JP3694029B2 - 分光計の標準化方法 - Google Patents

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Description

本発明は、試料の光スペクトルを発生する分光計の標準化方法に関する。
同じ試料に対して露光した時、同じスペクトルを発生する分光計の製造を可能にすることが常に望まれてきた。しかし、分光計が試料の光学特性、また分光計を構成する他の光学要素に極めて鋭敏なため、この望みは不可能とされてきた。
最良の分光計とは、それと同一のものが製造でき、しかもそれによる測定結果が決してドリフトを起こさない分光計である。このことは、その分光計の寿命のある間、同じキャリブレーションが使用可能であり、またこれと同じく重要なことして、どの分光計にもキャリブレーションが開発され、それを他の全ての分光計に自由に転用できることを意味する。こうした分光計に代わる最良のものは、キャリブレーションが上記の互換性を持つ状態に全ての分光計を標準化する方法である。
同じ分光計を製造することが不可能なことから、分光計を標準化し、最初の分光計を完全にキャリブレートして、それ以降の分光計に要する仕事の負担を軽減する試みがなされきた。
Ruhl(WO 93/03341)は、エタロンのスペクトルを決定すると共に、マスター分光計のキャリブレーションを開発し、次いでこのエタロンとキャリブレーションとを現場の分光計に転用すれば、外見上は更にキャリブレーションを必要とはしなくなるだろうとの考えに立って研究を行った。この参考文献では、試料だけのスペクトル及び試料とエタロンを一緒にしたもののスペクトルとの差を取って、エタロンだけのスペクトルを得ている。従って、このエタロンのスペクトルと、エタロンの基準スペクトルに基づいて、試料のスペクトルが補正される。
しかし、Ruhlの方法は、その全てのマスター分光計に導入しなければならない幾つかの厳しく独特な基準(エタロン)を生んでいる。スレーブ分光計を追加して造るには、マスター分光計が存在しなければならないと共に、そして可能なことではないのだが、それはエタロンの導入毎に、そして新たなキャリブレーションが開発される毎に、正確に同一でなければならない。もし、マスター分光計がそのたび毎に正確に同じでなければ、古いキャリブレーションは新しいスレーブ分光計を満足させないだろうし、また新しいキャリブレーションは、古いスレーブ分光計を満足させないだろう。この場合、唯一の解決策は、全てのスレーブ分光計中の全てのエタロンを再測定することになる。それ故、Ruhlの方法は、キャリブレーションの完全な互換性、及び多かれ少なかれ分光計の完全な標準化を提供するものではないから、上記の課題を完全に解決するものではない。
エタロンの導入位置のため、Ruhlの方法はバックグランドスペクトルの決定を行うことに対応する。これはこの方法が、例えば試料保持容器が交換されたときに、光の吸収を考慮に入れていないことを意味する。これは分光計の動作に典型的な影響を与えるから、避けるのが望ましい。
分光計の再キャリブレーション要求を避けるために、分光計の状態を変える分野でも他の研究が行われてきた。例えば、Yongdong Wang等による“Improvement of Multivariate Calibration through Instrument Standardization”Anal. Chem. 1992, pp562;Shenk等による米国特許第US-A-4,866,644号;Pettaro等による同第US-A-5,341,206号;Maggardによる同第US-A-5,243,546号、Ganzによる欧州特許願第EP-A-0 560 006号、及び第EP-A-0 502 495号等がある。
これらの方法は、分光計をその現状から初期状態に変換する方法、又は一つの分光計の現状から他の分光計の現状に変換する方法の何れかについて述べている。しかし、これらの方法の何れも、如何にして分光計を適切に定義された状態−即ち如何にして多くの分光計を好ましい状態に変換するかについて述べていない。
しかし、上記のような方法は、試料から光学スペクトルを発生する分光計を標準化する方法に関する本発明の第1の見地から実際に提供される。この方法は、
− 所定の周波数範囲に於いて特性パターンを示す光学スペクトルに帰着する化学組成を有する少なくとも一つの標準化試料から、少なくとも一つの光学スペクトルを発生する段階と、
− パターンに関する情報を、少なくとも一つの標準化試料からの所望の標準応答として予め決められた少なくとも一つの基準パターンに関する対応情報と比較する段階と、
− この比較に基づいて、発生したスペクトルのパターンの基準パターンへの遷移を記述する標準化パラメータを決定する段階と、そして
− 前記標準化パラメータを分光計又はこれに接続するコンピュータに記憶し、分光計は、未知の試料に対したとき、予め決められた同じ基準パターンを使って同じ化学組成の試料により標準化された対応分光計で発生するものと実質的に同じ光学スペクトルを標準化パラメータを用いて発生する段階とを具備し、少なくとも1つの標準化試料は、測定される未知の試料を導入するときと同じ方法で分光計に導入され、取り扱われる。
この文脈に於いて、一つのパターンの他のパターンへの“遷移”とはパターンを、例えば一定オフセット、一定因子等の些細な違いによって他のパターンとは異なるパターンへの遷移を意味している。
更に、この好適実施例のハードモデルを使用すれば、標準化の実施にあたって、より少ない情報で済むことになる。それ故、幾つかの所定の周波数範囲にある情報だけを使用する必要があるだけである。これらの周波数範囲は、例えば1以上の吸収ピークをスペクトルに含むことが出来る十分に広い周波数幅を有している。他方、これらの周波数範囲は、使用されるモデルの特性(要求される情報量)によっては、スペクトル中の吸収ピークのピークだけを含むように非常に狭い(例えば、FTIR分光計に於ける単一“ピン”)。
また、この文脈に於いて、“特性パターン”とは、自動処理による反復可能な方法によって決定又は認識されるパターンを意味する。この能力を持たないパターンは、反復可能な結果に帰着しないので、この方法には向いていない。
本発明のこの第1の見地によれば、標準化された分光計は、同一試料に対して露光したとき、実質的に同一スペクトルを発生するから、本発明による方法は実際に分光計を適切に定義された状態、即ちキャリブレーション及びデータを、一つの標準化された分光計から他の標準化された分光計に自由に転送できる状態に変換できる。
従って、本発明によれば、1以上の標準化試料が分光計に導入され、その光学スペクトルが発生される。これら1以上のスペクトルの1以上の特性パターンに関する情報は、分光計の所望の標準応答として定義されている基準パターンからの対応情報と比較される。従って、標準化以前に標準応答は定義され、標準化はこの標準応答を得るために分光計の状態を移す。この標準応答は、標準化によって分光計が移される状態を特徴付ける。
従って、基準パターンは、標準化試料を測定するとき、所定周波数範囲に於ける分光計の状態、即ち望ましい標準応答を定義する。これらの基準パターンは、他の分光計と直接関係を持たないから、標準化された分光計が標準化中に置かれる基準又は標準状態は、現在の分光計のどんな状態とも無関係であって、予め定義された基準パターンに関して唯一決定される。当然、このことは標準化試料及び基準パターンが利用できる限り、何時でも標準状態が得られることを意味する。
この点は、基準分光計の存在を必要とする多くの従来方法と大きく違う点である。この基準分光計は、他の全ての分光計と同じようにドリフトするから、基準状態もドリフトする。この問題は本発明では起こらない。
分光計を変換するために必要な実際の変換は、分光計が標準状態とどの位違っているか、即ちどんな影響が反対に作用しているかに掛かっている。
一般に、この形式の分光計を標準化するのに2つの形式の方法、即ちハードモデリング及びソフトモデリングが使用される。ソフトモデリングは、応答(スペクトル)の個々の部分の変換又はシフトを、必要な変換又はシフトの本質又は数学的形式、又はその原因となる物理変化に関して如何なる仮定も置かずに計算し、記憶するモデリングである。
極端な場合、予め定義された周波数範囲及び特性パターンは、試料について得られるフルスペクトルの周波数範囲に同じか、又は少なくともそのように広い周波数範囲を有している。
他方、ハードモデリングは、必要なシフト又は変換の本質又は数学的一致又は形式に関して仮定を設けるモデリングであって、これは必要な変換を記述するのに必要な複雑な計算及び変数の数を少なくする。ハードモデリングを使用すれば、スペクトルの一つの部分について必要な変換は、スペクトルの他の部分の変換に基づいて予測することができる。それ故、必要なスペクトルの変換が所望のスペクトルの残りの部分に関して決定又は予測されるためには、必要なスペクトルの変換は、スペクトルの部分に関して知られていなければならない。
本発明の好適実施例に於いては、分光計が標準化される周波数範囲を含む光学スペクトルを試料から発生する分光計を標準化する方法であって、その方法は:
− 標準化される周波数範囲の一部だけをカバーする1以上の所定周波数範囲に於いて特性パターンを示す光学スペクトルに帰着する化学組成を有する少なくとも一つの標準化試料から、少なくとも一つの光学スペクトルを発生する段階と、
− 特性パターンに関する情報を、少なくとも一つの試料に関する所望の標準応答として予め決められた基準パターンに関する対応情報と比較する段階と、
− この情報の比較、及び特性パターンに関する情報の基準パターンからの偏差に基づいて分光計が標準化される周波数範囲のうちの1以上の所定の周波数範囲にはない残りの部分の変換を予測するように構成されたハードモデルに基づいて、発生された少なくとも一つの光学スペクトルの特性パターンの基準パターンへの遷移、及び分光計が標準化される周波数範囲のうちの1以上の所定の周波数範囲にはない残りの部分のパターンの遷移を決める標準化パラメータを決定する段階と、
− 前記標準化パラメータを分光計又はこれに接続するコンピュータに記憶する段階と、そして
− 分光計が未知の試料に対したとき、予め決められた同じ基準パターンを使って、同じ化学組成の少なくとも一つの標準化試料により標準化された対応分光計で発生されるものと実質的に同じ光学スペクトルを発生するために記憶さた標準化パラメータを用いる段階とを具備し、少なくとも1つの標準化試料は、測定される未知の試料を導入するときと同じ方法で分光計に導入され、取り扱われる。
ハードモデリングを使用すれば、変換に関して仮定した数学的記述の複雑さによって、スペクトルの比較的僅かで、小さい部分についての変換だけを、知るか又は決定する必要がある。
試料から光学的スペクトルを発生させる典型的な分光計では、発光源と光検出器が含まれ、これらによって光路が定められ、試料をこの光路中に置いて光と相互に作用させる。典型的には、分光計は更に試料保持容器、例えば液体試料を保持する容器を含んでおり、この容器の材料もまた光と相互に作用する。更に、光に作用を及ぼすミラー、プリズム、格子、レンズ等が光路に導入される。
上記光学要素は全て時間と共に変化する。発光源の強さ及び波長依存性は変化し、光検出器の感度、試料容器の厚さ、光学要素の位置は全て変化する。こうした変化の全ては光検出器の出力に影響を与え、従って、分光計によって発生されるスペクトルにも影響を与える。
典型的には、分光計のドリフトは2つの同様な分光計を使っても、同じ波長が同様に表れない原因となる周波数ドリフトと、2つの同様な分光計を使って、同じ試料、同じ波長に於いて測った強さが異なる原因となる強度ドリフトとして記述される。
分光計の全ての光学要素に関する可能なドリフトを考慮するために、未知の試料を測定するときと同じ方法で、標準化試料を分光計に導入し、取り扱う。この方法では、付加的影響を導入するものの、その影響は補償されて、通常の試料の測定時には現れてこないような光学要素を光路に何ら追加導入する必要はない。
この文脈に於いて、分光計は連続スペクトルを発生するのが好ましい。この形式の分光計は固定式又は可動式格子、及び固定式又は可動式検出器、又はその他適当な手段を使用する。しかし、ここで述べる好適分光計はフーリエ変換を使用する分光計である。
連続スペクトルを発生する分光計は、不連続波長帯に関する情報を発生する分光計に優る幾つかの利点を有している。オペレータは分光計の光路にある光学的要素を除去又は置き換える必要なしに連続スペクトルにアクセスできる。この光学的要素の除去又は置き換えは、分光計に付加的誤差を持ち込むことになる。
この形式の分光計の光学スペクトルは、典型的には、与えられた周波数範囲に於ける電磁スペクトルであり、好ましくは吸収スペクトル、透過率スペクトル、又は反射スペクトルである。しかし、蛍光スペクトル又はラマンスペクトル等の発光スペクトルも、本発明の方法に関して等しく使用できる。
当然、光学スペクトルは、どんな形の試料からも実質的には発生できる。例えば気体試料、又はチーズ、穀物、肉等の固体試料、或いはミルク又は乳製品のような液体試料からも発生できる。一般に、光学スペクトルは、酪農産物のような多種多様な製品に含まれる化学成分の特徴、即ち濃度を決定するために屡々使用される。
ここで述べる分光計は、液体試料の取り扱いに適応する分光計であり、標準化試料は液体試料であるのが好ましい。こうした情況では、標準化試料は通常試料と同じ方法で、もし在れば、試料容器に入れた状態で分光計に導入する。従って標準化に際して、分光計に光学要素を何ら付加する必要はなく、標準化は通常試料の測定時に存在しない光学要素を考慮する必要がなくなる。
個々の情況に必要な標準化の形よっては、標準化を容易にするため、特性パターンは多かれ少なかれ標準化試料からの情報を含む必要がある。
特性パターンは、スペクトルの局部的最大又は最小、即ち変曲点のように僅かである。他方、スペクトルの大部分は全て、実際の標準化を行うのに必要な情報量に依存している。
特性パターンが光学スペクトル又はその導関数の一つに1以上の局部的最大又は最小を含んでいるのが好ましい。
分光計の周波数軸を標準化するとき、特性パターンに於けるはっきりとした1以上の周波数に関する情報を得ることが必要である。従って、特性パターンは、スペクトルの周波数軸上の固定周波数に位置する光学スペクトルの局部的最大又は最小を1以上含んでいるのが好ましい。
この様にして、局部的最大又は最小の周波数位置は、局部的最大又は最小が本来決まっているように、明確に定められる。更に、試料中に高い濃度を持つ他の要素があると、問題の局部的最大又は最小を“隠したり”、“オーバーライトしたり”、シフトさせたりするので、標準化試料の化学組成は、固定周波数が局部最大又は最小によって曖昧ではなく認識されるような濃度の許容範囲にある化学組成であるのが好ましい。
本発明の方法は、如何なる特定形式の分光計、又は如何なる形式の試料だけに限定されるものではない。分光計の標準化は導入される標準化試料、及びそれに対応する基準パターンにだけ基づいて実施される。従って、標準化試料の基準パターンと化学組成が決まれば、分光計の数は幾つでも、そして何時でも標準化することができる。
この着想は、本願出願人の知るところでは、これまでになかった着想である。更に、この着想による標準化は、標準化試料が再現できる限り、そして基準パターンが必要に応じて、安全に分光計に記憶され、導入又は再導入できる限り、標準化は実質的に限界を持たないから、最適な標準化である。
実際的な特徴として、標準化試料は単一工場で生産され、其処から世界の他の場所に転送されのが望ましいから、標準化試料が所定の与えられた時間、安定であることが好ましいのは当然である。
従って、標準化試料は、その製造、包装後1年間、好ましくは2年間、密封容器内に20℃で保存した後、上記の条件を満足する程度に安定であるのが好ましい。
一つ又はそれ以上の適当な標準化試料を選択する上で実際的な点は、その内容が分光計のオペレータにとって出来る限り無害であることである。標準化試料の成分の認識が、局部的最大又は最小の周波数によって決定できる標準化試料は、例えば成分が水とプロパノールの混合物によって構成されている水と低アルコールの混合物から選択するのが好ましい。
本発明による標準化を行うために必要な情報量によっては、1以上の標準化試料が望ましく、又は必要になる。もし、幾つかの波長帯又は所定の周波数範囲の情報が望ましい場合には、その光学スペクトル中に所望の特性パターンを全て持っている単一標準化試料を造るか、又は幾つかの標準化試料を造ってそれらの情報を合わせて所望の情報となるようにする。
2つの所定の周波数範囲に関する情報だけを必要とするハードモデルは好ましい。この情報は単一の標準化試料を用いて得られる。同時に必要な標準化試料の数を減らすことは、オペレータによる標準化の失敗、例えば試料交換に失敗及びそれによる誤計算の発生等の可能性を少なくする。
この混合物は、相対許容濃度+/−10%内で、1−5% w/wの範囲のプロパノール濃度を持つ、水とプロパノールの混合物である。この相対許容濃度は好ましくは+/−5%(wt)以内、例えば+/−2%(wt)以内、好ましくは+/−1%(wt)以内、例えば+/−0.5%(wt)以内、好ましくは+/−0.25%(wt)以内である。
好ましい単一好適標準化試料用の好ましい標準化液体は水と3.83w/w%濃度のプロパノールを含んでいる。しかし、標準化液体は長い貯蔵寿命を持っているのが好ましいから、1以上の防腐剤、例えばボロノポル、ニクロム酸カリウム、アジ化ナトリウム、アジディオル、塩化ベンザルコニウム、安息香酸ナトリウム、キャソン(cathone)、亜硫酸ナトリウム、ナイシン(nisin)、ソルビン酸、チアベンダゾール、ビフェニール、ベノマイル、メチルパラベン、又はエチルパラベンを加えるのが好ましい。
更に、試料中のpHを一定に保つために、pH緩衝剤を加えるのが好ましい。pHの変化は、試料液体の一定波長帯に於いて吸光度を変化させる。可能なpH緩衝液としては、クエン酸塩、燐酸塩、酢酸塩、硼酸塩、及びTRIS等がある。
好ましい標準化液体に於ける防腐剤の望ましい濃度は、一方で標準化液体の望ましい貯蔵寿命に依存すると共に、他方標準化液体の吸収ピークの位置及び大きさに関する防腐剤の影響に依存する。0.02から0.10w/w%の間が望ましいと考えられる。しかし、実際の防腐剤の光学スペクトルによっては、吸収ピークが極度に変わらないようにするため、この値より大きいか、又は小さい濃度が必要になる。
また、実際に注意すべきこととして、好ましい標準化液体は、その容器を開けたら出来る限り早く使用することが望ましい。その中のプロパノールは極めて短時間に蒸発する。この蒸発を少なくするには、使用前に液体を冷蔵することを勧める。
分光計によって発生されたスペクトルの周波数軸だけではなく、吸光度軸も標準化するのが好ましいから、一般に、はっきりと決められた周波数に関する標準化液体からの情報だけではなく、はっきりと決められた吸光度に関する標準化液体からの情報も必要になる。従って、標準化試料の成分の濃度は、標準化試料の濃度変化に起因するスペクトルの振幅軸に関する誤差が、分光計の反復性より小さくなるような許容範囲内に保持されてるのが好ましい。こうした状態に於いて、はっきりと定められた吸光度に関する情報は、分光計の標準化に使用する標準化液体のスペクトルから得られる。
分光計によって発生したスペクトルの周波数軸の標準化を行う場合、測定されたパターンに関する情報と、基準パターンに関する情報との比較動作は、基準パターンの局部的最大又は最小に対応する局部的最大又は最小が位置している測定されたパターンの周波数の認識動作を含んでいるのが好ましい。この状態に於いて、標準化パラメータの決定は、測定されたパターンの認識された周波数と基準パターンの対応する周波数との間の関係を決定することを適当に含み、これによって周波数の関係を記述するパラメータが得られる。
これらのパラメータは、未知の試料から発せられたスペクトルの周波数軸の補正に使用され、この新たなスペクトルの周波数軸を標準化する。
分光計の振幅又は吸光度の標準化用として、標準化パラメータの決定は認識された周波数に於ける測定されたパターンの振幅と、対応する周波数に於ける基準パターンの振幅との間の関係を決定し、この関係を記述するパラメータを得ることを含んでいる。これは最も簡単な方法である。その理由は、周波数補正の過程でこれらのピークがはっきりと定められ、そして既に認識されているからである。
標準化液体の特性パターンの振幅と、基準パターンの対応する振幅との間の実際の関係は、分光計の実際のドリフトに強く依存する。しかし、好適な分光計、例えばFTIR分光計では、その関係が吸光度の線形関数であると仮定して、ハードモデリングを使用することが出来る(例1参照)。
発生した少なくとも一つのスペクトルの周波数軸を標準化する場合、発生した少なくとも一つの光学スペクトルは、少なくとも認識された局部的最大又は最小が、基準パターンと実質的に同じ位置に位置している少なくとも一つの変換されたスペクトルを得るように、局部的最大又は最小間の周波数関係を記述するパラメータを使用して適当に変換される。このことは、この変換に引き続いて、基準パターンの対応周波数、変換された少なくとも一つのスペクトルの対応周波数、及びそこで測定される振幅が決定されると言う利点を有している。
これは、少なくとも一つの周波数範囲に関して、少なくとも一つの周波数変換したスペクトルと、基準パターンの対応する振幅との好適比較を容易にし、これによって少なくとも一つの周波数変換されたスペクトルの振幅と、基準パターンの振幅との関係を記述する標準化パラメータが得られる。
従って、上記の標準化に基づいて、基準パターンに従い分光計を標準化するのに使用する標準化パラメータが得られる。
事実、たとえ分光計の標準化を基準試料の吸収スペクトルに基づいて行うことが好ましくても、本発明はこれに限定されるものではない。分光計がFTIR分光計である場合、吸収スペクトル、所謂バックグランド(一般に、空気、アルコール、又は水)に関して補正されていない単一ビームスペクトル、及び単一ビームスペクトルを導く干渉写真ですら、全て標準化の基礎を形成することが出来る。このことは、バックグランドを知れば、これらスペクトルの何れも、何れか他のスペクトルから見出せると言う事実に基づいている。
従って、特にFTIR分光計に於いては、本発明による標準化は例えば単一ビームスペクトル、強度又は透過率スペクトル、干渉写真等に基づいて実施することが出来る。
本発明によれば、基準パターンは、少なくとも一つの標準化試料と実質的に同じ組成の少なくとも一つの試料に基づいて、分光計によって発生されたスペクトルから導かれるか、又は使用される標準化試料の実際の形に応じた他の何れかの適当な方法によって決定、又は定義される。例えば、単に周波数軸の標準化をしたければ、試料の測定からこの情報を導く代わりに、標準化試料の吸収ピークの周波数をテーブルから導いて、それを基準パターン又は基準情報として使用する。
少なくとも一つの標準化試料の光学スペクトルの特性パターンは、少なくとも一つの標準化試料から光学スペクトルを発生する時点で、既知であるか又は随意に予め定義されているのが好ましい。この方法では、変換の数学的性質は予め既知又は仮定される。
この標準化を使用する分光計の実際の形式、及び考慮しなければならない変動によっては、ハードモデリングの数学的モデルは、もし使用するなら、変化する。
このモデルは、少なくとも一つの標準化試料に関する光学スペクトルの少なくとも特性パターンの部分の周波数軸上の位置と、基準パターンの部分との間の相関関係を仮定する。この仮定された相関関係は線形の相関関係である。
また、このモデルは、少なくとも一つの標準化試料に関する光学スペクトルの少なくとも特性パターンの部分の吸収軸上の位置と、基準パターンの部分との間の相関関係を随意に又は付加的に仮定する。この仮定された相関関係は線形の相関関係又は一次相関関係である。
本発明の利点、特にハードモデリングに関して使用した場合の利点は、少なくとも一つの標準化試料は化学組成の点で、未知の試料と異なっている点である。従って、本発明を用いれば、標準化は試料の形態、即ち揮発性であるかとか、不適当に短い貯蔵寿命を持っているとか、再生が困難又は不可能である等の試料形態によって限定されることない。長い貯蔵寿命を有し、再生の容易な標準化試料を定義し、製作することは可能である。
更に、必要な変換と、それを予測するモデルの複雑さと条件によっては、好ましくは1から100、例えば1から80、好ましくは1から10、例えば2から5、好ましくは2つの特性パターンそして/又は基準パターンが使用される。
事実、特にハードモデリングを使用する(本発明の第1見地からの好適実施例)場合、1以上の所定の周波数範囲は、標準化される周波数範囲の90%以下、例えば70%以下、好ましくは50%以下、例えば30%以下、好ましくは20%以下、例えば10%以下、好ましくは5%以下をカバーするのが好ましい。
本発明の第2見地は、未知の試料の標準化された光学スペクトルを得る方法に関し、この方法は、上記方法に従って標準化された分光計を使って未知の試料の光学スペクトルを測定する段階と、分光計の標準化から得られ、かつ分光計又はこれに接続したコンピュータに記憶された標準化パラメータを適用して、測定されたスペクトルを標準化したスペクトルに変換する段階とからなっている。
従って、この第2見地によれば、分光計は何時でも同様に予め定められた状態に標準化される。これは一般に、分光計に生ずる通常の不可避的なドリフトを処理するために少なくとも月に一回は必要であるが、分光計の光学要素を交換又は変更した時には、追加して行う必要がある。
本発明の第3見地は、各々が試料から光学スペクトルを発生する複数の分光計を標準化する方法に関し、この方法は:
− 各分光計に於いて、所定の周波数範囲で特性パターンを示す光学スペクトルに帰着する化学組成を有する少なくとも一つの標準化試料から、少なくとも一つの光学スペクトルを発生する段階と、
− 各分光計に於いて、パターンに関する情報を、少なくとも一つの標準化試料関する所望の標準応答として予め決められた基準パターンに関する対応情報と比較する段階と、
− 各分光計に於いて、この比較に基づいて、発生したスペクトルのパターンの基準パターンへの遷移を定める標準化パラメータを決定する段階と、そして
− 各分光計又はこれに接続された1以上のコンピュータに於いて、前記標準化パラメータを記憶し、それぞれの標準化試料は、それぞれ同じ所望の標準応答に対応するように実質的に同じ化学組成を有し、分光計が未知の試料に対したとき、標準化された分光計の各々は、記憶された標準化パラメータを用いて、実質的に同じ光学スペクトルを発生する方法であり、各分光計において、少なくとも1つの標準化試料は、測定される未知の試料を導入するときと同じ方法で導入され、取り扱われる。
本発明の第1見地に関して述べたように、好適実施例に於いては、ハードモデリングが使用できるようにするため、必要な変換の性質及び数学的形式に関して仮定が行われる。
従って、本発明の第3見地による好適実施例は、各々が標準化される周波数範囲を含む光学スペクトルを試料から発生する複数の分光計を標準化する方法に関し、この方法は:
− 各分光計に於いて、標準化される周波数範囲の一部だけをカバーする1以上の周波数範囲に於いて特性パターンを示す光学スペクトルに帰着する化学組成を有する少なくとも一つの標準化試料から、少なくとも一つの光学スペクトルを発生する段階と、
− 各分光計に於いて、パターンに関する情報を、少なくとも一つの標準化試料に関する所望の標準応答として予め決められた基準パターンに関する対応情報と比較する段階と、
各分光計に於いて、この情報の比較、及び特性パターンに関する情報の基準パターンからの偏差に基づいて分光計が標準化される周波数範囲のうちの1以上の所定の周波数範囲にはない残りの部分の変換を予測するように構成されたハードモデルに基づいて、発生された少なくとも一つの光学スペクトルの特性パターンの基準パターンへの遷移、及び分光計が標準化される周波数範囲のうちの1以上の所定の周波数範囲にはない残りの部分のパターンの遷移を決める標準化パラメータを決定する段階と、
− 前記標準化パラメータを各分光計又はこれに接続する1以上のコンピュータに記憶し、
− 各分光計又はこれに接続された1以上のコンピュータに於いて、前記標準化パラメータを記憶し、それぞれの標準化試料は、それぞれ同じ所望の標準応答に対応するように実質的に同じ化学組成を有し、分光計が未知の試料に対したとき、標準化された分光計の各々は、記憶された標準化パラメータを用いて、実質的に同じ光学スペクトルを発生する方法であり、各分光計において、少なくとも1つの標準化試料は、測定される未知の試料を導入するときと同じ方法で導入され、取り扱われる。
この文脈に於いて、標準化試料が“実質的に同一組成”を有することは、それらが実質的に同一特性パターンを有する光学スペクトルを発することを意味する。所定の周波数範囲間又はその外側の光学スペクトルに関しての標準化試料に対する要求はない。
このことは、本発明の強力さ及び適用性を示すものである。何故なら、分光計を幾らでも実質的に同じ状態に移すことが出来る、即ち標準化された全ての分光計が未知の試料から実質的に同じスペクトルを発生する状態に移すことが出来るからである。
従って、本発明の第4見地は、試料から光学スペクトルを発生する分光計をキャリブレーション方法に関し、この方法は上記分光計を標準化する段階と、この分光計に、同様の標準化を受けた1以上の他の分光計に関して実施された測定に基づいて得た典型的には多変数キャリブレーションから、キャリブレーション係数を導入する段階とを含む分光計のキャリブレーション方法である。
本発明の全体的特質によれば、分光計が同じように標準化されている限り、また信頼できる結果を望むのであれば、成分の濃度決定に用いられる化学基準法が同じである限り、キャリブレーション係数は幾つもの分光計に関して行われた測定を基にして決められる。
キャリブレーションの典型的な使用法には、試料中の1以上の成分の濃度の予測に関して行われるキャリブレーションがある。
キャリブレーションは典型的には、一定の波長、又は与えられた因子によるスペクトルの一定波長帯に於いて吸光度を増加させ、そして他の成分の影響を考慮するために、他の因子による他の吸光度を付加的に又は随意に増加させることによって、分光計が成分の濃度を予測を出来るようにする。
一定の波長で測定された吸光度は、サンプルの吸収性に依存するだけではなく、発光源から発する光の強さ、試料容器の厚さ及びその材料、光路中にあるミラーの反射等にも依存するから、吸光度の測定に使用する実際の分光計にも依存している。このことが、これまで分光計間でキャリブレーションの自由な移転が出来なかったことの主な理由である。
本発明による標準化によれば、上記の影響を取り除くことは出来ないが、補償することは出来るので、これらの影響はキャリブレーションが開発され、かつ標準化された分光計のキャリブレーションに考慮されているから、1以上の標準化された分光計について開発されたキャリブレーションは他の分光計でも使用することが出来る。
キャリブレーションの互換性は例2について述べる。
本発明による標準化に関する好適実施例については、以下2つの例を用いて、添付図面を参照して説明する。図中:
図1は第1吸収ピークの近傍に於ける基準サンプルの負の透過率スペクトルを示す図、
図2は第1ピークのピーク位置及び決定されたピーク位置に近い4点を示す図、
図3は第2吸収ピークの近傍に於ける基準サンプルの負の透過率スペクトルを示す図、
図4は周波数補正の直線性を示す図、
図5はスペクトルの周波数補正を示す図、
図6は吸光度補正の直線性を示す図、
図7は標準化した分光計によって改善された予測値を、標準化していない分光計との比較に於いて示す図、
図8は典型的な干渉計の構成を示す図、
図9は位相ロックループを用いた図8に図示の干渉計の構成を示す図、
図10は好適干渉計の可動ミラー用の好適駆動手段を示す図、そして
図11は干渉計の好適周囲環境を示す図である。
例 1
FTIR分光計の標準化
この例では、典型的なFTIR分光計の標準化について述べる。この分光計は液体の測定を行うめ、測定中液体を保持する試料容器を備えている。
この例では、試料から得られるスペクトルは、試料容器を介して干渉計から赤外線を検出器に送ることによって得られる透過率スペクトルである。
この形式の分光計に於いては、試料の透過率スペクトルを得るための典型的な方法では、先ず、試料及び試料容器の透過率、鏡の反射、発光源の発光スペクトル、検出器の感度、その他の影響に関する情報を含む所謂単一ビームスペクトルを得てから、次ぎに試料の透過率を分離するため、試料を除いて同じ影響を含んだ状態、所謂液体ゼロの状態で同じスペクトルを測定する。
分光計又はこれに接続したコンピュータに記憶したこのスペクトルは、透過率として周波数軸上に等間隔に位置する幾つかのチャンネルに記憶される。このスペクトルは、実際の試料の連続透過率スペクトルに関する不連続点を表す点からなっている。
工場出荷時、分光計又はこれに接続されたコンピュータには、標準化液体のディジタル透過率スペクトル(基準パターン)及びこの液体の2つの吸収位置に関する情報がロードされている。
この基準パターンは、無作為に選んだ標準化の対象となる分光計で用いた標準化液体の透過率スペクトルから得るのが好ましい。従って、標準化は透過率スペクトル測定時におけるこの分光計の実際状態に対して行われる。
この文脈に於いて、標準化液体は水とプロパノール(3.83w/w%)からなっている。
分光計を標準化するため、この例では、標準化液体は典型的試料と同様の方法で分光計、即ち試料容器に導入され、液体の透過率スペクトルTの典型的測定が行われる。
次に、未知試料の透過率スペクトルを補正するための標準化パラメータを得るため、透過率スペクトルTを基準パターンと比較する。
この標準化液体は、この分光計による計測が可能な周波数範囲1000-5000/cm-1に、2つの明確な吸収ピークを有するために選択したものである。これらの吸収ピークは2つの局部的最小として、標準化液体との透過率スペクトル中に容易に認識することが出来る。
スペクトル中の局部的最小の位置を比較するよりも、吸収ピークの位置を比較する方が、直感的により容易に理解しやすいので、以下の説明では、実際の標準化は標準化液体の負透過率スペクトル−Tに基づいて起こるものとする。負透過率スペクトル−Tを使用すると、プロパノールの吸収によって起こるスペクトルTの局部的最小は、吸収ピークに変換される。
先ず、これら2つの吸収ピークのピーク位置を認識する。典型的には、これらの位置は基準パターンの対応するピークの位置近くにある。このことは、大凡の位置が処理の初めから分かっていること意味する。
図1は、第1の吸収ピーク(矢印で図示)近傍に於ける標準化液体の負透過率スペクトル−T(実際の吸光度スペクトルとの類似点を有する)を示す図である。図のピークの片側(右側)には、長いスロープがあることが分かる。このことは、スペクトル−Tのこの部分を、ピークが左側にあると思われる地点の右側から辿ることによって、ピークを認識することが出来ることを意味する。この方法で検出される最初の局部的最大は、典型的にはこのピークである。
しかし、典型的には、スペクトル−Tは一定量のノイズを含んでいるから、上記スロープに沿って幾つかの小さな局部的最大があるかも知れない。このことは、これら小さい局部的最大によって紛らわされずにピークを認識する方法を使用すべきだということを意味している。
ピークの実際位置を決定するための分解能を更に高めるため、得られた標準化液体のスペクトルの分解能を上げることが出来る。当然、これは標準化液体を高分解能でスキャンすることによって得られる。FTIR分光計の場合、これは干渉ピークについて広範なスキャンすることによって得られる。
しかし、この情況に於いては、“高分解能”が、スペクトル中の“より多くの測定点”につながるものであれば十分である。これは、一般にゼロ−フィリング(zero-filling)として知られる方法によって得られる。この方法では、FTIR分光計によって行われた短いスキャンが、全てがはっきりとゼロである幾つかのサンプリング点によって数学的に“延ばされる”。この方法によって、標準化液体のスペクトルに情報が追加導入されるされることはなく、またノイズが低減することもないが、この操作は干渉計によって測定されたゼロ−フィルド(zero-filled)干渉信号のフーリエ変換によって理想的に定まる連続曲線に沿って多くの点を持つ標準化液体のスペクトルに帰着する。
この例では、合計3万2千の点に対して、8千(詳しくは8192)の点を使用してスキャンした干渉信号がゼロ−フィルドされる。このことは、標準化液体のスペクトルがオリジナル干渉信号スペクトルの点の4倍の点を含んでいることを意味する。この“高分解能”スペクトルはピークの位置について、より良い推定値を与える(図2参照:オリジナルの点は自然数に位置し、他の点(1/4、1/2、3/4に位置する点)はゼロ−フィリング法によって導入された点である)。
この好適とされる方法では、スペクトルのチャンネルに関する各点の両側にあって、且つこの点に最も近い5点、即ち問題とする点を中心とする合計11点に関して、これらの点が描く曲線に対し3次の多項式が当てはめられる。
そして、次のことを調べる。即ち:
− 最大値を有する多項式の1次導関数の根に対応するチャンネル数が、問題の11点内に位置しているかどうか、
− このチャンネル数が実数かどうか(現在の状況下では虚数のチャンネル数は使用せず、従って実数のチャンネル数が検出されるまで、この操作を継続する)、そして
− 認識されたチャンネル数に対応する値が、問題としている11点内における多項式の大域最大値であるかどうかを調べる。
この様にして、ノイズによって発生した曲線の小さい偏差を消去し、基準を満足する第1最大値が求めるピークとなる。ピークの実際位置は、通常2つのチャンネルの間にある。
ピークに関するこの“大凡の位置”が認識されたら、上記ピーク位置の両側にある最も近い2点によって構成される4点に対して、第2の3次多項式を当てはめるのが好ましい。図2は、多項式を適用する4点及び認識されたピーク位置(丸印)を示している。
以下の点については注意を要する。即ち、多項式の最大値は恐らく、この多項式が適用された点の一つに位置することはないから、認識されたピークの位置は通常、スペクトルの点と正確に一致しない。しかし、このことは標準化に影響を与えるものではない。この操作本来の目標はピーク位置を正確に認識することである。
ピーク1(図1)の位置を認識する上記方法によって、ピーク2(図3)は同じ方法によって決められる。図3から分かるように、このピーク位置を認識するる最良の方法は、上記の方法を反対側からスタートする方法である。この点を別にすれば、ピーク位置を認識する方法は同じである。
FTIR分光計は、本質的に非常によく似ているから、2台の別々のFTIR分光計によって計測した同一試料の2つのスペクトル間の差は、主に比較的僅かなはっきりした原因から生じている。それら原因の最も有力なものとしては:
a)試料容器及び試料に吸収される光量に差を生じさせる試料容器の厚さの差、
b)最終スペクトルの周波数軸にシフトを与える干渉計の2つのレーザーの波長の差、そして
c)やはり最終スペクトルの周波数軸にシフトを与える干渉計に於ける赤外光とレーザー光の配列の差、
が挙げられる。
上記(a)について: 試料容器の厚さの差は、試料保持容器を構成する材料の厚さの差と、光が透過しなければならない試料保持容器の対向するウィンドウの間の距離として定義される試料の厚さの差との両者からなっている。この両者とも、差は試料容器の疲労に由来している。事実、CaF等の試料容器材料は吸湿性のため、乳液試料等の水性試料を測定する間に僅かに溶解する。しかし、この溶解過程は極めてゆっくりしたものであるから、CaF試料容器は時間にして1年間、試料数にして20万から40万個の測定に使用し得る。
ランバート−ベールの法則によれば、この差は測定したスペクトルの吸光度軸に関し線形尺度(linear scaling)を与える。
上記(b)について: FTIR分光計で用いられるフーリエ変換では、干渉計によって発生され、検出器によって検出された干渉信号を、例えば可動ミラーの移動に伴う光路差の関数として、等間隔にスキャンすることが必要である。このことは、典型的なFTIR分光計では、干渉計にレーザー光を照射し、例えばレーザー光の位相ロック、又は干渉計に於ける干渉レーザー光の零交差に関する干渉ピークの測定をトリガすることによって確実に実施される。
こうした情況においては、レーザー光の周波数差は、2台の異なる分光計が間隔が僅かに異る等間隔の干渉パターン測定をトリガする結果を引き起こし、そのため、測定されたスペクトルの周波数尺度に差が生まれる。
しかし、こうして生じた差はスペクトルの周波数軸の線形尺度となる。フーリエ変換したスペクトルは周波数軸上の多くの等間隔点によって構成されるから、斯うした点の間隔距離は分光計毎に異なる。しかし、これを補正するため、等間隔周波数によって構成される“ルーラー”は単に圧縮又は伸張されるだけである。従って、この処理による非線形効果は一般的に発生しない。
この種の分光計に於いて、他の距離測定手段が使用されたときにも、同様の効果が見られる。これはフーリエ変換によって与えられる。
上記(c)について: 周波数シフトは、干渉計の赤外光がレーザー光と同じ光路を正確に辿らない場合に見られる。この状態において、干渉赤外光の干渉信号は、例えば干渉レーザー光の零交差のように、等間隔にトリガされるが、レーザー光が正確に赤外光に重なった場合の間隔距離とは異なる間隔距離の等間隔でトリガされる。従って、等間隔トリガの“ルーラー”は、レーザーの波長ではなく、上記“ルーラー”の伸張又は圧縮が、周波数軸を補正するように僅かにシフトされる。
この周波数軸の適応は、標準液体に於けるプロパノールの2つの吸収ピークの認識された位置に基づいて、基準パターンのこれら2つの吸収ピークの位置が既知である場合に行われる。
図4は、x−軸上のスペクトル−Tのピーク位置(チャンネル数)と、y−軸上のスペクトルTのピーク位置と、基準パターンのピーク位置との間のチャンネル数の差、及びオリゴ(origo)によって構成される3点を通って描かれた最良の直線を示す。
差は周波数軸の線形尺度であるとする仮定は維持されていることが分かる。この図から、測定されたスペクトルから対応する基準パターンのチャンネルへ、何れのチャンネルも移転させる周波数シフトが導かれる。
このシフトは、次式によって与えられる。即ち:
Shift=α・channel+β
周波数軸を標準化するための未来スペクトルの周波数軸を補正するためには、2つの変数だけが必要である。事実、βは実質的にゼロであって、僅かに小さい精度で十分な場合には、αだけが必要になる。
しかし、測定されたスペクトルは、試料の実際の透過率スペクトルを示す不連続な点から構成されているから、このスペクトルの周波数軸のシフトには、新たにシフトされたスペクトルの点の再計算が必要になる。
この再計算を図5に示す。この図では、疑似曲線がα=0.1、β=0としたときの上記式に従ってシフトされている。オリジナルスペクトルを実線で、これに対応するシフトされたスペクトルを破線でそれぞれ示している。
オリジナルスペクトルの各チャンネルについて、上記式によってシフトを計算する。例えばチャンネル6については、そのシフトは0.6である。このことは、チャンネル6は6.6の位置にオリジナルスペクトルの透過率を有していることを意味している。オリジナルスペクトルはそのようなチャンネルを持っていないから、この値は計算しなければならない。この趣旨で、シフトされた位置の両側にある最も近い2点に3次の多項式を適用する。これは、チャンネル5、6、7、及び8を位置6.6に対して利用することを意味する。
スペクトルの実際部分に近似された連続曲線を描くこの多項式に基づいて、シフトした位置に於ける透過率の値が計算される。この様にして、シフトされたスペクトルに対する新たな点が計算される。
スペクトルTについてこの操作を行えば、シフトされ、測定されたスペクトルT’の周波数軸は、基準パターンの周波数軸に一致する。
上記で用いた補間法は、当然どの様な適当な形式のものであっても良く、例えば、上述のような3次補間法とか、グレゴリーニュートン補間法、エヴァレト補間法、ラグランジ補間法、又は2次補間法と言ったもので良い。
また、上記の(a)によれば、透過率軸に関しても補正されなければならない。この補正は、スペクトルの単一チャンネル、例えばスペクトルTに於いて認識されたピークの一つに於ける透過率の差と、基準パターンとの間の透過率の差に基づくと共に、現在の目的に関係するスペクトルの部分全体にわたって補正が線形補正(透過率の−log10は、吸光度に関して線形である。以下を参照)であると言う仮定の下に最も簡単に行われる。この場合、少なくとも必要な基準パターン(最初に決めた標準化液体のスペクトル)の情報は、標準化された際に、シフトされたスペクトルT’の2つの認識されたピークが位置しているチャンネル数及び透過率である。従って、この簡単な標準化に必要な基準パターンは、単に2つのピークのピーク点である。
しかし、例えばノイズによる干渉があるため、誤計算の可能性を少なくするため、此処では大きい数値の選択範囲を用いるのが好ましい。
吸光度軸の補正は吸光度の値に関して線形尺度であるとの仮定によって、以下の形の補正が仮定される。即ち:
reference=bT’a
透過率スペクトルを吸光度スペクトルに変換するため、透過率スペクトルの負の対数を取ることによって、スペクトルの吸光度軸の線形補正が得られる。
log10(Treference)=a・log10(T')+log10
この式は、a及びlog10bが求められることを示している。
吸光度の値への因数の乗算はランバート−ベールの法則による。
従って、a及びlog10bは、一つの軸に周波数シフトしたスペクトルT’の対数を取り、他の軸に基準パターンの対数を取って、それをプロットすることによって得られる。また、実質的に直線となったこのプロット(図6参照)から、全ての点を通る最良の直線は、普通の最小二乗法と、変数a及びlog10bの計算値を使って得られる。また、log10bはゼロに近く、精度をそれ程要しない標準化で十分であれば、無視することができる。
従って、上記から、変数α、β、a、bが求められる。次ぎに、これらの変数は、分光計又はこれに接続したコンピュータに記憶され、未知の試料のスペクトルの補正に使用される。
未知の試料の透過率スペクトルの標準化は、上記の仕方によって実施される。この場合、先ず周波数シフトしたスペクトルT’を発生させ、次いで標準化したスペクトルを発生するため、それを次の式に入れる。
reference=bT’a
この例では、大きい水の吸収は上述の2つのピークの間に位置するので、この吸収に於ける周波数範囲はy−軸の補正には使用できない。それ故、この周波数範囲を除いて、上記プロットで使用したチャンネルをその使用に適したものだけに限定する。他のシステムに関しても、ここで使用する周波数範囲を除く理由がある場合もある。
しかし、標準化の精度を上げなければならない場合、二次的影響、例えば発光源の発光が直線的にシフトしないため、ある波長では強度が増すが、他の波長では増えないといったことを矯正できたらと考えるだろう。同様のことは、検出器の感度変化についても当てはまる。
もし、吸収軸の補正が簡単な線形補正でない場合には、スペクトルの標準化には複数の方法がある。上記の情況、即ち水吸収がスペクトル内に位置し、これが標準化されるスペクトルの情況であれば、透過率補正は水吸収間の各“ウインドウ”に関して行われる。これらのウィンドウは、フルスペクトルより比較的小さいから、補正は各ウインドウ毎に直線的であると仮定しても良く、各ウインドウ毎に異なるa及びbが得られる。
この方法は、もしこのスペクトルに水吸収が無ければ、フルスペクトルに不連続を起こすことになる。この影響は、上記の場合に代わって、補正は均等ではないことを認めると共に、その代わりとして、周波数補正を受けたスペクトルの各チャンネルに対し、個々のa及びbを決めることによって除くことが出来る。
これは、問題とするチャンネルに関する点と、例えばその両側にある直近の2点に関して、図6について述べた操作を実施することによって達成される。従って、この別々のチャンネルについて一つのa及び一つのbが得られる。
次いで、2つの別々の多項式をそれぞれa及びbに適用する。これらの多項式は、上記大域a及びbの代わりに透過率補正に用いられる。
第3の方法は、周波数補正されたスペクトルの透過率と基準パターンとの差又は比に、簡単に多項式を適用する方法である。この多項式は、この後、スペクトルの吸収軸の標準化に用いることが出来る。
例 2
キャリブレーションの互換性
この例では、第1の分光計(以下、基準分光計と言う)について開発され、他の分光計(以下、スレーブ分光計と言う)に移される、乳液中の脂肪を決定するための標準キャリブレーションについて述べる。標準化のために、一つの分光計に関して開発されたキャリブレーションは、直接他の分光計で使用される。この例の目的は、周波数及び吸収尺度の差に起因する脂肪濃度予測の低下を、標準化したスペクトル(Tstandardized:例1参照)に基づいた予測と比較評価することである。
このキャリブレーションは、試料中の脂肪濃度と幾つかの選択された波長帯に於いて決められる吸光度との間の関係を示す。この例では、乳液中の脂肪のIR決定に典型的な以下の波長帯を選択している。
Figure 0003694029
この分光計では、周波数(cm-1)はチャンネル番号から約3.86だけ増やすことによって得られる。
乳液中の脂肪濃度を決定するとき、上記チャンネル間隔の各々の透過率の平均値が決定される。
Dfの値は、ランバート−ベールの法則は、例えば低い濃度の脂肪に対してだけ有効であるという趣旨から、信号の線形化に用いられる。高濃度では、信号は線形とはならない。しかし、以下の線形化を利用すれば、信号は高濃度に対しても線形となる。
このことは、この平均値の負の対数を取ることによって、透過率の値が吸光度の値に変換されることを意味する。
最初の6つの波長帯に関し、その平均透過率を、典型的な基準波長帯としての基準波長帯(Pref)に於ける透過率で割り、その後で線形化を行う。これを示す式は次の通りである。
Figure 0003694029
当然のことながら、その他の線形化、例えば2次多項式を用いても良い。
最後に、係数Bを6つの波長帯全てに掛け、最終的にその結果と定数を加算すれば、試料の脂肪に関する予想濃度が得られる。
例えば、乳液中の脂肪を赤外線を使って決めるのに一般に使用される分光計では、使用者は良くスロープ/インターセプト補正と呼ばれる操作を行う。この操作では、脂肪予想値の規則的変化が補正される。
このスロープ/インターセプト補正を分光計で行う最も重要な理由は、問題の分光計を使って、実験室で用いられる実際の化学標準法(chemical reference method)を考慮してはキャリブレーションが出来ないためである。個々の国の個々の実験室は、乳液中の脂肪を決めるのに個々に異なる標準法を使用しているから、もしキャリブレーションが異なる標準法用いて行われていれば、キャリブレーションがこの標準法に正確に対応するわけがない。スロープ/インターセプト操作は、この違いを除去する。何故なら、この違った方法は乳液中の脂肪の規則的変化を決めて行くからである。
更に、この種の分光計は時間と共にドリフトするため、例えば脂肪の予想値もまたドリフトを起こす。スロープ/インターセプト操作は、キャリブレーションに基づいて計算された濃度を補正するために、計算された脂肪濃度と“真”の脂肪濃度との相互関係を示す。
また更に、スロープ/インターセプト操作は、測定前に試料に作用する、例えばホモジナイザーの作用の変化を考慮に入れる。乳液試料の均質度の差は、試料中の脂肪球体のサイズ分布に差を与え、更に、これら球体の吸収及び散乱の程度に差を与える。
スロープ/インターセプト操作では、幾つかの試料を分光計に導入すると同時に、化学標準法によって決定された試料中の実脂肪濃度が分光計に知らされる。これに基づいて、分光計は図7に図示のような曲線を計算し、予想された脂肪の補正値は計算値に基づいて決定される。この操作は、測定されたスペクトルとキャリブレーションが協同して正しい予想値を与えなくなったときに、計算値を補正する。
この操作は計算された濃度を補正するので、本発明による標準化で行う仕事の一部を実行するかに見える。
しかし、たとえ上記操作が、キャリブレーションは正しい予測値に帰着しないと言う“徴候を癒す”としても、本発明による標準化は、キャリブレーションが正しい予測値に帰着するように測定されたスペクトルを補正することによって“疾患を癒す”ものである。
更に、本発明による標準化で行われる周波数シフトは、スロープ/インターセプト操作の間に実施されるものではない。これは、分光計間の差はこの操作によって補正されるものではないことを意味する。このキャリブレーションに用いられる波長帯は極めて広く、比較的大きい周波数シフトは許容し得る結果に帰着するので、試料への影響は僅かである。しかし、もっと狭い吸収ピークを用いるその他のキャリブレーションでは、上記スロープ/インターセプト操作は計算された濃度を補正することは出来ない。
従って、本発明による標準化はスロープ/インターセプト操作によって行われる補正部分を引き継ぐものである。これは大いに望ましいことで、スロープ/インターセプト操作は、大凡の補正を行うだけにし、本発明による標準化がより正しい完全な補正を行う。事実、実際のところ、周波数軸の補正をしなければならない場合、スロープ/インターセプト操作は不正確である。
他方、本発明の標準化は分光計の光路差を考慮するだけだから、スロープ/インターセプト操作は他の影響、例えば基準方法の差、ホモジナイザーの状態等を考慮に入れて標準化を補足する。従って、これら操作の最適な使い方としては、先ず第1に、光路の影響を補正するために標準化操作を実施し、次いで標準化操作では考慮されないが、スロープ/インターセプト操作では考慮される影響についてスロープ/インターセプト操作で分光計を補正することである。
この例では、幾つかの試料について、以下の条件で脂肪濃度を予測する。
− 基準分光計を使用(基準)
− 標準化もスロープ/インターセプト操作も施さないスレーブ分光計を使用(スレーブ)
− 標準化を実施し、スロープ/インターセプト操作は施さないスレーブ分光計を使用(スレーブstd)
− 標準化せず、スロープ/インターセプト操作を施したスレーブ分光計を使用(スレーブS/I)
− 標準化及びスロープ/インターセプト操作を施したスレーブ分光計を使用(スレーブ(st/S/I))
上記条件で得られた予測濃度を以下の表に示す。
Figure 0003694029
上記の理由に関して、たとえ標準化されたスレーブ分光計(SEP−std)、スロープ/インターセプト操作で補正されたスレーブ分光計(SEP−S/I)、及び標準化及びスロープ/インターセプト操作の両者で補正されたスレーブ分光計(SEP-std-S/I)の結果はほぼ同等であるとしても、標準化された分光計のスロープ/インターセプト値は1及び0に非常に近く、このことはキャリブレーションの移転を容易にするためには、標準化はスレーブ分光計に必要な補正だけであることを意味していることが分かる。
例 3
本発明に好適な干渉計
図8はIR分光測定法に使用するFTIR分光計の基本構成を示す図であり、この分光計は、固定ミラー4、可動ミラー6、及び対応する補償板10を備えたビームスプリッター8を含む典型的なマイケルソン干渉計2を含んでいる。赤外光発光源12は、コリメーティングミラー14を介して干渉計2に平行な赤外光を照射し、そして干渉計2から発せられた干渉赤外光は試料容器16を介し、更に収束ミラー18を介して光検出器20に照射される。
干渉計2によって生成した干渉信号は、干渉計2の光路の一つの光路長を他の光路の光路長に比して変化させる可動ミラー6の運動によって、スキャンされた干渉信号のフーリエ変換を可能にするため、可動ミラー6の運動に伴って等間隔点毎に検出されるのが好ましい。もし、標準フーリエ変換のアルゴリズムが、スキャニング点が可動ミラー6の運動に伴って等間隔にあるようにスキャンされた干渉信号に適用されれば、それによって生ずるスペクトルは、周波数に於いて等間隔となる点によって表される。
補償板10は、それ自体公知である方法によって、ビームスプリッター8の基板の分散を補償する。
この分野の技術に於いて、可動ミラー6の運動の関数として、IR干渉信号の等間隔トリガ又はスキャンを容易にするため、これまで幾つかの方法が用いられてきた。この等間隔トリガを容易に行う方法の一つは、レーザー24から発した光を干渉計2に照射し、干渉計2内で干渉したレーザー光によって干渉縞パターンを発生させ、それをもう一つの検出器26によって検出する方法である。
本発明による好適な干渉計は:
− 直径4.5mmの発光領域を有する温度発光型の発光源を有し、この形式の発光源は、電流を流したときに熱せられる薄い導体又は半導体(例えば、酸化物−半導体)から作られ、熱せられると発光する発光源である。もう一つの形式の発光源は、同軸構成のもので、内側の導体を介して電流が供給され、これによって外側導体が加熱されて発光するものでる。
− また、光検出器を有し、この検出器には、一般には量子検出器型、又は熱電素子、ゴレイセル(Golay Cell)、ボロメーター、のような熱電型、又はDTGS又はリチュームタンタル検出器のようなピロ電気型のものがある。
好適な光学的構成は:
− 光源ミラー14の焦点距離 :36mm
− 検出器ミラー18の焦点距離:18.75mm
− 干渉ミラー4、6の直径 :25.4mm
− ビームスプリッター8の直径:25.4mm
− ビームスプリッター材料 :ZnSe、ZnS、Ge等
好適な寸法(ビームスプリッターの中心からの)は:
− ミラー14とビームスプリッター8との距離:75mm
− ビームスプリッター8とミラー4との距離 :22mm
− ビームスプリッター8とミラー6との距離 :22mm
− ビームスプリッター8とミラー18との距離:80mm
この形式の構成によって3.6°の発散角が得られる。この大きな発散角は、好適干渉計の主目的、即ち液体試料、特に水性試料の構成要素の決定には最適である。
この形式の試料の吸収ピークは、典型的にはガスの吸収ピークより広いから、干渉計の周波数分解能は、ガス測定用の干渉計のように高い必要はない。
試料中に水があるため、試料の全吸収は高く、測定を実行するためには大きな光量が必要になる。この意味で大きい発散角は大きな光量による試料容器の照射を可能にし、これによって厚い試料容器の使用が可能になる。厚い容器は使用後の洗浄が容易なため望ましい。
水が大きい吸収を示すため、薄い試料容器が望ましいが、他方試料容器の容易な洗浄の点からは、厚い試料容器が望ましい。
乳液分析用の標準濾過装置、例えばFoss Electric社のMilkoScan装置では、厚さ37μmの試料容器が典型的に使用されている。このサイズの厚みを持つ試料容器は、乳液の構成要素の濃度を決める際に、本発明による干渉計で使用するにも都合がよい。しかし、また試料容器厚さが10又は20μmのもの、そして50又は100μmのものも試料及び試料の吸収性によっては都合がよい。事実、この例では乳液の構成要素の濃度を測定する際に、50μmの試料容器は非常に満足できるものであることが分かった。
この形式の干渉計は、典型的には振動が起こる位置に置かれるから、上記のようなコンパクトな構成は、より大きな光路を有する構成に較べて、干渉計を振動に感じ難くする。
図9では、付加したレーザー24からのレーザー光が干渉計2に向けられ、其処から取り出された出力光がミラー28及び30によって検出器26に向けられる。当然、このレーザー光の操作は幾つかの他方法によって行うことが出来る。
例えば、HeNeレーザーは典型的には単色であるから、発光源12からの干渉光は、干渉赤外光の等間隔スキャンを容易にするため、一つの干渉縞又は幾つかの干渉縞の零交差が検出器26によって検出される毎に検出される。
IR−干渉信号を等間隔に検出するもう一つの選択可能な方法としては、可動ミラーの位置を直接検出する方法がある。
可動ミラー6を実際に動かすために、幾つかの違った手段が用意される。この干渉計では、拡声器によって基本的に知られている原理を利用する。即ち静磁場に置いたコイルに電流を導入し、この導入した電流によって発生した力でコイルが動くという原理を利用する。
この可動ミラーの好適な駆動手段を図10に示す。この図に於いて、可動ミラー6とその保持手段(その組立体を40で示す)は、駆動コイル44を載置した主フレーム42に取り付けられる。駆動コイル44は、基板48に関して載置された固定磁石46が形成する磁場内に位置する。磁石46のフィールドラインは、要素47、49、及び51のそれぞれを介してコイル44に伝達される。ここで、要素47及び51はソフトメタルからなり、要素49は非磁性材料からなっている。
フレーム42が基板48に関して移動できるようにするため、フレーム42、駆動コイル、及び可動ミラーとその保持手段40が、可動ミラー6の面に対して実質的に垂直方向に移動し、かつ実質的には、可動ミラーの面には動きが無いようにして載設した平バネ50に、フレーム42を載置する。
最も簡単な解決法としては、単に適当な電流を駆動コイル44に供給すると共に、恐らく、干渉計2に於いて干渉信号の等間隔スキャニングが出来るようにミラー6の位置を決めるために、併せて干渉計2による干渉縞を使用する方法である。
しかし、可動ミラー6の速度を直接モニターできるようにすることがしばしば求められる。このモニターを可能にする一つの方法は、帰還ループを干渉計2の干渉レーザー光の位相にロックする、公知の位相ロックループ(PLL)を使用することである。
干渉レーザー光の周波数は、所望のミラー6の速度を決める基準周波数と比較される。この様にして、速度−即ち、むしろ基準速度からの偏差が観測される。
しかし、このモニターを使用すると、可動ミラー6の速度は、典型的にはレーザー光の1/4波長の可動ミラー変位に対応する不連続ステップで決定されるだけである。
事実、PLLの結果は、高速又は安定状態に適応される。これは、典型的には、PLLが基準周波数及びレーザー検出器で検出された周波数を入力とする乗算回路(例えば、XORゲート)の出力を積分する積分器を組み入れているからである。安定した結果を得るには、長期にわたって行った積分結果が必要であり、そのため結果を得るまでに比較的長い時間を要する。
しかし、上記の方法は、単に可動ミラー6の運動に沿った不連続点に関する情報を提供するだけであり、また方法そのものが比較的遅速であるので、高速且つ更に連続的な情報を得るためのミラー速度モニタが望まれる。
これは、駆動手段の原理と同じ原理、即ち電気コイルを静磁場内で動かす原理を利用することによって得られる。
干渉計2の可動ミラー6に関する図10に図示の好適駆動手段に於いて、このモニタ手段は、一方のコイルの巻線が他方のものとは逆になるように反対位相に接続した2つの電気コイル52、54を備え、各コイルは基板48に載置した磁石が形成する静磁場内に導入される。
磁石56はソフトメタル製の2片57と接触する駆動手段の軸に沿って設けられ、このソフトメタルの2片は磁石56のフィールドラインをコイル52、54の内側に伝送すると共に、真鍮製の円形要素58を介してコイル52、54の外側に磁石56のフィールドラインを伝送するソフトメタル製の円形片59に磁石56のフィールドラインを伝送する。
この反転構成を取る理由は、これによって外部磁場の如何なる影響も実質的に補償されるからである。
外部磁場の影響を低減するために、感応コイル52、54はμ−メタル製の保護ケースで囲うのが好ましい。
位相ロックループ(PLL)と、図10の速度サーボの違いは、上述のように、PLLが可動ミラー6の速度の不連続点に関する情報を発生するだけであるのに対して、図10の速度サーボは連続情報を発生する。これに加えて、典型的には、速度サーボはPLLより高速である。
これら2つの方法は何れか一方を用いても良く、また、これらは互いに他を補足するから、同時に両者を使用しても良い。
事実、位相ロックループと電気的速度サーボとの組合せは、可動ミラー速度の極めて良好な監視機能を提供すると考えられている。更に、可動ミラー6の速度調整のため、これらサーボからの監視信号は、駆動コイル44に給電する電子制御装置(図示せず)に帰還される。これは干渉計の振動等に由来する影響の防止又は低減に役立つ。
当然のことながら、可動ミラー6の速度決定にそれほどの精度を要求しなければ、可動ミラー6の速度の監視機能を備えなくても干渉計は十分満足に機能する。
本願出願人による係属中の特許願第PCT/DK95/00492号に述べているように、IR干渉信号を検出する検出器18、及び干渉レーザー光を検出のため付加した検出器26にそれぞれ接続したフィルタ76及び74に起因する時間遅延は、同一ではない。従って、干渉赤外光の検出のトリガは、レーザー干渉を検出したときに行われるのではなく、少し遅れて行われる。
上記本願出願人の係属中の特許願に述べているように、この遅延は一定の問題を起こすため、検出器26からの電気信号を濾過するフィルタ74と、典型的に用いられるサンプリング用電子装置72との間に遅延電子装置70を導入するのが好ましい。この遅延電子装置70の導入によって、レーザー干渉縞を検出したときに、確実に赤外光のトリガが起こるようになる。
本発明による干渉計の実際の使い方によっては、干渉計2の周囲、特に干渉計内を移動する光の周囲環境を確実に一定に保つことが好ましい。
例えば乳液中の成分を定量的又は定性的に決定するのに赤外光を用いる装置では、水蒸気は赤外光の一部を吸収し、これが結果に影響を及ぼすから、赤外光の光路にある水蒸気量を出来る限り少なくするか、又は少なくとも一定にするとことが極めて好ましい。従って、乳液測定を行う好適な装置では、温度調節を行い、例えばよく知られたシリカゲルを用いて乾燥した実質的に気密なケース内に干渉計2を設置するのが好ましい。
図11は、干渉計2の周囲環境を示す図である。
装置の長期安定化のため、温度勾配は個々の要素に変形等を生じさせるから、装置内に温度勾配がないことが重要である。従って、干渉計2(図示せず)を設置したケース80全体を温度調節するのが好ましい。この装置では、加熱要素82は、ケース80の基底92に載置したロッド86の中に位置している。このロッド86は、干渉計2(図示せず)を載せる基板90の孔94を通して突き出ている。
この基板90は、孔94の近くに位置するフランジ88に載置するのが好ましい。また、このフランジ88は基板90の唯一の支持体であると共に、基板90と基底92との間の唯一の物理的接触点を構成しているのが好ましい。
温度調節ユニット(図示せず)の一部を構成する加熱要素82がロッド86内に配置され、温度調節ユニットの温度センサ84が、ロッド86と基板90の間の交点近くのロッド86内に配置されていると、この交点の温度調節は良好に行われる。従って、ケース80と基板90との間の唯一の物理的接触は、温度センサ84の近くに位置するフランジ88によって行われるから、基板90の温度調節も良好に行われる。
更に、ロッド86は干渉計(図示せず)を含むケース80と好適に熱接触しているからケース80も温度調節される。従って、図11に図示の好適な構成を使用すれば、良好な温度調節の光学ユニットが得られる。
装置の光路に導入される実際の試料、及びその他これに関連する考慮によっては、実際の装置構成は変化する。
従って、乳液中の成分決定を第1目標とするこの例の好適装置では、干渉計2の光学要素(例えば、4、6、8、10)の近くに位置する試料容器16をケース80内に置かないようにするのが好ましい。比較的高い圧力を試料容器16内に導入することによって、壊れた際に干渉計2の光学要素を汚染しないようにする。更に、発光源12は一般に比較的大量の熱を発し、干渉計の熱的状態の精度を下げるから、発光源は温度調節したケース80の外に置くのが好ましい。
ケース80内の干渉計2に発光源(図示せず)から光を送るために、ケース80と、発光源を覆ってケース80から熱的に隔離する覆い(図示せず)との間に簡単な孔を設ける。
この例の干渉計では、2つのミラー4、6及び干渉計2のビームスプリッタ8は、これら3つの光学要素を3点接触によって載置する。この特徴はよく知られるよう、これら光学要素内の応力を軽減するのに役立ち、それ故それらに適応性を与える。もしそうでないと問題が起こる。
干渉赤外光の等間隔トリガ用にレーザー発光源からのレーザービームを使用し、干渉計内でレーザービームと赤外光が重なり合う、幾つかの公知の干渉計では、ビームスプリッターが、赤外光とレーザー光との両者を分離できなければならない。この分離を得るため、これに使用する典型的なスプリッターは、小さい直径のレーザービームを分離するためのコーティングをその中央部に有すると共に、その周辺部には、大きい直径の赤外光の大部分を分離する別のコーティングを有している。例えば、直径45mmの標準ビームスプリッターでは、一般にレーザービームスプリッターは、例えば10mmの直径を有している。
従って、干渉計2の中で、レーザービームと赤外光が全体に重なり合うことは不可能で、レーザービームは干渉計2の光学系の上部に位置している。従って、例えば25.4mm(1インチ)の直径を有するビームスプリッターでは、ビームスプリッターの例えば4mmの直径を構成する水平に輪郭を描いた部分が、レーザービームスプリッターを構成する。

Claims (37)

  1. 試料から光学スペクトルを発生する分光計を標準化する方法であって、前記光学スペクトルは前記分光計が標準化される周波数範囲を含み、
    − 標準化される周波数範囲の一部だけをカバーする1以上の所定周波数範囲に於いて特性パターンを示す光学スペクトルに帰着する化学組成を有する少なくとも一つの標準化試料から、少なくとも一つの光学スペクトルを発生する段階と、
    − 特性パターンに関する情報を、少なくとも一つの標準化試料に関する所望の標準応答として予め決められた基準パターンに関する対応する情報と比較する段階と、
    − この情報の比較、及び前記特性パターンに関する情報の前記基準パターンからの偏差に基づいて前記分光計が標準化される周波数範囲のうちの前記1以上の所定の周波数範囲にはない残りの部分の変換を予測するように構成されたハードモデルに基づいて、発生された少なくとも一つの光学スペクトルの特性パターンの前記基準パターンへの遷移、及び前記分光計が標準化される周波数範囲のうちの前記1以上の所定の周波数範囲にはない残りの部分のパターンの遷移を決める標準化パラメータを決定する段階と、
    − 前記標準化パラメータを分光計又はこれに接続するコンピュータに記憶する段階と、そして
    − 分光計が未知の試料に対したとき、前記予め決められた基準パターンを使って、少なくとも一つの標準化試料により標準化された分光計で発生されるものと同じ光学スペクトルを発生するために記憶された前記標準化パラメータを用いる段階とからなり、少なくとも一つの標準化試料は、測定される未知の試料と同じ方法で分光計に導入され、取り扱われることを特徴とする分光計の標準化方法。
  2. 分光計は、連続スペクトルを発生する分光計である請求項に記載の方法。
  3. 分光計は、フーリエ変換を使用する分光計である請求項に記載の方法。
  4. 光学スペクトルは、吸収スペクトル又は透過スペクトルである請求項1からの何れかに記載の方法。
  5. 光学スペクトルは、発光スペクトルである請求項1からの何れかに記載の方法。
  6. 分光計は、液体試料を取り扱うのに適した分光計であって、かつ標準化試料は液体試料である請求項1からの何れかに記載の方法。
  7. 特性パターンは、光学スペクトル又はその導関数の一つにおいて、1以上の局部的最大又は最小を含む請求項1からの何れかに記載の方法。
  8. 特性パターンは、スペクトルの周波数軸上の固定周波数に位置する光学スペクトルに1以上の局部的最大又は最小を含む請求項に記載の方法。
  9. 固定周波数は、標準化試料の1以上の化学要素の認識において特徴となる周波数である請求項に記載の方法。
  10. 標準化試料の化学組成は、固定周波数が局部最大又は最小によって曖昧ではなく認識されるような濃度許容範囲にある化学組成である請求項に記載の方法。
  11. 標準化試料は、その製造及び包装後少なくとも1年間、密封容器内に20℃で保存した後でも、請求項10に定めた条件を満足する程度に安定である請求項10に記載の方法。
  12. 標準化試料は、その製造、包装後少なくとも2年間、密封容器内に20℃で保存した後でも、請求項10に定めた条件を満足する程度に安定である請求項11に記載の方法。
  13. 局部的最大又は最小周波数に対してその認識が決定的となる標準化試料の組成は、水と低アルコールの混合物から選択される請求項1から12の何れかに記載の方法。
  14. 組成は、水とプロパノールの混合物によって構成される請求項13に記載の方法。
  15. 混合物は、相対許容濃度+/−10%内で、1−5% w/wの範囲のプロパノール濃度を持つ、水とプロパノールの混合物である請求項14に記載の方法。
  16. 標準化試料の組成濃度は、標準化試料の濃度変化に起因するスペクトルの振幅軸上の如何なる誤差も、分光計の再現性の誤差より小さい請求項1から15の何れかに記載の方法。
  17. 測定されたパターンに関する情報と、基準パターンに関する情報との比較は、基準パターンにおける局部的最大又は最小に対応する測定したパターンにおける局部的最大又は最小が位置する周波数の認識を含んでいる請求項に記載の方法。
  18. 標準化パラメータの決定は、測定されたパターンの認識された周波数と、基準パターンの対応する周波数との間の関係を決定する段階と、周波数の関係を記述するパラメータを得る段階とを含んでいる請求項1から17の何れかに記載の方法。
  19. 標準化パラメータの決定は、認識された周波数に於ける測定されたパターンの振幅と、対応する周波数に於ける基準パターンの振幅との間の関係を決定する段階と、この関係を記述するパラメータを得る段階とを含んでいる請求項1から18の何れかに記載の方法。
  20. 上記関係は周波数に関する線形関数として示される請求項18に記載の方法。
  21. 発生された光学スペクトルは周波数関係を記述するパラメータを用いて変換され、変換されたスペクトルは、少なくとも認識された局部的最大又は最小が、基準パターンに於ける局部的最大又は最小と同じ周波数に位置する請求項18に記載の方法。
  22. 少なくとも一つの周波数範囲に関して、周波数変換したスペクトルの振幅と、対応する基準パターンの振幅とを比較する段階と、周波数変換したスペクトルの振幅と、対応する基準パターンの振幅との関係を記述する標準化パラメータを得る段階を更に含む請求項21に記載の方法。
  23. 基準パターンは、少なくとも一つの標準化試料と同じ化学組成の少なくとも一つの試料に基づいて、分光計によって発生されたスペクトルから得られる請求項1から22の何れかに記載の方法。
  24. 前記ハードモデルは、少なくとも一つの標準化試料の光学スペクトルに関する特性パターンの周波数軸上の位置と、基準パターンの周波数軸上の位置との間の相関関係を仮定する請求項1から23の何れかに記載の方法。
  25. 仮定される相関関係が、線形相関関係である請求項24に記載の方法。
  26. 前記ハードモデルは、少なくとも一つの標準化試料の光学スペクトルに関する特性パターンの振幅軸上の位置と、基準パターンの振幅軸上の位置との間の相関関係を仮定する請求項1から25の何れかに記載の方法。
  27. 仮定される相関関係が、線形相関関係又は1次の相関関係である請求項26に記載の方法。
  28. 一つ又は2つの標準化試料が使用される請求項1から27の何れかに記載の方法。
  29. 単一の標準化試料が使用される請求項28に記載の方法。
  30. 1から100の特性パターン及び基準パターンが使用される請求項1から29の何れかに記載の方法。
  31. 1以上の所定の周波数範囲は、標準化される周波数範囲の10%以上でない範囲をカバーする請求項1から30の何れかに記載の方法。
  32. 未知の試料の標準化された光学スペクトルを得る方法であって、請求項1から31の何れかに記載の方法を用いて標準化された分光計を使って未知の試料の光学スペクトルを測定する段階と、分光計の標準化から得られ、かつ分光計又はこれに接続したコンピュータに記憶された標準化パラメータを適用して、測定されたスペクトルを標準化したスペクトルに変換する段階とからなることを特徴とする方法。
  33. 各々が試料から光学スペクトルを発生する複数の分光計を標準化する方法であって、前記光学スペクトルは前記分光計が標準化される周波数範囲を含み、
    − 各分光計に於いて、標準化される周波数範囲の一部だけをカバーする1以上の周波数範囲に於いて特性パターンを示す光学スペクトルに帰着する化学組成を有する少なくとも一つの標準化試料から、少なくとも一つの光学スペクトルを発生する段階と、
    − 各分光計に於いて、パターンに関する情報を、少なくとも一つの標準化試料に関する所望の標準応答として予め決められた基準パターンに関する対応情報と比較する段階と、
    − 各分光計に於いて、この情報の比較、及び前記特性パターンに関する情報の前記基準パターンからの偏差に基づいて前記分光計が標準化される周波数範囲のうちの前記1以上の所定の周波数範囲にはない残りの部分の変換を予測するように構成されたハードモデルに基づいて、発生された少なくとも一つの光学スペクトルの特性パターンの前記基準パターンへの遷移、及び前記分光計が標準化される周波数範囲のうちの前記1以上の所定の周波数範囲にはない残りの部分のパターンの遷移を決める標準化パラメータを決定する段階と、
    − 前記標準化パラメータを各分光計又はこれに接続する1以上のコンピュータに記憶する段階と、
    − それぞれの標準化試料は、それぞれ所望の標準応答に対応するように同じ化学組成を有し、未知の試料に対したとき、標準化された分光計の各々は、記憶された標準化パラメータを用いて、同じ光学スペクトルを発生する段階とからなり、各分光計に於いて、少なくとも一つの標準化試料は、測定される未知の試料と同じ方法で分光計に導入され、取り扱われることを特徴とする分光計の標準化方法。
  34. 試料から光学スペクトルを発生する分光計キャリブレーション方法であって、請求項1から30の何れかに記載の方法によって分光計を標準化する段階と、この分光計に、同様の標準化を受けた1以上の他の分光計に関して実施された測定に基づいて得たキャリブレーション係数を導入する段階とを含む分光計のキャリブレーション方法。
  35. キャリブレーション係数は、同様の標準化を受けた単一の分光計に関して実施された測定に基づいて得られる請求項34に記載の方法。
  36. キャリブレーション係数は、同様の標準化を受けた2以上の分光計に関して実施された測定に基づいて得られる請求項34に記載の方法。
  37. キャリブレーションは、与えられた試料の1以上の組成の濃度予測に関して実施される請求項34から36の何れかに記載の方法。
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