JP3694170B2 - 床パネルの構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、強固にかつ熱橋を防止しつつセメント板を枠組に取り付けた床パネルの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
壁、床、屋根等をパネルを用いて構成するパネル工法の家屋等の建築物においては、枠組にセメント板を載置して一体化したパネルが、耐振動性、耐騒音性、耐久性などのために床パネルとして多用されている。このような床パネルにおいては、従来、前記枠組の上面に直接、セメント板の平坦な裏面を載置させてビス、釘等の固着具乃至接着剤で固定している。
【0003】
しかしながら、セメント板と枠組とは、特に枠組が金属製であるときにはその間の摩擦係数が小であって滑りが生じやすく、又固着具を用いるとき特にセメント板が厚いときには固着具の長さが大となって強固な取付けが困難となり、その結果取付けにゆるみが生じて剪断ずれが生起する。また取付けのゆるみはセメント板によるストレススキン性を損ない床全体の剛性を低下して床の耐振動性、耐騒音性、耐久性などが低下する。
【0004】
さらに枠組が前記のように金属製の枠材を接合してなる場合には、床パネルが特に、床下冷気により冷却されやすい1階の床パネルである場合には、セメント板が枠組と熱橋しセメント板には枠組と面接触する部分の上面に結露など発生しやすい。なお結露防止のためにはセメント板による断熱性を高めるべくその厚さを増すなどのことは重量を増し、作業性を損なうとともにコストアップともなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、枠組とセメント板との間に木質の隔て材を介在させることにより、前記課題を解決しうる床パネルの構造の提供を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明において請求項1の発明は、裏面を下に向けてセメント板を長辺側の縦の枠材と短辺側の横の枠材を接合した周囲枠を有する枠組に重ねて配してなる床パネルの構造であって、前記セメント板の前記裏面の側縁に形成された下の切欠き状部に木質の隔て材を装着し、この隔て材を介してセメント板を枠組に固定し、前記下の切り欠き状部の巾は前記縦の枠材の巾よりも広巾であって、1.0倍よりも大かつ1.5倍程度以下であり、その高さを、前記セメント板の板厚の1/4〜2/5程度としたことを特徴とする床パネルの構造である。
【0007】
又請求項2の発明は、前記セメント板は、裏面に、連続する複数条の溝状部が前記側縁を含んで間隙を隔てて並設されるとともに、前記下の切欠き状部は前記側縁に位置する溝状部からなる床パネルの構造であることを特徴としている。
【0008】
さらに請求項3の発明は、前記セメント板は、熱伝導率κ(W/mK)が0.3以下に設定されることを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の態様を図面に基づき説明する。
図1は、本発明にかかる例えば2枚の床パネルF1、F2(総称とするとき床パネルFという)が基礎固定金具A…を用いて布基礎Bに隣り合って配置されている場合を示し、1階床を構成している。
【0010】
床パネルFは図1〜図3に示すごとく、枠組2とセメント板3とからなり、セメント板3の裏面の側縁に形成された下の切欠き状部4に装着される隔て材6を介してこのセメント板3を枠組2に固定している。
【0011】
枠組2は、図1に一点鎖線で示しかつ図2にも示すごとく、例えば長辺側の縦の枠材11A、11Bと短辺側の横の枠材11C、11Dを溝部を内向きに短形に接合した溝形材からなる周囲枠に、前記横の枠材11C、11Dと平行に複数本の中桟11E…を縦の枠材11A,11B間に架け渡している。中桟11Eは、本例では中央に、ウエブを背中合わせとした広巾の中桟11ECを含んでいる。なお枠組2の形状、寸法の他、枠材、中桟の配置等は基礎、大引(図示せず)等の配置によって自在に選択できる。
【0012】
さらに本例では、枠組2には、縦の枠材11A、11Bの下フランジ上面、横の枠材11C、11Dと中桟11Eとの下フランジの上面間などに架け渡した下地材12…上の受板13によって、枠組2の上面と略高さを揃えて断熱材14を収容している。なお断熱材14は、枠組2の高さの1/3〜2/3程度の厚さに設定される。
【0013】
なお断熱材14としては、ガラスウール、ロックウールの他、ポリスチレンフォームなどの各種の発泡材をも採用できる。
【0014】
セメント板3は、図2、図3に示すように、前記枠組2の上面に向き合い載置されるその裏面に、間隔を隔ててかつ側縁を含んで長手方向に連続する複数条の溝状部7・・・が並設される。従って、溝状部7は、側縁を通る外の溝状部7Aと、その間の内の溝状部7Bとを含む。また外の溝状部7Aの奥側面7A1とその上面7A2とがL字をなすとともにこの外の溝状部7Aが下方側方が開放され前記隔て材6を装着しうる下の切欠き状部4を構成している。
【0015】
なお下の切欠き状部6、即ち溝状部7Aは、前記奥側面7A1が隔て材6の一方の側面に当接するとき隔て材6の他方の側面がセメント板3の側面と整一する巾に設定される。また隔て材6の前記上面7A2に隔て材6の上面が当接するとき、隔て材6の下面はセメント板3裏面と一致するかやや裏面よりも下方に突出する程度の高さとされる。
【0016】
さらに、この溝状部7Aの巾は、この溝状部7Aに装着される前記隔て材6が前記縦の枠材11A、11Bと同幅以上の巾でこの枠材11A,11Bとの間に介在しセメント板3への熱橋を効果的に防ぐために、枠材11A、11Bの巾W1よりも広巾であって、1.0倍よりも大かつ1.5倍程度以下、好ましくは1.0〜1.2程度とする。
【0017】
前記セメント板3には、床パネルFが隣り合って配置されるときにおいて、表面の少なくとも隣合う側の側縁には、この側縁を切り欠き、上の切欠き状部8が形成される。なお上の切欠き状部8は、奥側面8A1、下面8A2を有するL字状に形成される。
【0018】
このようなセメント板3として、いわゆるコンクリート板、多孔質の軽量セメント板、各種の補強材を混入した強化セメント板など種々なセメント板材を採用しうるが、好ましくは耐振動、耐騒音性のためには比較的重質のものを採用する。さらにセメント板3として、本例では押出し成形可能な素材からなる押出しセメント板が用いられ、前記溝状部7及び上の切欠き状部8は押出し成形における押出しによって成形される。
【0019】
さらにセメント板3は、熱橋防止のために、熱伝導率κ(W/mK)が0.3以下に設定する。通常のコンクリート板が1.0程度であるため、断熱材、気泡の混在などによって低下させる。
【0020】
またセメント板3の板厚Tを約20〜40mm程度、好ましくは30mm以上程度とする。さちに、溝状部7及び上の切欠き状部8の高さを、前記板厚Tの1/4〜2/5程度、好ましくは約1/3程度としている。なお溝状部7の巾は10〜50mm程度で自在に設定でき、また下の切欠き状部4は他の溝状部7と同程度がより小の10〜40程度とすることもできる。さらに上の切欠き状部8の巾は10〜30mm程度であって、下の切欠き状部4よりも巾狭とする。
【0021】
前記隔て材6は熱伝導性が小な木質材からなり、予め、隔て材6はセメント板3の前記下の切欠き状部4に前記奥側面7A1,7A2を当接させて接着しておく。これにより生産性を高めるとともに、隔て材6とセメント板3とを全面に亘って強固に接合しておき、前記奥側面7A1との当接と相まって両者の間の剪断ずれを防止する。さらに隔て材6が側縁に位置することにより、セメント板3の欠けを予防する欠け防止材としても機能できる。
【0022】
かかるセメント板3の前記隔て材6を、枠組2の前記縦の枠材11A,11B上に位置させてセメント板3を枠組2に固定する。ビス、釘等の固着具、又は接着剤、さらにはそれらを併用して剪断ずれが生じないように強固に固定する。なお枠組2はセメント板3と、摩擦係数の比較的大きい木質の隔て材6を介在させているため、位置ずれが抑制され、安定した取付けを可能とする。その結果、セメント板3はストレススキン材として作用できることとなり、かつ耐振動性、耐騒音性、耐久性を高める。
【0023】
また隔て材6が枠組2とセメント板3と間に介在することにより熱橋を減じて結露などを低減する。さらに横の枠材11C、11Dとの間には前記溝状部7B・・・が適宜間隔で存在することにより、この溝状部7Bが枠組2からのセメント板3への熱伝導を減じ、結露などを抑制でき、しかも隔て材6がセメント板3の下の切欠き状部4に嵌入しているため、パネルの総厚さを増加させることもない。
【0024】
このような構造の床パネルFは、図1,図3に略示するように、布基礎Bに例えば前記基礎固定金具Aを用いて取り付けられ、本例においては、図2に示す如く、2枚の床パネルF1,F2間に間隙Gを隔てて隣り合って並置されている。また並置されることにより向き合うこととなる前記上の切欠き状部8,8間にはこの上の切欠き状部8,8を跨がって目板9を嵌入している。
【0025】
この目板9は、混入補強材を加減することにより前記セメント板3よりも曲げ強度よりもその強度が大きいセメント材からなり、間隙Gにおける強度低下を防止している。また目板9はその上面をセメント板3の上面と整一させるとともに、上の切欠き状部8に嵌入しているため、厚さの増加を抑制する。
【0026】
また目板9の取付けには接着材等を用いるとともに、目板9の裏面には、前記間隙G略同幅であってその間を封止する高さが床パネルFの1/4〜2/3程度、好ましくは半分程度の中間断熱材10を挿入し、床での断熱性を向上している。
【0027】
なお本発明の床パネルの構造、及びその接合構造において、図2に一点鎖線で示すように、セメント板3の表面両側縁に上の切欠き状部8を設けることもできる。また図4に示すように、1つの枠組2に2枚のセメント板3,3を配置することもできる。そのとき、隣合うセメント板3,3は図5に示すように、下の切欠き状部4に嵌入される前記隔て材6のみを用いる。そのとき枠組2には横の枠材11C、11D間に中央の桟材11Fを配することもできる。またかかる場合も、図4に示すごとく、床パネルの表面の1つの側縁にのみ上の切欠き状部8を形成することも、両方の側縁に切欠き状部8を形成するなど、本発明は種々変形しうる。
【0028】
【発明の効果】
請求項1の床パネルの構造は、前記のような構成を具え、セメント板は枠組に隔て材を介して重ねて配置されているため、枠組とセメント板との間の熱橋を防ぐとともに、隔て材は下の切欠き状部に嵌入されていることにより床パネルの厚さの増加を抑制し収まりのよい床パネルを構成できる。さらに隔て材を介在するため、セメント板と金属製の枠組が直接接触する場合に比してその間の摩擦係数を増してセメント板が比較的厚いときにも強固な安定した取付けが可能となる結果、ゆるみを減じて剪断ずれの発生を抑制でき、ストレススキン性を高めて床全体の剛性を維持させ床の耐振動性、耐騒音性、耐久性などを向上する。
【0029】
また請求項2の発明においては裏面に形成した溝状部を切欠き状部として用いるため、この溝状部をセメント板の押出し成形時において成形することにより生産性を高めるとともに、ときに市販のものを利用することも可能となる。
【0030】
さらに請求項3の発明では、前記セメント板は、熱伝導率κ(W/mK)が0.3以下に設定されるため、熱橋を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1つの実施の態様を例示する平面図である。
【図2】本発明の床パネルの構造の好ましい実施の態様を例示する斜視図である。
【図3】好ましい実施の態様を例示する断面図である。
【図4】他の床パネルの構造を例示する平面図である。
【図5】他の床パネルの構造を例示する断面図である。
【符号の説明】
2 枠組
3 セメント板
4 下の切欠き状部
6 隔て材
7 溝状部
8 上の切欠き状部
9 目板
Claims (3)
- 裏面を下に向けてセメント板を長辺側の縦の枠材と短辺側の横の枠材を接合した周囲枠を有する枠組に重ねて配してなる床パネルの構造であって、前記セメント板の前記裏面の側縁に形成された下の切欠き状部に木質の隔て材を装着し、この隔て材を介してセメント板を枠組に固定し、前記下の切り欠き状部の巾は前記縦の枠材の巾よりも広巾であって、1.0倍よりも大かつ1.5倍程度以下であり、その高さを、前記セメント板の板厚の1/4〜2/5程度としたことを特徴とする床パネルの構造。
- 前記セメント板は、裏面に、連続する複数条の溝状部が前記側縁を含んで間隙を隔てて並設されるとともに、前記下の切欠き状部は前記側縁に位置する溝状部により形成されることを特徴とする請求項1記載の床パネルの構造。
- 前記セメント板は、熱伝導率κ(W/mK)が0.3以下に設定されることを特徴とする請求項1又は2記載の床パネルの構造。
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