JP4554032B2 - ジェット推進型滑走艇 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水流を後方に噴出してその反動で水上を航行する小型滑走艇( Personal Watercraft(パーソナルウォータークラフト); PWCとも呼ばれる) 等のジェット推進型の滑走艇の操舵に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
所謂ジェット推進型の滑走艇は、レジャー用,スポーツ用としてあるいはレスキュー用として、近年多用されている。このジェット推進型の滑走艇では、一般的に艇の底面に設けられた吸水口から吸い込んだ水を、推進ポンプで加圧して後方へ噴射することによって船体を推進させる。
そして、このジェット推進型の滑走艇の場合、上記推進ポンプの噴射口の後方に配置したステアリングノズルを左右に揺動させることによって、後方からの水の噴射方向を変更することによって、艇を右あるいは左側に操舵する。
【0003】
従って、このような構成のジェット推進型の滑走艇の場合、スロットルを閉じて推進ポンプからの水の噴射量が減少すると、艇を転向させるために利用できる力(操舵のために利用できる力)も同時に減少し、スロットルが再び開くまでは、艇を操舵する能力が減少する。
【0004】
この様な現況に鑑み、本出願人は、先日、上記技術的課題を解決する発明に関して特許出願した (特願2000-6708 号) 。
【0005】
また、従来から小型滑走艇には、スタビライザーと呼ばれる部材が、船体の両舷に配置されている。
【0006】
本発明は、従来の滑走艇の両舷に配置されているスタビライザーを利用して、推進ポンプからの水の噴射量が減少した場合でも、艇を操舵することが維持できるジェット推進型滑走艇を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を、以下のような構成からなるジェット推進型滑走艇によって解決することができる。即ち、
本発明にかかるジェット推進型滑走艇は、水面を滑走するジェット推進型滑走艇の両舷に、スタビライザーを備えたジェット推進型滑走艇において、
上記スタビライザーを、ステアリング操作手段の操作に連動して、水との抵抗が、反対側の舷のスタビライザーの水との抵抗に対して、変化させることが可能に、それぞれ配置したことを特徴とする。つまり、上記スタビライザーを、ステアリング操作手段の操作に連動して、水との抵抗が、反対側の舷のスタビライザーの水との抵抗に対して、大きくなるか、若しくは小さくなるように、それぞれ配置したことを特徴とする。
【0008】
しかして、このように構成されたジェット推進型滑走艇によると、ステアリング操作をすることによって、旋回したい側の舷に配設されたスタビライザーを、水との抵抗が、反対側の舷のスタビライザーの水との抵抗に対して、相対的に大きくなる状態にすることによって(あるいは旋回したい側と反対の側の舷に配設されているスタビライザーを、旋回したい側のスタビライザーの水との抵抗に対して、相対的に小さくなる状態にすることによって)、艇の片方の舷の水の抵抗を反対側の舷に対して変化 (増加又は減少) させて、推進ポンプが十分な量の水を噴射している場合は勿論のこと、噴射量が減少した場合でも、操舵する能力が低減することなく、艇を左右いずれか任意の方向に操舵する (旋回させる) ことができる。
【0009】
また、上記ジェット推進型滑走艇において、スタビライザーが、ステアリング操作した際に、少なくとも、旋回しようとする側のスタビライザーの一部が水に接触するような高さに配置されていると、作動状態において艇の該作動状態側の水に対する抵抗を増加させることができるような構成を実現することができる。
【0010】
さらに、上記ジェット推進型滑走艇において、スタビライザーが、ステアリング操作したときは勿論のこと、中立状態にあるときにも、その一部が水に接触するような高さに配置されているような形態であっても、本願発明の基本的な作用効果を奏させることができる構成となる。
【0011】
また、上記ジェット推進型滑走艇において、スタビライザーが、本体部分と可動部分とを備え、可動部分のみが、ステアリング操作によって上記本体部分に対して作動して、水との抵抗が変化するよう構成されていると、可動部の質量が小さくなり、好ましい構成となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態にかかるスタビライザーを具備したジェット推進型滑走艇について、小型滑走艇を例に挙げて、図面を参照しながら、具体的に説明する。
図1は本発明の実施形態にかかるスタビライザーを省略して一部切り欠いて内部構造を表した小型滑走艇の全体側面図、図2は図1の小型滑走艇の全体平面図、図3は図1に示す小型滑走艇に採用されているスタビライザーの配置を示すデッキ部分を省略した艇の後方から見た図、図4は艇の舷に操舵機能を具備したスタビライザーを配置した状態を示す図1と同様の側面図である。
【0013】
図1,図2において、Aは船体で、この船体Aは、ハルHとその上方を覆うデッキDから構成され、これらハルHとデッキDを全周で接続する接続ラインはガンネルラインGと呼ばれ、この実施例では、このガンネルラインGは、この小型滑走艇の喫水線L(非滑走状態の喫水線)より上方に位置している。
そして、上記デッキDの中央よりやや後部には、図2に図示するように、上面が船体Aの長手方向に沿って延びる平面視において略長方形の開口部16が形成され、図1,図2に図示するように、この開口部16上方に騎乗用のシートSが配置されている。
また、エンジンEは、上記シートS下方のハルHとデッキDに囲まれた横断面形状が「凸」状の空間内に配置される。
このエンジンEは、多気筒(この実施例では3気筒)のエンジンEで、図1に図示するように、クランクシャフト10bが船体Aの長手方向に沿うような向きで搭載されており、このクランクシャフト10bの出力端は、図1に図示するように、プロペラ軸(駆動軸)15を介して、インペラ21が取着されているウォータージェットポンプPのポンプ軸側に、一体的に回転可能に連結されている。そして、このインペラ21は、その外周方が、ポンプケーシング21Cで覆われ、小型滑走艇の底面に設けられた給(吸)水口17から取り入れた水を吸水通路を介して取り込み、ウォータージェットポンプ(推進ポンプ)Pで加圧・加速して、通水断面積が後方にゆくに従って小さくなったポンプノズル(噴出部)21Rを通って、後端の噴射口21Kから吐出して、推進力を得るよう構成されている。なお、図1において、21Vは整流するための静翼である。また、図1,図2において、10は操舵用のハンドルで、このハンドル10を左右に操作することによって、上記ポンプノズル21R後方のステアリングノズル18を、垂直方向に配置された揺動軸18aを中心に左右に揺動させて、ウォータージェットポンプPの稼働(水の噴射)時に、艇を所望の方向に操舵できるよう構成されている。
また、図1に図示するように、上記ステアリングノズル18の上後方には、水平に配置された揺動軸19aを中心に下方に揺動可能に、リバース用のデフレクター19(図1参照)が配置され、このボウル形状のデフレクター19をステアリングノズル18後方の下方位置へ揺動動作させることによって、ステアリングノズル18から後方に吐出される水を前方に転向させて、後進できるよう構成されている。
【0014】
また、図1,図2において、12は後部デッキで、この後部デッキ12には、開閉式のハッチカバー29が設けられ、ハッチカバー29の下方に小容量の収納ボックスが形成されている。また、図1において、23は前部ハッチカバーで、このハッチカバー23の下方には備品等を収納するボックス(図示せず)が設けられている。また、この前部ハッチカバー23の上方には、別のハッチカバー25が配置されて、二層式のハッチカバーが形成され、上記ハッチカバー25には、後端面に設けられた開口(図示せず)からその内部にライフジャケット等を収納することができるようになっている。また、図3に図示するように、排気管22がハルH後端のトランサムボードから後方に突出している。
【0015】
ところで、本発明の実施例にかかる操舵機能を具備するスタビライザー1は、以下のように構成されている。即ち、図3,図4あるいはその要部拡大図である図5,および図6に図示するように、この実施例では、スタビライザー1は、艇の後部両舷に側方に突出するように付設されている。そして、このスタビライザー1は、図2に示す如く平面視及び図4,図5に示す如く側面視において、全体が砲弾型をしており、前方への航行時の水の抵抗を低減するような構成になっている。また、このスタビライザー1の背面形状(あるいは断面形状)は、図3および部分拡大図である図6,図7に図示するように、ハート型の一部を切除したような形状をしている。つまり、底面1Dが中央でやや上方に凹んだような形状をしている。
【0016】
そして、上述のような形状を具備したスタビライザー1は、図5に図示するように、該スタビライザー1の長手方向の先端から1/3程度後端よりの部位であって、高さ方向中央位置に、枢着軸41が設けられて、この枢着軸41を中心に、図5の矢印Yで示すように、反時計方向に所定角度だけ(この実施例では略5度程度)回動するよう構成されている。また、このスタビライザー1は、この実施例の場合、P.P.(ポリプロピレン)製のブロー成形品で、内部が空洞になっている。
そして、図6に図示するように、このスタビライザー1の艇側には、補強用の板材(この実施例では、ステンレス板)42が、図5に図示するように、ボルトとナット44を介して、長手方向に略均等に4箇所で固定されている。また、艇のハルHの内方には、補強用の板材(この実施例では、ステンレス板)43が配置され、これらの板材42,43および船体Aとスタビライザー1との間に介装されるステンレス板からなるスペーサ45を介して、船体Aの両舷、つまり艇側に、スタビライザー1がそれぞれ取着されている。また、図6に図示するように、上記板材43の一部を利用して操作ケーブル56の後端部を定位置に固定する固定部43Dが形成されている。
また、図5において、46はスタビライザー1の表面側に配置されている補強用の板材(この実施例では、ステンレス板)である。
そして、このスタビライザー1の後端から1/4程度先端よりの部位の、高さ方向中央位置には、図8に概略の斜視図で示すように、カム板51とこれに一体に取着される回動軸52が取着されている。このカム板51には、長穴51aが設けられ、この長穴51a内に上記板材42から突出した丸棒状の突起42aが配設され、このカム板51が矢印R方向に回動すると、上記板材42が下方に移動するようになっている。つまり、上記回動軸52を回動させることによって、スタビライザー1の後端側が上記枢支軸41(図5,図6参照)を中心に下方に揺動する。なお、上記枢着軸41を中心に揺動する上記板材42には、揺動の際に上記回動軸52との干渉を避けるために、図示しない長孔が形成されている。
【0017】
図7に図示するように、上記回動軸52は船体A内に延設されるとともに船体A側に回動自在に枢支されており、この回動軸52の船体A内に延設された部位には、スタビライザー1に所定以上の大きさの外力が作用すると、係合する二つの部材53A,53Bの各係合面53a,53bがずれる側に所定角度だけ回動して、外力を緩和する外力緩和機構53が、配置されている。つまり、この外力緩和機構53は、上記二つの部材53A,53Bのうちの一方の部材53Aが回動軸52にスプライン結合するとともに、他方の部材53Bが、ハンドル10とワイヤー56を介して連結するレバー54に一体に形成されている。
そして、上記二つの部材53A,53Bの互いの接合面53a,53bは、平面視において、例えば、波形(あるいは台形と逆台形が交互に連続した形状であってもよい)に構成されており、これら各係合面53a,53bが接合するよう、該二つの部材53A,53Bは、バネ53sによって押圧されている。
そして、上記バネ53sの終端は、座金53fを介して、ナット53gによって、回動軸52上に圧縮状態で固定されている。
また、この外力緩和機構53のバネ53sのバネ力は、外力緩和機構53としての能力に合わせて適宜設定すればよい。つまり、係合面53aに対して係合面53bが所定角度範囲内において回転するようにし、この所定角度とは、部材53B側の波形の凸端と次の凸端の間に部材53A側の凸端が必ず存在するような状態が維持できる範囲内の角度で、この実施例の場合には、この回動する角度の範囲は、回動軸52の中心軸を中心に約30度程度(スタビライザー1の回動角度に直して約5度程度)となっている。
【0018】
また、上記レバー54には、先端が上記ハンドル10側に連結された操作ケーブル56の後端56bが取着され、ハンドル10を左右に操作すると、例えば、右に旋回したい場合には、右側のスタビライザー1の後端が下方に揺動するよう構成されている。なお、この際、左側のスタビライザー1は、元の状態を維持する。この実施例では、この元の状態を維持する構成としては、上記ケーブル56を、「プル」側にのみ作用するよう(引張力のみ伝達し圧縮方向の力は伝達しないよう)な構成を採用している。
【0019】
また、上記スタビライザー1は、この実施例では、停止あるいは低速で航行している状態では、図4のに図示する如く、喫水線Lに対して、水没した状態となる。また、滑走状態においては、図4において喫水線L2(図4参照)として示すように、スタビライザー1の下端部が水中に位置するような状態となる。
【0020】
しかしながら、このスタビライザー1は、停止あるいは低速で航行中又は滑走中のいずれの状態においても、水中に没するような状態に配置してもよいが、少なくとも、上記ハンドル10を操作した際に、操舵機能を奏するためには、左右いずれかのスタビライザー1の一部が水面に接触するような状態が形成される必要かある。
【0021】
しかして、上述のように構成された本スタビライザー1を備えた滑走艇は、以下のように作用する。即ち、操舵用のハンドル10を左右いずれに操舵すると、操舵した側、例えば、右側にハンドル10を切ったとすると、右舷に配置されたスタビライザー1の後端部が下方に下がって、左舷に配置されているスタビライザー1の水に対する抵抗に比べて、相対的に右舷のスタビライザー1の水に対する抵抗が大きくなり、また、左側にハンドル10を切ったとすると、左舷に配置されたスタビライザー1の後端部が下方に下がって、右舷に配置されているスタビライザー1の水に対する抵抗に比べて、相対的に左舷に配置されているスタビライザー1の水との抵抗が大きくなり、抵抗が増加した側、つまり左に艇は旋回することができる。
従って、ハンドル10の操作によって、上記ウォータージェットポンプPが十分な量の水を噴射している状態にあるときにも、噴射ポンプからの噴射方向の変化による操舵作用だけの場合に比べてさらに操舵機能が強化され、且つ、噴射量が減少あるいは噴射が停止した場合には、スタビライザー1によって操舵することができる。
【0022】
ところで、上記実施例の場合には、艇を旋回させたい側の、スタビライザー1の、水に対する抵抗を増加させることによって、旋回するよう構成しているが、旋回させたい側と反対側に配置されているスタビライザー1の水に対する抵抗を、旋させたい側のスタビライザー1の水に対する抵抗に比して、小さくして、旋回するように構成してもよい。
例えば、右に旋回させたい場合に、左舷に配置されているスタビライザー1を水に対する抵抗が、右舷に配置されているスタビライザー1の水に対する抵抗に比べて、相対的に小さくなるように構成することによって、艇を右に旋回するように構成してもよい。
【0023】
ところで、上記実施例では、スタビライザー1全体を枢支軸41を中心に揺動可能に構成しているが、これに代えて、図9に図示するように、スタビライザー1の一部(この実施例では中央から後端側の部分:「可動部」という)1Bのみを、スタビライザー1の本体1Aとは別部材に構成して、この可動部1Bを枢支軸141を中心にその後方の部分が下方に揺動できるように構成しても、上記同様の作用効果を得ることができる。
【0024】
また、上記実施例では、図7,図8に図示するように、レバー54によって、回動軸52に一体に取着されたカム板51を揺動させるよう構成しているが、これに代えて、図9に図示するように、操作ケーブル56によって、駆動ギア71を回動するよう構成し、この駆動ギア71によって、回動軸52に一体に取着された被駆動ギア72を介して、該回動軸52を回動可能に構成してもよい。この図9に示す実施例の場合には、外力緩和機構としては、後述する図10,図11に図示する構成のものが好適な外力緩和機構となる。
【0025】
また、上述した実施例では、外力緩和機構53をスタビライザー1の近傍にそれぞれ配置しているが、これに代わる外力緩和機構として、図10に図示するような構成(実施形態)にすることができる。つまり、
図10,図11に図示するように、ハンドル10(図1,図2,図4参照)の回動軸10Aの下端部に、スタビライザー1に作用する外力を緩和する機構を付すことができる。つまり、上記回動軸10Aの下端に、ステアリングノズル18(図1,図2参照)操作用の部品として、円板状のフランジ部材10Bを、一体的に回動するよう固着するとともに、このフランジ部材10Bの下端部に、一体的に、例えば、側面視において台形と逆台形が交互に連続した形状(あるいは波形であってもよい)で全体が肉圧の円板状で下端に係合面10dを有する部材10Dを、中心に上記回動軸10Aの下端部が下方に貫通した状態において、ボルト10wで取着する。そして、上記連続した形状の係合面10dに対応する台形と逆台形が交互に連続した形状(係合面10dが波形の場合は波形であってもよい)の係合面10eを上面に有する同形の部材10Eを、それぞれの係合面10d,10e相互が係合する状態で接合し、上記部材10Eを、下面から部材10D側(上側)にバネ10Fで押圧して、この接合状態を維持するよう配置する。このバネ10Fの内部には上記回動軸10Aが貫通するとともに、回動軸10Aの下端には、上記バネ10Fを圧縮した状態で固定するためのナット10Gが配置されている。また、このバネ10Fのバネ力は、スタビライザー1に外力が作用したときに、上記接合面10d,10e相互が中心軸O10を中心に所定角度移動(回動)するようなもの、つまり、係合面10dに対して係合面10eが所定角度範囲内において回転するようにし、この所定角度とは、部材10D側の台形と逆台形が交互に連続した形状の凸端と次の凸端の間に部材10E側の凸端が必ず存在するような状態が維持できる範囲内の角度で、この実施例の場合には、この回動する角度の範囲は、中心軸O10を中心にして左右に約45度(左右合わせて略90度)程度となっている。しかし、この角度は、上述したスタビライザー1(図12参照)に作用する外力を緩和する能力との関係で、適宜設定すればよいものである。
また、上記部材10E側に一体に固定部10hが左右一対形成され、この固定部10hに、ワイヤー56の先端56aの連結部分56Aが、ボルト10kを介して、連結される。そして、このワイヤー56の後端は、スタビライザー1に連結されている。
【0026】
このように構成された外力の緩和機構によると、本願の各種実施形態にかかるスタビライザー1(図12参照)に外力が作用したときに、上記ワイヤー56が艇の後方側(図10において左側)に引っ張られるが、上記部材10Eが部材10Dに対してその外力の大きさに応じて、上記接合面10d,10e相互が中心軸O10を中心に移動(回動)することによって吸収される。即ち、外力は、接合面10d,10eの傾斜部分の上下方向(軸方向) の離間動作を介して、バネ10Fのバネ力によって吸収されることになる。
そして、この実施例の場合には、従来有効利用されていなかったハンドル10(図1参照)の回動軸10Aの下方部位を有効利用して配置できる実施形態となり、また、船体内に係合面(接合面)が配置できるので、外観が向上するとともに防錆上も効果がある。また、図7に図示する実施例のように、左右のスタビライザー用にそれぞれ左右に設けることなく、一つ緩和機構を設ければ良い点で、部品点数の減少及び軽量化が図れる。
なお、図10において、65は、ステアリングノズルを操作するためのワイヤー(図示せず)の先端部を連結するためのボルト取着箇所で、こ連結箇所65はフランジ部材68に形成されている。また、図11において「α」はハンドルの中立位置から右および左への回動角度を示す。
【0027】
このように、これらステアリングノズルを操作するための機構(部材)、あるいは図示しないリバース用のリバーサ操作用のハンドル近傍の機構(部材)とも物理的に干渉することなく配置することができる。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、スタビライザーを利用してステアリング部材として機能させるものであり、特別にステアリング部材を必要としない。しかも、外観的にもすっきりとした外観が得られる。そして、推進ポンプからの水の噴射量が減少した場合でも、艇を操舵する能力が低減するのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態にかかるスタビライザーを省略して一部切り欠いて内部構造を表した小型滑走艇の全体側面図である。
【図2】 図1の小型滑走艇の全体平面図である。
【図3】 図1に示す小型滑走艇に採用されているスタビライザーの配置を示すデッキ部分を省略した艇の後方から見た図である。
【図4】 艇の舷に操舵機能を具備したスタビライザーを配置した状態を示す図1と同様の側面図である。
【図5】 一部切り欠いて船体内部の操作ケーブルを示すスタビライザー部分の拡大側面図である。
【図6】 枢支軸部分の構成と操作ケーブルの取着部の構成を示す図5のVI−VI矢視図である。
【図7】 スタビライザーの駆動部分の機構と外力緩和機構の構成を示す図5のVII−VII矢視図である。
【図8】 スタビライザーを駆動するカム機構部分の構成を示す部分斜視図である。
【図9】 他の実施例にかかるスタビライザーの構成とその駆動機構の概略の構成を示す艇の後端部の部分側面図である。
【図10】 図7に示す外力を緩和するための機構とは別の実施例にかかる機構で、艇のハンドル下端部に形成することができる機構の要部のその近傍の構成を示す部分側面図である。
【図11】 図10の外力緩和機構を平面から見た構成を示す図10のXI−XI矢視平面図である。
【符号の説明】
1……スタビライザー
Claims (6)
- 水面を滑走するジェット推進型滑走艇の両舷に、スタビライザーを備えたジェット推進型滑走艇において、
上記両舷の各スタビライザーを、ジェット推進型滑走艇の後部の両舷から側方に突出するように、且つ、該スタビライザーの側面から船体方向へ延びる枢支軸を中心に回動可能に、付設し、
上記両舷の各スタビライザーを、ステアリング操作手段の操作に連動して、旋回したい側のスタビライザーの水との抵抗が反対側のスタビライザーの水との抵抗よりも相対的に大きくなるように変化させることが可能に構成したことを特徴とするジェット推進型滑走艇。 - 前記スタビライザーが、ステアリング操作した際に、少なくとも、その一部が水に接触するような高さに配置されていることを特徴とする請求項1記載のジェット推進型滑走艇。
- 前記スタビライザーが、ステアリング操作したときは勿論のこと、中立状態にあるときにも、その一部が水に接触するような高さに配置されていることを特徴とする請求項1記載のジェット推進型滑走艇。
- 前記スタビライザーが、本体部分と可動部分を備え、可動部分のみが、ステアリング操作によって上記本体部分に対して作動して、水との抵抗が変化するよう構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1の項に記載のジェット推進型滑走艇。
- 前記可動部分が、右旋回あるいは左旋回するようステアリングを操作した際に、水との抵抗が増加するよう構成されていることを特徴とする請求項4記載のジェット推進型滑走艇。
- 前記スタビライザーの上記枢支軸より後端側へ偏位した部位に突起を形成するとともに、
艇内から、上記突起と係合する長穴を備えたカム板を先端に有する回動軸を、スタビライザー側に突設し、
上記回動軸を回動させることによって、上記スタビライザーを上記枢支軸を中心に所定角度揺動可能に構成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1の項に記載のジェット推進型滑走艇。
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