JP4574291B2 - 小型滑走艇の操縦装置 - Google Patents

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Description

本願発明は、小型滑走艇の操縦装置に関し、特に、ステアリングコラムに支持されるステアリングハンドルの位置を前後方向に変更可能な操縦装置に関する。
小型滑走艇は、ハルと該ハルを上方から覆うデッキとから成る船体を備えている。該船体の上部前寄りの位置では、コラムカバーに覆われたステアリングコラムの上部にステアリングハンドルが支持され、該ステアリングハンドルの後方のデッキ上部には騎乗用のシートが設けられている。
ところで、同一の小型滑走艇を複数人により別々に利用する場合、各人の体格差や嗜好の別により、各人に合ったステアリングハンドル位置も異なる場合がある。例えば、体格の小さい者が操縦するときには、ステアリングハンドルが比較的後方に位置している方が好適である一方、体格の大きい者が操縦するときには、ステアリングハンドルが比較的前方に位置している方が好適である。
そのため、ステアリングコラムを上下に分割してステアリングハンドルを支持する上側のステアリングコラムを前後に傾倒可能とし、ステアリングハンドルの位置を前後方向に可変とした操縦装置を備える小型滑走艇が開示されている(例えば、特許文献1,2参照)
特開平11−348888号公報(米国特許6105528号公報) 米国特許6276291号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された小型滑走艇の操縦装置の場合、上側のステアリングコラムの傾倒姿勢を維持するため、下側(デッキ側)のステアリングコラムの近傍に比較的複雑な構成を有するロック機構が備え付けられている。この場合、ロック機構を備え付けるために、下側のステアリングコラムの近傍の構成が煩雑化し、また、これらを覆うデッキ形状に影響が及んでデザインが制約されてしまう。更に、ステアリングハンドルの前後位置を固定とする小型滑走艇と、ステアリングハンドルの前後位置を可変とする小型滑走艇とに応じて、ステアリングコラムを含む操縦装置の全体をそれぞれ別個に生産する必要が生じる。
そこで本発明は、同一の小型滑走艇を使用する各人に応じてステアリングハンドルの前後位置を可変にすると共に、複雑なロック機構を要さずとも上側のステアリングコラムの傾倒姿勢を維持することができ、また、艇のデッキ側の構成の煩雑化及びデッキのデザイン上の制約を抑制することができる小型滑走艇の操縦装置を提供することを目的とする。
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであり、本発明に係る小型滑走艇の操縦装置は、略上下方向に延びて軸芯回りに回動可能なステアリングコラムを、ステアリングハンドルを支持して上方へ延びる上部ステアリングコラムと、該上部ステアリングコラムの下方の下部ステアリングコラムとに2分割とし、前記上部ステアリングコラムを前記下部ステアリングコラムに対して可動に連結してなる小型滑走艇の操縦装置であって、前記下部ステアリングコラムの上部には、側面視でその上部に複数の歯が前後方向へ並設された歯車片が設けられ、前記上部ステアリングコラムは、前記下部ステアリングコラムの前記歯車片のピッチ円の中心を支点として前後方向へ傾倒自在に軸支され、前記歯車片に噛合して前記上部ステアリングコラムの傾倒姿勢の変更及びを維持を可能とする操作部を備える。
このような構成とすることにより、同一の小型滑走艇を使用する各人に応じ、上部ステアリングコラムを前後に傾倒して好適な位置でステアリングハンドルを保持することができる。また、上部ステアリングコラムにその傾倒姿勢を維持する構成を備えるため、デッキ側の構成の煩雑化とデッキのデザイン上の制約とを抑制することが可能である。
また、前記上部ステアリングコラムが有する前記操作部は、該上部ステアリングコラムに前部が軸支されて後部が上下方向に揺動自在の揺動軸部と、該揺動軸部の下部に設けられて前記下部ステアリングコラムの前記歯車片に上方から噛合する噛合部と、前記揺動軸部を下方へ付勢して前記噛合部及び歯車片の噛合状態を保持することにより前記上部ステアリングコラムの傾倒姿勢を維持する付勢部と、前記揺動軸部の後部に設けられた把持部とを有していてもよい。
このような構成とすることにより、比較的簡単な構成によって上部ステアリングコラムの傾倒姿勢を維持することができる。また、付勢部に抗って揺動部を上方へ揺動させることにより噛合部と歯車片との噛合わせが解除されるため、上部ステアリングコラムの傾倒姿勢を容易に変更することが可能である。
また、前記揺動軸部の前部は、前記上部ステアリングコラムにおいて前記歯車片のピッチ円の中心を通って該上部ステアリングコラムの長手方向に沿う軸芯よりも前方位置に設けられた支点にて軸支されていてもよい。このような構成とすることにより、操作性よく(小さい力で)噛合部と歯車片との噛合わせを解除することができ、またこれを簡単な構成により実現することができる。
また、前記噛合部は、前記支点を通って前記歯車片のピッチ円の上部へ引いた接線と該ピッチ円の上部との接点近傍において前記歯車片に噛合するように構成してあってもよい。このような構成とすることにより、操作性よく(小さい力で)噛合部と歯車片との噛合わせを解除することができると共に、噛合部と歯車片とが噛合した状態では上部ステアリングコラムの傾倒姿勢を確実に維持することができる。
また、前記上部ステアリングコラムを覆ってその後部に前方へ窪んだ凹部が形成されたコラムカバーを更に備え、前記揺動軸部の後部は前記コラムカバーの前記凹部から外方へ突出し、該揺動軸部の後部に設けられた把持部は、前記凹部の内外間で可動であってもよい。このような構成とすることにより、滑走時などには把持部を凹部内に収容し、ステアリングハンドルの前後位置を変更するときのみ把持部を凹部外へ出して操作部を操作することができる。また、通常時には把持部がコラムカバーの後部から突出せず、該コラムカバーの美的外観の向上を図ることができ、小型滑走艇の商品性を高めることができる。
また、前記把持部は、上方又は下方へ延びて前記凹部の内外方向へ揺動可能にして前記揺動軸部の後部に軸支されたレバーと、該レバーを前記凹部の内方へ付勢する付勢部とを有していてもよい。このような構成とすることにより、通常時に把持部はコラムカバーの凹部内方に付勢され、該凹部内に収容される。
また、前記上部ステアリングコラムが有する前記操作部は、前後方向に回転軸芯を向けて前記上部ステアリングコラムに回転自在に軸支され且つ前記下部ステアリングコラムが有する前記歯車片に上方から噛合するウォームを有していてもよい。
このような構成とすることにより、ウォームを回転させることによってウォームと歯車片との相対位置を変更し、上部ステアリングコラムの傾倒姿勢を無段階に容易に変更することができる。また、ステアリングハンドルに加わる外力によってウォームと歯車片との位置関係は変更されにくいため、上部ステアリングコラムの傾倒姿勢を確実に維持することができる。
また、前記上部ステアリングコラムを覆うコラムカバーを更に備え、前記操作部は、前記ウォームからその回転軸芯に沿って延びて前記コラムカバーの後部から外方へ突出する回転軸部と、前記コラムカバーの後部から外方へ突出した該回転軸部の部分に設けられた回転操作用のグリップとを有していてもよい。このような構成とすることにより、ライダーがグリップを回動操作することによってウォームを回転させ、ステアリングハンドルの前後位置を各人自由に設定することができる。
また、前記上部ステアリングコラムは、前記ウォームを回転駆動するモータを有していてもよい。このような構成とすることにより、人手によりウォームを回転させずとも、電気的にモータを回転駆動させることによって上部ステアリングコラムの傾倒姿勢を変更することができる。
また、前記操作部が有する前記回転軸部は前記ウォームの前方へ延設され、該回転軸部は、その後部が上下方向に揺動自在なように、その前記ウォームの前方へ延設された部分が前記上部ステアリングコラムに軸支され、前記上部ステアリングコラムは、前記回転軸部を下方へ付勢して前記ウォーム及び歯車片の噛合状態を保持することにより前記上部ステアリングコラムの傾倒姿勢を維持する付勢部を有していてもよい。
このような構成とすることにより、回転軸部を上方へ押し上げてウォームと歯車片との噛合を解除し、上部ステアリングコラムの傾倒角度の大幅な変更を容易に行うことができると共に、歯車片に噛合した状態でウォームを回転させて、上部ステアリングコラムの傾倒角度を微調整することができる。
また、前記回転軸部の前記ウォームの前方へ延設された部分は、前記上部ステアリングコラムにおいて前記歯車片のピッチ円の中心を通って該上部ステアリングコラムの長手方向に沿う軸芯よりも前方位置に設けられた支点にて軸支されていてもよい。このような構成とすることにより、操作性よく(小さい力で)ウォームと歯車片との噛合わせを解除することができ、またこれを簡単な構成により実現することができる。
また、前記コラムカバーの後部には前方へ窪んだ凹部が形成され、前記回転軸部は該凹部から外方へ突出しており、前記コラムカバーの後部から外方へ突出した該回転軸部の部分には把持部が設けられ、該把持部は、上方又は下方へ延びて前記凹部の内外方向へ揺動可能に支持されたレバーと、該レバーを前記凹部の内方へ付勢する付勢部とを有していてもよい。このような構成とすることにより、必要時にのみ把持部を凹部外へ出して操作部を操作でき、不要時には凹部内に収容してコラムカバーの美的外観の向上を図ることができる。
本発明に係る小型滑走艇の操縦装置によれば、同一の小型滑走艇を使用する各人に応じてステアリングハンドルの前後位置を可変にすると共に、複雑なロック機構を要さずとも上側のステアリングコラムの傾倒姿勢を維持することができ、また、艇のデッキ側の構成の煩雑化及びデッキのデザイン上の制約を抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る小型滑走艇の操縦装置について、図面を参照しながら具体的に説明する。図1は、本実施の形態に係る小型滑走艇を、その推進機構を成すウォータージェットポンプPを一部断面にて示した側面図である。図1に示す小型滑走艇はライダーR1がシート7上に跨って乗る騎乗型の小型滑走艇であり、その船体1は、ハル2と該ハル2の上部を覆うデッキ3とから構成されている。船体1の全周に渡る前記ハル2とデッキ3との接続ラインはガンネルライン4と称される。なお、図1中の符号5は小型滑走艇の喫水線を表し、本実施の形態においてガンネルライン4はこの喫水線5より上方に位置する。
図2に示すように、船体1の上部におけるデッキ3の略中央位置には、平面視で略長方形状のデッキ開口部6が、船体1の前後方向に長辺が沿うように設けられている。このデッキ開口部6の上方には、シート7が着脱可能にして取り付けられている。デッキ開口部6の下方であってハル2及びデッキ3により囲まれた空間はエンジンルーム8を形成しており、このエンジンルーム8は、横断面が凸字状であって下部に比べて上部が狭くなるような形状になっている。エンジンルーム8内には、小型滑走艇を駆動させるエンジンEが搭載されており、このエンジンEは、本実施の形態においては直列4気筒の4サイクルエンジンである。
図1に示すようにエンジンEは、クランクシャフト9が船体1の前後方向に沿うように配置されている。クランクシャフト9の出力端部は、カップリング手段10を介してプロペラ軸11に接続され、該プロペラ軸11は、船体1の後部に配置されたウォータージェットポンプPのポンプシャフト12に接続されている。従って、クランクシャフト9の回転に連動してポンプシャフト12は回転する。このポンプシャフト12にはインペラ13が取り付けられており、該インペラ13の後方には静翼14が配置されている。また、インペラ13の外周方には、このインペラ13を覆うようにして筒状のポンプケーシング15が設けられている。
船体1の底部には吸水口17が設けられている。この吸水口17とポンプケーシング15の前部との間は吸水通路18により接続され、ポンプケーシング15の後部には、船体1の後部に設けられたポンプノズル19が接続されている。このポンプノズル19は、後方へいくに従ってノズル径が小さくなるように構成されており、その後端には噴射口20が形成されている。
このような小型滑走艇は、ハル2底部の吸水口17から吸入した水をウォータージェットポンプPにて加圧及び加速し、また、静翼14にて整流し、ポンプノズル19を通じて噴射口20から後方へ吐出する。小型滑走艇は、噴射口20から吐き出された水の反動により、その推進力を得る。
シート7の前方には小型滑走艇の滑走方向等を決定する操縦装置200が設けられている。この操縦装置200は、上下方向に延びてデッキ3の内外を貫くステアリングコラム23と、ステアリングコラム23の上端部に支持された操舵用のバー型のステアリングハンドル24とを有している。ステアリングコラム23の下端部は、図示しないケーブルを介して、ポンプノズル19の後方に配置されたステアリングノズル25に接続されており、ステアリングハンドル24を左右に操作することにより、ステアリングノズル25はこれに連動して左右に揺動される。従って、ウォータージェットポンプPが推力を発生させている間にステアリングハンドル24を操作した場合、ポンプノズル19を通じて外部へ吐き出される水の方向を変えることができ、小型滑走艇の向きを変えることができる。
図1に示すように、船体1後部であってステアリングノズル25の上部には、ボウル状のデフレクタ26が配置されている。このデフレクタ26は、回転軸芯が小型滑走艇の左右方向に向けられた揺動軸27によって支持され、該揺動軸27を中心として上下方向へ揺動することができる。デフレクタ26を揺動軸27を中心に下方へ揺動させてステアリングノズル25の後方に位置させた場合、ステアリングノズル25から後方へ吐き出される水はデフレクタ26の内面に当たって吐出方向が変更され、略前方へ吐出されるようになっており、このとき小型滑走艇は前進から後進へ切り換わる。
図1及び図2に示すように、ステアリングハンドル24の前方近傍には、表示パネル30が設けられ、この表示パネル30は、航行速度,燃料残量などの種々の情報を表示することができる構成になっている。ステアリングハンドル24前方の前側デッキ部分3Aには、船首近傍からステアリングハンドル24の直前にまで延びるハッチカバー28が設けられている。このハッチカバー28は、船首近傍においてその前端部が回動自在に軸支されており、その回動力は、図示しないバネ・ダンパー機構によってアシストされるようになっている。ハッチカバー28の後端部は、表示パネル30の上方にまで延びており、該表示パネル30のバイザーとしても機能するようになっている。
(実施の形態1)
図1に示すように、ステアリングコラム23は、鉛直方向から所定の角度だけ後傾して設けられている。図3は、このステアリングコラム23を含む操縦装置200の詳細構造を一部破断して示してある。図3に示すように、ステアリングコラム23は、相対的に下側の下部ステアリングコラム40と、該下部ステアリングコラム40の上方であって左右方向へ延びるステアリングハンドル24を支持してコラムカバー31に覆われた上部ステアリングコラム50とに2分割されており、後述するように、上部ステアリングコラム50は下部ステアリングコラム40に対して可動に連結されている。
下部ステアリングコラム40は、前側デッキ部分3A(図1参照)又はその内部の構造部材により、回動軸芯40a回りに回動自在に支持されている。下部ステアリングコラム40の上部には、ブラケット41を介して歯車片42が設けられている。該歯車片42は、側面視で下部が矩形状を成し、且つ上部が上方へ突出した円弧状を成しており、該上部に多数の歯42aが前後方向へ並設された構成になっている。ブラケット41は、正面視で逆π字形状を成し、下部ステアリングコラム40の上端部に対して複数のネジ43によって固定される板状の接続部41aと、これに立設された左右の側壁部41b(図3では右側の側壁部41bのみを図示している)とを有している。
歯車片42は、ブラケット41の左右の側壁部41b間に挟持され、複数のネジ44によってブラケット41に固定されている。また、ブラケット41の左右の側壁部41bの下部には、左右方向に貫通する連結孔45が形成されている。歯車片42の上部に設けられた歯42aは、この連結孔45を中心とする円周に沿って並設されている。換言すれば、連結孔45は、歯車片42のピッチ円42bの中心に位置している。
他方、上部ステアリングコラム50は、ステアリングハンドル24を支持する支柱51と、該支柱51の下部に接続されて下部ステアリングコラム40に連結される連結部52とを有している。支柱51は、その上端部51aの上面に左右方向へ延びる半円形断面の溝51bが形成され、左右方向へ延びるステアリングハンドル24は、その中央部分をこの溝51bに沿って嵌め込まれ、更に、上方からは同様の溝53bが下面に形成された固定ブロック53が被せられて挟持されている。固定ブロック53は、複数のネジ54により、上部ステアリングコラム50の支柱51の上端部51aに固定され、ステアリングハンドル24を保持している。
支柱51の下部に接続された連結部52は縦断面が二股形状を成し、左右の側壁部52a(図3では左側の側壁部52aのみを図示している)は側面視でその下部が逆三角形状を成しており、その下端部には左右方向に貫通する連結孔55が形成されている。この連結孔55と下部ステアリングコラム40のブラケット41が有する連結孔45とが一致した状態で、これら連結孔45,55にピン56が挿通されることにより、上部ステアリングコラム50は、その上部が前後方向へ揺動自在なようにして下部ステアリングコラム40に連結する。
上部ステアリングコラム50には、該上部ステアリングコラム50を傾倒させ、その姿勢を維持するための操作部60が設けられている。該操作部60は、連結部52の左右の側壁部52aの間であってこれらに挟まれた歯車片42の上方位置に、横断面が矩形を成し且つ前後に延びる棒状の揺動軸部61を備えている。側壁部52aにおいて、連結孔55を通り上部ステアリングコラム50の長手方向に沿った軸芯50aよりも前方の位置には、内側に向けて突出する軸支部58が設けられており、揺動軸部61はその前部61aがこの軸支部58にて軸支され、該軸支部58を支点として上下方向に揺動自在になっている。
上部ステアリングコラム50を覆うコラムカバー31の後部には、前方へ窪んだ凹部31aが形成されており、揺動軸部61の後部61bは、該凹部31a内に突出している。揺動軸部61の後部61bには、ライダーR1等が該揺動軸部61を上下動操作する際に把持する把持部62が設けられている。
図4に、図3のIV矢視方向に沿ってみた把持部62の構成を示す。把持部62は、揺動軸部61の後部61bから左右方向へ延びる延設軸63と、逆U字状を成すレバー64とを備えている。該レバー64の左右の端部(下端部)には、左右方向への貫通孔64aが設けられ、延設軸63の左右の端部はこの貫通孔64aにスリーブ65を介して挿通している。延設軸63の両端部には、該延設軸63の外径より大径のワッシャ66を介して同軸芯状にボルト67が螺着されており、レバー64が延設軸63から脱落するのを防止している。
また、延設軸63には付勢バネ(付勢部)68が巻回されており、該付勢バネ68によってレバー64は前方(コラムカバー31が有する凹部31aの内方)へ付勢されている(図3参照)。従って、把持部62が有するレバー64は、これを操作しないときにはコラムカバー31の凹部31a内に収納されている一方、ライダーR1等はこれを掴んで凹部31aの外方(後方)へレバー64を引き出すことができる(図3参照)。
図3に示すように、操作部60が有する揺動軸部61の略中央位置下部には、下部ステアリングコラム40が有する歯車片42に上方から噛合する噛合部70が設けられている。該噛合部70は、歯車片42と同等の厚みを有する板部材から形成され、円弧状に湾曲して上方へ窪んだ下端部には、歯車片42の歯42aと噛合する歯70aが並設されている。この噛合部70は、揺動軸部61の前部61aを軸支する支点(即ち、軸支部58)から歯車片42上部のピッチ円42bに引いた接線72と該ピッチ円42bとの交点(接点)の近傍において、歯車片42に噛合するよう、揺動軸部61の適宜位置に取り付けられている。
また、揺動軸部61において噛合部70と把持部62との間の位置には付勢バネ(付勢部)73の一端部(上端部)が接続され、その他端部(下端部)は連結部52の後部に接続されており、該付勢バネ73は、揺動軸部61を下方へ付勢している。従って、ライダーR1等が操作部60を操作していない状態では、付勢バネ73が揺動軸部61を下方へ付勢し、歯車片42と噛合部70との噛合状態(ロック状態)が保持されるため、下部ステアリングコラム40に対する上部ステアリングコラム50の姿勢は維持される。
図5は、操縦装置200の動作を示す一部破断側面図であり、図5(a)は歯車片42と噛合部70との噛合が解放された状態を示し、図5(b)は上部ステアリングコラム50を後方へ傾倒させて保持した状態を示している。図5(a)に示すように、レバー64の上部を掴んで後方へ引くことにより、該レバー64はコラムカバー31後部の凹部31aから外方(後方)へ引き出され、該レバー64を把持することができる。ライダーR1等が、引き出したレバー64を把持して上方へ持ち上げると、揺動軸部61は前部61aを支点として上方へ揺動され、これに伴って歯車片42から噛合部70が離れてロック状態が解除される。これにより上部ステアリングコラム50は、下部に設けられた連結孔55を中心として前後方向へ揺動(傾倒)自在になり、ライダーR1等は好みの位置にステアリングハンドル24が位置するように下部ステアリングコラム40に対して適当な角度α(下部ステアリングコラム40の回動軸芯40aと上部ステアリングコラム50の軸芯50aとの成す角度)だけ上部ステアリングコラム50を傾倒させることができる。
図5(b)に示すように、適当な角度αだけ上部ステアリングコラム50を後傾させてレバー64を下ろすと、操作部60の自重及び付勢バネ73の作用により歯車片42と噛合部70とが確実に噛合し、上部ステアリングコラム50の前後方向の傾倒姿勢が保持(ロック)される。そして、ライダーR1等がレバー64から手を離すと、該レバー64はこれを付勢する付勢バネ68(図4参照)により前方へ動作し、コラムカバー31後部の凹部31a内方へ収容される。
図1は、下部ステアリングコラム40に対して上部ステアリングコラム50がほぼ同軸状(角度αがほぼ0)のときの小型滑走艇の状態を示しており、ステアリングハンドル24は、例えば大柄な男性ライダーR1にとって好適な位置にある。一方、図6は、下部ステアリングコラム40に対して上部ステアリングコラム50が後傾されたときの小型滑走艇の状態を示しており、ステアリングハンドル24は、例えば小柄な女性ライダーR2にとって好適な位置にある。
また、図3に示すように、上部ステアリングコラム50の連結部52が有する左右の側壁部52aの間には、リブ52b,52cが挟装されている。該リブ52b,52cは、揺動軸部61の下方において連結部52の前部と後部とにそれぞれ設けられ、主として連結部52の機械的強度を確保する他、上部ステアリングコラム50の傾倒範囲を規制している。
即ち、上部ステアリングコラム50を前傾させていくと、連結部52の前部に設けられたリブ52bが下部ステアリングコラム40のブラケット41の前側上端部に当接し、上部ステアリングコラム50はある角度以上前傾しないように規制される。他方、上部ステアリングコラム50を後傾させていくと、連結部52の後部に設けられたリブ52cがブラケット41の後側上端部に当接し、上部ステアリングコラム50はある角度以上後傾しないように規制される。従って、上部ステアリングコラム50が極端に傾倒された姿勢になるのを防止することができる。
(実施の形態2)
図7は、図1に示す小型滑走艇に適用可能な他の操縦装置201の詳細構造を一部破断して示す側面図である。操縦装置201が備えるステアリングコラム80は、相対的に下側の下部ステアリングコラム81と、該下部ステアリングコラム81の上方にあってステアリングハンドル24を支持する上部ステアリングコラム82とに2分割されており、後述するように、上部ステアリングコラム82は下部ステアリングコラム81に対して可動に連結されている。
下部ステアリングコラム81は、実施の形態1で説明した操縦装置200の下部ステアリングコラム40と同様の構成を成す正面視で逆π字形状のブラケット41を備え、また、該ブラケット41の左右の側壁部41b間に挟持されて複数のネジ44により固定された歯車片83を備えている。該歯車片83は、側面視で下部が矩形状を成し且つ上部が上方へ突出した円弧状を成しており、該上部には多数の歯83aが前後方向へ並設された構成になっている。この歯83aは、ブラケット41の下部に設けられた連結孔45を中心とするピッチ円83b上に並設され、後述するように上部ステアリングコラム82が備えるウォーム91と噛合するような形状になっている。
他方、上部ステアリングコラム82は、実施の形態1で説明した操縦装置200の上部ステアリングコラム50と同様の構成を成してステアリングハンドル24を支持する支柱51を備え、また、該支柱51の下部に接続されて下部ステアリングコラム81に連結される連結部85を備えている。該連結部85は、縦断面が二股形状を成し、左右の側壁部85a(図7では左側の側壁部85aのみ図示している)は側面視でその下部が逆三角形状になっており、その下端部には左右方向に貫通する連結孔86が形成されている。この連結孔86と下部ステアリングコラム81のブラケット41が有する連結孔45とが一致した状態で、これら連結孔45,86にピン56が挿通されることにより、上部ステアリングコラム82は、その上部が前後方向へ揺動自在なようにして下部ステアリングコラム81に連結している。
上部ステアリングコラム82には、該上部ステアリングコラム82を傾倒させ、また、その姿勢を維持するための操作部90が設けられている。該操作部90は、連結部85の左右の側壁部85aの間に設けられたウォーム91を備えている。該ウォーム91は、その回転軸芯を略前後方向に向けられ且つ周面下部にて下部ステアリングコラム81の歯車片83に噛合して配置され、該ウォーム91から回転軸心に沿って前後方向へ延びる回転軸部92が、連結部85の前壁部85b及び後壁部85cにてそれぞれ回転自在に軸支されている。
ウォーム91から後方へ延びる回転軸部92の後部92aは、上部ステアリングコラム82を覆うコラムカバー310の後部から外方へ突出しており、該後部92aには回転操作用のグリップ93が設けられている。グリップ93を一方向又は他方向へ回転操作し、ウォーム91を回転させると、噛合状態にあるウォーム91と歯車片83との相対位置が変更され、上部ステアリングコラム82は連結孔86を中心として前後いずれかの方向へ傾倒する。
図8は、上部ステアリングコラム82の傾倒状態を示す操縦装置201の一部破断側面図であり、図8(a)は上部ステアリングコラム82が最も後傾した姿勢をとるときの操縦装置201を、図8(b)は上部ステアリングコラム82が最も前傾した姿勢をとるときの操縦装置201をそれぞれ示している。
図8(a)に示すように、グリップ93を背後から見て反時計回りに回転操作すると、上部ステアリングコラム82は後方へ傾倒される。上部ステアリングコラム82が最も後傾した姿勢をとるとき、上部ステアリングコラム82の連結部85の後壁部85cが下部ステアリングコラム81のブラケット41の後側上端部に当接するようになっており、所定の角度以内で無段階に後傾し得るようになっている。
他方、図8(b)に示すように、グリップ93を背後から見て時計回りに回転操作すると、上部ステアリングコラム82は前方へ傾倒される。上部ステアリングコラム82が最も前傾した姿勢をとるとき、上部ステアリングコラム82の連結部85の前壁部85bが下部ステアリングコラム81のブラケット41の前側上端部に当接するようになっており、所定の角度以内で無段階に前傾し得るようになっている。
また、本実施の形態に係る操縦装置201は、ステアリングハンドル24等に前後方向の外力が加わった場合、この外力に起因してウォーム91の歯面に作用する力のうちウォーム91を回転させる方向に作用する力の成分が小さいため、ウォーム91は回転せず、上部ステアリングコラム82の傾倒姿勢は維持される。従って、上部ステアリングコラム82の傾倒姿勢を維持するための別個独立したロック機構を、上述した操縦装置201の構成に対して設ける必要がない。
なお、本実施の形態では、コラムカバー310としてその後部に前方へ窪んだ凹部を有していない構成について図示しているが(図7,8)、実施の形態1と同様にコラムカバー310の後部に凹部を形成し、操作部90のグリップ93を該凹部内に配置してもよい。また、本実施の形態2において図7,8に示す構成のうち、実施の形態1において説明したものと同様の構成を有する部分には同じ符号を付し、本実施の形態2での詳細な説明は省略する。
(実施の形態3)
図9は、図1に示す小型滑走艇に適用可能な他の操縦装置202の詳細構造を一部破断して示す側面図であり、図10は、コラムカバーを除いて示す該操縦装置202の正面図である。操縦装置202は実施の形態2において説明した操縦装置201と一部が同様の構成であって、下部ステアリングコラム81及び上部ステアリングコラム82から成るステアリングコラム80を備えているが、上部ステアリングコラム82は、モータ100及び減速機101を更に備えている。
モータ100は、上部ステアリングコラム82が備える連結部85の左側方に設けられ、その回転軸(図示せず)がウォーム91の回転軸芯と平行になるようにして配置されている。該モータ100は、信号線(図示せず)を介して小型滑走艇が備えるバッテリ(図示せず)に接続され、該バッテリから供給される電力により回転駆動する。また、モータ100は、信号線(図示せず)を介し、バッテリからの電力の供給をオン/オフするスイッチ(図示せず)に接続されている。該スイッチは、例えばステアリングハンドル24の近傍などに設けられている。
減速機101は内部に図示しないギヤトレインを有し、モータ100の回転を適当な比率で減速し、ウォーム91から前方へ延びる回転軸部92に伝達する構成になっている。上記モータ100及び減速機101はユニット化され、上部ステアリングコラム82の連結部85の前壁部85bに、ネジ103を用いて固定されている。
このような構成を成す操縦装置202の場合、ライダーR1等がスイッチを操作することによりモータ100を回転駆動させ、ウォーム91を回転させて上部ステアリングコラム82を前後方向に傾倒させることができる。また、これと合わせてグリップ93を手動により回転操作し、上部ステアリングコラム82を傾倒させてその姿勢を微調整することも可能である。なお、本実施の形態3において図9,10に示す構成のうち、実施の形態1又は2において説明したものと同様の構成を有する部分には同じ符号を付し、本実施の形態3での詳細な説明は省略する。
(実施の形態4)
図11は、図1に示す小型滑走艇に適用可能な他の操縦装置203の詳細構造を一部破断して示す側面図である。操縦装置203が備えるステアリングコラム110は、相対的に下側の下部ステアリングコラム111と、該下部ステアリングコラム111の上方にあってステアリングハンドル24を支持する上部ステアリングコラム112とに2分割されている。下部ステアリングコラム111は、実施の形態2又は3に示す下部ステアリングコラム81と同様の構成を成し、その上部には、ブラケット41を介して歯車片83が固定的に設けられている。
上部ステアリングコラム112は、その一部の構成が実施の形態1において説明した上部ステアリングコラム50と同様の構成を成し、ステアリングハンドル24を支持する支柱51、及び該支柱51の下部に接続されて下部ステアリングコラム81に連結される連結部52を備えている。そして、本実施の形態に係る上部ステアリングコラム112には、これを傾倒させ、また、その姿勢を維持するために操作部120が設けられている。該操作部120は、概説すれば、実施の形態1において説明した操作部60の機能と実施の形態2において説明した操作部90の機能とを合わせ持った構成になっている。以下、操作部120の構成について詳説する。
図11に示すように、操作部120は、連結部52の左右の側壁部52a(図11では左側の側壁部52aのみ図示している)の間に設けられたウォーム121を備えている。該ウォーム121は、その回転軸芯を略前後方向に向けられ且つ周面下部にて下部ステアリングコラム111の歯車片83に噛合するように配置されている。ウォーム121からは、その回転軸芯に沿って前後方向へ回転軸部122が延設されており、該回転軸部122の前部122aは、連結部52の前部においてジョイント123を介して支持されている。該ジョイント123は、連結部52の側壁部52aに対し左右方向の軸芯回りに回転自在にして軸支されると共に、回転軸部122の前部122aを、該回転軸部122の軸芯回りに回転自在にして軸支している。従って、回転軸部122は、その軸芯回りに回転自在であり、且つ、ジョイント123を中心にして後部122bが上下方向へ揺動自在になっている。
ウォーム121から後方へ延びる回転軸部122の後部122bは、上部ステアリングコラム112を覆うコラムカバー311の後部から外方へ突出しており、該後部122bには回転操作用のグリップ124が設けられている。コラムカバー311の後部には、前方へ窪んだ凹部311aが形成されており、前記回転軸部122の後部122bは、凹部311a内に突出している。ライダーR1等は、このグリップ124を回転操作することにより、ウォーム121を回転させることができる。
凹部311a内に突出した回転軸部122の後部122bであって、グリップ124の前方近傍位置には、ライダーR1等が回転軸部122を上下動操作する際に把持する把持部125が設けられている。図12は、図11のXII矢視方向に沿ってみた把持部125の構成を示しており、グリップ124が2点鎖線で示されている。
図12に示すように、把持部125は、筒状を成して回転軸部122の後部122bに挿通される筒部126を備え、回転軸部122は筒部126に挿通された状態で軸芯回りに回転自在になっている。また、把持部125は、筒部126から左右方向へ延びる延設軸127と、逆U字状を成すレバー128とを備えている。該レバー128の左右の端部(下端部)には、左右方向への貫通孔128aが設けられ、延設軸127の左右の端部はこの貫通孔128aにスリーブ129を介して挿通している。延設軸127の両端部には、該延設軸127の外径よりも大径のワッシャ130を介して同軸芯状にボルト131が螺着されており、レバー128が延設軸127から脱落するのを防止している。
また、延設軸127には付勢バネ(付勢部)132が巻回されており、該付勢バネ132によってレバー128は前方(コラムカバー311が有する凹部311aの内方)へ付勢されている。従って、把持部125が有するレバー128は、これを操作しないときにはコラムカバー311の凹部311a内に収容されている一方、ライダーR1等はこれを掴んで凹部311aの外方(後方)へレバー128を引き出すことができる(図11参照)。
図11に示すように、把持部125の筒部126には、付勢バネ(付勢部)133の一端部(上端部)が接続され、その他端部(下端部)は連結部52の後部に接続されており、該付勢バネ133は、回転軸部122を下方へ付勢している。従って、ライダーR1等が操作部120を操作していない状態では、付勢バネ133が回転軸部122を下方へ付勢し、歯車片83とウォーム121との噛合状態が保持される。
図13は、操縦装置203の動作を示す一部破断側面図であり、図13(a)は歯車片83とウォーム121との噛合が解放された状態を示し、図13(b)は上部ステアリングコラム112を後方へ傾倒させた状態を示している。図13(a)に示すように、レバー128の上部を掴んで後方へ引くことにより、該レバー128はコラムカバー311の凹部311aから外方(後方)へ引き出され、該レバー128を把持することができる。ライダーR1等が、引き出したレバー128を把持してい上方へ持ち上げると、回転軸部122は前部122aを支点として上方を揺動され、これに伴って歯車片83からウォーム121が離れる。これにより上部ステアリングコラム112は、下部に設けられた連結孔55を中心として前後方向へ揺動自在になる。
図13(b)に示すように、適当な角度だけ上部ステアリングコラム112を後傾させてレバー128を下ろすと、操作部120の自重及び付勢バネ133の作用により歯車片83とウォーム121とが確実に噛合し、上部ステアリングコラム112の前後方向の傾倒姿勢が保持(ロック)される。そして、ライダーR1等がレバー128から手を離すと、該レバー128はこれを付勢する付勢バネ132(図12参照)により前方へ動作し、コラムカバー311の凹部311a内方へ収容される。
更に操縦装置203では、グリップ124を回転操作することにより、上部ステアリングコラム112の傾倒姿勢を変更することが可能である。即ち、グリップ124を背後から見て反時計回りに回転操作すると、上部ステアリングコラム112は後傾し、時計回りに回転操作すると前傾し、実施の形態2において説明した操縦装置201と同様に動作する(図8(a),(b)参照)。
本実施の形態に係る操縦装置203の場合、上述したように、レバー128を操作して上部ステアリングコラム112を傾倒させることができ、また、グリップ124を回転操作することによっても上部ステアリングコラム112を傾倒させることができる。そして、レバー128を操作した場合には、上部ステアリングコラム112を大きく傾倒させることが素早くでき、グリップ124を回転操作した場合には、上部ステアリングコラム112の傾倒角度の微調整が可能である。
本発明に係る操縦装置は、同一の小型滑走艇を使用する各人に応じてステアリングハンドルの前後位置を可変にすると共に、複雑なロック機構を要さずとも上側のステアリングコラムの傾倒姿勢を維持することができ、また、艇のデッキ側の構成の煩雑化及びデッキのデザイン上の制約を抑制することができるという優れた効果を奏し、小型滑走艇の操縦装置に適用することができる。
本発明の実施の形態に係る小型滑走艇を、その推進機構を成すウォータージェットポンプを一部断面にして示した側面図である。 図1に示す小型滑走艇の平面図である。 実施の形態1に係る操縦装置の詳細構造を一部破断して示す側面図である。 図3に示す操縦装置が備える把持部をIV矢視方向に沿って見たときの構成を示す図面である。 操縦装置の動作を示す一部破断側面図であり、(a)は歯車片と噛合部との噛合が解放された状態を示し、(b)は上部ステアリングコラムを後方へ傾倒させて保持した状態を示している。 上部ステアリングコラムが後傾されたときの小型滑走艇全体を示す側面図である。 実施の形態2に係る操縦装置の詳細構造を一部破断して示す側面図である。 上部ステアリングコラムの傾倒状態を示す操縦装置の一部破断側面図であり、(a)は上部ステアリングコラムが最も後傾した姿勢をとるときの操縦装置を、(b)は上部ステアリングコラムが最も前傾した姿勢をとるときの操縦装置をそれぞれ示している。 実施の形態3に係る操縦装置の詳細構造を一部破断して示す側面図である。 図9に示す操縦装置の正面図である。 実施の形態4に係る操縦装置の詳細構造を一部破断して示す側面図である。 図11に示す操縦装置が備える把持部をXII矢視方向に沿って見たときの構成を示す図面である。 操縦装置の動作を示す一部破断側面図であり、(a)は歯車片とウォームとの噛合が解放された状態を示し、(b)は上部ステアリングコラムを後方へ傾倒させた状態を示している。
符号の説明
23,80,110… ステアリングコラム
24… ステアリングハンドル
31,310,311… コラムカバー
31a,311a… 凹部
40,81,111… 下部ステアリングコラム
42,83… 歯車片
42a… 歯
42b,83b… ピッチ円
50,82,112… 上部ステアリングコラム
58… 軸支部(支点)
60,90,120… 操作部
61… 揺動軸部
61a,122a… 前部
61b,122b… 後部
62,125… 把持部
64,128… レバー
68,73,132,133… 付勢バネ(付勢部)
70… 噛合部
72… 接線
91,121… ウォーム
92,122… 回転軸部
93,124… グリップ
100… モータ
200,201,202,203… 操縦装置

Claims (10)

  1. 略上下方向に延びて軸芯回りに回動可能なステアリングコラムを、ステアリングハンドルを支持して上方へ延びる上部ステアリングコラムと、該上部ステアリングコラムの下方の下部ステアリングコラムとに2分割とし、前記上部ステアリングコラムを前記下部ステアリングコラムに対して可動に連結してなる小型滑走艇の操縦装置であって、
    前記下部ステアリングコラムの上部には、側面視でその上部に複数の歯が前後方向へ並設された歯車片が設けられ、
    前記上部ステアリングコラムは、前記下部ステアリングコラムの前記歯車片のピッチ円の中心を支点として前後方向へ傾倒自在に軸支され、前記歯車片に噛合して前記上部ステアリングコラムの傾倒姿勢の変更及び維持を可能とする操作部を備え
    前記上部ステアリングコラムが有する前記操作部は、該上部ステアリングコラムに前部が軸支されて後部が上下方向に揺動自在の揺動軸部と、該揺動軸部の下部に設けられて前記下部ステアリングコラムの前記歯車片に上方から噛合する噛合部と、前記揺動軸部を下方へ付勢して前記噛合部及び歯車片の噛合状態を保持することにより前記上部ステアリングコラムの傾倒姿勢を維持する付勢部と、前記揺動軸部の後部に設けられた把持部とを有することを特徴とする小型滑走艇の操縦装置。
  2. 前記揺動軸部の前部は、前記上部ステアリングコラムにおいて前記歯車片のピッチ円の中心を通って該上部ステアリングコラムの長手方向に沿う軸芯よりも前方位置に設けられた支点にて軸支されていることを特徴とする請求項に記載の小型滑走艇の操縦装置。
  3. 前記噛合部は、前記支点を通って前記歯車片のピッチ円の上部へ引いた接線と該ピッチ円の上部との接点近傍において前記歯車片に噛合するように構成してあることを特徴とする請求項に記載の小型滑走艇の操縦装置。
  4. 前記上部ステアリングコラムを覆ってその後部に前方へ窪んだ凹部が形成されたコラムカバーを更に備え、
    前記揺動軸部の後部は前記コラムカバーの前記凹部から外方へ突出し、該揺動軸部の後部に設けられた把持部は、前記凹部の内外間で可動であることを特徴とする請求項1乃至3に記載の小型滑走艇の操縦装置。
  5. 前記把持部は、上方又は下方へ延びて前記凹部の内外方向へ揺動可能にして前記揺動軸部の後部に軸支されたレバーと、該レバーを前記凹部の内方へ付勢する付勢部とを有することを特徴とする請求項に記載の小型滑走艇の操縦装置。
  6. 略上下方向に延びて軸芯回りに回動可能なステアリングコラムを、ステアリングハンドルを支持して上方へ延びる上部ステアリングコラムと、該上部ステアリングコラムの下方の下部ステアリングコラムとに2分割とし、前記上部ステアリングコラムを前記下部ステアリングコラムに対して可動に連結してなる小型滑走艇の操縦装置であって、
    前記下部ステアリングコラムの上部には、側面視でその上部に複数の歯が前後方向へ並設された歯車片が設けられ、
    前記上部ステアリングコラムは、前記下部ステアリングコラムの前記歯車片のピッチ円の中心を支点として前後方向へ傾倒自在に軸支され、前記歯車片に噛合して前記上部ステアリングコラムの傾倒姿勢の変更及び維持を可能とする操作部を備え、
    前記操作部は、前後方向に回転軸芯を向けて前記上部ステアリングコラムに回転自在に軸支され且つ前記下部ステアリングコラムが有する前記歯車片に上方から噛合するウォームを有し、
    前記上部ステアリングコラムを覆うコラムカバーを更に備え、
    前記操作部は、前記ウォームからその回転軸芯に沿って延びて前記コラムカバーの後部から外方へ突出する回転軸部と、前記コラムカバーの後部から外方へ突出した該回転軸部の部分に設けられた回転操作用のグリップとを有することを特徴とする小型滑走艇の操縦装置。
  7. 略上下方向に延びて軸芯回りに回動可能なステアリングコラムを、ステアリングハンドルを支持して上方へ延びる上部ステアリングコラムと、該上部ステアリングコラムの下方の下部ステアリングコラムとに2分割とし、前記上部ステアリングコラムを前記下部ステアリングコラムに対して可動に連結してなる小型滑走艇の操縦装置であって、
    前記下部ステアリングコラムの上部には、側面視でその上部に複数の歯が前後方向へ並設された歯車片が設けられ、
    前記上部ステアリングコラムは、前記下部ステアリングコラムの前記歯車片のピッチ円の中心を支点として前後方向へ傾倒自在に軸支され、前記歯車片に噛合して前記上部ステアリングコラムの傾倒姿勢の変更及び維持を可能とする操作部を備え、
    前記操作部は、前後方向に回転軸芯を向けて前記上部ステアリングコラムに回転自在に軸支され且つ前記下部ステアリングコラムが有する前記歯車片に上方から噛合するウォームを有し、
    前記上部ステアリングコラムは、前記ウォームを回転駆動するモータを有することを特徴とする小型滑走艇の操縦装置。
  8. 前記操作部が有する前記回転軸部は前記ウォームの前方へ延設され、該回転軸部は、その後部が上下方向に揺動自在なように、その前記ウォームの前方へ延設された部分が前記上部ステアリングコラムに軸支され、
    前記上部ステアリングコラムは、前記回転軸部を下方へ付勢して前記ウォーム及び歯車片の噛合状態を保持することにより前記上部ステアリングコラムの傾倒姿勢を維持する付勢部を有する
    ことを特徴とする請求項6又は7に記載の小型滑走艇の操縦装置。
  9. 前記回転軸部の前記ウォームの前方へ延設された部分は、前記上部ステアリングコラムにおいて前記歯車片のピッチ円の中心を通って該上部ステアリングコラムの長手方向に沿う軸芯よりも前方位置に設けられた支点にて軸支されていることを特徴とする請求項に記載の小型滑走艇の操縦装置。
  10. 前記コラムカバーの後部には前方へ窪んだ凹部が形成され、前記回転軸部は該凹部から外方へ突出しており、
    前記コラムカバーの後部から外方へ突出した該回転軸部の部分には把持部が設けられ、該把持部は、上方又は下方へ延びて前記凹部の内外方向へ揺動可能に支持されたレバーと、該レバーを前記凹部の内方へ付勢する付勢部とを有することを特徴とする請求項8又は9に記載の小型滑走艇の操縦装置。
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