの連結部を屈折せしめてしまうことになる。ここで、芯の繰り出しの不良が発生する。つまり、芯が前記屈折によって閊えてしまい繰り出せなくなったり、繰り出し量が少なくなってしまうのである。
【0005】
また、近年において消費者は、低価格な製品を望むようになってきている。企業においても、人件費などが高くなり、製品にかかる費用を低減しなければならないようになってきている。ボ−ルペンやシャ−プペンシルなどの筆記具も例外ではなく、上記のようなサイドノック式シャ−プペンシルも安価に製作することを強いられるようになってきた。ここで、安価に製作する方法としては、2つの部品を1つの部品に一体的に成形するとか、また、組み立て方法を簡単にするとか、部品点数を削減するなどが考えられる。しかし、2つの部品を1つの部品に成形することは、部品自体は安価に製作できるものの、部品の形状によっては成形する金型装置が複雑となり高価なものとなってしまう場合があった。そこで、採られるのが、部品点数の削減である。部品点数を削減すれば組み立ても簡単なものとなる。
しかし、単に部品点数を削減したのでは、必要な機能が失われてしまう。例えば、上記した例で云うならば、芯ケ−スや中継パイプを削減してしまうと、芯は摺動子を超えばね部分に入り込み芯が三割チャックに把持せず芯が繰り出せなかったり、また、サイドノック釦を押圧した際に芯を折損してしまうという問題点がでてくる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、軸筒の内部に芯繰り出し機構を配置するとともに、軸筒の側壁にノック駒を径方向に対し押圧可能に配置し、このノック駒の押圧動作により前記芯繰り出し機構を前後動せしめ、これらの動作によって芯を軸筒より繰り出すサイドノック式シャ−プペンシルにあって、前記ノック駒の押圧方向に芯が通過する芯挿通部を前記芯繰り出し機構に設け、その芯挿通部の直径を芯の直径の少なくとも2倍以上に形成するとともに、芯挿通部の前方に少なくとも1つの芯受け部を前記芯繰り出し機構に設け、また、前記ノック駒を軸筒の側壁に径方向に垂直押圧可能に配置し、そのノック駒にノック駒の動作方向に対して斜め方向に係合部を形成するとともに、前記芯繰り出し機構には、この係合部と係合する係合受部を形成し、その係合部が係合受部に対して、或いは、係合受部が係合部に対して挟み込まれた状態で摺動自在に係合したことを要旨とするものである。
【0007】
【実施例】
図1〜図6に第1実施例を示し説明する。軸筒1の側壁には、透孔2が形成されており、その透孔2にはガイド突起3が形成されている。また、透孔2には、断面形状がコ字型のノック駒4が軸筒1に対して垂直方向の径方向に移動可能に取り付けられている。そのノック駒4の側面には、前記ガイド突起3と係合し摺動するガイド溝5が形成されている。また、ノック駒4には、後述する芯繰り出し機構を前進せしめる傾斜面部6も形成されている。また、その傾斜面部6の反対側にも、傾斜面部6と平行な傾斜面部7が形成されている。さらに、ノック駒4のノック面部8の反対側の端部両側面には、軸筒1からの脱落を防止する係合爪9が形成されている。
【0008】
前記軸筒1の前方には、コイルスプリングなどの弾撥部材10によって後方に付勢された芯の貯蔵を行なう芯タンク11が配置されている。この芯タンク11には、少なくとも2本以上の複数本の芯が蓄えられるものである。そして、その芯タンク11の中間部には、前記ノック駒4が位置している。また、芯タンク11の前方には、チャックリング12を被嵌したチャック体13が固定されている。云うまでもなく、チャック体13は、芯の解放、把持を行なうものであり、チャックリング12はチャック体13の開閉を行なうものである。そして、これらの構成により、芯繰り出し機構を構成している。
前記芯タンク11の中間部には、係合部材14が固定されており、その係合部材14には、斜め方向に傾斜溝15が形成されている。そして、この傾斜溝15に前記ノック駒4が摺動自在に嵌まり込んでいる。つまり、前記ノック駒4の傾斜面部6と傾斜面部7とにより、ノック駒4の係合部が形成され、前記係合部材14の係合溝が係合部の係合受部となっている。
尚、前記断面がコ型のノック駒4は、係合部材14に対して遊挿しても良いが、若干圧入ぎみに挿着しても良い。不使用時におけるノック駒4の振れや軸筒1からの脱落を防止することができる。
【0009】
尚、軸筒1の透孔2にガイド溝を形成し、そのガイド溝に係合するガイド突起をノック駒4の側面に形成しても良い。また、そのガイド溝やガイド突起の形状は、図示したように角状であっても良く、円弧状であっても良く、角と円弧の組み合わせの形状であっても良い。要は、互いの係合関係を満足し、ノック駒の軸筒長手方向に対する振れが防止できる形状であれば良いものである。
また、参照符号18は、前記軸筒1の前端に螺着された先部材であるが、前記軸筒1に一体的に成形してもよい。その先部材18の内側には、芯の後退を防止する芯戻り止め部材19が圧入されており、先端には芯を保護するステンレスパイプなどの芯保護管20が圧入されているが、何れも先部材18と一体的に成形してもよい。
【0010】
次ぎに、動作について説明すると、ノック駒4を径方向に垂直に押圧すると、ノック駒4の傾斜面部6が傾斜溝15を摺動しながら係合部材14を前方に押圧する。そして、この押圧動作により、芯タンク11並びにチャック体13が前進し(図5、図6参照)、芯保護管20より芯が突出される。
尚、本例のようなものにおいては、ノック駒の側面を軽く内側に撓ませ軸筒に組み付けることができるため、その組み立てが容易である。
【0011】
次ぎに、ノック駒の変形例を図7に示し説明する。係合部材14の傾斜溝15に係合する係合部21をノック駒22の内壁面に突状に形成したものである。勿論、この係合部21は傾斜した状態で形成されている。このように、ノック駒の内壁面に係合部を形成することにより、軸筒1(透孔2)のガイド溝5に係合するノック駒22のガイド突起23を長く形成することができ、前例に比し、ノック駒の振れを防止することができる。
また、本例の構成に加え、軸筒1内面で透孔2の後方に縮径部24を形成し、その縮径部24によって構成される面部25に前記ノック駒22の後端面26を当接させ摺らせるようにすると、更なるノック駒22の振れ防止が図れる(図8参照)。
【0012】
尚、軸筒にガイド溝やガイド突起を形成した例においては、図9に示すように、ガイド溝やガイド突起を形成したガイド部材27を別部材として軸筒に嵌め込んでも良い。また、ノック駒の振れを更に防止する方法として、前例の構成に加え、ノック駒の表面に天然ゴムやシリコ−ンゴムなどの弾性皮膜を形成したり、また、ノック駒と軸筒との間にコイルスプリングや、互いが反発し合うような磁石などの弾撥部材を介在させても良い。
【0013】
図10〜図12に第2実施例を示し説明する。軸筒1の側壁には、透孔2が形成されており、その透孔2には、断面形状がコ字型のノック駒28が軸筒1に対して垂直方向の径方向に移動可能に取り付けられている。そのノック駒28の側壁29の中間部には、切欠き部30が形成されており、また、ノック駒28の側壁29の前端部には、前部傾斜面31が形成されている。そして、これら、切欠き部30と前部傾斜面31とによって形成されるノック駒28の側壁が第1の係合部32となっている。また、前記切欠き部30の後方面にも後部傾斜面33が形成されており、この後部傾斜面33とノック駒28の後端部34によって形成される、ノック駒28の側壁が第2の係合部35となっている。
符号36は、ノック駒28の底面部の側面に形成された係合爪であり、軸筒1からの脱落を防止している。
【0014】
前記軸筒1の前方には、コイルスプリングなどの弾撥部材10によって後方に付勢された複数の芯の貯蔵を行なう芯タンク37が配置されている。その芯タンク37の前方には、チャックリング12を被嵌したチャック体13が固定されている。 また、前記芯タンク37の中間部には、係合部材38が前記芯タンク37と一体に形成されているが、別部材で構成しても良い。尚、別部材で構成する場合には、芯タンク37と係合部材38とを圧入したり、凹凸嵌合させたり、また、接着などするしてお互いの固定状態が保たれるようにする。
前記係合部材38の中間部には、切欠き部39が形成されており、その切欠き部39より前方が、前記ノック駒28の第1の係合部32と係合する第1の係合受部40となっている。その第1の係合受部40の後端には、中間傾斜面41が形成されており、前記第1の係合部32の前方傾斜面31と係合している。また、前記係合受部38の切欠き部39より後方が、前記ノック駒28の第2の係合部35と係合する第2の係合受部42となっている。その第2の係合受部42の後端には、後端傾斜面43が形成されており、前記ノック駒28の第2の係合部35の中間傾斜面33と係合している。ここで、更に詳述すると、前記ノック駒28の第1の係合部32は、係合部材38の切欠き部39に挟み込まれた状態で位置しており、また、係合部材38の第2の係合受部42は、前記ノック駒28の第1の係合部32と第2の係合部35により挟み込まれた状態で位置している。
【0015】
尚、ノック駒28の第1の係合部32、並びに、第2の係合部35に形成されている前方傾斜面31や中間傾斜面33の形状を湾曲形成しても良い。摺動抵抗が少なくなり、押圧し易くなるものである。
また、前記第1実施例の変形例のように、ノック駒44の第1の係合部45と第2の係合部46をノック駒の内壁面に形成すると共に、係合部材47には、ノック駒44の第1の係合部45と第2の係合部46とが係合する傾斜した溝状の係合受部48、49を形成しても良い。ノック駒44の第1の係合部45や第2の係合部46を隠すことができ、見栄えの良い製品を提供することができる。
【0016】
次ぎに、動作について説明すると、ノック駒28を径方向に垂直に押圧すると、ノック駒28の前方傾斜面31並びに中間傾斜面33が、係合部材38の中間傾斜面41並びに後端傾斜面43を押圧摺動しながら係合部材38を前方に押圧する。この押圧動作により、芯タンク37並びにチャック体13が前進(図12参照)し芯が繰り出される。
【0017】
次に、本発明に付加価値を付けた例を図14、15に示し説明する。後方に消しゴムの突出量を可変できる棒状体繰り出し装置を取り付けた例である。その棒状体繰り出し装置について説明する。軸筒1の後端内面(後方部1a)は、図15に示すよう十角形状に形成されているが、四角形であっても良く、また、楕円形状であっても良い。非円形状であれば良いものである。また、その後方部1aには、前方部に外形が十角形の嵌入部50aを有する棒状体案内部材50が嵌入している。つまり、軸筒1と棒状体案内部材50とは、互いに回転不能に嵌入している。また、棒状体案内部材50の後方には、対向する側に案内溝50bが形成されており、その案内溝50bは後端部が連結され、更に鍔部50cが形成されている。また、棒状体案内部材50には、外筒51が外嵌しており、その外筒51の内壁面には、螺旋溝51aが形成されている。そして、前記外筒51は、一端を前記鍔部50cに係止され、他端をOリングなどの固定部材52で係止され、挟み込まれた状態で、前記棒状体案内部材50に取り付けられている。
【0018】
符号53は、消しゴム54bを挾持する棒状体受け部材であり、その棒状体受け部材53の側面には、係合突部53aが形成されており、前記案内溝50bを介して螺旋溝51aに係合している。
作用について説明すると、前記外筒51を軸筒1(棒状体案内部材50)に対して相対的に回転させると、前記棒状体受け部材53が螺旋溝51aによって図中上方に移動する。この移動によって、消しゴム54bが突出する。消しゴム54bを収納したいときには、前記外筒を逆に回転させれば良い。
前記第1例に示したように、芯タンクに芯の繰り出しを行なう押圧機構を取り付けることにより、前述した棒状体繰り出し装置を取り付けても、軸全体が長くなることがない。ちなみに、従来技術に示したようなサイドノック式のシャ−プペンシルに、前述の棒状体繰り出し装置を取り付けると、軸全体がかなり長くなってしまい使用しずらくなってしまうものである。押圧機構であるリンク要素が、チャック機構であるリ−ドチャックの位置に付いているためである。言い替えると、芯ケ−スの前方に形成されている芯を一本ごと分離する芯受け部より前方にリンク要素が位置しているためである。ちなみに、第1例においては、芯受け部の後方であって、芯タンクの中間部に押圧機構(ノック駒やスライド部材)が位置している。
【0019】
図16、図17に第3実施例を示し説明する。ノック駒の振れを防止するために、前記第1実施例、第2実施例のノック駒と透孔との嵌挿状態に改良を施した例である。前記第2実施例の参照符号を基に説明すると、ノック駒28の下方(係合爪36の近傍)は、横断面方向から見て幅が広く形成されており、透孔2に対して圧入状態になっている。この幅が広い部分が圧入部54となっている。一方、ノック駒28の上方は、幅が狭く形成されており、その幅は透孔2の幅よりも狭く形成されている。この幅の狭い部分が非圧入部55となっている。そして、ノック駒28を押圧したときには、その押圧過程で、ノック駒28と透孔2との間に隙間Sが生じるようになっている。
次に、動作について説明すると、透孔2に対して圧入状態にあるノック駒28を指などで径方向に垂直に押圧すると、ノック駒28の前部傾斜面31並びに中間傾斜面33が、係合部材38の中間傾斜面41並びに後端傾斜面43を押圧摺動しながら係合部材38を前方に押圧する。この押圧動作の過程で、前記透孔2に対するノック駒28の圧入作用が解除され隙間Sが形成されると共に、芯タンク37並びにチャック体13が前進し芯が繰り出される。
【0020】
次に、前記第3実施例の変形例を図18、図19に示し説明する。前記係合部材38の切欠き部39の断面形状を上方が拡開した台形状(台形部56)に形成すると共に、コ字型のノック駒28の内面の断面形状も台形状(台形部57)にした例である。また、図18に示すように、非押圧動作時においては、係合部材38の台形部56がノック駒28の台形部57の下端を押し広げ、透孔2に対して圧入状態になるように設定されている。
次に作用について説明する。圧入状態にあるノック駒28を押圧すると、ノック駒28の台形部57の中間部、次いで上方部が、前記係合部材38の台形部56の上方に位置するようになり、拡開されていたノック駒28の台形部57の下方は縮径する方向に復帰する。この復帰動作は、係合部材38の台形部56の下方が縮径しているためによってもなされている。このノック駒28の台形部57の復帰により、前記透孔2との圧入状態が解除され、ノック駒28の側面と透孔2との間に隙間Sが生じることとなる。圧入状態が解除される時期について詳述すると、ノック駒28の台形部57の中間部が、前記係合部材38の台形部56の上端部に達する前に圧入状態が解除されるようになっている。
【0021】
図20〜図24に第4実施例を示し説明する。軸筒1の前方の握る部分(筆記の際の把持部)には、ロ−レット状のあるいは、比較的柔軟性のある塗料や液状ゴム部材などを塗布し固化させたグリップ部58が形成されているが、別部材の筒状のゴムグリップなどを嵌挿しても良い。グリップ部58を形成することにより、また、ゴムグリップなどを取り付けることにより筆記による疲れ、指の痛みなどを緩和させるのである。また、前記グリップ部58の後方で軸筒1の側壁には、透孔2が形成されており、その透孔2には、断面形状がコ字型のノック駒28が軸筒1に対して垂直方向の径方向に移動可能に取り付けられている。このノック駒28は、前記第2実施例のノック駒と略同様な構成をしているので、その説明を省略する。
尚、前記軸筒1の後方には、クリップ59が形成されたキャップ60が着脱自在に嵌合しているが、クリップ59のみを軸筒1と一体成形などしても良い。
【0022】
前記軸筒1の前方には、コイルスプリングなどの弾撥部材61によって後方に付勢されたスライド部材62が配置されている。そのスライド部材62の前方には、チャックリング12を被嵌したチャック体13が固定されている。
前記スライド部材62の中間部には、係合部38が前記スライド部材62と一体に形成されているが、別部材で構成しても良い。尚、別部材で構成する場合には、スライド部材62と係合部(材)38とを圧入したり、凹凸嵌合させたり、また、接着などするしてお互いの固定状態が保たれるようにする。また、この係合部材38も前記第2実施例の係合部材と略同様な構成をしているので、その説明を省略する。
【0023】
前記スライド部材62の後方には、芯が2〜3本程度入る芯導入孔63が形成されており、その芯導入孔63の後端には、軸筒1の内径と略同径の外径を有する芯受け部材64が圧入されているが、スライド部材62と一体的に形成しても良い。その芯受け部材64の内側は、芯が落下しやすいようにロ−ト状に形成されており、そのロ−ト状部65の下端には、前記芯導入孔63へ芯を導く芯挿通孔66が形成されている。つまり、芯受け部材64を境に軸筒1の後方内側は、芯タンク部67となっていて、芯挿通孔66により芯が1本づつ芯導入孔63へと落下するのである。
また、前記スライド部材62の前方には、前記芯導入孔63と連設して芯の直径(外径)と略同径の孔68と、チャック圧入孔69とが形成されているが、前記孔68を芯導入孔63の内径ともしくは、チャック圧入孔69の内径と同径に形成しチャック体13の後端に形成されている孔70を芯の直径と同径にしても良い。
【0024】
次に、この第4実施例の作用について説明すると、芯導入孔を芯の直径よりも大きく形成するので、射出成形などにより成形する場合には、コアピンも湾曲しずらく、また、断面の形状が非円形状であっても成形品自体が湾曲しずらく真っ直な芯導入孔が形成される。
また、ノック駒28をグリップ部58の後方であってクリップ59の前方に配置しているので、筆記中における不慮のノック駒の押圧動作を防止することができる。
次ぎに、動作について説明する。複数本の芯を芯タンク部67に挿入すると、芯受け部材64の芯挿通孔66によって芯は、1本分離し芯導入孔63並びに、孔68を経てチャック体13へと導かれる。ここで、芯が多少湾曲していても、或は、成形などによりスライド部材62が多少湾曲していても、芯導入孔63が芯の外径より大きく形成されているので、芯は閊えることなくスム−ズにチャック体13へと導かれる。ここで、ノック駒28を径方向に垂直に押圧すると、ノック駒28の前方傾斜面31並びに中間傾斜面33が、係合部材38の中間傾斜面41並びに後端傾斜面43を押圧摺動しながら係合部材38を前方に押圧する。この押圧動作により、スライド部材62並びにチャック体13が前進し芯が繰り出される。
【0025】
尚、図示はしないが、チャック体の芯把持部から芯受け部までの長さを、使用する芯の長さよりも大きくとることにより、先行している芯の後端に後続する1本の芯を除いて、その他の多数の芯が先行している芯の後端に接触しなくなるので、先行している芯は、スム−ズにチャック体の把持部に挿通(落下)する。また、先行している芯の後端には前記1本の芯が後続しているので、先行している芯の使用(減少)に従って後続する芯もスム−ズに前進し繰り出される。
また、前例においては安価に製作するためにスライド部材を一体成形したが、曲がりなどを防止するために分割して成形、つまり、スライド部材62を2部材で構成しても良い(第5実施例;図25参照)。2部材から構成することにより、チャック体が圧入される部材の材質と係合受部が形成される部材の材質とを特性に合わせて選択することもできる。尚、2部材で構成する場合には、単なる面接触でも良いが、図26に示すように互いが位置決めできるように凹凸嵌合部71などを形成するようにすると良い。また、スライド部材を2部材とすることにより、チャック体のスライド部材への圧入距離のばらつきを修正することができ、圧入距離のばらつきによる芯の把持力の低下を防止することができる。また、ノック駒の押圧距離が増えるので押圧した感覚が良好に認識できる。
【0026】
【発明の効果】
本発明は、軸筒の内部に芯繰り出し機構を配置するとともに、軸筒の側壁にノック駒を径方向に対し押圧可能に配置し、このノック駒の押圧動作により前記芯繰り出し機構を前後動せしめ、これらの動作によって芯を軸筒より繰り出すサイドノック式シャ−プペンシルにあって、前記ノック駒の押圧方向に芯が通過する芯挿通部を前記芯繰り出し機構に設け、その芯挿通部の直径を芯の直径の少なくとも2倍以上に形成するとともに、芯挿通部の前方に少なくとも1つの芯受け部を前記芯繰り出し機構に設け、また、前記ノック駒を軸筒の側壁に径方向に垂直押圧可能に配置し、そのノック駒にノック駒の動作方向に対して斜め方向に係合部を形成するとともに、前記芯繰り出し機構には、この係合部と係合する係合受部を形成し、その係合部が係合受部に対して、或いは、係合受部が係合部に対して挟み込まれた状態で摺動自在に係合したので、安価に製作できながら、本来の性能を落すことなく良好な繰り出し操作が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を示す要部縦半断面図。
【図2】 ノック駒と係合部の係合関係を示す要部斜視図。
【図3】 図1のA−A線断面図。
【図4】 図1に相当する軸筒を示す要部斜視図。
【図5】 ノック駒の押圧状態を示す要部縦半断面図。
【図6】 図5に相当するB−B線断面図。
【図7】 ノック駒の他の例を示す斜視図。
【図8】 軸筒の他の例を示す横断面図。
【図9】 ガイド部材を示す斜視図。
【図10】 本発明の第2実施例を示す縦半断面図。
【図11】 ノック駒と係合部の係合関係を示す要部斜視図。
【図12】 ノック駒の押圧状態を示す要部縦半断面図。
【図13】 ノック駒の他の例を示す斜視図。
【図14】 本発明の他の使用例を示す縦断面図。
【図15】 図14に相当するC−C線断面図。
【図16】 本発明の第3実施例を示す横断面図。
【図17】 図16に相当するノック駒の押圧状態を示す横断面図。
【図18】 第3実施例の変形例を示す横断面図。
【図19】 図18に相当するノック駒の押圧状態を示す横断面図。
【図20】 本発明の第4実施例を示す横断面図。
【図21】 ノック駒と係合部の係合関係を示す要部斜視図。
【図22】 スライド部材を示す縦半断面図。
【図23】 図20に相当するD−D線断面図。
【図24】 図23に相当するノック駒の押圧状態を示す横断面図。
【図25】 スライド部材の変形例を示す縦断面図(第5実施例)。
【図26】 スライド部材の他の変形例を示す縦断面図。
【符号の説明】
1 軸筒
2 透孔
3 ガイド突起
4 ノック駒
5 ガイド溝
6 傾斜面部
7 傾斜面部
8 ノック面部
9 係合爪
10 弾撥部材
11 芯タンク
12 チャックリング
13 チャック体
14 係合部材
15 傾斜溝
18 先部材
19 芯戻り止め部材
20 芯保護管
21 係合部
22 ノック駒
23 ガイド突起
24 縮径部
25 面部
26 後端面
27 ガイド部材
28 ノック駒
29 側壁
30 切欠き部
31 前部傾斜面
32 第1の係合部
33 後部傾斜面
34 後端部
35 第2の係合部
36 係合爪
37 芯タンク
38 係合部材
39 切欠き部
40 第1の係合受部
41 中間傾斜面
42 第2の係合受部
43 後端傾斜面
44 ノック駒
45 第1の係合部
46 第2の係合部
47 係合部材
48 傾斜した溝状の係合受部
49 傾斜した溝状の係合受部
50 棒状体案内部材
51 外筒
52 固定部材
53 棒状体受け部材
54 圧入部
55 非圧入部
56 台形部
57 台形部
58 グリップ部
59 クリップ
60 キャップ
61 弾撥部材
62 スライド部材
63 芯導入孔
64 芯受け部材
65 ロ−ト状部
66 芯挿通孔
67 芯タンク部
68 孔
69 チャック圧入孔
70 孔
71 凹凸嵌合部

Claims (5)

  1. 軸筒の内部に芯繰り出し機構を配置するとともに、軸筒の側壁にノック駒を径方向に対し押圧可能に配置し、このノック駒の押圧動作により前記芯繰り出し機構を前後動せしめ、これらの動作によって芯を軸筒より繰り出すサイドノック式シャ−プペンシルにあって、前記ノック駒の押圧方向に芯が通過する芯挿通部を前記芯繰り出し機構に設け、その芯挿通部の直径を芯の直径の少なくとも2倍以上に形成するとともに、芯挿通部の前方に少なくとも1つの芯受け部を前記芯繰り出し機構に設け、また、前記ノック駒を軸筒の側壁に径方向に垂直押圧可能に配置し、そのノック駒にノック駒の動作方向に対して斜め方向に係合部を形成するとともに、前記芯繰り出し機構には、この係合部と係合する係合受部を形成し、その係合部が係合受部に対して、或いは、係合受部が係合部に対して挟み込まれた状態で摺動自在に係合したことを特徴とするサイドノック式シャ−プペンシル。
  2. 前記請求項1記載のサイドノック式シャ−プペンシルにあって、前記係合部並びに係合受部を少なくとも2つ以上形成したことを特徴とするサイドノック式シャ−プペンシル。
  3. 前記請求項1、又は、請求項2記載のサイドノック式シャ−プペンシルにあって、前記ノック駒を軸筒の側壁に径方向に垂直押圧可能に配置しするとともに、前記軸筒に対する圧入部と非圧入部とをノック駒に形成し、その圧入部はノック駒の軸筒に没入している部分に形成され、一方、非圧入部はノック駒の軸筒から露出している部分に形成されていることを特徴とするサイドノック式シャ−プペンシル。
  4. 前記請求項1〜請求項3の何れかに記載のサイドノック式シャ−プペンシルにあって、前記軸筒の前方部には別部材、或いは、凹凸部を形成することによってグリップ部を形成し、一方、軸筒の後方部にはクリップを配置し、また、前記グリップ部の後方であってクリップの前方に前記ノック駒を配置したことを特徴とするサイドノック式シャ−プペンシル。
  5. 前記請求項1〜請求項4の何れかに記載のサイドノック式シャ−プペンシルにあって、前記ノック駒の後方部に軸筒の内径と略同径の外径を有する芯受け部を形成するとともに、その芯受け部に芯が通過する芯挿通孔を形成したことを特徴とするサイドノック式シャ−プペンシル。
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