JP3693835B2 - 滑走艇のデフレクターのロック機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、後進機能を奏させるための滑走艇のリバース装置に関し、さらに詳しくは、該リバース装置のデフレクターを所定位置でロックするロック機構に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
ウォータージェットポンプで推進する滑走艇、例えば小型滑走艇(Personal Watercaft :「PWC」とも略称される)は、船底等に設けられた吸水口から水 (海水を含む) を吸い込み、ウォータージェットポンプで加速して、船体後方に向けて配設された該ウォータージェットポンプの噴射ノズルから、左右に揺動自在になったステアリングノズルを介して後方に噴射して、任意の方向に前進するよう構成されている。
【0003】
また、上記ステアリングノズルの後方には昇降可能(移動可能)にデフレクターを配置し、後進時には、該デフレクターをステアリングノズルの後方位置に下降させて、該ステアリングから後方へ噴射される水流の向きを前方に反転させて、船体を後進させることができるよう構成されている。そして、このデフレクターの昇降動作は、ステアリングハンドル近傍に配置されたデフレクター操作レバーを操作することによって、該デフレクター操作レバーに連結されている操作ワイヤを介しておこなわれるよう構成されている。
【0004】
ところで、このデフレクターは、前進時には、上方の退避位置に固定され、後進時には、上述したステアリングノズルの後方位置に固定されるよう、デフレクターと船体側との間にロック機構を設けている。
【0005】
従来、このロック機構は、上記デフレクター操作レバーに近接して配置されたロック操作レバーを操作することによって、操作ワイヤを介して、操作するよう構成されている。
【0006】
つまり、デフレクターの昇降動作と、ロック機構の操作を別々の操作ワイヤを用いて、且つ別々の操作レバーをそれぞれ操作することによっておこなうような構成になっている。従って、ライダーは、例えば後進させようとする場合、退避位置にあるデフレクターをステアリングノズル後方位置に下降させる場合には、まずロック操作レバーを操作して、ロックを解除し、次に、デフレクター操作レバーを操作して、デフレクターを所定位置まで下降させ、次に再びロック用の操作レバーを操作して、ロックをおこなう必要がある。後進時から前進させようとする場合は、上記同じような複数の操作が要求される。
【0007】
また、構造的にも、それぞれの操作レバーを配設しなければならず、また、船体に貫通穴を穿設し且つ配置のためのスペースを設けて、操作ワイヤをそれぞれ船尾部分まで配設しなければならない。その分、部品点数が増加し、また組立工数も増加して、製造コストを上昇させることになっている。
【0008】
本発明は、このような状況の下でおこなわれたもので、デフレクターの昇降動作をおこなうだけで、ロック機構のロック操作と解除操作をおこなうことができる滑走艇のデフレクターのロック機構を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる滑走艇のデフレクターのロック機構は、ウォータージェットポンプの噴射ノズルの後方に、移動可能にデフレクターを配設して、該噴射ノズルから後方へ噴射される水流の向きを転向させて、船体を後進させることができるように構成たデフレクターを、1本のワイヤを介してデフレクター操作レバーの操作によって上記移動させ且つ所定位置でロックできる滑走艇のデフレクターのロック機構であって、
このロック機構が、ロック部材と、このロック部材によって係止される係止部材と、このロック部材と係止部材との係止を解除する解除部材を具備し、
上記係止部材と上記解除部材が、同芯の枢支軸を中心に所定角度範囲で回転できるよう配置され、該係止部材と上記解除部材のいずれか一方に上記枢支軸を中心とした長孔が形成されるとともに、残りの一方に上記長孔内に挿入され長孔の両端と係止される連動ピンが突設されることによって、解除部材の動作開始初期に続く行程で該解除部材に対し上記係止部材を連動動作せしめることができるように構成され、
また、上記デフレクターが上記枢支軸を中心に回転することによって上記移動を実行できるように配置されており、
上記係止部材の上記枢支軸から離間した周縁部に、前記ロック部材の先端部分が係合するべく上記枢支軸側に入り込むように凹部が形成されるとともに、
上記ロック部材が上記枢支軸から離間した位置を中心に回転可能に且つ該回転することによって該ロック部材の先端部分が上記凹部に入り込みあるいは凹部から抜け出し可能に配置され、且つ、該ロック部材の一部に、上記解除部材が接触・押圧する被押圧部が形成され、
上記解除部材に、該ロック部材の被押圧部を押圧して上記凹部に入り込んでいる該ロック部材の先端部分を該凹部から抜け出させる押圧部が形成され、
上記ロック部材が、固定側に上記係止部材を係止可能に取着されるとともに、該ロック部材の被押圧部が上記解除部材の押圧部に当接する方向にバネによって押圧され、
上記係止部材が、デフレクター側に、該デフレタクーとともに上記枢支軸を中心に回転できるように一体に取着されるとともに、
上記解除部材の上記枢支軸から離間した位置に、一端が上記デフレクター操作レバー側に取着されているワイヤの他端が取着されて、該デフレクター操作レバーの操作によってデフレクターの昇降動作をおこなうことができるように構成され、
上記解除部材の上記枢支軸を中心とする回転動作開始初期に、上記解除部材の押圧部が上記ロック部材の被押圧部に接触して、該ロック部材の先端部分が係止部材の凹部から抜け出して、該ロック部材による係止部材の係止状態が解除され、続く、該解除部材の上記枢支軸を中心とする回転動作の行程で、上記係止部材を上記枢支軸を中心とする回転動作において連動動作せしめて、デフレクターの昇降をおこない、続く、該解除部材の上記枢支軸を中心とする回転動作の終期において、上記バネの付勢力によって、上記係止部材の凹部にロック部材の先端部分が入り込んで係止状態になるよう構成されていることを特徴とする。
【0010】
しかして、滑走艇のデフレクターのロック機構がこのように構成されていると、単に第3の部材を操作することによって、第2の部材が連動されることによってデフレクターが昇降動作可能となるとともに、昇降動作の両端において第2の部材に第1の部材が係止された状態となるため、該両端でロックおよびロック解除することができる機構となる。
【0011】
また、上記滑走艇のデフレクターのロック機構において、上記第1の部材がロック部材により、前記第2の部材が係止部材により、前記第3の部材が解除部材によって、構成することが可能となる。
【0012】
また、上記滑走艇のデフレクターのロック機構において、上記係止部材に、上記ロック部材の一部が係合する凹部が形成されるとともに、このロック部材の一部に、上記解除部材が接触・押圧する被押圧部が形成され、
上記解除部材に、上記ロック部材の被押圧部を押圧して係合状態の該ロック部材を係止部材の凹部から排除する押圧部が形成されているように構成すると、好ましい実施形態となる。
【0013】
さらに、上記滑走艇のデフレクターのロック機構において、上記係止部材と上記解除部材が同芯の回転軸を所定角度範囲で回転できるよう配置され、該係止部材と上記解除部材のいずれか一方に上記回転軸を中心とした長孔が形成されるとともに、残りの一方に上記長孔内に挿入され長孔の両端と係止される連動ピンが突設されることによって、解除部材の動作開始初期に続く行程で該解除部材に対し上記係止部材を連動動作せしめるように構成すると、ロック機構として好ましい実施形態となる。
【0014】
また、上記滑走艇のデフレクターのロック機構において、上記係止部材の凹部が、該係止部材の周縁部に上記回転軸側に入り込むように形成され、前記ロック部材の先端が上記凹部に係合可能に構成されるとともに、該ロック部材が上記係止部材の周縁部に向かってバネによって付勢されているような構成であると、好ましい実施形態となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の1の実施例にかかる滑走艇のデフレクターのロック機構を、小型滑走艇のデフレクターのロック機構として使用した場合を例に挙げ、図面を参照しながら説明する。
【0016】
図1は本発明の実施例にかかるデフレクターのロック機構を備えた小型滑走艇の全体側面図、図2は同平面図、図3は図1に示すリバース装置のデフレクターを下降させた状態でのロック機構部分の拡大側面図、図4は図1に示すリバース装置のデフレクターを下降させた状態でのロック機構部分のさらに拡大した部分平断面図、図5,図6はロック機構部分の拡大側面図である。
【0017】
図1,図2において、Aは小型滑走艇の船体で、この船体Aは、ハルHとその上方を覆うデッキDから構成され、これらハルHとデッキDを全周で接続する接続ラインはガンネルラインGと呼ばれ、この実施例では、このガンネルラインGは、この小型滑走艇の喫水線Lより上方に位置している。
【0018】
そして、上記デッキDの中央よりやや後部には、図2に図示するように、上面が船体Aの長手方向に沿った平面視において略長方形の開口部16が形成され、図1,図2に図示するように、この開口部16上方に騎乗用のシートSが配置されている。
【0019】
また、エンジンEは上記シートS下方のハルHとデッキDに囲まれた横断面形状が「凸」状の空間(「機関スペース」という)20内に配置される。
【0020】
このエンジンEは、多気筒(この実施例では3気筒)のエンジンEで、図1に図示するように、クランクシャフト10bが船体Aの長手方向に沿うような向きで搭載されており、図2に図示するように、このエンジン本体10の左方(小型滑走艇の左舷方)に気化器11とそれに接続された空気取入室(図示せず)を備え、また、図1,図2に図示するように、上方には集合式の排気管13Aが配置されている。また、この排気管13Aは、エンジン本体10の左斜め後方に配置された消音器14に接続されている。消音器14から、終端が船体Aの後端部外方に至る排気管13Bが、ウォータージェットポンプP(図1参照)を避けるように上方に屈曲して設けられ、その後端は船尾に開口している。また、図1に図示するように、エンジン本体10の後方に突出している上記クランクシャフト10bの出力端は、図1に図示するように、プロペラ軸15を介して、ウォータージェットポンプPのインペラ41の先端側に一体的に回転可能に連結されている。
また、このインペラ41の後端側は、ウォータージェットポンプPのポンプ回転軸41Sに一体的に回転可能に連結されている。そして、このインペラ41は、その外周方が、ポンプケーシング41Cで覆われ、小型滑走艇の底面に設けられた吸水口17から取り入れた水を吸水通路を介して取り込みウォータージェットポンプPで加圧・加速して、該ウォータージェットポンプPの、後方にゆくに従って通水断面積が小さくなった噴射ノズル31を通って、その後端の噴射口から噴射して、推進力を得るよう構成されている。また、図1,図2おいて、21は操舵用のハンドルで、このハンドル21を左右に操作することによって、上記噴射ノズル31後方のステアリングノズル18を左右に揺動させて所望の方向に操舵できるよう構成されている。また、上記ステアリングノズル18の上位後方部位には、水平に配置された揺動軸(枢支軸)1S(図3参照)を中心に下方に揺動可能に、リバース装置1のデフレクター1A(図1参照)が船体Aに取着金具1D(図4参照)を介して取着され、図示しない後進操作レバーを操作して、このデフレクター1Aをステアリングノズル18後方の下方位置へ揺動動作させることによって、ステアリングノズル18から後方に噴射される水流を図4の矢印Yで示すように側方に転向させて、後進できるよう構成されている。また、本実施例にかかるリバース装置1の場合、デフレクター1Aが上記枢支軸1S(図3参照)を中心に上方に揺動(上昇)した状態においては、図1に実線で(あるいは図3に二点鎖線で)図示する如く、該デフレクター1Aが水面上に位置する。
一方、下方に揺動(下降)した状態においては、図3に図示するように、該デフレクター1Aが上記ステアリングノズル18の後方に位置するよう構成されている。
【0021】
また、図1,図2において、12は後部デッキで、この後部デッキ12には、開閉式のハッチカバー29が設けられ、ハッチカバー29の下方に小容量の収納ボックスが形成されている。また、図1において、22は上記エンジンEに燃料を供給する燃料タンク、23は前部ハッチカバーで、このハッチカバー23の下方には備品等を収納するボックス(図示せず)が設けられている。また、この前部ハッチカバー23の上方には、別のハッチカバー25が配置されて、二層式のハッチカバーが形成され、上記ハッチカバー25には、後端面に設けられた開口(図示せず)からその内部に備品等を収納することができるようになっている。
【0022】
また、図2において、26は点火プラグ10dに適宜タイミングで高圧電気を供給する点火装置、27は混合用のオイルタンク、28はバッテリーである。
【0023】
ところで、本発明の実施例にかかる上記リバース装置1には、以下のようなデフレクター1Aを所定位置にロックするためのロック機構1L(図3参照)が配設されている。
【0024】
即ち、図4あるいは図7に図示するように、船体AのトランソムTに取着された全体平面視形状がU字状の上記取着金具1Dには、枢支軸1Sを介して上記デフレクター1Aが揺動自在に配設されている。そして、この枢支軸1Sは、上記取着金具1Dに固着(螺着)されており、この枢支軸1Sには、係止部材(第2の部材)1Kと解除部材(第3の部材)1Rが同芯状に該枢支軸1Sに対して回動自在に配設されている。
【0025】
そして、図5,図6に図示する上記係止部材1Kには、図9に図示するように、上記枢支軸1Sの中心を回転中心O1 とする仮想部分円1rを穴長手中心軸とする所定溝幅の長穴1aが形成されており、一方、図4,図7に図示するように、上記解除部材1Rの係止部材1K側の側面から、上記長穴1aの上記所定溝幅に略等しい直径(正確にはやや小径)の連動ピン1bが係止部材1K側に向かって突設するよう螺着されている。この実施例では、この連動ピン1bの基端が上記解除部材1Rの反係止部材1K側の側面から大きく突出し、この突出した部分に、デフレクター1Aを遠隔操作するワイヤ1Nの先端部が取付金具1Pを介して取着されている。
【0026】
そして、図4,図7に図示するように、上記取着金具1D側には、上記係止部材1Kと平面視において船体長手方向に前後に1列になるように、該係止部材1Kの船首側に、ロック部材(第1の部材)1Eが配設されている。
【0027】
上記係止部材1Kは、板状の部材を、図5,図9に図示されるような形状に切り抜き、その周縁の離間した二箇所に回転中心O1 側に向かって、該回転中心O1から半径方向に等しく離間した位置に、上記ロック部材1Eの先端部が挿入可能な凹部1dが形成されている。また、この係止部材1Kの上記回転中心部分には、上記枢支軸1Sを挿通するための貫通穴1cが形成されている。さらに、この係止部材1Kには、デフレクター1Aの側面に一体になるよう螺着するための、固着螺子用の貫通穴1fが二箇所に形成されている。
【0028】
そして、上記ロック部材1Eは、上記係止部材1Kと同じ板厚の板状の部材を、図5,図10に図示されるような一端部が爪状に且つ他端部が膨らんだ瓢箪状の所謂「ラチェット」形状に切り抜き、膨らんだ基端部の中心部に、取着用の貫通穴1gが形成されるとともに、そこから半径方向外方に離間した部位に、被押圧部となる回転ローラ1Hを枢着するためのめねじ穴1hが形成され、且つ、そこから離間した部位には、付勢用のバネ(この実施例では「コイルバネ」)1W(図4〜図7参照)の一端を係止する係止穴1iが穿設されている。
【0029】
また、上記解除部材1Rは、上記係止部材1K及びロック部材1Eより薄板の部材であり、図5,図8に図示されるように、略円形の中央部から両端に延設したような形状をしており、両側に延設された一方の端部にカム面1cが他方の端部に上記連動ピン1b(図4,図7参照)を螺着するための螺着穴1jが形成されている。また、上記中央部には、枢支軸1S(図4,図7参照)を挿通するための貫通穴1mが形成されるとともに、該中央部に対して上記他方の端部(螺着穴1jが形成されている側の端部)は反係止部材1K側に突出するよう屈曲部形成されている。
【0030】
そして、上記係止部材1Kと解除部材1Rは、図4,図7に図示する如く、該係止部材1Kの長穴1aに、解除部材1Rに螺着された連動ピン1bの先端が挿入された状態で、上述のように、枢支軸1Sを介して回動自在に、取着金具1Dに取着される。また、この係止部材1Kは、デフレクター1Aに対して、二箇所の貫通穴1f(図9参照)を用いてそれぞれ固着螺子1n(図6参照)によって、固定される。従って、デフレクター1Aが昇降(回動)すると、この係止部材1Kは、枢支軸1Sを中心に一体に回動することになる。また、解除部材1Rも、上記係止部材1Kと連動して長穴1aと連動ピン1bとの「遊び」部分での遊び状態を備えて回動することになる。つまり、「遊び状態」の範囲でのみ、係止部材1Kに対して解除部材1Rは相対的に連動しないこととなる。
【0031】
そして、図4,図6,図7に図示するように、上記ロック部材1Eは、取着金具1D側から突設されている円柱状部分1oに取着ボルト1Tによって回動自在に配設されている。また、図5,図6に図示するように、該ロック部材1Eの爪状になった先端部分1qが、上記係止部材1Kの凹部1dが形成されている周部に押圧・接合するよう、コイル状のバネ1Wでロック部材1Eが付勢されている。
つまり、このバネ1Wは、一端がロック部材1Eの係止穴1i(図5,図6参照)に係止されるとともに、他端は、取着金具1D(図4参照)に係止されている。
【0032】
ところで、図4に示す上記取付金具1Pを介して一端が解除部材1Rに取着されているワイヤ1Nは、他端が、図1に示す、小型滑走艇の運転席前方のハンドル21近傍に配設されているデフレクター操作レバー(図示せず)に連結され、このデフレクター操作レバーを操作することによって、デフレクター1Aの昇降動作とロック操作をおこなうことができるよう構成されている。
【0033】
また、この実施例では、デフレクター1Aは、図3に図示するように、側面視がアメリカンフットボールのヘルメットのような形状をなし、平面的には、図4に中心から右半分の断面が図示されているに、枕(ピロー)状の形態、つまり略長円形の形状をしている。
【0034】
しかして、このように構成された本デフレクター1Aのロック機構1Lは、以下のように、デフレクター1Aの昇降動作とともに、ロックとロック解除をおこなうことができる。即ち、例えば、小型滑走艇が前進状態の場合には、上記デフレクター1Aは、図1に図示するように噴射ノズル31後方の上方位置に位置し、この状態では、ロック機構は、図1,図5に図示するような状態になっている。つまり、デフレクター1Aが上昇している状態において、図5に図示するように、該デフレクター1A側と一体に配設されている上記係止部材1Kの凹部1dに、取着金具1D側に回動自在に取着されているロック部材1Eの爪状になった先端部分1qが係止し、且つこのロック部材1Eが図5において時計方向にバネ1Wで付勢されている。しかも、上記係止部材1Kの凹部1dにロック部材1Eの先端部分1qが係止した状態において、係止部材1Kが枢支軸1Sを中心に時計方向に回動しようとするような外力(ワイヤ1N以外からの外力をいう)が作用しても、その外力は、凹部1dと先端部分1qの係止形状(係止状態)から、ロック部材1Eを回動させるような分力は発生しない。このため、デフレクター1Aは、図5において反時計方向に回動することができない。つまり、デフレクター1Aは降下することができない、所謂ロック状態になっている。
【0035】
この状態において、ライダーが小型滑走艇をリバースさせる場合には、上記デフレクター操作レバーをリバースモード側に操作すると、ワイヤ1Nが図5において右方に移動して、上記解除部材1Rを図5において時計方向に回動させようとすると、上記長穴1aと連動ピン1bとの「遊び」により、解除部材1Rのみ該「遊び」分だけ時計方向に回動することができ、解除部材1Rのカム面1cが、回転ローラ1Hを介してロック部材1Eを図5において反時計方向に押圧するため、バネ1Wの付勢力に抗して該ロック部材1Eを反時計方向に回動させることになる。この結果、上記ロック部材1Eの爪状になった先端部分1qが係止部材1Kの凹部1dから抜けて、ロックが解除される。
【0036】
このように、このデフレクター1Aの昇降動作初期状態においては、上記係止部材1Kは、上記連動ピン1bが長穴1a内を遊動するため、解除部材1Rの図5において時計方向への回動によっても、連動して時計方向に回動することはない。そして、ワイヤ1Nが図5においてさらに右方に移動して、上記解除部材1Rを図5において時計方向に回動させると、解除部材1Rが図5において時計方向にさらに回動し、この回動の際、解除部材1Rのカム面1cがロック部材1Eを回転ローラ1Hを介して図5において反時計方向に押圧しつづけ、且つ連動ピン1bが長穴1aの端部に係合して連動するため、デフレクター1Aは下降する。
【0037】
そして、ワイヤ1Nが図5においてさらに右方に移動して、ワイヤ1Nが最も伸びきるデフレクター1Aの動作終期においては、図6に図示するように、解除部材1Rのカム面1cが回動中心側に湾曲した形状(引っ込んだ形状)になっているため、ロック部材1Eを回転ローラ1Hを介して図5において反時計方向に押圧することを止める。この結果、ロック部材1Eの先端部分1qが係止部材1Kの離間して形成されているもう一方の凹部1dに係合するため、係止部材1Kはその位置でロックされた状態となる。
【0038】
このように、本実施例にかかるロック機構1Lによると、デフレクター操作レバーを遠隔操作して、単に1本のワイヤ1Nを船体Aの前後に移動させるだけで、デフレクター1Aの昇降とともに、ロックあるいはロック解除をおこなうことができる。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、デフレクターの昇降動作をおこなうだけで、ロック機構のロック操作と解除操作をおこなうことができる。この結果、前後進の切換操作時のライダーの操作が楽になる。また、製造上も、部品点数が削減できるととも、船体のへ貫通穴の数も削減でき、従って、製造工数をも削減することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例にかかるデフレクターのロック機構を備えた小型滑走艇の全体側面図である。
【図2】 図1に示す小型滑走艇の全体平面図である。
【図3】 図1に示すリバース装置のデフレクターを下降させた状態でのロック機構部分の拡大側面図である。
【図4】 図1に示すリバース装置のデフレクターを下降させ且つロック状態にあるロック機構部分のさらに拡大した部分平断面図である。
【図5】 デフレクターを下降させた状態でのロック状態を示すロック機構部分の拡大側面図である。
【図6】 図5に示す状態からデフレクターを上昇させた状態でのロック状態を示す図5に対応する拡大側面図で、図4のI−I矢視図(側面図)である。
【図7】 図4に示すロック機構部分の要部をさらに拡大した部分平面図である。
【図8】 図4〜図7に示すロック機構の係止部材の詳細な構成を示す図で、(a)は平面図、(b)は(a)のII-II 矢視図 (側面図) である。
【図9】 図4〜図7に示すロック機構の解除部材の詳細な構成を示す図で、(a)は側面図、(b)は(a)の III-III矢視図、(c)は(a)の IV-IV矢視図である。
【図10】 図4〜図7に示すロック機構のロック部材の詳細な構成を示す図で、(a)は平面図、(b)は(a)のV−V矢視図である。
【符号の説明】
1……リバース装置
1L……ロック機構
1E……ロック部材
1K……係止部材
1R……解除部材
T……トランソム
Claims (5)
- ウォータージェットポンプの噴射ノズルの後方に、移動可能にデフレクターを配設して、該噴射ノズルから後方へ噴射される水流の向きを転向させて、船体を後進させることができるように構成たデフレクターを、1本のワイヤを介してデフレクター操作レバーの操作によって上記移動させ且つ所定位置でロックできる滑走艇のデフレクターのロック機構であって、
このロック機構が、ロック部材と、このロック部材によって係止される係止部材と、このロック部材と係止部材との係止を解除する解除部材を具備し、
上記係止部材と上記解除部材が、同芯の枢支軸を中心に所定角度範囲で回転できるよう配置され、該係止部材と上記解除部材のいずれか一方に上記枢支軸を中心とした長孔が形成されるとともに、残りの一方に上記長孔内に挿入され長孔の両端と係止される連動ピンが突設されることによって、解除部材の動作開始初期に続く行程で該解除部材に対し上記係止部材を連動動作せしめることができるように構成され、
また、上記デフレクターが上記枢支軸を中心に回転することによって上記移動を実行できるように配置されており、
上記係止部材の上記枢支軸から離間した周縁部に、前記ロック部材の先端部分が係合するべく上記枢支軸側に入り込むように凹部が形成されるとともに、
上記ロック部材が上記枢支軸から離間した位置を中心に回転可能に且つ該回転することによって該ロック部材の先端部分が上記凹部に入り込みあるいは凹部から抜け出し可能に配置され、且つ、該ロック部材の一部に、上記解除部材が接触・押圧する被押圧部が形成され、
上記解除部材に、該ロック部材の被押圧部を押圧して上記凹部に入り込んでいる該ロック部材の先端部分を該凹部から抜け出させる押圧部が形成され、
上記ロック部材が、固定側に上記係止部材を係止可能に取着されるとともに、該ロック部材の被押圧部が上記解除部材の押圧部に当接する方向にバネによって押圧され、
上記係止部材が、デフレクター側に、該デフレタクーとともに上記枢支軸を中心に回転できるように一体に取着されるとともに、
上記解除部材の上記枢支軸から離間した位置に、一端が上記デフレクター操作レバー側に取着されているワイヤの他端が取着されて、該デフレクター操作レバーの操作によってデフレクターの昇降動作をおこなうことができるように構成され、
上記解除部材の上記枢支軸を中心とする回転動作開始初期に、上記解除部材の押圧部が上記ロック部材の被押圧部に接触して、該ロック部材の先端部分が係止部材の凹部から抜け出して、該ロック部材による係止部材の係止状態が解除され、続く、該解除部材の上記枢支軸を中心とする回転動作の行程で、上記係止部材を上記枢支軸を中心とする回転動作において連動動作せしめて、デフレクターの昇降をおこない、続く、該解除部材の上記枢支軸を中心とする回転動作の終期において、上記バネの付勢力によって、上記係止部材の凹部にロック部材の先端部分が入り込んで係止状態になるよう構成されていることを特徴とする滑走艇のデフレクターのロック機構。 - 前記解除部材、係止部材およびロック部材が、板状の部材によって構成されるとともに、
上記解除部材と係止部材が前記枢支軸の軸方向において重なるように配置され、
上記ロック部材と係止部材が同じ平面上に配置され、
上記枢支軸とロック部材の回転中心の軸が平行軸状になり、
上記ロック部材の被押圧部が上記解除部材側に突出するよう配置されている回転ローラによって構成され、上記解除部材の押圧部が周端面に形成されたカム面によって構成されていることを特徴とする請求項1記載の滑走艇のデフレクターのロック機構。 - 前記枢支軸と前記回転ローラの回転中心の軸とが、平行軸状になっていることを特徴とする請求項2記載の滑走艇のデフレクターのロック機構。
- 前記バネがコイル状のバネであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1の項に記載の滑走艇のデフレクターのロック機構。
- 前記デフレクターが、船体のトランソムに取着された全体平面視形状がU字状の取着金具を介して船体側に取着されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1の項に記載の滑走艇のデフレクターのロック機構。
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