JP3694622B2 - 画像表示データの生成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラスタスキャン型の表示装置に表示させるためのデータを生成する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
CPUによって生成されフレームバッファに描画された画像データを、CRTディスプレイ等のラスタスキャン型表示装置に表示するために、従来よりCRTコントローラが汎用的に用いられている。これを用いることにより、CPUの負担が軽減できるとともに、高速処理が可能となる。
ここで、従来よりある画像表示システムの一例を図8、9を参照して説明する。
CPU100 には画像データを生成するためのデータ(例えば海図を表示する場合には海岸線データ)が入力されており、CPU100 はそれに基づいて表示装置に実際に表示させる画像データを生成し、生成されたデータをフレームバッファとしてのVRAM120 に描画する。図8の場合はCRTコントローラを介してVRAMにアクセスするが、図9の場合はCPUが直接アクセスする。
CRTコントローラ130 においては、1ピクセル分のデータを表示装置140 に出力するタイミングを示すドットクロックに基づいて表示装置140 の規格に応じた水平/垂直同期信号を生成するとともに、それに同期して画像データをフレームバッファ120 より読み出し、水平/垂直同期信号とともにカラーパレット150 を介して表示装置140 に出力する。
表示装置140 は、入力された画像データのカラー情報に基づいたドットを水平/垂直同期信号に同期して表示する。
このようにして1フレーム分の画像データを一度フレームバッファに描画しておけば、その画像データの読み出し及び同期信号の生成は、全てCRTコントローラにより行われるため、その間はCPUに負担がかからず、CPUは他の処理を行うことができる。また、読み出し速度等がCPUの能力に依存しないため、高性能なCPUを使用しなくても高速に表示処理を行うことが可能になる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような従来技術にあっては、CPU及びCRTコントローラの両方からアクセスできるようにフレームバッファとしてVRAMが使用されているが、CRTコントローラによって画像データの読み出しが行われているときは、CPUによるフレームバッファへのアクセスは規制される。そのため、画像表示中に新たな画像データの描画を行う必要がある場合、高速に処理を行うことができない。
また、フレームバッファとしてVRAMを必要とすると共に、画像データの表示のために使用される水平/垂直同期信号の生成及び画像データの読み出し処理に、CRTコントローラという特別なハードウエアを必要とするため、装置の高価格化の原因となるという問題があった。
【0004】
そこで、本発明は、画像データの表示処理中であってもフレームバッファへの描画処理を高速に行えるとともに、 システムの高価格化の原因となるVRAM及びCRTコントローラを必要としない画像表示システムを提供することを目的としてなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明では、
CPUとメインメモリとFIFOメモリとを備えた制御装置によって、ラスタスキャン型の表示装置に必要な水平同期信号データ、垂直同期信号データ、及び画像データを生成するための画像表示データ生成方法において、
CPUは、水平同期信号データ、垂直同期信号データ、及び画像データを生成して、該CPUのメインメモリのアドレス空間に設定されたフレームバッファに書き込むとともに、
フレームバッファから読み出した水平同期信号データ、垂直同期信号データ、及び画像データをFIFOメモリに書き込み、
FIFOメモリは、ドットクロックに同期して、FIFOメモリに書き込まれた水平同期信号データ、垂直同期信号データ、及び画像データを読み出すことにより、水平同期信号データ及び垂直同期信号データに基づく水平同期信号及び垂直同期信号と、画像データとを表示装置に出力するという手段を講じた。
【0006】
以上の手段を講じたことによって、CPUが従来のCRTコントローラの機能を代行し、フレームバッファはメインメモリ上に設定されているのでVRAMは不要となったのである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明にかかる画像表示データ生成方法を、その実施の形態を示した図面に基づいて詳細に説明する。
【0008】
図1において、
1は制御装置であり、2はCPU、3はそのアドレス空間に配置されたメインメモリ、4はCPU2に接続されたFIFOメモリ、5はFIFOメモリ4から出力される画像データのカラー情報を変換するカラーパレット、6はカラーパレット5から出力される画像データを表示するラスタスキャン型の表示装置としてのCRTである。
【0009】
メインメモリ3には予めフレームバッファ31としての領域が設定されている。このフレームバッファ31の画像データマップの1例を図2に示した。図2において、領域(11)は実際に表示される各ピクセルのデータが書き込まれている領域であり、領域(1) 、(5) 、(9) 、(13)は水平同期信号データが書き込まれている領域であり、領域(1) 、(2) 、(3) 、(4) は垂直同期信号データが書き込まれている領域であり、領域(16)の最終のアドレスにはリードアドレスリセットパルスデータが書き込まれている領域である。
画面の解像度を344 ドット×240 ラインとした場合には、フレームバッファ31は455 バイト×262 の領域が設定されている。
従ってこの場合には、1ライン分の水平同期信号データの領域は22バイト、1ライン分の左輝線消去期間を確保するための領域(10)には50バイト、1ライン分の画像データが書き込まれる領域(11)には344 バイト、1ライン分の右輝線消去期間を確保するための領域(12)には39バイトがそれぞれ設定されている。
そして、はじめの8ライン分の領域には垂直同期信号データが書き込まれ、次の11ライン分の領域にはトップ輝線消去期間を確保するための11バイトが設定され、次の240 ライン分の領域には1フレーム分の画像データが書き込まれ、最後の3 ライン分の領域にはボトム輝線消去期間を確保するための3バイトが設定されている。
ドットクロックを7.15909MHzとした場合の例として、水平走査のタイミングは図3に示し、 垂直走査のタイミングは図4に示した。
これらの図に示したように、 例えば、各フレームの表示期間としては水平方向が344 バイトであるので344 ドット即ち48.1μs、垂直方向が240 ラインであるので15.26 μsとなる。
【0010】
図5にCPUとFIFOメモリの周りの要部を示した。
この図においては、1ピクセルの画像データを、RGBの3ビットのカラー情報と、1ビットのL/D(明暗)情報との4ビットで表した例であり、FIFOメモリのデータ入力側端子(CS,WR,WRESET,IN0〜IN7)はCPUと接続され、データ出力側端子(OUT0〜OUT3,OUT5,OUT6)は前記4ビットの画像データ(R,G,B,L/D)と、水平同期信号データ(HSYNC)と、垂直同期信号データ(VSYNC)として配線されている。
また、出力側端子(OUT7)はリードアドレスリセット端子(RRESET)に接続され、読み出しクロック端子(RD)にはドットクロック信号が入力されている。
【0011】
従って、ドットクロックに同期して、FIFOメモリの画像データと水平/垂直同期信号が読み出される。
そして、各フレームの最後にはリードアドレスリセットパルスデータが書き込まれているので、このデータが出力側端子(OUT7)から読み出されると、FIFOメモリのリードアドレスがリセットされて、再び最初のアドレスから読み出される。
【0012】
なお、図6には、1ピクセル当たりのビット数を7としてカラー解像度を高くする場合のFIFOメモリ4’回りの配線を示した。即ち、この場合には、図5では1フレームの最後まで利用されない出力側端子(OUT7)を、図6ではタイミング判別ビットとして利用することによって、出力側端子(OUT4〜6)を画像データと同期信号とで共用した。
【0013】
以上の構成の制御装置において、
まず、CPU2はCRT6の表示条件(例えば解像度)に基づいてフレームバッファとして必要なメモリの大きさを計算して、例えば図2に示したマップ図のような領域を、メインメモリ3内にフレームバッファ31として設定する。
次に、例えば、図2に示したように、始めの22バイトの領域に水平同期信号データと垂直同期信号データとを生成して書き込む。図5に示した例の場合には水平同期信号データの第6ビットを立てることによって水平同期パルスのタイミングを表し、第7ビットを立てることによって垂直同期パルスのタイミングを表す。
そして、フレームバッファの20ライン目の(22+50+1)バイト目からの領域(11)に、1ライン当たり344 バイト分のデータを書き込む。
最後の領域(16)の最後のアドレスに書き込むリードアドレスリセットパルスデータとして、第8ビットを立てたデータを生成して書き込む。
このようにして、フレームバッファ31に1フレーム分のデータを書き込む。
このようにしてフレームバッファ31に描画されたデータは、FIFOメモリ4に順次書き込まれる。
FIFOメモリ4のデータは、ドットクロックに同期して読み出されて、カラーパレット5に出力される。
カラーパレット5においては、画像データのRGB情報は、カラー信号に変換されて出力される。
従って、CRT6においては、画像データのL/D(明暗)情報に基づいた明るさで、RGB情報に基づいた色のドットが、フレームバッファのアドレスに対応した画面上の位置に表示されるのである。
【0014】
また、図7に示したように二組のFIFOメモリ4A、4Bを並列接続して、ドットシフタ4Cを備えてもよい。このように構成することによって、CPUの出力データバスが多い場合にも対応することが可能になる。
なお、以上の説明においては、CRTを用いた表示装置を用いたが、RGBタイプであれば種別は問わない。
【0015】
【発明の効果】
以上の構成によれば、CPUによってソフトウエア処理によって水平/垂直同期信号を生成するとともに、画像データとともに水平/垂直同期信号もフレームバッファに書き込むので、CRTコントローラを用いずにラスタスキャン型表示装置に用いる信号を生成することが可能になった。
また、フレームバッファをCPUのメインメモリのアドレス空間上に設定したので、VRAMを用いることなく高速な画像表示が可能となった。
また、フレームバッファから読み出されたデータはFIFOメモリに書き込まれ、FIFOメモリから読み出したデータによって表示が行われるので、表示処理がCPUの性能に依存することなく高速に行うことができる。
フレームバッファへの画像データの描画及びFIFOメモリへの書き込みは、表示処理とは完全に非同期に行えるため、表示データの書き換え処理を高速に行うことができ、且つ、CPUの動作を妨げることもない。
また、FIFOメモリの容量の許す限り様々な解像度の表示装置に対応することができる。加えて、インターレス方式、ノンインターレス方式に関わらず対応することができる。
そして、高価格化の原因となるVRAMやCRTコントローラが不要になるので、装置を低価格で提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる画像表示データ生成方法に用いる制御装置の実施の形態の構成を示したブロック図である。
【図2】1フレームの画像に対するアドレス空間の構成を示すマップ図である。
【図3】水平走査にかかる画像表示のタイミング図である。
【図4】垂直走査にかかる画像表示のタイミング図である。
【図5】図1の制御装置の要部の回路図である。
【図6】別構成の制御装置の要部の回路図である。
【図7】さらに別構成の制御装置のブロック図である。
【図8】従来の方法による画像表示装置の構成例を示す図である。
【図9】従来の方法による画像表示装置の別の構成例を示す図である。
【符号の説明】
1 制御装置
2 CPU
3 メインメモリ
4 FIFOメモリ
5 カラーパレット
6 CRT、表示装置
31 フレームバッファ
Claims (1)
- CPUとメインメモリとFIFOメモリとを備えた制御装置によって、ラスタスキャン型の表示装置に必要な水平同期信号データ、垂直同期信号データ、及び画像データを生成するための画像表示データ生成方法において、CPUは、水平同期信号データ、垂直同期信号データ、及び画像データを生成して、該CPUのメインメモリのアドレス空間に設定されたフレームバッファに書き込むとともに、フレームバッファから読み出した水平同期信号データ、垂直同期信号データ、及び画像データをFIFOメモリに書き込み、FIFOメモリは、ドットクロックに同期して、FIFOメモリに書き込まれた水平同期信号データ、垂直同期信号データ、及び画像データを読み出すことにより、水平同期信号データ及び垂直同期信号データに基づく水平同期信号及び垂直同期信号と、画像データとを表示装置に出力するように構成したことを特徴とする画像表示データ生成方法。
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